88年発表の7th。 彼らのオフィシャルサイトのアルバム人気投票ではTOP3に入っているのも納得の充実した仕上がりだ。特に冒頭の2曲“Commercial Dynamite"、“Taking The World By Storm"はキャッチーにしてコンパクトな佳曲で、この作品を聴こうという気にさせてくれる所が嬉しい。その後は6~11分台の長い曲が続くが、全く曲の長さなど気にならない。プログレ的というよりは初期DEEP PURPLE的で、やはりそこら辺にこのバンドの血筋を感じずにはいられない。英国の懐かしいハードロックの香りがここにはあるんだな。 ところで、ジャケットの右上に超合金のマジンガーZのロケットパンチと思しきモノが撃墜されてんるんですけど、それって僕が小学生の時に失くしたヤツ?道理で何処にもないはずだ、イギリスまで飛んでってたのね(笑)
《STOP THE WAR》にみるバンドの信念 彼らの公式サイトをみると右上に“STOP THE WAR"とあり、ケネディ大統領のこの言葉が引用されている(当然アメリカに対する痛烈な皮肉だ)。 「人類は戦争が人類を滅亡させる前に戦争を放棄しなければならない」 そしてシューミアが何故“Fuck The USA"をバンドがカバーしたかの説明がなされている。要するに一般的なアメリカ市民は大好きだけど、無意味な戦争をしかけ金儲けしている奴らが許せない、と言っている。 彼らのこういった姿勢は何も今回に限ったことではなく、常に世の中の欺瞞に対して声を上げ続けている。その言及はタブー視されている宗教にまで及んでいる。 “Curse The Gods"という曲では彼らはこう主張している。 「世の中にはいろいろな宗教があり、どの宗教もお互いや隣人を愛せ、と言っているのに、自分達の宗教以外は認めず、お互い同士で迫害し続けるのは論理的におかしい!一体宗教の正義のためにどれだけの人々が死ななければいけなかったのか!」 と叫び続ける。 だから今回も彼らは立場をはっきりさせ、欺瞞だらけの戦争なんかやめろ、と叫ぶ。そうすることが例えバンド側にとって不利になっても(当然アメリカでは彼らの態度は攻撃され、不利益が生じる可能性が出てくる)、信念を貫こうとしている。 彼らのモノの考え方は行き過ぎた面も多々あるが、ただファッションで平和を唱える人達とは覚悟が違う!彼らの戦いは常に欺瞞に向けられている、僕はそんな彼らが大好きだ!
彼らの3rd。 全体の出来からいくと次作の方が素晴らしいが、何と言ってもこの作品には彼らの代表作である“Curse the Gods"、“Life without Sense"の2曲が収録されているだけで高ポイントである。トリオ編成などとはとても思えない圧倒的なスラッシュサウンドがなんとも心地良い。 再結成してからのサウンドは次作よりもむしろこの作品の方に近く、何もここまで遡らなくても・・っと思えてしまう。12月にはライブ作品をリリースするようだが、上記の2曲は是非入れておいて欲しいですね。
05年発表の復活第4弾。 一聴した時の正直な感想は「ビミョ~!」って感じだった。全体的に勢いはある、がしかし彼らの最大の魅力のうちのひとつであるマイクのギターのリフから狂気が今回あまり聴き取れない。割と普通のスラッシュで何だかSLAYERもどきになってしまったなぁ~、って印象。 ただし、聴き込んでいくと全体的にはクオリティが落ちている訳ではなく、“The Alliance Of Hellhounds"は豪華だし、“Seeds Of Hate"、“Twist Of Fate"等聴く度に印象は良くなって行く。やはりこの手のバンドの中ではトップクラスなのは間違いないと思う。 ま、何て言うのかな、ワサビがイマイチ効いていない寿司を食っているような物足りなさがあるって感覚でしょうかね!?
87年にリリースされた彼らのその時点での最高傑作。 ひたすら突っ走るサウンドからいい意味での落ち着きと知性を兼ね備えはじめた名盤。 タイトルトラックはもちろんの事、「Dissatisfied existence」「Unconscious ruins」「Survive to die」等は最高の出来を誇る。 この後リリースされたSLAYERの「South of heaven」よりもいち早くスラッシュの新しい方向性を提示したのに、肝心のシュミーアが脱退しパワーダウンしたのは本当に残念でした。
83年発表のデビュー作品。 時代のせいとは言え、音が少々ショボイのが今となっては残念な気がするが、内容はロニー世界の極みのような楽曲が目白押しの名盤。 NWOBHMの影響を感じる“Stand Up And Shout"、DIOの中でも最高傑作の呼び声高い“Holy Diver"の2曲だけでもKO必死の立ち上がりは非の打ち所なし! もちろん“Don't Talk to Strangers"、“Rainbow In The Dark"と悶絶ものの曲もその後入ってて素晴らしいんだけど、何故か僕は2ndの方が好きなんだよなぁ、理由は・・・・それは言えません!!(中山キンニ君風)
83年発表の衝撃のデビュー作品。 RAINBOWやSABBATHで個性を発揮し、名盤を世に送り出していたロニーが自身のバンドを作ったらこんな感じになるのかなぁ~、っとおぼろげながらにファンが空想していた音楽の具現化が見事にここで成されている。その代表が“Holy Diver"、“Don't Talk To Strangers"、“Rainbow In The Dark"の3曲と言えるだろう。 もちろんその当時の時代性を汲んでNWOBHM直系の“Stand Up And Shout"、LAメタル系の“Caught In The Middle"などを収録し、決して意固地に自己主張している訳ではない懐の深さも感じさせてくれる。現代の欧州で活躍している若いバンド達には多大な影響を与えているこの作品、是非聴いておいて欲しい。
DOKKENの中では最も気に入っているのが本作。 全体的なバランスの良さがまず高ポイントで、全く弱点が見えて来ないほど隙のない仕上がりになっている。オープニングナンバーらしい“Kiss Of Death"、コマーシャルな“Burning Like A Flame"、“Dream Warriors"かっこいいインストナンバー“Mr.Scary"と聴き所満載である。必聴の一枚と言えるだろう! で全く関係ないが、友人0とビデオを借りに行った際、3流スプラッター映画のパッケージにジョージリンチにそっくりな人物が写っていて、友人0がひと言 「なんかコイツ、ジョージリンチに似てねぇか?危険なC級ビデオだよな~、う~ん、まさに危険なジョージ(情事)ってとこか(笑)」 あまりのしょーもないギャグに吹き出してしまった思う出をこれを聴くと思い出します(笑)
04年発表の4th。 初めて聴いた時はONSLAUGHTの“IN SEARCH OF SANITY"の時代に出たものの復刻盤かと思った程、80年代後半のスラッシュ寄りのパワーメタルのままで古臭いなぁ、ってな印象だった。ただ元々そんなサウンドは結構好きだし、このバンドっていいメロディセンスをしていると思う。アグレッシブでメロディアスな“The Power Within"、これは佳曲“Against The Wind"、押しの強いタイトルトラック“One Step Beyond"あたりは聴いていて気持ちがいい! 何か自分達の好きな音楽を時代とか流行りとか気にせず、何事にもモまれることなく作るとこうなるんじゃないかと感じる。 結局、オーストラリアの有袋動物って外敵が少ないためあの大陸で独特な進化を遂げた結果な訳だけど、彼らのサウンドを聴いていると、200年後くらいにはオーストラリアには独特のヘヴィメタルが出来上がっていそうな気がこれを聴いているとしてくる。是非ダーウィンに聴いてもらってご意見をお伺いしたい(笑)
08年発表の本邦2作目。 前作がいたく気に入っていて新作をずっと待っていたが、4年待った甲斐のある力作に仕上がっていて大満足の一言! 前作同様、基本的には初期EUROPEや後期RAINBOW路線でありながらも、DOKKENやPOISON,大成功した頃のWHITESNAKEのエッセンスもふんだんに取り込んだ黄金の80年代を彷彿させるサウンドで且つ何とも小気味良く爽やかに全編を一気に聴かせるところが素晴らしい。一曲目の“Breaking My Heart Again"が始まった時は、これぞ待ちに待ったメロハーで思わずガッツポーズをしたよ。 間違いなく、今年度の僕の買ったCDの中ではお気に入り度NO1でしょう! ただまぁ、LOUDNESSの“THUNDER IN THE EAST"のようなジャケに裏はMOTLEY CRUEの“LIVE WIRE",アルバムタイトルはMSGに曲名は聞いた事あるようなタイトルばっかりって~のは頂けないなぁ。折角いいもの持ってんのに安っぽい感じがして仕方が無い。 次回はその辺にも気を配ってくれれば文句なしの太鼓判を喜んで押しましょう(笑) ECLIPSE最高!
03年発表の3rd。 どのバンドにとっても3枚目は非常に重要な勝負どころとなる事が多いので、ここは一発決めて欲しかったんだけど、結論からいうと競馬でいう「追って届かず」といった印象だ。 スタートはポンっと初期RAINBOW風のナンバー“The Undiscovered Land"で好スタートを切り、オッと思わせるが、2、3でボーっと物見をしてオイオイって感じでズルズルと後退。向こう正面の5、これは何処かで聴いた事があるけど名曲6の“As Far As Eyes Can See"でいい足をみせ、いいポジションに再びつけるが、今度はいき足がつきすぎて何だか妙にパタパタと途中から突っ走りはじめる曲が続き、勘弁してくれよ、と思う。ラストもD.C.Cooperの力を借り、伸びるには伸びているんだけど、気持ちよく先頭に立って終わる、というよりもう2、3頭前にいる感じだ。 非常にいい素質があるだけに観ててもどかしい感じがするGⅡ馬のようだ。ただし困ったことにこのタイプのGⅡ馬は個人的に好きなので、ついつい追いかけちゃうのよね、性懲りもなく(笑) 次は根アカなブライトなポップな曲と涙がでるようなバラードでも身につけていけたら、GⅠも制覇できる!・・・・・かな?