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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 2901-3000

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 2901-3000
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JUGGERNAUT - Baptism Under Fire - Impaler (2009-09-08 21:55:18)

エリザベート・バソリー伯爵夫人を題材に採ったナンバーらしいが、
何度聴いても「ピンクパンサー」のテーマ曲の
スラッシュ・メタル・バージョンにしか聴こえないんだよなぁ。
カッコイイし、好きな曲だけどね。


JURASSIC JADE - Gore ★★ (2007-06-30 01:46:00)

特異な個性を誇る日本のベテラン・スラッシャー、JURASSIC JADEが'89年に発表した1stフル・アルバム。
現在では幅広いラウド・ミュージックからの影響を取り入れた、深遠なサウンドを披露している彼らだが、
この頃はバリバリにファストでピュアなスラッシュ・メタル・バンド。
ガリガリと刻まれる殺傷力満点のリフの数々や、緩急をしっかりと織り込んで畳み掛けてくる曲展開なんかは
SLAYERからの影響を伺わせるものの、とても女性・・・いや、人類のモノとは思えぬHIZUMIの壮絶なVoや、
勢いだけでなくカッチリと構築されたNOBのGソロ、そして日本語詞による唯一無二の歌詞世界といった要素を聴けば、
JURASSIC JADEが単なるSLAYERのフォロワーなどではなく、独自のサウンド・スタイルを確立した
スラッシュ・メタル・バンドであることが良く判るはず。
特に、マシンガンの如き速射リフ、タイトなリズム、劇的且つメロディックなGソロ、憑かれたように
狂気を吐き出すHIZUMIのVoとが一丸となってシャープに疾走する②は、JJ屈指の名曲じゃないかと。
本作からバンドはシングルG編成へと移行しているが、音の薄さ等、それによるダメージは殆ど感じられない。
これが'90年のCD化に際して行われたというリミックス作業の賜物なのかどうかは、オリジナル盤を聴いた事がない
自分には定かじゃないが、ただ、ペシペシと薄っぺらいドラムの音だけは、もう少し何とかして欲しかったかな、と。


JURASSIC JADE - 黒い果実 the Early Years 1985-1988 ★★ (2009-02-08 18:59:00)

『LIVE AT EXPLOSION』('85年)、『A CRADLE SONG』('86年)、『WAR OF PROXY』('87年)という3枚のEPに、
蔵出しのライブ映像を加えてリイシューした、JURASSIC JADEのスラッシュ・メタル時代を総括する2枚組初期音源集。
EXPLOSION LABELから発売された作品は、現在ではその殆どが入手困難なモノばかりゆえ(3月には、SABBLABELLSやDOOMが
残した名盤の数々が一斉再発されるそうですが)、こうした企画盤は自分のような後追いファンには非常に有り難い。
で、肝心のサウンドの方は、一筋縄では行かないエクストリーム・ミュージックを演っている現在に比べると、
音質面等は多少(というか、かなり)チープな印象が否めないものの、ガリガリとシュレッドされる鋭利なGリフと、
ひたすら直線的に刻まれるリズム、ドリル状に突き刺さってくるGソロ、そして女性ブルータル・シンガーの先駆けたる
HIZUMIの吐き出す、パンキッシュな日本語詞の数々と、強烈なシャウトが一丸となって突っ走るSLAYER型スラッシュ・サウンドは、
1stフル『GORE』以上に初期衝動に忠実な仕上がりで、既に唯一無二。個人的には、HMらしい様式を備えたイントロから
スタートする⑧や、禍々しくも荘厳なスロー・チューン⑩を収録した『WAR BY PROXY』が本編のハイライトかな、と。
スラッシュ・メタル・ファンなら、とりあえず1stフル『GORE』と共に是非とも押さえておいて頂きたい1枚。


JUST*IF*I - ALL ONE PEOPLE ★★★ (2017-10-18 22:57:47)

LOVERBOYのシンガーで、HEARTのアン・ウィルソンとデュエットした名曲“パラダイス~愛のテーマ”が日本でも大ヒットしたマイク・レノ。その彼が結成したバンド(プロジェクト?)の’94年発表の唯一作。我らがゼロ・コーポレーションから日本盤もリリースされましたが、世はグランジ/オルタナ旋風吹き荒れる90年代真っ只中。歌心に溢れたG(JOURNEYのニール・ショーンも参加)や瀟洒なKeyをフィーチュアする、しっとり胸に沁み入るメロディック・ロック作品なんてのは全然お呼びじゃなく、ほぼ話題に上ることもないままフェードアウト。斯くいう自分も当時は発売されていたことにすら気付かず、後年、ROCK CANDYからのCD再発を機に漸く興味を持ったという後追いっぷりですよ。
1曲目からいきなりバラードがカマされる構成が物語る通り、スロー~ミディアム・テンポの楽曲を中心に取り揃えられたポップな本編は、多分にAOR/産業ロック寄り。しかし(カナダのバンドらしい)陰に籠らない哀愁と、フックが連続するメロディに彩られたサウンドを前にすりゃそんな些事はどーでもよくなるという。聴き進めれば、歯切れ良くロックする⑩のようなハード・ナンバーがきっちりアルバムにメリハリをつけてくれますしね。
何よりそれらを情感豊かに歌い上げるマイク・レノのVoが感動的。波間を夢心地でたゆたうような③、物悲しい曲調にエモーションを掻き立てられる⑤、10分以上の長尺をアドリブ全開で乗り切るグレン・ヒューズ級にソウルフルな⑪等、その歌唱力と来たら十万石まんじゅうばりに「うまい、うま過ぎる」と風が語り掛けるレベル(埼玉県民ローカルネタ)。
これ聴いたら、バンドがアルバム1枚で終わってしまったことが残念で仕方ないですよ。


JUST*IF*I - ALL ONE PEOPLE - Carpe Diem ★★★ (2017-10-18 23:13:40)

亡き友人に捧げられた歌詞に相応しく、
ポロポロと物悲し気に零れ落ちるピアノの旋律、
悲哀を湛えて重厚に盛り上がっていく曲展開、
そして楽曲に込められたエモーションを余すところなく
表現しきるマイク・レノの歌唱が感動を呼ぶ名曲。


JUST*IF*I - ALL ONE PEOPLE - For Those in Favour ★★ (2017-10-18 23:20:29)

気持ち良さげに吹き鳴らされるハーモニカと
軽快に踊るピアノ、歯切れ良く刻まれるGとリズムに
思わず体が動き出すロック・チューン。
ノリノリの曲調ながら、どこかさらっと都会的で
クールな雰囲気を湛えている辺りがこのバンドらしさか。


JUST*IF*I - ALL ONE PEOPLE - The Reprise ★★★ (2017-10-18 23:29:15)

アルバムの最後に置かれた13分以上に及ぶ大作ナンバー。
マイク・レノのソウル全開な歌いっぷりを筆頭に
長さをまるで感じさせないが、といってもプログレ・テイストや
様式美メタル的な起承転結は仕込まれていない。
リハーサルなしの一発勝負でレコーディングされていて、メンバー曰く
「自然に溢れ出た、直接的な、瞬間的な、感情の表現であり、
この曲は全くのライブであり、編集されていない」とのこと。
だとしたら、大したもんだなぁ!と。


Jagged Edge UK - Fuel for Your Soul ★★ (2021-02-15 23:24:41)

バンド名で検索を掛けるとアメリカのR&Bグループばかりが引っ掛かってきますが、こちらは英国の4人組。バーニー・トーメに師事し、10代の頃から次世代のギター・ヒーロー候補として注目を集めていたというマイク・グレイと、TOKYO BLADEの主要メンバーとして知られるアンディ・ロビンス(B)はイギリス出身、現在はソロ・バンドを率いて活動中のマッティ・アルフォンゼッティ(Vo)はスウェーデン出身、それにイタリア人のドラマーという国際色豊かな面子からなるJAGGED EDGEが、デビューEP『TROUBLE』(’89年)に続いて'90年に発表した1stフル・アルバム。
原点回帰ブームがHR/HMシーンを席巻していた時節柄、彼らが聴かせてくれるのもやはり、声質がカル・スワン似のマッティの歌唱と、出しゃばり過ぎず、さりとて後ろへ下がり過ぎもしないマイクのツボを押さえたGプレイが光る、ブルージーなテイスト薫るサウンド。但し本場アメリカのバンド程の泥臭さは然程感じらず、飽くまで軸足は80年代型メロディアスHRに置かれているので、その手の音を得意としない我が身でも楽しんで聴けるという。特に歌心に溢れたバンドのパフォーマンスが哀愁のメロディを引き立てる②はこのバンド屈指の名曲。キャッチーなコーラス・ワークがフックとなっている⑤、切ないセミ・バラード⑦辺りにもグッとくるものあり。
逆にそうした部分を物足りなく感じる向きもあるでしょうし、良くも悪くも卒なくまとまっている優等生的な仕上がりゆえ強烈なインパクトを残し得ず、転換期を迎えたシーンに埋もれてしまった不運な1枚。マイク・グレイは今何を?


Jagged Edge UK - Fuel for Your Soul - Out in the Cold ★★★ (2021-02-17 00:10:29)

フックに富むメロディに彩られた哀愁のメロハー。
ブルーズ色が殆ど感じられない、本編中においては
例外的ともいえる仕上がりですが、でもこれが良い曲なんですわ。
何だったらこのノリでアルバム1枚作って欲しかったと思うぐらいに。
マッティのソウルフルなVoと、マイクの歌心を感じさせる
Gプレイも耳を惹きます。


Janstate (2013-12-25 23:10:49)

'92年にイギリス、ノース・デヴォンはバーンスティブルにて、クライヴ・ジャン・バーネイジ(Vo、G)とデイヴ・ニール(B)を中心に結成。
最初に制作したデモテープがMETAL HAMMER誌でそれなりの評価を受けたことを切っ掛けにして、ラインナップを完成させると、同年暮れには早くもデビュー・アルバム『SHOT TO PIECES』を自主制作。
JETHRO TULLのマーティン・バレが所有するスタジオでレコーディング(マーティンもサックスでゲスト参加)が行われた同作は、'93年にはゼロ・コーポレーションとの契約を経て日本でもリリースされた。


Janstate - Shot to Pieces ★★ (2013-12-25 23:12:04)

'93年~'94年頃といえば、ホストにハマったOLの如くゼロ・コーポレーションに湯水のようにお金を貢ぎまくっていた時期なのですが、そうした流れの中で購入したのが、イギリスはノース・デヴォン出身の5人組が'93年に発表したこの1stアルバム。(というか唯一作)
日本のみでCD化された作品ゆえ、ゼロからリリースされた中古盤がそれなりのプレミア価格で取引されている本作ですが、内容に関して正直に申さば、詰めの甘いプロダクションといい、フックに乏しい楽曲といい、「地味」の一言に尽きます。煮え切らない作風こそ英国バンドの証!と好意的に評価することも可能とはいえ、まぁ退屈な①が始まった時は「イモ引いた・・・」と購入したことを後悔しそうになりましたよ。
しかし、テクニック的には決して上手くはないものの、泣きを含んだ声質が涙腺を刺激するシンガーの歌唱や、いかにもヨーロピアンな翳りを湛えたメロディを紡ぐツインG等、キラリと光るモノを確実に持っていたバンドで、楽曲に関して言えばビッグなコーラスが耳を惹く②以降は、例えば疾走ナンバー③⑦や哀愁が滲む⑥といった正調ブリティッシュHM然としたツインGに牽引される楽曲や、泣きのバラード④⑨、湾岸戦争を題材にした10分に迫る大作⑩等の佳曲も見受けられて・・・って、あれ?こうして書いてて思ったけど、案外悪い作品じゃないですね、これ。


Janstate - Shot to Pieces - C.u. in Heaven ★★★ (2013-12-26 23:49:13)

ドラマティックな泣きのバラード。
Voは決して上手くないのですが、声質自体が
泣いているので、この手のエモーショナルな
楽曲を歌わせると効果的にメロディの哀愁を
増幅してくれています。


Janstate - Shot to Pieces - Rising up ★★ (2013-12-26 23:46:10)

ヘヴィ・メタリックなGリフと疾走するリズムの上で
湿気ったメロディを熱唱するヘタウマVoと
それなりにドラマティックに絡み合うツインGとが
乗っかる様が、まさしく「ザ・ブリティッシュ」な1曲。


Jerome Mazza - Outlaw Son ★★★ (2022-12-27 00:08:32)

ジェローム・マッツァをご存知でしょうか?名前を聞いて「デニス・キャメロン率いるクリスチャン・メタル・バンドANGELICAの2ndで歌ってた人でしょ」とスラスラ出て来た貴方はかなり年季の入ったHR/HMリスナーとお見受け致します。本作はその彼がESCAPE MUSICから'18年に発表した2枚目のソロ・アルバムに当たる作品。ロック色皆無の1stソロは日本盤リリースなしでしたが、今回はキャッチーなメロディから躍動感溢れる曲調まで、ANGELICA時代にも通じるハイクオリティなメロディアスHRサウンドが詰まっており、めでたくRUBICON MUSICから国内盤の発売も実現しています。
本作においてブレーン役を担うのは、ジェロームとはスティーヴ・ウォルシュ(KANSAS)のソロ・アルバム『BLACK BUTTERFLY』(’17年)制作時に縁を結んだ「北欧のメロハー請負人」ことトミー・デナンダーで、流石にこの手のスタイルを手掛けさせたら天下一品の腕前を発揮(作詞ではFMのスティーヴ・オーヴァーランドも全面関与)。溌剌と本編開巻を告げるOPナンバー①、哀愁を帯びたメロディが胸に沁みる⑤、解放感溢れるサビメロが絶品の⑧、エネルギッシュなHRナンバー⑪…と、80年代から全く衰えを感じさせないジェロームの伸びやかな歌声が映える、ポップで爽快なメロディアスHRチューンを次々に繰り出してきます。まぁ「この1曲!」という決定打に乏しい点はちょっと惜しいのですが、そういえばANGELICAもそんなバンドだったなぁと思い出して逆に微笑ましくもなるってもんですよ(ならない?)。
今後の継続的なソロ活動に期待せざるを得ない1枚です。


Jerome Mazza - Outlaw Son - Neverland ★★★ (2022-12-28 00:08:51)

アップテンポの曲調に、ジェロームの伸びやかなVoによって
謳われる爽快感溢れるメロディと、アルバムの
オープニング・ナンバーとして100点満点の働きぶりを
聴かせてくれる逸品です。


Jester (2019-06-08 00:19:14)

アメリカと国境を接する街、カナダはオンタリオ州ウィンザーにて結成。
JOURNEY、BOSTON、RUSH、SAGAといった先輩バンドからの影響を糧に音楽性を磨き上げ、
4曲入りデモテープ『LAST LAUGH』を制作した後、’94年にMEGAROCK RECORDSから
1st『ITS TIME』を発表してデビュー。同作はゼロ・コーポレーションから日本盤も発売されている。
情報が少ないバンドゆえその後の消息は判然としないものの、
恐らく本作1枚きりで消滅してしまったものと思われる。


Jester - Its Time ★★★ (2019-06-08 00:20:54)

カナダはオンタリオ州ウィンザー出身の4人組が、'94年に発表した1stアルバム。(恐らく唯一作)
国内盤はゼロ・コーポレーションからの発売。かつてゼロのカタログをコンプリートすべくレーベル買いを実行していた時期もあった身としては、本作の存在を全く関知していなかったことに少なからずショックを受けたのですが、インターネットが発達した現在ですら、調べてみても素性に関しては情報が少ないバンドゆえ、「どうせ大したことない内容なんだろ?あん?」と上から目線のオラついた態度で本作に挑んだところ、いやこれが非常に歯応えの感じられる作品で、逆に「舐めてて申し訳ありませんでした」とこっちがシメられる羽目になってしまったという。
音の方はほんのりプログレ風味も漂うメロディアスHR。明る過ぎず暗過ぎないサウンドはまさにカナディアン・メロハーの面目躍如といったところで、楽器陣は安定したテクニックを有し、中でもGと兼任でVo としてもその実力を遺憾なく発揮するフロントマンのT.J.ナイトは、同郷の先輩バンドTRIUMPHのリック・エメット師匠のことを思い出す逸材です。彼の憂いを帯びた声質が映える④⑧のような抒情バラードの素晴らしさも然ることながら、本編のハイライトは⑦。ハードに切り込むG、躍動するBに、オカズ満載で踊るDsとが、キャッチーな歌メロを伴い適度な緊迫感を湛えて駆け抜けていくこの名曲を聴けただけで、本作購入代金の元は回収した気分になりましたよ。
「中古盤が3桁で買えてしまう名盤」リストに名前を追加したくなる1枚でした。


Jordan Jordanov - Angel's Touch ★★★ (2022-02-02 23:38:35)

最近自分の中でヨラン・エドマン再評価の波が来ていまして、リアル・タイムでは買い逃していたアルバムを色々とチェックし直したりしているのですが、その流れの中で入手したのが、ブルガリア出身のギタリスト、ヨルダン・ヨルダノフなる御仁が'21年に発表したこのソロ・アルバム。邦題は『天使のてざわり』。
CDショップの推薦コメントに書かれていた「アコースティック・ギター」「ピアノ」「東欧出身」というポイントに惹かれ、何の予備知識もなしにジャケ買いを敢行してしまったのですが、いやこれが買って大正解。ピアノとアコギを主楽器とする、しっとりサウンドにヘヴィ・メタリックなアグレッションや疾走感は皆無なれど、その分東欧のアーティストならではのどこか物悲しさを帯びたメロディ・センスと、そしてゲストVoとして本編に全面参加しているヨラン・エドマンのソウルフルな歌声がじっくりと堪能できるという塩梅。様式美ナンバーを歌わせても最高ですが、やはりこの人の真価はバラード系の楽曲を歌っている時にこそ発揮されるのだなぁと改めて実感させられました。
特に美麗なハーモニーと優雅なストリングスを配し抒情的に綴られるアルバム表題曲②は珠玉の逸品。この間の大雪の日、帰る道すがら流していたら、夜の雪景色と雰囲気がばっちりマッチしてえらく感動してしまいましたよ。
かつてゼロ・コーポレーションから日本デビューを飾ったミシャ・カルヴィン(覚えてます?)のアルバム等にグッと来た方なら間違いなく楽しめる1枚ではないでしょうか。是非今後もコラボを続けて行って欲しいなぁと。


Jordan Jordanov - Angel's Touch - Angel's Touch ★★★ (2022-02-04 00:15:04)

儚げに奏でられるピアノ、哀切なストリングスの調べ、
ひんやりと憂いを湛えたメロディを切々と歌い上げる
ヨラン・エドマンの美声がお互いを引き立て合う逸品です。


J・A・シーザー - 国境巡礼歌 ★★★ (2022-08-25 23:27:10)

故・寺山修司が率いた、演劇実験室こと天井桟敷の音楽担当として世に出たJ.A.シーザーが’73年に発表したオリジナル・アルバムであり、彼のバンド「悪魔の家」や天井桟敷所属の俳優たちの協力(演出・構成は寺山修司が担当)を得て、日本青年館で行われたソロ・リサイタルの模様を収録したライブ・アルバムでもある一作。
前衛!アングラ!アバンギャルド!なイメージから尻込みしてしまい、長いことスルーし続けてきたのですが、実はアニメ作品のスコアを手掛けていたり、海外で高く評価されているとの記事を目にして(CATHEDRALのリー・ドリアンも絶賛してましたね)徐々に興味が高まり本作を手に取ってみれば、その唯一無二な音世界――無理くり例えるなら人間椅子と芸能山城組が悪魔合体したような感じとでも申しましょうか――に圧倒されまくったという。
暗く情念に満ちたメロディ、呪術的に繰り返されるドゥーム・メタリックなリズム、その上で妖しく交錯する男女コーラスとが、荒々しい演奏や音質すらも迫力に変えて叩きつけられるサウンドは、一口に「和風」といっても雅さとか格式高い伝統といった華やかさよりも、土俗的な因習や民間伝承の方に親しむドロリとどす黒いエッセンスが横溢。特に琵琶の音に導かれる陰鬱なイントロから疾走へと転じる①、ヘヴィでサイケデリックな曲調とわらべ歌のメロディが融合した⑥、延々続く寺山のアジ演説に絡みつくGが徐々に泣きの湿度を上げていく⑦辺りを初めて聴いた時の衝撃は相当なものがありましたよ。
70年代ロックでもプログレッシブ・ロックでも括りきれない異端の名盤。相当に聴き手を選ぶ作品であることは間違いないですが、ハマれば底なしかと。


KANE ROBERTS - Kane Roberts ★★★ (2022-03-03 01:31:42)

嘘か誠か、出演したライブハウスで客と乱闘を繰り広げていたら、偶然その場に居合わせたアリス・クーパーに気に入られ、そのまま彼のバンドの一員としてデビューを飾ることとなったという80年代感溢れるシンデレラ(にしてはゴツ過ぎますが)エピソードの持ち主、ROCK’N ROLL RAMBOことケイン・ロバーツが'86年に発表した1stソロ・アルバム。
「アサルト・ライフル魔改造ギターをドヤ顔で掲げる筋骨隆々な長髪マッチョ(ケイン本人)」というバカ負けするインパクト抜群のジャケットだけ見ると、「俺の武器はギター」とか言いながら物理的にギターで相手をブン殴っていそうな感じですが、実際にここで聴けるのは繊細な手つきでカッチリ組み立てられたメロディックHRサウンド。キャッチーなメロディに美しいボーカル・ハーモニー、そして構築感すら漂わすGプレイといい、見た目と託された音のギャップのデカさに二度ビックリですよ。
背中に鬼の顔を浮かび上がらせながらGを弾きまくる光景が思い浮かぶようなインスト・ナンバー④、ドスの効いたコーラスをフィーチュアして突撃する⑦といった、イメージ通りのパワーメタル・ナンバーを配しつつも、しかし本編のハイライトを飾るのは、ロビー・デュプリーとの共作曲②や、キメキメなコーラス・ワークがライブ映えする③、キャッチーな哀愁のメロハー⑨、クレジットにはキップ・ウィンガーの名前も見えるバラード⑩といった、ゴテゴテとした筋肉の鎧よりも、洗練されたスマートさの方が印象に残る楽曲の数々という。
長らく廃盤で入手困難な状態が続いていましたが、2nd『SAINTS AND SINNERS』(こちらも◎)と一緒に再発されましたので、是非とも一度はお手に取って頂きたい名盤です。


KANE ROBERTS - Kane Roberts - Too Much (For Anyone to Touch) ★★★ (2022-03-03 23:45:28)

ゴリゴリにマッチョな外見とは裏腹に
哀愁を帯びたメロディから、キャッチーなコーラス、
美麗なボーカル・ハーモニー、練られたGソロに至るまで
各パーツが実に繊細に組み上げられている名曲。


KANE ROBERTS - Kane Roberts - Women on the Edge of Love ★★★ (2022-03-03 23:55:32)

共作者としてロビー・デュプリーの名前もクレジット。
キャッチーなコーラスが耳を捉える
洗練された哀愁のハードポップ・ナンバー。
肉体はオイルでテッカテカですが、手掛ける楽曲は
脂っこさとは無縁。耳にスッと沁み込んでくる
消化の良い名曲に仕上がっています。


KANE ROBERTS - Saints and Sinners ★★★ (2016-12-26 23:40:06)

驚異の秘密兵器「実銃改造マシンガン・ギター」と、「筋肉モリモリ、マッチョマンの変態だ」(by映画『コマンドー』)風味にパンプアップされた肉体美を誇示したジャケットで、HR/HMリスナーをドン引き…じゃなくて度肝を抜いた元アリス・クーパー・バンドのギタリスト、ケイン・ロバーツが'90年に発表した2ndアルバム。
大向こうから「切れてる切れてる!」「ナイスバルク!」と掛け声がかかりそうなボディビルの写真集状態だった前作のアートワークが色物扱いされたことで我に返ったのか、今回はジャケ写がまともになっちゃっていて、ホッとしたような物足りないような…。まぁ少なくとも音楽性に関しちゃこっちのデザインの方が相応しいとは思いますけども。
ともあれ、ヒット・ポテンシャルに富むポップでキャッチーなメロディック・ロックという、セルフ・タイトルのデビュー作で聴かせてくれた基本路線は本作でも堅持されていますし、ダイアン・ウォーレンを始め、名うてのヒット・メイカー達が楽曲提供を担い、その上(1曲目からも明らかなように)ケイン自身のテクニカルなGプレイが、ポップ路線に流され過ぎぬようサウンドにハード・ロッキンなエッジと緊張感を加えてくれているのですから、これで素晴らしい作品にならないがわけがない!と。
特に、BON JOVI&デズモンド・チャイルド作曲のパワー・バラード③、格段に向上したケイン自身のVoが楽曲を感動的に盛り上げる⑤、スポ根映画の主題歌にハマりそうな⑦という、「フックの備わった楽曲」のお手本の如き高揚感に満ちた3曲は、今後とも末永くお付き合いしていきたいメロハーの名曲。
インパクトでは1stに及ばないものの、この2ndも是非押さえておいて頂きたい1枚です。


KANE ROBERTS - Saints and Sinners - Fighter ★★★ (2016-12-27 23:11:49)

勉強、残業、筋トレ等々…「あともうひと踏ん張り!」が必要な時に流すと
沸々と力を湧き上がらせる曲調&歌詞とが相俟って効果覿面。
80年代のスポ根ドラマ/映画の主題歌に採用されていても
おかしくない爽やかさが魅力の名曲です。


KANE ROBERTS - Saints and Sinners - Rebel Heart ★★★ (2016-12-27 23:05:18)

「ギターを抱いたランボー」的イメージからはかけ離れた
痒い所に手が届くメロディック・ロック・チューンの名曲。
分厚いコーラスと高揚感に包まれたサビメロのフックの効き具合、
何よりそれを熱唱するケイン・ロバーツのVoと、
終盤の彼自身によるGソロが楽曲を劇的に盛り上げてくれます。


KANSAS - Audio-Visions ★★ (2008-12-21 21:07:00)

スティーヴ・ウォルシュ在籍時代最後の作品となった、'80年発表の8thアルバム。
80年代に入り、JOURNEYやSTIX、BOSTONといった同期バンドの成功に触発されたのか、ファンタジー色が失せた
即物的なジャケット・アートワーク(正直、かなりのダメジャケ)といい、曲展開がシンプルに整理され、
キャッチーなコーラス・ワークが強化された楽曲の数々といい、モダンな産業ロック方向へと大きく舵を切った本作は、
前作との間にケリー・リヴグレンとスティーヴ・ウォルシュのソロ・アルバムを挟んでいるせいか、ケリー作のプログレ路線と、
スティーヴ作のロックンロール路線とに、収録曲のタイプがハッキリと分かれてしまっているのが特徴と言えるかも。
個人的には、キャッチネスと重量感を兼ね備えたOPナンバー①、泣きの名バラード③、劇的な⑤、流麗且つ軽やかな⑧といった
ケリー作曲のプログレ・タイプの楽曲がより好みなれど、歯切れ良く疾走する④のような、スティーヴの手による
楽曲の素晴しさも捨て難い。そして、何と言っても本作は⑦の存在に尽きる。ハードロッキンな激しさと、
プログレ・ハード然したドラマティックな曲展開に絡む、ロビィ・スタインハートの攻撃的なヴァイオリン・プレイ・・・
と、まさにKANSASの魅力の粋が詰め込まれたこの名曲を聴くためだけにでも、本作は聞く価値があるというもの。
後のスティーヴ脱退を予期させる内容とは言え、相変わらず完成度の高さに揺るぎはない、KANSASならではの名盤。


KANSAS - Audio-Visions - Don't Open Your Eyes ★★★ (2008-12-21 21:16:52)

スティーヴ・ウォルシュに由来するタイトなロックンロール・テイストと、
ケリー・リヴグレンのプログレ志向が見事に融合を果たした、
劇的且つ疾走感に溢れた8thアルバムのハイライト・ナンバー。
前作以降、影が薄くなる一方だったロビィ・スタインハートが
久々に披露する、攻めの姿勢のヴァイオリン・ワークも聴きモノかと。


KANSAS - Audio-Visions - Hold On ★★★ (2008-12-21 21:13:12)

“THE WALL"と双璧を為す、KANSAS屈指の泣きの名バラード。
哀愁が滲み出す絶品のVoによって歌われる
余りに切ないサビメロと、渋く泣くG、
そして艶やかなヴァイオリンの音色に思わず胸キュン。


KANSAS - Audio-Visions - No One Together ★★★ (2008-12-21 21:22:00)

「あ~、KANSASだなぁ」とシミジミと聴き惚れる、
ポップでキャッチーな叙情メロディが華麗に舞う名曲。
『暗黒への曳航』辺りに収録されていてもおかしくない
溌剌と展開される、綿密に構築された曲展開の妙は
まさにこれぞKANSAS!といった感じ。


KANSAS - Kansas ★★ (2008-11-23 23:35:00)

JOURNEY、STIX、BOSTONと並ぶ「アメリカン・プログレ・ハード四天王」の一角にして、ヴァイオリンをフィーチュアした
ハードロック・バンドの代名詞とでも言うべきKANSASが、'74年に発表した記念すべき1stアルバム。
代表作&出世作の4th『LEFTOVERTURE』辺りと比較すると、この頃はまだプログレ風味はそれ程でもなく、ハードでソリッドな①や、
身体がスウィングする②、初期URIAH HEEPを思わせる④といった楽曲に代表されるように、どちらかと言えばそのサウンドは
ブリティッシュHRからの影響が色濃く感じられる、ストレートな仕上がり。(しかもコレがカッコいいんだ)
とは言え、ロビィ・スタインハートが奏でる、「攻め」の姿勢を持ったヴァイオリンを前面に押し出したサウンドは
既に十分過ぎるほど個性的で、何より、後の作品よりも明らかにヴァイオリン中心の音作りが為されているのは、
彼らの「他のバンドとの違いを明確にしたい」という矜持の表れか。
また、本編のハイライトにして、現在に至るもライブの定番曲として君臨する⑤や、10分近くに及ぶ大作曲がブランクなしで
畳み掛けてくる⑦~⑧の展開の仕方など、後の作品へと繋がるプログレッシブ・ロック的な要素はあちこちで確認する事ができ、
特に⑤は、個人的にKANSASの数多ある名曲の中でも、トップレベルの完成度を誇る1曲として愛して止まない存在であり、
この劇的極まりない名曲を聴けば、DREAM THEATERが如何にKANSASから多大な影響を受けているか、よく判るというもの。
プログレハード的な音を期待して聴くと肩透かしを食らいかねないが、これはこれで非常に高品質な1枚。初期3作の中では一番好きかも。


KANSAS - Kansas - Journey From Mariabronn ★★★ (2008-11-24 01:05:26)

初期KANSAS屈指の名曲。とても30年以上昔の楽曲とは思えぬ、
この劇的さは一体どうしたことか。
DREAM THEATER辺りのファンで、この曲を聴いたことのない人は
人生損してますよ!と断言したくなるぐらいお気に入りの1曲。


KANSAS - Leftoverture ★★ (2008-11-30 00:34:00)

プログレッシブ・ロックならではのインテリジェンスと、大衆性(ポップさ)が高いレベルで融合を果たした、
KANSASの最高傑作にして、アメリカン・プログレ・ハード史上に燦然と輝く名盤として名高い
(『永遠の序曲』という邦題も美しい)、'76年発表の4thアルバム。
前作まで根強く残っていたロックンロール色(ノリで押すタイプの楽曲)が一掃され、起承転結がバッチリと決まった
劇的な楽曲群で全編が固められた本作は、しみじみと泣く珠玉の名バラード②、ヴァイオリン大活躍のドラマティックな④、
卓越したアレンジ能力の高さが堪能できる⑦、そしてラストに鎮座まします、KANSASの全てが注ぎ込まれた
彼らのプログレ・サイドを代表する“超大作"⑧といった、バンド屈指の名曲中の名曲たちがズラリ並ぶ。
全米チャート11位にランクインを果たした大ヒット曲①が、この中に並ぶと大した曲に聴こえないのだから、
その内容の充実っぷりの半端なさが分かろうと言うものだ。
ハイテクニックに裏打ちされた、綿密なアレンジの腕前にも益々磨きがかかり、それでいて、親しみ易いキャッチーな
哀メロを大切に聴かせる姿勢が終始徹底されているため、凡百のプログレ・バンドにありがちな、独り善がりな難解さも皆無。
張り/艶/伸びと三拍子揃った絶品のVo、よく歌うG、美しく流麗なKey、構築美に富むリズム隊、そして優雅で
マイルドな叙情性を演出するヴァイオリンとが、一体となって生み出す楽曲群は劇的極まりなく、
当然のように捨て曲は一切なし。DREAM THEATERを筆頭とするプログレッシブHMバンドのファンで、
まだKANSASを聴いた事がないという人は、確実に人生大損こいてますよ!


KANSAS - Leftoverture - Cheyenne Anthem ★★★ (2008-11-30 22:45:16)

“黙示録"との邦題の付けられた、KANSASの卓越した
アレンジ能力の高さが堪能できる名曲。
多彩な表情を見せる、プログレッシブでドラマティックな曲展開は
7分近くに及ぶ長尺を、全くそう感じさせる事なく聴かせきる。
中盤の賛美歌風のアレンジや、オペラティックな女性Voが
良いアクセントとなっています。


KANSAS - Leftoverture - Magnum Opus: a. Father Padilla Meets the Perfect Gnat; b. Howling at the Moon; c. Man Overboard; d. Industry On Parade; e. Release the Beavers; f. Gnat Attack ★★★ (2008-11-30 22:49:33)

スケールの大きなイントロを聴いただけで「名曲!」と
太鼓判が押せる、KANSASのプログレ・サイドを代表する“超大作"。
ハイテクニックの応酬が生むスリル、卓越したアレンジ能力、
劇的極まりない曲展開、そして何よりプログレ的な難解さを
全く感じさせない、キャッチーで取っ付き易い叙情メロディ・・・
まさにKANSASというバンドの魅力の全部入りの1曲。


KANSAS - Leftoverture - Miracles out of Nowhere ★★★ (2008-11-30 22:36:19)

くにゃっとしたKeyのイントロからスタートする、
4thアルバムのハイライト・チューンの1つ。
プログレッシブ・ロック然とした、緩急自在のドラマティックな
曲展開が聴き所なれど、楽曲の中心に据えられているのは
スティーヴ・ウォルシュのVo(叙情メロディ)なため、難解さは皆無。


KANSAS - Leftoverture - Questions of my Childhood ★★ (2008-11-30 22:39:16)

ポップな躍動感に満ちた、爽快感溢れる名曲。
こうした親しみ易いナンバーを書けるのも、KANSASの強みですね。


KANSAS - Leftoverture - The Wall (Conclusion) ★★★ (2008-11-30 22:26:38)

KANSASの数ある名曲の中でも、
最も強烈な「泣き」を発散する珠玉の名バラード。
哀愁に満ちたヴァイオリンの旋律、エモーショナルなVo、
センチメンタルなKey、しみじみと泣くG、劇的な曲展開・・・
すべてが堪らなく美しく、そしてドラマティック。


KANSAS - Masque ★★ (2008-11-27 00:24:00)

THE MARSHAL TUCKER BAND、ALLMAN BROTHERS BAND、THE OUTLAWSやDIXIE DREGSD等、サザン・ロック系アーティストとの仕事で
知られる画家、ジェイソン・フローノイ・ホームスの手による「騙し絵」風味のジャケット・アートワークも秀逸な、'76年発表の3rdアルバム。
スティーヴ・ウォルシュ主導のロックンロール・ソングと、ケリー・リヴグレン主導のドラマティックな楽曲の
2本立てからなる作風は、基本的に前作『SONG FOR AMERICA』と同一路線ながら、今回は更に曲展開が複雑に、アレンジも
細部まで綿密に練り上げられていて、プログレッシブ・ロック風味が大幅に増量。個人的に、KANSASと聞いて想起するサウンドは、
本作をもって確立された感あり。(この方向性を更に突き詰めたのが、最高傑作と言われる次作『LEFTOVERTURE』)
乾き過ぎず、重過ぎない、優雅な叙情味を演出するヴァイオリンの音色を纏って、劇的且つ華麗に展開される楽曲は
構築美に富むだけでなく、非常にキャッチー。中でも、リリカルなイントロからタメを効かせて盛り上がっていく
美しい③、これぞまさにプログレッシブ・ロック!といった趣きの大作④⑧は、初期KANSASの魅力がギュッと
凝縮されたかのような仕上がり。また、ダイナミックな曲展開がコンパクトにまとめられたハード&スピーディな⑦は、
本作でしか聴く事の出来ないタイプの名曲じゃないでしょうか。
「これから」というところで曲がフェードアウトで終わってしまったり、冒頭2曲がロックンロール・タイプの楽曲で
掴みに失敗していたりと、若干、詰めの甘い部分も目に付くが、アルバム自体のクオリティの高さは確実に前作を凌ぐ。
上り調子のバンドの勢いが如実に反映された力作だ。


KANSAS - Masque - Icarus - Borne on the Wings of Steel ★★★ (2008-11-27 22:44:27)

ヴァイオリンとピアノによるリリカルなイントロに始まり、
力強く羽ばたきながら舞い上がって行くかの如き曲調が堪らなく
ドラマティックな、3rdアルバムのハイライト・チューン。
細部まで凝りまくったアレンジは、まさに「プログレッシブ・ロック」。


KANSAS - Masque - Mysteries and Mayhem ★★ (2008-11-27 22:50:27)

ランニング・タイムはコンパクトにまとめられているが、
曲展開は非常に多彩でダイナミック。
スピーディでアグレッシブ、そしてプログレッシブなHRナンバー。
フェード・アウトで終わってしまう構成が何とも勿体無い。


KANSAS - Masque - The Pinnacle ★★★ (2008-11-27 22:53:47)

歌に入る前の一捻り、壮大なスケール感、凝りまくった曲展開と
アレンジの妙、そして美しいメロディ・・・
切なさの滲み出すヴァイオリンの音色と、スティーヴ・ウォルシュの
絶品の歌声が胸を締め付ける名曲。大作だが、そうと感じさせない構成の見事さよ。


KANSAS - Monolith ★★ (2008-12-21 00:20:00)

全米チャート最高第10位にランクインを果たし、一般的に、KANSAS黄金時代最後の作品とされる、
'79年発表の7thアルバム。(邦題は『モノリスの謎』)
コンセプト・アルバムというアイデアや、プログレッシブ・ロック然としたファンタジックなジャケット・アートワークに
反して、前作『POINT OF NO RETURN』よりも一層歌モノ化に拍車が掛かった内容に仕上がっている本作。
大作主義は更に薄まり、楽曲もコンパクトにまとめられているが、相変わらず細部に至るまで綿密に練り込まれた曲展開や
アレンジの数々、そして、フックに富むキャッチーなメロディ作りのセンスに全く鈍りが見られないため、
それもマイナスにはなっていない。というか寧ろポップになった分、メロディの素晴しさが益々引き立った印象すらある。
特に、スティーヴ・ウォルシュが情感豊かに歌い上げる泣きメロが、じんわりと胸に沁みる①と、軽快さの中から
一抹の寂寥感が滲み出す(歌詞も秀逸な)②という本編OPの2連発は、その成果とでも言うべき名曲たち。
また一方で、美しく劇的な③、一際ハード&ダイナミックな④、終盤に向けてドラマティックに盛り上がっていく
⑤のような、プログレ的な味わいが濃厚に感じられるタイプの楽曲も収録。従来の音楽性への目配せも抜かりなく、
新旧のファンの期待に見事に応えた内容に仕上がっている。ま、要するにこれもKANSASならではの名盤っつーことですね。


KANSAS - Monolith - Angels Have Fallen ★★★ (2008-12-21 00:36:49)

7thアルバム収録曲の中にあって、
初期プログレ路線の面影を強く残した名曲。
タメを効かせてドラマティックに盛り上がっていくサビに
思わず身悶えしたくなる1曲。
ロビィ・スタインハートのヴァイオリンもナイス・アシスト。


KANSAS - Monolith - On the Other Side ★★★ (2008-12-21 00:28:07)

イントロの時点で既に泣ける、コブシの効いたOPナンバー。
この時期のKANSASの楽曲は、徐々にポップ化が進行しつつあったわけだが、
この曲が発散する哀愁は“THE WALL"に迫る泣きっぷり。
それでいてベタついた印象がないのもKANSASならでは。


KANSAS - Monolith - People of the South Wind ★★ (2008-12-21 00:33:04)

シングル・カットされ全米シングル・チャート第23位を
記録した、軽快に弾むポップ・チューン。
サビメロから滲み出すどこか寂寥感を湛えた哀愁と、
神秘的な歌詞も秀逸。


KANSAS - Point of Know Return ★★ (2008-12-06 01:31:00)

全米チャート4位に食い込む大ヒットを飛ばし、プラチナ・ディスクを獲得と、4th『LEFTOVERTURE』と並んでKANSASの
絶頂期を飾る名盤としてファンから高い評価を得る、'78年発表の5thアルバム。(邦題は『暗黒への曳航』)
Voの熱唱が映える、KANSASのポップ・サイドを代表するキャッチーな名曲①や、全米チャート最高第6位にランクインを
果たした叙情的なアコースティック・バラード⑦を収録する等、スティーヴ・ウォルシュの「歌」を中心に据えた作風は、
前作に比べるとややコンパクトにまとまっている印象だが、収録曲は細部に至るまで綿密に作り込まれていて
密度が半端なく濃いため、物足りなさは皆無。何より、ポップに始まり、後半へ進むにつれてドラマティックに
盛り上がっていく本編の構成が、非常に考え抜かれていて素晴しいったらありゃしない。
プログレ的なスリルとポップ・テイストが見事に融合した②、構築美に満ちた劇的な⑤、本編随一のハードさを誇る⑥等、
収録曲の粒の揃い方は、前作にも決して引けを取らないレベルだし、また今回は、時に切なく、時にスリリングに楽曲を
盛り上げる、ロビィ・スタインハート(VIOLLIN)の良い仕事っぷりがキラリと光を放つ。取り分け、本編を
ドラマティックに締め括る大作ナンバー⑨⑩での、息苦しい程にエモーショナルなヴァイオリン・プレイは圧巻。
このアルバム以降、KANSASサウンドにおけるヴァイオリンの重要度が徐々に下がっていく事を考えると、
本作は彼の集大成的作品と言ってもいいような・・・。(んな事ぁない?)
KANSAS入門編として、万人に強くお薦めしたいアメリカン・プログレ・ハード史に残る名盤。


KANSAS - Point of Know Return - Closet Chronicles ★★★ (2008-12-06 17:19:09)

温かみに溢れた叙情メロディと、スケールの大きな、
構築美に満ちた曲展開が魅力のドラマティックな名曲。
↑上で別の方々が仰るとおり、ヨーロッパの童話テイストを
感じさせる歌詞が非常に秀逸。


KANSAS - Point of Know Return - Dust in the Wind ★★★ (2008-12-06 17:06:21)

切なさと郷愁を誘う美しいメロディと曲調が、
まさに「すべては風の中に」という邦題にドンピシャでハマる、
アコースティック・バラードの名曲。
ヴァイオリンの哀愁の調べが胸に沁みますな~


KANSAS - Point of Know Return - Hopelessly Human ★★★ (2008-12-06 17:28:50)

5thアルバムのラストをドラマティックに締め括る、
7分以上に及ぶ大作ナンバー。
山あり谷ありの曲展開に、泣きのG、流麗なKey、ダイナミックな
リズム隊が綿密に絡み合う凝りまくったアレンジの数々と、
本編随一のプログレッシブ・ロック度の高さを誇る一方、
スティーヴ・ウォルシュの歌うメロディは非常に親しみ易く、
難解さは皆無。悲哀に満ちたメロディを豊かに紡ぎ出す、
ヴァイオリンの活躍っぷりが素晴しいったら。


KANSAS - Point of Know Return - Lightning's Hand ★★ (2008-12-06 17:14:30)

「稲妻の戦士」という邦題が表すとおり、
5thアルバムの中でも一際ハードなロック・ナンバー。
主役は勿論、鋭く切り込んで来るフィル・イハートのGプレイ!


KANSAS - Point of Know Return - Nobody's Home ★★★ (2008-12-06 17:22:34)

ドラマティック極まりないイントロ部分だけで完璧にノックアウトされてしまう、
5thアルバムの終盤の盛り上がりを支える名曲。
涙腺をビシバシと刺激しまくる、エモーショナルな演奏を炸裂させる
ロビィ・スタインハートのヴァイオリンの素晴しさは、まさに圧巻。


KANSAS - Point of Know Return - Paradox ★★★ (2008-12-06 17:11:07)

曲調はポップだが、アレンジは綿密に作り込まれていて、
まさにKANSASにしか作り得ない名曲。
楽曲のスリルを高める、ヴァイオリンの良い仕事っぷりにも注目。


KANSAS - Point of Know Return - Point of Know Return ★★★ (2008-12-06 17:08:41)

KANSASのポップ・サイドを代表する、
溌剌としたキャッチーな名曲。
ブリッジ・パートにおける、スティーヴ・ウォルシュの
艶やかな熱唱っぷりは何度聴いても「最高!」以外の
形容詞が思いつきません。


KANSAS - Song for America ★★ (2008-11-24 12:38:00)

プロデューサーに、その後、長い付き合いとなるジェフ・グリックスマンを迎えて制作、彼らの初期作品の中では
全米チャート最高57位に食い込むなど1番の健闘ぶりを見せた、'75年リリースの2ndアルバム。
デビュー作『KANSAS』は、ブリティッシュHRテイストが色濃く漂う(時に初期URIAH HEEPっぽかったりする)、
ハードな作風に仕上がっていたが、今回は、才人ケリー・リヴグレンが本領を発揮。10分前後に及ぶ長尺曲を複数収録するなどの
大作主義が打ち出され、KANSASがいよいよプログレ・ハード路線へと本格的にシフトし始めたと事を物語る内容。
個人的には、アメリカのバンドならではの大らかさと、ヨーロピアンな華麗さや気品を併せ持った、KANSAS独特の
ポップ&キャッチーなメロディが、アルバムのそこここで聴かれるようになった事もポイントかな、と。
取り分け、そうしたメロディを纏って、エネルギッシュで伸びやかなVo、ツインG、Key、そして格調高いヴァイオリンの
音色が縦横無尽に駆け巡る、壮大にして軽やかなKANSASの代表曲②、幻想的でどこか物悲しい雰囲気を漂わせた③、
アルバムの最後をドラマティックに締め括る、本編随一のプログレッシブ・ロック度の高さを誇るスペーシーな⑦は、
アルバムのハイライトのみならず、後の作品へと繋がる重要な伏線としての役割も果たす名曲かと。
まだまだシンプルなロックンロール色も根強く残るものの、ドラマティックなサウンド好きならば、本作はマスト・バイ。


KANSAS - Song for America - Incomudro - Hymn to the Atman ★★★ (2008-11-24 17:18:35)

中間部にドラム・ソロ・パートを配したりと、
2ndアルバムの中でも最もプログレッシブ・ロック・テイストが
色濃く漂う、ドラマティックなラスト・ナンバー
“宇宙への祈り"という邦題通りのスペーシーな雰囲気を
演出するムーグ・シンセサイザーが非常に効果的。


KANSAS - Song for America - Lamplight Symphony ★★★ (2008-11-24 17:12:24)

長尺も飽きさせない終盤のスリリングな曲展開と、
(幻想的で切ない歌詞のせいか)楽曲全体に漂う物悲しさが胸を打つ、
ファンタジックで叙情的、かつドラマティックなバラード。


KANSAS - Song for America - Song for America ★★★ (2008-11-24 17:03:34)

10分に及ぶ大作ながら、暗さや重さが腹にもたれる事のない
華麗で軽やかな曲展開が印象に残る、KANSASらしい長尺曲。
アメリカ大陸の変遷について歌った歌詞も良いね。


KANSAS - Two for the Show ★★★ (2011-09-12 23:21:31)

音楽雑誌等でライブ・アルバムの特集が組まれたりすると「必聴の名盤」として取り上げられる機会の多い、KANSASが'78年に発表した実況録音版。
70年代後半という最も脂が乗ってた時期のパフォーマンスが収められているだけあって、スティーヴ・ウォルシュの艶やかな歌声を筆頭に、各メンバーの演奏はスタジオ盤を大きく上回るダイナミズムとエネルギッシュな躍動感に満ち溢れ、何より、勢いを駆るこの頃のKANSASはHR/HM史に残る名盤を連発してたので、とにかく収録曲が粒揃い。プログレ・ロック然とした緻密なアレンジや複雑な構成と、強力な哀愁/フック/高いポピュラリティを有するメロディまでも備えた、ドラマティックな名曲が次々に繰り出される様はまさしく圧巻。
ゆえに最初から最後まで全てが聴き所と言っても過言ではない本作なれど、個人的に特にお薦めしたいのは、KANSASの「静」の表現力が如何なく発揮された名バラード⑧から⑨へと至るアコースティック・パート。何気なく爪弾かれるメロディ一つ一つがじんわりと胸に沁み渡り、しみじみと泣けますねぇ。
先日、最初のCD化の際に収録時間の関係上オミットされてしまった楽曲や、未発表ライブ音源が追加収録された紙ジャケ・デラックス盤が再発されたので、また廃盤になってしまう前に是非どうぞ。


KANSAS - Vinyl Confessions ★★ (2008-12-29 22:45:00)

脱退したスティーヴ・ウォルシュに代わって、現在ではソロ・シンガー兼プロデューサーとして手腕を振るう
ジョン・エレファンテを加入させ、前作『AUDIO VISONS』から凡そ2年ぶりに発表された9thアルバム。
ジョン・エレファンテの声質が非常にスティーヴ・ウォルシュのそれと似通っている事と、彼の卓越した歌唱能力の
高さもあって、シンガー交代の違和感は殆ど感じられない本作。プログレ・ハード色がほぼ払拭され、シンプル且つ
コンパクトにまとめられた産業ロック・テイストが増強されているものの、ポップでキャッチーなメロディの魅力は
相変わらず高水準を維持。ただ今回は、曲によっては若干叙情性が薄らいでしまった印象が無きにしも非ずか。
洗練された泣きメロが心地良い、リリカルなポップ・チューン①、哀切に満ちた歌メロとピアノの旋律が
もう辛抱堪らんバラード④、ポップ・テイストが上手く活かされた⑧、ハードに本編ラストを締め括る⑩といった楽曲の
完成度の高さは「流石KANSAS!」といったところなれど、本作のハイライトは、間違いなくシャッフル・チューンの⑨。
特に、ドラマティックな曲調に凛とした気品を付与する、流麗なピアノの調べの素晴しさときたら!
バンドの顔であるシンガーの交代というマイナス要素を、全く物ともしない見事な完成度を誇る1枚。但し、次作で
ズッコケさせられる事となる、アメリカン・ロック路線への傾倒も(僅かながらも)感じ取れる内容である事も付け加えておきたい。


KANSAS - Vinyl Confessions - Chasing Shadows ★★ (2008-12-29 23:12:42)

“DUST IN THE WIND"や“HOLD ON"の系譜に連なる
泣きの名バラード。憂いに満ちたメロディを歌う
ジョン・エレファンテの情感豊かなVoと、
儚げな旋律を奏でるピアノの美しい調べにもうメロメロ。


KANSAS - Vinyl Confessions - Play On ★★★ (2008-12-29 23:16:02)

個人的に、9thアルバムのハイライトはこの曲で決まり。
勇ましい曲調に、美しく、凛とした気品とドラマ性を付与する
流麗なピアノの調べは、何度聴いても「最高」以外の
形容詞が思い浮かびません。


KANSAS - Vinyl Confessions - Play the Game Tonight ★★★ (2008-12-29 23:06:47)

アルバムの出来の良さを確信させる、
リリカルなメロディに彩られた泣きのポップ・チューン。
この曲をOPに持ってくる辺り、KANSASの
「これからは産業ロック路線で行きますよ」という
決意表明に感じられなくもない。(ような?)


KARELIA - Raise ★★ (2010-05-29 00:27:00)

おフランス出身らしいトレビヤンな気品を纏って、クラシカル/オペラティック/シンフォニックと、
三拍子揃った大仰なHMサウンドを聴かせてくれる5人組が、'05年に発表した2ndアルバム。
アートワークを手始めに寒色系のイメージでまとめられた本作は、メロパワ的な疾走感や煌びやかな
ゴージャスさが薄れてしまったため、デビュー作『USUAL TRAGEDY』程の高評価は得られなかった様だが、
イヤイヤなかなかどうして。荘厳に響き渡る混声オペラ・コーラスは健在だし、ディープな低音ボイスと
へしゃげ気味のハイトーンを使い分けるVo、悲壮なメロディをエモーショナルに紡ぎ出すG、楽曲にゴシック調の
冷ややかな哀感を付与するKey・・・と、前作の美点をしっかりとキープしつつ、一層深みを増した内容は
聴き応え十分。何より、これまで以上に悲哀の度を高めたメロディの泣きっぷりが素晴しいったら!
取り分け、メロパワ的なドラマ性を帯びた④、アラブ音楽風の序曲から繋がっていく壮大な⑤、じっくりと泣く
Gが辛抱堪らん⑥、劇的なイントロでガッチリと掴まれる⑦といった強力な楽曲が続く中盤は本編の白眉で、
特に「まるで韓流メロドラマの主題歌のよう」と評された⑦は、ピアノとGが紡ぎ出す壮絶なまでに
悲壮な旋律に思わず床の上をのた打ち回らせられる、'05年度屈指の超名曲。
KARELIA入門編としては前作『USUAL TRAGEDY』をお薦めするが、個人的にはこの2ndアルバムの方が好きだな。


KARELIA - Raise - Unbreakable Cordon ★★★ (2010-05-29 00:35:38)

物悲しくも美しい2ndアルバムのハイライト・チューン。
「韓流ドラマの主題歌のようだ」と評されたが、
実際、ピアノとGが情感たっぷりに紡ぎ出す
猛烈なまでに悲壮なメロディ展開はそれっぽい。
ただ、劇的なイントロを聴けば分かるとおり、
曲自体はかなりハードでドラマティック。
KARELIAのみならず、'05年度のHR/HMシーンを代表する逸曲かと。


KATANA - Heads Will Roll ★★★ (2011-08-22 21:55:45)

このバンド名に、サムライが描かれたジャケット、それに“HEART OF TOKYO”なる楽曲を収録する等、日本のHR/HMファンとして無条件に応援せずにはいられない、スウェーデン出身の5人組正統派HMバンドのデビュー作。(プロデュースはアンディ・ラ・ロックが手掛けている)
IRON MAIDENからの多大なる影響をベースに組み立てられ、そこに独産メロパワ・メタルのエッセンスと、新人らしい溌剌としたノリの良さを加えて仕上げられたサウンドは「まさにNWOTHM」といった感じだが、↑上の方も仰られている通り、彼らの場合はVoが歌うキャッチーなメロディが前面に押し出されているのが大きな特徴で、このシンガー、ポップ風味も取り込んだ躍動感溢れる歌メロの構築センスが抜群に冴えており、IRON MAIDENを思わす2本のGが威勢良く駆け回るOPナンバー①に始まり、日本愛を湛えて(?)小気味良く疾走する⑤へと至る本編前半の充実っぷり、そして山あり谷ありの曲展開とエキゾチックなメロディをもって本編をドラマティックに締め括る大作曲⑨の素晴しさは、彼氏が歌う魅力的な歌メロがあったればこそ。
バンド名や曲名に失笑を漏らす真面目なHR/HMファンもいるかもしれないが、侮れない実力を有する新人バンドであることは確か。ライブが見てみたいな。


KATANA - Heads Will Roll - Blade of Katana ★★ (2011-08-22 22:06:20)

正直、もろメロパワ調のサビメロは苦手なのだが、
曲名といい、日本に関連したキーワードが頻出する歌詞といい、
バンドのテーマソング的1曲。
ライブで演ったら盛り上がること請け合いで、
思わず一緒に重武装して東京に進撃したくなりますね。


KATANA - Heads Will Roll - Heart of Tokyo ★★★ (2011-08-22 21:58:16)

曲名と歌詞だけで星三つを進呈したいぐらいですが、
実際、小気味良く疾走する楽曲自体も十分にカッコ良く、
決してタイトル負けしていない辺りも評価ポイント。


KATANA - Heads Will Roll - Livin' Without Fear ★★★ (2011-08-22 22:00:54)

IRON MAIDENばりに威勢良く駆け回るツインG、
ジャーマン・メロディック・パワー・メタルを思わす曲調、
そしてVoが歌う勇ましくもキャッチーなメロディ・・・と、
KATANAというバンドの魅力が判り易く表現された
まさしくOPナンバーに相応しい名曲。


KATANA - Heads Will Roll - Quest for Hades ★★★ (2011-08-22 22:15:11)

アルバムのクライマックスを飾るに相応しい
スケールの大きさとドラマ性を持ち合わせた
7分近くに及ぶ大作ナンバー。
エキゾチックなメロディ使いや劇的な曲展開など、
元ネタは明らかにIRON MAIDENだが、
ここまで完成度高く作り込んでくれたのなら
文句などありません。良い曲です。


KATANA - Storms of War ★★★ (2013-09-22 23:26:50)

直球なバンド名とジャケット・アートワーク、それに優れた楽曲をもって一部好事家のハートを鷲掴みにしたスウェーデンの5人組が、再びアンディ・ラ・ロックと組んで'12年に発表した2ndアルバム。
「カミカゼ吹き荒ぶ海原を舞台に激突する、巨大サムライ・ゾンビvsモンゴリアン・ウォリアー」という、盛りに盛ったアートワークだけで思わず頬が緩む本作ですが、内容の方もデビュー作同様、NWOTHMらしい、威勢良くハジける正統派HMサウンドが横溢。
少々青臭いVoが歌うメロディがポップな響きも湛えていて、それが独特の味となっていた前作に比べ、初期HELLOWEENタッチの①、コブシの回る歌メロが絶好調時のイングヴェイを彷彿とさせる②、フビライ・ハーンと元寇の役について歌った荒ぶるエピック・ソング③・・・と、今回はシンガーの歌唱が逞しさを増したこともあって、よりソリッドにへヴィ・メタリックな方向へと軌道修正。バンドの個性としてはどうなのよ?と思わなくもないですが、相変わらず収録楽曲のクオリティは充実しています。
“THE SAMURAI RETURNS”なるタイトルからして「いよっ、待ってました!」と喝采を送りたくなる④、ヴァイキング・メタルばりの重厚さと勇壮さを発揮する⑥、IRON MAIDENに対する憧憬が滲み出す、ドラマティックな大作ナンバー⑦⑩等、捨て曲なしの本編の完成度、それに端々から日本贔屓を感じさせてくれるバンドだけに、本作が国内盤未発売という現状を嘆かずにはいられませんて。


KATANA - Storms of War - Kubilai Khan ★★★ (2013-09-23 22:00:37)

アルバムのリーダー・トラックと言えそうな大作曲。
「元寇の役」について歌った楽曲といえばGRAND PRIXの
名曲“SAMURAI”を思い出しますが、このバンドの場合は
発想の元ネタはIRON MAIDENのような気がしますね。
「彼らがチンギス・ハーンなら俺らはフビライ・ハーンだ!」みたいな?
いやでも荒々しくもドラマティックで良い曲です。
中盤にもう一捻りあるとなお良かったと思いますが。


KATANA - Storms of War - The Samurai Returns ★★★ (2013-09-23 22:11:51)

タイトルからして「きたきた」となりますが
こういう楽曲を単なる色物に堕とすことなく
きっちりと名曲に仕上げてくるのが、
このバンドの素晴らしいところです。
前がかりのビートで畳み掛けてくる
勇壮なIRON MAIDEタイプの疾走ナンバー。


KATANA - Storms of War - Wrath of the Emerald Witch ★★★ (2013-09-23 21:54:53)

コブシの回る歌メロは、90年代の最も調子の
良い時のイングヴェイが書きそうな魅力を放つ名曲。
時折ひっくり返りそうになりがら
起伏の激しい歌メロを拾っていくVoを聴いていると
つい手に汗握ってしまいます。


KATANA - The Greatest Victory ★★★ (2016-10-29 08:53:17)

スウェーデンのKATANAも本作(’15年発表)で三作目に到達。ぼちぼちコンセプトを重荷に感じ始める頃合いでは?と思いきや、2曲目から早くも曲名が“YAKUZA”で「あ、全然そんなことなさそう」と。更にその後に続くのが“SHOGUN”。歌詞も「SHOGUN-COME BACK!」とか「SHOGUN-TAKE CHARGE!」とか、松平健もビックリの暴れん坊ぶり。アートワークにはメンチ切ってる髑髏武者がフィーチュアされており、ますます意気盛んなことが確認できて先ずは一安心ですよ。
歌詞のテーマに日本ネタを取り入れても、メロディ等には和風趣味を取り入れず、飽くまでIRON MAIDEN由来の正統派HMサウンドに拘った作風は前二作同様。サビメロの展開が独産メタル調の①から明らかなように、コール&レスポンスが捗りそうなパワー・メタル風味が一層増量傾向にあって、それはそれでカッコイイですし、違法ダウンロードの横行でアルバムの売上がさほど見込めず、ライブ向きの楽曲を揃えてツアーに活路を見出す新人にとっちゃ当然の戦略として理解できるのですが、ただ初期作で彼らの存在を際立たせていた、ポップなメロディ・センスを活かす場が減る一方なのは、少々勿体ない気がしなくないという。
それでも、メイデン愛が溢れ出す⑤等、勇壮な楽曲がタイトに繰り出される本編を聴くにつけ、抜きん出た作曲センスの高さには唸らされます。特に小曲⑧を経てラストをドラマティックに盛り上げる⑨はアルバムのハイライト。ジョーイ・テンペスト似(声質が)のシンガーが実に堂々たる熱唱を響かせてくれていて、デビュー当時の青臭さが嘘のようですね。
デビュー作以来、国内盤リリースがないことが残念でなりませんて。


KATANA - The Greatest Victory - In the Shadows ★★★ (2016-10-30 10:21:59)

短いインスト曲“THE VOID”とセットで楽しみたい
アルバム最後を飾る大作曲。
バンド名にしろ、アートワークにしろ、幾つかの曲名にしろ
浮ついた印象に眉を顰めるHR/HMリスナーもいらっしゃるかもしれませんが、
バラード調に始まり重厚に盛り上がっていく劇的な曲展開といい
Voの見事な歌いっぷりといい、これはドッシリと地に足を付けた
本格正統派HMの名曲に仕上がっております。


KATANA - The Greatest Victory - Yakuza ★★★ (2016-10-30 10:30:41)

海外でも高い知名度を誇るジャパニーズマフィアに捧げられた(?)一曲。
但し、歌詞からすると山口組系ではなく任侠映画の世界観が元ネタでしょうか。
妙にキャッチーなサビの「ヤクザ!ヤクザ!」は
聴く度に一緒に叫びたくなってウズウズしてしまいますね。


KEANE (USA) - KEANE ★★★ (2013-01-13 20:37:41)

トム(Vo、Key)とジョン(Ds)のキーン兄弟が、KEANEを名乗って'81年に発表した1stアルバム。(邦題は『ドライヴィング・サタデー・ナイト』)
故ジェフ・ポーカロらの絶賛もあって「ヤングTOTO」として評判を呼び、特にここ日本では、ポップで軽やかなOPナンバー①がCMソングに起用される等スマッシュ・ヒットを記録したという本作は、TOTOの薫陶を受けたと思しき確かなテクニックを備えつつも、飽くまで「歌」をサウンドの中心に据えた、アンサンブル重視のキャッチーなメロディアスHRを志向。それでいて、若干17歳とは思えぬ成熟した歌声を響かせるトムのVoや、ジョンのエネルギッシュなドラミング(この時16歳!)、それにハード・ドライヴィンなGが楽曲にエッジとダイナミズムを加えてくれているので、甘口になり過ぎないという。これならHR/HMファンでも十分楽しめるんじゃないでしょうか。
洗練された空気を運ぶピアノの音色が、哀愁を帯びた曲調を涼やかなに彩ってくれる②④⑨辺りが個人的にはお気に入りの楽曲ですが、それ以外も逸曲揃いであることは言わずもがな。
AOR/産業ロック・ファンから必聴の名盤扱いされているのも納得の1枚です。


KEANE (USA) - KEANE - BAD LITTLE BABY GIRL ★★★ (2013-01-13 22:09:38)

ジョン・キーンのアタッキーなドラムが
暴れ回る、アルバム随一のハード・ナンバー。
この曲は「HRソング」と表現してもいいかな?
(掛け声コーラスも入っていますし)
それでいて、フックの効いた哀愁のメロディと
Keyのお陰でがさつな印象は皆無。


KEANE (USA) - KEANE - KILL OR BE KILLED ★★★ (2013-01-13 22:15:27)

トム・キーンのエモーショナルな歌声、
指の隙間から零れ落ちていくようなピアノの旋律、
哀愁を帯びてよく歌うG、
それにメリハリの効いた曲展開と、
あらゆる点においてアルバムの
ベスト・トラックに推したい名曲です。


KEANE (USA) - KEANE - LORELEI ★★★ (2013-01-13 22:20:31)

アダルトなムードが漂う瀟洒なバラード。
この手の楽曲を説得力十分に歌いこなす
トム・キーンのVoを聴くと、
「本当に未成年?」と尋ねてみたくなりますね。


KEANE (USA) - KEANE - TRYIN' TO KILL A SATURDAY NIGHT ★★★ (2013-01-13 21:59:10)

カセット・テープのCMソングに起用されたそうで
実際、楽しげでキャッチーなロック・ソングです。
土曜の夜に浮き立つ心情を表現したかのような
流麗なKeyに思わずこっちの心も逸ります。


KEANE (USA) - TODAY, TOMORROW AND TONIGHT ★★ (2013-01-14 21:47:12)

70年代に、デヴィッド・フォスターやジェフ・ポーカロといった大物ミュージシャン達のバックアップを受け、齢13~14歳にして2枚のアルバムを発表した早熟の兄弟デュオ、トム(Vo)とジェフ(Ds)のTHE KEANE BROTHERSが、KEANEと改名した後、'82年に発表した2ndアルバム。(邦題は『スターダスト・トゥナイト』)
後にCHICAGOのフロントマンとして活躍することとなるジェイソン・シェフ(B)が新たにバンドに加わっていますが、メイン・ソングライターを務めるのは相変わらずトム・キーンゆえ、本作で演っているのは前作同様、洗練された歌心とハード・ドライヴィンなエッジをバランス良く併せ持ったAOR/産業ロック。
ただ、前作に比べると心持ちシンプルに、カラッと抜け良くまとめられている印象があって、個人的にはその点において1stの哀愁具合の方に軍配を上げるですが、それでも本作が、世界中のメロハー・マニアから(デビュー作と共に)高い評価を受けている1枚であることに疑問を差し挟む余地はございません。
未成年とは思えぬ、成熟した作曲センス並びにパフォーマンスが凝縮された①⑦⑩辺りを聴けば、このアルバムを最後にバンドが活動停止してしまったことがきっと惜しまれる筈。


KEANE (USA) - TODAY, TOMORROW AND TONIGHT - I'M READY TONIGHT ★★★ (2013-01-15 23:07:04)

イントロのピアノが良いなぁ。
フックの効いたメロディに
キャッチーに弾む曲調、
それに躍動感溢れる演奏といい、
KEANEの魅力を判り易く、且つ余す所なく伝えてくれる
アルバムのハイライト・ナンバーの1つです。


KEANE (USA) - TODAY, TOMORROW AND TONIGHT - OH OH OH ★★ (2013-01-15 23:03:17)

抜け良く、ポップに弾む曲調が
2ndアルバムの作風を象徴しているようです。
とはいえ、声を歪ませてパワフルに歌う
トム・キーンのVoもあって、
ロックならではの躍動感も失ってはいません。


KEE OF HEARTS - Kee of Hearts ★★★ (2023-03-16 00:00:11)

EUROPEのキー・マルセロ(G)+FAIR WARNINGのトミー・ハート(Vo)の組み合わせだからKEE OF HEARTS。FRONTIERS RECORDSのバックアップを受けて立ち上げられたプロジェクトが’16年に発表した唯一作。
このタッグでは’20年にOUT OF THIS WORLD名義でもアルバムをリリース済みで、あちらではキー・マルセロが曲作りを自ら手掛けていたのに対し、本作はレーベル側があらかじめ用意したアレッサンドロ・デル・ヴェッキオを始めとする職人ソングライター勢の手掛けた楽曲に、二人が生命を吹き込むというスタイルが取られています。有体に言えばお仕着せのプロジェクトであるわけですが(それが嫌でOUT OF THIS WORLDを新たに立ち上げたのかな)、とはいえ流石にメロディ職人たちが関与しているだけあって、収録曲はアッパレな完成度の高さ。また泣きのGソロに耳を惹かれるOPナンバー①や、リフもリードもGが歌っている②…といった具合に、ちゃんとキー・マルセロのギタリストとしての長所にフォーカスした曲作りがなされていて、単に作りっぱなしにしていない点にも感心させられますよ。
勿論、トミー・ハートの熱気とエモーション溢れる歌唱の素晴らしさも言わずもがなですし、リーダー・トラックたる⑦を手始めに、トミーの力強い歌声が映える各曲のキャッチーなサビメロ作りの上手さにも唸らされるものあり。特に本編随一のハードネスと、フックの効いたメロディとが絶妙に溶け合って疾走するラスト・ナンバー⑪は、このプロジェクトの旨みを凝縮したような名曲に仕上がっています。
OUT OF THIS WORLDが気に入った方なら、本作もチェックして損はありませんよ。


KEE OF HEARTS - Kee of Hearts - Learn To Love Again ★★★ (2023-03-20 22:57:02)

アレッサンドロ・デル・ヴェッキオの曲作りウマ男っぷりが
存分に発揮された名曲。ラストをハードナンバーで締め括る
アルバムは信用できますね。キー・マルセロのテクニカルな
Gソロも楽曲をスリリングに盛り上げてくれています。


KEEL - Keel ★★★ (2018-11-08 00:16:52)

来日公演も盛況の内に終了させたKEELが、その余勢を駆って発表した4thアルバム(’87年)。尤も翌年にはマーク・フェラーリとブライアン・ジェイのGチームが揃って脱退、ほどなくバンドは解散してしまうこととなるのですが、まぁそれはまた別のお話…。
プロデューサーがジーン・シモンズからマイケル・ワグナーにバトンタッチした本作は、初期作に比べるとKeyのフィーチュア度が上がった分、ヘヴィ・メタリックな疾走感や荒々しさは後退。いかにもマイケル・ワグナー印といった感じの分厚いプロダクションを得て、ミッド・テンポの楽曲を中心に据えたサウンドは、よりメロディアスでマイルドに、華やかなボーカル・ハーモニーをふんだんに散りばめた洗練されたポップ・メタルを聴かせてくれるようになりました。
特にバンドの家族や関係者、ゲスト・ミュージシャン(あと取材で現場を訪れていた酒井康)ら、総勢50名以上がレコーディングに協力したというビッグなコーラスがフィーチュアされたOPナンバー①はインパクト十分の名曲。それ以外にも、哀愁のミッド・チューン②、優しげなバラード④、一転してキレのあるツインGがアグレッシブに躍る疾走ナンバー⑤、キャッチーなメロハー⑧、颯爽と本編を締め括る⑩等、耳を捉える楽曲が揃っていて、それらを伸びやかに歌い上げるロン・キールのVoも、無駄な力みが薄れ確かな成長を感じさせてくれます。尤も、消化に悪そうな筋張った歌声はロンの立派な個性でもあるわけですが。
KEELがバンド名をタイトルに冠したのも納得の充実作。


KEEL - Keel - King of the Rock ★★★ (2018-11-09 00:16:50)

何をもってKEELらしいとするかは人それぞれだと思いますが
筋張ったロンのシャウト、切れ味鋭いツインG、ノリ良く疾走するリズム、
キャッチーなコーラスと、4thアルバムにおいて最も「ああ、KEELだなぁ」と
思わされた疾走ナンバーの逸品。


KEEL - Keel - United Nations ★★★ (2018-11-09 00:11:11)

合唱せずにはいられないアンセミックなアルバムOPナンバー。
バンド・メンバーのみならず、その家族や関係者、ゲスト・ミュージシャンら
総勢50名がレコーディングに参加し、更にそれをマイケル・ワグナーが
分厚く膨らませたコーラス・ワークが圧巻の迫力を誇る。
テーマに相応しく、国連本部でも演奏したことがあった筈。


KEEL - Lay Down the Law ★★★ (2016-07-20 22:44:31)

「LAメタルの首領」ことロン・キール(Vo)が、STEELER解散後、SHRAPNEL RECORDSのマイク・ヴァーニーの仲介を得てマーク・フェラーリ(G)らと共に結成したバンドのデビュー作('84年発表)。
個人的にKEELと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、代表作『誇り高き挑戦』よりもこっちでして、まぁ主に「オッパイ鷲掴みジャケット」のインパクトのせいなんですが。でも日本盤は出ていないし、なかなかCD化もされないしで、ジャケットは食い入るように眺めていても実際に聴いたことはなかったため(酷)、数年前に再発された時は嬉しかったなぁと。
音楽性は王道LAメタル路線。次作以降ほど洗練されてはおらず、荒々しくエネルギッシュな曲調に乗せて、マークとブライアン・ジェイのGチームが「LAメタルはリフが命!」とばかりに軽快に刻むGリフは、1曲目から実にノリ良くキャッチー。ロンが繰り出すパワフルなハイトーンVoも、少々筋張ってて消化は悪そうですが、個性とやる気は十二分に伝わって来るという。
劇的なツイン・リードGが疾走する③や、重厚なメタル・アンセム⑥、パワー・メタリックなアグレッションを撒き散らす⑧は、KEELが何故SHRAPNEL RECORDS所属アーティストだったかを再確認させてくれるカッコ良さを誇示しますし、和み系の④、アコギを用いてドラマティックな盛り上がりが演出された哀愁系の⑥という、タイプの異なるバラード2曲も思わず聴き入るクオリティ。(⑨は〝夜をぶっとばせ”の邦題で知られるTHE ROLLING STONESのカヴァー)
LAメタルファンだけでなく、SHRAPNELメタル愛好家もしっかり楽しませてくれる1枚ではないでしょうか。


KEEL - Lay Down the Law - Speed Demon ★★★ (2016-07-21 23:53:42)

2ndでもリメイクされてましたが、ロン・キールの
金属質なハイトーンVoは、デビュー作収録バージョンの方が
迫力が感じられて好きですね。


KEEL - Lay Down the Law - Tonight You're Mine ★★★ (2016-07-21 23:56:39)

そういやKEELってSHRAPNEL RECORDS所属バンドだったよね
と思い出させてくれる、ロン・キールの筋張ったハイトーンと
弾きまくりのツインGをフィーチュアして
へヴィ・メタリックに疾走するスピード・ナンバー。


KEEL - Streets of Rock & Roll ★★ (2021-04-05 23:51:54)

綺羅星の如きLAメタル勢の中にあって、ビッグ・ヒットには恵まれずともファンからは根強く愛されたロン・キール(Vo)率いるKEELが再結成を遂げて――正確には90年代にも一度復活を果たしているのですが――'10年にFRONTIERS RECORDSから発表した、通算5作目となるスタジオ・アルバム。
レコーディングに名を連ねたのは、リーダーのロン以下、マーク・フェラーリとブライアン・ジェイのGチームに、ドラマーのドワイン・ミラーといった黄金期のメンバー。ケニー・チェイソン(B)は不参加ながら、これだけ主だった面子が揃っていれば不満を漏らすファンはいないじゃないでしょうか。正直、ミッド・チューン2連発による本編の立ち上がりは少々地味で、「素直にスピード・ロック・チューン③で始めときゃいいのに」とか思わなくもなかったですが、印象的なGリフ、分厚いハーモニー、一緒に歌いたくなるコーラスを配した、嘗てのKEELを彷彿とさせるHRサウンドには思わず顔も綻びというもの。流石に年を重ねた分、やや落ち着きは感じられるようになりましたが…。
SABER TIGERの『PROJECT ONE』以来久々に耳にしたロンのVoも、KEEL解散中はカントリー業界で身を立てていたというだけあって、クドさが薄れ実力派シンガーとしての風格を感じさせるまでにレベルUP。その彼のVoと、スリリング且つ劇的に絡み合うツインGをフィーチュアして駆け抜ける③や、キャッチーなハードポップ⑩といった楽曲は、長年のブランクを瞬く間に埋めてくれる魅力を放っていますよ。
復活作として十分な手応えを感じさせてくれる1枚。後が続かなかったのが残念。


KEEL - Streets of Rock & Roll - Come Hell or High Water ★★★ (2021-04-07 00:44:32)

落ち着いた曲調が目立つ本編にあっては
溌剌とロックしているアップテンポの疾走ナンバー。
ロン・キールのパワフルな歌声と、彼に負けじと
マーク・フェラーリとブライアン・ジェイの
ツイン・リードGもインスト・パートを
スリリングに盛り上げてくれています。
これをOPナンバーにすれば良かったのに。


KELLY KEAGY - I'm Alive ★★★ (2020-04-28 23:10:29)

「NIGHT RANGERの歌えるドラマー」ケリー・ケイギーが、レブ・ビーチ、ジム・ピートリック、トミー・デナンダー、ブルース・ガイチらをゲストに迎えてレコーディングを行い、前作『TIME PASSES』(’01年)以来、6年ぶりに発表した2ndソロ・アルバム。(プロデュースはケリーとジム・ピートリックが共同で担当)
芸達者な面子が集うNIGHT RANGERは、メンバー各自がこれまでに複数枚のソロ・アルバムをリリースして来ていますが、それらの中にあって個人的に最もお気に入りの1枚に挙げられるのが本作ですよ。サウンドはシンプル且つモダンなエッセンスも織り込まれたメロディアス・ロック。アレンジや音作りに飾り気が控えめな分、1曲の中で時に爽やかに、時に物憂げにカラフルに表情を替えていくメロディのフックの豊かさ――とりわけケリーの少々掠れた歌声が切ないフィーリングを増幅するサビメロの秀逸さ――が際立っています。ダイナミックに展開するOPナンバー①、ヘヴィでメランコリックな②、リードGがよく歌う③、哀メロが胸キュンを誘う④、仄かな爽やかさと哀愁が程よく溶け合った⑥、アコギを用いたエモーショナルなバラード⑪等々…。ジム・ピートリックが共作者として名前を連ねているだけに充実した楽曲が揃う本編にあって、特にHR然としたアップテンポの曲調にケリーの熱唱とレブの流麗なGプレイが劇的に華を添える⑧は、本家NIGHT RANGERの名曲群とだってタイマンを張れる逸品に仕上がっているのではないかと。
アルバムのアートワークに、生え際が後退した己の額をフィーチュアするケリーの漢らしい姿勢のみならず、その完成度の高さにおいても感動を呼ぶ力作。


KELLY KEAGY - I'm Alive - World Before You and After ★★★ (2020-04-30 00:33:43)

大暴れするケリーのドラムと、レブ・ビーチのフラッシーなGが
互いにテンションを高め合うエネルギッシュなHRナンバー。
それでいて大味になることなく、疾走するリズムの上で歌い上げられる
メロディはグッとくる憂いを秘めています。
NIGHT RANGERの名曲群にだって比肩し得るアルバムのハイライト・ナンバー。


KELLY KEELING - Mind Radio ★★★ (2022-06-02 00:21:54)

ケリー・ケイギー(NIGHT RANGER)とかケリー・ハンセン(FOREIGNER)とか、似たような名前のミュージシャンがいて時々混乱するのですが、本作はこれまでマイケル・シェンカー、ジョン・サイクス、ジョン・ノーラム、ヴィニー・ムーアといった錚々たるギタリスト達とコラボって来た実績の持ち主である、ケリー・キーリング(Vo)が'08年にFRONTIERS RECORDSから発表した2枚目のソロ・アルバム。
…の割にイマイチこの人の名前が覚えられないのは(己の記憶力の拙さはひとまず棚上げ)、やはり「ケリー・キーリングといえばこのバンド/この仕事」的な決定打に欠けているせいじゃないかと思うわけですが、にも関わらずあちこちから声が掛かるのは実力が認められているからこそ。本作で聴ける見事な歌声は「そりゃソロ・アルバム作るよね」と納得するレベルであり、しかも楽曲提供をアレッサンドロ・デル・ヴェッキオ、ロバート・サール、BATON ROUGE時代の盟友ジャック・ポンティらが行っているとくれば、質の高さは約束されたも同然という。
正直、ブルージーでソウルフルなタイプのこの人の声質は、本作で披露されているようなメロディアスHRサウンドにはやや重く、本来醸し出されるべきサウンドの爽やかさを若干スポイルしている感が無きにしも非ずなれど、ジックリ盛り上がっていくバラード⑦や、ハードな曲調に哀愁のメロディが載る⑧といった逸品は、曲自体の素晴らしさと、それを更に盛り立てるケリーの熱唱とが相俟って、本編のハイライトたるに相応しい輝きを放っています。
残念ながら近年はソロ・アルバムは発表してくれていないようですが、同じ座組で2枚でも3枚でも聴いてみたいと思わされる力作ですよ。


KELLY KEELING - Mind Radio - Love Will Tear Us Apart ★★★ (2022-06-03 00:51:16)

楽曲自体の素晴らしさはもとより、
哀愁のメロディを情感たっぷり込めて熱唱する
ケリー・キーリングの歌ウマさんぶりに
何よりも瞠目させられるバラード。


KELLY KEELING - Mind Radio - No Man's Land ★★★ (2022-06-03 00:55:40)

エッジの効いた曲調と、哀愁のメロディが絶妙なハーモニーを奏でる
「流石アレッサンドロ・デル・ヴェッキオの仕事!」
と膝を打たずにはいられないメロディック・ロック・チューン。
バラード“LOVE WILL TEAR US APART”からこの曲へと繋がる流れは
間違いなくアルバムのハイライトですよ。