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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5301-5400
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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 5301-5400
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SLAYER - Show No Mercy ★★ (2006-09-09 00:03:00)

メタルを聴き始めて間もない頃、友人が「コアなJUDAS PRIESTみたいでカッコイイぞ」と貸してくれたのが、
この'83年発表の1stアルバムであった。その時は一聴して「こんな雑音とJPを一緒にするんじゃないよ」と
突っ返した記憶があるのだが、今、改めて聴き直してみると、友人の言葉に嘘が無かった事がよく分かる。
確かに①⑥⑩辺りを筆頭に、前のめりに突っ走る楽曲は(当時の)常識外れなまでの疾走感を誇るが、
リフには欧州へヴィ・メタルからの大きな影響が感じられ、Gソロも、狂ってはいるが意外なほどメロディアス。
特に⑨のIRON MAIDEN風のインスト・パートなんぞ「ドラマチック」と表現しても差し支えないカッコ良さ。
トム・アラヤのVoも、尋常ならざるテンションの高さは今と変わらないが、曲によっては「歌ってる」場面が多々あり、
正統派へヴィ・メタリックな⑦における歌唱なんて、シャウトと言うよりハイトーンVoのようだ・・・なんて言ったらトム・アラヤに怒られるか?
思わず微笑ましくなるダサジャケや、バスドラが破けたまんまレコーディングに挑んだデイヴ・ロンバートのエピソード等、
SLAYERにしてみれば「若気の至り」的な1枚だろうが(現在のような「帝王」のオーラも殆ど漂ってこないし)、
それでも個人的には、彼らの全アルバム中、3rd「REIGN IN BLOOD」に次いでお気に入りの作品だったりする。


SLAYER - World Painted Blood ★★ (2009-11-15 22:15:00)

【ジャンル:帝王】と表記されたアルバムの帯に、凄い自信やなーと思わず笑ってしまったが、
相変わらず「尖がってるのに聴き易い」という高難易度の曲作りを、易々とこなすメンバーの
ソング・ライティング能力の高さに瞠目せざるを得ないSLAYERの新作。
本編のリーダー・トラックたる①がイマイチ地味な仕上がりゆえ、掴みに失敗してる印象は拭えないものの、
ガリガリと高速回転するGリフに、デイヴ・ロンバートの鬼のようなドラミング、トム・アラヤの切っ先鋭いシャウトが
一丸となって突っ走る②、初期の頃を思わせるヒステリックなGソロからスタートする③といった、
SLAYER印の高速スラッシュ・ナンバーの連発ですぐさまテンションは急上昇。聴き終えてみれば、
前作『CHRIST ILLUSION』に勝るとも劣らぬ優れた作品である、との評価に行き着く。
ただ、「攻め」の姿勢に終始していた『CHRIST~』に比べ、今回はトムのVoが時にムーディに呟き、時にメロディアスに
歌い・・・といった具合に、より幅広い表現力を駆使しているため、スピード重視の作風とは言え、前作のような
尋常ならざる攻撃性は控えめ。これを帝王の「余裕」「貫禄」と取るか、はたまた「地味」「緩い」と取るかは、
聴く人次第。個人的には、初期の頃を思わせるハイスピード・チューン②③⑥⑨⑪よりも、邪悪で大仰な④、
冒頭の冷酷なリフの刻みっぷりからゾクゾクさせられる⑦といった、ミドル/スロー・チューンがお気に入り。
解散も噂されるSLAYERだが、これを聴く限りではまだまだ大丈夫。イケてますよ。


SLEAZY WIZARD (2011-07-26 21:34:22)

80年代中期に、兵庫県は神戸市に置いて喜田“CHAPPY”康宏(Vo)らによって結成され、関西圏を中心に強力なライブ・アクトとして鳴らしたパワー・メタル・バンド。
'92年に、関西出身HR/HMバンドを集めたオムニバス盤『I CEASE RESISTANCE』に参加して知名度を高めると、'97年、4曲入りシングル『BLIND AND DEAF』と共に、1stフル・アルバム『STONE DEAD』をMANDRAKE ROOTからリリースして単独デビューを飾り、そのガッツ溢れる骨太なパワー・サウンドがマニアの間で好評を博した。(BURRN!!誌でも広瀬編集長がプッシュしてましたっけ)
メンバーの出入りが激しくラインナップが安定しない事がネックとなって'99年に一度解散するも、後に元TERRA ROSAの岡垣正志(Key)をメンバーに加えて復活。
音的には全く接点が見当たらない両者の合流には心底驚かされたが、'01年にCD-R仕様でリリースされたシングル『UNDER MY SPELL』を聴くと、これが案外違和感のない(寧ろ非常にカッコイイ)仕上がりで2度ビックリ。この編成でのフル・アルバムが聴いてみたかったなぁ。


SLEAZY WIZARD - STONE DEAD ★★ (2011-07-25 21:47:11)

MOTORHEAD、TANK、RAVEN、ACCEPTといったうるさ型HMバンドからの影響を糧に製錬された、叩けば埃が立ちそうな漢ムサいパワー・メタル・サウンドを身上とする関西出身の5人組が、'97年にMANDRAKE ROOTから発表した1stフル・アルバム。
この時点で既に結成から10年を数えるキャリア組だが、さりとて本作にベテランらしい落ち着きやマッタリ感は皆無。ワンパターン気味な構成とインディーズ制作ゆえの音の悪ささえも「勢い」へと転化して、のっけからハイテンションで暴走しまくる本編には、まるでデビューしたての若造バンドの如き威勢の良さが横溢している。
ビルの解体工事現場よろしく豪快に鳴り響くリフ&リズムと、噛み付くように歌う野太いVoとが一塊に炸裂する楽曲の数々は、スラッシュ・メタルばりのアグレッションと、躍動するノリの良さを併せ持ち、取り分け、スピード・ナンバー①④⑦⑨、重厚且つ劇的に迫るミッド・チューン⑧辺りの楽曲は、このバンドの魅力が判り易く体現された逸曲かと。
酒飲みながらガンガン頭振るには持ってこいの、TANKの名曲“BLOOD, GUTS & BEER”の世界を地で行く1枚。


SLEAZY WIZARD - STONE DEAD - ANOTHER PHASE OF TRUTH ★★ (2011-07-27 22:07:08)

本編においては異色曲と言えそうな
重厚でドラマティックなミドル・チューン。
Gも威勢良く刻み倒すだけでなく、
しっかりと聴かせるフレーズを奏でて
その腕前をアピール。


SLEAZY WIZARD - STONE DEAD - NAMELESS RIOT ★★ (2011-07-27 22:05:52)

開巻と同時に拳の連打を浴びせかけてくる
破壊的且つアグレッシブな疾走ナンバー。
と同時にノリの良さを含んでいる辺りも
このバンドならでは。


SLEAZY WIZARD - STONE DEAD - YOU MUST BE THE STAR ★★ (2011-07-28 22:05:47)

1stアルバムの実質的な幕引きの役割を担う、
畳み掛けるようなスピード・ナンバー。
随所で印象的なオブリを閃かせる
Bの仕事っぷりがかっこいい。


SLEAZY WIZARD - UNDER MY SPELL ★★ (2011-08-02 22:54:35)

ラインナップの不安定さが災いして'99年に解散したSLEAZY WIZARDが、新たにTERRA ROSAの岡垣正志(Key)やHURRY SCUARYの出原卓(Ds)らをメンバーに加えて復活。'01年にライブ会場限定で販売されたシングルに、新たにボーナス・トラックを1曲追加してMANDRAKE ROOTからリリースした3曲入りCD-Rがこれ。
収録曲は全てリーダー兼フロントマンの喜田“CHAPPY”康之(とGの東城成陽)によって書かれているのだが、和製様式美HMの切り札たる岡垣の加入に伴い、今回は彼のKeyワークを大々的にフューチュア。結果、GとKeyが激しいバトルを繰り広げる楽曲からはスラッシーな攻撃性や疾走感が後退し、デビュー作『STONE DEAD』とは赴きを異する作風と相成った。
但し、かと言ってコテコテの様式美HM路線へと転向したわけではなく、SLEAZY WIZARDならではの骨太なパワーとガッツ、それにワイルドなノリの良さもしっかりと保持されており、従来のらしさと新味のバランス感覚は非常に良好。
「この路線でのフル・アルバムも聴いてみたかった」と思わずにはいられない内容に仕上がっている。


SLEEZE BEEZ - Screwed Blued & Tattooed ★★ (2023-04-04 01:28:45)

90年代半ばにRAVENとのカップリングで来日公演も行っていて(どうにも脈絡の感じられない組み合わせで首を捻った記憶あり)、その時の模様はライブ・アルバムとしてリリースもされているオランダ出身の5人組SLEEZE BEEZ。本作は彼らがプロデューサーにジョン・ソンネヴェルドを起用してメジャーのATLANTIC RECORDSから'90年に発表した1stアルバム…であると長らく信じていたのですが(解説文にもそう記載されていましたし)、実はそれ以前に母国限定で『LOOKS LIKE HELL』なるアルバムを発表しており、正式にはそちらが1st、こっちはワールド・ワイド・デビューの2ndということになる模様。
エッジの立ったG、シンプルに躍動するリズム、勢い重視で歌いまくるVoという元気一杯なメンバーのパフォーマンスに支えられたサウンドは、DEF LEPPARDやAC/DCからの影響を伺わせる陽性ポップ・メタル。いかにもライブで盛り上がりそうな溌剌とした曲調やアリーナの大合唱が聞こえてきそうなビッグなコーラス・ワーク等、収録楽曲は教えて貰わなければまずヨーロッパ出身とは思わないカラッと明るい仕上がりですが、例えばMTVでヒットを記録したという④等は、仄かに哀愁を帯びたメロディにスパニッシュ・ギターがアクセントを加える小技も効いた、彼らのアメリカ志向のみならず欧州出身バンドとしての拘りも見て取れる、SLEEZE BEEZの魅力を端的に伝えてくれる名曲です。
SKID ROWの対抗馬としてレーベルの期待を背負うも、ビルボード・チャートでは100位台へのランクインがやっとだった様ですが、それは内容よりも時期の悪さのせいだよなと。


SLEEZE BEEZ - Screwed Blued & Tattooed - Stranger Than Paradise ★★★ (2023-04-06 01:09:05)

MTVでも好評を博したというアルバムのリーダー・トラック。
仄かに哀愁漂わすメロディにキャッチーなコーラス、
インスト・パートを印象的に彩るスパニッシュ・ギター等々
欧州風味とアメリカンなノリの良さを併せ持つSLEEZE BEEZという
バンドの魅力を分かり易く伝えてくれる名曲です。


SNAKE CHARMER - SMOKE AND MIRRORS ★★ (2012-10-03 22:44:55)

SILVER MOUNTAINで長らくヨナス・ハンソンの相方を務めたペア・スタディン(B)が結成したバンドのデビュー作('93年発表)。
バンド名は勿論RAINBOWの名曲から拝借、アルバムのアートワークもファンタジックな感じで、オマケにイェンス・ヨハンソン(Key)が数曲にゲスト参加しているとの事前情報に「SILVER MOUNTAINみたいな様式美掛かった北欧メタルに違いない」と(勝手に)期待値がグングンと急上昇。それだけに、購入後、実際にアルバムを聴き終えた時は「何じゃそりゃあ!」と、思わずCDをフリスビーの如く全力投擲しそうになってしまいましたよ。
深呼吸して冷静に聴き直してみれば(冷静になるのに数年かかりましたが)、そよ風のように清涼なこのハードポップ・サウンドも案外悪くない・・・いや、かなり良い。ピート・サンドベリの甘い歌声、新人のクセにツボを心得たスヴェン・シィアンスキーのテクニカルなG、そして相変わらず個性的な動きを魅せるペアのBも効果的に楽曲をサポート。健康的なコーラスに彩られた爽やかなハードポップ・ナンバー①②⑥や、結婚式のBGMに打って付けのバラード③、THE BEATLESの名曲を一層ドラマティックにカヴァーした⑩、あとイェンス参加のブルージーな⑤も渋くて良いなぁ。(こっちが彼に期待した路線とは大分異なりますけどね)
妙な先入観を持たなければ、十分以上に楽しませてくれるアルバムでした。反省。


SNAKES IN PARADISE - Snakes in Paradise ★★★ (2020-07-30 01:03:29)

日本ではゼロ・コーポレーションに所属し、JACKAL、MASQUERADE、TALISMAN等と共に第二次北欧メタル・ブームを盛り上げたバンドの一つであるスウェーデンのSNAKES IN PARADISE。本作は彼らがプロデューサーに(北欧ツアーを一緒にした間柄である)アメリカ人シンガー/ソングライターのブレット・ウォーカーを迎えてレコーディングを行い、自主制作の4曲入りシングルに続いて'94年にリリースした1stアルバム。
美麗なアートワークのテイストが、次作以降とは別バンドかと思ってしまうぐらい異なっているのですが、後にミッキー・ムーディとバーニー・マースデンが立ち上げたCOMPANY OF SNAKESでも歌うこととなるステファン・ベルグレンの実力派シンガーっぷりは既に堂に入ったものですし、音楽性に関しても、この時点で(白蛇系のバンド名に相応しい)「仄かにブルージーな薫りも漂ってくる北欧ハードポップ」という基本スタイルがきっちり定まっています。
ただ本作に関してはOPを溌剌と躍動する①や、アコースティック・ギターの妙技が冴えるバラード③、清涼感に満ちた哀愁が心地良い⑦、ボーナス・トラック扱いなのが勿体ないぐらいのポップ・メタルの逸品である⑬等、後の作品に比べると煌びやかなハードポップ・テイストの方が若干勝っている印象あり。中でも⑥はアメリカのメジャー・バンドのヒット曲と比較しても何ら遜色のない輝きを放つフック満載の名曲ですよ。
彼らのアルバムはいずれも甲乙つけ難い完成度を誇っているのですが、個人的に一番聴き直す頻度が高いのは(所属レーベルへの思い入れ込みで)本作であります。


SNAKES IN PARADISE - Snakes in Paradise - Deep in Your Heart ★★★ (2020-07-31 00:35:09)

WHITESNAKEに同名の楽曲がありましたが、こちらも負けず劣らず
素晴らしい仕上がり。仄かにブルージーなエッセンスを注入しつつ、
北欧のバンドらしい憂いを帯びた曲調とフックの効いたメロディで
ヒンヤリと仕上げられています。上手いシンガーがいないと締まらない
タイプの楽曲ですが、その点ステファン・ベルグレンの歌唱は文句なし。


SNAKES IN PARADISE - Snakes in Paradise - Love Got Wings ★★★ (2020-07-31 00:47:07)

日本盤のボーナス・トラックで、元々は’93年発表の4曲入りデビューEPのOPナンバー。
アルバムの他の収録曲に比べると曲調もコーラスも溌剌としたポップ・メタル色が強めで
耳にきんきんくるステファン・ベルグレンのVoも元気一杯(まだまだ青いとも言えますが)。
マニアの間で評判を呼んだというのも納得のキャッチーな名曲ですよ。


SNOWBLIND (2011-09-13 22:45:51)

英国においてNWOBHM期に活動するも、デモテープとシングルのみを残して解散したHRバンド、SABREを母体に誕生。
Keyを含む5人編成によって生み出されるサウンドは、如何にも英国的な湿り気を帯びたメロハー路線で、ポップなノリとナイーブな泣きが絶妙に溶け合わされたメロディ・センスにはキラリと光るものがあったにも関わらず、然したる結果を残せないまま解散へと至ったのは、美しい音楽性とは100万光年以上かけ離れた「仏頂面のヒゲ親父」が描かれた汚いジャケット・アートワークのせい、とする説が未だに根強く支持されている。
バンド解散後、本作において素晴しいGプレイを披露していたアンディ・シモンズはUFOに参加。Bのジェフ・ギレスピーはMAJESTIC ROCK LEBEL JAPANのA&Rとして活動、現在は日本に住んでいるのだとか。
そのMAJESTIC ROCK LEBELからはデビュー作の再発盤と初期音源集『DEMOCRACY』がリリースされているのだが、後者ではLIONHEARTの名シンガーとして知られる、チャド・ブラウンが歌っていた貴重なデモ音源を聴く事もできる。


SNOWBLIND - Snowblind ★★★ (2011-09-14 07:23:01)

「寒さに凍える小汚いヒゲ面のオッサン」という、バンドが標榜する音楽性との乖離も甚だしいダメジャケがある意味インパクトを放つ、英国出身の5人組HRバンドが'85年にMAUSOLEUMから発表した1stアルバム。
KeyをたっぷりとフィーチュアしたJOURNEYばりに華やかなメロディアスHR路線を志向するも、生来の英国人気質が邪魔するのか、ポップな楽曲を演ってもどこか明るくハジけ切れず、曇天模様を呈するサウンドが彼らの個性。
煮え切らないメロディを歌ういなたいVoと、薄っぺらな音質が「四畳半ハードポップ」とでも評したくなるうらぶれた空気を運んでくるものの、イントロだけで「合格!」となる①や、③のような教科書通りのキャッチーなポップ・チューン、儚げな哀メロを纏って心地良く躍動する②⑦、後にUFOに参加するアンディ・シモンズの、マイケル・シェンカー直系のナイーブな泣きを湛えたGプレイが冴え渡る④⑥⑧、キラキラと眩いKeyがポップな高揚感を演出する⑤等、「嗚呼ブリティッシュ」な叙情性を帯びた収録楽曲の数々は粒揃いな上に非常に日本人好み。捨て曲も見当たりません。
LIONHEARTは勿論、SHY、STRATUS、GRANDPRIX、BRONZといった80年代英国メタルのメロウ・サイドに属するバンドがイケル口の人なら、必ずや気に入るであろうメロハーの好盤。


SNOWBLIND - Snowblind - Now is the Hour ★★★ (2011-09-15 22:39:09)

高らかに鳴り響くKeyサウンドがえもいわれぬ高揚感を演出する、
アルバム中最も大陸的なハードポップ風味を感じさせてくれる名曲。
それでも微妙にフラット気味のメロディを歌うVoの存在には
やはりヨーロッパ的な湿り気が漂うが、それも立派な個性だ。


SNOWBLIND - Snowblind - Possession ★★★ (2011-09-15 22:34:11)

お洒落な産業ロックを目指すには、
イントロから濃厚に泣きまくるGが
存在感を主張し過ぎている印象ですが、
それがどうした!と思わず開き直りたくなるほど
アンディ・シモンズのGプレイが素晴しい。
か細く震えるVoも楽曲の哀愁を高めていますね。


SNOWBLIND - Snowblind - Walk the Line ★★★ (2011-09-14 21:42:15)

教科書通りのイントロで掴みはOKなハードポップ・チューン。
明るくなりきれないVoと、濃いめの泣きを湛えたGの存在が
大陸産のこの手のバンドとは異なる個性を演出している。


SODOM - Agent Orange ★★ (2007-09-04 21:33:00)

雑誌で読んだ「暗くて速い」という評価から、(勝手に)北欧ネオクラシカルっぽい音を想像して、
ついウッカリ1st『OBSESSED BY CRUELTY』を聴いて打ちのめされて以来、名前を見聞きするのも嫌だった
SODOMを見直す切っ掛けとなった、彼らが'89年に発表した3rdアルバム。
デビュー当時の、劣悪な音質/極悪な演奏/凶悪なルックスと三拍子揃ったVENOM直系のブラック・メタル路線から
着実に進歩を重ね、本作では完全に本格派スラッシュ・メタル路線へとシフト。整然としたクリアなサウンド・プロダクション、
メリハリの効いた構成、メンバーの演奏能力の向上と、それによるインスト・パートの充実といった要素を得て、
タイト且つシャープに突っ走る引き締まった楽曲のカッコ良さ/気持ち良さは、これまでの彼らの作品のそれを大きく上回っている。
特に、SODOM屈指の名曲であり、現在でもライブでプレイされ続けている代表曲①⑦はファン人気の高い名曲として知られているが、
個人的なイチオシは②。激烈な曲調の中から不意に顔を出す美しいアコギ・ソロに「SODOMやるなぁ!」と唸らされること請け合い。
また、この曲に限らず、今回はGのフランク・ブラックファイアが非常に良い仕事をしていて、②以外にも、①や⑥といった楽曲で
メロディックなソロを披露。本作を最後にSODOMを脱退する彼からバンド(とファン)への置き土産といったところか。
SODOMの名をオーバー・グラウンドへと浮上させるヒット作となったのも納得の、ジャーマン・スラッシュ・メタル史に残る名盤です。


SODOM - Better Off Dead ★★ (2006-05-29 21:54:00)

基本はこれまでと変わらぬピュア・スラッシュ・メタルながら、本作は、楽曲から そこはかとなく匂い立つ「硬派な哀愁」が隠し味となって
(だからこそTANKのカヴァー曲や、MOTORHEAD風の爆走R&R“STALINOGEL"がピタリとハマった)、
いちげんさんにも取っ付き易い仕上がりになっているのが嬉しい。
整然としたサウンド・プロダクションも聴き易さの一因で、確かにがむしゃらな迫力は減じたが、その分、リフの斬れ味の鋭さはこれまで以上。
名曲“SHELLFIRE DEFENSE"を筆頭に、タイトに引き締まったスラッシュ・チューンが次々に繰り出される様は、問答無用のカッコ良さ。


SODOM - Decision Day ★★★ (2017-01-08 11:02:25)

‘16年発表の新作アルバム。前作『EPITOME OF TOTURE』が強力な内容だったにも関わらず、まさかの国内盤スルーに終わってしまったSODOMですが(帯を付けたタイプの輸入盤は出回りましたけど)、今回はちゃんと国内盤がリリースされていますのでご安心あれ。
内容についても、流石、独産スラッシュ・メタル信頼のブランドだけあって相変わらずの充実っぷりです。ヘイトフルな激情迸るトム・エンジェルリッパーのVo、削岩機よろしくガリガリとGリフを刻み込む一方、欧州HM然とした湿り気とドラマ性を盛り込んだメロディも奏でるバーネマン、既に何の違和感もなくバンドに溶け込むマーカス“マッカ”フライヴァルドが叩き出すタイトなリズムと、高性能スラッシュ・マシーン・トリオによる鉄壁のアンサンブルに付け入る隙は全く見当たりません。
本編の8割方を疾走ナンバーが占めるという、SODOM近作の中ではスラッシーな突撃感覚が突出している本作ですが、同時に「メロディを増量して、スピードに頼らずとも聴き手をアゲられる楽曲作り」という、ここ数作における取り組みの成果もちゃんと踏まえられています。中でも、6分以上の長尺を毛ほども意識させないOPナンバー①や、アルバム表題曲③は、このバンド独特の好戦的な雰囲気のみならず、エピカルなドラマ性をも伴って猛進する本編のハイライト。
猛々しさの中にもライブ映えするキャッチーさが光る⑤⑧⑨だって頭を振らずにはいられないですし、ヨーロピアンな暗黒美をも撒き散らす④⑦も最高だし…と、語ろうと思えば収録全曲について語れてしまう勢いのこの完成度の高さ。安定感は増しても切っ先の鋭さは微塵も鈍っちゃいない、SODOMの凄みを伝えてくれる1枚です。


SODOM - Decision Day - Caligula ★★★ (2017-01-10 23:58:28)

カ~リギュラ~!
思わず一緒に歌いたくなるキャッチーなコーラスを有する一方、
ローマ帝国の暴君について歌った楽曲だけあって
さりげなく混ぜ込まれた欧州風味の暗黒色なドラマが
効果的なアクセントとなっています。


SODOM - Decision Day - Decision Day ★★★ (2017-01-10 23:54:43)

SODOMらしい刺々しいアグレッションと、
戦争をテーマに据えた楽曲に相応しく、
バーネマンが好戦的に奏でるメロディとが
劇的な融合を果たしたアルバム表題曲。


SODOM - Decision Day - In Retribution ★★★ (2017-01-10 23:48:22)

ライブの開幕SEさながらに、徐々にテンションを高めていって
その緊張が頂点に達した瞬間、解き放たれたかのように
怒涛の疾走へと転じる冒頭の展開だけで完璧に掴まれてしまいましたね。
現在のSODOMの魅力が凝縮された名曲です。


SODOM - Epitome of Torture ★★★ (2013-10-05 01:03:32)

前作『IN WAR AND PEACES』に引き続き、プロデューサーにヴァルデマー・ゾリヒタを起用してレコーディング、'13年に発表されたニュー・アルバム。
21世紀のSODOMの土台を支え続けたドラマー、ボビーが脱退し、その後任として元DESPAIRのマッカことマーカス・フライヴァルドが加入。この編成替えは確実に本編に影響を与えていますが、だからといって微塵もクオリティ低下を許さないのがSODOMたる所以です。
心持ちメロディをなぞる場面の増えたトム・エンジェルリッパーの激情シャウト、ヨーロッパ的ダークネスとドラマ性を湛えたバーネマンのGプレイ、そして前任者ほどの破壊力は持ち合わせていない代わりに、タイト且つ疾走感溢れる演奏で楽曲の「キャッチーさ」増強に貢献するマッカのDsと、今回の作風は(良い意味で)メロディアスな方向へと振られており、例えるなら、ここ数作のKREATORに通じるスラッシュ・サウンド・・・と言えば、どんな感じの音か伝わるでしょうか?
SODOM以外の何者でもない凶暴さで蹂躙する②④⑥のカッコ良さも格別ですが、それにも増して魅力的なのは、猛々しくも劇的なOPナンバー①や、本編最高速度で畳み掛ける⑦、ロシア民謡“カチューシャ”のメロディがイントロにくっ付けられた⑧、一緒に叫びたくなる秀逸なサビメロを持つ⑨といった、攻撃性とメロディが絶妙なバランスで並び立つ楽曲群。
CDの帯には「賛否両論を呼ぶ作風」とありますが、いやいや。初心者にもSODOM入門編としてお薦め出来る、取っ付き易い魅力に溢れた1枚ではないかと思う次第。(なのに帯付き輸入盤のみのリリースってのは勿体無さ過ぎる)


SODOM - Epitome of Torture - Into the Skies of War ★★★ (2013-10-07 23:12:05)

アグレッシブであると同時に、
一緒に歌いたくなるキャッチーさと
ノリの良さも兼ね備えているのが魅力。
ライブで演ったら盛り上がること間違いなし。
個人的にはアルバム中でも1、2を
争うお気に入りの楽曲ですね。


SODOM - Epitome of Torture - Invocating the Demons ★★★ (2013-10-07 23:01:31)

SODOMらしからぬメロディアスな曲調と
SODOMらしい激烈な疾走パートとが
入れ替わり立ち代り襲い来る、これまた名曲。


SODOM - Epitome of Torture - Katjuscha ★★★ (2013-10-07 23:09:32)

ヘアバンドの歌・・・では勿論ないですね。
イントロにくっ付けられたロシア民謡“カチューシャ”の
メロディから一転、獰猛に畳み掛ける高速スラッシュ・ナンバー。
名曲。


SODOM - Epitome of Torture - My Final Bullet ★★★ (2013-10-07 22:55:04)

OPトラックにして、アルバムのハイライト。
猛々しくもサビでは(微妙に)「歌って」いるトムのVo、
イントロからソロ・パートまでドラマティックな
Gワークを披露するバーネマン、それに気持ち良く
タイトに突っ走るマッカのDsと、本作全ての魅力が
凝縮されているといっても過言ではない名曲。


SODOM - Genesis XIX ★★★ (2022-06-29 23:36:19)

首魁トム・エンジェルリッパー(Vo、B)以外のメンバーが脱退し、約30年ぶりに旧友フランク・ブラックファイア(G)がバンドに復帰。更に新メンバー2名も補充して、SODOM史上初めて4人編成でレコーディングされたスタジオ・アルバム。('20年発表、16作目)
プロデューサーのヴァルデマー・ゾリヒタと共に制作されたここ数作では、アグレッションは十分に担保しつつも、エピカルなメロディを増量する方向性を打ち出していましたので、今回のメンバー・チェンジはそのスタイルの一層の拡充を図るためのものと思っていましたが、実際のところはそうした意図でなかったことは、ツインG体制の初お披露目となったEP『OUT OF THE FLONTLINE TRENCH』(’19年)を聴けば明らかな通り。2本のGはメロディの充実よりもむしろサウンドの「圧」「突破力」の強化に用いられており、鬼軍曹たるトムの怒号Voによる指令下、ガリガリと刻み込む殺傷力抜群のリフ、重量感溢れるゴリゴリのリズムとが波状攻撃を仕掛けて来る本作は、MOTORHED由来のロックンロール・ソングも見当たらない、SODOM流スラッシュ・メタルの原点に立ち返ったような殺伐としたアグレッションを放つ仕上がりとなっています。
とはいえ、音作りからパフォーマンスまで貫禄がオーラの如く立ち昇るサウンドに、初期作につきまとったチープさや不安定さは欠片もなく、また近作で培ったエピックなメロディも実は要所で息衝いていたり。特に不穏なイントロから激走へと転じるアルバム表題曲④は、現行SODOMの魅力が凝縮されたようなカッコ良さに痺れずにはいられませんよ。
例え編成が変わろうと、トムが健在であれば今後に不安は何もないと納得するに十分な1枚。


SODOM - Genesis XIX - Genesis XIX ★★★ (2022-07-01 00:21:02)

ガリガリと刻まれるリフ、ゴリゴリと押し出して来るリズムとが
殺気を撒き散らしながら突っ走るスラッシュ・ナンバー。
不穏且つ大仰なイントロを経てスタートする前半は若干抑え気味で
中盤のひと展開を経てからのエンジン全開ぶりがまたカッコ良い。


SODOM - In War and Pieces ★★★ (2011-04-16 18:19:44)

間に企画盤のリリースを挟んだとは言え、まさか5年も待たされる事になるとは思わなんだ、SODOM待望の新作アルバム。
指揮官たるトム・エンジェルリパーの舌鋒鋭い怒号の下、激情を撒き散らかしながら荒れ狂うオールドスクールな楽曲の数々を、モダンでクールなサウンド・プロダクションが包み込み(ヴァルデマー・ゾリヒタ謹製)、北欧メロデスにも通じる、ヨーロピアンHMならではのヘヴィネスとダークネスで味付けされた本作は、基本的には前作『SODOM』の作風を継承。
但し、アコギに始まる重厚な前半から一転、後半は苛烈な疾走パートへと転じる①、SLAYERばりの刺々しさを誇る②、メランコリックなメロディを有用した③、ダイナミックに畳み掛けて来る④・・・といった具合に、収録楽曲の疾走感は大幅な回復傾向にあり、中でも、SODOMの看板キャラである「クナレンハインツ」について歌った⑩は、機銃弾の如く降り注ぐGリフにドカドカと豪快に突進するボビーのDsといい、名作『AGENT ORANGE』の頃を思い起こさずにはいられない爆走スラッシュの名曲ですよ!
この他にも、バーネマン(G)のメロディ・センスが冴え渡るSODOM流バラード(?)⑧、劇的な⑪辺りも個人的には押さえておきたい逸品だしで、取り敢えず、5年待たされた甲斐は十二分にあったと断言できる充実作なのは確か。
でも次作はもうちょい短いインターバルで宜しく。


SODOM - In War and Pieces - God Bless You ★★ (2011-04-16 19:56:39)

歌詞の内容は例に漏れず物騒なのだが、
メランコリックなメロディが物悲しげな雰囲気を演出。
トムの凶悪な濁声もどこか感傷的に響く
思わず「バラード」と表現したくなる
ヘヴィなスロー・ナンバー。


SODOM - In War and Pieces - In War and Pieces ★★★ (2011-04-16 18:25:18)

前作『SODOM』と同じくアコギによる幕開け。
どっこい、「あー、はいはい。あんな感じなわけね」という
こっちの予想は裏切り、期待は裏切らない
後半の疾走パートにテンション急上昇。
アルバムの完成度の高さを確信させるに十分な
名曲なんじゃないでしょうか。


SODOM - In War and Pieces - Knarrenheinz ★★★ (2011-04-16 18:23:24)

SODOMにしか作り出せない実にSODOMらしい名曲。
彼らがここまでストレートなスラッシュ・ソングを
書いたのは結構久し振りのような。
何遍聴いても、イントロだけで血沸き肉踊りますね。


SODOM - M-16 ★★ (2010-04-06 22:26:00)

アルバム・タイトルから曲名、ジャケット・デザイン、THE TRASHMENの代表曲(映画『フルメタル・ジャケット』で
お馴染みの)“SURFIN' BIRD"のカヴァー、それに「戦争」をテーマに据えた歌詞の数々に至るまで、
トム・エンジェルリッパーのミリオタ魂が全編に渡って炸裂しまくった、'01年発表の11thアルバム。
SLAYERばりにファスト&ブルータルなスラッシュ路線への帰還がファンから歓迎された前作『CODE RED』に比べ、
重厚感と緩急の演出に重きの置かれた本作はかなり評価が分かれる様子なれど、とは言え、殺伐としたGリフが
刻まれる④を筆頭に、高い殺傷力を誇る高速スラッシュ・ナンバーはしっかりと健在だし、ミドル/スロー・テンポの
楽曲にしても、ちゃんと疾走パートが組み込まれているので、全編を貫く突撃感覚に鈍りは全く見られない。
というか寧ろ、好戦的な楽曲の数々が撒き散らす殺気や狂気、そして何より「SODOMらしさ」に関しては
完全に前作を上回っているように思うのだが・・・どうでしょう?
また、全体的にテンポが抑え気味になった分、バーネマン(G)のメロディ・センスの良さや、攻撃的でありながらキャッチー、
それでいて戦う漢の哀愁まで伝える、トムの濁声Voのスペシャルさがこれまで以上に際立っている点もポイントかと。
取り分け、ダイナミックに迫り来る①、冒頭でキルゴア中佐が名言を発してくれる③、重心低くパワフルに
押し出してくる⑦といった、両者の魅力が如何なく発揮された楽曲のカッコ良さには心底ゾクゾクさせられますね。
METALLION誌において「00年代の名盤300選」に選出されたのも大いに納得の行く1枚。


SODOM - Sodom ★★ (2006-05-31 22:15:00)

本作の特徴を一言で表現するなら「ドラマチック」が適当だろうか。
何しろ、北欧のメロデス勢にも通じる、荒涼たる叙情性とアグレッションを宿したリフ・ワークが滅茶苦茶クール。
11thアルバムにして、SODOMの楽曲に新たな魅力を付与してみせたトム・エンジェルリッパーというミュージシャンの
底知れぬ才能には、今更ながら感嘆を禁じ得ない。
今回、その高いドラマ性を援護射撃するのがバーネマンのGで、“BLOOD ON YOUR LIPS"のイントロに憂いを帯びたアコギ・プレイ、
“CITY OF GOD"“NO CAPTURES"で炸裂させるメロディックなGソロは、そこいらの正統派メタル・ギタリストが
裸足で逃げ出す劇的さを誇り、各曲のハイライトとなっている。
とは言え、新機軸ばかりに気を配って足元がお留守になってるなんて事は全くなく、そこはSODOM。
ダイナミックな曲展開が魅力の“LAY DOWN THE LOW"、サビの勇壮なGメロに痺れる“NOTHING REGRET"、日本盤ボーナス曲ながら、
本編OPを飾ってもおかしくないクオリティを備えた激烈スラッシュ・チューン“KAMIKAZE TERRRORIZER"等、不変の突進力は健在。
ある意味(「BETTER OFF DEAD」とは違った意味で)SODOM未体験者に最適の一枚かと。


SOLITUDE - Brave The Storm ★★ (2010-03-02 21:21:00)

デビューEP『VIRTUAL IMAGE』を発表したきり音沙汰がなく、てっきり解散したものと思っていた元SACRIFICEの
杉内哲(Vo)と西田亨(B)が結成した4人組HMバンドSOLITUDEから、今年ひょっこり届けられた1stフル・アルバム。
劇的なGリフの数々に、屈強なリズム、そして唯一無二の個性を備えた杉内のダーティなVoとが一丸となって
怒涛の如く進撃する、NWOBHM由来の男気溢れるパワー・メタル・サウンドはデビューEPから不変。
但し今回は、よりオーセンティックなメタル色が強まっており、曲展開がドラマティック且つキャッチーに
練り上げられた分、全体的に取っ付き易さが増した印象で、一層の歌心と表現力を獲得した、
杉内のアルジー・ワードばりのシャウトがその印象に拍車を掛ける。
海外スタジオにて最終的なマスタリングが施されただけあって、サウンド・プロダクションも大幅に向上を遂げ、
本作より新たにバンドに加わった元ANTHEM、大内MAD貴雅のパワフルなドラミングと併せて、サウンドの
迫力増強に大きな貢献。その真価が発揮された、美しいアコギに導かれてスタートする強靭なOPナンバー①
(前任者以上にGをメロディアスに歌わせる新ギタリストの存在が頼もしい)を筆頭に、「これぞブリティッシュ!」
——日本のバンドですが——な湿り気とドラマ性を湛えた楽曲の数々を聴いていると、個人的には
デモリションマンを擁する4人編成時代のVENOMの姿が脳裏を過ぎります。(これ聴いて気に入った人は、
是非とも過小評価されがちな『PRIME EVIL』以降のVENOMも宜しく)
沈黙期間の長さが、見事に完成度の高さに反映された渾身の1枚。再発されたデビューEPと併せてどうぞ。


SOLITUDE - Brave The Storm - YOU WERE ALL OF MY LIFE ★★ (2010-03-02 22:09:19)

美しく叙情的なアコギのイントロを経て、
パワフルに突き進むOPナンバー。
ドラマティックな曲展開といい、
メロディアスに泣き/歌うGソロといい、
デビューEPからバンドが確かな成長を遂げた事を
端的に物語る名曲。


SOLITUDE - Reach for the Sky ★★★ (2015-07-28 21:41:49)

デビューEPが'01年で1stアルバムが'09年と、作品のリリース・ペースがBOSTON級の気の長さを誇るSOLITUDE、'15年発表の2ndアルバム(と思ったら3rd扱いなの?)。しかし、これが長らく待った甲斐のある充実作に仕上がっているのですから、迂闊に文句は言えませんて。
前作完成後に加入し、今回がレコーディング作業初見参となる元ANTHEMの大内“MAD”貴雅(Ds)の存在がターボ燃料となったのか、本作はこれまで以上にスピーディ且つパワフルな方向へアクセルをベタ踏み。
拘りの詰まった強靭なサウンド・プロダクションを得て突っ走る、MOTORHEAD思わす好戦的な②、パワー・メタリックな肉厚さで迫り来る④、SOLITUDE版“WARNING ACTION!”とでも表したくなる⑥といったスピード・ナンバーの数々なぞ、スラッシュ・メタルを演っていたSACRIFICE時代も斯くやの獰猛さ。
それでいて後戻りした印象が皆無なのは、劇的にしてメロディックな③やインスト曲⑤を聴けば分かる通り、表現力を増した各パートがこれまで以上に「歌う」ようになっているせい。中でもヘヴィ・バラード調の⑧は、現在の彼らだからこそ成し得たエモーション迸る名曲っぷり。決して器用なタイプではないが(だからこそ)ヤサグレ男の哀愁を伝えるVoの熱唱や、泣きのGソロの剛速球が涙腺に沁みること沁みること・・・。
全8曲収録でランニング・タイムは40分台と、無駄なくタイトに引き締まった本編は体脂肪率0%。SACRIFICE時代からブレることなく一貫して追求し続けて来た、スラッシュ、NWOBHMの影響を取り込んだパワー・サウンドが、未だ前進の歩みを止めていないことを証明する1枚です。


SOLITUDE - Virtual Image ★★ (2006-05-03 09:11:00)

スラッシュ・スタイルだったSACRIFISEに比べると、こちらは若干、正統派寄りで聴き易いへヴィ・メタル・アルバムに仕上がっている。
(SACRIFISE自体、スピードで押し切るバンドではなかったけど)
とは言え、強烈な個性を主張する杉内明のダーティなVoは健在。どころか、ドスの効かせ方などかなりパワーUPした印象で、
これはかなり好き嫌いが分かれるかもしれないが、表現したい事があるからこそのこの歌唱法なわけで、別に文句を言う筋合いはない。
ウド・ダークシュナイダーやマーティン・ウォルキーア辺りがイケル口ならトライしてみる価値は十分にあり。
曲作りの巧さは相変わらずで文句なし。特に痒い所に手の届くGソロと、頭3曲のリフのカッコ良さには痺れた!
ただ、全6曲のミニ・アルバムで、インストを2曲続ける構成には疑問を感じなくも無いけど。


SOLSTICE (2011-06-29 22:21:02)

アレックス・マキーズ(Ds)とロブ・バーレット(Vo、G)が音頭を取って'90年に結成したスラッシュ・メタル・バンド。(人脈的には完全にフロリダ・デス・メタルの一派に組み込まれるが)
かのMORI SOUNDスタジオにて、トム・モリスの助力を得て制作したデモテープが評判を呼び、ドイツのSPV/STEAMHAMMER RECORDSとの契約を獲得。'91年、再びMORI SOUNDスタジオ入りすると、エンジニアにスコット・バーンズを招いて(実質プロデューサー的存在だったとか)デビュー作のレコーディングを開始。
セルフ・タイトルの付けられたこのアルバムは'92年秋にリリースされ、またバンドは同作をもって日本デビューも飾っている。(国内盤の邦題はシンプルに『ファースト』)

その後の活動については全くフォローしていなかったのだが、調べてみると'03年に2ndアルバムを発表しているのみならず、'09年には再結成を果たしていた事も判明。そういえばレコード屋で新作(3rd)がディスプレイされているのを見かけたような・・・。


SOLSTICE - Solstice ★★ (2011-06-30 06:49:32)

スラッシュ・メタルの名盤の多くは80年代に発表されているわけだが、個人的には、ジャンルの勢いに翳りが見え始めた90年代に、それでも流行に左右されることなく(もしくは流行と折り合いをつけつつ)生み出されたスラッシュ・アルバムの数々にも非常に愛着を感じており、アメリカ出身のSOLTICEが'92年に発表したこのセルフ・タイトルのデビュー作(エド・レプカが手掛けたジャケット・アートワークが○)も、そうした中の一つ。
デス・メタルの聖地、フロリダはMORI SOUNDスタジオにおいてレコーディングされているだけあって(エンジニアにはスコット・バーンズ)、音作りに関しては同スタジオの流儀に忠実に則っている本作だが、ハードコア方面からの影響も垣間見える野太い濁声Voや、ジャーマン・スラッシュ・メタルばりの音数の多さで刻まれるリフ&リズム、それに時折ハッと耳を捉える流麗なフレーズを奏でるGソロ(3曲で名手ジェイムズ・マーフィが客演)とが、緩急を効かせつつパワフルに畳み掛けて来るサウンドに、デス・メタル的なヘヴィネスや粘着性はあまり感じられない。KREATOR風味の切っ先の鋭さを誇る⑧なんて、彼らが標榜するスラッシュ・メタル(ハードコア+ヨーロピアン・スラッシュ÷フロリダ)が高いレベルで結実した名曲ですよ。
リリース当時、本作に対する雑誌等の評価は芳しいものではなかったが、そのお陰で(?)バカ高いプレミアが付けられる事もなく、現在でも比較的容易に入手可能ゆえ、未聴のスラッシャー諸氏は是非お試しあれ。


SOLSTICE - Solstice - Catalysmic Outburst ★★★ (2011-06-30 23:27:51)

音数の多いリズムに乗って、
噛み付くように咆哮するVoと
これまた手数多めのGリフが疾駆する、
ジャーマン・スラッシュ勢からの
影響が伺える高速スラッシュ・ナンバー。
耳惹かれるメロディアスなGソロも
良いアクセントとなっています。


SORTILEGE - Larmes de héros ★★ (2013-04-22 22:52:42)

バンド名は“ソルティラージュ”と読むんでしたっけ。パリジャン5人組がプロデューサーにヴィック・ヴァーガットを迎えて'86年に発表した2ndアルバム。
嘗ては「ざーますメタル」「メタルに合わない言語」なんて言われてたフランス語。本当にメタルに合わないかどうかは、古今、フレンチ・メタル作品に余り触れて来なかった身としては判りかねるのですが、少なくとも本作がフランス語歌詞であることのハンデやマイナス要素は殆ど感じさせない力作であることは確か。
これまでにも増してメロディとハーモニーを重視し、「聴かせる」ことに焦点が絞られた本編は、NWOBHM然としたGリフ主体で疾走するアップテンポの楽曲以上に、そこはかとなく優雅ささえ感じさせるメロディを暑苦しく歌い上げるハイトーンVoと、フラッシーな速弾きからマイケル・シェンカーばりの泣きのソロまで多彩にこなすGの存在が生きるスロー/ミディアム・テンポの楽曲の方が、強く印象に残る仕上がり。特にGのセンスは絶品で、④のエンディング部分における泣きっぷりなんて、そのエモーションの迸り具合に眉が八の字になる程。
楽曲のメロディアス化が一層押し進められたことによりVoの力量の限界が露呈している上、冴えないプロダクションのせいで垢抜けない雰囲気も漂う作品ではありますが、個人的には、IRON MAIDEN~JUDAS PRIESTの系譜に連なるこの正統派HMサウンド楽しむ上では然したる障害ではなし。
あと、ふと思いましたがちょっと同時代のジャパメタっぽい部分もあるような?


SORTILEGE - Larmes de héros - Quand un aveugle rêve ★★★ (2013-04-23 21:46:33)

イントロからして湿度が高い泣き虫メタルで、
エンディングのGソロの泣きっぷりが白眉。
フランス語の語感の柔らかさが、
良い意味で軟弱さを補強してくれていますね。


SORTILEGE - Métamorphose ★★★ (2017-04-01 09:31:37)

時は80年代。雑誌等では「フランス語はメタルに合わない」と叩かれる一方、マニア筋からは優れたバンドを数多く輩出する有望なHM鉱脈として信頼を勝ち得ていたフレンチ・メタル・シーン。その中でも1、2を争う人気者だったSORTILEGEが’84年に発表した1stフル・アルバム。ついでにジャケットに描かれた謎のモンスターが浮かべる、こっちを小馬鹿にしたような顔つきに絶品にイラっとさせられる1枚であります。
これまで本作については日本盤も出た英語バージョンにしか触れる機会がなく、先日のリマスター再発を期に漸く原語バージョンを聴くことが出来て、ああ、うん。フランス語版の方が断然良いよ!と。元々シンガーは熱々のシャウトから朗々とした歌い上げまで余裕でこなす実力派でしたけど、聴き比べると、微妙に「置きに行ってる」感無きにしも非ずな英語版に対し、母国語の方は遠慮会釈なしに歌唱がダイナミック。何より、疾走感もドラマ性も切れ味も十分な、JUDAS PRIESTやNWOBHMを通過した正統派HMに、語感の柔らかなフランス語が乗ることで、サウンドに一種の優雅さや気高さがトッピング。有象無象のバンドとの大きな差別化に成功しています。特に、メタル・ハートにビンビンに響くビブラートを伴うハイトーンVoと、時にそのVo以上に雄弁に歌ってみせるツインGを存分にフィーチュアした、勇ましくもキャッチーな②と、ドラマティック極まりないアルバム表題曲⑨は、言語に対する偏見を捨てて是非1度お聴き頂きたい名曲です。
次作を聴いた時も思ったのですが、曲作りの方向性からメロディの拾い方まで、不思議と同時代のジャパニーズ・メタルに通じる魅力を放っている1枚ではないかと。


SORTILEGE - Métamorphose - Majesté ★★★ (2017-04-01 09:41:22)

エッジの立ったGリフとリズム、
メロディックに弾きまくられるGソロとが
適度なノリの良さを伴って突き進む様からは
これぞ80年代正統派HM!といった魅力が立ち込める。
フランス語で朗々と、且つ力強く歌うハイトーンVoが
一種「高貴な雰囲気」を楽曲に付与していて
このバンドの独自性を際立たせていますよ。


SORTILEGE - Métamorphose - Métamorphose ★★★ (2017-04-01 09:52:33)

シンガーの歌の上手さが映える
バラード調の序盤からテンポアップして、
泣きのGソロとコーラスを伴いながら疾走する
終盤の盛り上がりは、涙ながらに
万歳三唱したくなるぐらい熱くドラマティック。


SORTILEGE - Sortilège ★★★ (2017-04-03 23:38:22)

'81年に結成された(当初はBLOODWAVEと名乗っていたのだとか)フランス・パリ出身の5人組が、DEF LEPPARDとのツアーで前座を務める等して腕を磨いた後、オランダのRAVE-ON RECORDSと契約を結び’83年に発表したセルフ・タイトルのデビューEP。
豊かな声量を活かして歌いまくるハイトーンVo、メロディックに駆け巡るツインGを武器とした切っ先の鋭い正統派HM…という後のアルバム2枚に通じるサウンドの方向性、並びにメンバーの技量の確かさはとっくに確立済み。と同時に、全5曲が「ぐずぐずしてる暇はねえ!」とばかりにタイト且つハードに攻め込んで来るサウンドは、NWOBHMからの影響もクッキリと顔を覗かせていて、その出来栄えは彼らのカタログの中において頭抜けてアグレッシブ。後の作品からそこはかとなく漂う「ジャパメタっぽさ」はここからは感じられませんでした。
疾走ナンバー、三連、ミッド・チューンと、収録曲はどれも素晴らしいモノばかりですが(歌詞は当然全曲フランス語)、中でもJUDAS PRIESTの“THE HELLION”を思い出さずにはいられない劇的なイントロ付きで疾走するOPナンバー①と、バンドのテーマ曲④は必聴であると。特に後者は凄い。何が凄いってサビがひたすらバンド名を連呼するだけという(笑)。君ら選挙期間中の政治家か何か?というぐらいのアピールっぷりが微笑ましい名曲ですよ。(選挙カーの場合だと思わず爆破してやりたくなるぐらい腹立ちますが)
「かつてDEATHのチャック・シュルデナーも感銘を受けたことを語っていた1枚」…と聞いて興味が湧いた方にもお薦め致します。


SORTILEGE - Sortilège - Amazone ★★★ (2017-04-04 00:01:41)

君ら、メイデン派じゃなくてプリースト派なのね、という
“THE HELLION”~“ELECTIC EYE”を彷彿とさせる
劇的な導入部のみでメタル・ハート鷲掴みなOPナンバー。
攻撃的なツインGのみならず、多少のピッチの甘さなんぞモノともせず
パワフルに歌いまくるVoの存在も眩く光っていますよ。


SORTILEGE - Sortilège - Sortilège ★★★ (2017-04-04 00:06:00)

ソ、ル、ティ、ラァーーーージュ!
どぶ板選挙に身を投じる立候補者か
はたまたナニワ商人ばりにバンド名を連呼するのみのサビメロが
微笑ましくも雄々しく、メタル魂を燃え上がらせてくれまっせ。


SPEEDTRAP - Powerdose ★★★ (2013-12-16 23:29:35)

鋭利に刻まれるへヴィ・メタリックなGリフと、オカズ無用のハードコア/パンキッシュなリズムとを組み合わせて、昨今流行りのNWOTHMと言うよりは、もっと野蛮で原始的なHMサウンドを追求するフィンランドの5人組が、'13年に発表した1stフル・アルバム。
演奏の背後で薄く聴こえる「スーッ」というノイズに、何やらカセットテープを聴いてるような心持にさせられるアナログな音作りを施された本作。余計な贅肉を削ぎ落とし、直線的に突っ走る初期衝動もろ出しな作風で聴き手のケツを蹴り上げつつも、例えば回転の速いGリフが炸裂するOPナンバー①、しっかりと構築された歌メロが勇壮さを醸し出す②、前のめりな疾走感の中に、劇的なツイン・リードGが映える曲展開でひとヒネリを加えることを忘れない⑥といった楽曲に顕著に表れている通り、勢いで誤魔化すことなく、リフ/メロディ/曲展開にちゃんとフックを盛り込むことを忘れない姿勢が頼もしいじゃありませんか。
個人的にはストライク・ゾーンど真ん中の音というわけではないのですが、2枚、3枚と作を重ねる毎にどういった方向へ進んでいくことになるのか、非常に興味の沸く逸材ではないかと。


SPEEDTRAP - Powerdose - Redemption of Might ★★★ (2013-12-19 22:41:43)

MOTORHEADとDIAMOND HEADがデキ婚した結果
産み落とされた爆走ナンバー、みたいな。
メタルヘッドの魂に火を点す、回転の速いGリフの
カッコ良さに居ても立ってもいられませんて。


SPEEDTRAP - Straight Shooter ★★★ (2015-11-17 23:23:27)

Dsが脱退、BがDsに転向、新BとサイドGも加えて5人編成に移行・・・と、大掛かりなメンバー・チェンジを経て'15年に発表された2ndフル・アルバム。
ツインGの稼動により楽曲のアレンジの幅が広がり、また歌唱力を増したシンガーの歌メロが一層メロディックになったことで、全体的にサウンドの整合性が高まったように感じられるのは、他の諸兄のご指摘通り。中でもエピック・メタルのヴァイブ漂う勇壮な⑦はその筆頭格でしょうか。
多少収録曲のバラエティが広がったとは言え、粗挽きGリフに、ボカスカ突進するリズム、アッパーなVoとが、生き急ぐかのように突撃するプレ・スラッシュ/スピード・メタリックな音楽性に手緩さは皆無で、例えばハイスピード/ハイテンション/ハイボルテージで押しまくる①②の掴みや、本編最速の⑧なんて笑っちゃうぐらいの喧しさ。いや、今日び彼らより速くて騒々しい連中だって山ほどいるとは思うのですが、このバンドの場合、変にエクストリームだったりメカニカルだったりせず、(ラフでアナログな音作りが相俟って)本屋の成人コーナーでエロ本をクィックな動作でチェックする昭和の中学生ばりの落ち着きのなさや愛嬌が迸っている辺りが魅力かと。・・・って、例えが分かり辛過ぎますが。
ともかく、前作が気に入った人なら当然「買い」の1枚。


SPELLBOUND(日本) (2011-07-08 22:17:44)

スウェーデンにも同名のバンドがいたような気がするが、こちらは日本の三重県四日市市出身。
前身バンドのLSD時代はどうやらOUTRAGE風のスラッシュ・メタルを演っていたらしいが、改名に伴い、スラッシュ色を残しつつも、ACCEPTやTANKといったバンドを彷彿とさせる男気溢れるパワー・メタル・バンドへと劇的ビフォーアフター。'92年にWASTED RECORDS(№001という品番から察するに多分自主レーベル?)から4曲入りEP『ESCAPE』をリリースしてレコード・デビューを飾る。
優れた内容にも関わらず高評価を得る事は叶わず、バンドは本作のみを残して解散。(ちなみにBURRN!!誌のレビューは69点。Voが弱いとダメ出しをされていたが、この時期のジャパメタ・バンドは総じて同様の批判をされていたような印象がある)
Gの萩智洋は後に同郷のメタル・バンドMANUPILATED SLAVESに4代目Gとして加入。4th『OATH IN BLACK TEARS』では本作からタイトル・トラックをカヴァーしていた。


SPELLBOUND(日本) - ESCAPE ★★★ (2011-07-07 23:02:53)

三重県出身の4人組パワー/スラッシュ・メタル・バンドが'92年に発表した4曲入りデビューEP。
音質は薄っぺらいが、METALLICA、ACCEPT、TANKといったバンドの衣鉢を受け継ぐ勇壮な鋼鉄サウンドは手応え十分で、かつてBURRN!!誌にレビューが載った時は、広瀬現編集長から「曲は良いのに濁声シンガーが全てを台無しにしている」とダメ出しをされていたが(ブルータルなVoが市民権を得るのはもっと後の話だ)、いやいや、個人的にはこのVoは大いに「有り」。
そりゃ間違っても産業ロックを歌えるようなタイプではないが、よりダーティになった橋本直樹といった趣きの粗野な歌声でメロディを追いかけるVoは楽曲の男臭いドラマ性を効果的に増強。硬質なリフの刻みから構築美を湛えたソロ・パートまでこなす萩智洋(現在はMANUPILATED SLAVESに在籍)のGプレイと併せて、本作の大きな聴き所として機能しているように思う。
そのMANUPILATED SLAVESでもカヴァーされていた④なんて、メタル者なら聴いて損なし!と思わず握り拳固めて力説したくなる程、パワー/スピード/メロディの三拍子揃ったドラマティックな逸品ですよ。
たった4曲、20分ちょいのボリュームながら充実度はなかなかの1枚。バンドはこれを最後に解散してしまったが、出来ればフル・アルバムが聴いてみたかったな・・・。


SPELLBOUND(日本) - ESCAPE - ESCAPE ★★★ (2011-07-08 22:20:23)

EPのラストに置かれたタイトル・トラック。
「サイレン音が鳴り響く楽曲には名曲多し」という
自説をしっかりと補強してくれる、
勇壮且つ劇的な疾走ナンバー。
唯一、フェードアウトで終わってしまうエンディングが
玉に瑕か。


SPELLBOUND(日本) - ESCAPE - WISHING FOR DEATH ★★ (2011-07-08 23:12:23)

音の悪さを物ともせずに、
重量感たっぷりに突き進むOPナンバー。
イントロで炸裂する劇的なGリフが、
何となく初期ANTHEMを彷彿とさせますね。


SPIDER (2016-04-18 23:12:16)

GSからアメコミ・ヒーローまで、似たような名前の人物/バンドは多いですが、こちらはNWOBHM期に活躍した、コリン・ハークネス(Vo、G)、ブライアン(B)とロビー(Ds)のバローズ兄弟、それにデイヴ・ブライス(G)という編成からなる英国リバプール出身の4人組。
結成は'76年。STATUS QUOの薫陶を受けたハードブギー・サウンドを武器に、イギリス中を精力的にツアーして回り支持基盤を確立。数枚のシングルと、『ROCK’N’ROLL GYPSIES』(’82年)、『ROUGH JUSTISE』(’83年)、『RAISE THE BANNER』(’86年)という3枚のフル・アルバムを発表。この間、一度もメンバー・チェンジがないという点でも珍しいバンドでした(?)。
'86年、3rdアルバム発表直後に所属レーベルが倒産するという不運に見舞われ、著しくモチベーションが低下したバンドは、同年、マーキーでのライブを最後に解散。


SPIDER - Rock ’n’ Roll Gypsies ★★★ (2016-04-18 23:14:01)

NWOBHMシーンにあって、VARDISと共にブギ/ロックンロールに拘った音楽性から、「小型STATUS QUO」とも評されたイギリスはリバプール出身の4人組が、'82年にRCA RECORDSから発表した1stフル・アルバム。
ブギつったら“ヤットデタマン・ブギウギ・レイディ”が真っ先に思い浮かぶ程度。普段は「泣きだ」「哀愁だ」と湿気まみれのミュージック・ライフを送っている身ゆえ、SPIDERに関しては完全守備範囲外とスルー決め込んでいたのですが、評判の良さに釣られ後追いで聴いてみたらば、いやこれが、QUO直系のゴキゲンなハードブギーが最初から最後までシェケナベイベ。
例えばアメリカのロックンロール・バンドが、ライトアップされたアリーナ会場と華々しい大合唱が似合いそうなのに比べ、SPIDERが繰り出すサウンドは、狭くて酒臭くて薄暗いパブやライブハウスの熱狂の方がよく似合う下町グルーヴ全開(褒めてます)。埃っぽい声質で歌いまくるVoと、楽器陣のタイトな演奏を活かして、普段この手の音を嗜まない輩(←俺)をも力ずくで踊らせてしまう手腕は、叩き上げライブ・バンドの面目躍如。アグレッシブなGが印象的な⑦や、濃厚な哀愁を発散する⑧といった秀曲も、間違いなく彼らがNWOBHMの一員であったことを伝えてくれます。
全英チャート75位にランクインし、SPIDERの代表作として愛されるのも納得の1枚。


SPIDER - Rock ’n’ Roll Gypsies - 'til I'm Certain ★★★ (2016-04-19 23:54:11)

アゲアゲな本編にアクセントを加える哀愁のHRナンバー。
泣きを湛えたGだけでなく、男の哀愁を伝えるVoも沁みる。
決して声域は広くありませんが、
絞り出すような歌唱にグッと来ますね。


SPIDER - Rough Justice ★★★ (2016-04-20 23:40:16)

プロデューサーは売れっ子クリス・タンガリーディス、ゲストKey奏者にMAGNUMのリチャード・ベイリーを招聘してレコーディング、’83年にポリドールUKより発表された2ndアルバム。
1曲ずつ取り上げてどうこう評価するよりも、頭空っぽにして楽しんだもん勝ちの王道ハードブギーが炸裂していたデビュー作に比べると、本作は冒頭で述べた制作体制の成果か、収録各曲のキャラ立ちが明瞭化。併せてメロディ/曲展開のドラマ性も底上げが図られており、「ブギーはちょっと…」ってなHR/HMファンにも取っ付き易い仕上がりになっているじゃないでしょうか。飽くまで前作比での話ですけど。
無論、タイトな演奏に乗せ、小気味良く繰り出されるサウンドは、タテノリのリフ&リズムから親しみやすいメロディまで、体が勝手に動き出すゴキゲンなエキサイトメントとキャッチネスをキープ・オン・ブギウギ。しかめっ面も笑顔に変えるノリノリの疾走ナンバー①、キャッチーな③、MANOWARばりに大仰なイントロを有する⑥といった楽曲の「みんなが笑ってる」「お日様も笑ってる」「るーるるるっるー」なハジけ具合は彼らの真骨頂。
加えて今回は、哀愁のバラード⑦や、エンディングでツインGが泣きまくる⑨等を聴けば分かる通り、英国産HMならではの湿り気やドラマ性もアクセントとして機能していて、中でも軽快な曲調の中に仄かな愁いが塗された④は、本編のハイライトとして特筆したい名曲っぷりですよ。
今では国内盤も入手可能ですし、SPIDER入門盤にもお薦めする次第。


SPIDER - Rough Justice - Death Row ★★★ (2016-04-23 00:15:21)

芝居がかった語りによるイントロは
MANOWARの楽曲でも始まるのかという大仰さですが、
直後に走り出すのは一点の曇りもない
「これぞSPIDER!」なゴキゲンなロックンロール。
聴いてるだけで身体が揺れてきますよ。


SPIDER - Rough Justice - Martyred (For What I Love) ★★★ (2016-04-23 00:21:14)

美しいイントロを経て滑り出す曲調は、
実にSPIDERらしいタテノリ・ベースなのですが
キャッチーなメロディがそこはかとなく愁いを含んでいる点が
これまでには見られなかったパターン。
中盤のリフ/リズム・チェンジも実に軽やか決めてみせる
2ndアルバム屈指の名曲ではないかと。


SPIDER - Rough Justice - Midsummer Morning ★★★ (2016-04-23 00:28:30)

歯切れ良く弾むリフ&リズムに「らしさ」を滲ませつつ
ポップ且つメロディアスになった歌メロに新味が感じられます。
そして何と言ってもこの曲のハイライトは、終盤のテンポアップに併せて
猛烈に咽び泣く2本のGの劇的な絡みですよ。
フェードアウトで終わってしまうのが勿体ない。


SPIDER - The Complete Anthology - A.W.O.L. ★★★ (2016-04-19 23:44:44)

快活にハジけるGに、ノリノリで駆け抜けるリズム、
ひたすらタイトル・ワードを連呼するVoと、
もう理屈じゃねぇ、無性に踊り出したくなる
「同じアホなら踊らにゃ損損」な名曲です。


SPIRITUAL BEGGARS - Return to Live: Loud Park 2010 ★★★ (2018-03-27 00:27:47)

ARCH ENMEYで快進撃を続けるマイケル・アモット(G)の別バンド、SPIRITUAL BEGGARSが、LOUD PARK 10で行ったライブの模様を収めた実況録音盤(’11年発表)。ちなみにアモット兄はこの年までLOUD PARK皆勤賞だったという。
このバンドについては、それまで「ストーナー/ドゥーム・ロック・バンド」的イメージを勝手に抱いていたのですが、本作で繰り広げられるのは、加入したてのアポロ・パパサナシオ(ex FIREWIND)の熱を帯びたヘヴィ・メタリックなVo、躍動感溢れるリズム、ペル・ヴィバリのレトロなオルガン、そして強烈な「気」を放つ(③④のソロとかね)アモット兄のGプレイとが混然一体となった、所謂「クラシック・ロック」の風格漂うサウンド。会場の熱気を生々しく捉えた音像の下、ラフネスやルースネスにも勝る、達者な演者達によって生み出されるアッパーなノリの良さに、自然と体が揺り動かされてしまいます。
特に冷ややかな空気と重厚感を纏った⑦から、本編を大団円へと導く⑧へと繋げていくドラマティックな流れは、ライブならではの構成といい、観客によるキメフレーズの大合唱といい(ARCH ENEMYのライブかと思いましたよ)、実に高揚感に満ち溢れていて何度聴いてもアガりまくる本作のハイライト。
フルセットのライブ・アルバムではなく「来日記念盤EP」の体ゆえ、収録曲は全8曲。ランニング・タイムも30分台とボリューム控えめですが、逆にだからこそ取っ付き易いとも言え、自分のように「SPIRITUAL BEGGAERSってどんなバンドなんじゃろか」と、ちょっと興味を持った程度の人間が入門サンプル代わりにするのにもってこい1枚かと。


SQUEALER(FRENCH) (2020-01-28 00:50:04)

同名のバンドがドイツにもいるようですが、こっちはフランスのブルターニュ半島南東部を流れるロワール川、その河畔に位置する港湾都市ナント出身の4人組。
数本のデモテープ制作とライブ活動で徐々に人気を獲得、’87年に1st『D.F.R.』デビュー。ゲイリー・ライオンズをプロデューサーに迎えて’89年に発表した2nd『SQUEALER’S MARK』はその年のフランス国内におけるHR/HM系アルバムTOP3に入る好セールスを記録したのだとか。
3rd『THIS IS WHAT THE WORLD IS ALL ABOUT』(’91年)を発表した後、’92年にバンドは解散。最期にライブ音源も発売されているが、メンバーはこれについて「レコード会社が勝手にリリースした」とあまり快くは思っていない模様。


SQUEALER(FRENCH) - D.F.R. ★★ (2020-01-28 00:54:58)

フランスの港湾都市ナント出身の4人組、SQUEALERが’87年に発表した1stアルバム(なおタイトルは『DRINKING, FUCKING, ROCKING』の略なのだとか)。
自主制作盤にも関わらず瞬く間に数千枚を売り上げ、テレビ出演やフランス政府文化大臣との対談等、バンドの知名度向上とその後のサクセスに大きく貢献したという本作に託されているのは、JUDAS PRIEST、ACCEPT辺りからの影響を伺わせるストレートな正統派HMサウンド。そこにLAメタルをお手本にした思しき、ラフなノリの良さやハジけるコーラス・ワークといったアメリカンな要素もブッ込んで来ています。ちなみにフランスのバンドには珍しく歌詞は全て英詞。
篭り気味な上に薄っぺらい、お粗末極まりないプロダクションが折角の楽曲の魅力を大幅にスポイルしてくれてやがっていますが、何よりも音程に無頓着にわめき立てるパスカル・ベイリー(この人、後期EXCESSの作品でも歌っていましたっけ)の悪声Voを、欠点と貶すか個性的と前向きに捉えるかで本作の評価は大きく分かれるものと思われます。
このクセの強いヒステリックな声質のVoが受容できれば、収録楽曲のカッコ良さはなかなかなのモノですし、サウンドに華やかなアクセントを加えてくれるローラン・ラシャターのGプレイも聴き応え十分。特に“禁じられた遊び”のメロディを織り込んだGソロが繰り出される重厚なミッド・チューン②、泣きのイントロから力強く盛り上がっていく③、一気呵成に走り抜けるスピード・ナンバー⑤辺りは耳を捉える出来栄え。
全体としてチープな印象は免れ得ないものの、垢抜けた2ndよりも個人的には本作の方が好きだなぁ。


SQUEALER(FRENCH) - D.F.R. - Lady Love, Lady Bitch ★★★ (2020-01-29 01:06:16)

タイトルだけだと何やらアホっぽい印象を受けますが
Voの声質的にACCEPT、あるいは曲調的に『BRITISH STEEL』の頃の
JUDAS PRIESTを思わせたりもする重厚なミッド・チューンで
これが結構カッコイイ。特にドラマティックな構築美を湛えた
Gソロを経て、哀愁度がグッと高まる後半はかなり聴かせてくれますよ。


SSS ★★ (2009-08-10 22:48:00)

'05年、イギリスはリヴァプールにてハードコア畑出身のメンバー達によって結成される。
同年にセルフ・タイトルの4曲入りEP(俗称『バートンEP』)でデビュー。
翌年、半ば自主制作に近い形で発表した1stフル・アルバムが好評を博し、
その評判を聴きつけたEARACHR RECORDSと契約。
'07年にはボーナス・トラック1曲を追加収録した新装盤をリリース。
これが日本デビュー作ともなった。
バンド名を地で行くクロスオーバー・スラッシュ・サウンドが好評を博し、
「リヴァプールの疾走王」という赤面モノの称号を得るまでに
評価を高めたバンドは、矢継ぎ早に2ndフル・アルバム('08年)を発表。
よりハードコア度を高めた作風は、ファンの期待に見事に応える
ハイクオリティな内容だったが、'09年8月現在、未だ国内盤のリリースはなし・・・。
出ないの?


SSS ★★ (2009-09-27 21:22:00)

メンバーによると
「大好きなバンドだけど、バンド名とCHAOS U.K.のアルバム・タイトルが被ったのは偶然」
らしいですよ。


SSS - Short, Sharp, Shock ★★ (2009-08-10 22:51:00)

短く(SHORT)鋭く(SHARP)衝撃的(SHOCK)。略してSSS・・・という中坊感覚全開なネーミングセンスが素敵な、
イギリスはリヴァプール出身の4人組スラッシュ・メタル・バンドが'07年に発表した1stフル・アルバム。
「リヴァプールの疾走王」とも「MUNICIPAL WASTEへのイギリスからの回答」とも評される彼らが聴かせてくれるのは、シンプルだが
即効性の高いGリフに、切迫感溢れる上擦りシャウトで畳み掛けてくるVo、そして1~2分台とタイトに絞られた曲展開を備えた、
まさに帯表記の「スラッシュ?パンク?ハードコア? NO, NO, THIS IS クロスオーバー!」を地でいくサウンド。
演奏はやや不安定だが、「でも演るんだよ!」的な心意気に溢れた、このガムシャラで前のめりな疾走感はかなり爽快。
全編でハードコア/パンク指数高めの走りっぷりを炸裂させる一方、リズムにはキッチリと緩急が効かせてあるし、
⑨⑬といったインスト曲では、弾きまくるGがヘヴィ・メタリックな構築美を演出。特にメンバーが
「METALLICAへのトリビュート・ソング」と語る⑰は、アコギに始まりドラマティックに盛り上がりながら、
最後は再びアコギで叙情的に締め括られるという、起承転結を備えた7分以上に及ぶ大作ナンバーで、
直線的な本編の流れにメリハリを生み出す役割も担っている。
MUNICIPAL WASTE、D.R.I.、NUCLEAR ASSAULT辺りが好きな人なら必ずや気に入るであろう、バンド名に恥じぬ1枚。


SSS - Short, Sharp, Shock - Black Night White Light ★★★ (2009-08-11 09:55:33)

いきなりアコギから始まって驚かされる
SSSらしからぬ異色の大作ナンバー。
METALLICA(というかクリフ・バートン)について歌った
歌詞といい、メロディックなGソロ(確かに弾き切れていない)といい
初期METALLICAに対するトリビュート・ソングというのも納得な
微笑ましくドラマティックな名曲。


SSS - Short, Sharp, Shock - Overload ★★ (2009-08-11 09:49:23)

ちゃんとソロ・パートが設けられているだけでなく、
全編に渡ってGが大活躍(このバンドにしては)する
一際スラッシュ・メタル色が濃厚なナンバー。
アルバム中盤のハイライトを飾る名曲かと。


SSS - Short, Sharp, Shock - SSS ★★ (2009-08-11 09:41:26)

ゴロンゴロン唸りをあげるBに導かれてスタートする
バンドのテーマソング。この手のバンドの場合、
1曲だけ取り上げてああだこうだ言うのは野暮なような
気がしなくもないが、取り合えずカッコイイものは
カッコイイということで。


SSS - The Dividing Line ★★ (2009-08-10 22:54:00)

いつまで経っても国内盤が発売されず、音楽雑誌に取り上げられる気配もないので、とうとう我慢できずに
輸入盤を購入してしまった、英国はリヴァプール出身の4人組が'08年に発表した2ndフル・アルバム。
スラッシュ・メタル由来の切れ味鋭いGリフを備えながら、短い曲は十数秒、長くても2分台というコンパクトに圧縮された
楽曲が次々に波状攻撃を仕掛けてくる、S.O.D.やD.R.I.といったバンドを思い出すクロスオーバー・スラッシュ・メタルという
基本スタイルは不変ながら、今回は全20曲収録で30分強という前作以上にタイトなランニング・タイムが明確に物語る通り
ハードコア度が大幅増量。これまでよりも更にシンプル且つストレートにまとめられた楽曲群は、
安定感を増した演奏にも支えられ、全編を最初から最期まで息継ぎなしに一気呵成で畳み掛けてくる。
と言ってもメタリックな要素が完全になくなってしまったわけではなく、その手の要素相変わらず本編のあちこちで
確認できるし、何よりラストに鎮座まします⑳は、ツインGを活かして疾走する堂々4分以上に及ぶ大作(彼らにしては)で、
前作がIRON MAIDENなら今度はJUDAS PRIESTだ!ってな感じの正統派へヴィ・メタリックな仕上がり具合に思わず頬が
緩む名曲。“UNREST FROM THE NORTHWEST"というタイトルからしてJPへのトリビュート・ソングっぽいしね(?)。
デビュー作以上に「SHORT SHARP SHOCK」というバンド名が似つかわしいサウンドが封じ込められた1枚。国内盤は出んのかなー。


SSS - The Dividing Line - Oil and Water ★★ (2009-08-11 10:02:12)

正統派へヴィ・メタリックで劇的なイントロ
“THE DIVIDING LINE"の余韻を切り裂いて
1分もないランニング・タイムを息継ぎなしで突っ走る、
まさに「SSSらしい」1曲。


SSS - The Dividing Line - Toxic Bee ★★ (2009-08-11 10:04:27)

ハードコア色を強めた2ndアルバムの中では
比較的スラッシュ・メタル寄りな1曲。
ランニング・タイムが2分近くあるし、
何よりイントロのGの刻みっぷりが
えらいカッコイイんだわ。


SSS - The Dividing Line - Unrest in the Northwest ★★★ (2009-08-11 10:08:24)

前作“BLACK NIGHT WHITE LIGHT"のノリを受け継ぐ
劇的なイントロを聴いただけで思わず笑ってしまう
正統派ヘヴィ・メタリックでドラマティックな大作ナンバー
(といっても4分だけど)
今度はJUDAS PRIESTへのトリビュート・ソングなのだろうか?


STAGE DOLLS - Stripped ★★★ (2017-06-18 10:01:55)

80年代後半から90年代前半にかけ、続々日本デビューを飾ったD.A.D.やSWEDISH ELOTICAといった、所謂「新世代(当時)北欧メタル・バンド」勢の作品を今更チェックしている今日この頃。そうした流れの中でゲットしたのが、ノルウェーのSTAGE DOLLSが’91年にPOLYDOR RECORDSから発表したこの4thアルバムでした。
国内盤の解説によると、本国では過去作を悉くヒットさせて来た人気者で、本作もリリース2週間で3万枚を売り上げ、ゴールド・ディスクに到達したのだとか。そうしたメンバーの輝かしいキャリアと実績、それにTNT等との仕事で知られる名手ビヨルン・ネッショーが手掛けた、奥行を感じさせつつ、それでいて見通しにも優れているという秀逸な音作りに支えられた本編は、北欧メタルと聞いてマニアが想起するような郷愁をそそる田舎メタルっぽさとは無縁の、隅から隅まで洗練され尽くしたハードポップ・サウンドがギュウ詰め。
リリース当時は洟も引っ掛けずスルーしてしまった身ですが、今聴くと完成度の高さに素直に感心させられますよ。爽やかさの中に仄かな哀感が効いた②、映画の主題歌にも起用されヒットを飛ばした抒情ナンバー④、素朴なバラード⑥、哀愁のメロハー⑦、アップテンポで駆け抜ける⑩、そこはかとなくドラマティックな曲展開も有する⑪…と、アルバム・タイトル『STRIPPED』に相応しく、過剰な装飾よりも元々の素材の良さを活かす引き算アレンジが施された収録曲の数々はいずれも秀逸な出来栄え。
同郷のTNTやDA VINCI辺りが楽しめる方なら、間違いなく本作も気に入られる筈。彼らの他のアルバムも是非チェックしてみたくなる1枚でありました。


STAGE DOLLS - Stripped - Life in America ★★★ (2017-06-18 22:46:06)

アルバム『STRIPPED』ではこの軽快にロックする
アップテンポのナンバーが一番好きですね。
音作りもアレンジもシンプルでクリアだからこそ、
温もりを感じさせるシンガーの歌唱や
爽やかなメロディといった、元々楽曲が持っていた
魅力が一層引き立って聴こえます。


STAMPEDE (2012-10-13 21:17:02)

NWOBHMの親子鷹(義理ですが)ことリューベン・アーチャー(Vo)とローレンス・アーチャー(G)が中心となって結成。STAMPEDEというバンド名は、彼らがそれ以前に在籍していたジミー・ベイン率いるWILD HORSESからヒントを得て名付けられたとのこと。
'82年にPOLYDOR RECORDSからシングル“DAYS OF WINE AND ROSES”を発表してデビュー。翌年にはライブ盤兼1stアルバムの『THE OFFICIAL BOOTLEG』を、'83年にはMAGNUMのKey奏者マーク・スタンウェイのセッション参加を仰いでレコーディングされた2ndフル『HURRICANE TOWN』を相次いでリリースするも、結局その他多くのNWOBHM勢同様、最後までレーベル側のサポートに恵まれずバンドは解散。
父・リューベンは堅気の道を選び、息子・ローレンスはその後フィル・ライノットのGRAND SLAMや復活UFOに参加。'92年にはUFOの一員として来日も果たし、その模様はライブ盤『LIGHTS OUT IN TOKYO』で聴くことが出来る。
そして'09年。STAMPEDEはまさかの復活を果たし、'11年には3rdアルバム『A SUDDEN IMPULSE』を発表。


STAMPEDE - A SUDDEN IMPULSE ★★ (2012-10-17 19:49:06)

STAMPEDEが'11年に発表した、実に27年ぶりとなる3rdアルバム。
勿論、シンガーはリューベン・アーチャーその人。スケジュールの都合から全面参加とはいかなかったものの、義理の息子ローレンス・アーチャーもギタリストとして、曲作りのパートナーとしてアルバム作りに大きく貢献しています。
1st『THE OFFICIAL BOOTLEG』の如きハード・ロッキンな色合いは望むべくもなく、年齢を重ねたオリジナル・メンバーの外見相応に落ち着きの感じられる、言ってしまえば茶色いサウンドゆえ「STAMPEDEの新たなマスターピース!」とか「入門編にピッタリ!」とか絶賛できる内容ではありません。
ありませんが、還暦をとうに過ぎてなお全く衰えの感じられない、いや寧ろますます燻し銀の魅力を増したリューベンのジェントリーな歌声や、相変わらずエモーショナルに良く歌うローレンスのGプレイが映える作風であることは確かですよ。
程好くポップ&キャッチーにアルバムの幕開けを宣言する①、本編中最も勢いを感じさせる⑤、仄かな哀愁を運んでくるアコギが心地良い⑦といった楽曲は、火傷するような熱さとは無縁の代わりに、聴いていると体の芯からじんわりと温まる遠赤外線を放射しているかのような、ブリティッシュHRならではの滋味深さが秀逸。
ファンなら買っといて損はない1枚かと。


STAMPEDE - A SUDDEN IMPULSE - HARD ROCK HELL ★★ (2012-10-17 21:59:47)

タイトルからも伝わって来る通り
3rdアルバム中、最もハードにロックしているナンバー。
味わい深い熱唱を聴かせるリューベンと
歌心溢れるフレーズを紡ぐローレンス、
アーチャー親子のブランクを全く感じさせない
パフォーマンスが堪能できます。


STAMPEDE - A SUDDEN IMPULSE - HOMEWARD BOUND ★★★ (2012-10-17 22:14:11)

抜けよく掻き鳴らされるアコギが
運んでくるアメリカンな開放感と
仄かに哀愁を帯びたメロディと、
ローレンス・アーチャーのGプレイが
絶妙なハーモニーを奏でる、
3rdアルバム屈指の名曲。
リラックスしたリューベン・アーチャーの
歌も美味です。


STAMPEDE - HURRICANE TOWN ★★ (2012-10-15 22:25:39)

金は出し渋るくせに、アルバム制作にはあれこれと口出したがるPOLYDORの横車によって、英国の曇天を思わせた1st『THE OFFICIAL BOOTLEG』に比べると、(快晴とまではいかないまでも雲間からお日様が覗く程度には)ライト&ポップな方向へとその作風が変化を遂げた'83年発表の2ndアルバム。
ライブならではの熱気と勢いも加味されていた前作と続けて聴くと、和やかさ大幅増の楽曲の変貌振りに驚かれるかもしれません。(両アルバムに収録されている⑥⑧の違いを聴き比べてみるのも一興かと)
尤も、『THE OFFICIAL~』に先んじデビュー・シングルとしてリリースされたキャッチーな名曲“酒と薔薇の日々”や、Keyを上手に取り入れた12インチEPの作風からも明らかな通り、元来ポップ・センスには長けていたバンドゆえ、個人的にはこのサウンド・スタイルも十分「有り」。リューベン・アーチャーの英国人シンガー然とした滋味を湛えた歌声、泣きや哀愁は薄れたものの相変わらずフラッシーなローレンス・アーチャーのGプレイは今回も好調ですよ。
「捨て曲なし」とまではいきませんが、ゲスト参加のマーク・スタンウェイ(MAGNUM)が持ち前の上品且つ華やかKeyプレイで高揚感を演出する“LOVE LETTERS”や、キラキラと眩い“TURNING IN CIRCLES”、仄かに哀愁を帯びたコーラス・ワークが印象的な“GIRL”等は本作ならではの名曲。


STAMPEDE - HURRICANE TOWN - GIRL ★★ (2012-10-17 19:44:17)

溌剌としたアメリカンなノリも感じられる曲調ながら
ブリッジ部分から滲み出す哀愁と、
華麗且つエモーショナルに歌うローレンス・アーチャーの
Gソロが良いアクセントとなっています。


STAMPEDE - HURRICANE TOWN - HURRICANE TOWN ★★★ (2012-10-17 19:37:57)

デビュー・アルバムにも収録されていましたが、
勿体つけたイントロが装備された分、
こっちのバージョンの方がドラマ性がアップしています。
ゲイリー・ムーアかマイケル・シェンカーか、
といった趣きで泣きまくるローレンス・アーチャーの
Gソロを聴くと、後に彼がUFOに加入した理由も
良く分かります。


STAMPEDE - HURRICANE TOWN - LOVE LETTERS ★★★ (2012-10-17 19:47:02)

2ndアルバムの方向性を示すかのように
軽快に弾むポップ・チューンながら、
個人的にはアルバムでも1、2を争う名曲ではないかと。
ゲスト参加という枠を逸脱して良い仕事しまくりな
マーク・スタンウェイの高揚感溢れるKeyが
本曲の肝です。


STAMPEDE - THE OFFICIAL BOOTLEG ★★★ (2012-10-13 21:18:23)

こんなタイトルですが、メジャーのPOLYDORから'82年に発表されたれっきとした1stアルバム。
レーベル側が原盤費用をケチったせいでライブ盤でアルバム・デビュー、オマケにバンド側の意に沿わぬ音源を使用されるというダブル・パンチを食らいながらも、マットに沈むどころか、逆に矢吹ジョーばりのクロスカウンターで聴き手をノックダウンするだけの威力を秘めた1枚となっております。
観客の盛り上がりに後押しされて、フィル・モグ的な滋味を感じさせる、くぐもった歌声で憂いを帯びたメロディを熱唱するリューベン・アーチャー(Vo)と、劇的な構築美&泣きを発散するローレンス・アーチャーのGプレイを軸に、生き生きとしてハイエナジーな楽曲の数々は全8曲、いずれもNWOBHMならではの攻撃性と、耳馴染みの良いキャッチネスを兼備した逸品揃い。(派手に動き回るBもナイス)
取り分け、UFOとPRAYING MANTISを足して2で割ったような①や、躍動感溢れる②といった名曲を収録するA面サイドの充実度は特筆モノ。特に“酒と薔薇の日々”の邦題で知られるキャッチーな③なんて本作のハイライト・ナンバーと言えましょう。
国内盤の入手が容易なうちに、未聴の方は是非にお試しあれ。


STAMPEDE - THE OFFICIAL BOOTLEG - DAYS OF WINE AND ROSES ★★★ (2012-10-14 21:23:40)

“酒と薔薇の日々”という秀逸な邦題で知られる名曲。
STAMPEDEのデビュー・シングルでもありました。
ポップ&キャッチーな曲調が、
バンドの優れた作曲センスを伝えてくれます。
個人的にはライブ・バージョンよりも
Keyがたっぷりと取り入れられた
12インチEPバージョンの方が好きですね。


STAMPEDE - THE OFFICIAL BOOTLEG - MISSING YOU ★★★ (2012-10-14 21:14:44)

劇的なイントロだけでグッと
コブシを握り締めてしまうアルバムOPナンバー。
ローレンス・アーチャーの華やかでドラマティックな
Gプレイが素晴しいったら!
ライブならではのタメを効かせてブリティッシュな
憂いを帯びたメロディを熱唱するリューベン・アーチャーの歌声、
あと攻撃的なコリン・ボイドのBプレイも秀逸。
要するに全部素晴しい名曲ってことですね。


STAMPEDE - THE OFFICIAL BOOTLEG - MOVING ON ★★★ (2012-10-14 21:20:18)

タイトルに相応しく、せかせかと
忙しなく駆け抜けていくHRナンバー。
ここでもハイライトはローレンス・アーチャーの
構築美溢れるGソロ。
また、Voが下手だと聴いてられないタイプの
楽曲なのですが、これを見事に歌いこなす
(NWOBHMのヘタウマ系とは一線を画す)
確かなテクとハートを兼ね備えた
リューベン・アーチャーのVoも白眉。


STAN BUSH & BARRAGE - Stan Bush & Barrage ★★★ (2013-09-17 07:28:40)

ドラマーとして現MR.BIGのパット・トーピーが参加。更に、後にHOUSE OF LORDSがカヴァーしてスマッシュ・ヒットさせた名バラード“LOVE DON'T LIE”や、アニメ『トランスフォーマー THE MOVIE』のテーマ曲“THE TOUCH”、映画『処刑ライダー』劇中歌として日本でもシングル・カットされた“HEART VS HEART”を収録する等、スタン・ブッシュのカタログの中でも一際多くのトピックを抱え、「代表作」と言ってもあながち的外れではない存在感を放っている、'86年発表の作品。
アメリカン・メロディアスHRという基本的な音楽性を素直に発展させる一方で、よりエネルギッシュなノリの良さが増量されているのは、名義を「STAN BUSH & BARREGE」に変えて、バンドっぽさをアピールしていることと無縁ではありますまい。
それでいて、無理に頑張ってハードにしてる感じというか、付け焼刃感はまるでないのだから、スタン・ブッシュというミュージシャンの曲作りの才には畏れ入りますね。フックが連続するメロディと、インスト・パートの聴かせ所も盛り込んだハードな曲調とが違和感なく同居する③⑤⑦辺りはその真骨頂。勿論、前作のAOR/産業ロック路線を受け継ぐ⑥、バラード②⑩なんかも素晴しい出来栄えです。
チャートを賑わすような成功こそ収められなかったものの、長らく再発が待ち望まれていた作品だけあって、捨て曲なしの完成度の高さは実に立派。欲を言えば国内盤の再発が叶えば尚良かったのですが・・・。


STAN BUSH & BARRAGE - Stan Bush & Barrage - Primitive Lover ★★★ (2013-09-17 22:51:14)

確かにこの曲は凄い。
VoとGとリズムが一体となって、クライマックスへ向けて
ハードに盛り上げていく様がカッコイイですね。


STAN BUSH - Call to Action ★★★ (2013-06-16 23:17:38)

これが初めて購入したスタン・ブッシュ作品だったかな。
正式なフル・アルバムではなく、彼が「アクション」をテーマに書き上げ、他アーティストや映画/TV番組、更にはアトランタ・オリンピックにSFコンベンションといったイベントに提供した楽曲を取りまとめた企画盤で、そうした成り立ちの作品ゆえ、本編にHR的なエッジや哀愁は控えめ。
スタン・ブッシュ版“JUMP”といった趣きの①(アニメ映画『トランスフォーマー』のテーマ曲)、しつこいぐらい「NEVER SURRENDER!」を繰り返す辺りが確かにジャン・クロード・ヴァンダム映画の主題歌っぽい②を手始めに、全体的に楽曲はコマーシャルな部分が強調されており、こうした売れ線な作風に物足りなさを覚えるHR/HMファンは多いことかと存じますが、代表曲の数々を一気に聴ける便利な1枚であることは確かですし、何より、やはりこの人の書くキャッチーなメロディは素晴しい。
特に白眉は、後にHOUSE OF LORDSがカヴァーしてヒットさせたバラード“LOVE WON'T LIE”の存在で、元はSTAN BUSH & BARRAGE名義で'87年にリリースされたアルバムの収録曲でしたが、同作が入手困難な現在、この名曲を聴くためだけにでも本作は購入価値があるというものです。
まぁ、こっちも今じゃゼロ・コーポレーションの閉鎖に伴って廃盤なんですけど、STAN BUSH & BARRAGEに比べれば幾らかお手頃価格で入手が可能なので。
ただ、ジャケットはもう少し何とかならんかったのでしょうか。


STAN BUSH - Call to Action - Total Surrender ★★★ (2020-08-12 00:24:13)

スタン・ブッシュのHRサイドの魅力を表すかのような
力強さを漲らせつつ、メロディは哀愁を帯び、
歌声もどこまでもエモーショナル。
キャッチーなコーラスが何度聴いても「騙されるな~♪」と
空耳してしまうので、警察は今からでも遅くないので
この曲を「オレオレ詐欺防止キャンペーン」のテーマ曲に認定すべきではなかろうかと。