2014年発表の10th。ダミアン・ウィルソン復帰後の第2作目。THRESHOLDの初代Voと いう事で、彼らの声と言えばダミアンを思い出す。内容は前作以上に充実していると感じた。 『Watchtower on the Moon』のメタルなグルーブ感、『Unforgiven』のダークさと 掴みは非常に良い。『Lost in Your Memory』のドラマ感は筆舌に尽くしがたい! プログレッシブ・メタルって表現は彼らにはやはり合っていないと思う。 ギターのカール・グルームが元々ポンプ・ロック畑なのもあるし、もっとメイン・ ストリームで聴かれるべき音だと思う。ホント判りやすいメロディなのよ。 (でもカールはDragonForceのプロデューサーでもあるし・・・何なんだろね?)
音楽性は『By Inheritance』以降の中東風メロディを取り入れたスラッシュメタルは全く変わって無い。現ヴォーカルのクラウス・ マイネみたいな伸びやかな、言うなればスラッシュメタルっぽくない正統派的な歌唱は好みが分かれるところだけど、音楽としては 相当洗練されてきた。まあ、マンネリ感はあるけれども、加入後の『Legions』以降では最も優れた作品ではないかと思う。 毎回書き込んでるけど、スラッシュメタルより正統派メタルFANに評価されるべき存在かと。上質ですよ。音は分厚いし、ベイエリア・ スラッシュにも負けない突進力がある。新加入のカレン・マイヤー(G)の貢献度も大きいのか?ツインギターも最大限生きている。 バラードの『The Ghost of Me』はアクセント程度にしか思わないけど、後半の『Mors Ontologica』、本編ラストを飾る 『Beggars in Black Suites』は間違いなく名曲!ベテラン健在ですよ。これは久しぶりに唸らせられる出来でした!
SAXONもグラハム・オリバー脱退後、新加入のダグ・スカーラットの新体制でのスタートではあるけども、コレが功を奏したのか。 まさにブリティッシュHM/HRを体現した曲群は秀逸で、彼らのアルバムの中でもトップクラスに挙がると思われる。緊張感ある『Unleash the Beast』 『Bloodletter』は当然素晴らしいが、AC/DCみたいな『Terminal Velocity』も素敵だし、キャッチーな『Ministry of Fools』は一番好きな曲かも。 (最近知ったのだけれども、あのカレ・トラップがプロデューサーなのね。久しぶりに名前を見たな。俺もブラガ好きだったなぁ・・・。)