ちょっと思った事があるので、補足をば。 シンプルで、パワフルで、スピーディーで、メロディアスな本作は、これらのバランスをあらゆる「優劣」を超えて、僕は当時中毒になるくらい気に入ったのと、そのインパクトを未だに、彼らの以降のアルバムからは、残念ながら感じ取れずに居ます。くどいようですが、それは優劣ではなく、僕の心と共鳴したものなんですね。逆に、優れているから好きだ、と、言い切れないということでもあります。 彼らは本作以降、レーベルを変え、当然製作予算も増え、ストーリーも複雑化し、あらゆる点で本作より優れた作品を生み出していると思います。ただ、予算や技術や制作期間などで得た多くのものと引き換えに、何かを失っている気がするのですが・・・。それは例えば、Lord Of The Ringと言う曲の、本作収録版とForgotten Tails収録版の違いにも現れている気がするのです。
確か彼らの2nd。最初のイントロは、メロディーとシンフォニックな「予感」を感じさせるモノだったが、次に飛び出すのは、はち切れんばかりのエネルギーを内包した、荒々しいThrash/Power Metal Tune!! Voはかなり粗い、オープニングのサビの所なんて、コーラスが「崩壊」寸前だし、他にもあるけど。 疾走感のある曲は、その殆ど「無制御」に近いパワーが、なかなか格好いいメロディーの上で迸る。Voの粗さは、かろうじて疾走感に救われて聴けます。一流を求めるコレクタにはお勧めできませんが、Powerとメロディーは一級品、Voはマアマアでも良いか、という心の広いThrasherにはお奨めできそうです。
彼らとは、AXEのボビー・バースが親交があったと思いました。AXEは、CAUGHT IN THE ACT(CITA)にとって見れば、同郷の大先輩。しかも、CITAの1stに先んじて、先輩の意地を見せる名作をリリースしていました。 気怠くひたすら重い音が幅を利かせていた90年代、AXEを師と仰いだCITAは、砂漠の中のオアシス宜しく、美しいメロディーと叙情を兼ね備えた、貴重なGroupだったと思います。 GUILD OF AGESになってからの最初のアルバムは凄く気に入ったんですが。その後は・・・僕には、ちょっとCITAの頃の叙情性や泣きが減退してしまった気がします。どれも、平均を軽く上回る、良いアルバムなんですが・・・。
US的土着風フレーバーと、キャッチーな味を持った曲が、交互にでてきますね。このアルバム、KEELのアルバムよりも、随分聞き込んだ気がします。マークの曲作りの才能、そうですね、僕もここで開花したのでは、と思います。 僕は疾走感のあるFour On The Floor、アップテンポでエッジが心地よいTake This Heart Of Mineは、なかなかの曲と思います。コーラスが美しくて、叙情を感じることが出来ます。 これ一枚だけで、彼らが消滅してしまったのは、本当に残念でした。
全編、ツインリードgを主体にした、疾走感のある楽曲(といっても、IRON MAIDEN 'Aces High'~HELLOWEEN 'Twilights Of The Gods'位の速さ)が詰まってます。メロディックで小気味良い、正統派/パワーメタルの音です。テーマは中世の勇者関係のみにあらず、バイキング関連(9曲目)、現代のテーマも有り(5曲目)、そこそこ填ってる。 バラードは無い代わりに、曲中の緩急を付けることで、ともすると平坦になりがちなアルバムに、上手く起伏を与えている。本作ではKey/Synthは飽くまで隠し味で、それらが大々的にフィーチュアされたイタリアン・クサメタルに慣れた耳には、ひょっとしたら派手さに欠ける印象を与えるかも知れない。即効性にはやや欠けるかも知れないけど、聴き込むにつれて僕は味が出てきた感がします。 正統派をお捜しの人にはお勧めできそうです。今後も楽しみなGroupではあります。
アルバムタイトルとジャケットのデザインが、本作の雰囲気を代弁しています。 このバンドは、僕はどうも、鉛色の空と冷たい吹きすさぶ風が、とてもよく似合うバンドな気がしています。 優しい、心に沁みるメロディーを、淡々と時に激しく情感豊かに歌い上げる、ダレン・ワートンさんの歌心が熱い。メジャースケールの曲が多いのに、目頭が熱くなる感覚にも囚われたり。癒しのハードロック、だと思います。タイトル曲、Walk On Water、その他全編優しいメロディーに満ち溢れた一枚です。
若々しくって、粗くって、キャッチーな味もあって、湿り気もエッジもある。聴いていて気持ちのいい音の条件が、この一枚にぎゅっと詰まってます。恐るべきポテンシャルを秘めた一枚だったんですね。彼らはこの爽やかさのある音を、鉛色の空の下で作り上げたんです。アメリカナイズ?なんて、彼らの元々の持ち味を、安っぽい言葉で括ってくれるな。 >ばかぼちゃさん 変わり者、かもね。でも、僕もそうさ(^^)。因みに、僕が本作の次に好きなのがHigh 'n Dryだもんね。
僕なりの結論は、本作はまだ「変化への途中段階」で、4thと2ndの中間。曲ごとで見るといい曲もありますが、全体で見ると悪く言えばまだ中途半端な一枚と感じます。(あくまでも僕の個人の意見です、念のため) 僕がLEPPSに初めて触れた初めてのアルバム。雑誌上で僕はこのアルバムの評価を見たことが無くて、「USでチャートアクションのいいUKバンドの一枚」として、他には何の先入観も無く触れたのを思い出します。 僕がこのアルバムで好きになったのは、メロディーを彼らなりに煮詰めたと思うPhotograph、Too Late For Love、そして躍動感のあるStageflightでした。今でもいい曲と思います。でも、他の曲がどうも歯切れが悪い気がしました。悪くは無いと思いますが、躍動感も2ndの楽曲に比べ弱く、4th程の煮詰めきったメロディーでもなく、中途半端な気がしてしまって、好きにはなれませんでした。僕は、後追いで聴いた躍動感にこだわった初期か、大ブレイクしたメロディーの強い次作の方が、余程楽しめたのです。 僕が彼らのことをまず知って欲しい、と思ったら、僕がこのアルバムから紹介することは多分無い、と思います。悪くは無いんですけどね。
2009年10月リリースの1STアルバム。Metalcore/Screamo風味満載、オルタナ風味あり、かなりStrongなHeavy Metal Group。感じたのは、ALL THAT REMAINS辺りの持ちうる楽曲の展開力と図太さに、AIDENとかNATIONAL PRODUCTが持ち合わせるポップセンスと、クラシカルともいえそうな泣きを帯びたヴォーカルラインをグチャッと混ぜ合わせた、とてつもないインパクトを持ったバンドかも知れない、ってこと。 ひたすら図太く、ひたすらHeavyで、ひたすらHardで、で、Super Ultraメランコリック。本当にUSのバンドなの??と思える位、埃っぽさが無く、とにかくサビでの泣き方が半端じゃないです。どの曲にもちゃんと「ぐぐっ」と胸倉を掴まれて目の前で慟哭されるが如き、パワーバンドぎりぎりの濁声のコーラスが織り込まれてます。2009年の終わり近くに、凄まじい一撃です。これはまたもや、ベスト盤候補の一角に滑り込みそうな・・・!! Emoくてメランコリックなバンドが好きな人、売り切れ御免!?
強烈でもの悲しいメロディーが、分厚いギターリフとクラシカルなギターソロ、かなりメロディックなKeyで彩られている。Voの絶唱が、今日の人間世界の悲哀を歌った詩を突きつけてくる。必ずしも単調ではないリズムパターンは、でも複雑過ぎることはなく、聴き手を突き放すどころか、変調子は聴き手の注意を曲に引きつけるのに有効に利いている。 ドラマティックな展開を持った、良いメロディーを擁した良い曲と思います。確かにDTやインギーの良いとこ取りの部分が見えたり、4分44秒から32秒出てくるkeyソロは実はUFO 'Love To Love'のイントロをリズムだけ変えてそのまま使ってたりするけど、僕は「彼らなりの解釈」「素材の使い方」は十分美味しくて、素材の持ち味をうまく生かしていて、大好きです。'Love To Love'は、まあ殆ど「時効」でも良いかな。良い曲っすよ。ちょっと「原典」がはっきり見えすぎるので、★★★には出来なかったね。惜しい!!
DCさんの仰るとおり、前々作をパワーアップした感が有ります。判り易いメロディーに、パワフルで疾走している曲がありました。だけど、単なるメロスピにならない所が、彼らの音楽的なバックグラウンドなんだと思います。ネオクラシカル風味あり、プログレッシブ風味あり、そしてパワー感もあり、とても盛りだくさんで、聴き所満載なアルバムと思います。 Is Hell Without Love?やPerennial Questのような、疾走曲が、2ndあたりのスピード感を持っているのが驚きました。そして、やっぱりアルバム全体で、気を抜く所が殆ど無いのが見事です。昨年のうちにもし耳にしていたら、2004年ベスト盤候補には間違いなく挙がってきていたと思います。
Brutal Death Metal寄りの、Melodic Death Metal。IN FLAMES程甘くなりすぎず、CANNIVAL CORPSEほど或る意味「無愛想」でもない。ただ、人によっては「中途半端」と感じる人もいるかも。複数の雑誌でも、賛否があった様に見受けられた。僕はこの音も結構好き。僕はもちろん「賛」。 33分間はとにかくあっという間に過ぎる。曲間が無く、次々に曲が飛び出してきて、そのどれもが程良いメロディーと、Brutal Deathに通じるリフとリズムの切れ味を持ち合わせている。