日本のブルータルメタル・バンドの新作。本作は、あのSLAYERの傑作『DIABOLUS IN MUSICA』のリードトラック「BITTER PIECE」を彷彿とさせる①②で幕を開ける。明らかにアグレッシブメタルであることへの並々ならぬ自信と強いこだわりだ。③以降は2本のギターが徐々に北欧叙情メタル的なメロディも奏でるようになる。日本のメロディックなパワーメタルバンドといえばすぐにVOLCANOを連想してしまうが、あの系統のベタベタメロディックではないのでご安心を。ヴォーカルは基本的にはディストーションだが、随所でブラックメタルばりのつやのある歌唱も披露している。激烈の88点。
②④⑤⑧などKISSばりのフック効いたキャッチーなリフのキレにさらに磨きがかかっている。僕は前作に比べ曲そのものは若干シンプルになったのではないかと感じた。ただサウンドプロダクションはメインストリーム的な発想であり類似作品として挙げられるTHE PEEP SHOWSの新作とはその趣を異にする。従来どおりのR&Rになんらためらいはないのだが洗練されすぎたR&Rがどこかで悲しく感じたファンも多いはずだ。95点。
ハノイロックスとダブらせてしまうことも多いがデイビットボウイの名盤「ジギー・スターダスト」からその名を考えたとZIGGYは、なんといってもグラムロックバンドNEWYORK DOLLSの影響を感じずにはいられない。スネイクスの3枚はそのままZIGGYの初期3枚のアルバムにあてはめることはできないであろうか。R&Rの型、いや自分たちのR&Rを表現した1st。森重のもつメロディセンスを存分に発揮させる2nd。集大成てきな3rd。そしてZIGGYの最新アルバム「HEAVEN AND HELL」は洗練に洗練を重ねたオヤジどもだけができるR&Rが凝縮された1枚、是非聴いてもらいたいものである。
ご存知ロサンゼルスのお騒がせバンド、ファスタープッシーキャットのセカンドアルバム。昨年は日本でBAD SIX BABIESとの対バンなんかで話題になっていましたね。エアロスミスの余韻なんてこのアルバムにはもう感じられないでしょ(!?)。いやいや彼らなりにいい作品を残そうと努力したところが見えてなんかヒトゴトに思えないんですよね。1stとならんで名盤ですね同期のガンズ&ローゼスもこのバンドみたいに気楽にやってくれればいいんだけど、そうもいかないか。