HELLOWEEN同窓会に終わることのない力作だと思います。 ただ、曲ごとにインパクトのばらつきを感じてしまうのは多少もったいない気はします。 音のバランスがちょっと良くないなぁと思いましたね。何でこんなにメタルバンドなのにギターが引っ込んでしまっているんだろう。特にFear Of The Fallenの曲の途中のドラマティックに盛り上がるべき間奏は、物足りなさを感じてしまう位。
Emoなサウンドでメランコリックなメロディーを擁するバンド、例えばWE CAME WITH ROMANSやASKING ALEXANDRIAなどが気に入っている人、「前作」HEEDの続編を待ち望んでいる人には、マストアイテムと言えます。HEEDの方向性を「今風」にして、スピード以外の攻撃力と扇情力を高めた感があります。
かなり強烈なViking/Folk Power Metalでした。べたなジャケット絵に、「まんま」なアルバムタイトルから、RHAPSODY OF FIREやFAIRYLANDを連想させそれを裏切りませんが、初期HELLOWEENのような音の壁と手数の多いギターとのミックス加減、あるいはSAVATAGEのような正統派な味わいとドラマティシズム、結果としてENSIFERUMに近い雰囲気を大いに感じ、メロディーを重視するクサメタルファンはじめ、幅広い方々にきっと受け入れられます。
2009年10月リリースの1STアルバム。Metalcore/Screamo風味満載、オルタナ風味あり、かなりStrongなHeavy Metal Group。感じたのは、ALL THAT REMAINS辺りの持ちうる楽曲の展開力と図太さに、AIDENとかNATIONAL PRODUCTが持ち合わせるポップセンスと、クラシカルともいえそうな泣きを帯びたヴォーカルラインをグチャッと混ぜ合わせた、とてつもないインパクトを持ったバンドかも知れない、ってこと。 ひたすら図太く、ひたすらHeavyで、ひたすらHardで、で、Super Ultraメランコリック。本当にUSのバンドなの??と思える位、埃っぽさが無く、とにかくサビでの泣き方が半端じゃないです。どの曲にもちゃんと「ぐぐっ」と胸倉を掴まれて目の前で慟哭されるが如き、パワーバンドぎりぎりの濁声のコーラスが織り込まれてます。2009年の終わり近くに、凄まじい一撃です。これはまたもや、ベスト盤候補の一角に滑り込みそうな・・・!! Emoくてメランコリックなバンドが好きな人、売り切れ御免!?
本作のコンセプトを象徴している曲だと思います。「打って出る」姿勢を感じました。 メンバーはみんな「良い歳」ですし、手堅いところで上手く纏めようと思えば出来たはずです。が、この曲も含めて、ただの良い曲で収まらない、野心に溢れた、まさに今の彼らを如実に現した曲では無いでしょうか。 彼らはまた、立ち上がった(Rise Up Again)んですよね。
ちょっと思った事があるので、補足をば。 シンプルで、パワフルで、スピーディーで、メロディアスな本作は、これらのバランスをあらゆる「優劣」を超えて、僕は当時中毒になるくらい気に入ったのと、そのインパクトを未だに、彼らの以降のアルバムからは、残念ながら感じ取れずに居ます。くどいようですが、それは優劣ではなく、僕の心と共鳴したものなんですね。逆に、優れているから好きだ、と、言い切れないということでもあります。 彼らは本作以降、レーベルを変え、当然製作予算も増え、ストーリーも複雑化し、あらゆる点で本作より優れた作品を生み出していると思います。ただ、予算や技術や制作期間などで得た多くのものと引き換えに、何かを失っている気がするのですが・・・。それは例えば、Lord Of The Ringと言う曲の、本作収録版とForgotten Tails収録版の違いにも現れている気がするのです。
明確なメロディーが前作に比べて減退した本作は、多くの方が語っているように、僕にもかなり厳しい印象しか残っていません。また、何人かの方々が仰っているように、アルバム中盤以降で、ジワリとメロディーと雰囲気が盛り上がってくる感覚を感じる事が出来、それゆえ本作がスルメ盤、隠れた名盤と言われる所以なのかなと思います。 皆さんの感覚を否定することは無いのですが、僕にはやはり厳しい一枚でした。 それなりに評判を維持してしまった本作以降、他のGroupが「あ、こんなでも良いんだなあ・・・」と思ったかどうか、メロディーの欠片しか載せない、ダークな雰囲気満載で、リズムセクションがやたら切れまくる、個人的に魅力を感じづらいProg Metal Albumがわさわさと沸いてくるように現れたのは至極残念でした。また、彼らがMetropolis ptⅡ以降でメロディーを取り戻した直後、I&WやMetropolis ptⅡを志向したメロディアスなProg Metal Albomが世に多く現れましたよね。これらを併せて見ると、彼らは何をやっても、このジャンルの先端を走っているんだな、と思います。
「範囲がわかりません」スレからこっちを覗いてみました。あぁ、「非」に入っているんですね、なるほど。 僕の本作への印象は、「非の打ち所のない、(いい意味での)産業ロックの手本」で、American Hard Rockの名盤です。上の方々も仰ってますが、とにかく前向きで明るい歌詞と、それを伝えるキャッチーこの上ないメロディー、それを更に強く印象付ける甘くて爽やかな男声コーラス、そのどれもが究極の完成度を誇っていると思われます。 AtitudeとしてのMetal、すなわち「でかい音、いかついいでたち、キャッチーさを排除したサウンド、技術の応酬、あるいは頽廃的で危ない匂い」に拘る貴兄には、このどれにも当てはまらない本作をお奨めは出来ません。ただ、Metalが齎すのと同等の、パンチの効いたサウンドによる爽快感をここで得る事が出来ます。