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AXEHAMMER - Marching on - Midnight Train ★★★ (2016-02-06 15:40:17)

ノリがイイですね
押しの強さもカッコいい


AXEHAMMER - Marching on - Swing the Steel ★★★ (2016-02-06 15:39:23)

キャッチーなメロディが耳を惹きますね
メタリックかつヒロイズム溢れる疾走ナンバー


BRAINFEVER - Face to Face - Black Jack ★★★ (2016-02-06 15:22:52)

アルバムを幕開けに相応しい疾走ナンバー
彼ららしいパワーが漲る様がカッコいい
押しの強いリフワーク
音は軽いがドコスカとドラムが叩きまくっています


BRAINFEVER - Face to Face - Memories of Tomorrow ★★★ (2016-02-06 15:20:23)

HAVEN AND HELL風の一曲
アルバムの中盤に置く事で良いアクセントになっています


BRAINFEVER - Face to Face - Caught by the Fire ★★★ (2016-02-06 15:17:40)

哀愁のあるメロディが耳を惹きますね
押し引きを得た新たなる魅力が印象的です
アルバムを閉めるのに相応しい一曲ですね


BRAINFEVER - Face to Face ★★★ (2016-02-06 15:16:21)

まずは激烈な疾走ナンバーで幕が開ける1986年リリースの2nd。その後もバランス良く彼らの魅力たるパワフルなスピードナンバーを放り込む事に成功。合間にメロウなパートを盛り込んだミドルナンバーを導入し一気加勢に突き進むだけではない芸の細やかさも見せてくれます。相変わらずのレコーディングにおける低予算&タイトなスケジュール故の詰めの甘さや音質のヌルさはいかんともしがたいものがあるのですが、そういったハンデをモノともしない厚みのあるパワーとメタルスピリットがそこかしこに溢れかえる気迫となり響き渡っています。前作を経て楽曲を練り込んだ面も含めバンドとしての一体感も増し、またシンガーも声に幅が広がり、前作の塩っ辛いオッサン声とは違う面も魅せ楽曲に新たなる息吹を吹き込んでいるのも好印象。強靭なリフワークも健在、けたたまし爆音と破壊力を伴ったリズム隊も一気加勢に突き進みバンドの推進力となっていますね。いい意味で引く事を覚えた面もある今作も初期ジャーマンシーンを語る上で外す事の出来ない一枚となるでしょう。武骨なスタイル故に少々、聴きぐるしい面や通して聴くと飽きるのですが、コミカルさや妙な分かりやすすぎるメジャーコードが苦手、聴いていて恥ずかしくなる、そんな方にはコチラの方が勇ましいジャーマンメタルの真髄を極めんとする姿勢に好感が持てるかも知れませんね。


DEALER - First Strike ★★★ (2016-02-05 13:48:45)

1986年にあの『Ebony Records』からリリースしたNWOBHM後期の魅力を伝えるバンドの1st。憂いのあるメロディ、硬質なギター、パンチの効いたリズムプレイ、勢いと重量感を損なわないアレンジを生かしつつもフックに富んだコマーシャル性の高いフレーズとキャッチーさを誘発するリフワークと歌メロは耳馴染みも良く実にバランスの取れたサウンドとして高らかに打ち鳴らされております。僕が持っているのは2010年に『No Remorse Records』よりボートラ2曲を含む9曲入りでリマスターされているようですが、音質の悪さは『Ebony Records』の成せる技、お世辞にも良い音とは言えません。しかしそんな悪劣な環境を物ともしない熱きパッショネイトとクールな英国風味が加味されたサウンドは、バンドが一丸となり取り組む姿勢がが損なわれる事無くダイレクトに響いてくるから不思議なものです。NWOBHMの美点が詰まった一品、マニアならずとも魅了されるでしょう。のちにVo.トレバー・ショート。G.アシュリー・ジョン・ライマー。B.ピート・ジェンティルさんの3人でメロディアスHM/HRバンドVANDAMNEを結成。1995年には我らがZero Corporationより国内盤のリリースを果たしております。今作と方向性は違いますが大衆性を纏った嫌みのないメロディックロックを堪能できますので併せて楽しむのも一興でしょうかね。


XERO - Unfinished Business (The Definitive Sessions) ★★★ (2016-02-05 13:08:24)

2007年に突如世に出た一品。僕はiTunesからまとめて1350円でゲットしたので現物を見た事がありませんが、ギタリストのビリー・ライスギャング氏の熱の籠ったエモーショナルがギタープレイを堪能したくダウンロードしたもの、彼らのバイオを全く知らないので比較出来ないのが個人的には歯がゆいのですが
EPやシングルにも無い曲など収録され興味は尽きません。正直スタジオライブかいなと言いたくなるような一発録りと思わせる荒々しい演奏が妙に生々しい雰囲気を醸し出し、何ともいえぬ臨場感を生んでいます。キャッチーでコマーシャルな面もあるが憂いを帯びたメロディラインを歌い上げるシンガーもギターも素晴らしい英国風味満点の作品です。このクオリティをもってしてもキチンとした形の作品を世に残せなかった事が惜しまれるバンドですが、今はこうして廃盤の恐れも無く手に入れる事が出来るのですからありがたいですね。それにしてもビリーさんのギターはエモーショナルでエエですなぁ

以下曲順です。
1.Cuttin' Loose
2.Can You See Me?
3.Lone Wolf
4.Don't U Think
5.No More Crying
6.High Living
7.As Far As the Eye Can See
8.E.Z. Does It
9.Cuttin' Loose (Mutha Version)


ELIXIR - Sovereign Remedy ★★★ (2016-02-04 20:45:52)

どのような経緯があったのかは伺い知れませんが1988年にレコーディングを済ませお蔵入りになった幻の作品『Sovereign Remedy』を1990年にSonic Recordsが勝手にリリースした2ndが『Lethal Potion』彼等は1990年に活動を止め2000年頃に復活、今作は2004年にタイトルを戻しボートラ4曲を追加してリリースした一品と複雑な背景を持っております。作風はNWOBHM由来のサウンドで1stの方向性を順当に引き継ぐも、お得意のどんよりとしたメロディを熱情型シンガーが歌い上げ、叙情派ツインギターが奏でるは憂いはあるがどこか煮え切らないあのメロディ、尖っているが籠ったあの音と1988年録音とは思えないNWOBHMの風を吹かせるサウンドにマニアならグッと引き寄せられるでしょう。正直最初聴いたときはクライブ・バーが叩いていると言われなければ気にならなかったが、確認後良く聞けばシンバルを叩く音、お得意のオカズは確かにクライブだなぁと思わせるエエ雰囲気はだしていますかね(同時期に活動していたデー・スナイダーやバーニー・トーメと組んでいたDesperadoよりもらしさが出ています)。とは言えリリースにまつわるエピソードを聴くと、きな臭い感じがするのですが、地味で堅実なれど1stよりも垢抜けた面も見られ、実は一番失ってはいけない英国らしさに満ち溢れた情緒あふれるサウンドに興奮を覚えたモノです。タイトルトラックや⑪なんていかにもな感じがして好きですね。

オリジナルが未聴なので曲順を載せます
1. Metal Trance
2. Visions of Darkness
3. Light in Your Heart
4. She's Got It
5. Sovereign Remedy
6. Llagaeran Remedy
7. Last Rays of the Sun
8. Shadows of the Night
9. Louise
10. Legion of the Eagle
11. Edge of Eternity
12. Lost in a Dream
13. (When We're) All Together Again
14. Metal Trance (Reprise)


ELIXIR - The Son of Odin ★★★ (2016-02-04 20:22:53)

1983年から活動を始めたロンドンの5人組による今作は1986年にリリースされた1st。暗く湿った憂いのあるメロディ、NWOBHM特有の尖ったサウンド、オーソドックス極まりない典型的な英国スタイル故に少々物足りなさ覚える方もいるでしょうが、アラはあれど速さだけでは終わらない重々しい展開や英国風味満点の悲しげなメロディがスッと流れてくる瞬間の胸キュン度の高さ、少々暑苦しい歌唱もハマり、ブリティッシュってエエわいなぁと思いますね。②③のカッコ良さ、憂いと供にエッジの効いたギターがザクザクと刻まれる④、パンチの効いたパワフルな⑤、スケールの大きさを感じさせる⑦、裏切りというタイトルがカッコいいNWOBHMな⑧、など即効性の高い分かりやすい曲も多くマニアなら押さえておいて損はしないでしょう。けたたましいドラミングが耳を惹くドンヨリとした雰囲気が漂う英国風味満点の旨味はあるが、やはり録音状態が厳しく、ドラマティックな展開が上手く伝わないのが寂しいですね。ちなみにワタクシが所持しているのは『Cult Metal Classics Records』より2001年にリリースされた一枚。オリジナル9曲にボートラ3曲を収録されたもの、他にも複数のレーベルから収録曲違いのヴァージョンがありますのが、2011年に『Cold Town Records』から25周年を記念してボートラ6曲入りのが出ていますので、そちらが手に入り易いかと思います。


SORTILEGE - Sortilège ★★★ (2016-02-03 15:33:25)

フレンチメタルを語る上では外す事の出来ない彼らが1983年にリリースしたEP。僕は2ndの『Larmes De Heros』から入ったのでNWOBHM色の強いアグレッシブな1stにも驚いたが、今作も1st同様のダークでメタリックなスタイルが築かれており、その光沢のある艶やかな音色は当時のメジャー級のバンドにも負けない仕上がり、線は細いが伸びのあるハイトーンは心地よいし、劇的な展開を誘発するキレのあるツインリードの印象的なフレージングの数々、力いっぱい歌いプレイしている姿は好感が持てますね。1997年のCD化の際に今作からの英語ヴァージョンも含むボートラ6曲入りでAxe Killer Recordsから再発もされていますので、マニアは勿論ですが正攻法で挑む正統派サウンドが好みの方にはおススメしますね。


IRON ANGEL - Winds of War ★★★ (2016-02-03 15:06:52)

初期ジャーマンパワー/スピードメタルを語る上では外す事の出来ない彼らの2nd。無茶苦茶な疾走感は1stに譲りますが、その分整合感が増し何を聞かせたいかを明確にアピール。メタリックかつソリッドなサウンドは益々磨きが掛かり③のようなキャッチーなサウンドを披露(アクセプト万歳な曲調もカッコいい)、⑤などはアクセプトの「Burning」同様LIVEで盛り上がるでしょうね。激奏する⑨のキレとメロディックだがパワー満載のプリースト型スラッシュには汗が噴き出るし、小奇麗なバラード⑩で幕を下ろす展開も前作から比べると随分とこなれてきたなぁと関心させられました。明らかに典型的なジャーマンスタイルだし、その魅力は上記の曲以外からも随所に感じ取られ、また欧州型のマイナー調のメロディと小気味よさはプリーストを下地としたものだ。そういった先輩方の要素を盛り込みつつも高速化した姿は実に頼もしい限り、音質も前作より良くなりアンサンブルの向上も安心感を与える要因となっています。誰もが知っているデパートで買えるようなメジャーロックが好きな人や商業誌のレビューに振り回される人には進めませんが、メタルの核となる部分が好きな人にはたまらんものがあるでしょう。在り来たりの古典的な手法のみに逃げる事無く、真っ向から向き合い練り上げた楽曲はドラマ性も十分にあるし、十把一絡げのB級メタルバンドで終わらない魅力が詰まっている事に気が付きますよ。ゲスト参加のユルゲン・ブラックモアも血脈を守っていました。


IRON ANGEL - Hellish Crossfire ★★★ (2016-02-03 14:30:01)

2014年には再々結成を果たしたジャーマンパワー/スピードHM/HRバンドが1985年にリリースした1st。ソリッドかつヘヴィな性急なビート、ラフなパワーを内包する豪快さ、アグレッシブなリフワークの切れ味も鋭く抉り、時折耳を惹く拘りの展開に身を乗り出すのですが、ダーティーでうわずった歌声が入ってきた瞬間にズッコケそうになります(運動会で腕をグルグル回し勢いよく走るもコーナーで足がもつれ転倒、アキレス腱断絶のお父さんを見ているような光景)
NWOBHMの影響を残しつつも台頭しつつあるスラッシュメタルにも通ずるアグレッションを加味した、ジャーマンバンドが醸し出すメタル愛が溢れた一枚に目頭が熱くなりますね。


BLOODGOOD - All Stand Together ★★★ (2016-02-02 13:37:41)

メロウなメロディックサウンドは健在、1991年という時代背景を飲み込みつつもらしさを失わないのは流石。作風的には3rd路線のメロウなアメリカンロック、ポップなメロディ、硬質なギター、そこに重量感のあるリズムが支え、シャウト一発にも色気が漂う唄、硬軟絶妙なバランス感覚を誇る作風は洗練された歌モノロックとしての印象を強く与え完成度の高さを伺わせます。アルバム毎に作風が落ち着かず、タイムリーな音楽性とならなかった事がブレイクに繋がらなかったのかも知れませんが、メロディックなアメリカンロック好きには安心して進める事の出来る一枚ですね(今作が一番クリスチャンメタルっぽい)。その後巻き起こったグランジ・オルタナブームの波に飲み込まれシングル一枚、LIVE盤一枚をリリース後、1994年にバンドの歩みは一旦停止。2004年ごろに復活遂げ、2013年にはツインギター体制となり(ギターとしてストライパーのOZフォックスが参加)新作をリリースと今なお精力的な活動を続けています。


BLOODGOOD - Out of the Darkness ★★★ (2016-02-02 13:16:05)

キレのあるシャープな疾走ナンバーで幕が開ける4th。前作で魅せたアリーナロック風の作りから一転、硬派なスタイルへと回帰した彼らの代表作を押されることのある一枚。躍動するリズムの上を優美に踊るのは憂いのあるメロディ、ラフ&ワイルドな歌声も丁寧に歌い上げ叙情派メタルが好きな人にはたまらんものがあるでしょう。カミソリの如きシャープなギターが切れ込んでくる様のカッコいいこと、マイルドだがウエッティなメロディとの相性も抜群に良く、2ndと3rdの良いところを取り込み緻密に組み立てなおした作風には飛躍的な成長の跡を伺わせ、ハードさとポップセンスの融合が高次元で果たされているのも目を見張るもの、更には甘さの中にスパイシーな要素を加え軟弱にならぬよう工夫を凝らしているのも印象的でした。またハードな質感を与えるアメリカンなグルーブも癖になりますね。


BLOODGOOD - Rock in a Hard Place ★★★ (2016-02-01 13:53:16)

US産クリスチャンメタルバンドの3rd。時代は1988年、当時の背景をそのまま反映したような作りが印象的です。前作よりポップな要素も増えブルージーなアメリカンさも加味されていますがギターオリエンテッドな作風が貫かれており軟弱さは皆無、むしろ大衆性を纏いよりメジャー感もスケールもUP。マイナーなバンドでは終わらないポテンシャルの高さを存分に発揮している今作の作風は、バンドのイメージと合致しておりメロデイックなUS産メタルが好きな人ならたまらんものがあるでしょう。ライトではないキャッチネスさメロウなフレーズを盛り込みつつもハードな質感を損なわないバランスが素晴らしいです。シンガーの太くソウルフルな歌声の類似点も含めラフカットやハウスオブローズ辺りが好きな人ならグッとくるかと思いますよ。


BLOODGOOD - Detonation ★★★ (2016-02-01 13:41:29)

派手目のリードプレイが印象的な①で幕が開けるクリスチャンメタルバンドの2nd。重量感のあるメリハリのある展開が耳を惹く②と続き前作で感じたSTRYPERにも通ずるような甘さを排除。よりソリッドに硬派な仕様に変更してきた意欲作。音質もだいぶマシにはなったがダイナミズムに欠ける甘い作りが残念。これではこの路線がいかせんわなぁと思いますが、まさにメイデンやプリーストといったスタイルを踏襲するクリスチャンメタルという住み分けが無用の硬派なスタイルにはグイグイと引き寄せる要素も大。メロディを生かした正統派サウンドが好きな人なら大いに楽しめるでしょうね。1987年にポップにならず逆にハードに迫る心意気が憎いじゃありませんか。


BLOODGOOD - Bloodgood ★★ (2016-02-01 13:25:13)

US産クリスチャンHM/HRバンドの1st。ストライパー程、スウィート路線ではありませんが、メロディックなスタイルにはクリスチャンメタルらしい壮麗なハーモニーを生かしたりと、曲調によっては大きな効果をもたらしています。良く伸びるチョイハスキーな歌声もリードギターも上手いのですが、低音域の迫力不足、ドラムのシャリシャリした音にはゲンナリさせれるも、バラエティに富んだ楽曲が多数収録されバッサリと断罪するほど憎めないのが今作の魅力。後半の尻上がりに盛り上がっていくのもまた途中でSTOPボタンを押させない要因ですね。


VANDERBUYST - In Dutch ★★★ (2016-01-31 12:51:41)

トラディショナルなサウンドを追求するオランダ産のトリオバンドが2011年にリリースした2nd。今作は8曲入りの36分チョイの無駄を省いたランニングタイムがまずは丁度よい、詰め込み過ぎないのがありがたい。そのシンプルな発想はサウンド面にも反映され、前作の流れを順当に引き継ぎ、英国的な湿り気のあるメロディとハードな質感を損なわないアレンジ、難しい事はやらないが皆が一丸となって聴かせるアンサンブルの充実ぶりはより強固なものとなり、そのおかげで音楽性も益々磨きが掛かり試聴後の爽快感は相当なものです。叙情味あふれる泣きのメロディ、伝統を継承する誉れ高き音楽性、UFOやTHIN LIZZYあたりが好きな人にはたまらんものがあるでしょうね。ラストには低音を効かせた歌い方が印象的なブルースナンバーも収録し新境地を魅せたのも好印象。NWOTHM系のバンドの中には、どうしても寄せに来たなと感じさせる底の浅さや付け焼刃感は拭えないバンドがある中で、彼等はピカイチの精度を誇り、やはり内から滲み出ている音楽性だなと思えるのが最大の強みに感じますね。


EMERALD - Down Town ★★ (2016-01-30 14:22:51)

オランダのSTASHの1stアルバム『A Matter Of Time』を聴いてすっかり魅了されたのでルーツを辿り手に入れたのが今作。オリジナルは1985年リリースの1stでSTASHのシンガーBert Kivitsが在籍するバンドです。メイデン、プリーストといった王道サウンドに哀愁のメロディはシンリジィ風もあり、1985年ならではの古典的なスタイルを踏襲。類型的なスタイル故に聴いたことがあるフレーズやメロディもチラホラ散見できるし、シンガーもやや無理目のハイトーンで迫っている故に頼りなさもありますが、憂いを帯びたヨーロピアンスタイルのサウンドが好みの方なら聴いて損はしないでしょう。10曲で36分ってのも丁度よい仕上がりですしね。


Stash - A Matter of Time ★★★ (2016-01-30 14:07:53)

マニアご用達ギリシャの『No Remorse Records』から2015年にリリースされたオランダ産のメロディアスHM/HRバンドが苦節30年にしてリリースした1st。甘美な陶酔感を誘発するフックに富んだ極上のメロディ、ハードなテイストを失わない力強さ、折り目の正しい真っ当なアレンジとダイナミックな演奏はHM/HRサウンドの醍醐味を確実に伝えるもの、キャッチーさも併せ持つポップフィーリングとブルージーさと英国的なニュアンスを隠し味に見事に昇華させたスタイルはメロディ派のハートを掴んでは離さないクオリティを誇示しているでしょうね。この手の音楽性は唄が命、憂いを含んだ旋律を見事に歌いこなすマイルドで伸びやかな歌声にウットリとさせられるでしょうね。程良く切れ込んでくるハードなギターも職人技を発揮、硬軟入り混じったスタイルをバランスよく指揮しているように感じます。躍動する哀愁に満ちたしなやかメロディ、普遍的なスタイルへの踏襲、手がたい作り故、アルバムを通して聴くと長尺に感じさせる難点はあれど、1987年にリリースしたデモ音源も含んだ全19曲メロディックメタルが好きな人には外せないクオリティを誇っていると思います。


VANDERBUYST - Vanderbuyst ★★★ (2016-01-30 13:40:56)

オランダが生んだトリオバンドによる2010年リリースの1st。⑥ではUFOの名曲をカヴァー(オリジナル以上にカッコよく聴かせる手腕に脱帽)、⑦もLIVEヴァージョンを収録した全7曲。70年代的なニュアンスの強いブリティッシュスタイルに今風のエッセンスも隠し味に正攻法で挑んだ力作にケチなどつけようも無く、その筋のスタイルが好きな人にはたまらんものがあるでしょう。アッパーな疾走ナンバーからミドルナンバーまで随所に哀愁のメロディが迸り、ハードさの中にソフトな一面を内包する力強い優しさが程良くバランスを保ち聴き易さを運んでくるのも好印象。
ギターリフが醸し出す哀愁に満ちた男臭さと逞しさ、そこに仄かに香るのは大人の色気。熱きエモーショナルが迸るアンサンブルのカッコ良さ。HM/HRの醍醐味がギュッと詰まった熱演に聴いていて身体が熱くなります。昨今の装飾過多な音に少々食傷気味な方には強くおススメするし、ベーシックな世界観を強く誇示する姿にはこれらからのシーンを支える若者にこそ強くおススメしたい一品です。ほんとに大人の音ですよ。ダンディな音です。哀愁が目に沁みます。でもハードな調べなんです。なんかキュンと来るんですよね。松重豊が一人グルメを堪能するあのダンディズムに共通するカッコ良さがありますなぁ。


GREAT WHITE - Psycho City ★★★ (2016-01-26 13:34:57)

ガンズの空前の大成功、時代的もBACK TO THE 70年な空気に包まれ、さらにはZEPリバイバルという背景がありました。彼等自身もブルース色を強めた事により大きな成功を収めた事が、その方向性をより強く推し進める事になりメタル色は薄まりました、都会的な洗練されたスタイルが何とも言えないクールさを漂わせ、焦点を定めた事がマンネリズムを生んでいますが、ブルース&ハードブギーで生きていくぞという強い意思表示を感じさせる一枚。個人的にはバラードにおける泣かせ具合と乾いた渋みが胸に沁みます。名盤「ONCE BITTEN…」からメタル色を抜いたと言われたらお終いなんですが、色気のある③⑨は好きですねぇ。


CAIN'S DINASTY - Legacy of Blood ★★ (2016-01-26 13:18:08)

国内盤は『SPIRITUAL BEAST』よりリリースされていますスペイン産のメロデイックなパワーメタルバンドの1st。頭から勇壮かつクラシカルな響きを奏で力強く疾走、その様はヒブリアやエドガイ辺りの音楽性を踏襲、分かりやすメロディと勢いに溢れる演奏、シンフォニックなアレンジがアクセントとなり叙情性をアップとマニアのハートを掴んで行くのでしょう。その後も美しい調べが胸を打つバラードからパワフルな疾走ナンバー、メロディアスだがヘヴィなミドルナンバーと一辺倒にならぬよう多彩な楽曲を用意、緩急を効かせたアレンジが随所にドラマ性を生んでいます。全般的に詰めの甘い演奏がこの手のサウンドとしては少々致命傷になりかねないなと思う面もあるし、個人的に普段は聴かない音楽で正直聴いていて恥ずかしくなるのですが、クラシカルでパワー漲るスピード感溢れる楽曲、サビで拳を振り上げシンガロングしたい、そんなスタイルの音楽が好きな人には楽しんでもらえる要素も強いかと思います。


Phantom - ...of Gods and Men ★★★ (2016-01-26 12:55:14)

カナダの三人組による2014年リリースの1st。自主制作なので輪郭の甘い音質は仕方ありませんが、回転するリフワークと硬質感、NWOBHM的なニュアンスの強さはダイアモンドヘッド辺りを想起させますが、もっと埃っぽさがあるし、幾分男臭さも前に出ている。とにかくギミックなし往年の空気を纏ったノスタルジーに浸れる様と、古さを廃したモダンさも嗅ぎとれる音使いと作風は自主制作とは思えない完成度の高さを誇っていますね。アップテンポなパートで聴けるトリオバンドならではのスリル溢れるプレイ、ラフなパワーを内包するもエモーショナルな響きと滲み出るブルージーさが熱く迸る様にマニアならずとも引き寄せられるでしょう。最近の若いバンドは本当に古臭い音を出すなぁと感じさせますが、メンバーも30代後半、青春時代ど真ん中の音楽を反映しただけかも知れませんね。同じようなルーツを持つメタルファンなら共感出来るポイントも多いでしょう。


VANDERBUYST - Flying Dutchmen ★★★ (2016-01-25 16:18:07)

オランダ出身のトリオバンドが2012年にリリースした3rd。ド頭からビンテージ臭たっぷりのHM/HRサウンドを披露、その煙臭さにむせ返りますが、湿り気を帯びた哀愁が強調されたアレンジが強まりイイ感じで中和していくのが憎い。ブルージーな要素もあるが、灰汁も薄いし癖も無い、だが今風の要素は皆無、しかし過去の焼き回しでお茶を濁すような手法ではない、自らのルーツたる音楽をストレートに反映、今の時代に再提示したような70年代型HM/HRスタイルの持つブルース味にエッジを加味させたダイナミズムが詰まっています。扇情的なメロディの導入の上手さ、ポップでキャッチーな面も魅せるが軟弱にさせない男臭さ、幅広い音楽性は多くのマニアを唸らせる高品質を維持しています。メタル系の商業誌を購読しなくなって8年から9年は経ちます。スポンサーあっての商品ですから時代錯誤な音楽が紹介される分けはないのですが、1ページぐらいは、まだ見ぬ新人、欧州の盛り上がり、このようなパープルやUFO、ヴァン・へイレンなどの世界観を踏襲するバンドがいる事を伝えてくれたらなぁと思わずにはいられません。この手の音楽が復権しているのは、若いもんが過去にしがみ付いているオッサン相手に商売しているのではなく、今一度世に問う価値があるものと思っております。全11曲40分を切るランニングタイムの清々しさ、古くて新しい真製HM/HRサウンドに触れて欲しいですね。


SCREAMER - Phoenix ★★ (2016-01-25 15:54:47)

スウェーデン出身のNWOTHMバンドが2013年にリリースした2nd。頭からいきなりメイデンよろしくな疾走ナンバーで幕が開き、往年のサウンドを愛するものならニヤニヤとさせられること間違いなしと掴みはOK。音楽性も概ね前作の流れを組みNWOBHM風の楽曲に北欧ならではの冷ややかなメロディが乗り、甘口にならない硬質感とビンテージ臭がこのバンドの肝、やや狙いに行った感は否めないが、若いのに古臭い音を出す奴らだなぁと興味は尽きません。鋭利なリフとテクニカルなソロ、メロディアスな美旋律が華麗に踊るポップフィーリング溢れる快活な楽曲は聴いていて気持ちがイイですね。


DESTRUCTION - D.E.V.O.L.U.T.I.O.N. ★★★ (2016-01-23 14:40:11)

ヴィーニー・ムーアにゲイリー・ホルト、さらにはジェフ・ウォーターズ、盟友ハリー・ウィルケンズまで客演している事も話題のベテランスラッシャーが2008年にリリースした一枚。旧来のジャーマンスタイルを保持しつつも、時代性を巧みに取り込み昇華させているのも好印象。多彩なリズムセクションは絶妙な緊張と緩和を生み出し、お得意の身も蓋も無いスピード命のスラッシュサウンドは益々磨きが掛かり、そのバラエティに富んだ作風は痛快極まりない仕上がりとなっています。重戦車の如き突進力のあるリフワークとリズムプレイの圧は相当なものだし、一筋縄ではいかないネジくれたアレンジも流石の一言。シリアスでブルータルな面もあるが快活さが生きる剛毅なスラッシュサウンドを奏でれるのはベテランならではの手腕でしょう。


VOODOO CIRCLE - Voodoo Circle ★★★ (2016-01-22 13:41:14)

国内盤はキングレコード(AKB万歳!!)のNexusからリリースもされているアレックス・バイロット率いる正統派HM/HRプロジェクトの1st。ネオクラ風味満点のギタープレイを主軸にオーソドックスなスタイルの王道サウンドを披露、テクニックに埋没するようなことはなく押し引きを得たギターは聴いていて心地よいし、フラッシーなソロは勿論、豊潤なフレージングのカッコ良さ、インギー&リッチー風味丸出しのフィーリングにはニヤニヤさせられますが、かれが目指す方向性がこの世界観なんだなと理解できるので共感出来る面も多く、模倣やパクリとは違う自らの血となり肉となる純度の濃い音楽性の完成度は相当なものがある。メロディアスな側面を際立たせるアレンジセンスとパワーを内包したスタイルにはドイツ人らしい気質も感じさせ、キッチリと型のハマった音楽性の強みには、やや余白を感じさせませんが、実に堂に入ったものです。正統性の強い普遍のメロディックメタルをお探しの方なら楽しめるでしょうね。


BEDEMON - Child of Darkness: From the Original Master Tapes ★★★ (2016-01-20 12:36:26)

USシーンではカルト的な人気を誇り、またドゥームメタルを語る上では外せないバンドの一つペンタグラムのボビー・リーフリングなどペンタグラム人脈が脇を固めているというか同時期に活動していたらしいバンドのデモ集。所謂ドゥーム特有のローファイな音質(敢えて質を落としているのです)極悪なリフと、その酔いどれ感のあるタテノリのリズム。スローテンポな楽曲が煽るのはソワソワと落ち着かない焦燥感、ジリジリとした気分に不穏な空気も漂いますが、そこが一番の聴きどころだったりします。フィードバック奏法万歳な邪悪な雰囲気に満ち溢れた初期の作風も良いが、後半3曲では感触が随分と違い、時代の流れや音楽性の遍歴に興味を持たされます。スネアの抜けが良くなり、リフのドロドロとした情念は薄れていますが、ドゥームな血は脈々と受け継がれており、歌い手もスッキリとした印象を持たせる歌唱に変えているのも印象的で、ライトドゥームリスナーの自分にはコチラの方が楽しめたりします。とにかく前半はミドル&スローナンバーで埋め尽くされており、苦手な人には眠たくなる時間でしょう。慣れていないとこの音質に腹が立つかも知れません。でもUS産ならではの湿り過ぎない乾いた質感と葉っぱの煙がくゆらせる、不吉なる蠢きがなんとも癖になるのではないでしょうか。70年代のマテリアル集めたコンピ作、2005年にリリースした作品を昨年の10月に「Relapse Records」から再発となっただけのクオリティは備えていると思いますよ。


SALEM - REASON FOR EXISTENCE ★★★ (2016-01-19 15:05:58)

かの有名なKERRANG!誌においても高い評価を受けた国産プログレスラッシャーが1993年にリリースした1st。唄の弱さは否めませんが、日本人ならではのキメの細かいフレージングと拘りのプレイ、アタッキーなリフワークは勿論、技巧的なバッキングプレイが耳を惹くギター、「Church of Misery」の三上氏が弾き出すベースのグルーブと手数の多いドラミングのシャープなキレはテクニカルな要素を格段にアピールしていのも彼らの音楽性を支えるキーポイント。過度の派手さや激烈な要素を前面に出さなくとも、十分に感じさせる激しく揺さぶる感情の機微、そこが重要だし濃密に描かれている。また壮大なイメージを抱かせつつもパワー満載のプログレッシブな要素も強い音楽性を1stの時点で見事に確立していますね。1994年に惜しまれつつ解散したのですが、今なをカルト的な人気を誇るバンドと語り継がれる所以たる魅力を体感出来ますね。


Magnesium - Time Tells No Lies / over the Rainbow - Time Tells No Lies ★★★ (2016-01-19 14:42:08)

頬を切り裂くような冷たい風が吹いていますね
咽び泣く哀愁をたっぷり含んだ叙情派サウンドに胸が熱くなります
泣かせるわ
味があるわ


Magnesium - Time Tells No Lies / over the Rainbow - Over the Rainbow ★★★ (2016-01-19 14:38:56)

泣いてるわ
泣きじゃくっております
小さい事に目をつむり
この哀愁のジャパニーズNWOBHMサウンドに咽び泣きます


Magnesium - Time Tells No Lies / over the Rainbow ★★★ (2016-01-19 14:35:34)

SACRIFICEのドラマーとしても知られる舘 真二(お兄さんはMetalucifer、SabbatのGezol氏)が中心人物となるバンドが2006年にリリースしたEP。ここでSAMMこと舘さんは全てのパートを一人でこなし、哀愁のメロディが大好物な人間の涙腺を刺激しまくる、哀メロ満載のブリティッシュカラー一色のHM/HRサウンドを披露。適度な疾走感と叙情味あふれるメロディが、たっぷりの湿り気を含み駆け抜けるは様に悶絶必死。その咽び泣く哀愁のツインリードはどこまでも泣きまくり、薄っぺらい音質のモノともしない、鼻孔をくすぐり続ける叙情的な旋律に胸が掻き毟られますね。ジャーマンメタル化する前の初期SAXONやPRAYING MANTIS、等を筆頭としたNWOBHMの中でも特段に感じさせる哀愁路線を支持知るマニアなら必調の一枚ですね。唄の弱さやプロダクションの脆弱さを責めるよりも、聴くべき要素が強い一品。国内よりも海外で認められマニア筋からも支持を受けていた国産バンド。2012年にはフィンランドのレーベルから過去のデモとLIVE音源をまとめたコンピレーションも出ていますので今作を気に入った方ならイケるでしょう。


CAULDRON BORN - Born of the Cauldron ★★ (2016-01-18 13:11:03)

US産エピックパワーHM/HRバンドの記念すべき1st。ダークでミステリアスな世界観はマニラロードにも通ずる気合いの入りよう、ヘヴィで重量感のある楽曲における説得力の高さ、⑤のような楽曲で聴ける飛翔感、ダークファンタジーな②の濃密さ、幻想的なムードと供に撒き散らされる不穏な空気が野蛮な狂気を孕んでいる①、暗黒の世界を黒く光り輝かせるヒロイズム溢れる⑥、多彩なリズムチェンジが耳を惹くファンタジックな③と、実に濃厚な世界観を抽出し眼前と広がるは、不穏な空気に包まれたヒロイズム溢れるダークファンタジー、それらを否応なしに体感させてくれる一品。スッキリ走り出すわけでもなく、キャッチーさもないので、この手の音楽性は聴き手を選ぶしライトリスナーには向かないのですが、むせ返るような密度の濃い世界観、一度ハマると抜け出せない吸引力の高さと奥深さは、中々のモノですよ。


EARTHSHAKER - BIRD - TABOO ★★★ (2016-01-17 13:32:45)

躍動感のあるリズムカルなリズムが気持ちいいです
シェイカー節満載ですね


EARTHSHAKER - BIRD - One Soldier ★★★ (2016-01-17 13:31:04)

コージーよろしくな工藤のドラミング
マーシーの艶のある歌声
このメロディがエエですね
流石はシェイカーですよ
ソロもエエわ


EARTHSHAKER - BIRD ★★ (2016-01-17 13:29:47)

キングレコードの「Nexus」レーベルに復帰してからは本当に精力的な活動を行っていなと思える、彼らが2015年にリリースした一品。何度コスッたら「気が済むねん」とファンからも突っ込まれそうな名曲③のリメイクもソロ、リズムパターンなど随所に大胆なアレンジを加えプチリニューアルに大成功、外部の力を注いだ④の新旧に魅力をたっぷりと含んだチャレンジ精神と、ここにきて益々盛んな創造性を感じさせるのですが、近作でも聴かれていたシーケンサーの音がこれでもかと言わんばかりに前に出ており、その活躍ぶりは「Treachery」ぐらいの勢いなのですが、上手く楽曲に溶け込ませらしさを失わないアレンジは流石の一言。陽性シェイカーを巧みに演出した一枚と響いているでしょうね。個人的にはもう少し湿り気と泣きが欲しいのですが、そこは嗜好の問題。多くのシェイカーファンのみならず、大衆受けする感触を残したハードサウンドが放つ普遍の輝きはバンド好きの若者にも喜んでもらえる要素も強いでしょうね。


SOLSTICE - Solstice ★★★ (2016-01-15 14:16:15)

国内盤はテイチクからリリースされたマイアミの4人組による1st。ハードコアテイストも搭載された質の高いスラッシュサウンドは攻撃性を緩めいない高速ビートを中心に、疾走感を煽る楽曲のオンパレードとなるのですが、画一的にならぬよう巧みに変拍子を盛り込み、切れ味鋭いリフワークと狂気を孕んだパフォーマンスは圧倒的な破壊力をもっています。一貫したスタイルから生み出される丹念に構築された楽曲はソリッドにシェイプされ出サウンドメイクと供に、時代性を巧みに飲み込み新旧入り混じった魅力を感じさせるのが面白いですね。全9曲35分にも満たないランニングタイムに物足りなさを覚える趣をあるかもしれませんが、高速ナンバー満載のスラッシュを聴くのには丁度よい尺かと思いますよ。


DEMON - Blow-Out ★★★ (2016-01-13 14:40:51)

前年にベスト盤「Anthology」をリリース。メンバーチェンジもあり一区切りをつけたような印象が強いですね。キーボードが抜けた分、それまで極めてきたプログレテイストや突き抜けるキャッチネスさは減退しましたが、エッジのあるギターと軸に、いい意味で古臭いNWOBHMテイストの復活、アコギからハードな流れに展開する「Sacred Heart」の構成や音使いなど流石の一言に尽きます。芸の細かいアレンジと聴かせる技術の高さ、デビューしてからコンスタントに作品をリリースしてきただけの事はありますね。哀愁漂う強烈な伝統美が貫かれた一品。これもDEMONサウンドの一翼を担う作風である事に間違いありませんね。今作リリース後、彼等も時代の波に飲み込まれ解散、完全復活を待つのに2012年まで掛かるのですが、興味のある方はサタニカルな面もフューチャーされたNWOBHM印満載の「NIGHT OF THE DEMON」、大衆性も加味されつつもハードさやドラマ性は失われない一代叙情詩が貫かれた名盤「TAKING THE WORLD BY STORM」など聴いて欲しいですね。


DEMON - Better the Devil You Know (2016-01-13 14:22:59)

人知れず再結成を果たしていたDEMONが2005年にリリースしたアルバム。個人的には良質なポップフィーリングを生かしたドラマティックな構成が美しい楽曲が彼らの魅力だと思っているので、今作も前作同様、らしくない作風に走ってる印象が強く、また初期のNWOBHM風味でもないのでDEMONサウンドに拘る方には同名異バンドと映るでしょうね。2005年らしいモダンさも取り込んだ現役の音、正統性も加味するが、英国的なニュアンスや回転するリフワークもない大味なラフさが映えるハードサウンド、やはりアンサンブルとリフワーク、音質とここまで違うと当時の音楽を好み、また彼らのカタログを押さえてきた身としては違和感は拭いされないですね。でもそんな事に思い入れや先入観がなければ、味のあるオールドスタイルの音楽として、懐かしみ楽しむ事も出来るでしょう。


DEMON - British Standard Approved (2016-01-13 13:56:15)

DEMONと言えば1stと言われるのですが、今作は1985年にリリースされた4枚目。ギタリスト、メル・スプーナーが1984年に他界。そのテイクを残してのレコーディングなのか詳しいバイオは分かりませんが、クレジットはありますね。そして、その事が少なからず音楽性に影響を与えるのかなと推察も出来るのですが、初期のNWOBHM特有の熱情型サウンドに絡むデイブ・ヒルの塩っ辛いオッサン声に騙されそうになりますが実はメロディはポップな要素が強く、そのニュアンスは2nd以降強くなるのですが、今作ではその面とキーボードを前に出したプログレ要素もアップ、1stのようなおどろおどろしいメタルやエッジの立ったギターを期待すると完全に肩透かしを喰らうし、オッサン声が合うのか合わないのか?気になったら全滅です。でも彼らのカタログを順を追って聴いていると、今作の方向性も後にリリースされる大名盤「Taking the World by Storm」へと続く道と捕えると見えてくる景気も随分と変わってきますね。彼らが本来持っていたポップフィーリング溢れるメロディ、それらを前面に押し出した優しい作風に癒されますね。高尚な音楽性なのですがロック色が少々薄すぎる、そこが評価の分かれ目ですかね。


SATAN - Atom by Atom ★★★ (2016-01-13 13:28:32)

アルジーTANKの新譜が手に入る予定が頓挫、それならば代わりに新年一発目に購入したのが今作と国産正統派HM/HRの牙城を守るサーベルタイガーの新譜とコレでした。僕が買ったのは輸入盤で国内盤にはボートラが2曲入っているのですね。こちらに登録されているのはオリジナルの10曲入りですね。回転するリフが耳を惹く①で幕が開ける、そのキレまくったリフのカッコいいこと、楽曲もこれぞNWOBHMと膝を打ちたくなる構築美に胸が焦がれ、その後もテンションの高さを保持するアグレッシブなリフワークと疾走感を煽るビートが最後まで落ちる事無く続きます。NWOBHM特有のラフなパワー、英国ならではのドンヨリとした靄の掛かった音質と濡れ煎餅のような歯切れの弱いメロディ、なんだか古臭いなぁと言われたら、ハイ終了なんですが、前作同様ここまで当時の空気を再現されたらマニアとしては、ぐうの音も出ませんね。何を聞かせたいかを明確に見据え、最大限の表現方法で見せつけたベテランバンドの気概、過去の焼き回しではない、今を生き抜く本域の英国産メタルに改めてひれ伏しました。


BANZAI - Duro y potente ★★★ (2016-01-11 13:29:12)

日本人にとっては、どうしてもオフザケ感が拭えないネーミングに腰が引けるのでしょうが、出している音は気合いの入ったメロデイックな正統派HM/HRサウンドだ。スペイン産らしい情熱が迸る哀愁度も高い美旋律を生かしたリードギターのプレイも耳を惹くし、アンサンブルの充実ぶりもバンドのポテンシャルの高さをアピール、曲良しメロディ良しと語感が気にならなければ概ね楽しめるでしょうね。骨太で枠組みのしっかりとした中でメロディアスな事をアピールしているが、そのシャープなメタルサウンドを失わないことが彼等の最大の魅力でしょう。この完成度の高さはマニアならずとも魅力的ですよ。


BLACK WIDOW - Streetfighter ★★★ (2016-01-11 13:14:28)

モーターヘッド丸出しのオープニングに一瞬ズッコケそうになりますが、その曲もしり上がりにカッコ良くなり、完全に自分たちのカラーの染め上げている。ベルギー産らしい湿り気と、アメリカやイギリス、ドイツなどとも違う、やけくそ感溢れるパワフルさが漲る音楽性はNWOBHM勃興時を思い起こさせる荒々しくも逞しい暴走スタイルが貫かれており、塩っ辛いオッサンサウンドに目頭が熱くなります。回転するリフ、煽るリズムチェンジ、それらを生かしたスピード感、プリースト風味もあり、聴いていると身体が熱くなりますね。テクニック云々では語れない熱を帯びたロック魂に焦がれました。たぶん未CD化。アナログ盤でもエエから聴いて欲しい一品ですよ。


WITCHKILLER - Day of the Saxons ★★ (2016-01-11 12:59:50)

カナダはオタワ出身の4人組による1985年リリースのEP。メタルブレイド発らしい硬派な正統派サウンドを披露、後にSPVからオブセッションの「Marshall Law」とカップリングでCD化されたりと(メタルブレイドからもCD化されています)、音楽性の類似点も高く、その筋のマニアならグッとくること間違いなし、シリアスでダークな重ぐるしさと疾走感を生かした「Day of the Saxons 」等は彼らの代表曲でしょう。もう少しキャッチーな分かり易さでもあれば一見さんにも優しいのですが、こういったサウンドを目指すバンドの美点は生かされているし、俺たちはメタルが好きなんだという空気感が何とも言えぬニュアンスを醸し出していますね。音質の悪さが平坦な流れを生み、ともすれば流れて行きそうになるのですが、マニアには強く訴える何かがあるように思いますね。


Warhead - Warhead (2016-01-09 15:43:56)

2011年に他界した元MOTORHEADの『ワーゼル』ことマイケル・バーストンに、TNAK、WARFAREのアルジー・ワード、WARFAREのポール・エヴォらが結成したバンドが1995年にリリースした1st。このメンバーが揃えば、否応にも期待が高まるし、出てくる音も想像できますが、イニシアチブは誰がとってんのかいな?と思わせる焦点のボヤけた、やや迫力に欠けるプレイと楽曲が続き、曲も「Fear Zone」はアルジーとエヴォが供に活動していたWARFAREのLIVEアルバムにも収録されていた曲だったりと既発音源や、何やら自身のバンドのアウトテイク臭的な雰囲気が漂うのが個人的には難点(他にも既発音源があるのか気に留められない残念な仕上がり)と塩っ辛いコメントが続くのですが、参加メンバーに対する期待が高すぎただけかもしれません。ちなみに、このだみ声で噛みつくシンガーなんですが、名前が『Julie Marley 』なんで女性でしょうね、最近まで気がつきませんでした。お恥ずかしい、それにしてもタフな声の女性だ。そしてアルジーはここではギタリストなのですが、ベースの方が『Alan Ward』というクレジットでして、アルジーと関係あるのかな?なんて思ったりしてます。レミーの訃報を聴き、久しぶりに聴いてみた一枚。歴戦の兵の殉職に寂しさが募りますよ。


SCREAMER - Adrenaline Distractions ★★★ (2016-01-09 15:24:25)

正統派HM/HRマニアにとっては安定のブランド「High Roller Records」から2011年にリリースされた北欧はスウェーデン出身のツインギター編成、ベースがボーカルを務める4人組による1st。あえて狙ったのでしょうが、この少々埃っぽい臭を漂わせたサウンドメイクがツボ、生き生きとした良質なメロディが華麗に躍動するヘヴィなサウンドはまさにNWOBHM、キャッチーなリフワークにフックに富んだメロディを生かした歌メロ、一聴して耳に馴染む聴き易さと、ハードさのバランス感覚は若手とは思えぬ完成度の高さ。その分、粗くともはち切れんパワーがない分、少々大人しいと感じる面はあるのかもしれませんが、今は欧州を中心に、かなり規模で普通の音楽が急速に認知を広め、一頃のデスヴォイスブームも落ち着き、ようやくドーナツ化した空洞を埋める作業が進んでいるように感じます。歴史は巡るのですが、色んなスタイルのバンドが共存し反映する事が理想でしょう。トラディショナルとはなんだ?どうしても昔の作品は音質も良くないし、古臭さは否めない、そんな理由で手が出ない人にこそ聴いて欲しいですね。普通の事を普通にやっているだけだし、ド派手な仕掛けも、飛び抜けたリーダートラックもないのですが、作品を通して聴いた後の試聴感の心地よさ、時代とスタイルを超えた普遍の音楽性に笑みがこぼれました。恐るべしHigh Roller Recordsよ!!


AMBUSH - Firestorm ★★★ (2016-01-09 15:06:23)

知る人ぞ知る我らが「High Roller Records」から14年にリリースされた、北欧はスウェーデン出身の5人組による記念すべき1st。所謂、NWOTHM群の一角となるのでしょうが、これが素晴らしいなり切りぶりである。少々拝借フレーズが気になれど、パワー&メロディー、スピードと三拍子そろい踏み、無駄にヘヴィなならず、かといって軟弱な要素は皆無、良く伸びるハイートーンボイスが映えるメロデイックなサウンドに、トリプルスリー達成万歳と叫ばずにはいられませんね。回転するリフワークの懐かしい響き、レギュラーチューニングの心地よさ、テクニック云々よりも皆で聴かせようとするアンサンブルの安定感が、若さに任せてブワーっと流れずに楔になっているのが聴き易さの要因、その分、落ち着いたサウンドに、昨今のヘヴィなモノを食す若者には、少々薄味なのかも知れませんが、ジューダス・プリーストやライオットと言った、80年代型欧州産正統派HM/HRサウンドに通ずるスタイルが好みの方なら安心して聴いていられるでしょう。個人的にもスリルは薄いが安定のブランドとして、またノスタルジーを呼び起こし無垢な少年時代を想起させるピュアメタルサウンドとの出会いに焦がれました。未聴なのですが、2ndはあの「SPIRITUAL BEAST」から国内盤も出ているので、彼らがマイナーなアングラシーンに埋没するようなバンドでない事を裏付けていますよね。


DARK ANGEL - Leave Scars ★★ (2016-01-06 15:05:08)

ZEPのカヴァーも収録されている劣悪な音質でも有名な意欲作。どったんばったん忙しなく走るリズムに「一旦、落ち着こう」と声を掛けたくなるのですが、この雑音入り混じった極悪なサウンドと強引に押しまくるリフの嵐に、彼らの魅力を大いに感じます。当時としてもやや類型的な面も見えるが破天荒極まりないハイテンションな攻撃性は逆にこの時代ならではの味わいでしょう。粗挽きだけと好きです。


KREATOR - Enemy of God ★★★ (2016-01-06 14:50:30)

スラッシュメタルのリバイバルにより多くのバンドが復活&原点回帰を告げる、僕もしばらく、この手のサウンドと距離を置いていたのですが「Thrash Domination 06」を見てからプチマイブーム到来、失われていた時間を取り戻したのですが、今作を聴いて驚きました。まずは音楽性の幅を感じさせるフックに富んだ扇情的なメロディの数々、それらを拡散しないよう集約するスラッシーな攻撃性を誇示するギターワークと強靭なリズムプレイ、アグレッション極まりない音楽性にここまで色と艶を付けていた事に驚きました。従来の魅力と、ある意味、メロデスにも通ずるメランコリックさが高次元で融合、2000年以降のスラッシュサウンドとして威風堂々とした仕上がりにひれ伏しますね。それにしても、激烈なピッキングとリフワークはこのバンドならではだね。


DESTRUCTION - The Antichrist ★★★ (2016-01-06 14:32:18)

ド頭からハイテンションで突っ走るシュミーア復帰の第二弾。前作以上に初期の頃を彷彿とさせる曲調とミキシングに懐かしい感覚に囚われますが、安易な焼き回しなのではなく、しっかりと時代性を見据えた重量感たっぷりのバイオレントなサウンドに悶絶必死。引っかかりのある癖が強いリフワーク、ギラギラと艶を増した豊潤なフレージングの旨味、多彩なリズムもタイトにキュッと絞った事により、ストレートなアグレッションが体感できるのも今作の特徴。首筋が疼きっぱなしの45分に往年のスラッシュファンにとってはたまらんでしょうね。それにしてもギターがここまで多彩な表現方法を取るとは思いもしませんでした、意外と耳に残るがアタッキーなパンチ力を損なわないのは流石だな。やはりこの声あってのディストラクションですね。うねるわぁ。


DESTRUCTION - All Hell Breaks Loose ★★★ (2016-01-06 14:21:18)

1990年以降多くのバンドが新たなる方向性へと舵を切るのか運命の岐路に立たされたのですが、ご多分に漏れず彼等も多難な道へと進みのですが、紆余曲折を経て追い出されたシューミアの復活、そして音楽性の原点回帰という実にファンにとっては好転した新たなる道しるべとなる一枚ですね。癖のあるマイクのリフワークは冴えわたり、成熟された音楽性が反映された多彩なフレーズの面白さ、ソロなどで聴ける熟練の技に魅入られました。今まで以上に複雑にリズムチェンジする様のカッコ良さに痺れるし90年代を通り抜けてきた時代性も加味したヘヴィとアグレッションがクールに鳴り響きますね。収まるべくして揃ったメンツが放つ強靭なスラッシュサウンドにマニアならずとも仰け反るでしょう。うねるぜぇ!


TANK - Valley of Tears ★★★ (2016-01-03 05:25:03)

新生タンクのフルアルバム第三弾。ポーランドのMetal Mind Productionsからのリリースには少し驚きましたが、新シンガーにドラゴンフォースのZPサートを迎え入れ、より正統性の強い哀愁のHM/HRサウンドは益々磨きが掛かりメロディ愛好家にはたまらんものがあるでしょう。インパクトも派手さもないが、哀愁度の高いツボを押さえたツインギターの旨味も盤石だし、堅実な作りだがメロウかつエッジの効いたブリティシュサウンドは安定のブランドとして聴けるし、マニアにとっては悶絶級の一品、今風の生っぽい音作りも功を奏しているのも好印象。個人的には前任のドゥギー・ホワイトはエモーショナルだが声質のマイルドさがTANKサウンドにおいて、やや深みに欠ける面があったので、こちらのシンガーの方が合っているでしょうね。彼の加入によって洗練度もアップ、そこに不器用な男の背中が語る憂いあるサウンドが、エエ感じでブレンドされアルジー・ワードと袖を分かち目指してきたスタイルが実を結んでいるように感じました。


吉井和哉 - ヨジー・カズボーン〜裏切リノ街〜 (2015-12-28 13:20:24)

サブラベルズのカヴァーをやっている、その一点が購入の理由。吉井と言えば静岡のモトリークルーといわれたアーグポリスのベースとして国産HM/HRシーンで活動をしていたのは有名な話ですが、後に女装したパフォーマンスが完全イロモノだったラフなハードサウンドがカッコよい(男になった3rdは良かった)キラーメイの菊池兄弟、多くのミュージシャンを輩出したムルバス~16レッグスのベース広瀬洋一等と結成されたのがイエローモンキー、初期の頃はグラム色の強いロックサウンドと、甘いトーンの声がピッタリとマッチしており、なぜアーグポリスのシンガーはあんなに濁声の雰囲気重視の歌い手で、よっぽど吉井が歌っていればと思いましたね。個人的には吉井のキャリアはほとんど知らないし、イエローモンキーとなるとインディーズのCDを一枚聴いたくらいなのでウンチクを語れませんが、リアクションの加藤純也、44マグナムの吉川、プレゼンスの白田、樋口宗孝の愛弟子メイクアップの豊川によるグランドスラム。メイクアップの山田、河野によるグランプリ。恩田快人を中心に葛城哲也のT.V.のドラマーとして知られるバリバリのロックドラマー五十嵐公太、ダンサーやD.T.Rなどでの活動で知られるフライングVを操る男、藤本泰司などが参加していたJUDY AND MARY(音楽性の変換メジャーデビューって恐ろしいわ)など、当時の元メタル組によるスーパーバンドの一つの認識でしたね。

昔、吉井が笑っていいとものテレフォンショッキング出演時、友達紹介の際に「サブラベルズの高橋喜一さん」とアドリブをかまし、タモリを驚かせる場面を見た事を鮮明に覚えているのですが、世話になった人への恩返し、それ以外では考えられない選曲に興味を惹かれた、この曲だけをダウンロードせずに丸ごと作品を購入するのは冒険でしたが、敬意を表して行かせて頂きました。正直、ヘルズライダーのアレンジも含め出来栄えには、吉井のファンにとってもメタルファンにとっても得意をしたとは言い難い内容でしたが、これを機に多くの人にサブラベルズを知ってもらいたいその一心だけです。アンセムの30周年フェスで奇跡の再結成を果たした彼等、メンバー間の溝は深かったのか高橋喜一の復活はありませんでしたが、その姿に涙するマニアは多かったはず、今作を通じて興味をもって頂ければなぁ、そしてパーマネントな復活を願わずにはいられません。

勝手な推察ですが吉井和哉さんとは実に義理堅い男なんだなぁと思いました。だって誰も知らないじゃん、サブラベルズ。SEの後の実質オープン二ングですからね。ある意味、男らしいです。アレンジはアレですが、もっとあるもんね、知名度も含めて、すごいなぁ漢だなぁ。


Blind Witch - Burn Witch Burn ★★★ (2015-12-26 14:13:56)

フィル一つにも艶がある打ち殴られるドラムの酔いどれリズム、焦燥感を煽るなんとも荒んだ音色、絶妙なタイム感とクールなリフワーク、ソロでは扇情的なメロディで聴き手のハートを掴んで離さないギター、浅井兄弟から繰り出される盤石の弦楽器隊のプレイと聴くべき点が多い流石の一品。三重県を拠点に活動を続けているのですが、ここ日本国内よりも海外でその名が通るカルトメタルバンド「METALUCIFER」の二人に元SabbatのTemisさん、ドラマーはRyo Koyatsuさんの4人組。ブルージーさはないが、暗黒面をフォローする瘴気に満ちた冷たいサウンドは70年代的様式を踏襲したドゥームロック。リフ、メロディ、構成と混沌とした邪悪さを追い求めつつもメリハリを効かせた展開が、迫力のあるサウンドとなり聴き手を音の塊でぶん殴ってきます。ドロドロとしつつも広がりのあるプレイが耳を惹くリズム隊の奥深さに感嘆しつつも、多彩なリフワークは勿論だが、アップテンポを繰り返し曲調に絶大な効果を発揮するギターとアレンジが冴えわたりますね。最近はこの手のドゥームロックを聴く機会も増えたのですが、吐き出される情念と悲壮感溢れるメロディ、これが重ぐるしいサウンドの中でダイレクトに伝えてもらうと聴き易いですね。


CRYING STEEL - On the Prowl ★★★ (2015-12-26 13:17:21)

イタリアはボローニャを拠点に活動していたツインギター編成の5人組が1987年にリリースした1st。所謂プリーストを模倣とした正統派HM/HRサウンドを披露、攻撃的でパワフルな突破力、叙情的なメロディを盛り込み実にオーセンティックな構成、そこに1987年という華々しさも加味された絶妙なバランス感覚が懐かしい風を運んできますね。歌い手も押しつけがましく力技で乗り切りわけではなく表現力もある、こういう普通の事を普通にやられると、本当にヘヴィメタルってエエなぁ、と思えるのですが、今の若い人にとっては全然ガリガリしてないし、速くないしヘヴィでもない。でも癖がなく、メタル度指数も高目でなおかつ、シンプルで聴き易いと実はライトリスナーにこそ聴いて欲しい一品だったりします。この適度な隙間のある音がやっぱりエエわいなぁ


L7 - Smell the Magic ★★ (2015-12-23 17:59:18)

所謂シアトルサウンドですよね。極悪なディストーションサウンドと猥雑さを感じさせる女性シンガー、そのバイオレントかつメタリックなサウンドが放つ豪傑さに耳を奪われたマニアも多いでしょう。メンバーが全員女性とは思わせない厳つさ、でもどこか冷めた感情が内包され、ずるずると引きずるようなノイジーなギターと豪快なリズムとの狭間でユラユラと揺らいでいるような感覚が癖になりますよね。分かりやすいスピード感や口ずさめるようなメロディはないかも知れませんが、この手のグランジサウンドほど、ヘヴィでありながらもキャッチネスなのが特徴的ですね。後にゴシップネタで世間を騒がせるのに事欠かない彼女達ですが、そのヤバさが音に表れているのも見逃せません。


SACRIFICE (CANADA) - Soldiers of Misfortune ★★★ (2015-12-23 17:44:54)

トロント出身のカナディアンスラッシャーの代表作とも言える3rd。基本はヒステリックながらも今まで以上に歌い手も楽曲に合わせ抑制を効かせた唄を披露する事により、表情も豊かになった事がまずはプラス要素、更なる深みを魅せるアンサンブルの向上、屈強なリズム隊によるリズミカルなプレイの数々、緩急を効かせた躍動するリズムの上を無駄を排除しコンパクトに纏めながらも魅力的なリフやフレーズを盛り込んだギターは、破壊力満点のサウンドを見事に集約し柔軟な姿勢を見せている。巧みなリフワークを生かし起伏に富んだダイナミックな構成はスラッシュメタルの美点を光らせるものだし、メロデイックだがトゲトゲしく突き刺さるノイジーさが何とも言えない魅力を感じさせてくれます。


BLESSED DEATH - Destined For Extinction ★★★ (2015-12-22 13:21:49)

ニュージャジー出身の5人組による1987年リリースの2nd。バッカンバッカンと剛毅に打ち鳴らされるパワー漲るサウンドに汗も噴き出ますね。プロデューサーにRAVENのロブ”ワッコ”ハンターの名前も連なる通り小細工無用なアグレッションと供に練り上げられた構成は骨組みもしっかりとしており土台作りは強固なものとなっております。それ故にバッタバタと乱れる事のない整合感はバンドの肝となり、その攻撃性とスピード感を煽るリフワークとリズムが聴いていて心地が良い。スレイヤーやメタリカといった先人達の影響を受けつつも、模倣で終わらぬ展開も耳を惹くメロディもカッコいいし何よりパワフルだ。凄まじいエネルギーと熱情がパッケージされたUS産スピード/スラッシュメタルの底力、この時代ならではの弾けるパッショネイトに胸が焦がれます。


ACID STORM - Biotronic Genesis ★★ (2015-12-22 12:59:49)

ベイエリアクランチを思い起こさせるブラジリアンスラッシャーによる1st。耳を惹くギターリフと供に、喚き散らすだけではない歌い込めるシンガーとの噛み合わせも上々で、皆がシェアする類型的なスタイルなれど、自らの道を追求しようとする姿勢も見られメロディを意識しつつも鋭いエッジが効いた攻撃性を緩めないスタンスは聴いていて心地が良い。爆裂感と整合性、小気味良いリフワークと流麗なリード、その屋台骨を支えるリズムはやや軽めの音質なれど手数の多さも印象的だ。


HELL - Human Remains ★★★ (2015-12-21 16:21:47)

Mausoleumレコードの倒産により活動が停滞、メンバーの自殺など不遇を味わい息絶えたNWOBHMのアングラシーンを支えた彼等、そんな彼らを愛していたアンディー・スヌープが再結成へと動き出し見事に復活を遂げたのが今作。楽曲のマテリアルは当時のものを採用しつつも、洗練度も増した演奏と楽曲が放つ魅力は相当なものだ。シアトリカルな語り部も鬼気迫るパフォーマンを披露、いびつに歪んだシャウトにゾクゾクとさせられますね。また禍々しい暗黒サウンドとエッジの効いたヘヴィなサウンドが無駄なく共存。クラシカルな響きには静謐性もあり、さらにはその中に親しみやすいメロディまで導入している辺りのアレンジも熟練の技と供にギラリと光りを放ちます。濃密なアンサンブルが生み出す邪悪なる闇の宴、張りつめた緊張感に息を飲み、迫りくる漆黒の闇に慄き、全てを覆い尽くす鬱積としたジレンマに神経が逆なでされるような焦燥感が今作最大の聴きどことかも知れませんね。一級のゴシックホラー映画を見たような感覚を覚えますね。


Osukaru - Triumphant ★★★ (2015-12-18 13:44:55)

元KATANAのギタリスト、オスカー・ペターソンことオズ・オスカル率いる北欧産のメロディアスHM/HRバンドが2013年にリリースした作品。北欧産ならではのキラキラとした糖度も高いハードポップサウンドを披露、キーボードのみならずサックスなどもフューチャーし非常に洗練された印象を強く受けます。甘口の華やいだムードを持ち込みつつ、哀愁のメロディが映えるハードさも盛り込みコマーシャル性も高いが職人技も冴えるアレンジが心憎い。とは言えリードシンガーの男性がイマイチ、歌い込めておらず、サポートするような形で女性シンガーはキュートな歌声を添えて盛り立てていますが、歌モノ故に、その弱さが気になるのは確かです。そこが気になると今作はかなり厳しいものとなるのですが、楽曲の良さがその部分を埋め合わせ、十分すぎるほど体裁を取り繕っているので、北欧産のハードポップサウンドが好きな方な聴いても損はしないでしょう。久しぶりに聴きましたがエエですなぁ。


Lynx - Caught in the Trap ★★ (2015-12-17 09:51:21)

スウェーデンの5人組による1985年リリースの1st。北欧メタル特有の甘美なメロディよりも硬派なスタイルの古典的手法に乗っ取った作風は懐かしさと供に安定感を誇り、特にリッチー愛溢れるリードギターには苦笑いも覚えますが、その手のスタイルが好きな方には共感出来る面も多いでしょう。北欧らしい憂いのあるメロディは北欧産の成せる技、甘さ抑えめのハードテイストとリッチー万歳のフレージングを甘受出来るのか?通して聴くとメリハリに欠ける構成に眠気も襲うと、今作一枚で消えメジャーになれんかった脇の甘さを感じずにはいられませんが、RAINBOWマニアに流れる紫色の血が騒ぐ面を、やはり持ち合わせており、ついつい最後まで聴かせてしまう言う魔力があります。マニアご用達の北欧サウンド故に、その筋の人ですら賛否が分かれそうな一品ですが、探せば簡単に耳にする事が出来るのでお試しあれですね。


SATAN JOKERS - Les Fils du Métal ★★★ (2015-12-15 14:14:50)

フレンチメタルシーンを語る上で外す事の出来ないパリ出身の4人組による1983年リリースの1st。なんだか分かりませんが強烈なジャケットに購入を躊躇させますが、これが実に興味深いサウンドで、所謂一般的にフレンチメタル=ダサい、遅れているというイメージで語られることが多かったのですが、気骨のあるサウンドの上を軽やかなメロディが見事に踊ると言う、何とも奇妙なかみ合わせが独特の間を生み出し、そのカラーにはメタル後進国などと揶揄されるような面はなく、むしろ美意識が生きる、ある意味フレンチ的なイメージを見事に抱かせるサウンドを披露してくれます。なんとも日本びいきな③④と気になるタイトルに一抹の不安も覚えそうですが、中途半端なジャパネスクを放り込む事も無く、むしろ良い曲だ。骨格のしっかりしたHM/HRサウンドを主軸に垣間見せるメロディには見事に母国のカラーを浮き上がらせ個性を発揮、このようなサウンドが当時、国内で見事にスルーされていたのは残念ですが、何とも言えないポップフィーリングが息づく正統派サウンドは、攻撃的すぎず、オシャレすぎないが垢抜けないと、上手く形容する言葉が見つからず掴みどころがないのですが癖になりますね。


HIGH POWER - High Power ★★ (2015-12-15 13:48:57)

NWOBHMの風はフランスにも吹き荒れていたんですね。1977年から活動するフランスはボルドーの5人組が1983年にリリースした1st。録音状態は相当厳しいものを感じますが、これぞHM/HRというムードに満ち溢れており、荒削りな面はあれど時折切れ込んでくる扇情的なフレーズに心も軽やかにふられ気分でR&Rになります。マニアご用立つのサウンド故に気合いの入ったNWOBHMファン以外には進めませんが、その筋が好きな方には心惹かれるものがあるかと思いますよ。詰めの甘さや類似性、稚拙な面を釣り上げ、俺はなんでも知っていると勘違いするなら、秀でた面を愛でる方が遥かに有意義で重要な事と思っていますので。


ADX - Exécution ★★★ (2015-12-15 13:32:55)

フレンチ産の老舗パワーHM/HRバンドが1985年にリリースした記念すべき1st。スピーディーでパワフルな楽曲を主軸にメロディを蔑にしないアレンジも効いており、メイデン風のツインリードも上々のかみ合わせだ。とにかく小手先のテクニックに頼らず目一杯メタルな世界に挑んでいるのが微笑ましく、そのはち切れんばかりのパワーとメタル愛を内包した曲作りには好感が持てました。切れ込んでくる鋭角的なリフワークに時にはメロウなフレーズを盛り込む表題曲なんてアイデアとヘヴィメタルが持ち合わせている美点が詰まった名曲かと思います。個性的なサウンドではないかも知れませんが、この初期衝動を呼び醒ます、清き姿勢に胸が焦がれますね。


W.A.S.P. - Dominator ★★★ (2015-12-14 13:45:30)

一聴して感じたのが実に怒りに満ち殺気立った印象を受ける2007年リリースの一品。そのイメージはアッパーな②などにも顕著に表れていますが④のようなギャロップビートが押し上げるメロデイックな展開にはグッときますよね。初期の頃のような猥雑さを廃しつつも、やはり親しみやすいメロディを導入するのが上手く、そこかしこにブラッキー節が聴け、使い古されたと形容されるようなオーソドックスな面もメジャー級の貫禄が全てをねじ伏せ飲み込んで行くから不思議です。本当は頭が良いのにおバカな振りをして「Animal (Fuck like a Beast)」と言っていた頃とは違う面も見せつつも、根底にあるスタンスは変わらない昨今の作風の走りとなる、普遍の魅力溢れる充実の一枚ですね。⑥もエエし⑦もエエよ


W.A.S.P. - Babylon ★★★ (2015-12-14 13:24:34)

「ゴルゴダ」を聴いてプチW.A.S.P.ブームが到来、ご無沙汰していた時代を埋め合わせるよう過去の作品を辿るのですが、こちらは2009年リリースの一枚。パープルのカヴァー④チャック・ベリーのカヴァー⑨なども収録と工夫を凝らしているのか?個人的にはやや蛇足感はありますが、重厚で劇的な展開を讃えたシリアスなW.A.S.P.節と毒気のある華やかさの絶妙なバランス感覚が息づく楽曲を堪能。至極真っ当なHM/HRなんだが、親しみやすいメロディを本当に嫌みなくスッと聴かせる辺りが流石です。その魅力は③で味わえるし、①もオープニングに相応しいメロデイックで快活なW.A.S.P.節を堪能(使い回しのワンパターン)。エモーショナルな⑤の熱情にほだされ、艶やかに激走する⑥、重量感のあるリズムと派手さが丁度よい⑦、シリアスさを前面にだしたパワーバラード⑧と普遍的な魅力に満ち溢れた作品に触れ、確かなテクニックに裏打ちされたアレンジが丁度よいですね。テクニック云々よりもアンサンブルの充実が大切なんだなぁと改めて思いました。


W.A.S.P. - Golgotha ★★★ (2015-12-14 12:52:48)

2000年以降発売日直近でCDを購入する機会がほぼ無くなりました。いい歳こいて流石に雑誌のレビューの点数を見て店頭に駆け込むほどのピュアさはないし、そもそも自分が聴きたいものを求めているので、メジャーシーンを見渡しても興味をそそられないのが実情。今ではすっかり買うとすればレアな復刻盤を含めた輸入盤市場となるのですが、今作はカスバのCDと同時に購入、リリースは2015年の10月、レーベルがNapalm Recordsとは驚きましたが、シリアスなジャケとタイトル「ゴルゴダ」に惹かれ、久しぶりのジャケ買い(名盤クリムゾン・アイドルを彷彿とさせるのが良い)。ある意味パッケージ商品のCD時代に終焉を迎えつつある昨今、全9曲55分というのが丁度よい。昔はフルアルバムのボリュームはこんなもんだった。今は70分越えのボートラ入りが当たり前のご時世なので懐かしさも手伝い、ついついリピートしてしまいますね。前半は割と初期の頃のような毒気のある、あのアメリカンなサウンドを披露、勿論、能天気さは皆無で練り上げられた楽曲を、そうは聴かせないアレンジが冴えわたる展開にベテランならではの老獪なテクニックに裏打ちされた巧みを堪能。後半はシリアスな面を強めクリムゾン・アイドル路線のプログレッシブな展開も魅せる、彼ららしい毒気と悪意に満ちた英国的な様式に彩られた楽曲は強烈だ。今更、彼らが猥雑なキワモノ系バンドと思う人も少ないので若い人にこそ聴いて欲しいです。シリアスだが親しみやすいメロディを難なく導入する巧みな作りに唸らされる一品ですね。
でもデジャブ感はハンパないので楽しんだもの勝ちでしょうよ。


BLOODLUST - Guilty as Sin / Terminal Velocity ★★ (2015-12-12 04:47:24)

オリジナルは1985年リリースの7曲入りの1stにスラッシュ化した1988年リリースのミニEP(⑧から⑪)とカップリングでOld Metal Recordsより2007年にCD化もされた一品。クールな印象を与えるメロディと何処か埃っぽさのあるサウンドはタンク風のヤサグレ感もあり、あそこまで男の哀愁を纏っていませんが、US産の乾いたコンクリートメタルサウンドが好きな方なら聴いて損はしないでしょう。ヘヴィメタルとはヘヴィな曲であって勢いやテンポの速さを競うスピード感とは違う魅力が大切だと思う身としては、やや一本気な面はあれど、重厚なミドルナンバーやスカッとするようなストレートな楽曲を用意し、ドタバタとしたけたたましUS産ならではのあの音にゾクゾクと期待を煽られる瞬間があり、マニアックな世界に導かれる一枚として、3年に一回は通して聴きますね。


Rebellion - Unreleased Sessions ★★★ (2015-12-05 16:32:03)

猟奇的カルト作品を世に送り出し色んな意味でマニア泣かせと言わしめる「Cult Metal Classics Records」からリリースされた、マサチューセッツ州出身ツインギター編成によるキーボード込みの6人組からなるタイトル通り幻のコンピレーション作。US産とはおおよそ思えない叙情的かつ抑揚をつけたメロディ、ファルセットを織り交ぜ、濃厚な歌い回しを魅せるEd Snow の圧巻のパフォーマンスを支える楽曲群のエピカルな響き、その幾重にも折り重なる濃密な世界観はエピカルなHM/HRを愛する方にはたまらんものがあるでしょう。様式美然としたスタイルに重きを置きつつも独特のアングラ臭も漂い、その世界観をより強固にするのは前出したEd Snowの唄もさることながらKeyのChrist St. Pierreによる壮麗なる鍵盤プレイの数々には息を呑むほどの美しい響きもあり、シンプルなリフワーク基調とする中で猛烈なインパクトを与えてくれるでしょう。あくまでも叙情的なメロディを刻む阿吽の呼吸から生まれる鋭利なリードギターを擁するツインギターの華麗なる響き、スピードを押さえ重量感のある世界観を貫くあまり安定感はあるものの、ややキャッチネスさに欠ける面が、この手のサウンドを敬遠される要素のなるのでしょうが、圧巻のパフォーマンスに支えられた楽曲はどれも魅力的だし、聴きこむほどに壮大なイメージを抱かせる練り上げられたアイデアには惹きつけるものがあるかと思います。今作は1991~1993年にレコーディングされたマテリアルと1989年リリースのEPからなるコンピレーション作なのですが、1991年にリリースされた1stも含めカセットのみのリリースしかしておらず、元が自主制作にも程があるような作品。当時のアメリカンマーケットにおいて、このような作風が当然支持されるとも思えず、また今日においても、けっして新しい音ではありませんが、時代性を飲み込むほどの純粋なエピックメタルとしての手法に基づき勇猛なる世界観を表現しております。それにしれも、このような幻の一品を世に蘇らせたギリシャの「Cult Metal Classics Records」には頭が下がりますね。有名無名に関らず、まだまだ埋もれた名作はありますなぁ。輸入盤市場に対する興味は永遠に尽きんね。


ABATTOIR - Vicious Attack ★★ (2015-12-01 13:40:33)

最近、オフィシャルの再発盤もリリースされたUS産パワー/スピードHM/HRバンドの1st。④ではモーターヘッドのカヴァーを収録したように頭からド派手に突っ走ってきます。けたたましく鳴り響くパンキッシュなビート、時には欧州風味の湿り気すら感じさせる荒れ狂う緩急をつけたツインギター、これらが一体となり突破力を魅せる様のカッコ良さにグイグイと引き寄せられますが、少々似たような曲が続きだれそうになるのが難点。しかし光沢のあるコンクリートサウンドの持つヤサグレ感はこの時代ならでは、小手先のテクニックに頼らない一点勝負な姿勢にマニアなら胸が焦がれますね。ちなみに今作でボーカルを務めるスティーブ・ゲインズさんの弟はストライパーのベーシスト、ティモシー・ゲインズですよ。


Siegfried - Remains ★★★ (2015-11-30 16:25:33)

国産プログレメタルバンド、スターレスのボーカルとしても知られる女性シンガー荒木真為がフロントを飾る様式美系HM/HRバンドの1st。帯びたたきの文章が語るように「英国・重鋼鉄郷の伝統 重く、暗く、そして深く・・・ 静寂の闇と炎の慟哭が織り成す構築美 !!」な世界観が貫かれており、真摯にヘヴィメタルの様式を象る音楽性を踏襲。ドラマ性を含んだリフ、ベースとドラムが生み出すヘヴィでありながらもリズミカルな響きは実に攻撃だ。そこに色彩美豊かなキーボードが空間を演出、そのダークでミステリアスな魔術的響きにはサバスブランドという様式がそこかしこに蔓延っていますね。キャラクターのハッキリとした音楽性故に類似性の指摘は否めないが、様式美サバス的なニュアンスの強い黒魔術サウンドを高次元で再提示してくれた事に喜びを見出しました。この手のサウンドは今となっては即効性も薄いし地味なものとして聴こえるのでしょうが、土台のしっかりとした音楽性と洗練度は聴きこむほどに耳を捉えますね。


KELLY SIMONZ'S BLIND FAITH - At the Gates of a New World ★★ (2015-11-29 15:21:07)

インギータイプのネオクラギタリストとしては国内最高峰に位置する男として国内外のマニアからも支持されるケリー・サイモン2015年リリースのアルバム。最近はネオクラものをほとんど聴く機会も無く、最近の活動を知らないのですがギターの講師や教則本のリリースなどでも高い支持を受けギタリストにとっては大いに興味を惹かれる存在としても注目を集めているようですね。以前のように一人で作り上げるのではなく専任のリズム隊もいるし、ゲストメインボーカルとして元ガルネリウスのYAMA-Bを迎え、所謂、王道ド真ん中のTHEネオクラHM/HRサウンドを披露、卓越された技術とメロディセンスを遺憾なく発揮しており、サビでパッと視界が広がり飛翔する、ある種のカタルシスの開放、それらはその筋のサウンドが好みの方にはバチコーンと心に響くものがあるでしょうね。個人的にはバタ臭いYAMA-Bの唄が苦手なので、ケリー・サイモンがリードを取るネオクラ過ぎないハードなI Am Your Judgement Dayや強烈なインストプレイを堪能できるTales Of The Viking、Attack By Zero、岡垣正志が客演している血液型パープルなNobody Is The Same、ラストを飾る感動的なバラードStay With Me Foreverが印象的ですが、それ以外のナンバーもネオクラ様式美サウンドとしての出来は素晴らしく、彼独特のタイム感から生み出される間と繊細なタッチから繰り出される絹の如き滑らかなフレーズの美しさと、ハードなタッチから繰り出される芯の強いメタリックなプレイの数々にマニアならずとも興味を惹かれるのではないでしょうか。


Tosh - One More for the Road - Queen of Tiger Bay ★★★ (2015-11-28 14:52:18)

哀愁のメロディを見事に際立たせていますね
軽快さもありスッと耳になじんできます


Tosh - One More for the Road - Julius ★★★ (2015-11-28 14:49:31)

オープニングから11分越えの大作ですが
叙情味溢れる泣きのメロディが満載の一曲
真摯に英国の伝統を受け継いでおります
素晴らしい
淡いな


Tosh - One More for the Road ★★ (2015-11-28 14:46:58)

英国産の5人組によるプログレハードバンドが1982年にリリースした一枚。流しの中古屋さんで買ったので詳しいバイオはさっぱり分かりませんが、Vo.Gで活躍するHoward 'Tosh' Midlaneが中心人物らしい。いかにも英国のバンドらしい湿り気を帯びたメロディとトラッド風味満点、泣きのギターを散りばめたムード満点の叙情派サウンドを披露。高い演奏力に支えられた楽曲の構成力は高く、サックスなども盛り込みちょっぴりブルージーな面もあったりと聴きこむ程に奥の深さに興味も惹かれます。とは言えハードな楽曲を味わえるのはA面の2曲Julius、Queen of Tiger Bayだけで、B面はかなり大人しい落ち着いた楽曲で占められておりますが、ラストのOne More For The Road の雄大な世界観も良いフィーリングに包まれていますよ。繊細なアレンジとメロディを多角的に楽しめる一枚、たまには箸休めにいかがでしょうか


ATOMKRAFT - Conductors of Noize ★★ (2015-11-27 14:52:39)

NWOBHMを流れを組むスピードメタルバンドが1987年にリリースしたEP。専任ヴォーカルも加わりバンドとしての一体感も増し、その強靭なメタルサウンドは更なる変化を遂げより鋭角的な要素も倍増。スラッシュ由来の鋭利なリフワークや忙しなく刻まれるリズムプレイと実直なスタイルに、今一つ面白味に欠ける面はあるのですが、しっかりとした枠組みの楽曲は破綻をきたすことなく最後まで突っ走る姿は頼もしくもあり、演奏やアレンジも含め純度の濃いサウンドを追求している姿勢に好感がもてますね。
後にCD化された「Total Metal: The Neat Anthology」という2枚組の作品に今作がまるまる収録されているのでマニアックなサウンドをお探しの方にはおススメしますよ。


ATOMKRAFT - Future Warriors ★★★ (2015-11-27 14:23:38)

古くは79年から活動を開始するニューキャッスル出身のトリオバンド。中心人物は今作でリードボーカルも務めるデモリッションマンことトニー・ドーラン。荒くれ暴走サウンドに英国風味満点の哀愁を盛り込みVENOM風な楽曲にTANKな味付けを施し直線的なリズムはRAVENだったりと、その筋のサウンドが好みの方にはグッとくること間違いなし、悪名高きNEAT RECORDSだけに音質の薄っぺらさはハンパない分、威力は削がれているが喧嘩が強そうな尖りまくったハードコスタイルに変わりはありません。後に専任ボーカルとしてアヴェンジャーやサタンのシンガーだったイアン・スイフトが参加するのですが、デモリッションマンの粗暴な歌い回しの悪くないですよ。ズンドコズンドコ暴れるドラムと鋭角的なギターリフにスピーディーなソロ、ブンブンと轟音を撒き散らすベースには、無駄な装飾なし腑抜けた奴らとは、ちゃうぞという真剣味が伝わり好感が持てますね。


LORDS OF BLACK - Lords of Black ★★ (2015-11-24 16:12:55)

音楽を扱うネットニュースなどで話題のレインボーのニューシンガーの座を射止めたロニー・ロメロが籍を置くスペイン産の正統派HM/HRバンドの1st。同時期に購入したラタ・ブランカの新作もそうでしたが自主制作という側面はあるが音質も悪くないしプレイの安定感も素晴らしく、バンドの中心人物トニー・エルナンドの骨太なリフワークと流麗なパッセージを刻みこむ、テクニックに溺れない説得力のあるフレーズは聴き応え充分、パワフルなドラムのみならず華麗なピアノの腕前を披露するアンディC、淡々と刻むメロデイックなベースプレイも正統性の強い楽曲を支えるのに申し分なく、ツボを押さえたアレンジと供に一点の満足感を与えるでしょう。またロニーの歌声は一聴してヨルン・ランデやパトリック・ヨハンソンの名前が浮かぶタイプなので、その辺りのバンドが好きな人には安心して聴けますね。個人的に今作はラタ・ブランカの新作を買うついで購入、手元にある事も忘れていました。音楽性は現代のメロディックなHM/HRサウンドで、シンガーの声質もありパッと聴くと完全にマスタープランそのもの、プロデューサーやミキシングにローランド・クラポウの名前もあるので当然と言えば当然の仕上がりなのかも知れませんが、気になるとチョット厳しいかも知れません。とは言え自主制作だがマニアックな作りではなく十分にメジャー流通でもイケるクオリティは保持しているので聴き進むほどに期待通りと満足出来るでしょう。


LIEGE LORD - Freedom's Rise ★★★ (2015-11-23 17:18:29)

コネチカットはスタンフォード出身の5人組による1985年リリースの1st。収録9曲、全ラン二ングタイム32分という数字が示すように贅肉を削ぎ落したシンプルな楽曲を小気味よく演奏する様が心地よく、ドラマ性を配したアレンジには、シリアスかつミステリアスな側面も併せ持ち、ツインギターから繰り出される無機質で硬質なメロディはUS産ならではの味わい、本当にこの時代のアンダーグラウンドを支えるUSメタルシーンは質も高くマニアックなスタイルのバンドが多い。プリースト的なスタイルを踏襲しつつも乾いたコンクリートサウンドの攻撃性は高く、親しみやすいメロディの一つでもあればウケも良いのだが、逆にこの無愛想さも魅力に一つ。平坦なサウンドプロダクションに彼らが目指すスタイルにとっては致命傷も、ドラマ性の高い楽曲に疾走感を煽るリズムを乗せたパワーメタルサウンドは無骨だが破壊力を伴ったヘヴィメタルの美学を追求しようと目論んでいますね。緩急の付け方が甘い分、全般的に画一的に聞こえるのが気になる面もありますが一本筋の通ったサウンドを披露しています。コネチカットと言う事でマイク・ヴェセーラのいたオブセッション辺りと類似性も感じますが、それもそのはず、エンジニアが同じ人なんだもんね。


TITAN FORCE - Titan Force ★★★ (2015-11-23 16:43:51)

アメリカはコロラド州出身の5人組による正統派HM/HRバンドが1989年にリリースした1st。シンガーにはJAG PANZERやSATAN'S HOST、さらにはRIOTにも参加した、知る人ぞ知るHarry”The Tyrant”Conklinがフロントマンとして参加している事でも有名なバンドなのですが、当時、今作を輸入盤屋で購入しようとしたら、友人から雑誌で酷評されていた事を聴かされる。たしかに借り物のフレーズや楽曲も多い、また迫力を削ぎ落すヌルイサウンドプロダクションを前に楽曲の魅力がスポイルされている点も否めないが、そこを詰めるよりも愛でる部分が多いので迷わず即購入。シリアスで冷徹なコンクリートサウンドはまさに、この時代のUS産メタルならではの味わい。欧州産ほど湿らずに、北欧のような甘さやべたつき感は皆無。ともすれば一本調子と揶揄される歌声も、逆に好きな人には力強く耳に届くのでここは嗜好の問題でしょう。ダークでミステリアス、光沢のある鋼鉄サウンドを生み出す、せめぎ合うツインギターが噛み合う様の緊張感もなかなかの聴き応えですよ。


Maniac - Maniac ★★ (2015-11-22 15:13:40)

今から10年くらい前に地方の輸入盤専門店みたいなところで偶然手にとり購入。パンクバンドみたいなチープなジャケに魅入られたのですが、店内で偶然BGMとして掛かっていたのも動機の一つ。正直リプロ盤臭さはハンパなかったが安価に背中を押され、このパンキッシュなスピードメタルに魅入られるわけです、サバスやプリーストの影響も強く、その高速化されたサウンドはNWOBHMの影響下も大なスピードメタルを披露。性急なビートを刻むリズム隊、荒々しいリフワークがグイグイと楽曲を押しまくりシンプルな構成の楽曲の中で実に明確な自己主張を行い、その清々しいまでの音楽性はある種のスタイルを愚直なまでに踏襲しています。大味なれどラフなパワーを漲った荒くれリフワークと嵐のようなビートがハマった時の強みはマニアにはたまらんものがありますね。また二本のギターが絡むソロワークも思いのほか丁寧な仕事を行いアクセントとなっているのも魅力の一つでしょう。


REBELLION - Born a Rebel ★★ (2015-11-19 16:14:33)

1991年から再結成を遂げたGrave Diggerを支えたベースのトミー・ゴットリッヒと現アクセプトのギタリストで同じくGrave Diggerのギタリストだったウヴェ・ルイスが中心となり結成されたバンドの2nd。他のメンバーはAnnihilatorのドラマーだったランディ・ブラックにドイツのスピードメタルバンド、Warheadのギタリスト、ビョルン・エイルン。シンガーはマイケル・サイフェルトの5人からばるバンドで、音楽性は完全にGrave DiggerやACCEPT等の剛毅なジャーマンスタイルを踏襲、アグレッシブなパワーメタルからバラードまで幅広い楽曲を収録、シンガーの声質が力むとクリス・ボルテンダールにソックリな為、元メンバーもいたりと何となくきな臭い雰囲気を漂い、単なるお家騒動、分裂劇みたいな様相に微妙な空気も流れますが、エモーショナルを極めたバラード⑦なんて聴かされると、まぁ良しとしよ、軽くスルーしておこうかなと思います。とにかく類型的な一時代を築いたジャーマンスタイルが頑固一徹なまでに貫かれ、そこが一番の肝であり、一番面白味に欠ける部分ですが、好きモノにはたまらん音楽性ではありますね。歩調を合わせ突き進む屈強なリズムプレイ、時にはハッとするようなフレーズを奏でるツインギター、ソリッドな重量感と疾走感を煽るオーソドックスなスタイルのサウンドには相性も良く個人的には何度も聴くようなジャンルじゃなかったりしますが、信頼のおける老舗スタイルの看板を守られており、安心して聴いてられますね。


THE HANDSOME BEASTS - Beastiality ★★ (2015-11-17 14:29:06)

古くは70年代から活動を開始する英国はナニートン出身の4人組が1981年にリリースした1st。世の中に酷いジャケットは沢山あるが(死体とか臓物系ね)個人的に今作は実に嫌悪感を覚える一品。笑えなくもないが悪趣味をこえたものがる、そしてその写真の裏を見て驚愕、豚と戯れる彼氏はなんとバンドメンバーでしかもヴォーカルときた(笑)Garry "Flabby" Dalloway、ギャリー・ダロウェイそのデップリとしたお腹を突きだした、だらしのない体躯に釘付け、結局ジャケ買いをさせた恐るべき一品でした。サウンドはいたって地味で攻撃的なNWOBHM群とは違い、もう一つの部分を支えていたブルージーかつブギーなハードサウンドを披露、類似的にはSledgehammerあたりを思い出す古めかしいロックサウンドに、彼らなりのメロディセンスを生かした音楽性はブルースロックからの影響も大きく、少々底の浅い面もあれどダーティさも含まれており、この手のサウンドが好きな人には懐かしい音と耳に響くでしょう。1996年にCD化の際には4曲ボーナスでリマスター盤が出ております。この強烈なジャケに引き寄せられたなら迷わずGETです。だってギャリー・ダロウェイが手を掛けている看板に書かれている文字は「動物に餌を与えないでください」だもんね。


NOZOMU WAKAI'S DESTINIA - Anecdote of the Queens ★★★ (2015-11-16 14:48:29)

玄人や関係者のみならずライトリスナーにも好評だった1stに続いて短いスパンでリリースされたミニアルバム。前作同様充実したメロディと絶妙なアレンジが光る叙情派サウンドを披露、何を聴かせるかを明確にしつつも、前作以上に幅広い楽曲を収録。特に今作では二人の女性シンガーを迎え、その特性に合わせた選曲と思われる節もあり改めて主役を張る若井望のコンポーザーとしての才に惚れなおしました。オープ二ングの①における低音を効かした歌唱スタイルは新たなる魅力を光らせたFUKIちゃんの男前な歌声は楽曲に力負けする事のないパフォーマンスを魅せ新鮮な響きを伝える事に成功。ポップな②は榊原ゆいさんに、甘美でハードな③を器用に歌いこなしたFUKIちゃん、二人のシンガーが役割分担を見事にこなした雄大なバラード④、爽快感すら漂うバチコーンと弾ける疾走感が気持ちいい⑤はFUKIちゃん、榊原ゆいさんが芝居がかった歌声を披露するハードなロックテイストの強いメロウなミドルナンバー⑥、①のロブ・ロックが歌うヴァージョンの出来は言うに及ばずだが、女性シンガー二人のパフォーマンスも巧みな表現力を生かしメロディックな王道を行くヘヴィメタルサウンドにガッツリと向き合いビシビシとしのぎを削る様は聴き応えのある内容でした。前作におけるゲストシンガーは、線は細いがオペラティックな歌唱スタイルとパワフルなハイトーンが魅力のロブ・ロックに、ヴォイスオブビースト森川之雄、剛柔兼ね備えたヘヴィメタル界の貴公子小野正利でしたから、彼らと比べると弱いのは仕方ない事なのですが、聴けば聴くほど、彼女達の可憐さや凛とした女性らしい力強さに魅了され、また楽曲の良さを引き出す相性もあり、リピート数では1stを超える聴き様で、二人のシンガーにすっかり魅了されましたね。テクニックに溺れる事無く魅力的なフレーズを連発する若井のプレイは勿論だが(柔軟な音楽性がよりソロ、バッキングにおける美味しさを倍増させたのが凄い)、宮脇、寺沢のベテラン組における安定のリズムプレイが生み出す心地よさ、キーボードが音楽性を深めよりスケールの大きな音楽の世界へと導いてくれる様も見事だ。個人的には派手な曲も勿論良いが、FUKIちゃんが女心を歌う③が一番のお気に入りです。あれは男が歌うと気持ち悪いもんね。


NOZOMU WAKAI'S DESTINIA - Anecdote of the Queens - Rock is Gone ★★★ (2015-11-14 15:24:06)

ヘヴィかつメロウなミドルナンバー
哀愁のメロディが耳を惹きますね
かわいい声の女性シンガーがロック色全開で歌っております


CASBAH - Reach out ★★★ (2015-11-14 15:04:20)

国産スラッシュメタルシーンを語る上で外す事の出来ないダイハードな男たちによる2015年リリースの彼らが辿ってきた音楽性の遍歴を総括するような濃密な一枚。これまで以上に親しみやすいメロディの導入、それらを明確に際立たせる強靭な躍動感を誇るリズムと突破力の高いリフワークは今まで以上に艶を増し、羽鳥の激烈な咆哮がグイグイと牽引しつつも聴き易くまとめ上げた今作は過去最高の出来栄えを誇るといっても過言ではないでしょう。

かつてのハードコアスタイルにも通ずるハイテンションな楽曲とは違う丹念に構成されたバラエティに富んだ楽曲も収録され、その威厳溢れる力強いパフォーマンスは昔の名前で出ています的なスタンスとは違う今の時代を生き抜く強烈なアイデンティティを誇示、ヘヴィメタルの様式を踏襲しつつも破壊的なニュアンスを駆使する様に改めてひれ伏しました。

また力任せに突進するだけではない芸の細かい演出も冴えわたり、その成果は⑤How Longや⑨のInside Me等の楽曲において顕著に表れているでしょう。モダンさも含めこうして間口も広げより深く深化した音楽性はスラッシュメタルという枠を超えヘヴィなロックサウンドを好む多くの人に訴えかけるものがあるかと思いますね。
多様性を帯びたシーンの中で、これほどオーガニックな響きを聴かせるサウンドと言うのは至極稀有な存在である。勢いだけではない羽鳥の唄は、海外のアクトと比べても引けを取らない貫禄がある。そんな羽鳥の寄り添うようにギターは感情の起伏を叫びあげる。大地を揺るがすトライバルなドラム、その大地を駆け抜ける疾風怒濤のベースはバンドの底を支え、この揺ぎ無きへヴィロックサウンドの根幹を担っています。

個人的にもまっさらな気分でキャリア云々関係なく理屈抜きに楽しめました。ロシアンルーレットの玉、全部入ってたよ。


IRON CURTAIN - Jaguar Spirit ★★★ (2015-11-11 14:55:09)

まずは1st同様、チープなジャケがエエですね。NWOTHMと言うには余りにもビンテージな匂いがするスペイン産の4人組による2nd。前作同様アグレッシブなリフワークと疾走感を煽りたてるビートは健在、ラフなパワーを損なうことなく整合感も増し不安定な要素は少なくなった。メイデンやプリースト、メタリカの要素もあるし、哀愁の漂わせ方はタンク風だ。そしてバンドの源流とも言えるNWOBHM群からの影響は絶大。そこに時にはシンリジィ風の扇情的なリードプレイも飛び出し、メロデイックなコーラスワークも含め、その筋の音楽性が大好きな人にとっては安定のブランドとなります。あくまでも攻撃的だがメロディを蔑にしない作風と男気溢れる哀愁には、個人的にも共感と愛着を覚えずにはいられない作風ですね。


SPEEDWOLF - Ride With Death ★★★ (2015-11-11 14:31:49)

アメリカはデンバー出身の暴走R&Rバンドが2011年にリリースした1st。サウンドはバンド名からも想像がつくような道なき道を突き進む荒くれた暴走感とスピーディーな曲調がウリで、そのサウンドはさながらMOTORHEADやVENOM直系のハードコアスタイルを披露。勢いに頼るだけではないスタンダードなロック臭漂わせつつブルージーなテイストもありイメージ以上に練り込まれた楽曲を収録、パンキッシュでダイハードな暴走R&Rのもつ切れ味は相当な気合いの入りようだ。その暴走感を支える、パンクからの影響も伺える歌唱スタイルもしゃがれた咆哮には色気すら感じる瞬間もあり魅力的だ。ズンドコズンドコ一直線に突き進む爆裂リズムと高速回転するリフワークにはNWOBHMの匂いも感じられ狭い音楽性の中で自らのルーツを色濃く投影している様に悶絶、そして良くも悪くも安っぽい音質が逆にパンキッシュな魅力を発散しているのが不思議だ。


STRIKER - Eyes in the Night ★★★ (2015-11-10 13:58:52)

カナダのNWOTHMバンドが2010年にリリースした1st。ダン・クリアリーの強烈な歌声も激ハマリな①で早くもガッツポーズが出ます。スピード感を誘発する高速リフワークと華麗なツインリードの美味しさは往年の空気をそのままに体感してくれること請け合い、ごちゃごちゃとしたミックスが曲の良さやダイナミズムを殺しているのは残念ですが、それを補うだけのエネルギーに満ち溢れた熱き弾丸の如くと形容されるメタスピリットが息づく豪快さに、血沸き肉躍るあの音が詰まっています。シンプルなリズムを刻むベース、必要以上に叩きすぎないボトムを支えるドラム、その屋台骨の上に華麗なるツインリードが染め上げる王道サウンドをパワフルなハイトーンヴォイスが圧巻のパフォーマンスで演じきる、古くて新しい王道HM/HRに悶絶です。ワタクシなんざぁ、今作を聴き「おっさん日和ってんじゃないよ」とケリを入れられたような衝動を覚えましたね。


BULLET - Full Pull ★★ (2015-11-10 13:36:14)

クセのある金切りヴォイスはグレイブ・ディガーのシンガーを彷彿とさせ実に脂っこい。音楽性もAC/DC8割にアクセプトタイプのジャーマンメタルを追加したタテノリロックの黄金比ともいえなる配合にマニアならずとも気持ちよくノレるでしょう。シンプルな構成故に先人達の影響も露骨に散見出来るし気になるともはやパロディだろうし、そんなんなら本家を聴くわいと悪態の一つも付きたくなるのでしょうが、やはりここは四の五の言わずに、空っぽな気持ちで向き合うのが一番。日本ではイマイチ人気に繋がらないAC/DC系のシンプルなビートを生かしたヘヴィなロックサウンド。個人的には多様化する音楽の中でもブレないスタイルに回帰し忘れ掛けそうになる自身のアイデンティティに語りかける一品ですね。


AIRBOURNE - Ready to Rock ★★ (2015-11-10 13:25:26)

オーストラリア出身、同郷のAC/DC直系のシンプルなロックサウンドがウリの彼らが2004年にリリースした自主制作による1st。本当に懐かしい雰囲気たっぷりのビンテージロックにニヤニヤと笑みもこぼれますが、雰囲気がものすごくいい。類似性を指摘するのは野暮でなんにも考えずに大音量で楽しむのが一番。でももう少しリフに深みがあれば良かったんですが、リフが楽曲を支配するラフでヘヴィなビンテージロックサウンドには基本と言うか普遍の精神が息づいていますね。


GALLOWS POLE - In Rock We Trust ★★ (2015-11-09 12:44:23)

オーストリアはウィーン出身の4人組が1982年にリリースした1st(1992年にCD化)今では正式メンバーにキーボードを迎え5人編成によるプログレッシブなメタルサウンドを奏でていますが今作はその方向性を支持する人には面白味に欠ける一枚となるでしょうかね。のっぺりとした唄声のシンガーがジンワリとした湿度のあるメロディを歌い、シンプルなビートを刻むリズム隊、地下臭漂うサウンドを演出するギターとある種NWOBHMにも通ずる不思議な魅力もあり、ダイナミックなリフを刻む姿などまさにそれだ。でも全般的に地味だし派手さに欠ける、これと言ったキメ曲も無かったりするのだが、モヤっと籠った音質に魔術的な響きとダークな色合いを感じ気がつけば通して聴いているという状態です。メロディを大切にするアレンジには好感が持てるし綺麗なフレーズを心がけている、そして英国的な伝統を感じさせる様式が放つ重厚さはあり、もう少しで劇的な○○といえそうな展開は聴かせるものもありましが、音質も含めいかんせん地味だ。肉体を酷使する激しい展開が好みの方には物足りないでしょうが、マイナーメタルマニアにはたまらんものがあるでしょう。CD化にともなり①②が追加され曲順も大幅に変更されていますね。


SPEEDTRAP - Powerdose ★★ (2015-11-07 13:02:23)

2nd購入後、気を良くして手を出したのですが粗いですね。粗挽きです。疾走感命な姿勢が貫かれている今どき珍しいNWOBHMにも通ずる魅力を発散するスピードメタルバンドの1st。ランニングタイムの短さと勢いで誤魔化されそうですが楽曲、演奏供にメリハリに欠ける分、完成度の高さは2ndに軍配を上げますが、彼らの音楽性がマル分かりな1stの魅力も捨てたものではありませんね。勇壮な歌メロの②クールな④、2ndにも通ずるしっかりとした構成力が実を結んだ⑥なんてカッコいいですよ。兎にも角にもスピード、スピード、スピードで押しまくる攻撃性豊かなスピードメタルは四の五の言わせぬ勢いと過激さがあって、分かりやすい魅力たっぷり。昨今の洗練されたオシャレメタル群とは一線を画すオールドスクールに根差しつつも洗練された音楽性は目を見張るものがありますね。


SPEEDTRAP - Straight Shooter ★★★ (2015-11-07 12:45:39)

フィンランド出身の新進気鋭のスピードメタルバンドの2nd。知らないうちにツインギター編成に変更、これが功を奏したのか演奏にパリッとしたまとまりが出来よりメリハリが付きました。厚みを増したリフワークとアイデア豊富なツインリードが駆け抜ける様の気持ちいい事、スカッと爽やかヘヴィメタルな展開と電光石火のソロも二本のアックスメンから繰り出されるキャッチーなメロディと狂気に満ちたヘヴィさが混然一体となり突っ走る姿に悶絶、一見煩雑とした音楽性のように見受けられるが音楽的完成度の高さは目を見張るものがありますね。8曲入りで30分少々のランニングタイムってのも今どき稀有で逆にそこも清々しい。問答無用なスピード感と鋭利でクールなリフワークを堪能したいマニアなら聴くべきでしょうね。整合感が増した分、爆裂感と剥き出しの感情が弾ける荒々しくも熱いメタルスピリットにヒリリと火傷しそうになりますね。


BLUE CHEER - Vincebus Eruptum ★★★ (2015-11-06 14:12:58)

アメリカではヘヴィメタルの始祖とも言われる彼らの記念すべき1st。名曲「Summertime Blues」に始まり②はB.Bキングのカヴァーと馴染みやすい曲を聴かせてくれるのですが、これが実に強烈な仕上がりで特に①の歪みっぷりたるや、荒れ狂うリズムと癖になるしゃがれた歌声、そこに吐きそうになるくらいファズの掛かった凶暴なギターが轟音を撒き散らし激しく演奏される様にトリップ感も誘発され、とんでもなく危険なものに手をだしたような錯覚に陥ります。鼻孔を付くサイケデリックな匂いと供に、やるせないロックな倦怠感、そこに揺らめく凶暴性とのたうちまわる荒れ狂うリズムが分厚い音の塊りとなり迫ってくる様に仰け反りますね。カオスな世界が口を開けまっている独特の世界に身を投じロックな初期衝動を突き動かすのには最適な一枚として今でも手に取る一品です。それにしても1968年作とは恐れ入りました。


URIAH HEEP - The Magician's Birthday ★★★ (2015-11-06 13:53:05)

アコースティカルな面が際立った前作と比べるとこちらの方がロッキンポな面がフューチャーされているように感じますが基本は前作の流れをしっかりと組み、よりメリハリをつけた印象が強い一枚。アーティスティックなバンドらしい実験的な要素も盛り込みつつも、そのアイデアが破綻をきたさぬよう纏め上げる手腕は相変わらず手慣れてもの、大げさなサウンドが醸し出す幻想的かつ色彩美豊かなアレンジは多くの後続に影響を与え一時代を築いたのもうなずける完成度の高さ。バイロンの唄を中心に練り上げられたコーラスハーモニーの美しさもバンドの肝でしょうね。


URIAH HEEP - The Magician's Birthday - The Magician's Birthday ★★★ (2015-11-06 13:43:09)

バイロンの凄みを味わえますね
ここではミックも面目躍如な活躍
リーのドラムもカッコいい
全体を包む魔術的な幻想さがたまらん
流石はヒープな一曲ですね