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DALTON - Injection ★★★ (2024-12-18 16:25:23)

懐かしきドンシャリサウンドに、なんだか恥ずかしい気分を味わいますが、これがこの時代のメジャーロックサウンドです。適度にハードでブルージーな味わいも乗せて、北欧風のクリアーなクリスタルサウンドを披露。その煌びやかなキャッチーさと、少々力みすぎだが、シンガーのボー・リンドマークによるジョーイ・テンペスト、タンスを担ぐ(by大川栄策)ばりの力入りすぎに、苦笑いも出るのだが、とにかくゴージャスな空気感と、この時代ならではのキラキラなサウンドに、懐かしさを覚えますね。

④みたいな曲は狙いすぎのやり過ぎ感マックスで賛否も分かれるだろうが、メロデス大国になる前のスカンジナビアロックの真髄を、ここから感じ取って欲しいですね。売れ線サウンドなれど、扇情的なスウィートメロディ、そして夜空に輝く天翔る星達、このファンタジックなオーロラサウンドに、お国柄を感じます。

久しぶりに聴きましたが、やはり少々too muchなんですよね。これがガンズブームを呼び込む前触れでもあるのだろう。ワタクシも、この時代直撃世代ですから、世の中に充満しつつある、メタルバブルに辟易としていた時代を知っています。だからこそ、スリーコードでいい、小難しい事も売れそうな方程式を当てはめた曲とは一線を画す音楽が求められたのでしょうんね。

でもこうして、30年以上前の作品を感嘆に聴ける若い人たちが羨ましい。あの時代の思いっきり吸い込んで欲しい。老いも若いも楽しめる、80年代ならではの硬軟交えたハードサウンドを楽しめるでしょう。


MARSEILLE - Touch the Night ★★★ (2024-12-17 04:38:11)

1978年に1stを翌年には2ndをリリースと順風満帆なデビューを飾る。時代はまさにNWOBHM、その勃興期に彼らの波に乗るのだが、レーベルがあえなく倒産。失意の中、サポートツアー中にバンドは活動停止を余儀なくされる。レーベルとは諸処の問題を訴訟する形となり、このバンドは完全に忘れ去られてしまった。
今作は、1984年にヒッソリとリリースされた3枚目。メンバーチェンジも行い、満を持しての仕切り直しだが、余りにもマイナーなレーベルからのリリースでは、厳しい環境を打破できなかったろう。日本でもゴット伊藤から低評価を喰らい息の根を止められるのだが、英国ロックが好きな人は、今作に流れる正調英国式叙情派ハードサウンドにグッと引き寄せられるでしょうね。ナザレスと同じレーベルからのデビューだっただけに、音楽性も近いスタイルでしたが、彼らはNWOBHMの流れを組むサウンドを引っ提げ再デビューを果たすことに成功。

NWOBHM四天王みたいな日本独自の大嘘解釈。所謂、レコード会社と結託して談合を重ねた戦略でアーティストを売ろうとした罪は大きい。最近はTVをオールとメディアと叩いているが、それならば、脈々と続くマッチポンプはどうなるのか?このマスメディアの金儲け主義には辟易しますね。

今作はまさにNWOBHMです。洗練された叙情派ハードサウンド、少なくともワイルドホーシズよりは、圧倒的にNWOBHMの風を吹かせています。いまだにCD化もされていないし、日本では絶望的な知名度のバンドですが、ガチンコNWOBHMファイターならば、是非ともチェックして欲しいバンドですね。ピアノをバックに切々と歌い上げるバラードから、哀愁の叙情派ハードナンバーに初期の匂いのする古典ロックまで多様性もバッチリ補完した英国ロックにグッと引き寄せられるでしょう。40点代ってことはないわなぁ。


JOAL - Joal ★★★ (2024-12-15 18:13:27)

アネット・スタンゲンベルクことジョアルのソロアルバム第一弾。トミー・ニュートンとトミー・ハンセンの全面バックアップを受けて制作された今作。彼女がかつてコーラスとして参加した縁なのか、先にこれがあるから参加したのかはよく分かっていないが。ドイツのWEAからリリースされているだけに、クオリティは上々。ポジティブな空気に包まれたコマーシャル性の高いハードサウンドを展開。
主役は彼女の歌声だが、適度にエッジの効いたハードサウンドは、メロハーマニアには、十分に訴求するだけに魅力がある。
少々、個性不足な歌声かも知れないが、力量はソロは出すに至っているだけに、あとは趣味趣向の問題だろう。ハートのカヴァーソングBarracudaも、そつなく歌いこなし、ハードロックシンガーとしての資質の高さを見せつけた。器用ですよね。ブルースだってお手のもんですもんね。

個人的には総じて及第点は超えているが一発ホームランというのがない。キレイなセンター前ヒットで得点を重ねているので不満は少ないが、お前はこんなもんを聴いて喜んでいるのかと言われると、チョイと困るのだが、こういう唄モノが好きなマニアならば、硬軟交えたコンパクトな楽曲に味わいを感じるでしょう。バラード系も上手く歌うしね。ハイトーン系じゃないのも好感が持てる。中低音域で勝負できる女性シンガーなんですよね。


CHILDS PLAY - Rat Race ★★★ (2024-12-15 17:54:39)

90年にChrysalisからデビューを果たしたUS産のHM/HRバンドの1st。自主制作したEPからも選曲されているが、このバンドL.A風味のスリージーさも加味されているが、ブルージーな味わいの中に骨太なロックサウンドを上手く練り込み軽薄に聴かせないバランス感覚で勝負している。
L.AガンスやKIXと言ったバンドの要素が強く、ガンスシンドロームに陥っていない。
ポッと出の新人ではないので叩き上げた腕がある。その見せ方の上手さと配合比が評価を別けるだろう。やはり、どこか個性不足というか、置きにいった感は否めないのだが、それでもダイナミックなハードサウンドは硬派な男の匂いを漂わせ、女子供を相手に金儲けをするだけではない、本格派の片鱗が見えているのに好感が持てる。まぁメディアからの評価が結審する風潮があるだけに、この音が高評価を得られるとはお思えないので残念である。
ドラマーがほとんどの曲でクレジットがあり、ドラムソロも披露したり、⑥と⑩でリードヴォーカルと担当と、バンドの主導権はドラマーにあると思うのだが、ギターを弾きリードヴォーカルも担当するブライアン・ジャックは、今作を最後にバンドを脱退。ソロアルバムをリリースしています。そのソロがメロディ派マニアから高く評価されサブスクでも見つけられないので、高額商品になっています。

このバンド、メジャーではないかもしれないが、実力は十分にある。適度なコマーシャル性、アメリカンロックの王道からブルース、そして少々匂わせるパンキッシュな響きと、上手くミックスして味付けも上々と個性を見せている。国内盤も出ているので、一定のクオリティは保持しています。やはり技術的に安定しているという点が大きいですよね。POISONとか下手だったもんなぁ。


JUDAS PRIEST - British Steel - Steeler ★★★ (2024-12-15 09:47:50)

デジタルリマスター盤を聴いているせいで余計にメタリックな質感が強まっている
80年代の頭にこの音を出したバンドとスタッフの努力による賜物だろう
今聴いても古くさくないのは正統派メタルの雛形のような楽曲だから
流行を追いかける人には古いだろうが
クラシックメタルのカッコ良さを体感させてくれる
ドラマーの交代がもたらしたものは大きい


JUDAS PRIEST - British Steel ★★★ (2024-12-14 11:40:04)

ワタクシのJP初体験は復讐の叫びという邦題がなんかカッコイイSCREAMING FOR VENGEANCE、そして次作のDefenders of the Faithだった。ヘヴィメタルの聖典として、多くのフォロワーを産んだ名盤。そして、80年代に巻き起こるハードロックからメタルへの移行、その時代の象徴となる作品が今作だと教えて貰ったが、国内盤はUS盤仕様と同じくBreaking the Lawから始まるという構成が良くなかった。
余りにも単調なリフとリズム、妙なキャッチーさ、そしてソロはブワーッと弾くという流れ、あと銀行強盗に押し入るショーもないPVも更にマイナスで、ライブではテンポアップしてやったが、アメリカ仕様なのだろうがオープニングナンバーとしては弱かった。特に2曲目のRAPID FIREがカッコ良かったので、絶対にオープニングはコッチだと思う。
しかし、本来は②がオープニングで①が3曲目だと聞いて妙に納得した。そしてそういう曲順にして聴くと実にシックリくる。エッジの立ったメタルギターとリフ、そして加速化したサウンドの①からミドルに②へと流れ、哀愁のメロディとキャッチネスさを意識した③は実にハマっている。
だから④のGRINDERもシンプルに力強く刻まれるリズムとリフに耳が持っていかれる。サビメロが印象的なスケールの大きい⑤、オリジナルの6曲目はYou Don't Have to Be Old to Be Wise、7曲目がLiving After Midnightとなる。正直、この並びでは⑥は地味に感じるが曲自体はコマーシャル性のある曲であり、次作以降に引き継がれるアイデアの雛形だ。
今作は、今聴いても新鮮さがある。そのフレッシュ感の正体は、音楽に対する忠誠心だろう。邪な感情ではなく時代を見据え対峙した中堅バンドの捲土重来とも言うべき、渾身の一枚。その狙いすました音楽性は、新時代の幕開けに相応しい勢いとハードエッジに富んだ作風だ。

売れたいだけではない。新しい事に果敢に挑戦したバンドの気概に胸打たれる。初期の作風と明らかに一線を画すサウンド。暗く湿った英国ロックとは違った味わいを明確に打ち出すことで、彼らは新時代のトップランナーへと躍り出た。

CDなんて今はほとんど買わないのだが、今作は30THアニバーサリーエディションと購入した。既に所持していたモノとは曲順も違うしボートラも追加、なによりDVDの内容が熱い、メンバーのインタビューも興味深いが、やはり30THアニバーサリーを祝うアルバム再現ツアーだろう。国内盤しか知らない人にはRAPID FIREでの幕開けに違和感はあるだろうが、個人的には、忠実な選曲によるライブには興奮させられた。

今や共演不可能なグレンとKKのコンビを見れられたのも貴重。ライブにおけるフォーメーションプレイもカッコイイ。これぞJPのステージだ。現在は廃盤だがどうせ買うならCD+DVDの2枚組だろう。曲順も好みなのでね。

そしれにしても、今作の投稿をしていなかったとは?ニワカに信じられん。けっこう消えているからな過去のレビューがさぁ

余談だが、伊藤政則のライナーが熱い、当時メディアは好意的に扱わなかったメタルブーム。そういう人たちに恨み節を書込むゴット。いまでは逆の立場になったのだが、彼の純粋な思いと汚名を雪ぐとも言わんばかりの熱量の高い文章に驚いた。1980年リリース当時のライナーだからこそなんだろうけど、目を通す価値はありますね。


JUDAS PRIEST - British Steel - Rapid Fire ★★★ (2024-12-13 15:33:43)

オリジナルのオープニングナンバーはこれ
これを聴くとメタルの幕開けを感じる
NWOBHM勢に触発され加速化したJP
アルバムタイトルをイメージさせるオープニングナンバーだ


SINNER - One Bullet Left ★★★ (2024-12-10 08:24:09)

弾丸が放たれる銃声の音で巻くが開くSINNER流メタルをオープニングからぶちかましてくれます。お得意のアイリッシュなメロディはTHIN LIZZY謹製のスタイル。またやっているよ、なのか、よっ待ってました、なのかで大きく評価も分かれるが、メロディアスな二本のギターを軸にメロディアスでキャッチーなサウンドを展開している。シンプルなリズムだが抜けの良い音も手伝いパワフルなリズムもバンドサウンドを底上げ、軟弱に感じさせるポップテイストを上手く中和させ硬質感を強めているのは正解。
このバンド、特有の魅力たるメロディアスかつハードな面を強調している。だからスティーブン・スティーブンスのカヴァー、Atomic Playboysも違和感なく溶け込んでいますよね。まぁビリー・アイドルのカヴァーもやったバンドだけに、こういう選曲には違和感がなく、これもマット・シナーのセンスなんだと、このバンドのファンならば嬉しくなるでしょうね。

とにかくギターが派手です。そのギターワークに耳がもっていかれますが、如何せん斬新さというものはなくお約束感が強すぎるので、こうなると14曲は多いと感じるのが評価を別ける最大のポイントでしょう。でもSINNERファンならば大歓迎なんでしょうね。
部外者にはチト、飽きる面は否めませんが、シナー流メロディックメタルを極めたと思わせる作風。特に初期の頃から支持しているマニアには、このアイリッシュフレーバーたっぷりのメロディはたまらんのでしょうね。

ここで登録されている14曲入は配信されていないので12曲目までしか聴いた事ありませんが、コアなファンはCDいきますよね。ずっちぃなぁ。


MOB RULES - Savage Land ★★★ (2024-12-10 07:56:34)

ブラックサバスのアルバムからバンド名を拝借したジャーマンパワーメロディックメタルバンドの記念すべき1st。自主制作ながらEPもリリースした実績があり、ポッと出の新人という訳ではないが、この手のサウンドが好きな人には、たまらないお約束の展開、そしてハイトーン系のシンガーというのはドンピシャとなるのでしょうね。

この手のバンドにありがちなシンフォニックなキーボードでキラキラする場面よりも、シリアスでヒロイズム漂う風情と展開する楽曲構成が合致しており、ここ日本でも多くのマニアを歓喜させそうなスタイルである。この手のバンドに詳しくないので、彼らが大パクりをやっていても全く気がつかないのだが、本日のオススメで聴いてみてねと、進められたら気軽に手を出しますよね。

エレガントな空気を運ぶストリングスアレンジも決まり、繊細な節回しのシンガーも貢献、野太い声だと少々暑苦しくなるので中和しているが、やや線が細いと感じるマニアもいるだろう。しかし、アレンジがしっかりしているので問題はない。
また、単純に走るだけのメタルでも、ハロウィーン直系のシュラガーメタルもやっていないので、このフォーキーさを取り込んだ欧州仕込みのサウンドはデビュー作ながら堅実なプレイを見せてくれた。

AXXISとか好きな人には共通点も多く、勇壮なヒロイックメタルを聴くと甲冑に身を纏い戦場に赴きたくなるマニアも続出するでしょうね。個人的には日頃貧乏臭い四畳半NWOBHMばかりを聴いているので、このアルバムでも十分にゴージャスに感じてしまうので、のめり込めないのだが、日本盤も出ていなくて、日本ではイマイチ人気が無いというのに驚きましたね。どこかでとんでもないやらかしを、やったのかね。ちゃんと疾走ナンバーもあるしね。親しみやすいサビメロもあるし、真摯な姿勢は日本人に共感されると思いますけどね。

ただで視聴できる環境があるだけに、適度なフォーキーさとヒロイズムを感じさせるジャーマンメタル、是非ともトライして欲しい。
中盤の組曲とか好きな人、多いと思いますよ。


SKULL - Skull II: Now More Than Ever ★★★ (2024-12-05 04:45:37)

苦難の上にリリースにこぎ着けたと言われる1st。その道筋も虚しくグランジ/オルタナムーブメントに飲み込まれ彼らの生きる道は別のルートを辿る事となる。今作は、そんな時代の翻弄されたバンドが作り上げた渾身の力作であり時代が8年違えば話題になっていたであろう。充実したものである。まず攻撃的なオープニングナンバーはボブ・キューリック以外に、リッチー・サンボラ、ジョン・ボン・ジョヴィ、デスモンド・チャイルドのクレジットがある。このチームがこんなMSGのインストナンバーみたいなヘヴィなリズムが心地良いハードソングを送り出すとは驚きだ。
他にもチャック・バーギの曲はマーク・フェラーリなんかの曲もあるし、ボブとデニス・ST・ジェイムス、アダム・マイケルなど、作曲人にも目がいくのだが、前作同様、メロディックでハードなアメリカンロックを全開でやり切っていた。
その清い姿勢はハードさを損なわないアレンジと、大衆の心を掴めるキャッチーさと健康的なコーラスワーク。腕利きのメンツだからこそ成し得る完成度の高いサウンドは、王道を外さないツボを押えたアレンジで魅了。
ギターのボブはテクニックに埋没しないリードギターで魅了。バンドサウンドを牽引する存在として変化自在のプレイスタイルを披露している。
流石はミートローフやマイケル・ボルトンなどの仕事でも知られる存在であり、KISSファミリーに名を連ねる逸材である。

一歩間違えば大スターになれた存在だが、運も実力のうちという事象を具現化した男であろう。

今作は2枚組でのフルボリューム。国内盤は無しですが、配信盤がありますのでお気軽にお楽しみください。やはり正式な音源ではないという事は頭に入れておいて貰わないといけませんからね。でも完成したらさぞや壮快感のあるダイナミックなアメリカンロックを楽しめたでしょう。
歌が上手いからねぇ。この音楽性が成立するのよ。もう少しで押しつけがましくなる芯のある歌声が絶妙な男を出している。

2枚目は完全にデモ&リハーサル音源。一枚もラスト4曲はデモ、でも、その音源も貴重で、オマケ程度では済まない曲も多々あり、改めてボブ・キューリックと、その仲間達によるバンドサウンドの魅力にグッと引き寄せられましたね。

惜しいバンドだわ。そしてこういう見果てぬ夢なる作品は、世の中に沢山あるのでしょうね。もっと聴きたいですねぇ。もっと知りたいですね。ボン・ジョヴィファンは、まずは①の為に聴くべきですよね。もうあり得ないリッチー・サンボラとジョンの組み合わせですから。
いい曲ですからね。この二人がBON JOVIというバンドで出している音が全てじゃないと教えてくれますから。

久しぶりに聴きましたが改めていいアルバムだなぁ。すっかり忘れていました。CD買わないから覚えられないのよね。持っていないとダメな弊害なんですが、火薬さんのおかげで思い出しました、thanksです。


LEATHERWOLF - Kill the Hunted ★★ (2024-12-03 22:14:46)

オープニングナンバーを聴き、まずは一旦停止。これがあのレザーウルフなのか?同名異バンドかと思うほど、ムッチムチの剛毅なアメリカンメタルに変貌している。このバンドと言えば、暗く湿ったメロディ、あの濡れていないが湿り気のある光沢艶めかしい、あの緻密で豪快なサウンドが売りだったのだが、今作では主要メンバーが抜けているために、表現方法が違う。サウンドメイクも往年のものではないので、違和感は強い。

あの光沢艶めかしい硬質感がなくなればレザーウルフ感は後退なんだが、曲によっては感触も違うので、違和感を感じるならば飛ばして聴けば問題ないだろう。シンガーも変ったし、時代も違うのだから違和感は致し方ないでしょう。癖の強い面を武器に、従来の魅力である正統性の強いサウンドもあり、やはりこのバンドはこうでなくてはという存在感を示している。まだこなれていない部分も散見されるが、まぁねぇ。個人的には、日本盤のボーナストラックであり、現在はシングルとして配信されている初期のリメイク作Thunder (MMXXII)が、一番レザーウルフしているなぁと納得したのが評価を別ける最大のポイントだろう。
やっぱりこのバンドはThunder (MMXXII)の音楽性とサウンドメイクに尽きるでしょうね。オープニングナンバーってヨーロピアン調の哀愁パワーメタルとはもっともかけ離れた曲だったからねぇ。それが新生サウンドなんだけど、そうなると、往年のファンを歓喜させたリメイクは入れない方が良かったという問題が頭をもたげる。
難しいねぇ。やはり自分たちの音を持っていたバンドの苦悩。何に期待をして何を聴きたいかですよね。速ければ何でもいいという耳はもっていないから厳しいが、2022年仕様と捉えると好意的に聴けますよ。


DEMON BITCH - Hellfriends ★★ (2024-12-03 21:53:09)

アングラ地下室サウンドを展開するアメリカのバンド。時代はまさにNWOBHMとも言えるカビ臭い根暗なサウンド。音質的には褒められたものではないのだが、あえてアナログな低予算サウンドを作り上げたのだろう。
雪崩式なキレの悪いリズム、どこに向かうのは分からない不安定に感じさせるヴォーカルパフォーマンス。とにかく音が悪い。分離の悪い音を出すのは現代的なテクノロジーを上手く引用して、昔の音を再現しているという理解をしているが、全力でこれならば厳しいのだが、とにかく、レトロなサウンドに驚く。
安いジャケ絵、そして嘘みたいなバンド名と、なんかこうtoo muchなんだが、好きな人には離れられなくなるような中毒性が放たれている。
オカルトテイストと、攻撃的かつスピード感を大切にした疾走パート。本当に、80年代の国産メタルバンドのデモ音源でも聴いている気分なんだが、こういう音源が配信され一定の支持を受けていることに驚きを隠せない。

本当に極端な現象だが、アメリカでも地下室メタルを好むマニアはいて、彼らは激しく静かに現代を拒絶しているのだろう。大いに共感するのだが、曲作りの演奏も、もっと慎重にと言いたいのだが、この疑似スタジオライブ録音みたいな作風は狙ったのならば、自分たちのスタンスを伝えるのには効果的なインパクトを残したろう。

好意的に評価するならばDEMONのアメリカヴァージョンだろう。とくに初期の3枚からの影響と言うがイーブルタッチな感性は共鳴している。好きモノにはたまらない音だ。メインストリームからもっとも遠い位置にあるアメリカ産NWOBHMに真のグローバルを見ますね。


Death SS - The Story of Death SS (1977-1984) ★★★ (2024-11-30 17:40:19)

イタリアンメタルの古豪。黎明期を支えたバンドのコンピ作。デモやシングルにEPなどをひとまとめにした一枚。まだ完全に音楽性が定まっていないのだが、1977年からの音源があるようにNWOBHM勃興前からイタリアのハードシーンを動かしていた事になる。そのサタニカルなイーブルサウンドは禍々しいダークサイドを演出。ローファイな音質が逆に、妖しげで不気味な世界観を濃密に映し出している。

彼らがサバスからの影響も強いしグラム系から少なからず音楽性は抽出されている。そのヴィジュアルから色物感が漂うのだが、それも逆に見世物小屋的な背徳感を煽り、音楽性とマッチしている。時代に合わせ変遷する姿、シンガーもポール・チェーンと活動と共にするサンクティス・ゴーラムの歌声が聴けたりと、レア感が強いのもポイント。インダストリアル系にまで発展したバンドの初期音源、それはイタリアのジャーロ映画にも通ずる血なまぐさい狂気と知的好奇心を擽る猟奇的な暗黒面を描いている。芝居がかった語りが一層、そのミステリアスな世界へと聴き手を誘いますね。


Hard Boy - See Through ★★★ (2024-11-28 01:53:53)

タイ産のグラム系ハードサウンドが売りのバンドによる2024年にリリースされたフルアルバム。何人編成かも良く分からないが、日本人好みのメロディアスなハードサウンドを展開、情念を漂わせる熱唱は日本の演歌にも通ずるモノがあり、アジアンロックとしては同系統と言えるだろう。
それだけに、この洗練されたサウンドメイクは、日本人好みのなれど、実は日本では見当たらず、アジア圏では重要なピースを埋めていると言える。まぁ、アジア諸国のロックに精通している訳ではないので、大風呂敷を広げるつもりはないのだが、彼らは少なくとも二昔前の東南アジア系の、二線級扱いされるようなバンドではなく、むしろ現代のバンドが忘れている大切なものを、純粋に育んでいる。

こんなもん単なるL.Aメタルのパクりだろ、と言われると返す言葉は見つからないのだが、個人的には、たまには頭を空っぽにして理屈抜きに、壮快感たっぷりなロックを聴きたいと思う日がある。この雲一つない青空の如き健康的で爽やかなサウンド、そして適度にハードで抜けのイイ音は、往年のヘアメタル勢よりも洗練されており、恥ずかしくて全力でやれないよと言うような音を全力で鳴らしてくれる。

突き抜けるハイトーンも嫌味がなくヒステリックになる手前で止めてくれる。ギターも巧者、鍵盤プレイも裏で心地よく鳴り音楽性を広げている。リズム隊も元気いっぱい、この洗練されたハードサウンドに重量感をもたらしている。まぁ歌を聴かせつつ、バラード多めでもギターオリエンテッドな作風なのがいい。アニメの主題歌やエンディングテーマに選ばれても違和感のない楽曲もあったりと、もし90年代にメタル系バンドがグランジに汚染されなければ、こういう音になっていたんだろと思うような懐かしさがある。

良い意味での歌謡テイスト。アジア圏ならではの味わい。まるで○○のようだとか粗探しをしない素直な心持ちのマニアには聴いて欲しいですねぇ。サブスクなら無料でしょう。フロンティアとかと契約してもおかしくないバンドサウンドですよね。
タイ語と英語が混じるのですが、日本人なら違和感ないのでは?ワタクシは何十年国籍を問わず音楽を聴いていますが英語の訛はサッパリ分かりませんので、違和感はありません。以外と日本語よりもハマっていると思いますね。


CRYSTAL BALL - Secrets ★★★ (2024-11-27 21:53:30)

チョイセクシーでミステリアスなジャケットが象徴するような北欧風の正統派サウンドを披露。今作はプロデューサーにマイケル・ボーマンを招聘と脱退したベースの変わりにベースも担当するという大活躍。
時代は2007年、既にもう似合わないモダン化をやめようという意識改革がアメリカ以外のシーンでは巻き起こり、この時代ゾクゾクと往年のバンドが再結成したり、アルバムをリリースしたりとメディア偏重の大パクリレビューアーでもなければ、その動きを察知した正統派&メロディ派のマニアは多数おり、彼らの目は輸入盤市場へと向けられていきます。
それだけに、今作における初期の作風に回帰したようなメロディックスタイルは大歓迎。このバンドの肝はネオクラギターではない、もっとオーセンティックで味わいのあるリードギターがいることが最大のポイント。ザラついたエモーショナルヴォイスが嫌いな人もいるだろう。
とくにハイトーン系が好きな人には受けないタイプのシンガーだが、彼のメロセンスや個性的な歌声はありがちなサウンドに楔を打ち込み、この声あってのクリスタルボールを思わせるから不思議だ。

鍵盤プレイもオーセンティックなサウンドに貢献、原点回帰の手助けをしているのだが、とにかくメロディの質やジャーマン仕込みの硬派さ、スイスという国の立ち位置も含めワールドワイドなメロディックメタルサウンドを構築している。適度な攻撃性、北欧寄りのあまみよりも躍動するキャッチーさ、そのバランス感覚に舌を巻きますね。とくに表題曲のSECRETSを歌う様などを代表にアンディ・デリスに被る場面もチラホラ見受けられるので、ハロウィーンが好きな人にも勧めたいですね。

2007年という時代が生み出した正統派サウンドの復権劇。今作はそういう古くて新しいサウンドを求めるマニアにはピッタリの音楽性でしょう。回り道を無駄にしなかったが、結局バンドは2013年までアルバムをリリースできない苦境に立たされました。難しいねぇ。バンド運営はさぁ。日本では受けそうだけど、このAOR調のハードサウンドって、筋金入のメタルファンからは軟弱に聞こえるからね。


SATURNA - The Reset ★★★ (2024-11-24 00:36:24)

スペインはバルセロナのバンド。日本での知名度はどの程度なのか知らないが、本国では古典ロックの新旗手として評価を受けている。そのサイケデリックなサウンドは、最新のテクノロジーのおかげで分離の良い音になっているが、パッと聴きなばら70年代のロックバンドとの出会いとして、興味深く耳を傾ける事が出来るだろう。

カヴァーディルとグレン・ヒューズの良いところ取りみたいな歌声も、古めかしい音色の中で効果的に機能。裏で鳴る鍵盤プレイもお見事で、ゲストプレイヤーとは思えないほど、バンドサウンドのアクセントとなっている。
こういう音は好みも分かれるが、彼らがカヴァーしたバンドの音を聴けば納得していただけるだろう。

古さに埋没しないフレッシュ感。狙いすました古典サウンドの中で躍動している。こういう音が主流になることはあり得ないが、ロックの持つ可能性と広義的な解釈を許していた時代。ときにはオジー・オズボーン風の歌声も絡め、独特の世界観を演出する彼らの腕は確かなモノだ。

ロックの持つエッジの立った切れ味と武骨さ、サイケデリックなサウンドは聴き手に酩酊感を漂わせ、ユラユラと揺らめいていく。多様性のある音楽性、一筋縄ではいかない守備範囲の広さ。自らを縛るジャンル別けなど不問のクラシックサウンドに唸ります。やはりポッと出の新人ではない積み上げたキャリアというものがあるのだろう。アコギも効果的だし、静と動のコントラストも見事。英国でもアメリカだけがロックではないという、この説得力のあるサウンドに唸る。全然バルセロナ感がないのも見事だね。

タイムスリップ感が凄いよ。DPやHEEPのサバスの音源と混ぜても気にならん、クラシックな音色に耳が引き寄せられます。優しいアコギの音色とコーラスワークを駆使した曲なんてHEEPじゃん。そしてアップテンポな曲に流れるなんてHEEPじゃん。だもんねぇ。


RECEIVER - Whispers of Lore ★★★ (2024-11-24 00:15:48)

キプロスからやってきた時代遅れのNWOBHM仕込みな正統派メタルバンドのデビュー作。ヴォーカルは女性で、少々堅苦しい歌い方をするのだが、このメイデンよろしくな古典的サウンドと微妙な組み合わせであり、ある意味、彼女の歌声がより古くさいテイストへと向かわせているのが思いしろい。
サウンドメイクも現代的なテクノロジーを駆使した80年代初頭のサウンドであり、その望郷感は哀愁のメロディからのたっぷりと漂っている。ギャロップするギターとスティーブ・ハリス風のランニングベースは、やはりメイデンだが、このバンドはもっと根っこのところで古典メタルをやりきってくれる。

その古くささが賛否を別けるだろう、しかし、時代の流されないスタイルというのは崇高であり、ある種の敬意をもつ身としては、こういうメジャーフィールドから相手にされない音源は大好物だ。全く雑誌を読まないので時代の流れを知らない、そもそも興味がないので感化されない。時代遅れで構わない。むしろ好きでないバンドを雑誌が褒めたからといって、今まで聴きもしなかったメタルコアを急激に褒め出す高齢者を見るほど辛いモノはなかった。

このバンドは嘘をつかない。しかし新しい発見もない。過度のスピード感や親しみやすいキャッチーさでお茶を濁さない。それだけに聴き手のバックボーンは重要だが、こういうアーティストをチェックする人は流行廃りとは無縁である。
走り出しそうで走らないメタルは、ある意味エピカルな要素もあるのだが、もう少し歌い手の声に幅があればいいのだが、どれもが似た歌い回しになるので、一旦見失うと似たような曲を永遠と聴かされる気分を味わうのも初心者には勧められないポイントだが、古典派のマニアには、この古めかしい音色には愛着を覚えるだろう。
キプロスからまた有望株が現れた。この荒涼とした歌声も、古典サウンドには似合いっている。


SAVAGE MASTER - With Whips and Chains ★★★ (2024-11-20 02:33:44)

オールドスクール臭が充満するオカルトメタル番長。Cirith Ungolなどのシケシケカルトメタルからの影響も強い古典も古典のスタイルを継承する希有な存在なのだが、まぁ胡散臭いですよ。
ヘタウマ感マックスの歌声と、回転するリフワークと酔いどれリズムが醸し出すヘヴィグルーヴ。時にはスラッシュ勢からの影響も垣間見え、このバンドのルーツたる音楽性に懐かしさと同時に共感を覚えますが、なんと言っても危うい演奏と、嘘くさいカルトメタル臭がとにかく、地下メタル感を強めている。それ故に好き嫌いはハッキリと分かれるタイプの音楽なのだが、好きモノにはたまらん中毒性があり、前作からしっかりと成長の跡を見せ求心力を強めているのもポイント高し、とはいってもカルトメタル界隈での話なので、大手レコード会社リリースの作品に慣れ親しんでいる人には敷居は高いでしょう。
またスピードだキャッチーだなどが最重要課題な人には、まったく見向きもされないバンドである。

この邪悪なるNWOBHM仕込みのアメリカンマイナーメタルは、ある意味、一つの系譜でもあるだろう。こういう音を現代に蘇らせ再興するのは不可能に近いのだが、自ら愛するモノを信じ実直に行動する姿は実に清く正しく美しく見える。ヘヴィメタルの暗黒面をフィーチャーした。毒気のあるサウンドはAngel Witchなんか好きな人にも刺さるでしょうね。

この嘘くささがたまらん。ルーズでいなたいパフォーマンスには魔術的な魅力を感じる。やはり自分たちの音を持っているバンドの強みを感じますね。


ERIKA - United States Of Erika ★★★ (2024-11-19 02:03:09)

なんか凄いアルバムタイトルですよね。そしてアンチェイジングのしすぎで、ちょっと怖い顔になっているのですが、高嶋ちさ子とかも怖いでしょ。カッパの親分さんみたいなんで、敬遠したくなるのですが、無料で聴ける環境なので簡単に手を出せます。
本日のオススメという事でしたが、エリカ嬢が北欧メロディックスタイルとハードなサウンドをハイブリッドさせた歌モノロックで大勝負。オーセンティックさと、現代的なテクノロジーを活かしたサウンドは、彼女の歌声とメロセンスを活かした独特の世界観を構築。

思わずエリカ様と、顔面を踏みつけられたくなるのですが、ダークでメランコリックなサウンドは高圧的で支配的な響きを持っており、聴き手をひれ伏すだけの迫力がある。あの顔を頭に浮かべると余計にそうなるのだが、やはり歌メロの持っていき方が彼女らしい。衰えを円熟味に変え、バラードなどでは、シットリと迫ってくれる。

テクノロジーの恩恵と発達を享受したサウンドは、ジャンルや時代を超越する魅力がある。なにより彼女のキャリアを総括するような硬軟交えたハードサウンドは、過去イチ攻めた印象を与えてくれた。4分を越える楽曲は1曲のみ、あとは3分代というのも聴きやすさに拍車を掛けている。

北欧メロディックスタイルとしては1stがイチオシとなるが、今作は彼女の代表作と言えるクオリティとバリエーションの豊富さを有している。なによりハードさに重心が掛っているのも、メタル系を愛する人にはありがたいだろう。

何を聴きたいかで評価も分かれそうだが、彼女の代表作となる強烈な一枚であろう。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Kanto 宣戦布告 Kansai ★★★ (2024-11-17 18:01:22)

関東のバンドと関西のバンドが対峙する構図のオムニバスアルバムだと思っている。ちなみにアナログ盤しか存在しない1985年リリースの企画モノだ。

収録曲とバンドは下記に
1.Slayer - Shoot Down Tokyo
2.Slayer - Hurt Angel
3.麗's - Requiem
4.麗's - Resurrection
5.Storm Bringer - ラブ ファイヤー
Side B
6.Virgin Killer - Midnight Lady
7.Virgin Killer - Break Down
8.Pandora - Kiss and Kiss
9.Pandora - Romance Messenger
10.Storm Bringer - ダークスカイ


関西勢がSlayer (OCTAVE-4,若干17歳新生登場) Storm Bringer(ダークなHEARTに熱い想い) Pandora(KOBE LAST HERO)
関東勢が麗's(AGE16' HARD ROCK ROMANCER debut) Virgin Killer (女学生よ覚悟しな) 
ちなみに()の文章はジャケットに載せられた各バンド紹介文である。

若い本当の新人と、ある程度キャリアのある若手バンドによるオムニバス。全員17歳と思わないし、16才のハードロックロマンサーは誰なんだ言う気になる点が多すぎるのだが、出している音は日本じんらしい叙情派ハードサウンドである。○○風が満載なので、まるで○○みたいだと、天下統一した気分で大口を叩くメディア論者は空気を読んで自ら出禁してくれ。

まずSLAYERであるがツインギター編成の5人組、これぞジャパニーズメタルなShoot Down Tokyoで幕開け、小気味よく刻まれるリズムと甘めの歌声、さざ波ヴィヴラードは気になるが、上手いことやり切ってくれる、歌詞も80年代的だ。何もかもが懐かしい、これを楽しめるオールドスクール大好きマニアならば、なんか嬉しくなるだろう。もうこういうの新譜ではきけんもね。Hurt Angelは日本らしい叙情派ハードポップソング。こういうのは欧米では目に掛らない。

麗's はキーボードを効果的に使いスケールの大きさを見せつけた、構成もちょいクドめだが聴かせてくれるRequiem。そして甘い歌声を活かしたドラマティックなハードナンバー、北欧風味を上手く乗せジャパニーズメタル万歳な叙情派様式美スタイルを確立。若さよりも渋みと完成度に驚きますね。ハードロックロマンサーに偽り無しです。

RAINBOWスタイルのラブファイヤーを披露してくれたのはStorm Bringer。バンド名からも漂う音楽性、ここまで聴いて男性シンガーは皆、似たようなアプローチの歌とメロを披露することに驚く。これが80年代中期のジャパニーズメタル問題なんだなぁと感じる。個性不足は否めないが各バンド、楽曲で色を付けている。このバンドもキーボード入の5人組だ。

⑥⑦を担当するのは関東の女性シンガー大沢恵子を要する正統派メタルバンド。スコーピオンズ風味とジャパニーズメタルを上手く掛け合わせたスタイルは、バンド名に恥じない。NWOBHM風味も取り込みキレのあるリフワークとハードなリズムで安定感を見せつけた。歌い手も一番安定感がある。

神戸のラストヒーローは⑧⑨を担当。参加バンドの中で一番迫力が足りない。歌い手も一番弱い。丁寧に積み上げた楽曲は日本人らしい情緒があるのだが、薄っぺらい音のせいでアマチュア臭が漂ったのはマイナスだ。この手のオムニバスあるあるの、各自の音を寄せ集めたが故の問題だが、もう少し工夫して欲しい。このまま発売した方に責任を感じる。

ラストは再びStorm Bringer。その前2曲が弱かったので、ラストはガツーンと決めて欲しかったが、そういうタイプの曲ではなく甘いメロウな曲であったが、彼らが悪いわけではない。ジャパニーズ様式美メタルとしては上々の出来映え、フルートのような音色がアクセントになっている。


この作品。未CD化だ。レーベルもよく分からない。それだけに再発なんて考えられないし、そもそも当時でも売れたのか?という疑問が強いが、とにかくマニアしか手は出ないだろう。

似たような曲調と歌唱スタイル。個性は薄めだが、それが日本の様式美メタル系ということなのだろう。資料としては実に貴重な一枚である。そして年に1回は通して聴きたくなる一枚だ。

くれぐれも類似性と稚拙な面を攻撃する輩は出入り禁止でお願いしたい。こういう音は好きモノ以外には受け入れられないものがある、その小さい共感性を大切にするマニアと楽しみたい作品だ。でもこれ、オークションサイトでは結構な値段が付いていたんだよね。いるんだよなぁ。好きモノがさぁ。まぁメディアに踊らされないヤツがホンモノですからね。


TZIMANI - I Feel Fine ★★★ (2024-11-17 17:13:31)

エディとセバスチャンのバスケス兄弟によるメタルプロジェクト。ドラムを担当するセバスチャン以外のパートはエディが担う方式ですね。ありがちなメタルプロジェクト。もはやテクノロジーの発達は目まぐるしい進化を遂げており、以前よりもズッと楽に録音することが可能。そういうテクノロジーの恩恵があるからこそ、お金も掛けずに簡単にレコーディングができて、才能さえあれば容易に作品をリリースすることが可能。現在は配信のみというのも現代らしい。

アイアンメイデンを初めにメタルの聖典に則ったマナーはまさにNWOTHMというスタイルそのもの、先人達の足跡を見定め古典サウンドを思いっきり踏み鳴らしている。なので、○○に似ているや、まるで○○だなどと、類似性をあげつらい、得意げになる自意識過剰な、いかにもライナーノーツ読み込んでいますなメディア論者は出入り禁止。

こういう古典を楽しみ作法を知らないと言うのはある意味可哀想ですが、相手には出来ません。正統派メタルとは似て非なるものを、どの角度と切り口によって構成するのか、押えるところは押え、自分たちの目指す方向性を明確にすることで指示が得られます。このバンドのご多分に漏れず、その王道路線を堂々と闊歩することで自らのアイデンティティを誇示、正統派メタルファンを大いに喜ばせるでしょう。

アメリカのバンドですから湿り気はありませんが、叙情味のあるメロディを奏でリリードギター、ザラついた歌声は専任シンガーではないので強弱という点では一歩劣るが、けしてクオリティを下げるモノではありません。ドラムはシンプルだが、ツボを押えたプレイで堅実なサウンドをより、強固な枠組みに仕上げており、硬軟交えたサウンドを支えている。

有名無名国籍問わず世界中に有数なバンドは数多います。問題は自分がなんに興味をもって音に触れているのかに尽きるでしょう。毎月発売されるメディア情報に踊らされる老害にはなりたくない。


CRYSTAL BALL - Timewalker ★★★ (2024-11-14 12:35:43)

前作同様ステファン・カウフマンのプロデュースによるフルアルバム。二枚目のモダン化が余程日本では不評だったのか、今作も国内盤は見送りという恐ろしい状況を迎えるのだが、作風的には前作よりも糖度の高い北欧風メロディが聴ける。そこにACCEPT風のシリアルかつ男臭い硬質感をプラスして、2005年風の正統派スタイルというのを築き上げた。このバンド、日本でいうところの様式系のバンドとは全然違うので、こういうACCEPT+北欧メタルという作風になっても大きな違和感はない。

むしろ時代を見据えて作風にシリアスさを重視したスタンスに切り替えている。鍵盤プレイも今回は前作以上に見せ場を設け、バンドサウンドを幅を広げてきた。オーセンティックなアプローチを助長させたステファン・カウフマンの眼力、キレイに弾くだけじゃない粘りのあるギタープレイ、正直もっとギターオリエンテッドでもいいのだが、それも2005年という時代背景なのだろう。

日本人にとっては、これくらい甘いの含んだメロディ、そのワビサビのある展開にグッと心も掴まれるので、国内盤のリリースがあってもおかしくないのだが、もう2枚目の失敗は許して欲しい。パワーメタル化してモダンになったのは、デビュー当時は爽やかなトレンディ俳優だったのに、知らない内に、萬田銀次郎になった竹内力くらいの変遷だったが、こうしてバランスの良い作風に戻ったのだから許されるべきだ。

あのアルバムのせいで日本では不人気の一途を辿り知名度は絶望的に低いのだが、いずれにしろ評価の全ては、どこに力点を置くかだ。このバンドがメロディックメタルと思うならば、前作よりもズッと感触は良くなった。局地的な音ではなくジャーマン風味も取り込むことでワールドワイドな音になっている。一流のプロデューサーの手腕は大きい。しかしパワーメタルが好きな人には甘口になったと悲しい気分になるかもしれないが、2005年の正統派サウンドとしては十分に及第点を超えている。

今はサブスクで無料視聴が当たり前の時代。若い人は是非ともトライして欲しい。


IMPELLITTERI - War Machine ★★★ (2024-11-12 16:00:49)

彼は常にネオクラ系のアーティストとの比較を余儀なくされる運命だった。とりわけ、グラハム・ボネットと組みRAINBOWのカヴァーをやったりと、イングヴェイのフォロワーのような状態になる運命を辿る。彼のギタープレイは根本からイングヴェイと違うのだが、その速弾きムーブメントに放り込まれた運命から逃れるのは不可能だった。
グラハムとは一枚で一旦、区切りを付け再びロブ・ロックを組むことで自分のサウンドを模索。二枚目では、お得意の速弾きを抑え音楽性の幅を広げることにチャレンジしたが、支持を得られずに大失速。
その苦難の道のりに負けそうになるのだが、90年代に入り日本のレコード会社を契約を掴み再び脚光を浴びる。勿論、アメリカではグランジ/オルタナムーブメントが吹き荒れ、90年代の中頃には大手CD専門店からメタル系のアーティストは棚から消えた。その現状をビックインジャパンが救うのだが、そこから似たような作風を連発して、やはり求心力を失う。似て非なるを作る難しさ、やっぱりソングライティングは自分の中から湧き出たモノでないとね。再びグラハムと組んだり、モダンな事にチャレンジしたりと紆余曲折を経て辿り着いた今作。

王道をいくアメリカンパワーメタルと高速ギターの融合。正統性の強いメタルをど真ん中でやりきった。ロブ・ロックも衰えてきたが、それでもこの音楽を歌うに適したシンガーであることに疑いはない。インペリテリの相棒を務めるのに相応しい男である。
今作をグレードアップしたのは元スレイヤーのドラマー、ポール・バスタフの加入は間違いなく変革をもたらしている。過去のドラマーも凄いのだが、彼の手数の多い重量感たっぷりなドラムは、ともすればメロディアスなサウンドに陥り、過去作と似た風合いに戻るのだが、今作はそういう危険信号をともさずに高速プレイで駆け抜けてくれた。

流石はインペリテリ、火力の強いシュレッダー、その高速プレイにワクワクゾクゾクと素直に楽しめたのは、後方支援には強力すぎるドラムとベースのテクニカルなプレイによるところが大きい。確実に見せ場が増えた、そのおかげでバンドサウンドを強化され、お得意の速弾き以外にもハイライトと言えるプレイが散見出来るようになったのは心強い限りだ。

それはソングライティング力にも迷いを生じさせなかったレーベルの尽力にもよるだろう。多くのバンドは原点回帰を素直に行う昨今。限られた時間の中で、無理なく素直に求められる音を具現化したのは、往年のファンにとっては手放しで歓迎だ。
似て非なるを作る難しさ、今作は前作とは違う。明らかに焦点が絞り込まれている。ここにきて新たなる聖典が誕生した。インペリテリの決定盤となる一枚だろう。スピードに負けないエモーショナルを込めたインペリテリの新境地、素直に音に乗せられたのは大正解である。


MINDLESS SINNER - Poltergeist ★★★ (2024-11-10 14:41:16)

日本では絶望的に人気の無い北欧はスウェーデン出身の正統派メタルバンドのフルアルバム。今まで以上にメロディに拘りを持ち練り上げキャッチーさも増量、それでありながらもNWOBHM仕込みの攻撃性と叙情味をハイブリッド、その進化したスタイルは今までの集大成のような様式と高潔なるメタルサウンドを作り上げている。

再始動の機運となったドイツで行われるメタルフェスKeep It Trueへの参加が鼓動となり、新たなる道を歩み出した古豪の復活。実力はあったが時代の波に呑まれ、バンド名や音楽性を変えた時代もあったが、それらを糧に、正当性の強いメタルサウンドで復活。
前作に感じた、先人達からの露骨なデジャブ感を抑え、より明確なスタンスで音楽性を煮詰め、自分たちの流儀を見いだした今作。

まぁ批評家オンリーの岩盤ユーザーには馬の耳に念仏ですが(今CDショップに訪れる客はアイドル系の特典目当てと、年金支給日に訪れる高齢者という現実)、そんなバイアスを受けないフレッシュな世代にこそ聴いて欲しいメロディックメタルの古典である。
ダークでヘヴィなミドルをやろうとも、北欧の風が吹く今作、その冷ややかなタッチはイーブルなサウンドの中にも爽快な風を送り、このバンドとしての新機軸を打ち出している。

歌い手も、随分と器用にこなしている。そのおかげで、ツインギターの妖艶な魅力も倍増と、胃もたれしない軽やかなドラマ性が普遍的なメタルサウンドを築き上げている。自分たちの立ち位置を見つけたバンドは強い。国内盤のリリースは絶望的だろうが、正統派メタルファンには是非ともトライして欲しい一枚だ。でもメディは信者は近づかないで欲しい。
○○にこうかいてあったとか、誰々がこう言っていたとは、目の前の音の話以外で、めんどくさいことになるだけなので、あの手合いには関わりたくない。


MINDLESS SINNER - The New Messiah ★★★ (2024-11-09 10:17:56)

2000年代初頭に再結成したようだが、結局作品を残さずに解散した幻のバンドが、再び動き出すとはリバイバルムーブメントに火がつきだしたのは
、明らかにこの時代だったろうなぁ。個人的には2006年くらいから、その動きは確実にありましたが、このバンドのようやく体制を整えたという事でしょう。NWOBHM仕込みの正統派スタイルは、RAINBOWやBLACK SABBATHなどの伝統芸能からの影響も強く、先人達の足跡を見つめ、彼ら流儀に熟成したサウンドは、王道を驀進している。

類似性を指摘したらキリがありません。そんなことに意味もありません。もし彼らがロニー・ジャイムス・ディオがいたサバスを知らないとか、リッチー・ブラックモアって誰ですか、などと寝ぼけたところ言おうモノなら袋叩きにあいますが、彼らは自らのルーツと向き合い実直に再現しています。その素直な姿勢、正攻法で迫るが故のデジャブ感は、如何ともしがたい問題点なれど、それを加点にしているのが最大の聴き所。

むしろ、その○○風を現代に蘇られ、温故知新を訪ね歩く作業がもたらしたプラス材料を評価したい。まぁ、昔の名前を引っ張り出しだしたのだから、これくらいはやって貰わないとね。
メロディアスかつストレートなハードサウンドの旨味、日本人が愛すべきスタイルが詰まっている。知名度も低いし国内盤が出るようなアーティストではないのだが、普遍的なメロディックメタルを求めるマニアには涙ものの一品だろう。
ワシは、この回転するリフが大好きなんだ。あのガスマスク女が小銃片手にサタデーナイトフィーバーするジャケが大好きなんだというマニアならば腰を上げずにはいられないでしょう。

濡れた戦慄を丁寧になぞるツインリード。要所を締める堅実なリズムプレイ。中音域を活かしたマイルドな歌声。時代を経て、復活させただけの事はある一品だ。そして、このジャケのキャラを引っ張ることになるが、なんか意味あるのだろうか?英語に意味が分からないワタクシではどうにもなりません。知らんことを検索してもね。


CRYSTAL BALL - HELLvetia ★★★ (2024-11-05 01:35:26)

セカンドアルバムでモダン化に挑戦するも、いきなりそりゃないぜで失敗をする。まぁ、日本ではメロディックなAOR調の甘いメロディとハードサウンドの融合というのは喜ばれるが、欧州圏での好みや売りは違うので、デビュー作の立ち位置は世代によっては微妙だろう。
今作ではプロデューサーにACCEPTのステファン・カウフマンを迎えることでメタリックさが増量、その男気溢れるメタルテイストと、本来持ち合わせる北欧風のメロディセンスを遺憾なく取り込み、過去の失敗を取り返そうと躍進している。

普通の事をやるのが難しい時代に、コンスタントにアルバムをリリースできたのは古典と、現代的なアプローチ両面から音楽性を組み立ててきた。デビュー作から一貫したリッチー・ブラックモア風のリードプレイ、このあたりが日本で高く評価されるのだが、今作では、そのリッチー風味も押さえ、よりソリッドなリードギターを披露する。日本人には②のような1st路線が受けるだろうが、キーボードとギターの絡み、イングヴェイもどきとは一線も二線も画すメロセンス溢れるギタープレイに魅了される。ある意味、アルバムのカラーを魅せてくれた仕切り直しのオープニングナンバーと言える

前作ではパワーメタルに寄りすぎたが、ステファンは彼らに昔の姿を思い出させてくれた。②③④と北欧風味満点のサウンドを見せつけ、硬軟のバランスを見せつけた、オールドスクールだがファンタジックになりすぎない古典サウンドの再構築、ギタリストは先人達の足跡を見直しつつ、自身アイデンティティを無理なく投影している。

ちなみに私が知っているのは④曲目はLAST DANCEと言う曲で、ここに自動登録されているモノとは違う。そして④ではDIO風のギタープレイを感じさせるソロではヴィヴィアン・キャンベルが登場という感じか、まぁ雑誌のレビューや、ライナーノーツに感化される人には何をいっても、馬に耳に念仏ですからね。目の前で繰り広げられる音よりも、誰かの文章に引っ張られる。日本人特有の権威に弱い&有名人の意見に流されるは、昨日今日始まったことではないが、いい大人がやることではない。

Want It Allなどパワーメタル風味と様式メタルを融合させ力感と華麗さをアピール。少々古めかしい鍵盤プレイをねじ込み古き良き時代に誘ってくれる。そしてPictures of Loveでまた甘い世界へと導き、その北欧テイストが優しく寄り添いロマンティシズムを強めたサウンドで魅了。 Bird on a Wireの持つキャッチーさ、②以降の流れは素晴らしく初期の頃の彼らの魅力を補完した。目新しさのないサウンドではあるが堅実である。

それだけに⑨のようなイングヴェイもどきは賛否をわけるところ、リズムプレイも単調で悪いところが出ている。まぁ次で方向性が戻るので、問題は生じないがステファン・カウフマンとしては苦渋の選択だったろう。アルバム全体を締めるには、ああいう速い硬質なナンバーは必要なんだろうと、個人的には唐突感はあるのだが、今回久しぶりに聴いて、初見よりは納得出来た

このギタリストの良さは、ネオクラ風味ではないギタープレイに魅力があるので、残念である。特に日本人好みのリッチー・ブラックモア、マイケル・シェンカーという王道を抑えているからメロディ派のマニアから評価が高い。ラストに訪れるロマンティックなバラードで締めたのも正解。相変わらず輪郭の甘い歌声は、どこか煮え切らない。そのヘタウマ感がバンドの顔であり、もうここまできたら文句も出ない。

ステファン・カウフマンは彼らに自信とアイデンティティを取り戻させた。バンドが選んだ選択は最良だったろう。最高傑作かどうかは好みによるが、ステファンの行動はバンドの本文を取り戻し自分たちが進み道しるべを示した。サウンドミックスは2003年という2000年代初頭の音像ではあるが、古典を愛するマニアからは手放しで喜ばれるだろう。


ABSTRAKT ALGEBRA - Abstrakt Algebra ★★★ (2024-11-04 02:20:32)

過去の発言がまた消えているぞ?ホントに投資詐欺にあった気分だよ。なぜ消える?100以上消えているぞ??

と言うわけで、偶然消えたのを見つけたので再投稿します。本当に投資詐欺にひっかかり掛け持ちバイト気分です。

諸処の問題を抱え解散したCandlemass。そのメンツが揃い再始動したのがこのバンドであり、ある意味Candlemass第二弾とも言える。
その音楽性は北欧テイストを抱きかかえながらも暗黒面をフィーチャー、冷ややかな感触の中にすり込まれるドンヨリとしたヘヴィサウンド、その黒く濁った感性は泥水のようにウネリ、まとわりつく。合間に聞こえる悲哀に満ちたピアノの音色もアクセントに、パワフルかつアグレッシブなオープニングナンバーはCandlemassファンは勿論だが、それ以外のファンも喜ばせるような名曲となった。
その印象とは2曲目以降も続き、燃え上がるマッツ・レヴィンの歌声が暗黒面を焼き尽くす。刺激的かつ過激な古典メタルをやり切っている。

コンビネーション抜群のギターワークを披露、陰鬱なる世界観を巧みに表現することでバンドサウンドを司ることに成功している。ヘヴィなリズムを叩き出すドラムは酔いどれグルーブを規則正しく刻み上げ、抜群のタイム感でドゥーミーなヘヴィロックの根幹を成す、だから二本のギターが縦横無尽に駆け巡れるのだ、そしてバンドサウンドのブレインと言えるベースは冷静な目で、この燃えさかる暗黒サウンドを見つめ、統率力を発揮しているようだ。

聴きようによっては伝統的ドゥームから2000年代に繋がるモダンヘヴィネス勢へと手本となるようなサウンドを轟かせ、自らの独自性とCandlemassとの相違を高らかに宣言している。ラストは15分にも及ぶ大作ナンバー、このバンドの高い技術力が試された一曲でもあり。RASHドゥームロックをやる見たいな、重さと場面展開の多さで聴き手を唸らせた。
しかし残念ながらバンドはアルバム一枚で解散。幻のセカンドアルバムは録音されるも仕上がり満足できずにお蔵入となり、気がつけばCandlemassの再結成となる。そしてマイケル・アモットを迎え入れたDactylis Glomerataをリリース。2006年に再発された2枚組のDactylis Glomerataには、その幻のセカンドアルバムがボーナストラックとして復活していますので、ご確認ください。


SEBASTIAN BACH - Give 'Em Hell ★★ (2024-11-02 08:15:32)

前作の流れと言うよりもアメリカンロックがルーツのミュージシャンが揃えば、こういうごっついヘヴィなサウンドになるのは必然。サビでは奇妙なほどキャッチーになるのだが、根幹にあるのはオールドスクールでも、グランジ/オルタナムーブメントを土台としたオールドスクール。
2014年は、カート・コバーンも伝説である。あのサウンドも十分に過去の遺物なのですよ。

そういう時代を無視して、迎合できなかった身としては、今作も古き良き90年代型ヘヴィロックを今風のテクノロジーで仕上げた一品。目新しさは皆無。スキッドロウを彷彿とさせるような場面は少ないが、主役がキャッチーなメロや、お得意のシャウトをかましてくれるだけで、満足できるファンも多いでしょう。個人的には、凋落の元ロックスターとしか思っていない。セバスチャン・バックという存在。

彼は80年代の成功を否定して、ミュージカルとかで成功したような情報を日本のメディアはなんとなく伝えていたが、彼はそんなに大金をせしめたのだろうか?スキッドロウはもっと成功できた。デビューの手助けをしてくれたBON JOVI関係者に恩を仇で返す男。それがセバスチャン・バック。その落ちぶれた感が、なんとも寂しい。音だけ聴けば暴れん坊時代の彼に相違ないが、それはテクノロジーの恩恵を受けた話。オジー・オズボーンと同類の機械仕掛けのオレンジである。

ライブ動画はサッパリだったなぁ。頼むぜバスよ。


SEBASTIAN BACH - Give 'Em Hell - Rock ’n’ Roll Is a Vicious Game ★★★ (2024-11-02 07:56:51)

モダンヘビネス旋風が吹き荒れるアルバムの中で異彩を放つApril Wineのカヴァー
サウンドは骨太だが原曲に対するリスペクトがハンパない
なので聴いていて無理が生じない
こういう古典は大好きだ


FANS OF THE DARK - Video - The Wall ★★★ (2024-11-01 15:43:32)

先行公開された曲
このバンドの魅力が端的に伝わる
レーベル謹製のサウンドでもある
日本人はこういうサウンドが好みなのに
何故かこのタイプが登場しないのは何故だろう?


FANS OF THE DARK - Video ★★★ (2024-10-31 00:26:07)

4曲入のカバーアルバムは良かったねぇ、渋い選曲とセンスに脱帽でした。そのセンスは今作にも色濃く反映、AOR調の親しみやすい音楽性を下敷きに、オーセンティックなメタルサウンドを見事に調和。その絶妙な配合はまさに黄金比、アレサンドロ・デル・ペッキオの力も借りながら、彼らは見事に自分たちのスタイルに忠実な音楽性を披露している。

その力強いリフレインは、聴き手に勇気とストレス発散の後押しとなるようなポジティブな空気が流れており、このバンドが抱えている微妙な社会的立場をリンクしているようだ。差別と区別は違います。最近はどうも、このあたりが混同しているようで、いいように利用されているのですが、このバンドはそういう苦難を真正面からぶつかり、乗り越えてきた。

ここで聴けるAOR調のハードサウンドが魅せてくれる景色は色鮮やかで多様性がある。一発最強、スピード命、速くてキャッチーなら何でもいいという偏重気味のマニアには勧められないし、メディア論者にも当然、そういうくだらないバイアスに左右されず、ただひたすら純粋に哀メロサウンドを求めるメロディ派のマニアならば安心して聴けるでしょう。

こんなもん○○だとか、イントロが酒場でダバダとかいいますか?この世の中の音楽なんて、先日達の足跡の元に成立しています。聴き手のセンスって問われるね。わしゃ、鬼の首を取ったように類似性をあげつらうアホにはなれん。

哀愁のメロディ、フックがあって実にいい。素直に耳が喜びます。余計な事をしてない。無駄な事を排して、聴きやすい音楽を追究した姿勢は評価したい。なにより彼らはハードさが、根幹にある。その太い幹が倒れない限り、この潤いのある音楽性は絶えることはないでしょう。


GRAND MAGUS - Wolf God ★★★ (2024-10-30 01:54:47)

Spiritual Beggarsのシンガーとして知られるJBことヤンネ・クリストファーソン率いるバンドがこちら。正直、JBにもSpiritual Beggarsにも思い入れがないので、このバンドの作品は今作が初めて、Spotifyのオススメで触れる事の鳴るのですが、まず、古典ですねぇ。そしてごっつい歌声でヘヴィなサウンドは寒風吹きすさぶ北の大地からやってきたようなサウンドであり、その豪放磊落とも言うべきゴロンゴロンを巨石を転がすようなリズムと、シンプルながら極太のリフがて乾坤一擲、と言わんばかりに爽快かつ豪胆に刻まれる。

この圧倒的な音圧と、クラシカルな音色(ネオクラのクラシカルではなく古い音楽のクラシックという意味ね)年季が相当はいっていますよ。もっと暑苦しいイメージのあった歌声も、荒涼としたメロディに血肉を与え、音そのものに生命を宿している。

このバンド、ドゥーム系と聞かされていたが、初見で今作から入ったので、ドゥームぽさは皆無。ブルーステイストは強めだが、この冷ややかなメロディと感性は、もっと別のモノだが、ごっついリズムは太古を呼び覚ます音色となり、聴き手の感性を奥の奥からDNAを掘り起こす。

メタル馬鹿一代、そのド硬派蛮カラぶりが耳を惹きますね。しかしホルモニックになりすぎないのは、冷ややかなメロディあってであろう。でもアップテンポしたナンバーが出てくると、また切り口が変わるから面白い。浮ついていないよね、時代に左右されてない美学が貫かれている。恐れ入りました。


CRYSTAL BALL - Virtual Empire ★★★ (2024-10-27 21:43:00)

ドラムソロのようなSEから、硬質でしなやかなメロディックメタルで幕が開きます。前作の失敗を取り返すかの如くスピード感とメロディックメタル然とした方式を取り込むことで、懐かしき商業ベースサウンドの復権、前作では影を潜めたキーボードとギターのバトルも見られ、華やかさは倍増した。時代は2002年、それだけに硬質感を強めているのは、致し方ないこと。この手のサウンドはEUROPEのような華麗さが求められるし、デビュー作にはそういう懐かしき、味わいをベースにしていただけに、前作の路線変更には疑問を感じずにはいられませんでしたが、今作は行きすぎた改革から一歩後退して、オーセンティックなサウンドを見つめ直してきた。

それは進化を否定しているようにも感じるでしょう。どの時代のメタルが好きなのかでも評価が分かれます。ギターサウンドにはグランジ/オルタナムーブメントの影響は否めません。それがプラスに働いているとは思えませんが、ポジティブな音楽性、その軽やかな手触りのメロディが強化された事は、このバンドの本文としか思えないので、ここは素直に評価したい。

しかし時代に飲み込まれたバンドだ。もし1st路線を純粋に突き詰めたら今作の出来映えは、もっと凄いモノになっていただろう。メランコリックなメロディを奏でるギターソロ、もっと聴きたいと思わせる腕前だけに無念だ。相変わらず歌い手のヘタウマ感からくるミスマッチ感も相乗効果を生み出していない。シンガーにとって前作の方が良かったのだろうが、バンドサウンドがメロディックメタル路線へと舵を切った事は大歓迎である。オーセンティックなメタルをやるのは難しい、だがベタには敵わない。この絶妙なさじ加減が重要だ。

そして一番の悲劇は、良作を生み出したのに前作の失敗の煽り&時代の流れのせいで国内盤が見送られたこと。もっていないバンドだったなぁ。1st支持者には今作がシックリくるでしょう。2枚目支持者には、古典に戻ったと残念な気分になるでしょうね。


CRYSTAL BALL - Hard Impact (2024-10-27 21:30:59)

北欧メタルの新生として2000年を目前に彗星の如く現れた彼ら。その煌びやかでメロディアスなサウンドとテクニカルなギターという構成は素晴らしく、歌の弱さを補完するほどのインパクトを誇っていた。
グランジ/オルタナムーブメントの影響はシーン全体を蝕む中での華やかさサウンドというのはメロディ派は勿論、正統派マニアの期待を背負う事となるのだが、今作は実に微妙な立ち位置のアルバムになってしまった。

SEはイイのだが、オープニングナンバーが地味である。良く言えば堅実なのだが、その掴みの弱さは次の曲でも続く。あの高速ギターはどこえやら、歌で酔わせるシンガーではないので、このヴォーカルオリエンテッドな作風、そしてやはり、グランジ/オルタナムーブメントの影響下にある、ダークテイストの増量は前作とは背反するモノであり、メロディ派のマニアにとっては背信行為と映るだろう。勿論、サビでコーラスを重ねキャッチーな歌メロが出てくるのは前作同様なのだが、そこまでの道筋をどう評価するかで結審するでしょう。

個人的には、途中で音源を止め、速めに売りさばくという非道な行為に出ましたが、現在配信盤も出ているので、その判断に間違いはなかったことは確信出来ました。やはり2000年問題が色濃く、このバンドにも降りかかっている。
彼ら最大の魅力である、軽やかで華のあるサウンド、そしてテクニカルなギターサウンドを封印したのはマイナスだろう。

北欧メタルと言えばなスタイルを期待したり、スピーディーなナンバーで駆け抜けてくれという思いがなければ、2000年風メロディックメタルとして大いに楽しめるでしょう。でも1st支持者は落胆するでしょうね。シリアスさとパワーメタル度が高まるのは悪くないのだが、フックのあるメロディと歌メロ成分が減退したのは無念である。

これが2000年。そして次のアルバムは国内盤が見送られた。余程売れなかったんだなぁ。


THE JON BUTCHER AXIS - Along The Axis ★★★ (2024-10-26 16:47:28)

黒人でストラトキャスターを弾くと言うことで、見た目は完全にジミヘンに影響を受けたアーティスト扱いされましたが、音楽性は勿論だがプレイスタイルが異なるモノであり、彼はもっとモダンなギタリストだった。バンドの顔であり、マイケル・ボルトン風の歌声と躍動するポップサウンドとの相性は抜群、彼のエモーショナルな歌声を活かしたサウンドを構築している。

1985年がオリジナルのリリース。国内盤も出ており、注目されていなかった訳ではないのだが、日本国内での知名度は低い。時代背景&勝負の3枚目と言うことで、オシャレ度はかなり高い作風だが、歌の上手さと、練り込まれたアレンジ。何より売れてやるぞと言う気迫が軽めのサウンドの中でもヒシヒシと感じられ、つまらない有名J-POPバンドを聴き漁り知った風な大口を叩く時間があるのならば、ホンモノの音楽を知って欲しいと思いますね。

これぞブルースから発展したロックの典型例。そこに洗練度を名一杯上げ商業ベースに乗せてきたサウンドは、売れ線スタイルながら明確な意思を感じられ自肩の強さが発揮されている。AOR系のハードポップソングが好きな人ならば女性シンガーのエヴァ・チェリーとデュエットした⑤など、大いに楽しめるでしょう。

腰にくるグルーブにホンモノの血を感じますね。この音楽のルーツたるブラックコンテンポラリーからの影響を強く感じます。時代だなぁ。白人志向ねぇ。なんか今の感覚で聴くとそういう時代が明白にあった事を思い出しますね。

ポップでオシャレ、チョイハード、そしてホンモノ志向な商業ベースサウンド。そういうキーワードに懐かしさを覚えるマニアにはチョイと知って欲しいバンドです。


MARCHELLO - Destiny ★★★ (2024-10-25 03:02:03)

ギタリストとしても、かなりの腕前だがシンガーとしてもイケる、二刀流ミュージシャン。ジーン・マルチェロ。玉石混交、群雄割拠をひしめくメタルシーンに燦然と登場してきたなぁと、個人的には思うほど、華やかなサウンドと本格派のハードサウンドを絶妙に織り交ぜ、実に聴かせてくれるサウンドを披露している。

耳馴染みの良さとエッジの効き方、流石はアメリカだなぁである。もっと売れて然るべきだし、コンスタントにアルバムのリリースをと思うのだが、セカンドアルバムのレコーディングを済ませるも世に出ることなく、消えてしまいます。


勿体ないですね。リリース時期がもう少し速ければメタルバブルにも乗れたのでしょうが、この本格派のハードテイストとキャッチーさが程よく溶けあい抜群の相乗効果を生み出している。軟弱ではないが聴きやすい、なにより各楽曲の中に盛り込まれるドラマ、無駄を排したアレンジながら味わい深い大人が聴いても恥ずかしくないメロディックメタルサウンドをやり切っている。この凄みに今もってグッと引き寄せられますね。

特筆すべきは③です。この一曲だけでも聴いて欲しい。そう思わずにはいられません。一発屋で終わるような作風と実力ではないのに、どうしてレコーディングした2枚目が長らくお蔵入することとなったのか、そのあたりの詳細が知りたいですね。
80年代後期にリリースされたメジャーアルバムとしては名盤の域に入る傑作だと思いますけどね。
華やかさギターサウンド。アクロバティックな新技のねじ込み魅了する、これぞ80年代ですよ。頭からケツまで楽しめる好盤ですよ。


KEEL - Lay Down the Law ★★★ (2024-10-22 01:14:25)

何故か発言が消えていますねぇ。ホントに投資詐欺に引っかかった気分です。一体どこにいったのでしょう?

STEELERが最もシュラプネル系列では売れた作品と言われている。それだけイングヴェイの存在が功績をもたらしたのでしょうが、その煽りを一番受けたのがロン・キールかも知れません。
なんかイングヴェイを越えられない男、みたいなネガティブな感情を個人的に持ってしまうのですが、でもロン・キールは大好きですね。彼が女性をバックに従えたバンドもチェックしたし、メタルカウボーイ時代から、カントリー時代も抑えております。
世間から評価の低いサーベルタイガーの歌入れさえもワタクシはロン派です。

何故か憎めない男ロン・キール。ここでも彼の不器用なスタイルが良い味出していますよ。上手い下手じゃないロッカー、ロン・キール。イングヴェイの離脱により、人気が出始めでバンドは瓦解するも、こうしてKEEL名義となりシュラプネルからアルバムが出たのは喜ばしい限り。

二人のギタリストも切れ味鋭いリフワーク、そしてソロでは派手にキメ、これぞシュラプネル感を誘発。アメリカンメタルならではの剛毅なリフとの対比も絶妙、それでも主役はロンという作りは聴きやすさを誘発している。

耳馴染みの良い歌メロ、一発で覚えられますよね。知らずにサビを口ずさみたくなる親しみやすさが今作最大の魅力でしょう。
力技一発なストロングスタイルながら、商業性も鑑みたサウンドは、デビュー作としては申し分ない、ロン・キールと言えば、コレでしょうという歌とパフォーマンスに溢れている。STLLELR時代からやっていたと言われるラストのカヴァー曲もクロージングソングとしてはピッタリでしょう。
L.Aスタイルって最初は硬派だったよなぁと、思い出させてくれる一枚です。


SHOW-YA - Glamour ★★★ (2024-10-18 16:13:08)

秋元康作詞の曲までやり夜のヒットスタジオなどの歌番組にも出ていたSHOW-YA。なんか中途半端なイメージが付きまとっていた彼女達だが、今作のリリースを機に一気にハードサウンドが花開く。それまでも、そういうテイストの曲はあったが、今作はオープニングナンバーからツーバスも全開。軽やかなキーボードソロ、そしてギターソロという展開までねじ込みグッと男前になる。そのオープニングナンバーの導かれ勢いよく飛び出した、艶やかなメロディックメタル、③などジョナサン・ケイン、リック・ニールセンによる楽曲提供まで受け、シングルとしてリリース。ラストには、その英語ヴァージョンまで入れて充実ぶりをアピール。哀メロナンバーの②も①と③の合間に埋もれることなく自己主張出来ているのが、このアルバムの出来の良さをアピールしている。
特にソロではギターが目立つようになり、歯応えが増した。80年代のL.Aメタルムーブメントが背中を押してくれたのかも知れないが、このバンドにとっては、ようやく一本筋の通ったハードサウンドを展開出来なのは嬉しい限りだったろう。
ヒット曲の多い次のアルバムの方が人気も知名度もある、でも、それはこのアルバムで作品としての手応えが後押しとなったのは間違いがない。メジャーレーベルでメタルバンドが飯を喰うのは困難だ。
そういう難題と向き合い闘った彼女達、寺田恵子恋の逃避行で瓦解するのだが、彼女達には時代を超越して魅了する秘訣がる。

それは普遍的なメロディと聞きやすさに特化したバランスに尽きる。適度にハードでエッジの効いたサウンド。キーボードが奥行きを広げるから親しみやすさがある。また寺田恵子の個性的な声だが癖がないのも一役買っている。


VICTORY - Circle of Life ★★★ (2024-10-18 15:50:17)

離散集合を繰り返すドイツの老舗バンド。2011年にリメイクベストをリリースするも、バンドは一区切りの形を付けたアルバムとなった。そしてバンドは再始動、2019年にアルバムをリリースして復活をアピール。そっちは、まだ聴いていないが、今作は2024年にリリースされた最新作となる。メンバーはハーマン・フランク以外、昔の名前はないが、出している音に大きな変化はない。

シンガーのジャンニ・ポンティージョは、ジェフ・スコット・ソートタイプのザラついたエモーショナルヴォイスで、この古典ハードサウンドのフロントマンとして堂々としたパフォーマンスで魅了。安定感のある歌声と演奏の相性に疑いはなく、一体感は十分だ。

たしかに古典である。大きな裏切りも、新しい切り口もないが、しかし現代的なテクノロジーというフィルターは通している。だから古いだけではないフレッシュな鮮度、その渋みの中に含まれる活きの良さには、一日の長を感じずにはいられない。
レーベル元がAFMなんで、聴く前から想像も付くでしょう。
その無難さが最大の聴き所。このバンドが今更、時代に迎合する必要などない。それだけに安定感にこそ、魅力を感じる。

セバスチャン・バックのソロも、これくらい恥も外聞も捨てSKID ROW丸パクリすりゃ良かったのにね。この適度なスピード感とハードエッジさに、心が温まる。ただ速いだけの曲はつまらん。そんなもんに騙されんぞ。


Riley's L.a.guns - The Dark Horse ★★★ (2024-10-15 00:21:58)

すったもんだの挙げ句、和解を遂げた両者。バンド名はトレイシーとフィルのいるバンドに正当に引き継がれるが、ライブでは楽曲を使用しても良いという条件らしい。新しいロゴとバンド名で再始動となるはずが、スティーブ・ライリーは、アルバムのリリース目前に、この世を去ることに、残念ではあるが、ライリーL.A GUNSの正式な新作に伴う活動は消えた。

正直、1stの時点ではバッタもん感が漂い好意的な目を向けることが出来なかったのだが、ある程度時間を空けて聴くと実は前作も、内容的には本家に負けていない力作だったことは認めざるを得ない。むしろネガティブな感情が正統な評価を曇らせたと反省の一点に尽きる位なのだが、今作も、そのバンド名に恥じない哀愁のメロディが映える、退廃的なムードを醸し出す独特のサウンドを継承。
シンガーもフィルに似た雰囲気があり、寄せにいっている感は否めないが、フラットな感覚で聴けば全く以て問題にならない。むしろ、こういうスタンスのサウンドを奏でるバンドがいるのだと、興味を抱くでしょうね。

ロックの持つ危険な香り、そのルーズでスリージーな味わいは、ただ無軌道ではなくロックなパワーを解き放つことに集中されており、中毒性の高いサウンドを展開している。ある意味、流行に左右されないスタイルの堅守。そして、けしてテクノロジーの恩恵を無視しない作りには、時代を超越した魅力を感じさせる。素直なメロディが印象的なスローナンバーのSweet Summer Girl (Florida)なんて、彼らの味だろう。本家よりも優等生な感じが逆に魅力的に聞こえる。

古典の持つ強み、ファースト共々、高い評価を受けるアルバムだろう。
個人的には名前で損している感じがする。そこが、どうしてもマイナスに働くのは仕方がないだろうが、独立したバンドとして認めされる魅力は十分にある。


KEEL - The Final Frontier - No Pain No Gain ★★★ (2024-10-13 11:27:10)

スリリングなギターソロバトル
流石はマーク・フェラーリ
こういう派手なのかまして欲しいよね
懐かしい80年代型サウンドだよ
豪快でキャッチー
だから聴きやすい


KEEL - The Final Frontier ★★★ (2024-10-13 11:24:47)

うーん、過去の発言がなくなっている。KEELの大半がなくなっている。うーん、投資詐欺にあった気分である。なぜ消えた?

気を取り直して再投稿。どうも気乗りしないのだが、③のヒット曲にはお世話になったので再投稿しますよ。

プロデューサーにジーン・シモンズが名乗りを上げKEELをバックアップ。③のカヴァーからも感じる売れるぞと言う意欲。そしてジーン・シモンズと成功の方程式を当てはめ豪快なKEELサウンドを時流に合わせて作り上げた。練り込まれた楽曲に付け焼き刃感はなく。彼らのもつ豪快さが際立つ形となったのは正解。
押し引きを作ることで懐が深くなったという事だろうが、キャッチーでポップな旋律が増えた事で不満も出たのだが、プロデューサーがジーンである。随所にKISSらしさを感じるのはプロデューサーの名前がなくとも感じるほど、王道アメリカンロックを踏襲している。
シンプルでノリのいいロックサウンドに、情緒と足し芸術点を上げた今作。ギターワークもソロでは派手目に決め、見せ場を設けメリハリが効いている。まぁ、ロンの、あの金切り声が聞こえてくれば、もうどれもがKEELサウンドになるだろう。マイケル・デ・バレス大活躍の⑥なんて、らしさ全開&MTVを見越している。

1986年と言えば、時代の潮目となった時代、ラストに収められている疾走ナンバーが多い方が好みだが、バラードで一発ヒットという図式が出来つつある時代に上手く立ち回った。当時よりも今の方が評価も高くなりそうだ。聴きやすさでは今作が一番だろう。


SHOW-YA - 天使の炎 -Flame of the Angels - Don't Say Goodbye ★★★ (2024-10-13 10:37:19)

寺田恵子さんと東京ドームでライブを行った
そしてステファニーもドームにたった記憶がある
英詩に変えて歌ったりと苦労したろうなぁ
この曲を聴くと当時の事を思い出す胸キュンする
彼女の力強い歌声が刹那に響く
甘酸っぱい味わいがある
オープニングのキーボードも印象的だが
徐々にバンドサウンドに移行
スケールの大きいバラードへと変換していく
ステファニーの歌声あっての迫力だ


SHOW-YA - 天使の炎 -Flame of the Angels - 天使の炎 -Flame of the Angels ★★★ (2024-10-13 10:30:36)

ワイルドなギターが耳を惹くミドルナンバー
クッキリを分かりやすい歌メロが耳を惹く
ドラムの音を前に出すミックスは芸能界的なサウンドだが
メジャーフィールドなので仕方がない
迫力のある歌声と女性らしい繊細さがダイナミズムを伴い聴き手を圧倒する
このパフォーマンスあっての一曲
一発で覚えられる歌メロ
いかにもシングル向けだ


SHOW-YA - 天使の炎 -Flame of the Angels ★★★ (2024-10-13 10:26:43)

寺田恵子がワイドショー&文春級のスキャンダラスな私的事情でバンドを去った。メンバーからしたら殺意を抱くレベルだろう。シングルも売れTVにも露出が増えた、売れ初めて海外進出も夢ではなくなった彼女達。しかしバンドは最大のピンチを迎える。空白の期間を最短で埋めるべく見つけてきたのは、懐かしのステファニー・ボージャス。急場しのぎ感は否めなかったが、実力派折り紙付き、あとは日本語詩をどこまで、こなせるのか、沢山の曲を覚えるのは大変だったが、彼女は、英詩に変えてライブで歌ったりとバンドにフィット。
ハッキリ言ってバンドとしてはワンランク上に上がったと思っている。これは個人の思いだが寺田さんはライブではイマイチだった。
ステファニーは、よりパワフルでハードな側面を補完する強い声を持っていたので重責を果たすどころかスケールアップに貢献したのだが、結局は彼女達も日本のバンドなのである。
ファンの大半は日本語の歌が聴きたいのである。残念ながら時代の流れや、本格志向を打ち出すバンドと芸能界ではそりが合わず、自主制作のアルバムをリリースして終了。実力のあるメンツが揃ったのに残念だったが、それだけ自分たちで何かをやるというのは閉鎖的な世界では困難だったのだろう、また海外でもグランジ/オルタナムーブメントがやってきた訳だから、彼女達の居場所はなかった。あと数年時期がズレていれば結果は違ったろうが、今作がオフィシャルな形で抹殺されている現実が悲しい。
もはやステファニー時代はなかったことになっている。
とくに①は名曲だ。ベストアルバムに入っていてもおかしくない。なんなら寺田恵子さんに歌い直して欲しい。
そしてステファニー時代のライブ音源は世に出すべきだ。彼女が歌う楽曲はどれもが素晴らしかった。


WHITE LION - Anthology ’83–’89 - Living on the Edge ★★★ (2024-10-12 13:48:39)

整理整頓された正規ヴァージョンもいいのだが
このラフなハードエッジが効いたこちらのヴァージョンも捨てがたい
ヴィト・プラッタのギター
忘れて欲しくないねぇ
センスのある男だったよ


FIRE TRAILS - Vanadium Tribute ★★★ (2024-10-06 14:39:04)

イタリアのHM/HRにおいて黎明期を支えた伝説のバンドVanadiumその屈強なサウンドは、伝統的なスタイルを堅守するものであり、正統派メタルファンに取っては頼もしい限りでしたが、メタルバブルが隆盛を極める80年代末期にメインストリーム寄りのサウンドで勝負。結局は負け組となりシーンから姿を消す。90年代に一瞬復活するもバンドは凍結されてしまった。

そのイタリアンメタルの雄、我らがVanadiumが返ってきた。厳密に言えば、新たなるプロジェクトだが、シンガーとドラマーの声かけで実現した再始動バンド。結局シンガーのジュゼッペ・スコット・ディ・カルロことピノ・スコットだけ残ったが、彼は看板シンガーだったので、あの声があればVanadiumという事になる。新曲は3曲のみ、あとはVanadiumのカヴァーという、アルバムタイトル通りの内容。それだけに、変則的な形ではあるがベストアルバムのような出で立ちとなったが、このバンドを知らない人には最適の一枚となるだろう。

懐かしきハモンドオルガンの音色。そこに絡むメタリックなギターとワイルドなドラム、ベースは賑やかなサウンドを裏で支え王道路線を皆でキープ。2005年にリリースされた今作だが、その背景を考えただけでもニヤリとさせられる。

商業誌がアメリカで売れているオシャレロックを前面に押し出している時代に、既に地下では、こういうトラディショナルなメタルが復権するムーブメントが起こり、思考停止しているメディア論者以外の耳には確実に届いてた。
このバンドがかき鳴らす古典ロックの旨味。その実直な姿勢は少々、声に衰えを感じさせるモノだが、サウンドは鮮度があり巧みに打ち消している。ある意味、リアルな等身大の姿を反映させた。それだけに、リヴィングレジェンドとかしたピノの歌声はイタリアンメタルシーンの生き字引として、高らかに噛みつきシャウトをかましてくれる。

変則的な形故に、正統なアルバムとして認めるのは難しいが単なるカヴァーアルバムで括るのも違う。やはりメンツも時代背景も違うからだ。でも高らかになるハモンドの音色を聴かされると、細かいことなどどうでも良い。
この古典ロックを全身で浴びればよいのである。ワカチコワカチコ楽しんだモノ勝ちだ。配信盤がなさそうなのは残念だが、本家はあるので、是非とも正統派メタルファンのマニアはVanadiumに手を出して欲しい。


ROSE ROSE - Skatehead '88 ★★★ (2024-10-03 04:34:21)

僅か3曲入で9分にも満たない音源なのだが、それでも十分に強烈な印象を抱かせるEP。強烈な爆音とスピードで聴き手の野生を呼び覚ますオープニングナンバー、そしてベースがイントロで刻むフレーズが印象的な②、後半に掛け勢いもスピードもアップ。その怒濤の転回に雪崩式バックブリーカーを喰らった気分だが、ラストの曲ではそこから卍固めをキメられた気分だ。もうフラフラなのにむりやり起こして技決めるなよである。

それほど、多様性を持ち合わせながらハードコアパンクスだけを満足させるだけではないメタリック感。オープニングナンバーの意外なほど聴きやすい曲調なども、彼らなりに裾野を広げているように感じるのだが、それも本来あった魅力の一つなんだろう。短い曲ながら着実に成長する姿を見せつけた今作。彼らのカタログとしては、やや異色な雰囲気が無きにしも非ずだが、そんな事はどうでも良い。

このクラシックなクロスオーバーサウンドに流行も廃りもない。売れる事とは別のベクトルを放つ高潔なる姿勢。パンクスもメタル野郎も満足させる攻撃性を有するスピード違反サウンドに抗う術はない。頭を空っぽに、このダーティ爆音サウンドに身を委ねるのみ。


Cry Tuff - Nobodys Baby ★★★ (2024-10-03 04:18:41)

1987年にフルアルバムをリリースして、その後の消息を掴めないUS産の正統派メタルバンドの1st。このバンド時代的にはグラム系の洗礼は受けているが、根幹にあるのは生粋のメタルサウンド。甘めのヒステリックなシンガーが噛みつくようにシャウト、グラム系特有の妖しげな旋律を歌い上げたかと思えば、合間に哀愁のツインリードを導入、アメリカ産というよりはアメリカ寄りの欧州産メタルのような独特の響きがあり、そのコントラストが島国ニッポンの感性に訴えかける。
まぁオフィシャルのCD化はなく、今のところブート盤しか確認出来ない幻の一品だが、もはや権利の関係、さらにはオリジナルのマスターテープの行方など考えると、このアンオフィシャルな音源でもやむなし的な気持ちにさせる一枚でもある。

③のようなスローナンバーでは子供を寝かしつけるように語りかける歌い出し、ロマン溢れる甘美なバラードもツッコみ小技を効かせている。音質は当然良くないのだが、そのギラリと光るアイデアとアレンジに耳が持っていかれます。
如何せん、情報が少ないので、このバンドの消息も全く分からないのだが、アメリカというメタルシーンの奥深さを知らされる一枚でもある。泣きメロに弱いマニアならば、胡散臭いが安価なブート盤に手を出しても損したとは思わないだろうが、でも気が引ける。
その葛藤を乗り越えさせるだけの、秘宝発見感は強いのが作品のもつ魔力である。

細かい点は目をつむって欲しい。あくまでもインディーズレーベルからのリリースなのだから。


NINJA - Liberty ★★★ (2024-10-02 08:03:17)

移り変わるシーンの中でドイツから豪快な正統派メタルサウンドを引っ提げ登場。バンド名NINJAと音楽性は全く関係ないが、歌詞などにそれなりのエッセンスがあるのかも知れないが、洋楽を何十年聴いても訛が分からないワタクシには語感の響きだけなので、世界観などどうでもよいです。

ここで聴けるのは当時としても時代遅れの剛直ヘヴィメタルサウンドを披露。その合間にキャッチーなメジャー感を押し出した楽曲を散りばめ、心地よく正統性の高いヘヴィメタルを奏でてくれる。
ドイツ産らしい直情的なドラムを担当するのはアンドレ・ヒルガース。活きのいいツインリードと歪ませながらメタルシャウトをかます力強い歌声。良い意味でのヒステリックさがバンドサウンドにフィット。やり過ぎない生真面目さも音に宿り、正統性を高めている。

お約束のバラードも収録。同郷の先輩スコーピオンズにも負けない泣かせのメロディを牧歌的に歌い上げます。前作にあったデジャブ感をしっかりと咀嚼して飲み込んだ今作は、ドイツ謹製のパワーメタルサウンドへと昇華。そこにまぶされたメジャー感を染みこませることで絶妙な味わいを深めている。
当時メディアから紹介される機会もないだけに国内における知名度は絶望的だろうが、気骨のあるゲルマン魂に心揺さぶられるマニアにはたまらんものがあるでしょう。

最近の所謂テクノロジーの恩恵を受けたレコーディング環境で作られた音とは違う生身の人間が叩き出すホンモノの熱きメタルスピリットとバンドが醸し出す屈強なリズムとサウンド。この時代ならではの音だろう。こなれたメジャーロックが嫌味に感じないのは、彼らの軸足がしっかりしているから、だからこそハツラツとした説得力がある。
何が凄いと言われると困るが、今、日ハムで売り出し中の助っ人外国人、レイエスの豪快なホームランを見て理屈なんていらないだろう。この豪快さとメジャー感を織り交ぜた欧州産メタルに身を委ねられたらそれで良いのです。

小技も効かしていますから、単に剛直に突っ走るだけじゃないのでね。でも総体的には豪快。これぞジャーマンパワーメタルの旨味でしょう


SEBASTIAN BACH - Child Within the Man - Hard Darkness ★★★ (2024-10-01 06:42:55)

個人的には5曲目とそれ以降には境目があると思っている
ここまでは過去の集大成を上手くモダンヘヴィネス時代を向き合い
違和感なく溶け込ませている
若い人にはヘヴィだが浮遊感のあるグルーブに魅了されるだろう
歯応えのあるサウンド
セバスチャンも柔軟な声で魅力を発揮
余談だがサムネイルの画像
アルバムジャケットカッコ悪いな


SEBASTIAN BACH - Child Within the Man - Freedom ★★ (2024-10-01 06:38:25)

やりにいったオープニングナンバーに続き
始まるSKID ROWサウンド
ここでは魅力な歌メロを披露
ふかしすぎて空回り気味のオープニングナンバーを立て直した
この歌声は自然だしギターソロもクール
なによりリズム隊はさらにケツを蹴り上げ
聴き手を扇動している
セバスチャン・バックに期待する音を素直に出したのは正解
オープニングナンバーこっちで良かったんじゃない


SEBASTIAN BACH - Child Within the Man - Everybody Bleeds (2024-10-01 06:34:55)

狙いすぎましたね
少々昔の匂いを出しています
熱量の高いこれぞセバスチャン・バック
かれがバズの愛称で親しまれた時代を想起させますが
オープニングナンバーとしては少々弱い
速いだけでは乗れないのだ
でもこの手のサウンドに馴染みの薄い若い人には
ケツを蹴り上げるだけの勢いはある
オジサンなんでもうこういうの沢山知っているので
あぁってなるんですよね
3回くらいで飽きました


SEBASTIAN BACH - Child Within the Man - Crucify Me ★★★ (2024-10-01 06:31:26)

アルバムの流れを殺しませんね
本当にレコードのB面にあたる流れは完璧
スリルに満ちた先を読ませない展開
セバスチャンも柔軟な歌声を披露
往年の姿を重ね楽しむ事が出来ます
モダンさも無視しない今作における完成度の高さを雄弁に物語る一曲
ソロパートからの一瞬無音になる小技も効いている
イイ曲です
流れ的にも素晴らしいねぇ
よそ見なんてさせてくれないよ


SEBASTIAN BACH - Child Within the Man - F.U. ★★★ (2024-10-01 06:26:24)

スティーヴ・スティーヴンスがゲスト参加
耳に残るリフワークとヘヴィなグルーブ
ソロでは圧巻のスター性を発揮するスティーブン
セバスチャンを脇に追いやる形になっている
それでも歌が入れば主役はおれだと誇示
両者の特性が生きたいダイナミックなハードサウンド
ファンにはたまらん一曲だろう


SEBASTIAN BACH - Child Within the Man - Vendetta ★★★ (2024-10-01 06:21:35)

かつてはJPのカヴァーもライブで行いロブ・ハルフォードと共演も果たしましたね
そんな80年代後半の勢いを持ち込んでいる
キラーリフと起伏のあるセバスチャンのヴォーカルパフォーマンス
モダンさを味方に付けクールな印象を与えている
尻上がりにアルバムが良くなるというのは理想だろう


SEBASTIAN BACH - Child Within the Man - Future of Youth ★★★ (2024-10-01 06:18:34)

後半の仕切り直しとなるヘヴィな一曲
哀愁のあるメロディとモダンさを残したアレンジ
そしてセバスチャンの凄むだけではない歌声が絶妙に絡み
新旧サウンドの魅力を伝えている
なんとなくな前半よりこなれてきた後半の方がオジサンには染みる


SEBASTIAN BACH - Child Within the Man - To Live Again ★★★ (2024-10-01 06:15:53)

このアルバムの視聴感を高めているのはラストの2曲に尽きる
ある意味
彼の持つもう一つの顔
柔和な声が優しく包み込むも逞しい
大きくなれよマルダイハンバーグである
ベタだが良くやってくれた
もっと80年代的な曲も用意できたが
そこを微妙に避けているのが憎い
まぁファンは思いっきり2枚目のアルバムに入っていた強烈なバラードを期待するだろうけど
そこまでは大袈裟ではないが
今の姿が反映されていてこれはこれで正解だ


SEBASTIAN BACH - Child Within the Man - About to Break ★★★ (2024-10-01 06:10:54)

叩きつけるヘヴィグループ
そして良い意味で裏切った爽快でメロディアス
そのキャッチーさはセバスチャンの現役感を強烈にアピール
往年のファンを歓喜させるような曲であろう
アルバムのフィナーレへと向かうには丁度良い曲だ
なにより期待値を上げてくれた
このアルバムには最も必要なタイプの曲だったろう
シンプルなことはとても良いことだ


SEBASTIAN BACH - Child Within the Man - What Do I Got to Lose? ★★★ (2024-10-01 06:07:07)

やってますねぇ
多くのファンが待ち望んだSKID ROWサウンドの復権
このグルーブ感にやられるのでしょう
前の曲がああいう変わり種だったので余計にシンプルに染みてくる


SEBASTIAN BACH - Child Within the Man - (Hold on) To the Dream ★★ (2024-10-01 06:04:27)

シングルカットされた一曲
スローパートで始まるがすぐにヘヴィなパートへと流れる
3枚目アルバムに収録されたダークでモダンな残り香がヘアメタル時代を否定している
ダークでヘヴィなナンバー
出だしが静かに始まるのでバラードかと思ったらダークでミステリアスなヘヴィロックになるなんて
SNSで大炎上するだろうよ
セバスチャンは大丈夫だったのか?


SEBASTIAN BACH - Child Within the Man ★★★ (2024-10-01 05:58:51)

SKID ROWのようなバンドは衰退するL.Aシーンの象徴のようなバンドとして扱われた、その歴史は日本の商業誌が伝える事は無かったが、セバスチャンにとっては、80年代のキャリアを嘲笑されるような自体に苦々しい思いを感じていたろう。
前作を聴いていないのでなんとも言えないが、正直、今作の作りには驚いた。彼のキャリアはヘアメタルからの脱却である。それを意識して音楽活動に精を出していたのだが、ここでは見事にSKID ROWサウンドが復活している。
これが本当の3枚目というようなアルバムだ。それだけに、随所にオマージュが隠されている。それが賛否を分けるだろう。相変わらず、コレやっているのかと叩く向きもあるだろう。
何よりメディアが軒並み高評価なので、完全に乗っかってきた連中もいるからたちが悪い。後出しジャンケンで豪語される、有名人は苦労するよ。
でもアメリカではもう過去のスターだ。

あの衰えたルックスには言葉を失った。でも人間、ボトックス打たなきゃああなるよ。でもセバスチャンからは、ミッキー・ロークと同じ匂いがするんだよなぁ。ミッキーにレスラーという映画があったように、今作がセバスチャンカムバックと賞賛される事を願うのだが、やはりモダンさを、ここまで捨てるんだという事に驚きを隠せない。確かに今の時代は大御所達が最後の思い出とばかりに、往年のスタイルに帰還している。

だから驚きは少ない。むしろ遅かった位だが前作を知らないのでなんとも言えない。なんで配信盤がないのだろう。
とにかくワイルドでエネルギッシュなサウンドの復権、テクノロジーの恩恵を受けた歌声は衰えを隠すのに一役も二役も買っている。それも功を奏した。若い人には、エネルギーになるような熱量の高いサウンドだと思う。Monkey Businessパート2的な要素はマイナスではない。
しかし潔癖な人は気になるだろう。そして③のような90年代型ヘヴィロックをやるのも否定しない姿勢は買いだろう。

全力で80点のアルバムを作った自分の生きる道があるアーティストは強い。こうなると俄然前作との比較をしたいものである。ダイナミックでワイルドなスキッズサウンドが好きな人は大はしゃぎとなるだろう。


HARDLINE - Life ★★★ (2024-10-01 05:32:38)

このバンドのことしっかり失念していましたね、CD買わない弊害ですよ。棚からCD選ばないからもう忘れるのよね。ジョニー・ジョエリ以外は流動的なメンバーで活動。かつてはニール・ショーンのビックネームが売りみたいな感じだったが、母体はジョエリ兄弟のバンドだっただけに、不完全燃焼で捨てられたのはさぞや悔しかったでしょうね。シーンの移り変わりも追い打ちを掛けました。

その後、ジョニー・ジョエリが様式美メタルの勇者アクセル・ルディ・ペルと戦いの道を選ぶとは驚きでしたが、もはや彼にとっては重要なキャリアと言えるでしょう。欧州で掴んだ基盤。そしてフロンティアレーベルの成功。欧州のみならず、こういうメロディを愛するモノには安心と実績のブランドとして、もはやメロディックメタルの総本山と行っても過言ではないでしょう。

それだけに、今作もアンパイです。アレッサンドロ・デル・ヴェッキオが作曲およびプロデュースで全面的にバックアップ。勢いのある熟練されたサウンドは適度な熱さと洗練されたメロディが絶妙に混じり合い、これぞジョニー・ジョエリサウンドと呼びたくなる仕様。

リードギターとして参加したマリオ・ペルクダニもパッションのあるギタープレイで魅了。チョーキング一発にも味わいがあり、大役を見事にやり切っている。この手のサウンドはやはりハツラツさがあった方がいい。堅実故に勢いのある曲調を増やした事で視聴感も倍増。ノリノリで楽しめます。サウンドの幅を広げるキーボードも隠し味に、ジョニーは灼熱の喉を披露している。

安定感のあるリズムプレイも邪魔をすること無く重さを演出。これあってのハードサウンドである。シンプルだが奥行きの深い音。しかし似て非なるモノとなので、フロンティアレーベル謹製サウンドが苦手な人は、やはり鼻につくだろう。
それが好きだという人には、往年の巨人軍の勝ちパターン、角、鹿取、サンチェを思い出せる絶大の安定感を誇っている。

それにしてもやってんなぁ。見事だな。これぞジョニーだよ。ギターソロも良く歌うのよ。ピアノをバックに歌うのよ。流石です。


ALL FOR METAL - Gods of Metal (Year of the Dragon) - Year of the Dragon ★★★ (2024-09-28 14:24:51)

世界的な成功を収めたモンゴルのバンドを少し思い出しました
こういうデジャブ感がある意味評価を分けるよね
でもそういう敷居の低さが親しみやすさに繋がるのだろう
オリエンタル風味を取り込んだ欧州型パワーメタルソング
着眼点は悪くない


TAK MATSUMOTO GROUP (T.M.G.) - TMG II - GUITAR HERO ★★★ (2024-09-27 06:56:39)

ジャック・ブレイズがタック松本の事を思って詩を書いたと言われる一曲
だからギターヒローなんだね
サビメロも含めあれなんですけどね
デジャブ感が逆に好きなんです
こういう展開の曲をやってくれるのが嬉しいのです
アルバムの中ではストレートにハードサウンドを打ち出しつつも
ワビサビがありB'zファンも慮っている
ダイナミックなリズムプレイも着飾らないハードサウンドを象徴する
でも十分に豪華な出で立ちの音なんですけどね


TAK MATSUMOTO GROUP (T.M.G.) - TMG II ★★★ (2024-09-27 06:38:21)

こんなに大成功して、スタジオワークや日の当たらないステージでのバックミュージシャンを経て、もはやTAK松本というブランドを築いた日本を代表するギタリスト。B'zと言えば、よくパクりがどうのこうのと言われますが、そんなこと言ったらジューダス・プリーストやアイアンメイデン、もっと言えばZEPにパープルの亜流楽曲なんて腐るほどあるので、ワタクシはそういう論争は好きではありません。

イングヴェイ丸出しのギタリストがイングヴェイなんて聴いたことないと言ったら射殺しますけどね。アーメン、ティモ・トルキ。あとトレヴァー・ボルダー歌っているも同罪です。

BABYMETALにLISAさんがゲスト参加、そういう日本人にも優しい目線を持っていますが、今作はメロディックメタルの名門Frontiers Musicを契約を掴み世界デビューも果たしているので、正直、BABYMETALに関しては、もっと彼女達に寄せた振り切ったナンバーで笑わせて欲しかった。

あとはもう、今のB'zにも通ずる落ち着いたハードサウンドを披露。自分のトーンを見つけ自在に操る松本の地に足がついたギタープレイになんの問題もない。正直、このプロジェクトはもっとやって欲しかった。20年ぶりはインターバル空きすぎだが、本業のスケジュールが凄いだけに、無理なんでしょうけどね。今作から稲葉さんが歌っても違和感がない曲も多く散見。

妙な和を入れなくても十分、外国人が聴けばオリエンタルなメロディを取り込んだ本格派のハードサウンドだけに、小細工いらんなぁと思ったりもするのだが、ワタクシのようにB'zサイドではないロックファンが聴いても十分に楽しめる一枚。琴の音色みたいのいらない曲もあるが、概ね楽しめた、惜しむらくは、これは無い物ねだりだし、今更やるわけないのだが、若い頃みたいにスピードとテクニックを詰め込んだようなギターソロやインストナンバー聴きたかったなぁ。

参加メンバーの充実度と実力。そしてソングライティングにプロデュース力と疑いようがありません。何より極太のギターサウンドで多種多様な楽曲を司る松本の存在感、それは我を出さずにバンドの一員でいる事に目を見張る。
エリック・マーティンも年齢を重ねた円熟味があり、彼特有のフレッシュ感は失われていない。流石の表現力ですね。上手い唄が聴きたい人にはたまらんでしょう。少々押しの強くなる彼ですが、ここではバランスが凄く良い。ジャック・ブレイズの加入も、このサウンドには必要なマスターピース。ジャンル不問で楽しめる質の高いサウンドを作り上げている。

B'zファンには、タック松本が、国内の枠にとどめるのが惜しい存在であり、彼はこのメンツで海外に飛び出すべき逸材だという事を知って欲しい。高貴なサウンドですね。ダイナミックでハードだけど、細部にわたり拘りが詰まっている。シンプルなようで緻密な構成。手抜かり無しの本格派のハードサウンドに唸ります。日本人向けのゲスト曲いらんよなぁと思うほど、充実してました。

あのー再生回数が少なすぎるのですが?B'zファンは稲葉さんの顔ですか?この音ってもっと認められるべきだよね。
フィル・モグのMOGGS MOTELにあとにハシゴして聴いているけど、全然負けていませんよ。参加メンバーが凄いのではなく、そのメンツを活かした楽曲とアイデアを具現化した才能が凄いのよ。やっぱワタクシは日本人です、この音に落ち着くんだよね。


MOGGS MOTEL - Moggs Motel ★★★ (2024-09-27 06:09:26)

UFOのツアー中だったか、心臓の病で緊急手術。そしてUFOは空の彼方へと飛び立った。てっきり現役引退したのかと思っていたフィル・モグだが、こうやって返ってきた。
正直言うが、凄く良く出来ている。テクノロジーの恩恵を受けた歌声、その老獪なテクニックを駆使した彼のパフォーマンスは今の時代だからこそ逆に響く。スタイリッシュな英国紳士風ハードサウンド。時代を超越するクラシックハードサウンドの凄み。
できすぎなフィルの声も、抜群のバランス感覚の上で踊る。
そりゃSteamhammerからリリースされるは、ベースのトニー・ニュートンが鍵を握るサウンドなのか、レーベルの意向なのか、UFOよりもUFOらしい、いやUFOの呪縛から解き放たれたフィル・モグがやるべき音を完全にやり切っている。
英国特有の湿り気と古の時代から伝わる骨太はハードサウンド、これぞブリティッシュハードでしょうね。こういう音にフィルの声は似合うよ。

なかなか若い人にはレトロな音に聞こえるかも知れないが、こういう古典を嗜んで欲しいねぇ。落語の演目が同じでも演者が違えば味わいが変わる。狭い狭義の中で展開されるハードロックやメタル、このメンツでしか出せない、いぶし銀のサウンドにグッときますねぇ。
サーベルの新譜と同時期に聴きましたが、個人的にはこちらの古くて新しいサウンドの方が7/3で多く再生されています。合間にダムゼル挟んでいますけどね。あとFIND MEの新譜もあったなぁ。たしかストライパーもあったぞ。

時間がありません。アマプラにTverだけでも、こなせない。そこにお気に入りの芸人さんによるYouTubeもある。大変だよ。

でも今作は、味わい深いわ。堅実さにはかなわんね。テクノロジーの恩恵にも感謝だね


SABER TIGER - Eliminated ★★★ (2024-09-27 05:42:57)

全作から6年、待望のフルアルバムをリリース。先行公開された斑の鳥からも、ある程度想像された過去への揺れ戻し。前作は海外のレーベルからワールドワイドな感性を取り込んでのリリース。ラウドネスも、そういうアルバムを作ったが、両者とも随分と差違はあれど様変わりした印象を与えた。特にサーベルタイガーの方は、シンフォニックかつプログレッシブなメロディックメタルへと変貌。
獰猛な初期型メタルや、下山復帰後のモダンさとも違うスタンスで作品を制作という、味わいの違った作品を作っただけに、その反動なのか反省なのか、今作はラウドネスがニッポンのヘヴィメタルをやり、アッパレと言わせたが、サーベルはあそこまでぶっ飛んではいないが、自らの足下を見つめ直すような作風へと回帰した。

それが良いか悪いかは人それぞれの趣向だろう。英詩は海外の人が聴いても不自然さを感じさせないものに仕上げたメンツだけに、ワールドワイド仕様を尽き詰める姿も見たかったが、しかしワタクシ個人サウンドの好みは今作の方であり、痛し痒しな思いはある。少なくともバルト三国でツアーをやった実績は胸を張れるだろう。

まぁ日本人が英語で歌うと、必ず発音がどうのこうのとイチャモンと付けるヤツがいるからねぇ。洋楽を何十年も聞くとナマリが完璧なんてホラッチョ詐欺師&詐欺被害者がいるくらいだから、厄介だから、今回のように日本語歌詞に立ち戻るのは悪いことではない。

サーベルタイガーの歴史、一度は下山と袖を分かつ木下御大。それはマシーンさんとて同じ、そして再度集まった最強の集団。若いリズム隊を引き連れ密度の濃い、ハイテクニックを駆使したサウンドは往年の姿を重ねることも出来るし、メロディもストレートに響かせることにより、全作とは違った味わいでおもてなし、これぞサーベル流メタルと言いたくなるような楽曲が詰まっている。

再始動の中で一番、正統性の強い作風になった。正直、10年前でも良かった気がする、40周年あたりに、こういうのぶつけて欲しかったと思うが、ここは素直に賛辞を贈りたい。多くのメタルバンドが抱える高齢化社会。自らも訪れる衰え、何よりファン層の老齢化が一番心配なのだが、今作は今一度、仕切り直す意味合いの大きさとして、別の道での進化と捉えるべきだろう。

かつて大草原の捕食者として、その巨大な牙を武器に生態系のトップに君臨していたサーベルタイガー、しかし鋭く大きな牙のせいで俊敏な動きが出来ずに、絶滅したと言われる動物。
進化は必要である。同じ場所に立ち止まっても飯は喰えない。次の布石は打った、あとはどう攻勢するか、今後のサーベルタイガーに注目である。
コロナ以降、サッパリライブに行かなくなったワタクシ。今作ならば、プロジェクトワンやタイミステリーなどの楽曲、そして名盤サーベルタイガーのSABER TIGERやブレインドレインといった楽曲からセットリストが組まれても違和感がないだろう。

いまでも彼らはメタルライダーやマボロシをやるのだろうか?そんな事を期待しながら数年ぶりのライブにでも行こうかと考えるのだが、オジサンになるとなぁ、習慣がなくなると、こうなるんだなぁ。ワシも歳食いました。
余談中の余談でお茶を濁しましたが、しなやかでハード、現代的なフィルターを通して、けして昔の流儀に立ち返っただけではない、北の凶獣
サーベルタイガーサウンドの復権。多くのファンが待ち望んだ待望のフルアルバムに仕上がった事は間違いない。

そしていつからCD3500円になったの?超余談だが、Amazonの価格に腰抜かしたぞ、そして他のアーティストもみたがフィルモグのバンドも3100円
じゃん。TMGも3520円、マイケルのUFOも3300円、通常版でコレですよ。
配信全盛の時代に?拘りの強い人は現物欲しいからね。5000円でも10000円でも買うからね。でもスマホの値段に目眩を覚える若者の事を考えると手がでんよ。そりゃ、高齢化するわな。


SABER TIGER - Paragraph IV - Thrillseeker ★★★ (2024-09-25 20:32:23)

リズム隊も一新
オリジナルを聴きすぎたので
あのガッチガチのメタリックなサウンドに馴染みすぎた
新生メンバーでストレートで勢いに満ちた名曲を真正面から取り組んだ
名曲に変わりは無い


FIND ME - Lightning in a Bottle - Far from Over (feat. Vince DiCola) ★★★ (2024-09-24 02:18:17)

まるっきりオリジナルという訳ではなく
このバンドらしいハードさを加味させドラマティックに仕上げました
オリジナル盤を聴きすぎたので少々違和感を覚えるが
ラブランカの歌声が注文を許さない
流石である
このハードテイストが増量されたこちらも素晴らしい
そしてこれを気に入ったのならばオリジナルも聴いて欲しいねぇ


FIND ME - Lightning in a Bottle ★★★ (2024-09-24 02:16:07)

今年に入り最新作もリリースしてきたメロディックメタルプロジェクトの4枚目。相変わらずのメンツが脇を固め極上のサウンドを踏襲。もはや裏切りのない路線は絶大な安定感を誇り、この手の歌のモノハードサウンドを好むマニアのハートをガッチリと掴んでいきます。
円熟味を増したラブランカの歌声も、加齢を感じさせない潤いのある喉を披露。この叙情的なサウンドと真正面から対峙して言います。
どんなに曲が良くても歌い手が力不足では成り立たないジャンル。それだけに、このクオリティには舌をを巻きますねぇ。
個人的には、シルベスター・スタローンの双子の弟、フランク・スタローンのヒット曲である②をカヴァーしてきた時点で勝ちですよ。千両役者だよねぇ。


犬神サーカス団 / 犬神サアカス團 - 蛇神姫 - 背徳の扉 ★★★ (2024-09-23 17:08:03)

西田昌史が一枚かんでします
そう聴くと歌メロなんかもアイデアだしたのかなぁ?
ヘヴィでドロドロとした初期のナンバー
情念たっぷりですね


ダンプ松本 - 極悪 ★★★ (2024-09-21 11:44:14)

ゆりやんレトリィバァの熱演が話題のドラマ極悪女王。その人気ぶりは凄まじく、とうとう今作の配信が決定した。幻の珍品の復活。既にゆりやんがカヴァーしているDump the Heelも披露されているが、彼女、さぞや苦労したろう。
なんと言ってもダンプ松本の壊滅的な歌声、その極悪ぶりに、どう歌メロを理解すれば良いのか苦労したはずだ、とにかく凄かった。藤波辰巳は殿堂入だが、80年代らしいよなぁ。こんなクオリティで商品化されるんだから昭和のえげつなさを感じますよね。

そんな思い出が詰まった珍品。

【収録曲】
1. Dump The Heel
作詞:Joe 作曲:Paul 編曲:44MAGNUM
2. Dangerous Queen
作詞:國木田あこ 作曲:タケカワユキヒデ 編曲:浅野考巳
3. Hell’s Angels
作詞:あさくらせいら 作曲:坂本龍一 編曲:藤井丈司
4. 極悪
作詞:佐伯健三 作曲・編曲:白井良明 
5. Trouble Maker
作詞:Joe作曲:Jimmy 編曲:44MAGNUM
6. MAJI
作詞:あさくらせいら 作曲:坂本龍一 編曲:藤井丈史

上記の豪華クレジットに本気だったことは窺える。44MAGNUMのハードサウンドも本格的だったが、やはり巨匠坂本龍一の参戦に尽きるだろう。
エレポップな③と美しいメロディがアンニュイな昼下がりを思わせる⑥と本気で曲作りを行っている。それだけにダンプの歌唱力は失礼なほど実力不足なのだが、本人よりも回りの大人が悪いな。ボイトレなんかしてないもんあぁ。レコーディングも短時間で済ましたろう。

でもダンプ松本さんの素顔は、恐らく③や⑥であり、無理に力み凄みを出そうとした①は、本性的に無理なんでしょうね。今となってはそんな可愛らしい素顔が垣間見える珍品である。10/2に配信されるらしい。
機会があれば是非ともお試しあれ。昭和の力技に仰け反りますよ。そして44MAGNUMの本気度に驚く。②もプロレスラーの曲らしい。佐伯健三も彼の世界観を出している。

採点不能の珍品ですけどね。


Genoa - What a Wonderful Life! Ha!! ★★★ (2024-09-17 16:14:06)

千葉出身、今や伝説のグループとしてダイハードなマニアに語り継がれるバンド。1987年にリリースされたフルアルバムなのかEPなのか分からないのだが、ランニングタイムが20分にも満たない作品。後年CD化の際に、彼らにとっては大切なThe DoorsのLight My Fireを組み、完全版もリリースしているが、それでもあっという間に13曲が駆け抜けていく。
とは言え、味付けはコッサリ系、一見スカッとしたパンクス系の軽めな疾走感はあるのだが、構成は複雑で味わいは深い、聴けば聴くほど、その拘った展開と音数の凄さ、強靱的なドラムが繰り出すビートは多様、合わせ技で聴き手の完全に独自性の高い音楽性へと引き込む。ベースもブーストした独特のサウンドでドラムと呼応、テクニカルさを難解に感じさせずに聴かせる手法はハードコアパンクス系だからと言えるが、スラッシュ的な先を読ませないスリルを内包しているのは間違いない。
叫びながらもメロディを追いかける歌い手も迫力十分、日本人云々で語られるパワー不足感はない、少々遊びが過ぎる場面が楽曲に登場するのは事実だが、それも個性の許容範囲。彼らが手掛けたのは唯一無二の個性を磨き上げ音に封じ込めたと言うことだろう。
リリース時が1987年。残念ながら日本の批評家はスラッシュメタルには否定的だった。その否定的だった人たちが今ではスタンスを変えシレッとしている姿は容認できないが、まぁ、形式や定型ロックを嗜む人には、騒音以外の何物でもないだろう。

これが個性のない洋楽の猿まねとは到底思えないのだが、感性のなさは非難されても仕方がないし、そもそも聞き分ける耳をもっていない人にレビューさせたのは間違いだ。野球のルールをしらんヤツに解説させるのと同じなので、当時メンバーが感じたであろう無念をほんの少し代弁したつもりだが、スケーターロックなどと浮ついた形容も当てはまらない、ダイハードなサウンドを叩きつけてきた。

本能を揺さぶる忙しないリズム。その焦燥感を掻き立てるノイジーさ、そこにワビサビを身につけている所作が加わり、日本人云々では語る事の出来ない質の高いサウンドを披露してくれた。今の時代ならばもっと高い評価を受けたろう。ハードコアとメタルの融合。ありがちな例えだが、彼らほど、見事にやり切ったバンドは少ない。
それが日本にいたことを誇りに思う。野獣死すべし。理解のないレビュー、口惜しい。


RUSS BALLARD - Barnet Dogs - René Didn't Do It ★★★ (2024-09-15 10:22:44)

アルバムジャケに負けない勇ましいオープニングナンバー
ウネリを上げるベース
熱の籠もったロック然とした歌声
売れっ子ソングライターでは終わらないミュージシャンとしての力量を見せつけている
なれラスは売れなかったのだろう?
不思議だなぁ


斉藤光浩 - Arise - 共犯者のバラッド ★★★ (2024-09-14 01:09:10)

斉藤光浩の魅力がギュッと詰まったワイルドでキャッチーなロックナンバー
日本人による日本のロック
こういう雰囲気の曲って今は聴けないですよね
いい意味での歌謡テイスト
彼がDO.T.DOLL出身だったことを思い出しますが
男臭さもいい具合で出ています
光浩さんが歌えば空気が彼の色に染まりますよね


CONCERTO MOON - Live Concerto - Second War in Heaven ★★★ (2024-09-13 23:28:16)

島さんがいたクリスタルクリアーの曲
ライブならではの荒々しい攻撃性が乗った勢いが好き
細かい点ではリメイクしたスタジオヴァージョンなんだろうが
思い入れはこちらの方が上


TONY MACALPINE - Maximum Security - Tears Of Sahara ★★★ (2024-09-13 16:36:21)

上手いなぁ
センスのある音選び
余裕綽々で難解なフレーズを流麗に弾く姿に惚れ惚れ
人種差別あったよなぁ
最も過小評価されているギタリストだろう


PAUL SHORTINO - Back on Track - Girls Like You ★★★ (2024-09-13 15:22:07)

ブルージーですねスタンダードなヤツです
だから○○風なんです
それが味わいなのです
ポールの歌声と曲調がマッチ
彼の声にはこういう曲が良く似合う


TREAT - Scratch and Bite - Get You on the Run ★★★ (2024-09-13 15:17:09)

のちにリメイクされる北欧産パワーバラード
軽やかなサビメロが耳を惹くのだろう
硬軟のバランスが取れた良い曲だ
こういうのがウケるパターンが出来上がりつつあったシーン
先見の明はあった


SAIGON KICK - The Lizard - Love Is on the Way ★★★ (2024-09-13 15:13:07)

とにかくハード系アーティストがバラードをシングルカットして軽くヒット
そういう図式が80年代中期から後期にかけて一つのパッケージになっていました
この曲もそのパターンです
恐らく最後の成功例と言える92年のヒット
狙いすぎですが懐かしい
もはやどんなバンドかなど関係ないスタイルの楽曲だ


ALL FOR METAL - Gods of Metal (Year of the Dragon) ★★★ (2024-09-08 14:24:36)

Brothers of Metalがいるのに同じレーベルから同スタイルのバンドがデビューしてきたことに驚きました。なにを血迷っているんだという思いは変わりませんが、このバンドの方がシェイプされプロ意識の高いメンツを集めたユニットバンドとしての使命を果たしている。
日本人に取っては辰年でしかないYEAR OF THE DRAGONも和風なメロディを盛り込み侍メタルをやっている。

このバンドに付き纏うのは良くも悪くもNWOTHM的な先人達からのデジャブ感だが、個人的にはそこが最大の魅力でありキャラを活かしたバンドだと思っている。相変わらずドラムはシンプルなビート刻み、ベースは目立たない。ギターチームも凄いわけではないのだが、それでも親しみやすさは最大の魅力だし、当たり障りのない楽曲は敷居が低いので、これからメタルを聴いてみたいという人にはわりかし拒絶反応が起きないサウンドになっている。

マッチョ男はけしてグロウルしない、細マッチョはトビアス・サミットみたいで万人に受けそうな声質だ。もうちょっとコーラスワークを生かせれば良いのだが、女性ギタリストのか細い声が心霊現象みたいでイマイチ心に残らない。そこは大きな改善点だろう。しかし、その等身大の魅力。
無理しすぎない、主役不在のプロジェクトチームにおける音作りはメタルな世界観をブレる事なく踏襲。

オジサン達の慰みよりも、これからの世代に訴えるものだろうが、今回は随分と和のテイストというかアジアンな風を送っている。そのオリエンタルさが、コンセプトとして機能させているようだが、日本人には邪魔に感じるかもしれないが、海外でウケるならば堂々とやり切って欲しい。

AFMから離れたのでかぶりまくりのバンド、Brothers of Metalが可哀想だった。だって向こうは、昔からの仲間が純粋にバンドとして成功を目指し契約を掴んだ。たしかにアマチュア臭さはあった。特に肌を露出する格好のわりには、ダルダルにたるんだ身体で見苦しかった。まさにロックオタク青年達がバンドを組んだという事だろう。

こちらはプロのキャリアを積んだ猛者。鍛え抜かれた身体とパフォーマンス、なにより女性ギタリストによるアックスガールズというのは今の時代的にも対応している。それだけに、オリエンタルな作風は、海外のみならずアジア圏でもウケそうだ。特に日本人には馴染み深いメロディックメタル路線なので、受け入れられるだろう。

個人的にはもっとヘヴィな音像にして欲しいのだが、このバンドはもっとターゲットを広げたメジャーサウンドをおくびにも出さないでやり切っているので反感を抱かれないだろう。癖のなさが最大の魅力。その代償は無難だが、コンパクトな楽曲は耳馴染みが良い。


QUARTZ - Stand Up and Fight ★★★ (2024-09-05 11:12:04)

70年代の中期から活動していたバンドだけに、2枚目のアルバムでありながらも既にベテラン臭が漂っている。そのブルージーな音色とタイトに締め上げたリフワーク。リズム隊もキビキビとしたビートを叩き出し、NWOBHMに湧き上がるシーンに対する反応が音楽性に色濃く出ている。

今作のレビューは過去にしたのだが何故か消えている?なかなか再投稿というのはテンションが上がらないのだが、このどのようが曲であっても勇壮さを失わないパワフルなリズム隊の熱の籠もったプレイにケツを蹴り上げられ再投稿です。

このバンドの魅力は古典であるという一点に尽きる。NWOBHM当時でも落ち着いた音を出している。そのいぶし銀の英国ハードサウンド。ZEPやサバス、DPと言った大御所からの影響は勿論だが、彼らにはそれ以上に豊かな土壌があり、その音楽的バックボーンをサボることなく耕している。だから、この熱いサウンドが展開されている。今聴いても古典の美点が詰まっている。それはリリース当時から今日まで変わらない評価だ。
時流に左右され過ぎて足下を見失う事の無いクラシックサウンドの強み。

ブルージーかつダークな典型的英国サウンド、その厚みのある音楽性に今なお焦がれますね。時代を超越したパワー、メイデンのような複雑な要素はない、JPのような先見の明はないのかも知れないが、NWOBHMというムーブメントが巻き起こる中で、時代を対峙して自らを磨き上げたサウンドに嘘偽りはございません。新時代に呼応した一枚。歴史に残せる名盤でしょう。でもNWOBHMじゃない。NWOBHMに影響を受けた中堅という感じですね。そんな若い奴らに混ぜるにはキャリアがありすぎるかなぁ。


MALéDICTION - Condamnés ★★★ (2024-09-05 10:49:32)

バンド名に呪いの言葉を秘めたフランスの正統派メタルバンド。まさにヘヴィメタル氷河期の時代にフランスから正々堂々とガチンコメタルファイターが登場しました。メイデン、サバス、オジーといったアーティストからの影響も大、そこにNWOBHM仕込みの攻撃性とシケシケ感を盛り込み、同郷の先輩バンドにも通ずるマイナー臭を撒き散らし、ドラマティックなサウンドを展開している。

とは言え似たようなパターンの展開が多いので、その芸の少なさは気に掛るが、デビューアルバムならば及第点はあげられるでしょう。この時代、全てのメディアが黙殺した古典、将来を見据えパイを増やすために、魂を売った商業誌。それを聖典のように崇められる狂信的な岩盤層には、何を言っても無駄ですが(一部の激ヤバ集団は音楽性云々ではなく誰が何点つけたかや、レビュー内容が重要なのです、サクソンアメリカンナイズドとか、NWOBHM四天王とか、聖飢魔Ⅱ0点とかね)

メタルとはなんぞやと思っている若い人には知って貰いたいですね。私は彼らの可塑性に期待します。モダンなメタルコアはメタルに非ず、新しいサブジャンル。そしてメタルもサブジャンル。大元はロックというカテゴライズの中の一つですからね。

なので、属性など気にせずに、自分の心に響くものを愛せば良いのです。○○がアメリカンナイズドと言ったからとか関係無し。でも、そういうのが若者の邪魔をするんだよなぁ。

出している音は2001年でも古いです。完全に80年代に登場した、まだ手垢の付いていないピュアメタルバンドが出している音を踏襲しています。先人達の影響も見え隠れしますが、ギターはキレイなフレーズを弾こうと懸命、リズム隊は変化自在のドラマティックサウンドに食らい付き、屋台骨を支え献身的にサポート、少々線の細いハイトーンですが、逆にマイナー臭を激増させている。弱々しい歌声はマイナスなのだが、ある意味、このサウンドの決め手にはなっている。逆説的に灰汁を薄めているが、パンチ不足は否めない。

ラストに顔出すのはADXのカヴァー、このセンスに共感出来るマニアならば迷わず買いだろう。ワタクシは欧州由来の泣きメロディに弱いのです。


VOLCANO - Godspeed - I Decide Who I Am ★★★ (2024-08-31 12:08:38)

やられた
完全に騙された
この裏切りがたまらん
ピアノも大胆にフィーチャー
柔和な顔を見せているが緊張感は失われていない
もの凄くキャッチーでもメロディアス
甘いトーンを鋼鉄サウンドが完全にコントロール
シージャ節炸裂に悶絶
NOVさんの歌声も実に魅力的だ


VOLCANO ★★★ (2024-08-31 12:04:41)

祝サブスク解禁
現在では入手困難な作品も気軽に聴けるようになりました
全部じゃないのが残念
イレギュラーはやって欲しかった
あと最新作は見送りですかね
とにかくこのバンドが海外のメタルキッズにも認知される可能性が高まった
色んなバンドがオファーを受け海外のフェスや契約をもぎ取る時代
このバンドにも凱歌を上げて欲しい


Dante - In the Lost Paradise - Fire in the Sky ★★★ (2024-08-31 11:54:18)

ノリの良いグルービーさもありますが
日本人なので木目が細かい
大味ではない生真面目なロックサウンド
大衆性を忘れないアレンジとテクニカルな要素をさらりとねじ込むセンス
もっと評価される国産メタルバンドだ
レーベルが潰れたから再発は不可能だろうが
奇跡が起きないか願いますね


Dante - In the Lost Paradise - Shadowdancer ★★★ (2024-08-31 11:52:06)

力量の高いメンツが揃い
ありきたりではないアレンジで魅了
この曲では歌の弱さも勢いで押し切っている
というか今ではすっかり耐性が出来ているので余裕で楽しめる
海外ではもっと歌えないヤツがゴロゴロいるからね
疾走するキャッチーな一曲
実に聞き応えがありますね


TYGERS OF PAN TANG - Burning in the Shade - Are You There? ★★★ (2024-08-26 08:59:09)

爽やかだぁ
今作を象徴するような唄モノロックですよね
ある意味ダイハードなマニアには殺意すら覚えるでしょう
この嫌味のないメロディと大衆性
売れることを念頭の置いたアルバム
そんなアルバムの中でも走るのでなんか嬉しい


TYGERS OF PAN TANG - Burning in the Shade - Dream Ticket ★★★ (2024-08-26 08:57:18)

そよ風が吹いています
爽やかですねぇ
この壮快感とパワフルなジョンの歌声
妙に歌が前に出たミックスでバランス的にはどうなんだ?ですが
懐かしいです
もうジョンのソロですよね


BEAU NASTY - Dirty, but Well Dressed ★★★ (2024-08-26 08:35:15)

隆盛を極める。L.Aメタルシーン。その末期にデビューしたバンドのファーストにて唯一のアルバム。ある意味、シーンを象徴するような作品とも言える。まず演奏は上手い。アレンジもツボを押えている。それもそのはずボー・ヒルが全体を掌握、そこにポール・ウィンガーがプロデュースを担当、ミキシングも金の掛るメンツを揃えゴージャスな音を作り上げている。
参加メンバーはKUNIで活動を共にしたダグ・ベイカーと、ご存じマイク・テラーナというリズム隊。シンガーとギターはTOKIO ROSEで活動、ちなみにHANOVERではマイクとギターのジョージ・バーンハートは一緒に活動しているし、人脈的には繋がっているのが面白い。ちなみにもう一人のギタリスト、ブライアン・ヤングはジェフ・スコット。ソート関連の仕事をこなすこととなる。また、ダイアモンド・デイブの作品にも後に関わる事となるので、マニアには気になる情報が多いのだが、出しているサウンドは、随分と置きにいった典型的な王道サウンドを展開。

正直、個性に欠けるし、いかにもアメリカで売れそうですな音であり、どこかで聴いた事のあるフレーズもチラホラと実力はあるのだが、制作者サイドの意向に沿った曲作りに終始しており旨味に欠ける。
まぁアメリカンロックが大好きな人には、隙のない堅実さが耳を惹くだろうし、カナダ人脈だけに浮ついた要素は薄いのも好印象だろう。

豪快でダイナミック、売れ線街道を走っているが、脳天気な明るさではない堅実さ、その手練手管な制作陣によるハードサウンドには一定の需要があるだろう。個人的には何か始まりそうで何も始まらない印象が強く、途中で飽きてします。一曲の完成度は高いのに並べると無個性に感じてします。演奏も上手い、アレンジも当時の背景を感じるとベタ中のベタ。
難しいねぇ。下手でもどこか突き抜けた個性がないとダメなんでしょうかねぇ。ちなみにラストのLOVE POTION #9は有名な曲のカバーです。Tygers Of Pan Tangがやったヤツがハードサウンドファンには馴染みが深いでしょう。


Carmilla - Live Explosion '88-'89 ★★★ (2024-08-23 05:41:08)

関東メタルシーンに詳しい知人から良いバンドと当時から教えて貰ったバンド。ギタリスト吉乃黄櫻さんの腕は確かではあるのだが、いかんせんダビングされたデモテープの状態が良くなく、そうとう回り回って知人も手に入れたんだなぁと昔を思い出しますね。
この女性のみで結成されたダイハードなメタルバンド。その音源がこうして世に出るとは驚きだ。

MCもカット無しということは、記録用の音源なんだろう。ベースのまなみちやんは、このライブをもって脱退と告知されたり、するのだが、湿っぽさはなく観客とのいい距離感での掛け合いがあったりと怒気を孕んだ音楽性との対比が微笑ましい。
ベースは唸りを上げスラップしてくる。ドラムは攻撃的なビートを刻み終始戦闘力の高いバンドサウンドをアピール。ギターは巧者、とにかくリフ・ソロ、リードプレイとバンドサウンドを司り見事な司令塔役をこなしているのだが、メンバーが抜けるのだがら、いろんな思いはあるのだろうなぁなんて思うのだが、そんな事はどうでも良い。

日本にもヘヴィメタル専門誌はあるのだが、当時からこういうバンドに冷たかった。いや日本のバンド全体に冷たかった。ましてや女がメタルをやるという差別意識。敢えて女という言葉を選んだのは当時のヘイト感覚を表現するためです。こういう実力者がもっと推されていたら昨今の現状は随分と変わっていたろう。無念である。そんな雑誌が高齢者相手に女性だけに括った別冊を売りつけるのだから、あれはなんの詐欺商法になるのだ?、いとも簡単に踊らされるオッサン達、いきなりネモフィリア最高って嘘も大概にせいよ。段階があるだろう。助走なく最高はおかしいだろう。比較対象あっての賞賛だろう、いい加減にして欲しいね。しかも若い娘ばっかりだもんね。だから投資詐欺に遭うんだよ(大爆笑)ちなみに女性は昔から記事に対する客観性がある。だからメディアが絶賛したからといって乗らないし、そもそも見極めている。

この音は80年代末期に録音されたライブ音源に+スタジオセッションと幻のデモ音源を収録という豪華な仕様。手直しされまくり差し替え横行するエセライブではなく、彼女達の力量がそのままパッケージされた生も生の本気ライブに興奮する。
良く聞こえないヴォーカルのバランスも会場にいるかのような錯覚を覚えるほどだ。
三十年以上も立ちようやく出会えた、カーミラの本気音源。これを聞かされるとケツを蹴り上げられる思いがあるのですが、ベースとドラムはWerewolf Babysとして2016年にフルアルバムをリリース。ミュージシャンとしては現役(ベースは脱退)、ギターの吉乃さんはXで発見出来ましたが、音楽とは距離をおいてそうなので、再結成は難しいでしょうが、彼女の手により復活した幻のライブ音源。

等身大の魅力をパッケージしたピュアメタル。今も昔も女性だけのバンドは下心のある男よりも気合いが入っていた。何より音楽に打ち込む姿勢が真摯だったと感じる。この音には本気しかない。


Alkaloid - Invisible World ★★★ (2024-08-22 10:54:25)

東京X-RAYのメンバーを中心にシンガーは紅一点のANGELさんがフロントを飾る国産メタルバンドのデモ。この幻の音源をイタリアのレーベルF.O.A.D.が2022年にアナログ盤を300枚限定でリリースした。しかもデモに未発表のスタジオセッション音源をプラスした内容。全8曲入のボリューム増とマニア心をくすぐる仕様にリニューアル。こういう音源を日本からではなく海外のレーベルからと言うのが今の国内ハードシーンの現状なんだろう。

どこかダークな色彩美に彩られた国産メタル。古くさい音色はデモ音源というのもあり、マスターテープの状態などどうだったのか?と気にはなるのだが、その分離の悪い音質には苦言も出るが、当時の勢いをパッケージした今作を前に戯れ言は無用。貴重な国産メタルの最盛期に有象無象のメタルバンドが存在していた、その事実をマニアは勿論だが、若い人にも知って欲しい。

個人的には未聴だったスタジオセッションが聴けたのは嬉しかった。勢いのあるサウンド、ドラムもベースも迫力十分。ギターは巧者、ANGELさんもデモ音源よりもイキイキとしており好感が持てる。
彼女、個人的にはヴィヴラードの掛け方が苦手でもうチョイなんとかならんのかと思うのだが、そういう不満はパンキーのスリル溢れるソロが抑え込んでくれる。

それなりにキャリアを積んだ有望なミュージシャン集団。夢破れた彼らではあるのだが、2022年にイタリアのレーベルが手を差し伸べてくれるとは驚きである。アナログ盤は所持していないがbandcanpから配信盤が8ユーロで販売されていますので、興味のあるマニアは是非とも購入前に試聴してください。

個人的には日本のバンドあるあるなシンガーの弱さ、それを抱えたバンドだったと思うが、ハマる瞬間もあるだけマニア心をくすぐる貴重な音源であることに変わりは無い。良くも悪くも当時のシーンを知る上では貴重な一枚でしょう

ちなみにANGELさんは下山脱退後、スーパータイガーや木下明仁プロジェクトなどで活動する、シンガーを務めていた鈴木勝人さんでアルバムを作るも、彼は病気の為に脱退する。真実は分からないが、パフォーマンス云々よりも、彼、人見知りするのかライブではMCやアクションを含めチョット弱かった。プロレスラーのような頑丈な体躯なのに、繊細なんだなぁと感じた。
その穴を埋めたのがANGELさんである。彼女のラインナップで音源を残さなかったのは残念だが、苦しい時代を支えた人物であり、ワタクシも二回くらい、ANGELさんのサーベルタイガーを見た記憶がある。
最近は懐かしのメタルバンドが復活している。WOLFもしかりテラローザも、このバンドもアナログ盤リリース後、記念ライブをやった。それだけに、ここいらで一発新作に期待したい物だ。
RE-ARISEでも頑張っている志村さん。多忙だとは思うが、ここは一肌脱いで欲しいですね。
このまま、埋もれるのは勿体ない。


GLENN HUGHES - L.A. Blues Authority, Volume II: Glenn Hughes: Blues - So Much Love to Give ★★★ (2024-08-19 11:18:28)

情感たっぷりグレンの絶唱が光るブルージーなバラード
これもグレン・ヒューズの魅力です
ギターも味わい深い


STONE FURY - Let Them Talk - Babe ★★★ (2024-08-17 14:26:27)

洗練されてますよね
甘いメロディを独特のハイトーンで彩る
今では聴かれないタイプの曲
スタンダードな空気に包まれている
類似性の指摘は余り意味がない


APHASIA - Gambler - レイン ★★ (2024-08-16 19:24:35)

POPサイドを代表する曲
こういう素直なポップスロックをやるのもバンドの魅力か
箸休めソングとしては丁度良い
メリハリですね


STONE FURY - Let Them Talk - Too Late ★★★ (2024-08-15 12:40:01)

洗練された哀愁のハードサウンド
こういうのをサラリとやれるのが
このバンドの強み


Oliver/Dawson Saxon - Re://Landed ★★★ (2024-08-15 07:35:59)

バンドの名義で揉めた経緯がワイドショー的で、どうにも素直になれないバンドなのだが、雑誌大パクリ自称サクソンファンでもない限り、このバンドのスタートはSon of a Bitchであり、オリジナルのラインナップはグラハム・オリバーとスティーブ・ドーソンの二人だというのはファンの間では有名な話。その辺を詳細に語るメディアがあるのかワタクシは知る由もないのだが、一応は二人が最初期のメンバーだ。だから俺達がSAXONだというのは少々やり過ぎだと感じるのは否めない、そして何故かビフ・バイフォード=SAXONという偏った思想があるらしく、その誤った感覚がこのバンドを非難の対象に導いているのは残念である。オリジナルの二人は尊重されるべきだが、どうしてSAXONとなりバンドのイニシアチブは誰が握っていたのか気になる。
もし樋口宗孝がラウドネスを脱退して二井原実先輩とSLYを結成した。そして高崎晃率いるラウドネスは仏陀メタルになり様相が変わりすぎた。樋口のSLYの方がメタルらしいが、確実にラウドネスと名乗る事は許されなかったろう。彼がラウドネスのリーダーだとしてもバンドの顔は高崎晃だからだ。そういう意味でSAXONはビフ・バイフォードの物と考えるのが妥当だろう。

では、このバンドが本家に劣るのか?それはこのライブを聴けばハッキリと理解できる。ソングライターであり、バンドを牽引していた二人が存在するサクソン。モダンさとは無縁の古典ロックスタイルは、アメリカで右往左往する彼らの苦悩時代よりも、ストレートに初期のアレンジを貫いており好感しかない。
確かにバンド名とロゴからくるプライドと確執。円満ではない別れ、そういう複雑さはあるのだが、本家に負けない熱の籠もったパフォーマンス。なによりバンドの代表曲が中心となる選曲だけに文句は出ない。もっというと当時の両バンドを比較しても、こちらの方がオリジナルに忠実というか、あのグルーブ感、もっと言えばSAXONらしいタイム感があり、2000年に突入してビルドアップされた本家の方が味付けがモダンになっている。
そこが今作の評価を分ける最大のポイントだろう。

⑤はSon of a Bitchの曲、あとはクラシックSAXONである。声を歪ませ力強く歌い込むジョン・ワード。ビフと同じで音域は狭いがライブでも力負けしないパワフルな歌声を披露。リリース当時に流れていたネガティブな思想を払拭するパフォーマンスを披露している。
なによりリードギターがやはりグラハム・オリバーだというのが、ホンモノの音を感じさせてくれる。あのソロはグラハムだったよな、そういう当たり前の事が繰り出されているので違和感はない。

個人的には、本家も2000年代の変遷した時代がありチューニングもドロップされたりとヘヴィになりすぎた時代があった。だからこそ、今作の方がよりオリジナルに近く音を出しているとさえ思える。

まぁ当時はネガティブなイメージの方が強かったんですが、デジタル加工されたSAXONよりも温かみがあり懐かしさという点では、このライブ盤は大いに評価出来るだろう。ビフの持つ淡泊さ。それはある意味、欠点でもあった。
それだけに入魂のヴォーカルパフォーマンスは比較され非難されるものではない。

そういう柔軟な耳をいくつになっても持ちたいですね。バンドを去ったスティーブ・ドーソンはコロナ渦の影響を受けミュージシャン稼業から引退。そしてグラハムは、パーキンソン病を患い引退を決意。
なんとも悲しい最後である。バンドとして認めて貰えなかったのは名義に拘り続けた経緯と規模。大塚家具問題を思い出すのだが、ビフは身売りしてでも看板を守った。
こちらは尻すぼみ感がハンパないのだが、音だけ比較すればけして劣ってはいない。残念だ。ボタンの掛け違い。それが起こした悲劇。ヒッソリとシーンから去った創業者の二人。彼らに相応しい花道があったと思う。
今作を聴くと強くそう思いますね。


GLENN HUGHES - Made In Sweden ★★★ (2024-08-13 00:14:57)

神の声を持つ男と皆から賞賛される我らがグレン・ヒューズ。素晴らしい才能を持っていながら薬物にアルコール問題と悪癖のせいで、無駄な時間を長年にわたり過ごした男。そんな失意の中、再起を図るグレンに手を差し伸べたのは北欧のミュージシャンだった。
北欧から捲土重来とばかりにソロアルバムをリリースするグレン。
そんなグレンが1993年から94年の間、北欧で行われたライブ音源をひとまとめにしたコンピ作。従って音圧は落ち着かない。またサウンドボート録音みたいなラフミックスであり、正規品なのか?と不思議な気持ちになるが一応は、配信盤があるのでオフィシャルな契約は交わされているのだろう。
まぁオフィシャルブートレッグと呼ぶに相応しいでしょうね。マイクもハウるしね。
そこが逆に生々しい、まるで実際にライブ会場に足を踏み入れたかのような音源集である。

大半はBURNING JAPAN LIVEにも収録された曲だがアレンジが違う、そこがライブの旨味。またオープニングナンバーがあの、第二期パープルの名曲中の名曲から幕開けというのも興味をそそられる。
歌われ継がれる③におけるグレンによる絶品のパフォーマンスに酔わされる。それは⑩でも同様。スタンダードなナンバーだからこそ、神がかったグレン・ヒューズのパフォーマンスに魅了。ラストはL.Aブルースアンソロジーからという美味しい選曲。ちなみに配信盤にはインタビューは割愛されているので13曲、ラストの三曲はアンプラグドライブという趣、でもFROM NOW ONが終わったらインタビュー始まるけどね。

とにかく現物は見たことがなく、どういう経緯で販売されたものなのから知る由もありませんが、北欧で精力的にライブ活動とプロモーションを行っていたことを知りましたね。

失われた時間を取り戻すように、90年代から現代まで神の声を惜しげもなく世に披露したグレン。今作はそんな最初期のパフォーマンスを味わえます。老いは隠せない、最近のグレンは確かに衰えた。それだけに今作との出会いは感慨も一入でしたね。

スタジオ版以上に迫力の増したグレン。そのライブならではの臨場感、アドリブも素晴らしい。


HALFORD - Resurrection - The One You Love to Hate ★★★ (2024-08-12 19:55:39)

夢の共演ですよね
ヘヴィなリフが耳を惹きますね
あくまでも歌が主役と言うことでしょう
シンプルですが捨て曲ではない