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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5901-6000

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5901-6000
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TIM RIPPER OWENS - Play My Game - The Cover Up ★★ (2019-08-23 01:10:27)

リッパーのスクリームと、ジェフ・ルーミスの火を吹くようなGが
真っ向ぶつかり合う様がスリリングな疾走ナンバー。
歌メロにもうちょいフックがあれば尚良かった。


TIM RIPPER OWENS - Play My Game - The Shadows Are Alive ★★★ (2019-08-23 01:20:40)

抒情的なイントロに始まり、ドゥーム・メタルばりに
タメを効かせた前半から、重々しくテンポアップしていく
アルバムの締め括りに相応しい重厚感を湛えたヘヴィ・チューン。
SAVATAGEのクリス・キャファリーが秀逸なGソロを提供してくれています。


TINDRUM - Cool.calm&collected ★★ (2016-08-03 22:43:18)

元TNTのドラマーで、『TELL NO TALES』を最後にバンドを去った(紆余曲折を経て現在はTNTに出戻っている)ディーゼル・ダウルにより結成されたバンドが、フロントマンを女性シンガーから、TNT時代の同僚D.D.ダイナマイトことダグ・インブリゲットセンに代え、'92年に発表したリ・レコーディング・ベスト盤。(正確には、前任の女性Vo時代の楽曲のみを録り直している模様)
ごく初期のゼロ・コーポレーションのカタログ(帯がまだピンク色だった頃)を彩った1枚として記憶に残っている作品で、音楽性はTNTから北欧メタルならではのドラマ性を薄めた感じのモダンなハードポップ。ダグ・インブリゲットセンのVoはTNT時代のドン臭さが嘘のように自信に満ち溢れていますが、この手の楽曲を歌うには少々野太い地声なのは相変わらずなので、好き嫌いは分かれるかもしれません。
TNTと比較してしまうと、楽曲の小粒さには如何ともし難いものがありますけれども、ゲイリー・ムーアの“OVER THE HILLS AND FAR AWAY”に着想を得た感じ(?)のバンドの代表曲①、程度なハードさが備わった②③、Gソロが秀逸な⑥、乾いた哀愁薫るアコギ・バラード⑧、ポップで健康的な⑪等、確かなヒット・ポテンシャルを感じさせてくれる収録楽曲の数々からは、本国ノルウェーでは№1ヒットを飛ばす人気バンドとしての貫禄を伺うことが出来ます。
昔は地味に思ったものですが、今聴くとジワジワ沁みて来ますね、これ。


TNT - Intuition ★★★ (2011-02-08 22:50:18)

前作『TELL NO TALES』にて確立された「TNT流HRサウンド」を一層磨き上げ、彼らの最高傑作レベルにまで昇華して見せた'89年発表の4thアルバム。
濁りのない水晶細工のようなト二ー・ハーネルのハイトーンVoと、澄んだ音色で美旋律を滑らかに紡ぎ出す一方、時にトリッキーな動きで聴き手の虚を突くロ二ー・ル・テクロのGプレイを2本柱とする収録楽曲の数々は、“TELL NO TALES”のようなヘヴィ・メタリックな疾走ナンバーが姿を消した代わりに、胸高鳴るポップ・フィーリングと壮麗なボーカル・ハーモニー、そして表裏のジャケット・アートワークに切り取られた、ノルウェーの美しい自然や二ーダロス大聖堂の如き荘厳な雰囲気が大増量。聖歌を思わせる神々しさを纏った①から、分厚いハーモニーに心打たれるバラード⑪に至るまで、本編は最初から最後まで捨て曲皆無。(今ひとつ評判の宜しくない⑧も、QUEENに通じる遊び心が感じられて個人的には嫌いじゃない。そもそも⑨へのイントロみたいなものだし)
そうした完成度を更なる高みへと押し上げてくれるのが、北欧メタル史において並ぶモノなしとされる至高のサウンド・プロダクション(手掛けたのはビヨルン・ネッショー)。クリアで瑞々しい音作りの援護射撃を受け、鮮やかに駆け抜けていく③④⑤は、ハイレベルな楽曲/演奏/プロダクションの3拍子揃った、いつ何時聴いても心洗われる本編のハイライト足る名曲だ。
↑上で別の方が仰られている通り、TNT云々以前にHR/HM史に燦然と輝く名盤の一つですね。


TNT - Knights of the New Thunder ★★ (2011-02-04 20:21:00)

'84年発表の2ndアルバム。卓越したポップ・センスや劇的なメロディ展開等、後の作品で全面開花する要素を端々に垣間見せつつ、センス絶無のダサジャケに、メタリックな光沢を帯びて刻まれるGリフと、威勢のいい掛け声コーラスをフィーチュアしたハードな楽曲群etc・・・と、本作はTNTの全カタログの中でも飛び抜けて高い「北欧メタル度」を誇る。
メンバーのルックスも含め(サンバイザー・・・)未だ垢抜けない内容ではあるものの、逆にこの頃の彼らならではの魅力を湛えた1枚である事もまた事実。特に、ヴァイキング・メタルばりの重厚感とスケール感を有する①、初期EUROPEからの影響が伺える⑥、荒々しい⑨、勇壮なアルバム表題曲⑩といった楽曲は、格段に洗練されていく次作以降とは味わいを異する名曲だ。
それをより色鮮やかに彩るのが、テクと表現力、そして「華」を併せ持ったロ二ー・ル・テクロのGプレイと、アメリカ人ニュー・シンガー、ト二ー・ハーネルの存在。殊にハーネルの鮮烈な「超音波ハイトーン」は楽曲のグレードを高めるだけでなく、以降、長きに渡ってバンドの重要な看板としての役割を果たし、彼の加入によってTNTが一気に飛躍を遂げる事は後の歴史が証明する通り。
「D.D.ダイナマイト」なんてナウ過ぎる芸名を甘んじて受け入れたにも関わらず、バンドから追い出されてしまった前任シンガーの胸中を慮ると落涙を禁じ得ませんが、まぁそれはそれ、これはこれ。


TNT - Knights of the New Thunder - Deadly Metal ★★ (2011-02-05 23:04:56)

タイトルからしてDEADLYなMETALですよ、お客さん。
『TELL NO TALES』とか『INTUTION』のノリを
期待して聴くと引っ繰り返る事は確実。
ヒステリックなトニー・ハーネルのハイトーンを
フィーチュアして突っ走る「ド」メタルな名曲。


TNT - Knights of the New Thunder - Knights of the Thunder ★★ (2011-02-05 23:00:20)

ディーゼル・タールとモーティ・ブラックが刻む、
勇壮で力強いリズムが印象的な、
次作以降のTNTとはかなり趣きの異なる名曲。


TNT - Knights of the New Thunder - Seven Seas ★★ (2011-02-05 23:09:42)

広大な海原を進むヴァイキングの如く、
ゆったりと壮大さと力強さを兼ね備えた
ドラマティックなOPナンバー。


TNT - Tell No Tales ★★★ (2011-02-07 23:15:58)

サンバイザーを止めたメンバーのルックスといい、ヘヴィ・メタリックなエッジを適度に維持しつつ、ト二ー・ハーネルの美声をサウンドの中心に据え、哀メロのフックを増強して一気に垢抜けた感のある楽曲といい、前作『KNIGHTS OF THE NEW THUNDER』から格段に洗練された'87年発表の3rdアルバム。
全12曲収録ながら、④⑥⑩はインタールード的な役割を果たすインストの小曲であり、トータルのランニング・タイムは30分余りいう、現代の感覚ではEP程度(?)のボリュームしかない本作だが、それでいて物足りなさは皆無・・・と言うか寧ろ満腹感すら覚えてしまうのは、やはり収録楽曲のクオリティの高さゆえか。しかもそれを、一生懸命ゆえ余裕がなく、時に高音部がキンキンと耳障りに響く場面もあった前作から一転、声の透明度/表現力/伸び具合ともに一層の磨きが掛かったト二ー・ハーネルの歌唱と、冷やかな光沢を放つロ二ー・ル・テクロの流麗にしてドラマティック極まりないGプレイが彩るのだから、これで素晴しい作品にならないわけがない。
ハードに切り込んで来る①③⑪、ポップ&キャッチーな②⑦、味わいは異なれど、どちらも「これぞ北欧!」な美しさと叙情性を宿したバラード⑤⑨・・・と、全編哀メロ好きの琴線に触れる名曲の大盤振る舞い。
「4th『INTUITION』と双璧をなす傑作」との評判に偽りなしの1枚。


TNT - Three Nights in Tokyo ★★ (2018-02-13 23:27:56)

’92年に東京・中野サンプラザで行われた「サヨナラ公演」の模様を収録したTNT初の実況録音盤。
そっけない導入部を含め、観客の声援を大々的にフィーチュアしたタイプの作品ではなく、また全盛期のTNTが残した唯一のライブ盤(正確にはVHS作品『FOREVER SHINE ON JAPAN LIVE』もあるけど未DVD化)にも関わらず、選曲が『REALIZED FANTASIES』偏重…というか、バンド側の判断で名盤『INTUITION』から当日披露された楽曲が悉くオミットされるというご無体極まる構成ゆえ、リアル・タイムで聴いた当時は全く乗れず、CD棚で埃を被らせてしまっていたという。
ただ、紆余曲折ありつつも再結成TNTが活動を継続する現在では、もう少し落ち着いて本作を吟味できようになりまして。で、冷静に分析してみたところ、やっぱり選曲の弱さには如何ともし難いものがあるなぁと。それでも、解散が決定的な状況下で敢行されたことから「集金ツアー」なんて揶揄にも怯むことなく会場へ駆けつけた熱心のファンの声援を受け、ロニー・ル・テクロのGプレイを始めとするバンドの演奏は冴え渡っていますし、『REALIZED~』のハイライトを飾った名バラード“LIONSHEART”におけるトニー・ハーネルの圧巻の歌唱は「感動的」の一言に尽きる。メンバー紹介や観客との掛け合いを盛り込んで、『TELL NO TALES』『KNIGHTS OF NEW THUNDER』収録の名曲が畳み掛けられる終盤の流れは、「あれ?結構盛り上がるぞ」と。
なんやかんや言いつつも、やはり手放せない1枚なのでありました。


TNT - Three Nights in Tokyo - Lionheart ★★★ (2018-02-13 23:31:27)

アルバムでもこの名バラードの存在感は
際立っていましたが、本ライブ盤でも
ハイライトは間違いなくこの曲。
スタジオ・バージョン以上に感動的な
トニー・ハーネルの熱唱に、涙、涙…。


TOBRUK - Pleasure & Pain ★★ (2012-06-14 07:16:25)

デビュー作『WILD ON THE RUN』のセールスがパッとしなかったことからEMIと契約を切られてしまったTOBRUKが、新たにFM REVOLVERとディールを交わして'87年に発表した2ndアルバムにして最終作。
1stアルバムは「初期BON JOVIを愛する英国のバンド」的な作風が独特の味となっていましたが、今回は角が取れて丸みを帯びたモダンなプロダクションに、Gが引っ込みKeyが前に出た音作りといい、良くも悪くもBON JOVIっぽさを薄れさせたサウンドは一気に洗練が進んだ仕上がり。
別にポップになったわけではなく、また、隠しきれない英国人テイストも随所で顔を覗かせてはいるのですが、全体的にメロディからヨーロッパ的な憂いや陰りが薄れていて、初めて聴いた時は「あー、こうなっちゃったか」と思った記憶あり。
目立ちまくりのKeyはそれに見合うだけの良い仕事をしてくれていますし、洗練された楽曲も間違いなく質は高い。キャッチーに躍動する④や、アルバム屈指のハード・チューン⑤、そして前作の作風に最も近しいドラマティックな曲展開が魅力の⑧等は、メロディアスHRファンなら一度は聴いておいて損のない名曲/佳曲と言える素晴しさ。
・・・なのですが、やはり、荒削りだけど思わず目(耳)を奪われる輝きを放っていた前作と比べてしまうと、どうにも堅実にまとまり過ぎていて物足りなさが残る・・・というのが正直な感想でしょうか。贅沢な話ですが。
アメリカン・ロック好きの方の評価が聞いてみたい1枚ですね。


TOBRUK - Pleasure & Pain - Let Me Out of Here ★★★ (2012-06-14 21:28:20)

アルバムのクライマックス役を担う
ドラマティックな名曲。
琴線に触れるソロを聴かせてくれるG等、
2ndアルバム収録曲中、最も前作の色合いを
濃く残した楽曲ではないでしょうか。


TOBRUK - Pleasure & Pain - No Paradise in Heaven ★★ (2012-06-14 21:26:44)

ギンギンにロックしているアップテンポの
HRナンバーですが、耳に優しい音作りと
垢抜けたKeyの存在は、やはり前作とは
異なる感触を与えてくれます。


TOBRUK - Wild on the Run ★★★ (2012-01-07 00:07:52)

80年代初頭に英国はベッドフォードにおいて結成され、'83年にNEAT RECORDSからキャッチーに弾む名曲“WILD ON THE RUN”のシングルをリリースしてデビューを飾った6人組のメロハー・バンドが、EMIと契約後、わざわざ渡米してフィラデルフィアでレコーディング作業を行い'85年に発表した1stフル・アルバム。
BON JOVIとの仕事で知られるランス・クインがプロデュースを担当し、瑞々しい音色のKeyと洗練されたボーカル・ハーモニーをフィーチュアした哀愁のハードポップ・サウンドから「英国のBON JOVI」なんて評判を呼んだ彼ら。
未だBON JOVIと言えばデビュー作を最も愛して止まない自分にとっては本作はピタリとツボにハマる1枚で、“RUNAWAY”風のKeyの三連符イントロに胸躍る初期BON JOVIタッチの②や、アルバム終盤を締め括る⑦⑧⑨(いずれもドラマティックなKeyのイントロから始まるのが特徴ですね)といった、ヨーロピアンなドラマ性とアメリカナイズされたポップ・センス、それにエッジの効いたツインGとが良い按配に溶け合わされた楽曲の数々はまさしく美味。
この手のサウンドを歌うには、スティーヴン・タイラーやケヴィン・ダブロウの系譜に連なるしゃがれ声のVo(但し歌唱力は十分)がやや不似合いな気がしなくもないのですが、まぁこの完成度の高さの前には大した問題ではありませんて。
本作は、確かなクオリティを備えていたにも関わらずセールス的にはパッとせず、バンドはもう1枚アルバムもリリースした後に解散。Vo('06年に死去)はデビュー前のWILDHEARTSに参加し、KeyとDsはドゥギー・ホワイトらと共にMIDNIGHT BLUEへの参画を果たしている。


TOBRUK - Wild on the Run - Falling ★★★ (2012-01-08 08:04:01)

“孤独のランナウェイ”を思わせるKeyのイントロに
ハート鷲掴みな1stアルバムのハイライト・ナンバー。
曲そのものは然程“RUNAWAY”に似てはいるわけでは
ないのですが、哀愁を帯びたHRサウンドという
その方向性自体は明確に初期BON JOVI路線を志向。
メロディはもっとウェットで欧州風味が強いですけどね。


TOBRUK - Wild on the Run - Wild on the Run ★★★ (2012-01-08 07:55:46)

デビュー・シングルにして、1stフル・アルバムの
タイトル・トラックでもあるTOBRUKの代表曲。
シングルとアルバム、どちらのバージョンにも
それぞれの良さがあるのですが、
個人的にはより洗練され躍動感も増している
アルバム・バージョンの方が好み、かな。


TOBY HITCHCOCK (2011-12-13 22:57:10)

元SURVIVORのジム・ピートリックに見出され、PRIDE OF LIONSでデビューを飾った若きシンガー。
『PRIDE OF LIONS』『THE DESTINY STONE』『THE ROARING OF DREAMS』という3枚のスタジオ・アルバムと、ライブ盤『LIVE IN BERGIUM』に参加。幼少の砌よりゴスペルや教会の賛美歌を歌って鍛えられた4オクターブに及ぶ鮮烈且つ強靭な歌唱力を持って、作品の完成度向上に大きく貢献。
ちなみにPOLは来年早々に4thアルバムをリリース予定なのだとか。

FRONTIER RECORDSの仲介で知己を得たエリック・マーティンソンのバックアップを受け、POLの休眠期間を利用して初のソロ・アルバムをレコーディング。この作品は『MERCURY'S DOWN』と名付けられ、'11年にリリースされた。


TOBY HITCHCOCK - Changes ★★★ (2021-10-05 07:23:53)

メロハー界の名匠ジム・ピートリックとのデュオ・プロジェクトPRIDE OF LIONSでも順調にアルバム・リリースを重ねるシンガー、トビー・ヒッチコックが’21年に発表した3枚目のソロ・アルバム。
1st『MERCURY’S DOWN』(’11年)ではECLIPSEのエリック・マーテンソンを、2nd『RECKONING』(’19年)ではFIND ME、THE MURDER OF MY SWEET他のダニエル・フローレスをそれぞれ起用する等、ブレイン役は一作毎に替えていて、今回の仕切りにはFRONTIERS RECORDS関連作品でその名前を見聞きしないことはないんじゃなかろうか?なアレッサンドロ・デル・ヴェッキオが満を持して登板。彼の起用に合わせるように、サウンドの方もハード・ロッキンな爽快感や躍動感は抑えめに、より哀愁のメロディをじっくりと聴かせるAOR/産業ロック寄りのスタイルへと変化しています。
未だ1stを愛聴する身としてはその点が若干寂しくもあるのですが、とはいえ爽やかに駆け抜ける⑩(ジョエル・ホークストラがGでゲスト参加)のようなHRナンバーもきっちり用意されていますし、何よりジム・ピートリックが「より歌声のニュアンスや強弱を出すことで、深みや表現力がますます増している」と太鼓判を押すトビーの抜群の歌唱力が生きる、泣きに満ちた④、ピアノの旋律が切なさを引き立てる⑥、フィナーレを物悲しくもドラマティックに彩る⑪といった、エモーショナル極まりないバラード系の楽曲の充実ぶりには心底惚れ惚れさせられますよ。
近年でも指折りの実力派シンガーの歌を思う存分に堪能できる力作です。


TOBY HITCHCOCK - Changes - Don't Say Goodbye ★★★ (2021-10-05 23:07:59)

ピアノと泣きのギターの援護射撃を受けて
トビー・ヒッチコックが悲哀に満ちたメロディを
切々と歌い上げるドラマティックなバラード。
ボートラとしてアコギ・バージョンも収録されていることから
アーティストサイドもこの曲をリーダートラックと
位置付けていることが伺えます。


TOBY HITCHCOCK - Mercury´s Down ★★★ (2011-12-13 23:00:51)

SURVIVORの正統後継者的なサウンドが持ち味のPRIDE OF LIONSに対し、ECLIPSEやW.E.T.といった自らのバンドのみならず、幾多のメロディアスHRプロジェクトにおいても優れた楽曲を提供してきたエリック・マーティンソンがブレイン役を務めているこのトビー・ヒッチコック初のソロ・アルバムは、よりハード且つ劇的な北欧メタル・テイストが支配的。
甘口になり過ぎぬようピリリとエッジの効いたGに、スケール感とダイナミズムを演出するリズム隊、それに爽やかな透明感を運んで来てくれるKey等の楽器陣の的確なサポートを得て、トビーさんが声域/声量/表現力と、この手のサウンドを歌うのに求められる力量をほぼパーフェクトに兼ね備えた「こんだけ歌えたらシンガー人生が楽しくて仕方なかろうなぁ」ってな自慢の喉を存分に披露しているのだから、これで素晴しい作品にならないわけがない。
劇的にして緊迫感溢れるOPナンバー①に始まり、圧巻の歌唱力が堪能できるバラード⑤を経て、ドラマティックに終幕を告げるアルバム表題曲⑫に至るまで、哀愁と爽快感、それにキャッチーなメロディが絶妙なバランスで交錯する楽曲がズラリ揃った本編に捨て曲は皆無。
今年リリースされたメロディアスHRアルバムの中でも屈指の完成度を誇る1枚のように思います。


TOBY HITCHCOCK - Mercury´s Down - Murcury's Down ★★★ (2011-12-17 01:43:57)

力強い曲調とパワフルで伸びやかなトビー・ヒッチコックの
歌声とが相俟って、一際ドラマティックな印象を残して
アルバムを締め括るタイトル・トラック。


TOBY HITCHCOCK - Mercury´s Down - One Day I'll Stop Loving You ★★★ (2011-12-17 01:46:30)

エモーショナル且つ陰影に富んだ歌唱力で
楽曲のスケールをぐぐっと広げる
トビー・ヒッチコックの歌声を堪能するに
もってこいの名バラード。
何処までも真っ直ぐに伸びていく
曲半ばで炸裂するハイトーンが爽快です。


TOBY HITCHCOCK - Mercury´s Down - Summernights in Cabo ★★★ (2011-12-17 01:50:27)

SURVIVORやPRIDE OF LIONSの系譜に連なる
爽快なHRナンバー。
地平線まで見渡せる広大な一本道を、
オープンカーでドライブしているような
解放感が味わえる1曲です。


TOBY HITCHCOCK - Mercury´s Down - This Is the Moment ★★★ (2011-12-17 01:24:04)

劇的なイントロとサビメロが
ドラマティックな盛り上がりを演出する
アルバムのOP曲に持って来いの逸曲。
「SURVIVORやPRIDE OF LIONSじゃ軽すぎるぜ」
という諸兄にもお薦め。


TOBY HITCHCOCK - Reckoning ★★★ (2019-02-21 00:31:52)

ジム・ピートリックに見い出され、PRIDE OF LIONSのフロントマンとしてデビュー。まろやかで雑味のない、さながら良質なワインの如き歌声で「無名シンガーにこんな凄い奴がいたのか!」とメロハー愛好家をビックリドッキリさせたトビー・ヒッチコックが、ダニエル・フローレスをプロデューサーに起用、FRONTIERS RECORDSが擁する腕利きソングライター陣の助力も得て8年ぶりに発表した待望の2ndソロ・アルバム。
エリック・マーテンセン(ECLIPSE)の曲作りの才能とトビーの卓越した歌唱力が、リンゴとハチミツばりに恋をしたバーモントな名盤『MERCURY’S DOWN』はスケールの大きなメロディックHRアルバムでしたが、今作はスケール感やドラマ性は控えめに、その分トビーの歌にフォーカスを絞ってメロハー成分を強めた仕上がり。マジックが働いた結果「掛け算」の産物となった前作に比べると、上手いシンガー+敏腕プロデューサー+腕利きソングライター勢という「足し算」志向の本作は、トビーのソロ・アルバムとしてよりも「良く出来たFRONTIERSブランド作品」として無難に置きに行った感じがしなくもない。…というのは穿った見方が過ぎますかね?
尤も、だからって完成度が損なわれているなんてことはなく、張り良し/艶良し/伸び良しなVoによって歌われる、爽快な②、エモーショナルなバラード③(アコギ・バージョンの⑫も感動的)、Gソロも秀逸なポップ・チューン⑥、アップテンポでキャッチーな⑦⑩等々、優れた名曲の数々を収める本作が三ツ星に値する力作であることは間違いないのですが。
本作聴いて気に入った方は、前作も是非どうぞ。


TOBY HITCHCOCK - Reckoning - Promise Me ★★★ (2019-02-21 23:40:44)

澱みなく真っすぐに伸びていくトビー・ヒッチコックのVoと
爽快感に満ちた曲調が相性バッチリ。
PVが作られていると知った時は、
「やっぱりこの曲をリーダー・トラックに選ぶよねぇ」
と、力強く頷いてしまいましたよ。名曲。


TOBY HITCHCOCK - Reckoning - Serenity ★★★ (2019-02-21 23:48:06)

ポジティブでキャッチーなメロディがスッと胸に沁み込んでくる
NEWMANのスティーヴ・ニューマン提供のポップ・チューン。
この人、曲作りだけでなく泣きを発散するGソロも大変素晴らしく、才人だなぁと。


TOKYO (2012-07-05 22:03:33)

80年頃にドイツはフランクフルトにて結成。スタジオ・ミュージシャン兼ソングライターとして鳴らしたロビン・ムセンビチラー(G、Vo)、CRAAFTやLULEYといったメロディアスHRバンドでの活動でも知られるクラウス・ルーリー(Vo、G)、それに黒人Bのケン・テイラー、ルーサー・ケレル(Key)、フリッツ・マッカ(Ds)というラインナップで、'81年にRCA RECORDSからセルフ・タイトルの1stアルバム(邦題は『トーキョー』)を発表してデビューを飾る。
翌年、2nd『FASTEN SEAT BELTS』(邦題『トーキョー2』)、'83年には3rd『SAN』(日本盤は未発売)をリリース。
大きな成功を収めることなく解散してしまったバンドなれど、美しいハーモニーとフック満載のメロディに彩られたハード・ポップ・サウンドに対するマニア筋からの評価は高く、'12年にはYESTERROCK RECORDSから待望の全カタログのCD化が実現した。


TOKYO - Fasten Seat Belts ★★★ (2012-07-05 22:06:25)

'82年発表の2ndアルバム。(邦題は『トーキョー2』・・・て、これまたそのまんまですな)
前作のOPナンバーは“TOKYO”でしたが、今回のOPナンバーは“KEIKO”ですよ。思わず「三択の女王かい」とツッコミを入れたくなりますが、国内盤の邦題は更に“K子”と来たもんだ。女性週刊誌っかつーの。しかし、これが(“TOKYO”が名曲であったように)アルバムのハイライト・ナンバーの1つに推したくなるほどポップな名曲だったりするのだから侮れません。
本作で聴かれる音楽性は、デビュー作の作風を忠実に継承する洗練されたハードポップ・サウンドで、前作が気に入った方はこちらもマスト・バイ。前述のOPナンバー“KEIKO”(「愛スル人ヨ♪」ってな日本語詞も登場)から、哀愁に満ちた“DREAMER”や、GとKeyのユニゾン・プレイがカッコイイ“DREAMING OF YOU”を経て、Gがホットに弾きまくるラスト・ナンバー“LADY”に至る本編は、メロディのフックを弱めることなくハードさも増量することにも成功しており、収録曲の質という点においては前作を上回る勢いのクオリティを提示。
バンドの最高傑作に推すファンも多いという話も大いに納得の、産業ロックの名盤です。


TOKYO - Fasten Seat Belts - Dreamer ★★★ (2012-07-08 20:48:35)

叙情的なメロディに上手いVo、美しいハーモニー、
楽曲をしっとりと彩るKey等、まるでお手本のような
完成度の高さを誇る産業ロック・ナンバー。


TOKYO - Fasten Seat Belts - Keiko ★★★ (2012-07-08 10:59:06)

邦題は“K子”(週刊誌のイニシャルトークか)
「愛スル人ヨ」という日本語詞も飛び出す
KEIKOさんに捧げられたラブソングで
OPナンバーらしい躍動感溢れる曲調と
ポップで爽やかなメロディが心地良い。
Gプレイはブライアン・メイからの影響が感じられたりも。


TOKYO - Fasten Seat Belts - Lady ★★★ (2012-07-08 19:39:45)

2ndアルバム中、最もハードな
感触を残すラスト・ナンバー。
基本的に楽曲最優先のGプレイを
心掛けているロビー・ムセンビチラー(G)ですが
ここでは珍しく熱くハードな弾きまくりを披露。
楽曲を劇的に盛り上げてくれています。


TOKYO - San ★★ (2012-08-20 21:15:52)

当時は国内盤のリリースが見送られてしまったものの、ジャケットに描かれた日本人女性、日本語の「三」から取られたアルバム・タイトル、更に“EMIKO”なる楽曲を収録する等、相変わらず日本ネタには事欠かない'83年発表の3rdアルバム。
上手いVoに上手いG、美しいハーモニーに華やかなKeyと、メロディ職人達の卓越した仕事っぷりを存分に堪能できる本作は、ドイツっぽさの殆ど感じられないキャッチーなハードポップ・サウンドが、これまで同様最初から最後まで貫徹されている一方で、アレンジは益々お洒落になり、楽曲のポップ化も一層押し進められている印象が強い。
それはそれで魅力的とはいえ、個人的に気になったのが前2作に比べメロディから哀愁が薄れている点。特に前半に並ぶ楽曲にその傾向が強く出ているような・・・。尤も、それでも質の高さは疑いようがないですし、インストなのが勿体ないくらいの名曲⑤以降は、躍動感溢れる⑥、Gが活躍する本編中最もハードな⑦、しっとりとした叙情バラード⑨・・・といった具合に「これぞTOKYO」たる魅力を湛えた楽曲が連続。
お決まりの台詞ですが、「これが最終作とは残念至極」な1枚です。


TOKYO - San - Emiko ★★ (2012-08-21 21:59:34)

“KEIKO”の次は“EMIKO”ですよ。
どうせなら歌入りにしてくれりゃ良かったのに
と思わなくもないですが、これはこれで
十分に魅力的な叙情インスト・ナンバー。


TOKYO - Tokyo ★★★ (2012-07-04 22:06:09)

今でも暇を見ては読み返す機会のあるBURRN!!誌'98年11月~12月号の好企画「いにしえのメロディック・ロック」特集で取り上げられ高評価を受けていた、ジャーマン・ハード・ポップ・バンドの'81年発表のデビュー作。(国内盤の邦題は『トーキョー』・・・って、そのままですな)
CRAAFTやLULEY等での活動で知られるリード・シンガー、クラウス・ルーリーの張りのあるハイトーンVoが、時にLUCIFER'S FRIENDのジョン・ロートンを彷彿とさせることを除けば、ドイツ的な要素は殆ど感じられない本作。その最大の魅力は、美麗なハーモニーを作り出す3人のリードVo、リリカルなメロディを紡ぐGとKey、メリハリの効いたビートを刻むリズム隊の職人的な仕事振りがキラリと光る、垢抜けたメロハー・サウンドで、特にOPナンバーにしてアルバム表題曲(&バンドのテーマ曲)“TOKYO”は、大都会のネオンの如き煌きと哀愁を帯びた曲調に胸キュンを誘われる名曲中の名曲。
これ以外にも、タイトル通りの物悲しさが漂ってくる“CRYIN'”、溌剌としてポップな高揚感に満ちた“GIRL”、サックスの導入が効果を上げている“FATHER OF TIME”等、秀逸な哀メロ・ソングが鮨詰めな本作は、まさしくメロディ愛好家なら1度は聴いておいて損のないクオリティ。中でも“TOKYO”はご一聴をお薦めします。


TOKYO - Tokyo - Cryin' ★★★ (2012-07-06 00:24:38)

“泣き濡れて”(だったか?)という邦題通り
哀愁に満ちた叙情ナンバー。
上手い歌に美しいコーラス、洗練されたアレンジの妙や、
派手さは抑えつつ自己主張も忘れない楽器隊のパフォーマンスを
聴いていると、初期TOTOのシルエットが思い浮かびます。


TOKYO - Tokyo - Tokyo ★★★ (2012-07-06 00:18:11)

80年代の新宿の夜景が目に浮かぶような
アーバンで洗練された哀愁のハードポップ・ナンバー。
タイトルから色物臭を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが
そうした心配は無用の名曲中の名曲です。
Voの歌いっぷりの良さや、適度に自己主張する各楽器の
バックアップもあって、意外なくらいダイナミックな仕上がりなのも
頼もしい。


TOKYO BLADE - Dark Revolution ★★ (2020-10-27 01:16:23)

TOKYO BLADEが’20年に新作をリリースしたとの情報を聞きつけ、「アルバムは『THOUSAND MEN STRONG』(’11年)以来、久々だなぁ」と遅ればせながら購入してみたところ、国内盤の解説を読んでビックリ。何と既に’18年に『THOUSAND~』の次作となるアルバム『UNBROKEN』が発表されている上(しかも当サイトにおいて失恋船長さんがレビュー済み)、いつの間にかデビュー作で歌っていた初代シンガーのアラン・マーシュがバンドに出戻っているじゃありませんか。全然気が付いていませんでしたよ。
…と、ちょっとした浦島太郎状態を味わいつつ聴き始めた本作でしたが、アランの歌声は往年の個性をしっかりキープ・オン・ロッキン。若さに溢れていた前任Voに比べると流石にパワーでは劣る感が否めないものの、その分、力んで歌っても肺から空気が漏れていくようないなたさが如何にもNWOBHMシンガー然とした味わいで(誉めてます)、郷愁をそそられずにはいられないという。
その彼が拾っていく煮え切らない歌メロと、曇天模様のリフを刻み、湿ったメロディを奏でる2本のGを両軸に牽引される本編は、復活後なら例えば“LUNCH-CASE”に匹敵するような強力なキメ曲が見当たらないため多少地味な印象がつきまといますが、それでも雄々しくライブ映えしそうな⑤や、ツインGの勇壮なハモリが耳を捉える⑧あたりを始め、聴くほどに沁みて来る滋味深い楽曲を多数収録。ファンが最も支持する初期2作の路線は本作においてもきっちりと継承されています。
『UNBROKEN』も聴かないわけにはいきますまい。


TOKYO BLADE - Dark Revolution - See You Down in Hell ★★★ (2020-10-28 00:44:11)

鈍色のリフを刻み、憂い湛えたメロディを奏でるG、
早過ぎず遅すぎないリズムが駆け抜け、
その上で煮え切らない声質のVoが翳りを帯びたメロディを拾う…と
濃厚にNWOBHMの息吹を現代に伝えてくれる逸品です。


TOKYO BLADE - Night of the Blade ★★ (2011-09-11 18:50:18)

復活作『THOUSAND MEN STRONG』が大変素晴しい出来栄えだったので、久し振りに過去作を聴き直したくなり、お盆に帰省した際に実家の収納棚を漁って発掘してきたTOKYO BLADE、'84年発表の2ndアルバム。(邦題は『闇を裂け』)
近年のモダンなHR/HMサウンドに慣れ親しんだリスナーからすると、貧相な音質や垢抜けないシンガーの歌唱なんぞ拙過ぎて聴けたもんじゃないかもしれませんが、雄々しくドラマティックなツインGパートを配し、NWOBHMライクな荒々しさを纏って疾走する名曲“NIGHT OF THE BLADE”を収録するバンドの代表作として、リリース当時はここ日本でもそれなりに高く評価されたアルバムだけあって、収録楽曲のカッコ良さはこれがなかなか侮れたもんじゃありません。
“NIGHT~”以外にも、人によっては失笑モノだろうが、個人的には聴く度に一緒になって「サムラーイ!サムラーイ!」と合いの手入れたくなる勇壮な②(“旭日の闘士”なる邦題も◎)、IRON MAIDENの“CHILDREN OF THE DAMNED”をパク・・・じゃなくて彷彿とさせる⑧等、ついついリピート再生したくなる魅力を備えたHMナンバーの数々を収録。
まぁ曲作り(特にリフのアイデア)の引き出しが少ないせいで、油断してると、どの曲も似たり寄ったりに聴こえてしまう点は難ありなのですが・・・。
ともあれ非常にお気に入りの1枚。新作も素晴しい内容なのでそちらも是非どうぞ。


TOKYO BLADE - Night of the Blade - Night of the Blade ★★★ (2011-09-11 18:56:50)

TOKYO BLADEといえばこの曲。
NWOBHMらしい荒っぽいGリフ、
ヘタウマVoが歌う雄々しいメロディ、
そしてIRON MAIDENばりにドラマティックに絡む
ツインGとが一丸となって疾走する、いかにも
「80年代前半のHMソング」的な趣き漂う名曲ですね。


TOKYO BLADE - Night of the Blade - Someone to Love ★★ (2011-09-11 19:04:46)

んん~?IRON MAIDENの“CHILDREN OF THE DAMNED”?
と思わされるが、哀愁に満ちた魅力的な楽曲であることは間違いない。
あと、確かに線の細いVoの歌唱が哀感を高めてしますね。


TOKYO BLADE - Night of the Blade - Warrior of the Rising Sun ★★★ (2011-09-11 19:01:59)

緩急の効いた曲展開はアルバムでも
1、2を争うドラマ性の高さを誇り、
妙にキャッチーなコーラス“サムラ~イ”は
一緒に歌いたくなる抗い難い魅力を有する。
“旭日の闘士”なる大仰な邦題に
名前負けしていない名曲ですね。


TOKYO BLADE - Thousand Men Strong ★★ (2011-06-16 21:32:40)

BURRN!!誌に載っていたインタビューが、思わずメンバーに駆け寄って肩を叩きたくなるぐらいグッとくる内容だったので、衝動的に購入してしまった復活TOKYO BLADEの・・・何枚目のアルバムだろう?(離散集合を繰り返してるバンドだけにサッパリ分からん)
彼らの作品は1stと2ndしか聴いた事がないのだが、中心メンバーのアンディ・ボウルトン(G)が「これこそが本来作られるべきだった3rdアルバムである」と自信ありげに語っている事からも伺える通り、本作は「よっ!英国産っ!」という翳りとドラマ性を湛えて駆け抜けて行く、NWOBHMの伝統を今に伝える正統派HMナンバーが全編に目白押し。
流石に初期作の如き荒々しさや疾走感は薄れたが、その分、丁寧に磨き上げられた楽曲が醸し出す貫禄や重厚感は格段に増しており、僅か1週間で突貫レコーディングされたとは思えぬサウンド・プロダクション(クリス・タンガリーディス謹製)の充実っぷりも含めて、ベテランらしい円熟の味と技が随所で光る。
哀愁に満ちたメロディを、若き日のロブ・ハルフォードを彷彿とさせるハイトーンを駆使して伸びやかに歌い上げるニュー・シンガーと、シャープ且つメロディックに絡み合うツインGの存在が映える、勇ましくも物悲しい疾走ナンバー③なんて拍手喝采モノの劇的さですよ。
魅力的に蘇った必殺の名曲“NIGHT OF THE BLADE”のリメイク⑩が全く浮いて聴こえないぐらい、迷いのない原点回帰の姿勢が心地良い1枚。LOUD PARKとかでもいいので、日本に呼んでくんないかなー。


TOKYO BLADE - Thousand Men Strong - Lunch-Case ★★★ (2011-06-19 01:13:04)

アルバム『THOUSAND MEN STRONG』における
ハイライト・ソングの一つで、
雄々しくも哀愁に満ちた旋律を紡ぐVoと
ツインGの威力が如何なく発揮された
スピード・ナンバー。


TOKYO BLADE - Thousand Men Strong - The Ambush ★★ (2011-06-19 01:25:18)

重たげなBラインと、若返ったロブ・ハルフォード的な
シンガーの歌いっぷりも印象的な
重厚且つ劇的なメタル・ナンバー。


TOKYO BLADE - Tokyo Blade (2011-09-28 22:13:56)

GENGHIS KAHN改めTOKYO BLADEが、デビュー・シングル『IF HEAVEN IS HELL』に続いて'83年に発表したセルフ・タイトルの1stフル・アルバム。
GENGHIS KAHN時代はバンド名からも察しが付く通りIRON MAIDENからの影響が色濃く滲み出たHMを演っていたが、本作では疾走するリズムの上に、鋭角的なGリフとヘタウマ・・・というより単にヘタなVoのシャウトが乗っかった、良くも悪くも典型的なNWOBHMサウンドをもっさりと展開。演奏はB級、サウンド・プロダクションがしょぼく、収録楽曲も次作『NIGHT OF THE BLADE』に比べると今ひとつ面白味に欠ける・・・と、正直手放しに絶賛はしかねる内容ではあるのだが、そうした中にあってギラリと輝きを放っているのが、シングルとしてもリリースされたアルバムのリーダー・トラック“IF HEAVEN IS HELL”や、タイトルからしてまさしくTOKYO BLADE印の名曲“SUNRISE IN TOKYO”。個人的にはこのドラマティックなナンバー2曲が聴けただけでも本作を購入した価値はあったと信じて疑わない次第。(あ、“LIAR”もなかなかカッコイイHMナンバーだ)
2ndが気に入った人なら購入する価値はある1枚。特に、前述の2曲を聴くためだけにでも、是非。


TOKYO BLADE - Tokyo Blade - If Heaven Is Hell ★★★ (2011-09-29 22:38:00)

デビュー・シングルにして1stアルバム1番の名曲。
シンプルな楽曲が並ぶ本編中にあって、
2本のGを効果的に用いたこの曲のドラマティックな構築美は
一際異彩を放っています。


TOKYO BLADE - Tokyo Blade - Sunrise in Tokyo ★★★ (2011-09-29 22:40:11)

まさにTOKYO BLADEに求めているのは
こういうノリの楽曲。
しかもそれを単なるネタ曲に堕とすことなく、
きっちりと名曲レベルに仕上げる手腕に
感心させられましたね。


TOKYO MOTOR FIST (2018-05-01 23:40:50)

DANGER DANGERとTRIXTER。どちらもアメリカ東海岸出身で、古くから親交があったというテッド・ポーリー(Vo)とスティーヴ・ブラウン(G)が、FRONTIER RECORDSのセラフィノ・ペルジーノの後押しを受けて結成したプロジェクト(セラフィノ氏はデビュー作のエグゼクティブ・プロデューサーを担当)。リズム隊はこれまた東海岸のミュージシャン仲間であるグレッグ・スミス(B)とチャック・バーギ(Ds)のコンビが務めている。
ちなみに日本人的に「おっ」となるバンド名ですが…どういう意味なんでしょう?


TOKYO MOTOR FIST - Tokyo Motor Fist ★★★ (2018-05-01 23:46:31)

開店休業中のDANGER DANGERの空き時間を利用して、ブルーノ・ラベル(B)は元メンバーのポール・レインらとTHE DEFIANTSを立ち上げ、一方フロントマンのテッド・ポーリー(Vo)はTRIXTERのスティーヴ・ブラウン(G)をパートナーに、FRONTIER RECORDSのバックアップのもとTOKYO MOTOR FISTを結成。'16年にこの1stアルバムを発表しました。(リズム隊はRAINBOWやBLUE OYSTER CULT他の活動で知られるグレッグ・スミス(B)とチャック・バーギ(Ds)が参加)
先行して聴いたTHE DEFIANTSのアルバムは大変素晴らしい出来栄えでしたが、こっちもクオリティでは一歩も引けを取りません。1曲目のイントロにマカロニ・ウェスタンを名曲を配する等、全体的に哀愁味が強く出ていたTHE DEFIANTSに対し、本作はカラッと明るく爽快、時に豪快なグルーヴを身に纏って躍動するアメリカン・メロディアスHRサウンドが持ち味。収録曲も、秀逸なサビメロを始めフック満載で贈るOPナンバー①、歌うGリフが印象的な③、ハーモニーが美しい④、吹き抜ける微風の如く爽やかな⑤、乾いた哀愁漂うバラード⑦、それに高揚感を湛えてノリノリに疾走する②⑥⑪等、どれもこれも始まった途端にLAの雲一つない青空が眼前に広がるような、爽快なロック・チューンばかりが小気味よく繰り出されてきます。帯の売り文句《全曲捨て曲なしの傑作》は伊達じゃない、と。
その完成度の高さに大いに感心させられると共に、本作を聴くと、これまでスルーして来てしまっていたスティーヴ・ブラウンが在籍するTRIXTERのカタログにも一気に興味が湧いてきますね。こんなに良い曲を書ける人材だったとは…。


TOKYO MOTOR FIST - Tokyo Motor Fist - Fallin' Apart ★★★ (2018-05-03 09:33:11)

本編中においてはハード寄りの疾走ナンバー。
それでも盛り込まれたメロディのフックに鈍りは皆無。
作曲能力の高さのみならず、リフにリードに、
テクニカルで鮮烈なGプレイを連発する
スティーヴ・ブラウンの才能には瞠目せずにはいられません。


TOKYO MOTOR FIST - Tokyo Motor Fist - Love Me Insane ★★★ (2018-05-03 09:27:02)

聴いてるだけで身体が動き出す
溌剌と躍動するアップテンポのロック・チューン。
フレッシュなGソロといい、爽快なコーラスといい、
ライブで演ったら盛り上がること間違いなし。
DANGER DANGERの“ROCK AMERICA”タイプの名曲。


TOKYO MOTOR FIST - Tokyo Motor Fist - Pickin' Up the Pieces ★★★ (2018-05-03 09:23:32)

イントロだけで鼻腔一杯に80年代の薫りが広がり、
分厚いハーモニーに包まれた、爽やか且つキャッチーな
サビメロで夏のLAの青空を幻視出来てしまうという
1曲目からアルバムの完成度を確信するに十分な
ポップ・メタル・チューンの逸品。


TOKYO YANKEES - Do the Dirty ★★ (2018-06-10 22:44:18)

Voの梅村総一郎(故人)がEXTASY RECORDSの副社長だったりYOSHIKIの個人マネージャーだったりと、Xに関わりの深い弟分バンドとして知られた4人組が、'91年に発表した6曲入りデビューEP。
メンバーのケバケバしいビジュアルと、草野球チームか北関東の暴走族かというバンド名に引いてしまい、当時はまるで興味をそそられずにいたのですが、クラスメイトのメタル好きが「カッコイイから一度聴いてみなって」と薦めてくれたのを切っ掛けに本作を購入。したらば確かに、咆哮型Vo、鋭利なGリフ、ドカスカ土煙蹴立てて突っ走るリズムとが一丸となって迫り来るパワー・サウンドが、こっちのツマラナイ偏見をブッ飛ばす迫力を誇っていて、聴かず嫌いはいかんなぁと襟を正されてしまった次第。
インディーズ制作ゆえ音質はペラペラ、メロディに無頓着に吠え立てるVoの歌唱スタイルも好悪が分かれるところかと思われます。しかしVENOMのクロノスやTANKのアルジー・ワード、日本だったらSACRIFICE(現SOLITUDE)の杉内哲のパフォーマンスに歌心を感じ取れる御仁なら問題なく許容できるレベルですし、何より豪快な突貫精神の中から木目細やかなメロディ・センスが顔を覗かせる①③や、ACCEPTの“FAST AS A SHARK”を思わせるスピード・メタル・ソング④といった楽曲を、パワー/スラッシュ・メタル愛好家がスルーしてしまうのは大いなる損失ですよ!
…とか言いつつ、このバンドの次作以降に手を出さぬまま現在へと至ってしまった我が身を省みながら、本感想文を締め括らせて頂きます。


TOKYO YANKEES - Do the Dirty - Let Me Go ★★★ (2018-06-11 22:53:52)

パワー・メタリックなGリフをフィーチュアして
3分に満たないランニング・タイムを怒涛の如くぶっ飛ばす
本編最速のスピード・ナンバー。
攻撃性剥き出しの曲調には無骨な咆哮型Voがよく映える。


TOKYO YANKEES - Overdoing ★★★ (2020-03-10 00:37:30)

「和製MOTORHEAD」ことTOKYO YANKEESが’91年にEXTACY RECORDSから発表し、インディーズ・チャートにおいて№1ヒットとなった1stフル・アルバム。ちなみに兄貴分のXからPATAとHIDEがそれぞれバックVoとGで参加。初回盤はボーナス・トラックとして8cmCDシングル『JOKER』が付属した2枚組仕様でした。
埼玉県の国道をパトカーに追いかけられながらブッ飛ばしているような、ヤンキー臭漂うオラついたパワーメタル・サウンドは前作同様ですが、音質の向上により迫力は倍増。ランニング・タイムも30分台とタイトに凝縮された本編は、「I!C!B!M!」とコーラスをシャウトせずにはいられないキャッチーさも備わったOPナンバー①から、最速でエンディングを爆走する⑨まで、表題『OVER DOING』(「悪ノリ」の意)に相応しい突進三昧。脇目も振らぬその猪突猛進ぶりや表情に乏しい咆哮型Voをして「一本調子で構成にメリハリが欠ける」「どの曲も同じように聴こえてしまう」とマイナスに感じる向きもあるやもしれませんが、逆にそうした部分を「いいんだよ、細けぇことは!」と堂々うっちゃれる豪快さが、このバンドの得難い個性とも思えるわけでして。
特に土煙蹴立ててダイナミックに疾走するハード・ドライヴィンな⑦は、2本のGの斬り込み隊長ぶりにメタル魂が燃え上がる名曲。またボーナストラックの“JORKER”もメロディックなGソロが印象的な、特別扱いも納得のカッコ良さを誇っていますよ。
TOKYO YANKEESは長らくデビューEPしか聴いたことがなかったのですが、本作は買って大正解。寧ろもっと早く聴いておけば良かったと思うぐらいでして。


TOKYO YANKEES - Overdoing - Quick as Light ★★★ (2020-03-10 23:49:01)

序盤は抑え気味に展開し、2本のGの荒々しい切り込みを切っ掛けに
アクセルを踏み込んで突っ走る場面のカッコ良さにゃ血圧ぶち上がり。
ダーティなVoとドスの効いたコーラスも、
アグレッシブで埃っぽい曲調にマッチしていますよ


TOM ANGELRIPPER - Ein Schöner Tag... ★★ (2017-11-05 00:18:52)

SODOMの首領トム・エンジェルリッパーが'96年に発表した初めてのソロ・アルバム。
ドイツではポピュラーな酒飲みソング(日本で言うとバラクーダの“日本全国酒飲み音頭”みたいな?)のカヴァー集とでもいうべき内容で、全編を支配する酔っ払い独特の陽気なテンションの高さといい、全曲ドイツ語で歌われる歌詞といい、SODOM的要素は全く期待できそうにない…と思いきや、いやいや。なかなかどうして。
名手ヨルグ・マイケル(他にもアクセル・ルディ・ペルやピーヴィ・ワグナーがコーラスでゲスト参加)によるキレのあるリズム・ワークの上に、トムの特徴的な濁声シャウトが乗っかると、「SODOMがカヴァーするハードコア/パンク/ロックンロール・ソング」的趣きが濃密に漂い、これはこれで存外カッコイイのですよ。MOTORHEADばりの突撃ナンバー⑥や、スピード・メタリックなGリフに、酔っ払いらしい脈絡無用な曲展開がブッ込まれた⑪なんかはその筆頭。歌い継がれるポピュラー・ソングだけあって、陽気な歌メロは思わず一緒に歌いたくなるキャッチーさですし、各曲に振られたゴキゲンな邦題と会わせて、本作に充満する無暗矢鱈にアッパーな雰囲気を盛り上げることに大きく貢献しています。
本作を聴いていて思い出したのが、独スラッシュ・シーンの兵どもが一堂に会して、超有名なクリスマス・ソングの数々をウキウキでカヴァーしたX’MASS PROJECTのこと。歌ってる最中にシンガーが我慢できずに吹き出したりする、あの(良い意味で)テキトーなノリがツボにハマった方や、「ヘベレケなTANKARD」聞いて興味が沸く向きには、お試しいただく価値が大いにある1枚ではないかと。


TOM ANGELRIPPER - Ein Schöner Tag... - In München Steht Ein Hofbräuhaus ★★★ (2017-11-05 22:14:20)

邦題は“ミュンヘンにあるのは宮廷ビール醸造所”。
DIOの“STAND UP AND SHOUT”のGリフを借用して
ハードコア/パンクばりに爆走したかと思えば、
ワルツのリズムでステップを踏んだり、
酔っ払い連中が声を合わせて大合唱を繰り広げたりと
酩酊状態を思わせる脈絡もとりとめもない曲展開が、実に楽しい1曲。


TOMMY FUNDERBURK - Anything for You ★★★ (2021-04-26 23:44:19)

AIR PLAYを筆頭に、WHAT IF、BOSTON、COVERDALE/PAGE等々、数多のセッション・ワークで鳴らしてきた実力派シンガー、トミー・ファンダーバーク。どちらかと言えば裏方スタッフ的なイメージもあった彼が、FRONTIERS RECORDSのバックアップの下、プロデューサーにファブリッツォ・V・グロッシを起用して制作、’05年に発表した初のソロ・アルバムがこちら。
FRONTIERS RECORDSのプロジェクトというと、看板として起用されたシンガーは事前に用意された楽曲をただ歌うだけ、というパターンも少なくありません。個人的にはそれが悪いこととは全く思っておらず、腕利きソングライター勢によって優れた楽曲がズラリ揃っていればそれだけアルバムのクオリティは跳ね上がりますし、寧ろそれを押しのけてまで収録した自前の楽曲が退屈だったら目も当てられないですよ。
但し、本作に関して言えば元々トミーが優れた作曲家であることに加え、どういったタイプの楽曲が自身の爽快なハイトーンVoが映えるか熟知していることもあり、収録曲はすべてご本人のペンによるもの。適度にロックのエッジを効かせつつ、キャッチーなメロディとフックに彩られたメロディアスHRサウンドは、単なる自己満足とは無縁の高いクオリティを有しているのだから流石。中でもアコギを活かしたエモーショナルな曲調が感動を呼ぶ⑥はグッとこみ上げる名曲に仕上がっています。
本作以降、表立った活動のニュースが伝わって来ないのが残念ですが、是非ともまたソロ・アルバムを作ってくれないものか。


TOMMY FUNDERBURK - Anything for You - You Got the Love ★★★ (2021-04-28 22:43:53)

モダンなフィールも仄かに漂わせつつ
情感豊かな歌声と要所で美しく閃くアコギが
メロディの哀感をグッと際立たせる、
聴く度に「良い曲だなぁ」とため息をつきたくなる逸品です。


TONY IOMMI - Fused ★★ (2010-05-17 22:08:00)

『SEVENTH STAR』以来となる、トニー・アイオミとグレン・ヒューズのコラボ作品だが、最初に①を聴いた時は、アイオミ謹製の暗く沈み込むようなヘヴィ・リフの上に、グレンの陽性な歌唱が乗っかるそのミスマッチさに、どうにも違和感が拭えなかった。『SEVENTH~』の時はそんな風には感じなかったのだが、正調ブリティッシュHR路線を志向し、且つドラッグとアルコール依存症でヘロヘロだったグレンが雇われシンガー役に徹していたあの作品に比べ、今回は、初期サバスに通じるダークネスとヘヴィネス重視の作風なうえに、野心むき出しのグレンのVoが「これを機会にサクセスしたるでぇ!」とばかりに、前へ前へと押し出してくる事が違和感を強めてる要因か。
とは言え、一級のギタリストとシンガーが手を組んだ作品ゆえクオリティが低い筈もなく、また、当初感じられた違和感も聴き進めて行けば徐々に薄れていく。中盤以降は、『HEAVEN AND HELL』の頃を思わせる転調パートを備えた⑤、ポップな味わいも感じられる⑥、強力無比なグレンの歌唱が曲の持つ劇的さを引き立てる⑦、悲壮感に満ちたGリフが刻まれる⑧、本編屈指の名リフが疾駆する⑨、そして強烈な泣きを伴ってアルバムをドラマティックに締め括る荘厳なエピック・ソング⑩・・・と、様式美サバスを愛して止まない我が身が聴いても「流石トニー!」と惚れ惚れさせられる強力な楽曲が並ぶ。
まぁ、ロニーとかトニー・マーティンとか、もっと暗めの声質のシンガーが歌った方が、よりハマッたと思わなくもないけれどね。


TONY MARTIN - Back Where I Belong ★★ (2010-05-14 23:22:00)

BLACK SABBATHを追ん出されたトニー・マーティンが、二ール・マーレイ、ジェフ・ニコルズ、
ローレンス・コトルといったサバス時代の同僚や、QUEENのブライアン・メイ、SAXONのナイジェル・グロックラーら、
英国HR/HMシーンのベテラン・ミュージシャンの力を借りて制作、'92年に発表した1stソロ・アルバム。
Gリフやリズム・パターンは後期BLACK SABBATH風味ながら、サックスを導入し、お洒落なアレンジが
施されたOPナンバー①によく表れている通り、シンプルな音像の下、曲によってはホーン・セクションや
ゴスペル・コーラスを取り入れる等、HR/HMとは随分な距離を感じさせるライトな作風に仕上がっており、
例えば、本作にはBLACK SABBATH時代の名曲“JERUSALEM"のカヴァー⑬が収録されているのだが、『TYR』の中では
比較的ポップに聴こえたあの曲が、ここではかなりハードに響いて来る事からもの、その方向性は明らか。
とは言え、上記したOPナンバー①を手始めに、ブライアン・メイが流石の指捌きを披露するバラード③、
歯切れ良くロックする⑦、流麗なKeyの調べが心地良い⑩等、トニーが手掛けた収録曲のクオリティは
低くなく(いや寧ろ高い)、しかも、それを彼が潤い豊かに歌い上げるのだから、素晴しくないわけがない。
また、今回彼氏は全編でGも担当しているのだが、↑上で別の方が仰られている通り、これがなかなかのもの。
組曲形式で綴られるバラード⑤⑥でGを渋く泣かせる腕前なんて、素直に感心させられますよ。
様式美HM色は皆無だが、メロディ愛好家なら押さえておいて損はない1枚かと。


TONY MARTIN - Scream ★★★ (2021-09-30 00:13:54)

1stソロ『BACK WHERE I BELONG』(’92年)との間にBLACK SABBATHへの復帰と再離脱(というかオジーとの復縁を模索していたサバス陣営による一方的な解雇)を挟み、'05年に発表されたトニー・マーティン(Vo)、2枚目のソロ・アルバム。
ゲストはBLACK SABBATH時代の僚友ジェフ・ニコルズ(Key)のみで、ほぼ全てのパートをマーティンと彼の息子ジョー・ハルフォード(G)が賄うという家内手工業スタイルで制作されていますが、リラックスしたAOR寄りの作風(これはこれで大変魅力だった)を志向していた前作『BACK~』に比べ、重々しく刻まれるGリフ、重厚かつダイナミックに駆動するリズム、その上で憂いに満ちたメロディをしなやかに歌い上げるVoといい、本作は多くのファンが「できることなら『FORBIDDEN』(’95年)はこの路線で作って欲しかったなぁ…」と遠い目をするであろう、Wトニー期BLACK SABBATHを彷彿とさせるダークでミステリアスなHMサウンドがほぼ全編に亘って繰り広げられる仕上がり。
取り分け、亡きコージー・パウエルが残してくれたドラム・トラックを叩き台に完成させたというRAINBOW型OPナンバー①が口火を切り、漆黒の闇に沈み込んでいくようなヘヴィ・チューン②、名曲“CROSS OF THORNS”を思わすドラマティックな③、マーティンがヴァイオリンの腕前を披露するアルバム表題曲⑤といった強力な楽曲が続くアルバム前半のクオリティは出色ですよ。
収録曲の出来/不出来にややムラがある点含め、BLACK SABBATHの『CROSS PURPOSES』(’94年)を思い出す1枚かなと。今年リリースされた3rdソロも聴かにゃ(日本盤はどうした?)


TONY MARTIN - Scream - Bitter Sweet ★★★ (2021-09-30 23:25:13)

重しを付けて泥濘を這い進む沈むように刻まれるリフ&リズムと、
マーティンが麗しく歌う神秘的なメロディの取り合わせが
まさしく彼が在籍していた時期のBLACK SABBATHを彷彿とさせる
逸品に仕上がっています。


TONY MARTIN - Scream - Scream ★★★ (2021-09-30 23:43:34)

バイクのエンジン音に導かれてスタートするアルバム表題曲。
アグレッシブかつ重厚に突き進む曲調に、憂いを湛えた
マーティンの歌声が絶品に映える。彼自身が弾いている
ヴァイオリン・ソロも楽曲に効果的にフックを作り出してくれています。


TONY MILLS - Beyond the Law ★★ (2019-10-12 01:34:17)

膵臓癌との闘病を終え2019年9月18日に永眠された、SHY、SIAM、TNT、SERPENTINE等での活動で知られる英国人シンガー、トニー・ミルズ。その彼が生前「北欧のメロハー請負人」ことトミー・デナンダーや、EDEN’S CURSEのピート・ニューデック(曲作りのみならず共同プロデュースも担当)らのインプットを得てレコーディング作業を行い同年に発表した、残念ながらソロ名義では最期となった作品。
雑誌インタビューにおいて、病状がかなり進行し投薬も既に手遅れの段階にあること、もしかしたら6か月後には生きていないかもしれないことを率直に語ってファンに衝撃を与えたミルズですが、本作における力強く伸びのある歌声からは、病魔の影など欠片も感じ取ることは出来ません。それはサウンドの方も同様で、彼が子供の頃に夢中になったギャング映画に着想を得ているという楽曲は、適度にポップで適度にキャッチー。遺作とはいえ過度にウェットだったり悲壮感が漂っていたり大仰だったりはせず、むしろエネルギッシュにロックしまくる姿勢にいっそ胸を打たれます。特にKeyが緊張感を醸成する、パワフルなアルバム表題曲②、物憂げなサックスがハードボイルドな雰囲気漂わす抒情バラード⑧、ヘヴィ・メタリックとさえ言えそうな疾走ナンバー⑩等は、本編の「動」と「静」の魅力を代表する名曲ではないかと。
音楽性は若干異なりますが、闘病生活を送りながらも最期まで爽快なハードポップ道を貫き通した、ファーギー・フレデリクセンのソロ・アルバムを聴いた時に受けた感銘を思い出さずにはいられない…そんな1枚であります。合掌。


TONY MILLS - Beyond the Law - Bonnie's Farewell ★★★ (2019-10-14 22:41:29)

タイトルから推察するに「俺たちに明日はない」で知られる
ボニー・パーカーについて歌っているのであろうバラード。
メランコリックな曲調を、ミルズのエモーショナルな歌声と
哀愁を帯びたサックスの音色がより一層引き立ててくれています。


TONY OHORA - Escape Into The Sun ★★★ (2019-02-06 23:56:06)

アルコール問題を抱え解雇されたゲイリー・バーデンの後任としてPRAYING MANTISに加わり、ファンの間で名作の誉れ高い『FOREVER IN TIME』(’98年)等、2枚のアルバムに参加。'99年に行われた来日公演にも帯同していた英国人シンガーのトニー・オホーラ(スティーヴ・グリメットの後任としてONSLAUGHTに在籍してい経歴の持ち主)が、PRAYING MANTIS脱退後の'06年に、セラフィノ・ペルジーノの後押しを受けてFRONTIER RECORDSから発表した初めてのソロ・アルバム。
「コリン・ピールの再来」としてマンティス時代から歌唱力には定評のあったシンガーであり、しかも本作には曲作りからレコーディング作業に至るまで、MIDNIGHT SUNやLAST TRIBE、ALLEN/LANDE他の活動で知られるマグナス・カールソンが全面協力。実力者2人がタッグを組んだ時点で内容に関しては一定以上のクオリティは約束されたも同然です。
ウェット且つ重厚なムードに包まれたミッド・テンポの楽曲が連続するため、通して聴くと若干メリハリには欠く印象ながら、抒情的に煌めくKeyを効果的に配して風通しの良さを確保し、歌い込むタイプのトニーの熱唱が十二分に映えることを念頭に書き上げられたメロディック・ロック・チューンの数々は、アルバム表題曲②(ボーナストラックとして収録されたアコギ・バージョンも良い)や、歌心を燃焼させるかのようなVoが圧巻の⑦を始め、いずれも聴き応え十分。
今となっては余り顧みられる機会のない作品ですが、中古屋で見かけたら一度手に取って頂ければ幸いです。


TORANAGA (2011-08-07 22:24:48)

'83年、アンディ・ミッチェル(G)をリーダーにイギリスはウェスト・ヨークシャーにて誕生し、当時、欧米で放送され高い人気を誇っていたTVドラマ『SHOGUN(将軍)』の登場人物からバンド名を頂き、TORANAGAを名乗った5人組。
と言っても別に和風テイストを取り入れたりしているわけではなく、彼らが聴かせてくれるのは、スラッシュ・メタルをベースにNWOBHMの伝統も受け継ぐ実に英国然としたパワー/へヴィ・メタル。(メイン・ライターの1人であるマーク・ダフィ(Vo)はNWOBHM後期に活動していたMILLENIUMの元メンバー)
ライブ活動を行いつつラインナップの安定化を図ったバンドは、'88年にメンバーが固まるとハードコア/パンク系のインディ・レーベルPEACEVILLEから6曲入りEP『BASTARD BALLADS』を発表。僅か十数万円の予算と4日間という突貫スケジュールでレコーディングされた作品だったが、これが各地で好評を博した結果、バンドはメジャーのCHRYSALLIS RECORDSと契約を締結。'90年には1stフル『GOD'S GIFT』をリリースしている。

『BASTARD BALLADS』はeBay辺りだとLPに120ドルぐらいの値が付けられていて、とてもじゃないが手を出す気にはなれないので、何とか再発してくれないものかと望んで止まない今日この頃。


TORANAGA - Bastard Ballad ★★★ (2013-10-08 23:02:46)

1stフル『GOD'S GIFT』が再発された際には「すわ、本作も再発か?!」と期待が高まりましたが(俺の中で)、結局スルーされてしまった'88年発表の6曲入りデビューEP。
EPと言っても収録時間は35分以上あり、ボリューム的には同時期のスラッシュ・メタル・アルバムとどっこい。しかも密度も十二分に濃いので「これが1stアルバムでいいじゃん」なんて声もあるぐらい。(俺の中で)
起伏に富むインスト曲③をしっかりこなせるだけのテクニック、それに重く湿気ったドラマ性や構築感といったブリティッシュHMの特性を備えたサウンドは、エンディングが“RIDE THE LIGHTNING”みたいな①を聴けば影響元が容易に想像がつきますが、スラッシュと評するにはスピードは然程でもなく、正統派HMと言うには野蛮で好戦的な彼らの音は「華」や「キャッチーさ」に乏しい。まぁそんなところも英国産らしくて好感度大なのですけどね。
オラオラと聴き手を煽り、奮い立たせる作風は次作にも共通する一方で、デビュー作ゆえの荒々しさと、低予算/短期間で錬成されたローファイな音質とが相俟って、こと喧嘩上等の前のめり感覚にかけては間違いなく本作の方が上。ニヒルに歌うVoとメロディアスに切り込むGソロが、武骨なリフ&リズムに乗って突貫する②④辺りには、血沸き肉踊らずにはいられませんて。願・再発。


TORANAGA - God's Gift ★★★ (2011-08-07 22:26:52)

SLAMMERやONSLAUGHTらと共に、NWOBHM以降、盛り下がる一方だった英国HMシーン復権の一翼を担う存在としてメジャー・レーベルのCHRYSALLISからデビューを飾るも、殆ど話題になることなく消えて行った4人組が'90年に発表した1stフル・アルバム。
当時はスラッシュとして括られていた作品なれど、それにしちゃ疾走感は然程でもなく、また正統派HMとしても華に欠ける作風のため、初めて触れた時は「地味だなぁ」と余り良い印象を持った覚えがないのだが、こうして改めて対峙してみると、暗く湿ったメロディを武骨に歌い上げるVo、切り立ったGリフを刻みつつ、要所でIRON MAIDEN風味の勇壮なフレーズを差し込んでくるG、マッチョなトーンで動き回るBと腰の据わったヘヴィなリズムを叩き出すDsによって形成されるサウンドは、今で言うペイガン/バトル/ヴァイキング・メタル的な勇猛さとドラマ性を備え(ジャケットもそんな感じだ)、むしろ現在の方が高評価を得られそうなカッコ良さを有する。(多分・・・)
殊に、6分以上の長尺をもってアルバムのOPを劇的に飾る①や、スラッシーな②、本編のハイライト・ソングに押したい血沸き肉踊る④、ギャロップする曲調とGが奏でる勇ましいメロディがIRON MAIDENを彷彿とさせる⑤といった強力な楽曲が並ぶアルバム前半のクオリティはお見事。
唯一残念なのが重量感に欠けるプロダクションで、メンバーは「デビューEPの100倍の予算で制作出来たよ!」と喜んでいたらしいが、それは単にデビューEPが超々低予算でレコーディングされていただけなわけで・・・。


TORANAGA - God's Gift - Hammer to the Skull ★★★ (2011-08-08 22:05:54)

猛々しく好戦的なリフの刻みっぷりに
思わず血が滾る1stアルバムのハイライト・ナンバー。
“脳天直撃”という実も蓋もない邦題も奮ってますねぇ。


TORANAGA - God's Gift - The Shrine ★★★ (2011-08-08 22:04:07)

重々しいイントロで助走をつけて走り始める
アルバムのOPナンバー。
サウンド・スタイルとプロダクションの乖離が惜しまれるが、
楽曲自体は雄々しく劇的でカッコイイ。
もっとヘヴィな音作りが施されていたら
GRAND MAGUS辺りと比較できたんじゃないかな、と。


TORANAGA - Righteous Retribution ★★★ (2014-03-26 23:43:36)

「TORANAGA復活」の報を耳にして喜んだHR/HMファンが、果たして日本にどれ程いるかは分かりませんが、少なくとも私は喜びました。しかも本再結成作('13年発表)を聴いてみたら、嬉しいぐらい何も変わってない。スラッシーな荒々しさと、ブリティッシュHMならではの湿気った重厚感を身に纏わせて、パワフルに押し出してくる好戦的な音楽性は勿論のこと、決して上手いシンガーではありませんが、TORANAGAの楽曲を歌うにはこの声しかない!と思わされる、マーク・ダフィの赤錆た金属の如き武骨なVoも、全く衰えることなく健在ですよ。
『マジック:ザ・ギャザリング』や『マーヴェル・ゾンビーズ』でお馴染みのケヴ・ウォーカー画伯の手によるアートワークに相応しい野蛮さでアルバムのOPを蹂躙する②③(①はイントロ)、メランコリックな導入部から勇壮に盛り上がっていく④、雄々しいヴァイキング・メタル風のコーラスが印象的な⑧等、メタル者の血を騒がせる楽曲の荒々しいカッコ良さはなかなかのモノ。(但し、全くもって「華」はありませんが)
終始同じ調子で攻めてくるので、中盤辺りから些かダレて来るのが難点なれど、そうした芸のない愚直ささえも、「変わってねぇなぁ!」と嬉しく感じてしまうのは、ファンの欲目でしょうかね。


TORANAGA - Righteous Retribution - Cynical Eyes ★★ (2014-03-27 22:07:32)

現代の尺度からすると疾走感自体は
大したことない筈なのに、それでも十分
スピーディに聴こえるのは、野蛮且つ
硬質なパフォーマンスが生み出す
気迫と突進力ゆえでしょうか。


TORANAGA - Righteous Retribution - The Ultimate Act of Betrayal ★★★ (2014-03-27 22:15:40)

メランコリックな導入部からパワフルに
テンポアップしていく荒々しくも勇壮な曲展開に
血沸き肉踊る、アルバム屈指の名曲。
好戦的な曲調はスラッシュ・メタル数歩手前
といった趣きですが、それでもドラマティックな
メロディの流れが掻き消されていないのは
やっぱりNWOBHM出身バンド(の転生体)ならでは。


TORCH - Fireraiser ★★★ (2022-07-26 23:41:38)

北欧メタル・シーンの第一波に属するスウェーデンの5人組TORCHが'84年に発表した5曲入りデビューEP。彼らが80年代に残したカタログは、いずれ甲乙つけ難いダメジャケによって彩られていましたが、本作のイラストもまた実に味わい深い出来栄え(ビルの谷間からひょっこり顔を覗かせる謎生物という脱力感を誘う構図の破壊力よ)。TORCHなんてありふれたバンド名にも関わらず、一目見た瞬間「ああ、スウェーデンのTORCHだ」と確信できるので、ここまで徹底されればもはや立派な個性と言えるのではあるまいか。
それはともかく。内容の方は後の1st『暗黒への脱出』と作風を同じくする(EUROPEブレイク以前の北欧の多くのHMバンドがそうであったように)、NWOBHMの流れを汲む無骨なパワー・メタルをプレイ。北欧メタルと聞いて想起される美旋律や透明感、繊細さとは清々しいくらい無縁なれど、凡百のバンドとは明らかに一線を画すだけのクオリティが、男臭い声質で歌いまくるVo、楽器陣のタイトなパフォーマンス、そして楽曲のカッコ良さには確かに宿っていて、流石METAL BLADE RECORDSを通じてアメリカ盤が発売されたのは伊達じゃないと感心させられますよ。
まぁイモっぽさが漂ってくるのは疑いようのない事実ながら、これだけ美味いイモならそれとて悪口には当たらず。特にストレートに飛ばしまくる疾走ナンバー②から、憂いを帯びてハードかつドラマティックに盛り上がっていく③へと繋がる流れなんて、TORCHの魅力がしかと刻み込まれた本作のハイライト。
『暗黒~』にピンとた方なら、押さえておいて損はない一作じゃないでしょうか。


TORCH - Fireraiser - Pain ★★★ (2022-07-28 00:09:53)

気持ちブルース・ディッキンソン似の声質のVoと
泣きのメロディを奏でるGを活かしてジックリ
ドラマティックに盛り上がっていくアルバム屈指の名曲。
ラストで激走に転じるパートにはメタル魂が燃え上がりますよ。


TORCH - Torch ★★★ (2014-01-23 22:45:48)

スウェーデン出身の4人組が'83年に発表した、LPサイズで遭遇した日にゃ夢見が悪くなりそうなジャケットがインパクト絶大のデビュー作(邦題は『暗黒からの脱出』)。しかも「北欧伝説の乙女さながらの~」という解説を読むに、コイツこの顔で女(女神様)なのか?!と。言われてみれば妙に唇赤いし、眉毛整えてるし、睫毛長いし、見ようによってはパンプアップした木の実ナナに見えなくもないが・・・。
そんなジャケが表す通り、【北欧メタル】のカテゴリーで語られることの多い作品にも関わらず、ここに託されている音に「泣き」とか「哀愁」「透明感」「クラシカルな美旋律」といったキャッチー・・・いやさ、軟弱な要素は皆無。
剛毅なGリフ主導で疾走する武骨で胸毛モサモサな番長サウンドは、北欧メタルよりもNWOBHMやヴァイキング・メタルに近しく(収録各曲に付けられた大仰な邦題もハマってます)、初めて聴いた時は「垢抜けないし大味だなぁ」と、正直あまりピンと来ませんでしたが、今改めて対峙してみると、Voのワイルドな歌いっぷりが耳惹く②、タイトな演奏(特にDs)に支えられたスピード・ナンバー③④⑦、アコギを用いたダーク且つ重厚な⑥等、これが案外悪くない。いや結構カッコイイ。
少々フックに欠けるきらいはありますが、パフォーマンスから音作りまで、例えばジャケットから想像されるような稚拙さは殆ど感じられない、漢メタルがパンパンに詰め込まれた1枚。


TORCH - Torch - Battle Axe ★★ (2014-01-24 23:39:05)

アクセントとして用いられたアコギが
ミステリアスな雰囲気も醸成し、
アルバムで最も北欧らしさが感じられる
ミッド・ナンバー。
邦題“闘いの刃”に相応しく、ダークで
重厚な曲調に血が騒ぎます。


TORCH - Torch - Beauty and the Beast ★★ (2014-01-24 23:22:36)

LAメタル・テイストも感じられる
軽快でノリの良い曲調に、字余り気味の歌詞を
威勢良くねじ込んでくるVoの体毛の濃そうな
ワイルドな歌いっぷりが、何となく
ブルース・ディッキンソンを彷彿とさせます。


TORCH - Torch - Watcher of the Night ★★★ (2014-01-24 23:31:16)

帯に書かれた「たいまつ(トーチ)を掲げた5人の戦士達は
勇猛にも戦いを挑んだ!トーチは巨大な炎となって燃え盛る!
ヘヴィ・メタル・キッズ達よ彼らの、このパワー、
スピード感に酔いたまえ!」なる惹句を地で行く疾走曲。
(酔いたまえ!って・・・)
全体を引っ張るキレのあるドラミングも気持ち良いですね。
ちなみに邦題は“暗黒の監視人”


TOUCH - The Complete Works ★★ (2008-03-03 21:42:00)

SANTERSのBOXセット発売に匹敵する、AVEX RECORDSの為した快挙と言うべき、陽の目を見る事なくお蔵入りしてしまった
TOUCHの2ndアルバムの発掘。のみならず、それを名作と名高い'81年発表の1stとカップリングにして、その上、大量の
ボーナス・トラックまで追加収録・・・と、まさに『THE COMPLETE WORKS』のタイトルに恥じぬ、至れり尽くせりな内容を誇る再発盤。
甘く切なく、そして劇的な泣きメロを満載した、アメリカン・プログレ・ハードの名作1st『TOUCH』の素晴しさについては、
別項にて語らせて貰ったので省くとして、ここでは幻の2ndアルバムについての感想をば。
トッド・ラングレンをプロデューサーに迎え制作された本作は、如何にも80年代然としたモダンな
サウンド・プロダクションといい、疾走感やドラマティックな曲展開といったハード・ロッキンなエッジが薄れ、
ストレートにまとめられた楽曲といい、全体的に、ややポップ路線への目配せが感じられる作風に仕上がっている。
“BLACK STAR"型の名曲が姿を消してしまった点が、ちと物足りないとは言え、相変わらず華麗なマイク・マンゴールドの
Keyプレイや、キャッチーで感傷的な泣きメロの威力に鈍りは全くないので、メロディ愛好派のリスナーが本作を聴いて
ガッカリするという事はないように思う。特に、美しくも切ないピアノ・サウンドが胸に沁みる③、サックスの音色が
お洒落で都会的な哀愁を演出する⑤、柔和で優しげなバラード⑨辺りは、前作に収録されていてもおかしくない名/佳曲だ。
クオリティの問題ではなく、レコード会社とのトラブルが原因でリリースされず終いだった事が、非常に惜しまれる1枚。


TOUCH - The Complete Works - Don't You Know What Love Is ★★★ (2008-02-27 21:52:41)

米ビルボードのTOP40に食い込むヒットを飛ばし、
英メロディ・メイカー紙でも№1を獲得した、バンドの代表曲。
幾層にも重なる、分厚く美麗なボーカル・ハーモニーは
何度聴いても胸に沁みます。


TOUCH - The Complete Works - Frozen on a Wire ★★★ (2008-03-08 01:23:52)

胸を締め付ける悲哀のメロディを伴って、
劇的に展開する泣きのハード・ナンバー。
NEW ENGLAND辺りが好きな人なら、
涙の海で溺死すること請け合い。


TOUCH - Tomorrow Never Comes ★★ (2021-08-17 00:00:31)

DRIVE, SHE SAIDやAMERICAN TEARSでは定期的に新作を発表してきていたマーク・マンゴールド(Vo、Key)が、満を持してTOUCHを復活させ、およそ40年ぶりに発表した2ndアルバムがこちら。(正確に言うなら、ロジャー・グローヴァーをプロデューサーに迎えてレコーディングするもお蔵入りしてしまった2ndアルバムが別にあるのだけれども)
実際のところ、マーク一人でTOUCHを再始動させてもファンは誰も文句を言わなかったと思うのですが、復活にあたってダグ・ハワード(Vo、B)、クレイグ・ブルックス(Vo、G)、グレン・キスカート(Ds)というオリジナル・メンバーを再結集している辺りからも、本作に賭けるマークの意気込みがビンビンに伝わってくるというもの。
音楽性に関しても、リード楽器として切り込んでくるKey、衰えを感じさせぬダグ・ハワードの伸びやかな歌声、キャッチーな哀愁のメロディと、メンバー全員が歌える強みを生かした分厚いボーカル・ハーモニーに彩られたHRサウンドは、きっちり1st路線を踏襲。劇的なイントロからして名曲の風格漂うOPナンバー①、美しいコーラスが壮麗に舞う②、スペーシーな雰囲気を湛えた7分越えの大作ナンバー③というアルバム冒頭3曲を聴いた時点で、本作の完成度の高さを確信するには十分でしたよ。その一方で、モダンな味付けが施された④のような新味を感じさせる楽曲も魅力的に仕上げる手腕は流石の一言に尽きます。
ややマッタリとしてしまう後半戦を引き締めるためには、“BLACK STAR”系のハード・ナンバーが1、2曲欲しかったと個人的には思わなくもないのですが、まぁその辺は次回作以降に期待ということで。これ1枚で終わらないことを念願致します。


TOUCH - Tomorrow Never Comes - Tomorrow Never Comes ★★★ (2021-08-18 00:24:20)

『E.T.』風味のジャケットのイメージ通り、スペーシーかつ
ドラマティックなイントロで幕が上がるOPナンバー兼アルバム表題曲。
イントロの時点で名曲の予感はビンビンですが、哀愁を帯びたヴァースから
美しいハーモニーに包まれたコーラス・パートまで聴き進めるうちに
予感は確信へと変わります。


TOUCH - Touch ★★ (2008-02-27 21:29:00)

栄えある、第1回モンスター・オブ・ロックのOPアクトを務めたことでも知られる、元AMERICAN TEARSの
マイク・マンゴールド(Key)率いるアメリカン・プログレッシブHRバンドが、'81年に発表した1stアルバム。
マイクのカラフルなKeyワークが楽曲の基盤を作り上げ、ポップでキャッチー、且つ切ないメロディの洪水と、歌える
弦楽器隊3人が織り成す、分厚く美麗なボーカル・ハーモニーに全編を彩られた華麗なサウンドは、「泣きメロの帝王」
との異名をとるNEW EGLANDにも匹敵する、美しきアメリカン・プログレ・ハードの理想形を描き出している。
それでいて、ポップになり過ぎることなく、きっちりとハード・ロッキンなエッジを効かせている辺りが
本作のニクイところで、特に④は、ハードになったQUEENとでも言うべき、シャープな疾走感と、ドラマティックな曲展開、
そして美しく繊細なメロディとが見事に融合を果たした、アルバムのハイライト・チューンの1つ。
その他にも、TOP40に食い込むシングル・ヒットを飛ばした、バンドの代表曲①②、おセンチなバラード③、
前述の④にも匹敵する名曲と言える、胸キュン物の泣きメロが炸裂する⑥、ラストを締めるに相応しい
美しくハードで劇的な⑩・・・と、収録曲は、何れもシングル・カットできそうなクオリティを備えた、キャッチーなナンバーばかり。
内容、セールス共に上々の結果を残しながらも、本作のみ(正確には2ndも作られたわけだけど)を残して
バンドが解散してしまった事が、つくづく惜しまれます。


TOUCH - Touch - Black Star ★★★ (2008-02-27 21:39:43)

テンション高めのVo、シャープな疾走感、繊細なメロディ、
そして劇的な曲展開と、3分台の短い時間の中に
これでもか!とドラマが詰め込まれた、
「ハード化したQUEEN」とでも言うべき名曲。
完全にG主導で突っ走るが、中盤で炸裂するスリリングにして
華麗なKeyプレイは流石。


TOUCH - Touch - MY LIFE DEPENDS ON YOU ★★★ (2008-02-27 22:10:15)

アルバムのラストを締め括るに相応しい、
激しく、悲しく、ドラマティックな名曲。
結構攻撃的な歌声を聴かせるVo、ハードに切り込んで来るG、
華麗なボーカル・ハーモニーも良い仕事をしているが、
個人的にこの曲の一番の肝は、Keyによるピアノ・サウンド。
ドラマ性のみならず、気品をも演出しています。


TOUCH - Touch - So High ★★★ (2008-02-27 22:01:00)

マイク・マンゴールドがリードVoをとった、
劇的且つセンチメンタルな名曲。
G、Vo、Keyが一体となって生み出す泣きメロが
とにかく胸に沁みます。後半の盛り上がりっぷりなんて
息苦しいほど。それでいてインスト・パートには
プログレッシブ・ロック色も漂い、
おセンチながらもヤワな印象はない。


TOUR DE FORCE - WORLD ON FIRE ★★★ (2015-05-28 23:11:40)

日本のHR/HMシーンが最も巨大化したと言われる90年代。レコード会社は競ってその嗜好にフィットするメロディック・ロック・バンドを矢継ぎ早にデビューさせ、弾が尽きてくると、今度はお蔵入り音源(殆どは欧米に到来したダーク&ヘヴィ・ブームの煽りで塩漬けにされてた物)を引っ張り出して「新作」の体裁でリリースしました。
NY出身のTOUR DE FORCEのこの2ndも、そうした流れの中でリリースが実現したアルバムの一つ。当時既にバンドは解散済みで、元がデモ音源ゆえ音質はイマイチ、おまけに中弛みの原因となる全17曲収録の超過ボリューム・・・。それでも本作が輝きを失っていないのは、収録楽曲の放つ眩い輝きが、弱点の数々を霞ませてくれているからでしょうか。
声質はやや重だが歌の上手さは折紙付きのVoに、泣きを孕みつつ適度にエッジを保つGと、しなやかに楽曲を彩るKeyが三位一体となって織り成す、フック満載のメロハー・ソングが連続する本編は時が経つのも忘れてしまう心地良さ。特にマイケル・ボルトン提供の“EMERGENCY”型名曲①に始まり、キャッチーに躍動する⑤を経て哀感溢れ出す⑥へと至るアルバム前半の流れは白眉。また先に「中弛み云々~」と書きましたが、名曲⑮の存在が後半戦を引き締めてくれているため、聴後感も然程悪くありません。
(皆さんご指摘の通り)中古屋じゃ数百円で投げ売りされてるのが、勿体無いやら有り難いやら、複雑な心境に陥る哀愁のハードポップの名盤ですよ。


TOUR DE FORCE - WORLD ON FIRE - TONIGHT ★★★ (2015-05-29 23:46:52)

『メロディアス・ハードロック・ディスクガイド』では
「SHYの“EMERGENCY”と並んでマイケル・ボルトンが
メロハー界に残した名曲」と高く評価されていた逸品。
確かにアルバムの「掴み」として、また本作の方向性を
リスナーに伝えるOPナンバー役として申し分のない出来栄えです。


TOURNIQUET - Psycho Surgery ★★★ (2020-08-20 01:35:11)

「曲作りにおいてはベートーヴェンから多大な影響を受けた」と語る(別にクラシカルなメロディを大盤振る舞いするわけではない)ドラマー、テッド・カークパトリックがリーダーを務めるLA出身のスラッシュ・メタル・バンド、TOURNIQUETが再び共同プロデューサーにビル・メトイヤーを迎えてレコーディングを行い、'91年にMETAL BLADE RECORDSから発表した2ndアルバム。
購買意欲を著しく削いでくれるジャケットのクオリティに関しちゃ、だいぶグレードダウンしてしまった印象ですが、オーケストラのチューニングの様子をイントロ代わりに、ファスト&テクニカルに炸裂するOPナンバー①のカッコ良さが提示する通り、緊張感を湛えたHMサウンドはデビュー作に負けず劣らず高いテンションをキープしています。
ドライな音作り、ササクレ立ったGリフ、ハイトーン控えめにシャウト主体の歌唱スタイルに切り替えたVo、畳み掛けるリズムの疾走感等、全体的にスラッシュ・テイストの底上げが図られている一方で、終始スロー且つ重厚に綴られるエピック・チューン⑨があったりと、曲作りの幅を意欲的に広げにかかっているのも本作の特徴。まぁ中にはラップVoやスクラッチを取り入れた⑤みたいな、チャレンジ精神が空転している楽曲があったりするのはご愛嬌ですけども。
怒涛の突進の不意を突いてアコギが爪弾かれたりメロディックなGソロが流麗に閃いたりと、静と動が目まぐるしく入れ替りつつ展開していく本編のハイライト③④のメドレーを始め、バンドの創作意欲がノリにノッていたことを伺わせる充実作。


TOURNIQUET - Psycho Surgery - Psycho Surgery ★★★ (2020-08-21 00:22:08)

前作で聴けたようなハイトーンは控えめに
シャウト主体のスタイルに切り替えたVoと
畳み込むようなリズムの疾走感、
テンション高くストップ&ゴーを繰り返す曲展開等
インテレクチュアル・スラッシュ・メタル風味を
各段に増したアルバムのOPナンバー。カッコイイ。


TOURNIQUET - Stop the Bleeding ★★★ (2020-08-06 00:52:08)

近頃ベートーベンの“交響曲第5番”をドラム・カヴァーしたことで話題を呼んだらしいテッド・カークパトリック率いるLA出身の5人組スラッシュ・メタル・バンド(実はクリスチャン・メタル・バンドでもある)TOURNIQUETが、ビル・メトイヤーをプロデューサーに起用して'90年にリリースした1stアルバム。
仕事帰りにCD屋に立ち寄ったら、何と再発された彼らの旧譜がディスプレイされているのを発見。昔3rdアルバムを購入して結構気に入っていたものの、当時は本作も2ndも入手困難だったため、そのまますっかり忘却の彼方だった記憶が蘇り「うわ、懐かしいなぁ!」と思わず衝動買いをしてしまいましたよ。
情緒不安定なロブ・ハルフォードといった趣きのハイトーンVoに、チリチリと鼓膜に突き刺さる音色でリフを刻み、フラッシーにソロを奏でる2本のG、神経症気味にアップダウンを繰り返す曲展開を立体的に支えるリズム隊という、確かな技量を有するメンバーによって複雑に編み上げられ、テクニカルに畳み掛けるサウンドは、名曲①が端的に物語る通り「プログレ・メタルのエッセンスが注入されたスラッシュ/パワー・メタル」といった趣き。
ただデビュー作ということで、例えば②みたいな比較的ストレートに疾走する楽曲があったりと、随所でオーセンティックな正統派HMからの影響がハッキリと顔を覗かせているのも本作の特徴で、特に7分に及ぶ劇的な⑩はガイ・リッター(Vo)のキング・ダイアモンド顔負けのエキセントリックな歌唱に、聴く度に圧倒されてしまう本編のハイライトですよ。
手元にある彼らのカタログの中では、個人的にこのアルバムが一番好きかもしれません。


TOURNIQUET - Stop the Bleeding - Harlot Widow and the Virgin Bride ★★★ (2020-08-07 00:31:27)

7分以上に及ぶ長尺をドラマティックに物語ってアルバムを締め括る大作ナンバー。
山あり谷ありの曲展開を堅牢に支える楽器陣もさることながら、
聴きモノはやはりエキセントリックなストーリーテラーぶりを発揮するガイ・リッターのVo。
キング・ダイアモンドに通じる芝居がかった歌唱は好き嫌いが分かれそうですが
ハマるとクセになる魅力あり。