このアルバムをリリース後、ジェフリアはロン・キールと接近するも、結局はHouse Of Lordsまで彼の雄姿を待たされることになる。もし、ジェフリアの3枚目が80年代のメタルバブル全盛に出ていたらどうなっていたのか? このグループの今日の評価も違うものになったのかもしれませんね。世界中のメロディアスロックファンから愛されるジェフリアの2枚目。1stほど、アメリカで売れなかったと言われるが、イタリアの名門、フロンティアレコード関連の商品が好きなメロディアスロックマニアにとってはマストな一枚でしょう。
動画サイトなどで先行配信されたタイトルトラックの『Firepower』を聴いた時から嫌な予感がしていた。その過去の財産を当てにした作風と、近代的なサウンドメイクによる奥行きのなさ、前作『REDEEMER OF SOULS』の時から、リフワークなどで顕著に感じられる、所謂、英国的な翳りと深みの欠如が相当気になる楽曲だった。『REDEEMER OF SOULS』はアルバム全体が70年代的スタイルに重きを置いていたので、古めかしい作風と近代的シャープな音像のリフと言うのも、新旧のサウンドを両立させたと好意的に受け止める事が個人的には出来たが、今回のような80年代的な、しかもJP自らが作り上げた純度100%のHM/HRサウンドとなると話が別です。その違和感を拭えないサウンドメイクと、過去の流用、その二点と折り合いをつけれるかが最大のポイントだろう。
速くないメタルは嫌いと言う事で、お知り合いからタダ同然で譲り受けたメタリカの最新作。ブラックアルバム以降、自力でアルバムを買った事のないワタクシですが、今作は名盤ブラックアルバムの流れを順当に引き継いでいるのは明白で、無駄な装飾を省き実にソリッドでオーソドックスなサウンドへと向かっています。自身が築き上げた様式を再構築、オーセンティックなスラッシュナンバー①、普遍的なメタルスピリット溢れる②と掴みはOK、ヘヴィなグルーブが心地よい③、シンプルに聞こえるが拘りの場面展開が初期の頃をダブらせる90年代以降のメタリカな④と流れ良く進み、安易な過去の焼き回しや、○○風で終わらない飽くまでも挑戦的な姿勢は流石の一言。 何故2枚組みなのかはよく分からないが、実は通して聴かないで分けて聴くとダレる事無くスッと聴けるから不思議なものですね。2枚目のラストに収録される『Spit Out The Bone』のカッコよさ足るや、クールなメタリカを存分に味わえますね。最近、パープルのトリビュートやロニーのトリビュートに寄稿したレインボーメドレー、メイデンのカヴァーなど、その影響があったのか、ここまで正統性の強くメタルナンバーをやってくれるとは夢にも思わなんだ。 メタリカがスラッシュメタルバンドだったのは80年代の話、25年以上も前の事である。そろそろ、その呪縛から解き放たれてほしい。それでなければブラックアルバム以降が何だったのかって事になりかねないのでね。 ボン・ジョヴィしかり、エアロスミスしかり、メタリカも、その存在がジャンルだと思いますので、それほど世界的成功を収め誰にも属さないオリジナルティを高めたのですからね。 個人的にはウンコみたいなC級、D級メタルを愛する貧乏耳ゆえに、今のメタリカは高尚過ぎるので熱心に耳を傾ける音楽性にはなりませんが、このタイミングでど真ん中のメタルスピリットを貫いてくるとは思いもしませんでした。そんなに激烈に走らなくともヘヴィだし十分スリリングだし、楽曲、演奏もタイトで無理なく設計されていますよ。
配信盤が出ないので、我慢しきりれずに高価なボックスを買ってしまった。久々の大物買いである。個人的にはせっせと、彼らの作品をコンプリートしたので、大きく購買欲を擽られた商品ではないのだが、デジタルリマスターと大好きな4曲入りEP『Dog Fight』や貴重なシングル盤の『Dog Fight』がCD化された事は喜ばしい事だ。特にEPは名曲がずらりと並ぶライブでも定番の名曲集。 アグレッシブな『Metal Saber』やブルージーで感動的な『Water Night』、ダンサンブルな『Stop the Motion』、メッサーシュミットカミン、空を見ろ『Dog Fight』が高音質で聴けるのが嬉しい。 他にも未発表のライブ音源もあり、やはりマニアにとっては興味を擽られる一品だ。また新規さんには、このセットで彼らの魅力を文字通りコンプリート出来るのも素晴らしい出来事であり、手が出しやすい商品である。
BURRN!の藤木さんも同じ苦情を寄せていたよと、お知り合いに教えてもらったのだが、実はライブDVDに収録されているAll Night Metal Party '84 to '85の映像がイマイチ良くない。何故か音質が劣化しているのだ、映像も粗いしね。マスターテープの問題だろうが、今のテクノロジーなんで、もう少し立体的な音像で再現して欲しかった。
のちに売れすぎた為にバンドの本質がすっかり見えなくなったバンドの代表格。GUN'S N' ROSESなども同じような枠組みとなるだろう。神格化されすぎたバンドの悲劇をこのバンドから見てしまう。メンバーのスキャンダラスな人生をみれば尚更、不憫に感じてしまう。大きなイメージの中で大金が動き、自分達を見失ってしまった。純朴な青年達が翻弄された人生。クィーンなんかよりもよっぽど面白い映画が作れそうな気がする。
①ANTHEM『HERALDIC DEVICE』 ②SABER TIGER『PARAGRAPH4』 ③OSSIAN『A Szabadság Fantomja』 ④SYU『CRYING STARS~STAND PROUD!』 ⑤RAGING FURY『DEAL YOU A FATAL BLOW』 ⑥Tribute to SEIKIMA-II『悪魔の契約書』 ⑦GREAT WHITE『GREAT WHITE』 ⑧ANVIL『JUGGERNAUT OF JUSTICE』 ⑨DIO『MASTER OF THE MOON』 ⑩ACID『MANIAC』