そもそもの始まりは、Alex Skolnickが夢でボサノバ調の "No One Like You" を見た(聞いた?)こと。目覚めても鮮明に頭に残っているそのメロディがとても美しくて、自然で、なおかつとても馴染みがある気がしたけれど、何だかわからず、すぐにギターを持って弾きはじめると、それは "No One Like You" だったらしいです。最初は "No One Like You" のボッサって・・・。と自分でもちょっと笑っちゃう感じだったらしいですが、実際にバンドでやってみると、スタンダード・ジャズをやっている時よりずっとしっくりくるなぁと思ったんだそうです。 で、このアルバム、"goodbye to romance: standards for a new generation" ができるわけですが、Detroit Rock City/KISS、Dream On/AEROSMITH、No One Like You/SCORPIONS、Goodbye to Romance/OZZY OSBOURNE、Still Loving You/SCORPIONS、Pinball Wizard/THE WHO、War Pigs/BLACK SABBATHとオリジナルが2曲。全部Jazzです。特にNo one like youのアレンジはとても素敵です。Still Lovin' YouやGoodbye to Romance、Dream Onなどもとてもいいです。War Pigsはドラムとベースがかなりカッコいいです。Alex Skolnickのギターは突如弾きまくったりしていますが、全体的には音を大事にするギター。味わい深くて音がとても綺麗です。1音1音が美しいです。TESTAMENTのソロも最高ですが、JazzのAlexもなかなか素敵ですよ。
この作品は前作の "goodbye to romance:standards for a new generation" 同様に、メタルをJazzアレンジした曲も収録されていますが、前作よりオリジナル曲が多く収録されています。メタルのJazzアレンジに関しては、前作よりもさらに大胆なものになっているように感じます。選曲もElectric Eyeなど前作よりもハード。Electric Eye/JUDAS PRIESTはかなりカッコいいです。他には、Blackout/SCORPIONS、Money/Pink Floyd、Don't Talk to Strangers/DIO、Highway Star/DEEP PURPLEをアレンジして演奏しています。さらにオリジナル曲にThe Trooper/IRON MAIDENのリフだけ拝借しているものが1曲。オリジナル曲は5曲収録されています。The Trooperのリフが始まった時はのけぞりましたが、曲のアクセントとしてはなかなか効いています。Don't Talk to StrangersはJazz版も素敵で違和感ないです。Highway starは一瞬笑いそうになりますがカッコいいです。それにしてもElectric Eyeは本当にカッコいいです。原曲の力によるところもあるのはもちろんですがJazzアレンジでもカッコいいです。で、Alexは弾きまくりです。全部の楽器が常にソロをやっているような感じなので、Alexは生き生きしています。