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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 2501-2600

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 2501-2600
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HELL FREEZES OVER - Speed Metal Assault ★★★ (2018-09-14 00:07:33)

EVIL INVADERSの初来日公演で前座を務めていたHELL FREEZES OVERのライブを見て、楽曲とパフォーマンスのカッコ良さに感心し、会場で売られていたデモCDを速攻購入。正式デビューを心待ちにしていたのですが、その後音沙汰がなくなってしまい「もしかして解散した?」と訝しんでいたところ、’18年に漸くこの4曲入りEPが発表されたという。
驚いたのは、シンガーが交代しているじゃないですか。解説によればそのせいでリリースが遅れたのだとか(レコーディング作業をやり直した模様)。そりゃ、押し出しの強いルックスと歌唱力を併せ持っていた前任者に匹敵する逸材探しは難航して当然だわなと。ただ、苦労の甲斐あって新Voも全く遜色ない実力の持ち主。アクの強さは前任者ほどじゃない代わりに、よりストレートな声質は柔軟性に富む印象です。
そして何より楽曲が良い。作曲能力の高さはデモCDの時点で実証済みでしたが、鋭利なリフと小気味良く疾走するリズム、その上に歌えるVoとメロディックなツイン・リードが乗っかったサウンドは、スラッシュ・メタル…というよりも、その一歩手前のハードコアなHMといった趣き(METALLICAの1stとか、あの線)。①②のようなラフネスを纏って畳み掛ける疾走曲のみならず、ヘヴィな横ノリ・チューン③もこなしたりと、パラメーターをスピードに全振りしない姿勢からは、既に貫禄のようなものさえ感じられますよ。
バンドの代表曲でもある名曲④にて締め括られる本作は、適度な満足感と飢餓感を聴き手に与える挨拶代わりには打ってつけの1枚。一日も早いフル・アルバムの登場が待たれます。ついでに、いつの日かお蔵入りしてしまった前任者VerのEPも聴けると嬉しい。


HELL FREEZES OVER - Speed Metal Assault - Overwhelm ★★★ (2018-09-19 00:19:45)

デモCD『HELL’S GARAGE』にも収録されていることからも
バンドがこの曲に自信を持っていることが伺えます。
実際、オラオラ歌いまくるVo、鋭角的に刻まれるGリフ、
速過ぎず頭を振るのに持ってこいのテンポで疾走するリズム、
それにライブで演れば観客とのコール&レスポンスが盛り上がりそうなコーラスから、
各楽器の聴かせ所まで盛り込まれているという、まさに隙のない逸品です。


HELLEN - Talon of King ★★ (2008-05-08 23:38:00)

今越能人(Vo)、鈴木順一(Ds)、高梨康治(Key)らが中心となって、埼玉県で結成された5人組様式美HMバンドHELLEN。
MANDRAKE ROOT RECORDS所属の第1弾アーティストとして、彼らが'86年に発表したデビュー・ミニ・アルバムが、
ボーナス・トラックに、当時のソノシート音源⑦を追加収録して、待望の復刻。
バンド名と、「日本におけるネオ・クラシカル系様式美バンドの先駆け」との評判は知っていても、
今まで音の方を聴いた事はなかったのだが、実際に聴いてみると、これが思っていた以上に良い。
暗く湿った、歌謡曲テイストも感じさせるメロディ・ライン、ドラマティックな曲展開、そして、ハイテク・ギタリスト
清水保光のネオクラシカルな速弾きと、(現在では作曲家として大忙しの)高梨康司のKeyが、ガップリと四つに組んで
火花を散らす楽曲の数々は、「これぞジャパニーズ様式美HM!」と、思わずサムズアップしたくなる
カッコ良さに満ちていて、中でも、後にSHOW-YAもカヴァーした疾走チューン①や、憂い満ちた劇的なバラード④は、
様式美HMファンなら一聴が価値ある、本編のハイライト・ナンバー。
また、⑤のように結構キャッチーな味付けのなされたポップ・チューンも収録されていたりして、音の悪さを差し引いても
(何せマスター・テープの劣化が酷くて、今迄CD化できなかったぐらいなのだから、その音質は推して知るべし)、
十分、魅力的な内容を誇る1枚。初期 聖飢魔Ⅱとかが好きな人なら、結構楽しめるのではないだろうか?
尚、バンドは近年再結成、EPを1枚発表しているのだが、アナログ盤リリースのみというのは納得いかんぞ。


HELLEN - Talon of King - Liar ★★ (2008-05-10 01:05:16)

クサいぐらいに泣きまくるメロディといい、
コブシの効いたVoといい、
まさにジャパニーズ様式美HMのバラード、斯くあるべし!
な1曲。歌謡曲的なノリがダメな人は全くダメだろうが、
個人的にはまさにツボ。
流麗且つドラマティックなGソロも○。


HELLEN - Talon of King - Lonely Heart ★★ (2008-05-10 01:09:17)

ポップな曲調と、爽やかなサビメロが印象的な、
哀愁のハード・ポップ・ナンバー。
肩の力が良い感じに抜けていて、実はアルバムで
一番好きな曲だったりする。


HELLEN - Talon of King - Talon of King ★★ (2008-05-10 01:01:18)

GとKeyがそれぞれ見せ場を作り、
ドラマティックに疾走する、これぞ様式美HM!との
魅力に溢れた、アルバムのOPナンバー。


HELLION - Screams in the Night ★★ (2009-12-20 12:36:00)

ランディ・ローズに師事し、必殺のUPSIDE DOWN奏法(ギターを逆さに構えてタッピングするという死ぬほど無意味な奏法)が
一部で話題を呼んだ(?)ギタリスト、チェット・トンプソンを擁するLA出身の4人組が'87年に発表した1stフル・アルバム。
「女ロニー・ディオ」ことアン・ボレインの男勝りでパワフルなVoと、アメリカのバンドらしからぬ
硬派でダークなHMサウンドが、明るく華やかなLAメタル・シーンの中にあって一際異彩を放っていた彼らだが、
この頃はまだまだ、アンの歌唱といい楽曲といい、お世辞にも垢抜けてるとは言えず、全体的に荒削りな印象は否めない。
尤も、この時点で「正統派HM」という方向性は明確に定まっており、既にアンの歌声からは強力なサムシングが
感じられるし、チェット・トンプソンのGプレイも、エレクトリック・シタールを用いたインスト曲④を筆頭に、
流石「ランディ・ローズ門下生」の看板は伊達じゃねぇな、と唸らされるだけの構築美を湛えていて聴き応え十分。
特に、アルバムの幕開けに相応しい勇壮な①、様式美HM然とした起承転結を有する⑤、そしてアルバム後半の
ハイライトと言うべき、RAINBOWの名曲“STARGAZER"を彷彿とさせる神秘的且つドラマティックな
ラスト・ナンバー⑧といった楽曲は、両者の魅力が十二分に発揮された名曲に仕上がっている。
HELLION入門篇としては次作『THE BLACK BOOK』をお薦めするが、様式美HMファンなら本作もきっと気に入る筈。


HELLION - The Black Book ★★ (2008-08-31 22:37:00)

かつてはWARLOCKのドロ・ペッシュ、CHASTAINのレザー・レオーネ、TERRA ROSAの赤尾和重らと共に、女ロニー・ディオ四天王と畏れられ(?)、
また、スラッシュ/パワー・メタル・ファンには、ポンコツZ級レーベルNEW RENAISSANCE RECORDSのオーナーとして
お馴染みのアン・ボレイン(Vo)率いるHMバンドHELLIONが'91年に発表した、彼らの最高傑作と名高い2ndアルバム。(邦題は『暗黒の書』)
近頃、再結成を果たしたと噂のLAのスラッシュ・メタル・バンドDETENTEに、アン・ボレインが加入したというニュースに
驚かされて以来、また頻繁に聴くようになった本作だが、これがアン姐さんの男勝りのパワフルVoと、
ランディ・ローズ門下生として知られるチェット・トンプソンを筆頭とした、4人のギタリスト達の構築美溢れるメロディアスなGプレイ、
そして、タイトでソリッドなリズム隊がガッチリとスクラムを組んだ、ドラマティックな様式美パワー/へヴィ・メタル・サウンドが
全編に渡って炸裂する好盤に仕上がっていて、改めて「良いバンドだったなぁ」と、認識を新たにした次第。
アン・ボレインが小説としての発表も考えていたという、怪奇と幻想が交錯する、ミステリアスなストーリーをフィーチュアした
コンセプト・アルバムということで、曲間に配された小曲やSEが、作品全体のドラマ性を効果的に高めている事も特筆すべき点なれど、
やはり本作の肝は、JUDAS PRIESTの名曲“THE HELLION"を彷彿とさせる劇的な導入部を持つアルバム表題曲②に始まり、
本編のラストを締め括る、LED ZEPPELINの代表曲“移民の歌"のパワフルなカヴァー⑭に至る、収録楽曲のクオリティの高さ。
特に、起承転結を備えたドラマティックな曲展開が、本編のハイライトを飾るに相応しい⑬なんかは、様式美HMファンなら必聴の名曲かと。
これを聴いていると、DETENTEの新作への期待も高まりますなぁ。(彼女が曲作りに参加してるといいのだけど・・・)


HELLION - Up from the Depths ★★ (2011-12-23 10:27:03)

THE RUNAWAYSのセッションKey奏者としてキャリアをスタートさせたアン・ボレイン(Vo)によりLAで結成されたHELLIONが、80年代にシングルやミニ・アルバムとして発表した音源を1枚に取りまとめた便利なコンピ盤。
①はパンク系レーベルMYSTC RECORDSから、かのBITCHとのスプリット仕様で'82年にリリースされたシングル曲で、②~④は過ぐる年に英国の輸入盤チャートを賑わせたという'83年リリースのセルフ・タイトルのデビューEP収録曲。そしてJUDAS PRIESTの名曲“EXCITER”のカヴァーを含む⑥~⑨は'89年発表のEP『POSTCARDS FROM THE ASYLUM』収録曲・・・ってな構成。
大仰さやドラマ性が然程でもない初期の楽曲は、チープな音質と相俟って荒削りなマイナー・メタル臭が濃厚に漂ってくるものの、今ほどコブシの回っていない蓮っ葉なアン姐さんのスケ番チックな歌声は逆に新鮮で、何よりLAメタルの華やかさとは決定的な断裂を感じさせる、ダークで鈍色の光沢を放つ正統派HMサウンドはやはりカッコイイ。
②は'85年当時、英KERRANG!!誌において月間ベスト・チューンにも選出された実績を持つHELLIONの代表曲だし、オドロオドロしくもドラマティックに盛り上がる⑦やスピーディなパワー・チューン⑨(この頃には既に女ロ二ー然とした貫禄が身についています)も、このバンドの何たるかがクッキリと焼き付けられた名曲。
見かけたら押さえておいて損はない作品ですよ。


HELLION - Up from the Depths - Exciter ★★ (2011-12-25 12:01:03)

言わず知れたJUDAS PRIESTの名曲のカヴァー。
アン・ボレインのロブ・ハルフォードに
迫らんとするパワフルな歌いっぷりは痛快だが、
グレン&KKの名演を台無しにする、
速弾ギタリストの自己満足Gソロが減点材料かな。


HELLOISE - A Time & A Place for Everything ★★ (2008-02-22 21:18:00)

『COSMOGONY』と『POLARITY』という、2枚の名盤を残して解散した、オランダはロッテルダム出身の5人組正統派HMバンドが、
バック・カタログのCD化を記念して行ったコンサートの、予想以上の好評に自信を持ち、オリジナル・メンバーでの
再結成を決意。解散から実に12年ぶりとなる'98年にリリースした3rdアルバムがこれ。
叙情的なイントロに期待が高まり、PRAYING MANTISばりの哀メロが炸裂する名曲①に代表されるように、そのサウンド・スタイルは
忠実に解散以前の作風を継承していて、明る過ぎず暗過ぎない、独特の透明感を湛えたメロディ・センスも健在。
ルックスはともかく(笑)、メンバーの技量にも衰えはなく、劇的なメロディを紡ぎ出すツインG、そしてスタン・フェルブラークの
ロビン・マッコーリーを彷彿とさせるメロウな歌声は、相変わらず心地良いったらありゃしない。
楽曲的には、前述の①を始め、アコギを効果的に用いて切なく駆け抜けていく③、憂いを帯びたメロディが魅力の④、
アコギ1本をバックに歌う、スタンの絶品の歌唱力が堪能できるバラード⑤といった名曲/佳曲が並ぶ、本編前半の
クオリティが際立っていて、強力なキメ曲に欠ける後半は、印象的にはやや弱い。張り切り過ぎてボーナス・トラックを含め14曲も
収録しちゃった事も、ダレを感じさせる一因かな、と。勿論、並みのバンドに比べりゃ遥かにハイクオリティなのは言うまでもないが。
とは言え、ファンの期待に見事に応えた入魂の1枚であることに違いはない。1stや2ndが気に入った人はマスト・バイ。


HELLOISE - A Time & A Place for Everything - Blame It on the Night ★★ (2008-02-22 21:28:38)

イントロの美しいGメロディにグングン期待が高まり、
PRAYING MANTISばりの哀メロ・ナンバーが始まった瞬間、
思わずガッツポーズ。往年のファンの期待に見事に応えた、
全盛期を彷彿とさせる名曲。


HELLOISE - A Time & A Place for Everything - Fallen Angel (Where Are You Now?) ★★ (2008-02-22 21:31:16)

スタン・フェルブラークの浮気体験アンビリーバボーに
ついて歌ったナンバー(?)。
切なく駆け抜けていく曲調に絡む、
効果的に用いられたアコギが非常に印象的。


HELLOISE - Cosmogony ★★ (2008-02-18 21:40:00)

元HIGHWAY CHILEのメンバー、エルンスト・ファン・イー(Ds)とベン・ブラアフ(G)が中心となって結成した、
オランダ出身のHRバンドで、スタン・フェルブラーク(Vo)とサイドG、Bが合流して最終的なラインナップ完成後、
デモテープを制作する傍ら、オランダ国内の有望な新人バンドを発掘するコンテストに参加して、準決勝まで進出。
そこでのパフォーマンスが認められ、WEA HOLLANDと契約し、'86年にリリースしたデビュー作がこれ。
「ウィ~ア~ウィ~ア~、セイラ~ズ・オブ・ザ・ユニバ~ス~♪」というコーラスが、1度聴いたら耳から離れない
名曲“COSMOGONY"で幕が開く本作は、スリリング且つドラマティックなツインGと、透明感溢れるハイトーンが魅力的なVoを
フィーチュアして繰り広げられる、正統派のHMサウンドがその最大の売り。NWOBHMからの影響もそこかしこから
感じられるものの、湿気っぽくなることなく、基本的にカラッと明るい雰囲気をまとっているが、イギリス辺りの
バンドとは異なる、このバンドならではの味わいかと(能天気という意味ではない)。
80年代のオランダ・ロック・シーンを代表する名盤の1つだけに、全8曲、捨て曲は皆無なれど、特に前述の
アルバム表題曲①、そして劇的に疾走する⑤は、ヘヴィ・メタル・ファンなら避けては通れぬ名曲と断言したい。
優れた内容を誇りながらも、熱意に欠けるレコード会社の方針転換やら人事異動やらのドタバタに巻き込まれ、
全く話題になる事なく時代に埋もれてしまった、不遇の名盤。


HELLOISE - Cosmogony - Cosmogony ★★★ (2008-02-18 21:44:34)

1stアルバムのタイトル・トラックにして、
ドラマティックに疾走するアルバムのハイライト・チューン。
キャッチー且つ壮大な「ウィ~ア~、ウィ~ア~、セイラ~ズ・オブ・ザ・ユニバ~ス」
のコーラスは、1度聴いたら確かに癖になります。


HELLOISE - Cosmogony - Ready for the Night ★★★ (2008-02-18 21:50:36)

ズッズッズッと刻まれる重厚なイントロで何かを期待させ、
軽快に疾走する曲調の上を、憂いを帯びた歌メロが
乗っかった瞬間、期待が確信へと変わる名曲。
特に、ブリッジ部分の劇的なツインGのアレンジと
哀メロのフックには強烈なものがある。


HELLOISE - Fata Morgana ★★ (2008-02-26 21:15:00)

サイドGとBが脱退し、その穴をスタン・フェルブラーク(Vo)、ベン・ブラアフ(G)、エルンスト・ファン・イー(Ds)ら
残ったメンバーで埋めつつレコーディング、'01年に発表された再結成第2弾(通算では4枚目の作品となる)アルバム。
北欧のバンドにも通じる透明感を湛えた、メロディックな正統派HRサウンドという基本路線に大きな変化はないものの、
今回はプロデューサーにサシャ・ピートを迎えたせいか、ミドル・チューンを主体に、じっくりとメロディを聴かせる
作風だった前作から一転、スピーディに疾走する②を筆頭に、劇的且つスリリングなツインGの絡みを前面に押し出した、
前3作を大きく上回るアップテンポなパワーが漲った、重厚でヘヴィ・メタリックな内容に仕上がっている。
また、収録曲の殆どが5~7分台と、大作主義が打ち出されているのも本作の特徴の1つで、特に、ラナ・レーン(Vo)が
ゲスト参加して、スタンとデュエットを聴かせる⑩は、凝ったアレンジといい、ドラマティックな曲展開といい、
プログレッシブ・ロック的な味わいさえ感じさせるナンバー。この辺は、アディショナル・プレイヤーとして本編に
全面参加している、ロビー・ヴァレンタイン(Key)からのインプットも、少なからずあったものと想像されるが、どうか?
(英国ポップ・シンガー、バリー・ライアンのカヴァー⑥なんて、もろQUEEN風の仕上がりだし)
前作の詰め込み過ぎを反省したのか、10曲まで絞り込まれた楽曲は、ロシア民謡調のメロディからダイナミックに
スタートする名曲①を皮切りに、ラストを締め括る前述の大作⑩まで捨て曲なし。再結成後の最高傑作といっても
過言ではない内容の1枚じゃないだろうか(といってもまだ2作目だけどね)。
それだけに、最近、バンドからさっぱり音沙汰がないのが残念至極。


HELLOISE - Fata Morgana - Eloise ★★★ (2008-02-26 21:29:43)

イギリスのポップ・シンガー、バリー・ライアンのソロ転向後、最初のヒット曲となったナンバーのカヴァー。
キュートでポップなメロディ、オーケストレーションを
取り入れたドラマティックな曲展開が、QUEENの
“BOHEMIAN RHAPSODY"に影響を与えた事でも知られる名曲。
ロビー・ヴァレンタインが参加したアルバムで
この曲をカヴァーしたのは意図的なこと?


HELLOISE - Polarity ★★ (2008-02-19 22:32:00)

VANDENBERG等と共に、80年代のダッチ・メタル・シーンを彩ったロッテルダム出身の5人組HRバンドが、
'86年に発表した2ndアルバムにして(とりあえずの)ラスト作。
若干、オーバー・プロデュース気味という点を除けば、前作『COSMOGONY』の作風を忠実に受け継いだ内容で、
スリリング且つ劇的に絡み合うツインG、ロビン・マッコーリー似のメロウな声質が魅力のVo、華麗なコーラス・ワークetc・・・
といった要素の素晴しさは相変わらずだし、NWOBHMからの影響が色濃く薫る楽曲を、垢抜けたアレンジで聴かせるセンスも、
暗くなり過ぎず、かと言って明るく弾ける事もない、このバンド独特の透明感を漂わせたメロディも健在。
↑の方々のレビューを読むと、結構厳しい評価を頂戴しているようですが、後追いファンの我が身には、
名曲“COSMOGONY"の印象的なコーラスがリフレインされる、スケールの大きなOPチューン①を手始めに、美しいアコギの
調べ④に導かれ、叙情的な前半からハードに盛り上がっていく⑤、バンド名を冠するに相応しい、ドラマティックな
疾走っぷりを聴かせてくれる⑥、泣きのバラード⑨といった名曲を収録した本作もまた、1stアルバムに匹敵する品質を
備えているように思う次第。特に⑥は「この1曲のためだけにアルバムを買っても後悔はない」レベルの名曲ですよ!
これほどの名盤を持ってしても状況は好転せず、結局、バンドは解散の道を選択するわけだが、現在では再結成を果たし、
元気に活動中なのは皆様ご存知の通り・・・って、最近音沙汰ないよなぁ。堅気の仕事が忙しいのか?


HELLOISE - Polarity - Helloise ★★★ (2008-02-19 22:45:05)

劇的に疾走する、まさにバンド名を冠するに相応しい、
2ndアルバムのハイライト・チューン。
ドラマティックな序盤を経て、曲が走り出すその裏メロで
アコギを鳴らすアレンジは、何度聴いても脱帽モノ。


HELLOISE - Polarity - Polarity ★★ (2008-02-19 22:36:03)

アルバムの出来の良さを確信させるに足る、
劇的且つ、スケールの大きさを感じさせる疾走チューン。


HELLOWEEN - Keepers Live ★★★ (2018-03-26 00:42:54)

恩讐を乗り越えて、現在は夢の《PUMPKINS UNITED》ツアーを敢行中のHELLOWEENが、マイケル・キスク(Vo)とカイ・ハンセン(G)在籍時代に唯一残した公式実況録音盤。
'88年~'89年にかけて行われた《PUMPKINS FLY FREE TOUR》より、エジンバラ/マンチェスター公演の模様を収録する本作は、まず何と言っても会場に詰め掛けた英国ファンの盛り上がりっぷりが凄いのなんの。のっけの「HAPPY HAPPY HELLOWEEN~♪」コールに始まり、キスクに代わってサビで大合唱を轟かす“Dr. STEIN”から、バンドと白熱したコール&レスポンスを繰り広げる“FUTURE WORLD”に至るまで、各曲において客席が放つ圧倒的熱量の高さからは、当時のHELLOWEENがいかにイギリスで強固なファン・ベースを築いていたかを伺い知ることができます。
そして、全速力で駆け抜ける“I WANT OUT”を中継して、クライマックスには満を持して“HOW MANY TEARS”が登場。カイのVoですら(失礼)素晴らしかったあの名曲が、豊かな声量を誇るキスクの堂々たる歌唱によって蘇る。その上、ライブならではの遊び心やドラマティックな仕掛け――コミカルな掛け合いを経てイントロのGリフが炸裂する瞬間や、殆ど演歌的とも言えるスローダウンを挟み、そこから劇的にスピードUPしていく曲展開の鳥肌モノのカッコ良さたるや!――を伴って猛然と突っ走られた日にゃ、「折角の黄金時代のライブ盤なのに選曲と曲数が物足りねー」ってな個人的不満は力尽くで捻じ伏せられてしまいましたよ。
尚、数年前にHELLOWEENの旧譜の再発ラッシュがあった際、本作も「もしや完全版がリリースされるのでは?!」と期待したものですが、勿論そんなことはなかったという。ちぇっ


HELLOWEEN - Keepers Live - How Many Tears ★★★ (2018-03-29 00:09:36)

高音域でも全くパワーが落ちないハイトーンVoや、
リフにソロに切れ味抜群のツイン・リードGの素晴らしさは
当然のこととして、改めてこのライブ・バージョンを
聴き直すと、マーカス・グロスコフのメロディアスなBプレイと、
何より楽曲の強力な推進剤役を担うインゴのドラミングの
ガムシャラな飛ばしっぷりに圧倒されてしまいますね。
一旦スローダウンして、パイロの爆発音を伴いながらドラムが再び
全力疾走を開始するパートは何度聴いてもゾクッとさせられます。


HELLOWEEN - Unarmed - Best of 25th Anniversary ★★★ (2011-10-11 22:03:12)

今更購入して聴いてみたのですが、こりゃ素晴しい作品ですね。
70人編成のオーケストラとオペラティックな男女混成コーラスを加えて、元々ドラマティックだった楽曲が一層壮麗且つシンフォニックに蘇った“ THE KEEPER'S TRILOGY(守護神伝3章を一つに編曲したアルバムのリーダー・トラック)や、バラード“FOREVER & ONE”“A TALE THAT WASN'T RIGHT”といった名曲のリアレンジ・バージョンを聴くためだけにでも購入する価値が大いにある本作だが、そうした大仰な仕上がりの楽曲はどちらかと言えば少数派で、本編の大半はアコースティカルだったりバラード調だったりと、肩の力を抜いた軽快なアレンジが施されたナンバーが占めている。
HELLOWEENのコミカルな側面が打ち出された作風には賛否が分かれるやもしれませんが、別にメロディまで能天気になってしまったわけではなし。サックスが景気良く吹き鳴らされる“DR.STEIN”、アコーティック化された事により叙情性がいや増した“IF I COULD FLY”、女性Voも取り入れて見事にお洒落なポップ・ソングへと変換された“EAGLE FLY FREE”辺りを聴くにつけ、こうした陽性なアレンジが施された事で逆に元曲のメロディの良さが浮き上がってきたように感じられる次第。


HELSTAR - A Distant Thunder ★★ (2009-08-14 23:03:00)

'81年にテキサス州はヒューストンにて結成され、紆余曲折を経た現在もしぶとく活動を続ける
5人組の正統派HMバンドが、METAL BLADE RECORDS移籍第1弾として'88年に発表した3rdアルバム。
スラッシュ/パワー・メタル風味の攻撃性を備えつつ、スピードよりも構築感を重視した曲展開で畳み掛けるスタイルや、
全盛期のロブ・ハルフォードを彷彿とさせるジェイムズ・リヴェラの突き抜けるようなハイトーンVoと、光沢を帯びた音色で
劇的なメロディを豊かに紡ぎ出すJUDAS PRIESTばりのツインGを前面に押し出した作風は、2nd『DIGITAL DICTATOR』を
発表した頃のVICIOUS RUMORSを彷彿とさせる。(後にジェイムズ・リヴェラは本当にVRに加入する事になるのだが)
歌唱能力の高さに比べ、歌メロにキャッチーさが欠ける(フックが弱い)ため、「あともう一息」のレベルで足踏みを
してしまう楽曲にもどかしさを覚えるのも事実なのだが、それをカバーするかのように、2本のGが雄弁に歌いまくっているゆえ
その完成度自体は押し並べて高く(ブリブリ動き回るBも非常に良い仕事をしています)、捨て曲は見当たらない。
中でも、リリカルなピアノの調べを纏ってバラード調に始まり、激しくスピーディに盛り上がっていく⑧は、本編のハイライト
のみならずHELSTAR史上屈指の名曲であり、この曲を聴くためだけに本作を購入しても損はない!・・・と思うのだがどうか。
個人的には、HELSTARの作品ではよりプログレ方面へと歩みを進めた次作『NOSFERATU』がイチオシなのだが、
↑上の方が仰られている通り、入門編としてはよりコンパクトに締まった作風の本作の方が適当かと。
で、これが気に入ったら『NOSFERATU』も是非どうぞ。


HELSTAR - A Distant Thunder - Winds of War ★★★ (2009-08-14 23:07:37)

叙情バラード風のイントロに始まり、
スピーディ且つアグレッシブに盛り上がりつつ
最後はまたバラード調に締め括られるという
起承転結がバッチリ決まった
様式美パワー・メタル・チューンの名曲。
リリカルなピアノ・サウンドの導入も効果的。


HELSTAR - Nosferatu ★★ (2009-08-06 21:02:00)

吸血鬼のイラストが描かれたジャケット・アートワーク、インスト曲やKeyの導入、曲間にSEやダイアログを配置して
本編に芝居懸った流れを演出するなど、「ドラキュラ(ヴラド・ツェペシュ)伯爵をテーマに取り上げた
半コンセプト・アルバム」という内容に相応しい盛り上げが為された、'89年発表の4thアルバム。
音楽性の方は、ジェイムズ・リヴェラの強力なハイトーンVoと、テクニカル且つメロディックに弾きまくるツインGを
活かした、アメリカのバンドらしからぬダークでドラマティカルなパワー・メタル。荒々しいリフの刻みっぷりからは
スラッシュ・メタル的な勢いも感じられるが(プロデューサーはビル・メトイヤーだし)、起伏に富んだ
曲展開重視で畳み掛けてくるスタイルゆえ、疾走感はそれほどでもない。個人的には初期QUEENSRYCHEを
思い出したりしたが、調べてみるとANGEL WITCHと比較している人が結構居て、なるほど言われてみれば確かになぁ、と。
それにしても素晴しきは、ハードな曲のみならず⑥のようなヘヴィ・バラードすら説得力たっぷりに歌いこなす
ジェイムズ・リヴェラのVo。近年は、VICIOUS RUMORSの来日公演で彼の強力無比な歌声に生で接する機会に恵まれたが、
その歌唱スタイルは、本作の時点で既に完成されていることが良く分かる。特にOPナンバーの①は、
朗々と歌い上げるパワフルなVo、流麗且つ劇的なメロディを紡ぎ出すツインG、ドラマティック極まりない
曲展開とパワー/スラッシュ・メタル然としたアグレッションが組み合わさった本編の白眉。
作品全体にもう少しキャッチーな部分が欲しかった気もするが、まぁ贅沢な無い物ねだりということで。


HELSTAR - Nosferatu - Baptized in Black ★★★ (2009-08-06 23:11:11)

美しく爪弾かれるアコギをフィーチュアした序曲を、
スラッシーに刻まれるGリフが打ち破ってスタートする
スリリングでドラマティックな4thアルバムOPチューン。
ダークで怪しげな雰囲気漂うメロディを朗々と歌い上げ
楽曲に説得力とドラマ性を付与するジェイムズ・リヴェラのVoと、
テクニカル且つ劇的に弾きまくるツインGが素晴しいったら。


HELSTAR - Nosferatu - Perseverence and Desperation ★★★ (2009-08-06 23:28:22)

ジェイムズ・リヴェラの代わりに、2本のギターが
これでもか!と歌いまくるドラマティックでクラシカルな
インスト・ナンバーの名曲。
テクニカルなだけでなく、胸にグッとくる哀愁を帯びた
メロディを紡ぎ出すツインGの名演に酔える1曲。
そのまま名バラード“THE CURSE HAS PASSED AWAY"に
繋がっていく展開も上手い。


HELSTAR - Nosferatu - The Curse Has Passed Away ★★★ (2009-08-06 23:23:24)

アコギを効果的に取り入れた
HELSTAR流パワー・バラードの名曲。
パワフルな楽曲のみならず、こうした
スロー・ナンバーも説得力十分に
歌いこなせるジェイムズ・リヴェラは
やはり素晴しいシンガーだ。


HERETIC ★★ (2008-01-12 02:05:00)

ブライアン・コーバン(G)、デニス・オハラ(B)らがLAにて結成。
'86年に、EP『TORTURE KNOWS NO BOUNDARY』でデビューを飾る。
(この時のVoは後にABATTOIRに参加するマイク・トレスだった)
その後、Voをマイク・ハウに代え、プロデューサーにMETAL CHURCHのカート・ヴァンダフーフを迎えて
名盤と名高い1stフル『BREAKING POINT』を発表するも、
ハウをMETAL CHURCHに引き抜かれてしまい、バンド活動は停滞。
残されたメンバーは、METAL CHURCHの初代Voデヴィッド・ウェインと、
よりスラッシュ・メタル色を強めたバンドREVERENDを結成。
2枚のEP(うち1枚はライブ)と2枚のアルバムを発表する。


HERETIC ★★ (2013-02-17 01:59:09)

cri0841様のご指摘の通り、
デビューEPで歌っているのはジュリアン・メンデスですね。
マイク・トレスは『METAL MASSACRE Ⅶ』に楽曲提供した後、
『TORTURE KNOWS NO BOUNDARY』リリース前に脱退していたことを
実は結構最近まで知りませんでした。(あー、恥ずかしい)
 
この機会に謹んで訂正させて頂きます。


HERETIC - Breaking Point ★★ (2008-01-12 01:54:00)

METAL CHURCHの二代目フロントマンとして知られるマイク・ハウが、それ以前に在籍していた
LA出身の5人組パワー・メタル・バンドHERETIC、'88年発表の1stフル・アルバム。
METAL CHURCHの司令塔カート・ヴァンダフーフがプロデュースを手掛けた本作は、どうにも垢抜けない印象の漂っていた
デビューEP『TORTURE KNOWS NO BOUNDARY』から一足飛びの成長を感じさせる内容で、前任Voとの格の違いを見せ付ける
マイクの光沢を帯びた歌唱と、叙情的なインスト曲を要所に配した劇的な本編の構成に加えて、アコギ/Keyを巧みに
織り込んだアレンジや、2本のGから紡ぎ出される、ヨーロピアンな湿り気をタップリと含んだメロディにグッと深みが
増したことで、楽曲に宿るドラマ性が急上昇を遂げていて、本格派パワー・メタル・バンドとしての
貫禄に満ちた作風に仕上がっている。また、カートがかなり深く曲作りに関与したのか、Gリフの刻み具合が
強烈な②⑦を始め、METAL CHURCH的な要素を備えた楽曲が収録されているのも、本作の特徴と言えるかも。
尤も、METAL CHURCHに比べるとずっと正統派HM寄り(メロディック)なサウンドが彼らの持ち味であり、
特に、叙情的なイントロを打ち破って、ソリッドに疾走するバンドのテーマ・ソング①は、全メタル・ファン必聴の名曲。
エレアコを効果的に用いた勇壮な③、2本のGがじっくりとドラマを練り上げていく緩急の効いた⑤、
本編ラストをドラマティックに飾るパワー・バラード⑩といった楽曲も、このバンドならではの個性が光る仕上がり。
日本盤が発売されていないのが不思議なくらい、ハイクオリティな内容を誇る名盤です。


HERETIC - Breaking Point - And Kingdoms Fall ★★ (2008-01-12 02:09:38)

デビューEPから、バンドが格段を成長を遂げた事を物語る、
勇壮且つドラマティックなナンバー。
エレアコを巧みに取り入れたアレンジ・センスが光っています。


HERETIC - Breaking Point - Heretic ★★★ (2008-01-12 02:07:31)

叙情的なイントロをソリッドなリフが切り裂き、
疾走を開始するバンドのテーマ・ソングにして
アルバムのOPチューン。
パワー・メタル好きならガッツポーズものの
カッコ良さを誇る名曲。


HERETIC - Breaking Point - The Search ★★★ (2008-01-12 02:12:25)

本編のラストをドラマティックに締め括るパワー・バラード。
アメリカのバンドとは思えぬ、ヨーロピアンな湿り気を帯びた
ダークなメロディの素晴しさも然ることながら、
やはりこの曲の肝はマイク・ハウの歌声。
既にこの時点で、彼の歌唱スタイルは確立されています。


HERETIC - Torture Knows No Boundary ★★ (2008-01-13 22:11:00)

LAにて結成された正統派パワー・メタル・バンドHERETICが、'86年に発表した5曲入りデビューEP。
METAL CHURCHで強力な歌唱を披露していたマイク・ハウが、嘗て在籍していた事でも知られるバンドだが、このEPで歌っているのは、後にABATTOIRに参加するマイク・トレス(※訂正:本作で歌っているのは2代目フロントマンのジュリアン・メンデス)。音程無視の喚き型Voと、ヒステリックなシャウトは好き嫌いが分かれるところだし、ハウと比べると聴き劣り感は否めないものの、如何にもメタル・シンガー然とした歌唱は、これはこれで十分魅力的だし、何より、楽曲のカッコ良さはこの頃から既に半端ない。
サウンド・プロダクションがイマイチなため、どうにも垢抜けないB級チックな雰囲気が漂うが、アメリカ(それもLA)出身のバンドとは思えぬ、ヨーロッパ的のダークネスと叙情性を備えたメロディを奏でるツインGを中心に据え、パワフル且つアグレッシブに押し出して来る楽曲は、流石に強力な出来栄え。特に、「これぞヘヴィ・メタル!」なミドル・チューン③は、本格派パワー・メタル・バンドとして一皮剥けた1stフル『BREAKING POINT』とはまた一味違った、荒々しく突き刺さってくるかのようなマイナー調の味わいが印象に残る名曲。
現在は『BREAKING~』とのカップリング仕様のMETAL BLADE盤が出回っているようだが、適当なジャケットといい、
歌詞カードも何もついていない不親切な作りといい、板起こしの音源といい、どうもリプロ盤臭いんだよなぁ。


HERETIC - Torture Knows No Boundary - Portrait of Faith ★★ (2008-01-13 22:17:41)

うーん、へヴィ・メタル!と思わず握り拳を作ってしまう
荒々しく勇壮なミドル・チューン。ヨーロッパ的なダークネスを
たっぷりと含んだメロディを紡ぎ出すツインGが良い味。


HERICANE ALICE - Tear the House Down ★★★ (2018-08-09 00:39:18)

台風襲来の時期になると思い出す(雑な嘘)LAから現れた4人組、その名もHERICANE ALICE(ハリケーン・アリス)が'90年にATLANTIC RECORDSから発表した最初で最後のフル・アルバムをご紹介。
景気の良いバンド名に相応しく、彼らが聴かせてくれるのは正にアメリカンな、溌剌とハジけるポップ・メタル。嵐のSEに続いてシャウト一発、少々クセの強い声質で歌いまくるVoと、冴えたソロを連発するテクニカルなG、そして厚めに敷かれたハーモニーをフィーチュアして躍動するサウンドは、遅れてきたLAメタル・バンド的な雰囲気が濃厚に漂います。
PVも制作されたパワフルにぶちかまされるOPナンバー①、ライブ映え間違いなしのキャッチーさを宿して駆け抜けるアルバム表題曲④、タイトルを地で行く屈託のなさで跳ねる⑧等、収録曲の多くはバンドが自認する「ヘヴィ・メタル・パーティ・バンド」らしいカラッとした爽快感が溢れ出すゴキゲンな出来栄え。リリース当時は「趣味じゃねえ」とスルーしてしまったのですが、改めて聴き直すと、仄かな哀感を含んで展開するサビが秀逸な⑤、Gソロの組み立ての見事さが耳を惹く⑥、Voの熱唱が楽曲の盛り上がりを際立たせる⑦等、要所に抒情メロディを配して、本編の流れに陰影を演出する手腕に感心させられた次第。特に聴く者の胸をドラマティック且つエモーショナルに締め上げる③は、このバンドの地力の高さを証明する名曲ですよ。
発表時期がHR/HMシーンの転換点と重なってしまい、期待された程の成功を収められなかった本作ですが、高品質な内容が放つ眩い輝きは今もって全くくすんではいません。力作。


HERICANE ALICE - Tear the House Down - Dream Girl ★★★ (2018-08-10 01:04:26)

みてくれで侮ることなかれ。
情熱的に歌い込むVoとエモーション迸るGの共演が
息苦しいほどの盛り上がりを演出する名バラード。
こいつらの才能は本物ですよ。


HERITAGE - Remorse Code ★★★ (2015-09-12 23:58:34)

後にSTATETROOPER立ち上げに関わるスティーヴと、SAXONに籍を置いたポール“FASKER”のジョンソン兄弟を中心に、NWOBHM期に活動していたバンドが'82年に発表した1stフル・アルバム。
NWOBHMのメロウ・サイドに属する、メロディとハーモニー重視の叙情HRサウンドがマニア筋でそこそこ評価された本作。個人的にも(かつて入手に苦労させられた思い入れ込みで)三ツ星評価を付けることに躊躇いはないのですが、ただ、じゃあこれがナウなヤングにウケる音かと言えば、正直かなり微妙なとこかと。
プロダクションのしょぼさはこの手のバンドの常と諦めるにしても、前へ出てくる割に終始不安定感が付き纏うVo(専任シンガーが見つけられなかったため弦楽器隊がシェアしている)や、センスは十分なのに主張の弱いツインG、そしてキメ曲不在によるフラットな本編構成etc・・・と、全体的に押し出しの弱い薄味な仕上がり具合に、彼らがシーンで確固たる地位を確立出来なかった理由が垣間見えるような。
それでも、少々頼りないハーモニーが却って楽曲の哀感を増幅してくれる①や、アップテンポの曲調にツインGが映える②、初期PRAYING MANTISを思わすポップな③、じめじめと貧乏臭く陰気な(褒め言葉)バラード④等、アルバム前半に居並ぶ楽曲は、本作がマニアに愛でられる理由をそこはかとなく伝えてくれる秀曲揃い。
「初期PRAYING MANTISを更にいなたく野暮ったくしたようなサウンド」と聴いて、食指がピクリと反応した貴方へ(いるのか?)お薦めする1枚。


HERITAGE - Remorse Code - Attack - Attack ★★★ (2015-09-13 23:32:08)

NWOBHM史に残る名曲!と持ち上げるつもりはありませんが
アルバムのハイライト・ナンバーであることは間違いないのではないかと。
曲名に相応しく攻撃的に牙を剥くアップテンポの曲調ゆえ、
ミドル~スロー・ナンバーだと音程の甘さが気になるVoの粗も
(さほど)目立ちませんし、ツインGも劇的にハモってくれて
楽曲の印象向上に大きく貢献してくれています。


HEXENHAUS - Awakening ★★ (2007-07-26 22:26:00)

スラッシーな疾走感が後退した代わりに、プログレッシブ・メタル分が増強された、'91年発表の3rdアルバム。
テクニカルでメロディアスなツインG、構築美に溢れた曲展開、如何にも北欧のバンドらしい寒々としたメロディ等、
前作『THE EDGE OF ETERNITY』で感じられた美点は、本作にもきっちりと受け継がれているが、
今回から新たに加わったVoが、よりメロディアスに歌えるタイプのせいか、はたまた、楽曲の複雑化に
一層の拍車が掛かっているせいか、最早ここまで来ると、プログレ風味の漂うスラッシュ・メタルと言うよりも、
スラッシーな要素もあるプログレ・メタルだよなーと、思わせられる作風に仕上がっている。
正直、ダーティながらもカッコイイ歌メロを披露してくれていた前任Voに比べると、新Voは歌唱力は十分なんだけど
歌メロに今ひとつフックが欠ける印象で、楽曲に「ダレ」を感じる原因の1つになってしまっているような・・・。
そのせいか、よりストレートな疾走感が強く押し出されている②や⑦、そして1st収録曲のリメイク⑩の方が
複雑さが売りの楽曲よりも魅力的に聴こえるのが皮肉だが、とは言え、アルバムのハイライト・チューン的存在の④や、
“THE ETERNAL NIGHTMARE PARTⅠ"の続編に当たる⑨等、聴き応え十分のドラマチックな大作も
ちゃんと収録されているので、聴き終えた後の満足感は決して前作に劣るモノではない。良く出来てます。


HEXENHAUS - Awakening - Awakening ★★ (2007-11-25 13:17:07)

歌えるVoの加入で、よりメロディを重視した仕上がりとなった
3rdアルバムだけど、ちゃんとこうした疾走感タップリの楽曲も
収録されているので侮れない。
とは言え、やはり以前よりはずっとメロディアスで聴き易い印象。


HEXENHAUS - Awakening - Necronomicon Ex Mortis ★★ (2007-11-25 13:27:37)

3rdアルバムのハイライト・チューン。
歌えるVoの存在と、隠し味として使用されているKey、
そしてインスト・パートにおけるアコギ・ソロが
非常に効果を上げているドラマティカルな名曲。
こういう曲は、このアルバムじゃないと出来ないわな。


HEXENHAUS - Awakening - The Eternal Nightmare-act Ⅱ ★★ (2007-11-25 13:33:06)

前作に収められた“THE ETERNAL NIGHTMARE-ACT ONE"の続編に当たる楽曲。
アコギやKeyを積極的に導入し、プログレッシブ・ロック的な味わいを醸し出す。
歌メロがイマイチな点のみ惜しまれる。


HEXENHAUS - The Edge of Eternity ★★ (2007-06-02 01:17:00)

KING DIAMONDやMERCYFUL FATEでの活動で知られるマイク・ウェッド(G)がリーダーを務めていた
スウェーデン出身の5人組技巧派スラッシャーが、'90年に発表した2ndアルバム。
技巧派といっても、スリリングな楽器同士のバトルや、そこから生まれるテンションの高さを売りにしたタイプではなく、
その確かな演奏技術でもって楽曲をカッチリとまとめ上げ、より「聴かせる」ことを重視するタイプ。
まぁ、Voはメロディ無視の吐き捨て型なんだけど、現在ではどうって事ないレベルのダーティさなので無問題。
何より、このバンドはメロディが非常に良い。技巧派バンドにありがちな独り善がりな難解さは皆無で、
2人のGが紡ぎ出す、北欧の凍てついた大地を想起させる寒々としたメロディや、無愛想で硬質なリフ・ワークを聴いていると、
何となくフィンランドのスラッシュ・メタル・バンドSTONEを思い出したり。(あれをもっとプログレ寄りにした感じか)
ベートーベンの“月光"をモチーフにした序曲①から小気味良く疾走を開始する②、緩急のコントラストも鮮やかな③、
劇的なインスト・パート(特にツインGのハモリ具合が堪らん)を備えた⑤、ドラマチックな序曲を経て、
そこはかとなくエキゾチックなメロディを纏って疾走する⑦、ちとダレるけどドラマ性の高さにかけては
本編随一の大作⑧といった楽曲は、スラッシャーなら一聴の価値ありかと。
全体的にはまだまだ垢抜けないし、イモっぽい雰囲気も無きにしも非ずだが、
この如何にも「北欧のスラッシュ」的なヒンヤリとした質感はかなりクセになる。


HEXENHAUS - The Edge of Eternity - The Eternal Nightmare - Act One ★★ (2007-11-25 13:12:13)

エキゾチックなインスト曲“A TEMPLE FOR THE SOUL"を経て、
爆発的に疾走を開始するスラッシュ・チューン。
寒々とした疾走感を基本としつつも、異国情緒を漂わせた
サビメロとGソロの組み込まれたドラマティックな曲展開が
非常に印象に残る名曲。ちなみ“ACT TWO"は次作に収録。


HEXENHAUS - The Edge of Eternity - Toxic Threat ★★ (2007-11-25 13:00:42)

ベートーベンの“月光"をモチーフにしたプレリュードから、
タイトに疾走を開始するOPナンバー。
インスト・パートで、如何にも北欧のバンド的な
寒々としたメロディを紡ぎ出すツインGが
良い仕事をしています。


HEXX - Morbid Reality ★★ (2016-07-15 23:54:17)

’91年発表の3rdアルバム。既に朧げな記憶を辿ると、確かBURRN!!誌の輸入盤レビューで意外にも酒井編集長が好意的なレビューを寄せていて、この手の音は絶対酷評しそうな人なのに珍しいこともあるもんだと興味をそそられ購入した…んだっけかなぁ?
ハイトーン・シンガー、テクニカルなギター、パワー・メタリックな楽曲etc…と、もろSHRAPNELメタル路線を志向していた前2作のフル・アルバムから一転、レコード会社からのサポートのなさ、一向に軌道に乗らないバンド活動に対するフラストレーションを大爆発させた本作は、「だったらもう好き勝手やってやらぁ!」とファスト&ブルータルな方向に全力スイング。その結果、デス声に片足突っ込んだVo(またしてもシンガーに逃げられたので開き直ってギターのクリント・バウワーが兼任)、猛烈なシュレッド・リフ、ヤケクソ気味に荒れ狂うリズムとが雪崩を打って押し寄せるサウンドは、知らずに聴いたら同一バンドとは気が付かないんじゃないか?っつーぐらい音楽性が激変しとります。中期DEATH(あっこまでの病的な狂性は感じられませんが)、SADUSなんかがお気に入りのスラッシャーにお薦めする1枚。…という説明で、どんな音なのか伝わるでしょうか。
勿論、アップダウンの激しい曲展開、鮮烈且つメロディックなツインG等、HEXXのトレードマークも健在。中でも意表を突いてピアノ・イントロから始まるOPナンバー①は「らしさ」の詰まった逸品ですし、アニメ『スパイダーマン』の名テーマ曲⑧をカヴァーする遊び心も、怒気に満ちた本編の良いアクセントとして機能しているのではないかと。
「これが最後」と定めて、演りたいことを演りたいように演り倒したのが奏功した力作。


HEXX - Morbid Reality - Morbid Reality ★★★ (2016-07-17 01:26:23)

物憂げなピアノのイントロをぶち破って
機銃弾よろしく連射されるリフ&リズム、
その上でデス声に片足突っ込んだ咆哮をあげるVoとが
嵐の如く吹き荒れるファスト&ブルータルなOPナンバー。
開き直ったバンドの新たな音楽性を「食らえや!」と
ばかりに突きつけて来きますが、一方でツインGは
相変わらずメロディアス。立派な個性として存在感を主張しています。


HEXX - Morbid Reality - Spider Jam ★★★ (2016-07-17 01:34:00)

「スパイダーマン、スパイダーマン🎵」
「ルックアウト!ヒア・カムズ・ザ・スパイダーマ~ン🎵」
と今でも鼻歌で歌ってしまうアニメ版「スパイダーマン」の
テーマ曲のスラッシュ・メタル・カヴァー。
子供の頃、早朝に放送していたのを楽しみに見ていたことを
思い出してしまいましたよ。
思い出込みで星3つを進呈致します。


HEXX - No Escape ★★ (2016-07-10 22:46:22)

活動開始当初はPARADOXと名乗るも、レコード契約ゲットを期にバンド名をHEXXと改めたカリフォルニア州出身の4人組が、'84年に発表したデビュー作。
個人的にHEXXの音に触れたのは3rd『MORBID REALITY』(’91年)が最初だったので、彼らのことは結構長く「スラッシュ・メタル・バンド」と認識していたのですが、後追いで本作や2nd『UNDER THE SPELL』(’86年)を聴いてビックリ。クドさ全開のハイトーンVoといい、金属質に打ち鳴らされるリフ&リズムから力ずくな曲展開まで、JUDAS PRIESTやIRON MAIDENを肉食系にビルドアップした感じのサウンドといい、スティーヴ・フォンタノ謹製の迫力はあるけど分離の悪いプロダクションといい、まるでSHRAPNELメタル路線じゃありませんか。というか、そもそも彼らはSHRAPNEL RECORDS所属アーティストだったんですね。バンドに歴史あり…。
時期的に、次作に比べるとまだまだオーセンティックなHM風味を色濃く残しているとは言え、粘っこいイントロを振り切ってアグレッシブに炸裂する①、タガの外れたVoの歌いっぷりが微笑ましくも熱い③、NWOBHMの匂い漂わすストレートなHMソング⑥といった楽曲のカッコ良さは、成程、マイク・ヴァーニーのお眼鏡に適っただけのことはあるなと。
レコーディング作業のドタバタが響いたのか、全体的にまとめ方が荒っぽいというか、少々キャッチーさに欠ける仕上がり故、油断してると引っ掛かりなく通り過ぎてしまう楽曲も散見されるのですが、そこがまたSHRAPNELメタルらしくて良いんじゃない!と、ポジティブに受け止められる方にお薦めする1枚。


HEXX - No Escape - Night Of Pain ★★ (2016-07-12 00:22:25)

アクの強いハイトーンをフィーチュアして
3分ちょいのランニング・タイムを
ストレートに押して押して押しまくる曲調は、
SHRAPNELメタルとNWOBHMの中間に位置する感じ
・・・といったところでしょうか。


HEXX - No Escape - The Other Side ★★ (2016-07-12 00:17:11)

朗々歌い上げるハイトーン・シンガーを活かした
勇壮なるHMナンバー。といってもその歌唱は絶賛できるほど
上手かないのですが、とにかく歌いっぷりが自信満々で
妙にクセになる魅力が備わっていることは間違いありません。


HEXX - Under the Spell ★★★ (2016-07-12 22:52:26)

デビュー作『NO ESCAPE』発表から暫くの後、ボスのマイク・ヴァーニーに呼び出されたので「印税の小切手でも貰えるのかな?」と胸ワクで訪ねてみれば、待っていたのは箱一杯に詰められた返品レコードの山。「あんなに頑張って作ったのに…」と激しくショックを受けたバンドは、仕方なくその売れ残りを自分達で買い取ることにしたという。…ってなエピソードに落涙を禁じえなかったHEXX。意気消沈したメンバーの離脱が相次ぐも、何とか踏ん張って新VoとDs、更にはサイドGを加えた5人編成で体制を整えると、再びSHRAPNEL RECORDSから'86年に発表した2ndアルバムがこれ。
前任者以上の暑苦しさで迫り来るハイトーンVo、IRON MAIDEN、JUDAS PRIST由来の劇的且つテクニカルに炸裂するツインGをフィーチュアして、王道SHRAPNELメタル路線を今回も突っ走っていますが、本作制作当時、バンドの根拠地たるサンフランシスコはスラッシュ・ブーム花盛り。その熱気をもろに浴びた彼らも、ササクレて刻まれる金属質なGリフや、ドスを効かせて押し出すリズム・セクション等、スラッシュ・メタルのエレメントを作品に闘魂注入。VICIOUS RUMORSの“DON’T WAIT FOR ME”を思わすパワフルな①、好戦的に畳み掛ける②、アップダウンの激しい③etc…と、スラッシーなアグレッションが大幅増量された収録楽曲からは、前作を大きく上回るエネルギーが迸っています。パワーUPしたのはアートワークだけじゃないですぞ、と。
レーベルからは何のサポートも得られず、鳴かず飛ばずで撃沈してしまったアルバムなれど、クオリティは(バンドが自負する通り)十二分に高い。再評価が待たれる1枚です。


HEXX - Under the Spell - Edge of Death ★★★ (2016-07-14 00:58:29)

スラッシーなGリフ、アップダウンの激しい曲展開、
パワフル且つテクニカルな楽器陣のパフォーマンスと、
それに負けないクドさで歌いまくるハイトーンVo…
2ndアルバムの旨みが凝縮された楽曲と言えるのではないでしょうか。


HEXX - Under the Spell - Hell Riders ★★★ (2016-07-14 00:54:17)

重心低く押し出して来るドスの効いた曲調が
VICIOUS RUMORSを彷彿とさせるOPナンバー。
前任者を遥かに上回るアクの強いハイトーンVoが
楽曲のパワフルさに拍車を掛けてくれています。
 
後にこのシンガーが中間英明と仕事していたなんて
全く気が付きもしませんでしたよ。


HIBRIA - Hibria ★★ (2015-09-03 00:05:49)

セルフ・タイトルを冠した'15年発表の5thアルバム。最初に書いておくと、今回も初期路線ではありませんので。曲によっては管楽器が吹き鳴らされたり、スティーヴィー・ワンダーの“愛するデューク”のカヴァーに挑戦してみたりと、それはもう拡散の方向へ意気揚々と突き進んでいて、山本リンダばりに「もうどうにも止まらない」と。
しかしながら、それでも本作がストロングなHMアルバムであることに違いはありません。ユーリ・サンソン(Vo)のメタル魂を燃焼させるかの如き熱唱も、テクニカルな楽器陣が火花散らすインスト・パートのテンションの高さも健在。中でもパワフルにして劇的な⑧は、本作購入を悩む人に「この曲目当てで買いなよ」と声掛けて回りたくなるカッコ良さですよ。
先に触れたホーン・セクションについても、別に鳴り物が導入されたからといって能天気になってしまったわけはなく、その使用法は主にサウンドの「威勢の良さ」を補強する方向で活用。例えるならRIOTの『THE PRIVILEDGE OF POWER』の導入法に近い感じゆえ、個人的には然程気にせず受け止めることができました。『THE PRIVILEDGE~』すら受け入れ難かったという人には、慰めの言葉のかけようもありませんが・・・。
既にバンド初期の中心メンバーは脱退済みで、今回で路線変更以降の作品数が正統派HM時代のそれを上回ったこと等を鑑みるに、最早「HIBRIAはこういう音楽性のバンドなのだ」と割り切ってしまった方が、作品がリリースされる度に落胆するよりも精神衛生上よろしいんかなぁと。
少なくとも本作が、そう思わせるだけの質を備えていることは間違いないので。


HIBRIA - Hibria - Church ★★★ (2015-09-03 23:57:47)

ユーリ・サンソンが灼熱声を活かして
歌い上げるサビメロにメタル魂が熱くなる名曲。
初期の正統派HM路線と、現在追及している
モダンなテクニカル・メタル路線が
上手いこと1曲の中で組み合わされています。


HIBRIA - Silent Revenge ★★★ (2013-08-08 22:04:44)

ライブでの盛り上がりを念頭に置いて作った筈が、肝心のライブでも(ライブ盤を聴く限りにおいて)1st、2nd収録曲ほどの人気は得られなかった模様の3rd『BLIND RIDE』。この皮肉な結果を踏まえ、HIBRIAが4thアルバムではどういったサウンドを提示してくるかに注目していたのですが(Gの交代劇もありましたし)、結論から言えば、メロディとグルーヴを重視した『BLIND~』の作風を踏襲していて、フックに乏しい①②が始まった時には「こりゃアカン」と思わず頭を抱えてしまいましたね。
ところが、劇的な③を境に楽曲のクオリティが一変。図太いGリフの刻み具合やリズム・ワークにPANTERA辺りからの影響を滲ませつつも、火を噴くような楽器陣のぶつかり合いから生じるスリリングな疾走感は回復基調にあり、加えて、よりメロディアスに練り込まれたユーリ・サンソン(Vo)の情熱的な歌唱にはメタル魂にガソリン注がれまくり。
歌メロのフックも前作とは比較にならないほど熱を帯びていて、特に、メランコリック且つキャッチーに駆け抜けていく⑤、激情渦巻くバラード⑥、南米産ならではの熱い哀愁が迸る疾走ナンバー⑧なんて、HIBRIA流HMサウンドの新境地を切り開く名曲と言えるのではないかと。
いっそのこと1、2曲目はカットして、ボートラ⑩をOPナンバーに据えりゃ良かったのに・・・とか思ったりもしますが、でも十分優れたアルバムですよ、これ。


HIDDEN (2019-02-03 00:56:12)

名古屋を拠点に活動していたテクニカル・パワー/スラッシュ・メタル・バンド。数本のデモテープ制作後、’95年にオムニバス盤『MELODICAL RENAISSANCE』に参加。自分が彼らのことを知ったのも『MELODICAL~』が切っ掛けでした。
その後テイチクからアルバム・デビューが噂されたものの、次に入ってきたニュースは「看板シンガー丹羽英章がHIDDENを脱退、VIGILANTEに加入」というもの。それに伴いアルバムはお蔵入りとなってしまい、このダブル・パンチで完全に心が折れたバンドは解散…。
しかしアルバム制作から20年の時を経て、お蔵入りを惜しんだメンバー達の手により新曲の書下ろしや最新機器を用いての編集作業が行われ、同作は『EMBALM ~Enbalm After 20 Years~』のタイトルの下、ようやく陽の目を見ることとなったという。めでたい!


HIDDEN - Embalm ~Enbalm After 20 Years~ ★★★ (2019-02-03 00:59:01)

名古屋の和製サタニック・メタル・バンドCROWLEYの1st『WHISPER OF THE EVIL』の再発が昨年最後の驚きだったとするなら、今年最初の驚きは、これまた名古屋出身の5人組HIDDENがメジャー・レーベルから発表する筈が、看板シンガーの脱退(解雇?)を切っ掛けにバンド自体が崩壊してしまい、リリースされぬまま封印の憂き目に遭っていた幻のデビュー作『EMBALM』の「まさか!」の再発で間違いありません。
サウンドの方は、ドンシャリなプロダクション、ザクザク刻まれる奇抜なGリフ、畳み掛けるリズムといったスラッシーな土台の上に、変拍子を織り交ぜた起伏の激しい曲展開、立体的に編まれたハーモニー、インストの小曲を曲間に配した構成や大作主義等、プログレッシブ・ロックからの影響を塗した技巧派パワー・メタル。特にバンドの「核」となる、伸びやかなハイトーンからドスの効いたロウトーンまでパワフルに歌いこなす丹羽英章(現VIGILANTE)の卓越した歌唱力と、流麗なメロディを滾々と奏で曲展開をスリリングに牽引するツインGの演奏は聴きモノ。リフ/リズム・チェンジを繰り返しながら徐々にテンションを高めていき、その最高潮で炸裂する2本のGの劇的且つテクニカルなハモリが圧倒的カタルシスを誘発する①や⑦、あるいはオムニバス盤『MELODICL RENAISSANCE』にも提供していたHIDDENの代表曲である⑧等は、バンドの強みが十全に発揮された、10分近い長尺をものともしないドラマティックな逸品に仕上がっています。
バンドの再結成に繋がるものでないのが残念ですが、お蔵入りを惜しみ、楽曲の書下ろしや編集作業を行ってまで本作発売に漕ぎ着けてくれたメンバーにありったけの感謝を捧げる次第。


HIGH POWER - High Power ★★★ (2016-01-28 22:12:57)

昔、アルバムのOPを飾る名曲①を聴かせて貰う機会があって、その「メタル、斯くあるべし!」なGリフのカッコ良さに痺れまくった覚えがある、ワインの名産地として有名なフランス・ボルドー出身の5人組、'83年発表の1stアルバム。
最近まで彼らのことはすっかり忘れていたのですが、こちらのサイトに登録して頂いたのを切っ掛けに久々に聴き直してみたら…やっぱり良いですよ、コレ!と。珍妙なアートワークやスカスカな音質は褒められたもんじゃありませんが、それを差し引いても名曲①を皮切りに、印象的なツイン・リードGを伴って疾走する②、アクの強いVoの妙に自信満々な歌いっぷりに気圧されてしまう③、重厚長大な④etc…と、優れた楽曲が次々繰り出される本編のカッコ良さには目を瞠るモノがありますよ。
中でも特筆すべきが、前述の①と、それに比肩するインパクトを放つ8分以上に及ぶ大作曲の⑦。ことに後者において壮絶に泣きまくるVoとGの競演は間違いなく本編ハイライトの一つ。シンガーの歌唱スタイルはハッキリと好き嫌いが分かれますが、これらの曲を聴くと決して実力が低いわけじゃないことが判ります。ただ自身のパワーを制御しきれていないというか、敢えて野放図に歌っているというか…。
実は結構盛り上がっていたという、80年代フレンチ・メタル・シーンの「熱」を伝えてくれる1枚です。


HIGH POWER - High Power - Casse-toi ★★★ (2016-01-31 09:38:26)

クラシック曲を逆回転させたようなイントロに続き
チープな音質のもと素っ頓狂なVoが入って来た時には
面食らうかもしれませんが、その辺のマイナス点は
メタルの魅力を集約したかのようなGリフのカッコ良さでカバー。
慣れてしまえば、やる気(だけ)は溢れんばかりの
Voの歌唱もクセになってきますよ。


HIGH POWER - High Power - Comme un damné ★★★ (2016-01-31 09:46:29)

Keyが抒情性とスケール感を増幅し、
アルバムの山場を飾る8分以上に及ぶ大作ナンバー。
徹底して泣きに拘るVoとG、ピアノ、そしてタメの効いたリズム隊の
エモーショナルな仕事ぶりが最高潮に達するクライマックスは
涙ちょちょ切れる素晴らしさ。もし「フレンチ・メタル」に対する
偏見をお持ちの方がいたら、間違いなく覆されることになる熱い名曲。


HIROSHIMA - Hiroshima ★★ (2011-12-25 12:04:57)

スパニッシュ・ロックと言うと、未だにMEDINA AZAHARAやBARON ROJOに代表される、巻き舌バリバリのスペイン語によって歌われる情熱的なHR/HMサウンドが真っ先に思い浮かぶのですが、このバンドが聴かせてくれるのはそうした先入観とは一線を画す、透明感溢れるKeyとボーカル・ハーモニー主体の哀愁に満ちたメロハー・サウンド。歌詞は全曲が英詞で統一されており、アルバムを豊かに彩るキャッチーなメロディにもドメスティック(エスニック)な色合いはほぼ皆無だ。
冴えない音質/ピッチの甘いVo/躍動感に欠ける演奏etc・・・と'89年リリース作品としては致命的なまでに時代遅れなプロダクションは如何ともし難いものがありますが、メロディ・センスは非常に優れた閃きを持っているバンドであることは間違いなく、特に初期BON JOVIの哀愁分をもっと強化したような“BROKEN HEART”や、北欧ハードポップに通じる爽やかさを備えた“TELL ME WHAT YOU WANT”、そして抑えきれぬスパニッシュ・テイスト(特にVoの歌メロ)が良いアクセントとなっている“LONELINESS”といった楽曲は、メロディ愛好家なら心打たれずにはいられない名曲に仕上がっています。
それにしても、何故にバンド名がHIROSHIMA?昔BARON ROJOが“HIROSHIMA”という楽曲を書いていたように記憶していますが、あれから取ったのかな?


HIROSHIMA - Hiroshima - Loneliness ★★★ (2011-12-26 22:19:40)

全体的にはお洒落にまとめられている
ハードポップ・ソングですが、
泣き濡れるGに、ついついコブシを効かせてしまうVo等、
前半の叙情パートには抑えきれないスパニッシュ魂の
迸りが見て取れて好感度アップ。


HIRSH GARDNER - WASTELAND FOR BROKEN HEARTS ★★ (2008-05-14 22:37:00)

叙情派ロックの帝王、NEW ENGLANDの中心メンバーの一人だったハーシュ・ガードナーが、'02年に発表した1stソロ・アルバム。
憂いをたっぷりと帯びた美しい①に、分厚いボーカル・ハーモニーを纏って、アップテンポに展開する爽快な②という
強力なメロディアスHRチューン2連発を聴いた瞬間、「おお、NEW ENGLANDサウンドだ」と、思わず頬が緩んでしまう、
ウェット且つセンチメンタルな美旋律に、全編が彩られた本作。
ハーシュ・ガードナーは、Dsと共にリードVoも担当していて、張りのあるハイトーンを駆使した歌の上手さは、
既にNEW ENGLAND時代からお馴染みだったが、個人的に、この人がここまで優れた楽曲を書ける
ミュージシャンだったとは、正直、全く思っておらなんだ。(失礼極まりない話ですが)
とにかく本作は、収録曲が素晴しく良い。流石に「捨て曲なし」とまではいかないが、少なくとも、NEW ENGLANDの
3rd『WALKING WILD』よりは、その完成度は上だ。前述した2曲や、切なげなバラード⑨は、同バンドの名曲群と
比較したって決して引けは取らない出来だし、何より、ラストをドラマティックに締め括る、
序章~本編~アウトロの三部構成からなる組曲⑩⑪⑫の存在に尽きるというもので、
胸に沁みる哀メロの洪水、華麗なボーカル・ハーモニー、プログレッシブ且つ劇的な曲展開、そして、ジョン・ファノン、
ジミー・ウォルドー、ゲイリー・シェアという、オリジナル・メンバー達の客演・・・と、全ての要素が、美しきNEW ENGLANDの理想形を描き出す、
ファンならこの曲を聴くためだけにでもこのアルバムを買ってください!と、思わず言いたくなる名曲に仕上がっている。
再結成の噂が流れてから早数年、未だに何の動きも見られないNEW ENGLANDだが、だったら、ハーシュには、
ぼちぼち、ソロ・アルバムの第2弾を作って貰いたいところなのだが・・・。


HIRSH GARDNER - WASTELAND FOR BROKEN HEARTS - DON'T YOU STEAL ★★ (2008-05-20 00:11:30)

開放感と爽快感に満ち溢れた、溌剌とした疾走チューン。
分厚く、美しいボーカル・ハーモニーが
もろNEW ENGLAND風味で思わず頬が緩みます。


HIRSH GARDNER - WASTELAND FOR BROKEN HEARTS - MORE THAN YOU'LL EVER KNOW ★★★ (2008-05-20 00:16:28)

ラストを締め括る三部構成の組曲にして、
アルバムのハイライト・ナンバー。
ジョン・ファノン、ジミー・ウォルドー、ゲイリー・シェアら、
NEW ENGLANのメンバーがゲスト参加していて、
美しく、切なく、そしてドラマティックな曲展開は、
まさにNEW ENGLANDの味わい。どころか、同バンドの名曲と
比較したって決して引けは取らないクオリティを誇る名曲。


HIRSH GARDNER - WASTELAND FOR BROKEN HEARTS - WASTELAND FOR BROKEN HEARTS ★★ (2008-05-20 00:08:12)

張りのあるハイトーンVoで歌われる泣きメロが心地良い、
アルバムの幕開けを飾る劇的なミドル・ナンバー。


HITTEN - State of Shock ★★★ (2016-11-01 23:20:04)

バンド名として「HIT TEN TIMES」(10回打つ)を縮めた造語「HITTEN」を名乗り、輸入盤市場で話題を攫っていたスペイン・ムルシア自治州出身の5人組が、'16年発表の2ndアルバムで日本デビューを飾りました。
ブルーノ・サンマルチノばりの「人間発電所」ジャケットと、雑誌レビューで「スラッシーな要素も感じられるNWOTHMバンド」と評されていたことから、もっと破れかぶれで前のめりな音を出してる連中だとばかり思っていましたが、確かにGリフが初期スピード・メタル風の⑥みたいな楽曲もあるにせよ――実際はキャッチーなメロディを歌うVoと、メタル愛ダダ漏れでメロディックにハモリまくるツインGを核に据えた、優等生的とも言える聴き易い正統派HMサウンドが本作の魅力であったという。
音像に比してハイトーン・シンガーの歌声は少々線が細め。ふわふわとしてやや不安定ながら、JUDAS PRIESTとIRON MAIDENの二大巨頭を始め、パワフルな疾走感はACCEPTから、派手に動き回る2本のGはRIOTから…といった具合に、先達からの影響を血肉へと変えた楽曲構築術は既に貫禄十分です。メロウなイントロからスピーディな本編へと雪崩れ込む様式美に満ち溢れたOPナンバー①、パワー・メタリックな導入部がVICIOUS RUMORSを思わす②等、イケイケどんどんな楽曲だけなく、溌剌とタイトにハジけるキャッチーなHMソング④や、バラード風に始まって激しく盛り上がっていくドラマティックな⑨のようなタイプの楽曲も手堅くこなしているのも頼もしい。
どうやら来日が決まっているようなのですが、仕事で見に行けないのが残念ですよ。


HITTEN - State of Shock - State of Shock ★★★ (2016-11-04 22:32:57)

オフィシャル・ビデオも制作された2ndアルバム表題曲。
1stアルバムの頃のMETALLICAを思い出せる
スピード・メタリックなGリフと疾走感に、
ガンベルトや日章旗Tシャツで身を固めたメンバーの眩い出で立ちまで
80年代メタル度満点の逸品。


HITTMAN - Hittman ★★★ (2019-01-24 23:52:42)

Voは元ANTHRAX、Bは元ATTILA、Dsは元TAKASHIという、凄いんだか凄くないんだか…な面子でレコーディングされた傑作デモ『METAL SPORT』(’85年)がドイツで評判を呼んだことから、同国のSPV/STEAMHAMMER RECORDSとの契約を得て、NY出身の5人組が'88年に発表した1stアルバム。
国内盤は、当時ジャーマン・スラッシャーの作品を次々リリースしていたテイチクのMETAL MANIAからの発売で、その印象もあって結構長いこと彼らはドイツのバンドだと思い込んでいました。哀愁に満ちたメロディを泣きの入ったハイトーンで歌い上げるVoといい、湿った旋律を紡ぎ劇的にハモる2本のGといい、それらを乗せてスピーディに駆け抜けるリズムといい、出している音も欧州風味満点の正統派HMサウンドでしたし。ただNY出身であることを踏まえて聴き直してみると、泣きまくってもベタつかない都会的哀愁は、曲によっては『THUNDERSTEEL』を発表した頃のRIOTに通じるコンクリ感覚も確かに息衝いているように感じられる…かもしれません。
取り分け表題曲①(デモテープ同様、序曲“HITTMAN THEME”が欲しかった)や⑥、アルバムを速い曲で締め括るバンドは信用できる!な⑨といった、疾走するリズムの上をツインGがメロディックに舞う楽曲のカッコ良さはこのバンドの真骨頂。QUEENSRYCHEばりにじっくり盛り上がるドラマティックな⑧の美しさにも大いに胸打たれました。
'18年開催のKEEP IT TRUEフェスにHITTMANが参戦した際には、Voが思わず感極まってしまう程盛り上がったという話からも、その愛されぶりが伝わってくる1枚。


HITTMAN - Hittman - Caught in the Crossfire ★★★ (2019-01-27 00:59:31)

メタリックなGリフの刻みと
タイトな疾走感の心地良さに思わず頭が前後に動く
アルバム中盤のハイライト・ナンバー。
劇的に絡むツイン・リードGにもハッとさせられますね。


HITTMAN - Hittman - Metal Sport ★★★ (2019-01-27 00:48:28)

KEEP IT TRUEフェスでも大合唱を巻き起こしていたアルバムOPナンバー。
泣きの入った声質のハイトーンVoと、劇的なハーモニーを奏でる
ツインGがやはり聴きモノですが、何気にBも良い仕事をしてくれていますね。


HITTMAN - Vivas Machina ★★★ (2020-11-19 00:11:04)

復活作が評判を呼んでいるニューヨーク出身の5人組が、デビュー作から4年のブランクを経て、’92年にSPV/STEAMHAMMER RECORDSより発表した2ndアルバム。
前作はアメリカのバンドとは思えぬヨーロピアンな風情漂う正統派HMの名作でしたが、プロデューサーにEXTREMEとの仕事で知られるボブ・セント・ジョンを起用した今作では、曲によってはファンキーに跳ねるリズムや、明るくハジけるコーラス・ワークといった、まさしくEXTREMEっぽい要素を導入する等、音楽性が若干拡散。これを「意欲的」と評価するか、「散漫になってしまった」とガッカリするかは聴き手次第といったところでしょうか。
初めて聴いた当時は、印象に残る曲とそうでない曲がハッキリと分かれてしまっている点にテンションが上がりきらず、後者寄りの感想を抱いたりもしましたが、ただ、これまで以上に幅広い表現力を駆使して見事な歌唱を披露するダーク・ケネディのVoといい、よりテクニカルに逞しさを増した楽器陣の重厚な演奏といい、バンドがそのレベルアップの痕跡を着実に刻み込んでいる一作であることも疑う余地はありません。
初期BON JOVIを思わす哀愁のメロディアスHR③、QUEEN的なコーラス・ハーモニーが印象的なバラード④、プログレ・メタル的な凝ったアレンジで聴かせる⑥、仄かに土の匂いも薫る憂いを帯びた⑧、そしてシアトリカルな曲展開でもってアルバムを劇的に締め括る7分半の大作⑪辺りは、新境地を切り開かんとするHITTMANの意欲と、持ち前の曲作りのセンスが化学反応を起こした、本作ならではの名曲と言えるんじゃないかと。
1stや3rdを気に入った方なら、スルーするのは勿体ない1枚ですよ。


HITTMAN - Vivas Machina - Mercy ★★★ (2020-11-19 23:47:35)

アルバムの締めに相応しく、豊富なアイデアをブッ込んで
ドラマティックに仕上げられた大作曲。
長尺をダレさせない場面転換多めの曲展開と、多彩な表現力で
それを支えるシンガーの見事な歌唱力に聞き惚れますね。


HITTMAN - Vivas Machina - Say a Prayer for Me ★★★ (2020-11-19 23:42:05)

曲名といい、曲調といい、BON JOVIを意識していることが
ビンビンに伝わってくるメロハー・チューンですが、
ここまで良い曲に仕上げられては文句を言う気も失せるというもの。
本家よりもメロディの湿り気は強めですし、シンガーの確かな歌唱力が
楽曲を歯応えのあるものにしてくれています。


HOBBS' ANGEL OF DEATH - Heaven Bled ★★ (2016-12-04 23:06:00)

スラッシュ・メタル史に名を刻むベテランを次々と招聘する東の「THRASH DOMINATION」の向こうを張り、メジャーで華々しい実績を残したわけじゃないけど、マニアのハートにはその存在がガッチリと刻まれているクセ者を続々来日させる西の「TRUE THRASH FEST」。
'15年にはオーストラリアのHOBBS’ ANGEL OF DEATHまでが参戦を果たし「本当に呼んだの?」「すげえな!」と感心させられたばかり。しかも今回その彼らが新作を発表してくれて感激も一入です。国内盤はRAZORのライブ盤との同時発売で、店で2作が隣り合ってディスプレイされているのを見かけた時は「おお、テイチクの『HOBBS’ ANGEL OF DEATH vs RAZOR』再現!」と、思わず前世紀にタイムスリップした気分になりましたよ。
首魁ピーター・ホブス(Vo、G)のルックスは流石に老けた…というか横方向にかなり膨張気味なれど、不穏な導入部から激烈な疾走を開始する⑩や、荘厳なドラマ性も漂う⑫といった楽曲からも明らかな通り、曲作りの腕前は錆びることなく健在。鋭利なGリフがササクレて刻まれるファスト・パートと、邪悪さを発散するスロー/ミドル・パートを組み合わせ、そこに濃厚なアングラ臭を振りかけたような初期SLAYER直系のイーヴルなスラッシュ・サウンドは、デビュー当時の面影をそのまんま受け継いでいます。
時に炸裂するブラスト・ビートや、痙攣気味に刻まれるGリフといった北欧ブラック・メタル風味は新味と言えますが(BとDsはそっち系人脈からのヘルプ)、元々アンチ・クライスト・カラーも打ち出していたバンドゆえ、違和感なくハマっていますよ。
初来日を果たした喜びの表れか、漢字をあしらった裏ジャケにも実にほっこりさせられる1枚でした。


HOBBS' ANGEL OF DEATH - Hobbs' Angel of Death ★★ (2007-01-23 21:49:00)

嘗てはテイチクから、RAZORの5thアルバムとのスプリット仕様で国内盤も出ていた
(今でもたまに法外なプレミア価格で中古盤が売られているのを見かけます)
オーストラリア出身の4人組スラッシャーが、'88年に発表した1stアルバム。
バンド名やブラック・メタル的な歌詞からも察しの付く通り、サウンドの方はまさにSLAYER・・・
しかも彼らが最もイーヴルで欧州ヘヴィ・メタリックな雰囲気をその身に纏っていた、『SHOW NO MERCY』や
『HELL AWAITS』の頃を彷彿とさせる、ダイナミックなスラッシュ・メタルを実践。
不吉なイントロから一気に疾走へと転じる①に始まり、ラストを締める高速スラッシュ・チューン⑩に至るまで、
ダレ場なしに聴かせきる本編のテンションの高さは半端じゃない。特に前述の①、緩急の効いた②、その勢いを引き継ぐ③と来て、
7分以上に及ぶハイライト・チューン、邪悪で荘厳な④へと雪崩れ込むアルバム前半の構成は最高DEATH。
むっさいオッサン(リーダーのHOBBS氏)が描かれた冴えないジャケに反して、内容は非常に高品質なスラッシュの名盤。
最近、リマスター仕様で再発されたので、この機会に未聴の方は是非。
確か国内盤は、尺合わせのために数曲がカットされてしまっていた不完全版だったしね。(うろ覚え)


HOBBS' ANGEL OF DEATH - Hobbs' Satan's Crusade ★★ (2007-01-26 23:18:00)

アルバム・デビュー前に製作した2本のデモ・テープ『ANGEL OF DEATH』と『VIRGIN METAL INVASION FROM DOWNUNDER』を
1つにまとめ、デジタル・リマスターを施してCD化した初期音源集。
流石にリマスターしたとはいえ、デモ音源ゆえ音質的には少々厳しい場面も散見されるが、バンドの音楽的方向性は
この頃からハッキリと定まっていて、SLAYERからの影響が色濃く薫る、ダークでスピーディ且つイーヴルな
スラッシュ・サウンドは、音の悪さを差し引いても遥かに余りある、ハイレベルなカッコ良さを誇る。
全11曲中、よりストレートなサウンドを聴かせる①~⑥が『ANGEL~』から、邪悪なドラマ性や荘厳さを
強調した感じの⑦~⑪が『VIRGIN~』からの音源。ここから後に①②③④⑤⑥⑨⑪がデビュー作に
収録される事になるわけで、中には「1st持ってるからいらないや」と敬遠する人もいるかもしれないが、
いやいや、何を仰いますやら。本作のみ収録で、⑨と並んでバンドの極初期からの
レパートリーでもあったらしい⑧は名曲ですよ?(序曲⑦も◎)
HOBBS' ANGEL OF DEATHのファンのみならず、スラッシュ・メタル好きなら聴いて損はない作品。勿論、1stアルバムはもっと必聴だが。


HOLOCAUST - Smokin' Valves・the Anthology ★★★ (2016-05-21 10:01:52)

躍進→改名→解散→METALLICAによる再評価を切っ掛けに復活…という浮き沈みを経た、スコットランド・エディンバラ出身の5人組の活動を総括する2枚組ベスト盤(’03年)。
「METALLICAが“THE SMALL HOURS”をカヴァー」「物騒この上ないバンド名」といった要素から、勝手にスラッシュ・メタルのご先祖様的な音を期待してデビュー作『THE NIGHTCOMERS』(’81年)を購入したら、聴こえて来たのは特別速いわけでもアグレッシブでもない曲調に、のっぺり声でぶっきら棒に歌うVoが乗っかった、ごくごくシンプルなHMサウンド。「思ってたんと違う」と勝手に立腹した挙句、速攻CD売っ払ってその後彼らの作品に触れる機会はなかったのですが、本ベスト盤のリリースを契機にふと思い立ってもう一度対峙してみたら、これが意外なぐらい楽しめてしまったというね。
特に、サバシーなGリフが引き摺るように刻まれる“MAVROCK”や、不穏に渦巻くヘヴィネスの中をVoが浮遊する“THE NIGHTCOMERS”、不協和音がオカルト/ホラー映画のテーマ曲みたいな不気味さ漂わす“THE SMALL HOURS”といった名曲は、(他の方が別項で指摘しておられる通り)、彼らの影響が、スラッシュよりも寧ろドゥーム・メタルやオカルト・メタルといった暗黒メタル方面に伝播していったことを物語るカッコ良さ。
と同時に、Gリフに潜むササクレ感はやっぱり彼らがスラッシュ・メタルの源流の一つである証左と言えますし、GAMMA RAYがカヴァーしたHOLOCAUSTの代表曲“HEAVY METAL MANIA”におけるツインGの絡みの熱さも、NWOBHMバンドならでは。
HOLOCAUSTの活動履歴を振り返るのに便利な1枚なので入門盤にどうぞ。


HOLOCAUST - Spirits Fly ★★ (2017-10-01 22:15:11)

21世紀を目前に突如蘇ったNEAT RECORDSから、これまた復活を遂げたHOLOCAUST(といってもそれ以前から離散集合を繰り返していた)が’96年に発表した4thアルバム…ではなくて。実際は’92年に自費出版された3rd『HYPNOSIS OF BIRDS』の曲順を入れ替えた上に改題し、そこに’93年リリースの4曲入りEPやらMETALLICAの“MASTER OF PUPPETS”のカヴァーやらの音源を突っ込んだコンピ盤的性格の1枚という。
NWOBHM復活組がこの時期の新生NEAT RECORDSに残した作品は、イマイチ開き直り切れていない微妙な代物が多かったと記憶していますが、それらに比べると本作は結構イイ線を行っているのではないかと。METALLICAがカヴァーしてくれたことにより再びHOLOCAUSTに注目が集まる切っ掛けとなった代表曲“THE SMALL HOURS”のリメイク②を聴けば分かる通り、元々BLACK SABBATHばりのヘヴィネスや妖しいメロディ使いが個性の内だったことも、90年代のHR/HMシーンの潮流とマッチ。Voの気の抜けたヘタウマ加減とか、「どこのブラック・メタル・バンドか?」っつーぐらい低劣なプロダクションとかも80年代初頭のまま。いや音質に関しちゃ進歩しとけよって話ですが。
国内盤の解説ではゴッドが「②の価値が全て」とぶっちゃけちゃってますし、日本人好みの泣きや哀愁といったキャッチーな要素に乏しい作品ではありますが、個人的にはエキゾチックな雰囲気漂わす①、フルートやチェロを取り入れた③④といった、乙な味わいのへヴィ且つプログレッシブな大作ナンバーが結構お気に入りだったり。少なくとも1st『NIGHT COMERS』が楽しめた人ならほっこりできるクオリティは備わっているのではないかと。


HOLOCAUST - Spirits Fly - The Small Hours ★★ (2017-10-02 23:32:19)

METALLICAがカヴァーしたことでHOLOCAUSTの名を
一躍有名にした彼らの代表曲だが、スタジオ・バージョンはこれが初披露?
初めて聴いた時は、のっぺりとダウナーなヘタウマVoと、疾走感よりも
BLACK SABBATH直系の漆黒色のヘヴィネスが支配的な曲調に
「期待していたのと違うなー」とか思ったものですが、
ただテンポ・チェンジも含んだ曲展開はちゃんとメタリックな緊迫感を
湛えていて、いや改めて聴き直す十分カッコイイのですよ、これが。
これをカヴァーしていたMETALLICAの慧眼にも感服です。


HOLY GRAIL - Crisis in Utopia ★★★ (2012-05-19 21:33:17)

JUDAS PRIESTの“EXCITER”とACCEPTの“FAST AS A SHARK”の(ベタだけどハマってる)カヴァーを収録している事からも察しの付く通り、直球勝負の正統派/パワー・メタル・サウンドに軸足が置かれているこのデビュー作ですが、一方で「もうちょい色々な要素を取り入れたHMを追求したい」との理由でWHITE WIZARDと袂を別った人達が作ったアルバムなだけに、ワイルドな声質のVoが歌うメロディからはモダンなセンスが感じられたり、SHRAPNELメタルばりに派手に弾きまくり高速でハモるツインG、時にスラッシュ/デス・メタリックなビートを織り交ぜて畳み掛けるリズム、そしてエピック・メタル調のドラマティックな曲展開・・・といった具合に、彼らが強く影響を受けたジャンルのエッセンスが随所で顔を覗かせている。
2本のGがRACER Xを思わせる暴れっぷりを披露するOPナンバー①、雄々しいシンガロング・パートと小気味良く動き回るBがIRON MAIDENからの影響を実感させる②、スラッシュ・メタル風味のアグレッシブな曲調に劇的なネオクラGソロが華を添える④、ちょいとプログレ入ったインスト曲⑥を序曲代わりにドラマティック且つ勇壮に盛り上がっていく⑦、ブラスト・ビートやデス声をアクセントに、ラストをスリリングに〆る疾走ナンバー⑪辺りは、彼らが目指すサウンド・スタイルが判り易い形で具現化された名曲ではないでしょうか。
高い評価を獲得した本作リリース直後に、LOUD PARKに参戦するため初来日を果たす等、一躍NWOTHMのトップランナーに躍り出たにも拘らず、その後、活動の噂がさっぱり伝わってこないのがもどかしくも残念至極。


HOLY GRAIL - Crisis in Utopia - Cherish Disdain ★★ (2012-05-21 22:53:03)

鮮烈なGソロがアグレッシブな曲調に華を添え、
叙情的なアウトロがアルバムのエンディングを
締め括るに最適なドラマを演出する
スリリングなスピード・ナンバー。
ちょっとメロデスからの影響も感じられますかね。


HOLY GRAIL - Crisis in Utopia - Crisis in Utopia ★★★ (2012-05-21 22:41:55)

本編前半の山場にして、個人的にはアルバムで
最もお気に入りの疾走ナンバー。
畳み掛けるような曲調はスラッシュ/デス・メタルからの
影響が滲みますが、勿論Voはメロディアスに
歌っていますし、かっちりと構築されたネオクラシカルな
ソロをフラッシーに紡ぐGソロもグー。


HOLY GRAIL - Crisis in Utopia - Fight to Kill ★★★ (2012-05-21 22:38:13)

OPナンバー“MY LAST ATTACK”と、続くこの曲の
カッコ良さでアルバムの出来の良さは約束されたようなもんです。
(実際その約束は破られません)
小気味良く疾走するリズムとライブ映えしそうな
シンガロング・パートがIRON MAIDENチックですね。


HOLY GRAIL - Crisis in Utopia - My Last Attack ★★★ (2012-05-21 22:35:32)

テクニカルに弾きまくる2本のGが
高速且つ劇的にハモるイントロ部分だけで
耳を奪われてしまう勇ましいOPナンバー。
フェードアウトで終わってしまうのが惜しまれる。


HOLY GRAIL - Crisis in Utopia - The Blackest Night ★★★ (2012-05-21 22:47:19)

プログレ・タッチの軽快なインスト・ナンバー
“NOCTURNE IN D MINOR”から一転、
勇猛にして重厚、且つドラマティックに展開される
アルバム中盤のハイライト的名曲。
熱く粗いVoの声質が、この曲のような
聴き手を奮い立たせるサビメロを歌うのに打って付けですよ。


HOLY GRAIL - Ride the Void ★★★ (2013-03-17 10:07:12)

デビュー作リリース後、さっぱり音沙汰がなかったので「解散したんかいな」と思っていたら、単にそれはこっちがモノを知らなかっただけで、実際には全世界津々浦々を忙しくツアーして回っていたというHOLY GRAILが、'13年に発表した2ndアルバム。
ピロピロとテクニカルに弾き倒し、派手にハモリまくるSHRAPNEL系ツインGを擁するオールドスクールな正統派HMに軸足を置きながら、マット・ハイド謹製の弾力性に富んだ音作りと、怒号やデス声を織り交ぜつつ、中音域をメインに浮遊感のある歌メロを拾うVoがモダンな感触も付与するこのバンド独自の音楽性は、今回もブレることなく健在。劇的なインスト曲①から繋がっていく、プログレ・メタルばりの技巧/ドラマティックな曲展開がバッチリと決まった②、憂いを帯びたメロディに悶絶させられるアルバム表題曲⑤、アグレッシブ且つキャッチーな疾走ナンバー⑦、クラシカルなアコギがイントロで奏でられる⑫⑬のメドレー等、「これぞ!」な名曲の数々を耳にすれば、誰しもがこのアルバムのクオリティを確信できる筈。
デビュー作ほどのインパクトは備わっていないような気もしますが、その分、アルバム全体の構成にはまとまり(統一感)が出てきて、彼らが新人バンドの枠を脱し「本格派」の風格を身に付けつつあることが伝わって来る1枚です。


HOLY GRAIL - Ride the Void - Bestia triumphans ★★★ (2013-03-18 21:57:51)

序曲“ARCHEUS”から繋がるドラマティックにして
技巧の凝らされた曲展開は、正統派HMを基盤としつつ、
デス・メタルからプログレ、メタルコアにエピック・メタル等、
様々なジャンルからの影響がぶち込まれていて、
まさしくこのバンドの音楽性が明確に表された1曲。
OPナンバーに選ばれたのも納得ですよ。


HOLY GRAIL - Ride the Void - Ride the Void ★★★ (2013-03-18 22:00:27)

叙情的なイントロから疾走へと転じるアルバム表題曲。
眉が八の字になってしまう程の猛烈な憂いを発散する
サビメロがとにかく秀逸で、こうした優れたメロディ・センスも
彼らが凡百のNWOTHMバンドとは一線を画す存在であることを
物語ってくれています。


HOLY MARTYR (2011-10-27 23:33:50)

バンド名は「ホーリー・マーター」と読む。
90年代半ばにイタリアはミラノにて結成されたパワー・メタル・バンドで、
結成の音頭を取ったリーダーのイエノ・スピガ(G)は、WARLORD、OMEN、
MANILA ROAD、ATTACK、更には日本の凱旋MARCHといったバンドからの
影響を公言する、かなりグッと来るセンスの持ち主。
勇壮な史劇を題材に取り上げた1st『STILL AT WAR』('07年)や
コンセプト作でもあった2nd『HELLENIC WARRIOR SPIRIT』('08年)が
ヨーロッパ圏を中心に好評を博し、日本の歴史(というよりも時代劇)の
要素を曲名や歌詞、そして曲調に大胆に取り入れた'11年発表の3rd『INVINCIBLE』
(邦題は『天下無敵の戦士』)で、満を持して日本デビューを飾った。


HOLY MARTYR - Invincible ★★★ (2011-10-27 23:36:16)

勝新太郎(!)が描かれたアートワークと、メンバーの歌舞伎風隈取メイク、それに“7人の侍”“武田信玄”“関が原”“座頭市”etc・・・といった曲名からも察せられる通り、日本の時代劇のエッセンスが大胆に取り入れられたサウンドに苦笑を誘われる方は多い事かと存じますが(俺もちょっと笑った)、どっこい彼らは真剣だ。
時に和風の旋律を絡ませつつ、IRON MAIDENや独産メロパワ・メタルからの影響を根っこに据えて、ヒロイックに疾走する収録楽曲のカッコ良さは実際かなりのものであり、堅苦しい歴史の教材からではなく、エンターテイメントの王様たる映画からの影響がダイレクトに反映された本編は、サウンド・トラックばりのスケール感やドラマ性を有している上に、何よりすこぶるキャッチー。(これは躍動感溢れるリズムを刻むタイトなDsの貢献度大)
侍かぶれの殺し屋の生き様を描いたオフビートなアクション映画に着想を得ている“GHOST DOG”、本編中最もIRON MAIDENからの影響が色濃く滲むドラマティックな“SHICHININ NO SAMURAI”、好戦的な曲調にメタル魂が燃え上がる“TAKEDA SHINGEN”、怒涛の如く押し寄せるパワー・チューン“SEKIGAHARA”、それにまるで昭和アニメの主題歌ばりの勇壮さで疾走する“ZATOICHI”といった名曲の数々をもって、彼らは自分たちが色物バンドでないことを見事に証明してみせている。
本作(3rdアルバムらしい)が日本でヒットして、是非来日公演が実現してくれる事を願います。


HOLY MARTYR - Invincible - Ghost Dog ★★★ (2011-10-28 23:41:57)

『葉隠れ』を愛読し、侍にリスペクトを捧げる
黒人ヒットマンの生き様を描いたジム・ジャームッシュ
監督作品『ゴースト・ドッグ』に着想を得ているミドル・チューン。
引っ掛かり気味に展開するキャッチーなサビメロが非常に秀逸で、
個人的にはアルバムで一番のお気に入り。


HOLY MARTYR - Invincible - Sekigahara ★★ (2011-10-28 23:57:45)

ラウドに打ち鳴らされるドラムが全体を牽引する、
パワー漲る疾走ナンバーで、メンバー曰く
「先の大震災で被害を受けた日本に捧げた」
楽曲なのだか。嬉しいじゃありませんか。


HOLY MARTYR - Invincible - Shichinin no Samurai ★★★ (2011-10-28 23:45:39)

元ネタは言わずと知れた黒澤明の名画『七人の侍』ですね。
和風序曲“THE SOUL OF MY KATANA”からドラマティックに展開し、
タイトルに相応しい勇猛さとヒロイズムを撒き散らしながら疾走する、
IRON MAIDENからの影響も色濃く香る本編のハイライト・ナンバーの一つ。