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失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 4701-4800

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V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Speed Kills Ⅱ - The Mayhem Continues... ★★★ (2016-05-23 14:28:32)

DISC:A
1. Agent Steel - The Calling / Agents Of Steel
2. Razor - Evil Invaders
3. Bathory - Possessed
4. Helloween - Ride The Sky
5. Living Death - Hellpike (Remix)
6. Sodom - Sepulchural Voice
DISC:B
7. Whiplash - Warmonger
8. Iron Angel - Rush Of Power
9. Destruction - Pounding Evil
10. Onslaught - Fight With The Beast
11. Brainfever - Brainfever (Remix)
12. Anthrax - Gung-Ho


前作が成功したのかMusic For NationsがワザワザUnder One Flag レーベルを立ち上げリリースしたコンピ作の第二弾。今作もスピード/スラッシュ/パワーメタル系のバンドが集まり活きのいい楽曲を提供。荒削りな面もあるが、群雄割拠、頭角を現しつつあるニューカマーが凌ぎを削る内容は前作に負けず劣らずの内容を誇りコンピ作としての役割をしっかりと果たしていますね。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Speed Kills (The Very Best in Speed Metal) ★★★ (2016-05-23 14:08:09)

DISC:A
1.Metal Marchants / HALLOWS EVE
2.A Lesson in Violence / EXODUS
3.Bestial Invasion / DESTRUCTION
4.Insurrection of the Living Damned / BULLDOZER
5.Fight Fire with Fire / METALLICA
6.Evil Has No Boundaries / SLAYER
DISC:B
7.Pentagram / POSSESSED
8.Riders from Darkness / EXCITER
9.Black Metal(new Version) / VENOM
10.War and Pain / VOI VOD
11.Rattlehead / MEGADETH
12.Into the Crypts of Rays / CELTIC FROST

『Music For Nations』から1985年にリリースされたタイトル通りスピード/スラッシュメタル系のバンドを集めたコンピ作。最近ではこの手のコンピ作をすっかり見かけなくなりましたが、当時はわりとリリースされており、色んなバンドを知る意味では貴重なものでした。上記に記入した参加バンドを見ていただくと現存するバンドがほとんどを占め、今作がいかに充実した内用を誇っているかを裏付けているでしょう。EXCITERの曲は2014年リリースのCD化された『Unveiling the Wicked』にボートラ扱いで収録されるまで今作でしか聴けなかったり、VENOMは新録ヴァージョンだったりと既発音源の寄せ集めとは違う趣があるのもマニア心をくすぐるもの、勢いを増すアメリカン市場の中で新たなるシーンの活性化につなげる事はMETAL MASSACRE同様、オムニバスアルバムの本質を突く良質な一枚として重宝され当時のメタルキッズを歓喜させたシリーズものの第一弾でしたね。


ANIMETAL - センチメタル ★★★ (2016-05-23 13:35:22)

フルアルバムリリースで一旦幕が閉じたと思わせたが、大人がそれを許さずリリースを重ねる度にプロジェクトがドンドン大きくなった感がありますが、坂本英三のシャウト一発も素敵だし、情感たっぷりなバタ臭い歌いっぷりも圧巻の一言。ここまでやられたら楽しまないと損ですね。MASAKIのテクニカルなベースはバンドの裏を支える楽しみがあるし、ギターもセンチメンタルだ。個人的にも『ルパン~真っ赤なスカーフ~みなし児のバラード』の流れはアニメタルのベストテイクとも思っているので関連作品の中では一番のお気に入りです。随所で泣きのギターをちりばめたのが勝ちでしょう。他の選曲も良かったデビルマンに哀戦士って素敵ですね


ANIMETAL - アニメタル・サマー ★★★ (2016-05-22 17:51:39)

アイドル歌手並みに短いスパンで作風がリリースされるシングル第4弾。今作には、ラウドネスを自ら辞めたあとスーパーグループSLYを結成するも軌道に乗らず迷走していた印象が強い樋口宗孝が参加、なんとなく場違い感が漂い、一枚岩の坂本英三プロジェクトには少々似つかわしくない人選なんですが、樋口ビックドラムを叩いています。今作はスポ根もののアニメソングに着手しているので参加する事に意義があるのかも知れませんね。個人的にはクオリティが上がっていく分、なんとなくお金の匂いが漂い、だんだん興ざめしていくのですが、総じてクオリティは高く、名曲フレーズも盛り込んだアレンジも含め貫禄すら漂う一枚でしたね。


ANIMETAL - This is Animetal ★★★ (2016-05-22 17:17:31)

坂本英三率いるアニソンメタルカヴァープロジェクトの第二弾。哀愁のあるメロディが大幅に増量、原曲のイメージをそのままにアレンジした楽曲は、知らなくとも楽しめる出来栄えを誇り、このプロジェクトがお遊びの枠を超えたクオリティを誇っていました。当時としては普通のメタルは壊滅状態、国内のシーンなど無いに等しい状況で、このプロジェクトが気を吐く結果となりました。坂本英三のパフォーマンスは、まるで一発録りのような臨場感が漂い、いい意味でも悪い意味でも荒々しく、口先で内向的にパヤパヤ歌うのではない、ロックシンガーとしての格を見せつけています。音質もチープ、予算も掛けられていないしレコーディングも短期間なのは前作と変わりませんが、勝手がつかめた分、精度はあがり今作からアニメタルが始まったと思うファンも少なくないようですね。ホンマもんが、本気でやるから成立するお遊びがある、そう思わせてくれる、色んな意味で国内のシーンに刺激を与えた一枚ですね。


ANIMETAL - アニメタル ★★★ (2016-05-22 16:54:02)

リリース時、ほとんど予備知識もなかったのですが、あの灼熱のシンガー、元アンセムの坂本英三が企画ものに挑戦する。しかもアニメソングのカヴァーという内容。どれくらいのオフザケでどの程度の本気度なのか?チープなジャケットにファンハウスからのリリースと不安はありましたが、それを上回る期待値の高さに即購入、まぁ選曲の渋さもあるのも後押しとなりました。英三のパフォーマンスはLIVEの合間にレコーディングしたんかいなと言えるほど荒々しいし、予算の少なさと突貫工事な作業だったのは推察できるチープな作品なんですが、とにか熱い、そして英三はエグイ歌を聞かせてくれた。このようなプロジェクトに打って付であり、また本気で取り組んでいるのが素晴らしいではないでしょうか、自身のバンド練馬マッチョマンも停滞していただけに彼のキャリアにおいて起死回生の一撃となる作品になるとは、坂本英三らしい一枚なのかも知れません。アニメタルの成功は多数の類似品を生み、そして坂本英三の復活劇は少なからずアンセム再始動に影響を及ぼしていると個人的には思っているので、今作はいろんな意味で意義のある一枚として手に取りたくなる一品ですね。今作リリース後、すぐにレコード会社を天下のソニーに移籍し、叙情派ギタリスト屍忌蛇と手を組み、更なる発展を遂げる事になります。


FATE - Scratch'n Sniff ★★★ (2016-05-21 14:08:44)

新たにデンマークの『Crystal Knight』のシンガーだった、パー・ヘンリクセンと、ギターは後に『Freak Kitchen』で成功を収めるマティアス・エクランドが加入、キーボードもいなくなり4人編成にシフトチェンジ、そのせいもあるのか音楽性はそれまでの北欧ハードポップサウンドとは一味違うスタイルへと変貌を遂げています。トリッキーなギターとテクニックで魅了するマティアスもバッキングなどでは的確な職人肌のギターを見せバンドの根幹を支え枠組みも構築、熱の籠った渋めの正統派サウンドへ的確に導いていますね。リリース時の背景を考えるとジャストな方向性に舵を切ったのですが、マティアスの脱退を契機にバンドは一旦幕を閉じ、2004年頃まで活動を停止するのですが、今作風は総じて乾いたアメリカンロック的なニュアンスを強めつつも北欧ならではの冷ややかなメロディと哀愁は随所に顔を出しバンドの新たなる魅力を示唆しているのが実に興味深いですね。


FATE - Cruisin' for a Bruisin' ★★★ (2016-05-21 13:49:54)

アメリカンバブルが弾けまくった3枚目。専任キーボードを入れ5人編成と変貌、よりポップでライトな作風へと舵を切ったが隠せない北欧風の哀愁のメロディが顔を覗かせチョコチョコと琴線を震わせていきます。無名の新ギタリスト Mr. Mothことヤコブ・モスが扇情的なフレーズジングで聞き手を魅了、バンドの生命線ともいえる泣きメロを奏でキラキラと光り輝く北欧ハードポップサウンドに楔を打ち込んでいますね。今作を最後に脱退するシンガーのジェフ・ロックス・リンボーもハイトーンを駆使しつつ繊細な節回しはバンドの顔として板についてきただけに残念でしたが、今作の内容の出来不出来はレコーディング途中で脱退した、創始者のハンク・シャーマンを契機としたバンドのゴタゴタが反映されたようにも見られ、その辺りが作風にも反映されたと思うのですが、甘く切ないFATEサウンドは健在でむしろ、ハンクよりもベースのピート・シュタイナによるソングライティング力が支えていたのかと思う程でした。個人的には前作の方が好きですが、今作もライトな北欧HM/HRが好きな方なら聴いて退屈はしないでしょう。


FATE - A Matter of Attitude ★★★ (2016-05-21 13:27:00)

木々の隙間から優しく注がれる木漏れ日のような優美さ、そこに北欧ならではの糖度も高めのロマンティックなメロディが優しく頬を撫でていく極上のハードポップサウンドが炸裂する出世作にて代表作と呼ばれる誉れ高き2nd。厚みのあるコーラスワークとジンジャーエールのようなスキッとした甘みと清涼感を味わえる①に始まり、天かける白馬の如きアリエスの乙女達サウンドに胸キュンさせられる③にて悶絶必死と明確な方向性はバンドサウンドを更なる発展へと導き、スウィートだが甘酸っぱい哀愁のメロディをふんだんに盛り込んだ音楽性は2ndにて結実したといっても過言ではない非の打ちどころのない出来栄え、こんなもんアメリカンナイズドされた音楽性だ、オカマだよと江頭2:50風にいってしまえばそれまでだが、一度聴くだけで十分耳に残る北欧的透明感とフックに富んだメロディはマニアならずとも大いに耳を持っていかれるでしょう。ロックのもつダイナミズムと北欧的煌びやかな優美さが見事に共鳴しあい魅力を倍増させたメロディ派はなら外せない一枚、是非とも多くの人に聴いてほしいですね。そして今作をもってバンドの創始者であるハンクさんは脱退、3枚目以降バンドはB.KEYのピート・シュタイナーさんがイニシアチブを握る事にあります。


FATE - Fate ★★★ (2016-05-21 13:04:11)

キング・ダイアモンドと袖を分けたギタリストのハンク・シャーマンが中心となり結成されたデンマークの叙情派HM/HRバンドが1985年にリリースした1st。時代背景と北欧はヨーロッパの成功もあるのか、非常にライトでアメリカンな作風の曲もありますが、北欧ならではの糖度も高い哀愁のメロディが耳を惹くメロディ派にはたらまらい一品。マイルドでポップフィーリングもなみなみと注がれるもギター中心のハードテイストを損なわないアレンジは中々の出来栄え、溌剌とした健気さの中に、憂いのあるメロディを巧みに盛り込み独自の音楽性へと昇華させていますね。


Vision - Vision ★★★ (2016-05-19 12:07:58)

地味な内職感漂う3枚目のソロをリリースした翌年に早くもリリースしたのが、待望のバンド名儀によるアルバム。スウェーデンのゲイリーバーテン的なコニー・リンドウの歌声はやや大味な面もあるが、透明感があり、また歌メロのセンスは彼が持ち込んだものと推察され、その役割と効果は素晴らしく、今作では上手くない速弾きを押さえたマットソンのギターとの相性も良く、聴けば聴くほど、味わい深い一枚へと進歩していますね(逆MSGだなぁ)。それまでのネオクラスタイルを押さえ弾けるポップセンスと、かつての北欧ブランドを思わせるロマンティックなメロディと冷ややかさが絶妙なブレンド感覚を伴い北欧の夜空に麗しきオーロラを輝かせるロマネスクハードポップスタイルは、売れ線志向と言われようが曲中心のプレイと安定感の増した演奏は聞き手を魅了するに十分な仕上がりとなっているでしょう。往年のエイリアンやシルヴァーマウンテンの3rdあたりが好きな方ならグッとくること間違いなしの一品ですよ。


LARS ERIC MATTSSON - Electric Voodoo ★★ (2016-05-19 11:40:59)

3枚目のアルバムと言う事で勝負の一枚と思いきや今作はラーズ一人で作り上げたインスト作。彼が愛するクラシックに根ざした音楽性に終始しており、当時としてはかなり食傷気味の作風となっています。またそこまで技巧で押せるタイプでもないし、メロディアスな泣きのフレーズは流石な面もありますがテクニックで魅了できるタイプでもないので、もう少し展開にドラマ性や変化のある曲を盛り込めば印象も変わるのですが、従来の北欧風クラシカルサウンドにブレはなく無難過ぎる展開と一人で作り上げたなんとも言えない内職感が漂い、いま一つウケが悪い一品です。とは言え日本人の琴線に触れる叙情的な泣きと北欧ならではの響きには愛着があり、つまらないの一言で切り捨てるのがチョイと惜しいと思うのがマニアの性として恨めしいと思わせる一品でした。この後、VISION名義で今作を払しょくするような歌モノを作り、1998年はソロ名義で歌入りを作り、マットソン名義で別プロジェクト、さらには2001年に1stの新録ものと腰の据わりの悪さあるのですが、今作を聴くと後の迷走?ぶりを思わせる作風なのかもしれませんね。一人北欧メタル作をリリースするって迷っていたのかね?


LARS ERIC MATTSSON - No Surrender ★★★ (2016-05-17 14:20:52)

フィンランドはオーランド諸島からやってきたネオクラギタリスト、現Lion Musicの社長も務めるラーズ・エリック・マットソンが1989年にリリースした2nd。当時は雨後の筍のごとく速弾きとテクニック競うギタリストが溢れかえっており、その煽りを受け、イマイチ評価を受ける事が出来なかったラーズ氏(そこまで速くないし上手くないというレッテルを貼られB級感を誘発し愛されていないのが残念)まぁバンドもソロ名義だしね、前作同様アラビキな面をあれど、スケールの大きなネオクラHM/HRサウンドを披露。情感あふれるクリスタルな響きとクラシックに根ざした音楽性の融合は更なる磨きが掛り聞き手を魅力するでしょう。ハードでヘヴィだが、北欧メタルは聴きやすいと感じるのが、甘美なメロディに起因するものと思っているので今作はその面を十分にクリアーしていますね。アルカトラスやマディソン、シルヴァーマウンテン辺りが好きな人にはたまらんものがあるでしょう、この時代ならではの煌びやかな北欧サウンドに今もって胸キュンさせられますね。エエわ


LARS ERIC MATTSSON - Eternity ★★★ (2016-05-17 13:57:42)

後に自ら『Lion Music』なるレコード会社を設立する北欧はフィンランド出身のネオクラギタリストが1988年にリリースした1st。当時の時代背景をそのまま切り取ったようなネオクラギターの響き、正直そこまでギターはキレておらず、ようあるパターンのやりおったなぁ感が強いのですが、北欧ロマネスクが響くスケールの大きい叙情派HM/HRサウンドは実に魅力的で、インギー同様クラシカルなスケールを多用した音楽性の影響も大きく、これぞ北欧と言いたくなるキラ星の如き輝きと、儚さ命の繊細さを伴いつつもハードな質感を損なわないサウンドは突出した魅力を放ち、ネオクラ様式美マニアの琴線に触れること間違いなしの一品。完成度の高い楽曲を用意しつつも、少々あか抜けないサウンドメイクは仕方ないが、ここまで曲が揃っていると、繊細な北欧サウンド故に演奏面の未熟さを指摘されガチなのが残念ですが、そんな事を気にさせない煌めきに目が眩みましたね。この糖度も高めの北欧クリスタルサウンドと抒情的なフレーズに涙腺が緩まずにはいられません。


Metalwolf - Down to the Wire ★★★ (2016-05-17 13:22:28)

ペンシルベニア出身のツインギター編成による5人組が1986年にリリースした1st。マイナー調の哀愁を携えたメロディと爽快感もあるが湿り気のあるサウンドが他のUS産バンドとに違う魅力を発散、少々うっとしいバタバタ感はありますがメロディックだがスパイシーさもあり、ハードなんだけど耳に残るメロディとポップセンスの融合を嫌みなく果たし派手目のギターソロも盛り込んで実に手堅く仕上げた印象が強い一枚。DOKKENやFIFTH ANGELほどのキレはありませんが、叙情派アメリカンロックが好きな人にはピンとくるものがあるでしょう。


Zaza - Party with the Big Boys - Where Are You ★★★ (2016-05-16 14:34:22)

甘酸っぱいですね
アメリカンなビックバラード
デニスのハイトーンも心地よい


Zaza - Party with the Big Boys - Carolyn ★★★ (2016-05-16 14:32:50)

アルバムを締めくくる甘酸っぱいハードポップナンバー
バンドの魅力を端的に物語っていますね


Zaza - Party with the Big Boys - I Would Do It Again ★★★ (2016-05-16 14:32:02)

ピアノをバックに切々と歌い上げていますね
デニスの心地よいハイトーンを前に
気持ちよく歌ってんなぁと思いますよ
アルバムの流れ的にも良かったです


Zaza - Party with the Big Boys - Can't Stop Rockin' ★★★ (2016-05-16 14:30:31)

乾いているが陰りのある光沢のあるメロディが印象的です
キャッチネスだがハードさも損なわないアレンジが冴えますね
このバンドならではの味わいでしょう


Zaza - Party with the Big Boys - Lonely No More ★★★ (2016-05-16 14:27:00)

骨太なハードさとアーバンな魅力が共存する一曲
実にファッショナブルだが熱いハードさが絶妙ですね


Zaza - Party with the Big Boys - Party with the Big Boys ★★ (2016-05-16 14:24:53)

タイトル通りの陽性な一曲
バカっぽく聴かせないのが憎い


Zaza - Party with the Big Boys - Power of Imagination ★★★ (2016-05-16 14:23:34)

熱情を内包したメロディックな一曲
スケールの大きさを感じさせますね
素晴らしい


Zaza - Party with the Big Boys - Wild and Forever ★★ (2016-05-16 14:19:25)

ノリノリのアメリカンロック
微炭酸な爽快感が印象的です


Zaza - Party with the Big Boys - Hungry for Emotion ★★★ (2016-05-16 14:18:10)

扇情的なニールのギターに胸キュン
2曲目にしてアルバムのハイライト
大人の魅力たっぷりの哀メロナンバー
力強いソロも好きですよ


Zaza - Party with the Big Boys - Bright Lights ★★★ (2016-05-16 14:16:11)


オープニングのロールプレイも清々しいわ
その味を損なわない爽快感たっぷりな一曲


Zaza - Party with the Big Boys - Attitude (Hey You!) ★★★ (2016-05-16 14:14:41)

押しの強さと軽やかさが絶妙ですね
ヘイ ユーって口ずさみたくなりますよ


Zaza - Party with the Big Boys ★★★ (2016-05-16 14:08:29)

元ジャーニーのメンバーとインストアルバムを作ったりと確かなテクニックとメロディックなフレージングの組み立てが上手いギタリスト、ニール・ザザがソロギタリストとして成功する前に活動していたバンドの1stフル。リリースが1991年で翌年にはソロとして活動、そのせいもあるのか知名度の低い作品なのですがクオリティの高さは折り紙つきの一品。ザザの高速ギターも曲間に飛び出しスウィープ、アルペジオとやや強引な展開に苦笑いも出そうですが、概ね彼はギタリストとしての才能を遺憾なく発揮、楽曲を殺すことなく印象的なプレイで楽曲に華を添えていますね。良質なハードポップナンバーは勿論、嫌みのないアメリカンなパーティーロックも飛び出すが、アコギを生かしたバラードのセンチメンタルな泣きと甘酸っぱさに胸キュンさせられ、アーバンなムードに包まれたメロディックなハードテイストたっぷりの楽曲を聞かせたりと、良いメロディと良いアレンジに支えられた多様性のある楽曲を用意し飽きさせない構成は見事ですね。個人的には2曲目の『Hungry for Emotion』7曲目の『Lonely no more』は隠れた名曲としてメロディ派のマニアに強くお勧めしたいですね。
アルバム全体を通しても枠組みにしっかりとした演奏にマニアが喜びそうなネオクラ風味のギターがあったりと、押しがいのあるアルバムなのになぜこんなに知名度が低いのか、当時の事情通でもあるレコード店に勤めていた知人に聴いてみたら、雑誌のレビューがなかったに尽きる、点数が高い低い関係なく、誰も知らんモノを仕入れられない、良い作品だがジャケも魅力なしで、ジャケ買いもない、今作がある程度認知されたのはザザがネオクラを捨ててインストものを成功させてからだと言う事らしい、ちなみにザザ自体が日本であまり人気もないらしい。なるほどである。
ちなみにこのバンドでシンガーを務めるスコット・デニスは、日本一洋楽していたバンド「Still Alive」のラスト作に参加しておりますので今作を聴いて気に入った方は合わせて聴くのも一興でしょう。
デニスのハイトーンは中々強力ですよ、メロディックな音楽性とハイトーンシンガーの絡み、ハードさも失わないアレンジのある曲も多く、同じ路線だとSHYあたりを思い出すので、その筋の方も楽しめるんじゃないでしょうか。


FAITHFUL BREATH - Skol ★★ (2016-05-15 13:36:51)

バイキングなジャケに釘づけにさせられる1985年リリースの6th。前作同様メロディックなパワーメタル寄りのサウンドを継承、そのスタイルは同郷の先輩アクセプトだし、そしてコンパクトだがメロディックなフレーズが耳を惹くギターはここでも印象的だ。(リードギターのヘルマン氏は後にランニングワイルドやグレイブデイガーに参加)種の仕掛けもないストレートすぎる展開と、ややこじんまりとしたミックスに少々物足りなさを覚えたりするのかも知れませんが、ラストに用意されているタイトルトラックなんて、分かりやすいフレーズがなんとも耳に残り、いかにもジャーマンらしい陽気さが、ビール片手に肩を組みながら大合唱させたくなる気持ちよさがありますよね。安っぽい音質だが、なんとも言えないパンクな弾けっぷりがバンドの魅力なんでしょう。


FAITHFUL BREATH - Rock Lions ★★ (2016-05-15 13:14:32)

Mausoleum Recordsからリリースされた5枚目のアルバムで彼らを知ったので今作の方向性にはやや戸惑いました。あちらは欧州型のメロディックなサウンドでしたが、今作はドライなハードブギースタイルを基調とした音楽性であり、なぜバイキングのコスプレでこのノリノリのバイカーズロックなんかいな?となるのですが、いかにも1981年的な香ばしい匂いに愛着を覚えずにはいられません。この出で立ちと音楽性を前にプログレ時代があったのか信じられないのですが、ボーカルとキーボードが抜け3人組編成になったのが答えなのでしょう。単調に聞こえるリフとリズムも安定感があるので楽しく聴けますよね。


FAITHFUL BREATH - Gold 'n' Glory ★★ (2016-05-15 12:59:51)

RISKの前身バンドでデビュー時はプログレサウンドだったのですが、今作はプロデューサーにウド・ダークシュナイダーが名を連ねるのも分かるアクセプト流のHM/HRサウンドを披露、歌の持って生き方もウドっぽく彼らの目指す方向性が明確に伝わります。お約束な疾走ナンバー①、親父声が塩っ辛さを倍増させる泣きのバラード④、タイトルトラックの⑤など秀逸なナンバーも多数収録、大味なジャーマンメタルの中でもワビサビを感じさせる美味しいフレージングで情感を巧みに表わすギターはエエ仕事をこなしております。少々遊び心の少ない無難な曲作りに興奮度はイマイチ低いのかも知れませんが、逆にその生真面目さが生粋のドイツ産サウンドなのかもしれませんね、パッと聴いていてもギターのフレージングにはセンスを感じさせますよ。


SUNSTORM - Emotional Fire ★★★ (2016-05-13 13:41:08)

2012年リリースのジョー・リン・ターナーが歌うAOR調HM/HRプロジェクトの3rd。今までの流れを順当に引き継ぐジョーの歌を中心とした優美なメロディックHM/HRサウンドを披露、マイケル・ボルトンのカヴァーなども含め、ジョー自身がバックボーカルなどで参加した楽曲なども歌うという作風らしく(外部ライターが多いのでよう分かりませんが②はシェールの曲でマイケル・ボルトンやダイアン・ウォーレン作だし④⑦はマイケル・ボルトンのカヴァー)、改めてジョーの歌の巧さを痛感させる一枚へと仕上がっています。ハスキーでソウルフルな歌声は一聴して彼と分かるし、アク薄いが十分個性的なパフォーマンスも見せていますね。オリジナルとの聴き比べや、彼の持つマテリアルも含め、メロウサイドを際立たせる一本筋の通った作風故にハードさは前作よりも薄れたかも知れませんが、それを補って余りうる芳醇なメロディと円熟味を増した圧巻のパフォーマンスに酔いしれますね。老いを感じさせない老獪なテクニックを駆使するジョーの姿は実に頼もしい限りです。歌モノが大好きな方には外せない一枚でしょう。


SUNSTORM - House Of Dreams ★★★ (2016-05-13 13:16:40)

今作もFRONTIRES RECORDSお抱えのソングライティングチームがバックアップ、プロデューサーにデニス・ワードと前作同様盟友と呼べるスタッフが集結、その出来栄えに一切のぬかりはなく、その筋の音楽性が好物な方なら外せない一枚と心に響くでしょう。プロジェクト体制ではあるが、お仕事感を感じさせない音作りが見事で、粒ぞろいの楽曲とシャープなサウンドメイクが共鳴しあい甘口なだけではないハードでスパイスの効いた大人の味わいを感じさせる仕上がりは、このメンバーならではでしょう。寸分の狂いなく繰り広げられるAOR調のハードサウンドにおいてジョーの歌はある種の威厳を感じさせるほど、成熟しきっていますね。


SUNSTORM - Sunstorm ★★★ (2016-05-13 12:57:53)

ジム・ピートリックなど外部ライターとの曲作や自身がため込んだAOR調のHM/HRを中心に作り上げた2006年リリースの一枚。彼が求められる音楽性と得意分野で自身の才覚を遺憾なく発揮、手練手管のメンバーを従え良質な楽曲を磨き上げる作業を見事にこなしており、メロディックなサウンドがお好みの方ならグッとくること間違いなしの名盤です。レーベルもFrontiersだからね、外しは掴ませないでしょう。繊細で優美なメロディ、そして軟弱にさせないロックなしなやかも光輝き、ジョーのソウルフルな歌声が全てを包み込んでいますね。刺激は薄いが安心、安定のクオリティとブランド力に目を細めますね。


HOLOCAUST - The Nightcomers ★★★ (2016-05-11 14:34:20)

随分と物騒なバンド名に聴く前は、どんな過激な音が飛び出すのかと構えたものですが、オープニングのノリノリなロックナンバーで幕が開けたのには、こちらの勝手なイメージで肩透かしを食らった気分になったのを覚えていますね。どこかダークな色合いがある②ヘヴィなリズムがクールなイメージを抱かせる③とNWOBHMカラーが強い曲が続き、なぜこのバンドがラーズ・ウルリッヒお気に入りのバンドなのかを垣間見た気がします。どこか暗く湿ったカラーは純正英国サウンド特有のものだし、ダイナミックなリズムと剛毅なリフが生えるサウンドメイクはまさにNWOBHMならではの味わいだ。ストレートで骨太な英国カラーに彩られたHM/HRサウンドはマニアならずとも聴いていて心地がよいでしょう


Sparta - Welcome to Hell ★★★ (2016-05-11 14:05:22)

幻のNWOBHMバンドが2014年にオリジナル作を引っ提げアルバムをリリースするとは驚きです。High Roller Recordsの荒技にこちらが心配になるのですが、このような形でサポートする姿勢は素晴らしいですね。彼らには国内のバンドの復活なんかにも手を貸して欲しいと思いますが、スナイパーの名盤辺りをね。暗くジメジメとしたメロディと懐かしき単音リフの響き、まさに往年のブリティッシュカラーそのもの、あのサウンドの復刻にマニアなら目頭が熱くなりますが、目新しさなど皆無、ある意味、夢をもう一度、同窓会的なニュアンスも漂い、大丈夫かいなと不安な気持ちも煽られるのですが、いぶし銀の味わいにワタクシは四の五の言わずにドップリと浸りたいと思います。シケシケの音質も手伝い、当時のデモ音源のリミックスヴァージョンと思わせるようなタイムスリップ感満載のカルトメタルサウンドにくすぐられますね。やっぱホンマもんはちゃうわな


Sparta - Use Your Weapons Well ★★ (2016-05-10 15:52:06)

High Roller Recordsからリリースされた全25曲入りの2枚組によるコンピ作。デモ音源にEP、オムニバス提供曲など彼らの80年代の活動をまとめ上げた一枚。NWOBHMマニアの間は知られた存在ですが、わりと地味なスタイルの音楽性でなんとも形容しがたいブリティシュカラーで染め上げた音楽性は時代の遍歴と共に若干の違いがあり、音質も酷い初期のスタイルよりは中期の方が好みだったりするのですが、初期の頃に感じさせる、あの空気をまとった音楽性もやっぱり捨てがたく体調に合わせてピックアップして聴いていますね。NWOBHM特有のブリティッシュカラーを受け継いだ一品、マニアなら押さえておきたくなりますが、レコーディング環境がバラバラなので覚悟が必要かと思います。


SAXON - Battering Ram ★★★ (2016-05-10 15:28:14)

サクソン渾身のニューアルバム、ドイツに渡ってから顕著になりつつあるパワーメタルを軸に、キャッチーなリフワークと荒々しいキレ、印象的なフレーズによって構築された楽曲は往年の空気をまとい更なる進化を告げる一枚として高らかに鳴り響いています。かつてのバイカーズロックの雰囲気も取り戻しているし、小気味良いスピード感も心地よく、老いて益々盛んという言葉もピッタリハマるような活きのいいナンバーが続く構成が憎い。

往年のサクソン節も炸裂するリーダートラックの①に始まり、ミステリアスな語りからキャッチーなリフを従え走り出す②のパワフル感たるや、サビメロもエエですね。中盤から流れるミステリアスな空気がたまりません、説得力溢れる③。ノリの良さも懐かしいですねストレートな④。メロディックなソロが好きですねノリの良い⑤、ヘヴィなミドルナンバーだが活きのいい新鮮なリフワークが見事に生えます流石の⑥。軽快に走る⑦も単純に走らないアレンジが素晴らしい、そういう曲はサクソンには似合わないので、今作は流れ的にもエエです。哀愁のサクソン節を堪能できる⑧エエわ、泣けるわ。ヘヴィイントロから一転メロウなメロディをバックに歌いあげる様のカッコいい事、そしてヘヴィになるのですが流石やねな⑨。ドラマ性を称えた展開が美しい⑩ゲスト参加のHELLのシンガーがエエ仕事をしていますよ、それにしてもビフが歌いだすパートはロマンティックでエエですね、ソロも胸に沁み渡ります、この曲順でこの曲は一本取られました、流れ的にも、ある意味アルバムのハイライトとも言える味わい深い大人の魅力がたまりません。このまま締めてくれたらと思いますが、ラストはブギーな⑪で終了となります。

サクソン節と呼べる泣きメロをふんだんに含んだ哀愁は円熟味を増しヘヴィだがスケールの大きなメジャー感が更なる高みへと押し上げているのも見逃せません。80年代から90年代に掛けてアメリカ進出を果たすも、音楽性の拡散と変貌により支持を急速に失い、またシーンの没落が彼らをアメリカの地からドイツへと向かわせるのですが、ドイツでは全ての時代で一定の評価と支持を受けており、面白い事に常に安定した規模の成功を収めていたのも見逃せません。すなわち早いだの遅いだの軽いだの重いだのアメリカンだだの、そんな一過性の問題をほじくり返すだけの不毛の議論で叩くのではなく、彼らの本質を常にドイツのメタルシーンは見定めていたのが凄いですねよね(そりゃヴァッケンオープンエアーのラインナップを見れば納得ですよね)
安定した基盤は音楽性の充実ぶりを生みだし何をするべきを見定めて、うつろいでいくシーンの中で自らのスタイルを誇示しつつも時代に合わせ作品を重ねてきた彼ら、ここには90年代の名盤『DOGS OF WAR』の匂いもあるし今風のソリッドな重量感、そして初期の頃の代名詞と言われるバイカーズロックもある、けして保守的にならず先鋭的に攻め続けてきた姿勢を貫いている。ヘヴィメタルの王道を行く彼ら、まさに等身大の魅力が詰まった会心の力作ですね。


SHOK PARIS - Concrete Killers ★★★ (2016-05-07 13:07:06)

前作の流れを踏襲した1988年リリースの3rd。マイナーメタルの帝王的な雰囲気も残しつついい意味でのメジャー感が増し聴きやすさと楽曲のバラエティも広がり、ターゲットを拡散させた要素が強い。そのあたりにやや焦点がボヤけた印象を受けなくもないが、益々魅力を増したツインギターとアンサンブルの向上はスリルはないが安定感を生み安心して聴いてられますね。こうなるとゴリ押しシンガーの持って生き方に、少々苦言を呈したくなるのですが、これもバンドの味として楽しむのが一番でしょう。メジャーな音に適度なヘヴィさと嫌みにならないキャッチネスさを盛り込む事に成功したが個性が損なわれたのが評価を分ける要因ですかね。PVにもなった②なんて、なかなかのクオリティを誇っていますよ。


SHOK PARIS - Steel and Starlight ★★★ (2016-05-07 12:50:55)

良質な作品をリリースしているのにも関わらず、日本では認知度の低い実力派アメリカンパワーメタル系バンドが1987年にリリースした2nd(3枚目のアルバムが日本で最も権威のある商業誌に酷評されたのが原因らしいと知人が教えてくれました、合点がいったわ。)わりと地味だった1stに比べると洗練された印象を持ち全てにおいてスケールUPされた楽曲は聴きごたえ十分、パワフルだがメロディを蔑にしない構成力は流石だし扇情的なフレーズで切れ込んでくるツインギターも魅力的だ。アメリカのバンドとしては珍しく大味な雰囲気よりも、キメの細やかさを感じさせ、細部に対する拘りが曲作りの巧さとなり、絶妙な感性を研ぎ澄ましている。濡れているのにドライと言う不思議な感覚、それが今作を象徴するカラーなのかも知れませんね。時代は1987年、激動を迎えるシーンの中で、もっとも苦戦を強いられた正攻法で挑む王道サウンドが放つ普遍の魅力、むしろ今の方が評価も改めてもらえる要素も強いでしょう。アクの強いシンガーの熱唱と共に、力強く打ち鳴らされるパワフルなHM/HRサウンドを聴くと、当時のラウドネスを思い出しますね。あっちゃの方がワビサビがあるけどね。


SHOK PARIS - Go for the Throat ★★★ (2016-05-06 14:48:22)

オハイオ州出身ツインギター編成による5人組が1984年にリリースした1st。古典的な手法に乗っ取りつつも当時としては革新的な要素も加味した王道メタルを披露、青臭い部分はあれど、真っ向から挑んだ正統派サウンドは細部に渡り拘りを聞かせており、折り目正しいツインギターからは旨みのあるフレーズも多くミステリアスなムード漂うパワフルな楽曲との相性は抜群の効果も見せ、その相乗効果が今作最大の聴きどころでしょう。ドラマ性を大切にする正統派ならではの醍醐味とも言える広がりのある展開を心得た曲作りも目を見張るものがありますね。単純明快なスピードロックが好きな人には、ミドル主体の堅実さゆえに華やかさに欠けますがヘヴィメタルの本流を極めようとする姿は実に頼もしく好感が持てました。混じりっけなし、アメリカンパワーメタル系の底力を堪能できる一枚ですよ。


MATAKOPAS - Coming out Ahead ★★ (2016-05-06 14:15:47)

ニューヨークの4人組が1987年にリリースした1st。オープニングからWE ROCKなリフにひっくり返りそうになりますが、出している音は雰囲気モノの正攻法で攻めてきた実直なHM/HRサウンド。暗く湿ったメロディにはNWOBHMの影響を感じさせ、ニューヨーカーらしいコンクリートサウンドが醸し出すクールさと嫌みのないキャッチネスさが程良く溶け合い類型的なスタイルではありますが及第点を超えたクオリティを保持しています。いかんせんオリジナルティがやや薄い面があり気になると駄目なんでしょうが、派手なギターを主軸に展開されるストレートなサウンドは当時のシーンの底を支えるものであり、ライブハウスを賑やかせていたのは間違いないこと、DIO風のヘヴィでメタリックなメタルを極めようとする姿勢には好感が持てますよね。個人的にはあそこまで本格的ではありませんがチャステインやヴァージンスティール、ショックパリス辺りを思い出しましたね


ARCHITECTS OF CHAOZ - The League of Shadows ★★★ (2016-05-03 13:56:07)

アイアンメイデン初期の音楽性を語る上では外すことのできない我らがポール・ディアノ氏がドイツ人ミュージシャンを従えリリースしたのが今作。もう味せんやろと言われても噛みしだいたメイデンセルフカヴァー作品などで晩節を汚しつつあったポールだけに、今作のアナウンスは期待を持たせるものでした。だってメイデンカヴァーのボートラ無じゃん(笑)代わりにパープルの『Soldiers Of Fortune』をラストに朗々と歌っていますからね。気心の知れたドイツ人ミュージシャンと作り上げた今作は、古典的な手法に乗っ取りつつも、メタルコア的なニュアンスを巧みに取り込み、古臭いだけの音楽性に陥ることのないポールの歌唱を生かしたメロディックメタルを披露。『Architects Of Chaoz 』では中近東風のメロディをバックに歌いあげるなど新鮮味もあり、他の楽曲もメイデン風や出涸らしの出まくったNWOBHM風のそれとは違う楽曲を用意し新たなる魅力を提示してくれました。曲の出来云々は、リリースへ向けての経緯など、いぶかしげな面もあり胡散臭さが漂うのですが、ジャーマン風のメロディックメタルを歌うポールという組み合わせは過去にしがみつかずとも、独立してやっていける可能性を十分に示唆するバンドとなっていますね。次作がもしあるのなら、もうチョイ金を掛けて作ってくれると迫力もまして良くなるかと思いますね。


KELDIAN - Heaven's Gate - Plains of Forever ★★★ (2016-05-03 13:35:57)

ドラマティックですね
壮大なイメージを損なわないアレンジが憎い
歌が弱いのが難点ですが曲そのものの聴かせ方も上手ですよ


KELDIAN - Heaven's Gate - Beyond the Stars ★★★ (2016-05-03 13:34:27)

軽やかですね
飛翔してますわ
もうチョイ迫力があれば良いのですが
このバンドならではの旨みが詰まってます


KELDIAN - Heaven's Gate - Prophecy ★★★ (2016-05-03 13:33:02)

ハードな質感と透明感のあるメロディが耳を惹きますね
ツボを押さえたアレンジが光ります


KELDIAN - Heaven's Gate - Sundancer ★★★ (2016-05-03 13:30:18)

メロディックかつパワフルに疾走する様がカッコいいですね
○○風ではありますがアルバムの流れ的にもインパクトがある


KELDIAN - Heaven's Gate - Salvation (Release Me) ★★★ (2016-05-03 13:29:02)

スペイシーですね
この空気感が好きです
頼りない面はあれど良いメロディを搭載した北欧サウンドに目を細めますよ


KELDIAN - Heaven's Gate - Red Shift ★★★ (2016-05-03 13:27:37)

フォーキーなバラード
女性シンガーとの絡みも悪くないですね


KELDIAN - Heaven's Gate - Heaven's Gate ★★★ (2016-05-03 13:26:38)

ヘヴィに迫ってきました
低音が出ていないのと歌い手が迫力不足
でもそれらを補う美旋律が北欧メタルの良いところですね


KELDIAN - Heaven's Gate - Requiem for the Light ★★★ (2016-05-03 13:25:02)

透明感のある北欧らしい一曲
エエ雰囲気ですね
軽やかなキーボードもエエですよ


KELDIAN - Heaven's Gate - Heart of the Sun ★★★ (2016-05-03 13:22:45)

フックに富んだ歌メロがエエですね
青臭い歌い手ですが
哀愁が炸裂する北欧メタルに胸キュンです


KELDIAN - Heaven's Gate - Crusader ★★★ (2016-05-03 13:21:00)

涼しげなメロディが彼に駆け抜けるアルバムのオープニングナンバー
クールビズ到来を告げるのにピッタリの曲ですね
エエわ
北欧メタルだねぇ


V2 - V2 ★★★ (2016-05-01 13:52:21)

フェアウォーニングのシンガートミー・ハートが在籍していたバンドとして知られるバンドが1988年にリリースした1st。のちに1997年に日本国内でも復刻された一枚として知られていますね。渡米後のスコーピオンズをお手本にソフトなメロディックメタルとエッジの立ったハードさが絶妙なニュアンスを醸し出し、ドッケン、ストライパー、ボンファイアと言ったバンドと同じ土俵で語られるべきライト過ぎずヘヴィ過ぎない音楽性を披露しており、ドイツ産らしい生真面目さがより良い方向へと導いているのも好印象、やや類型的なスタイルゆえに、スリルや興奮と言った要素は薄目ですが、伸びやかな歌声は安定感もあるし、期待を裏切らない展開は安心して身を任せる事が出来ますね。ツボを押さえたアレンジと上手い歌を堪能したい正統派マニアなら聴いて損はしないでしょう、正攻法でグイグイと攻めるオープニングナンバーなんてカッコいいですよ。


Black Tears - The Slave ★★ (2016-05-01 13:33:50)

ドイツ産正統派HM/HRバンドが1985年にリリースした2nd。音楽性は渡米したスコーピオンズ風の音楽性にアクセプト的なエッセンスもまぶしたメロディックなスタイルを踏襲しており、正直、曲によってはかなりの拝借と言うか模倣をしているので気になると駄目でしょう。また音質も低音の迫力不足と時代性を感じさせるキーボードみたいなシャリシャリとしたギターと、ややメタル度に欠けると昨今の音作りと比べるとかなり異質なのですが、これぞ80年代中期のB級スタイルなので歴史を紐解く意味も込めて若い人にこそチャレンジして欲しいですね。即効性のあるスピードナンバーやガッツィさもないかもしれませんが、欧州由来の湿り気とジャーマンらしい生真面目さ、そこが楽曲に反映されており、チョコチョコと琴線に触れている辺りが憎い、ヒットというよりはチップなのだが、楽曲の質は総じて高く及第点を超えた内容かと思います。ハロウィーン登場以前のジャーマンシーンを支えたバンドに興味のある方は手にとってみるのも一興でしょう。


PAUL DI'ANNO - The Original Iron Men ★★★ (2016-04-29 18:23:01)

ポール・ディアノとデニス・ストラットンのメイデン組によるプロジェクトチームが1995年にリリースした一枚。プロデューサーにリー・ハート、参加メンバーもニール・マーレイ、ティム・カーター、ナイジェル・グロックラー、ゲイリー・ファーガソン等、この当時はよくこのメンバーでコンピ作を作っていましたね。わりと地味な奴だけが集まった同窓会的な閑散としたムードが漂うも、ストラットンとリーハート持ち込んだ英国産ハードポップサウンドとディアノのパワフルヴォイスが繰り広げるガチンコ勝負の行く末は残念ながらドローだったのですが、ディアノはやっぱりパワフルだ。ストラットンとリーハートもよいメロディを書きますね。②はヤングギターでお馴染みのエアパビリオンの米持氏らが参加した日本のアニメのサントラに提供してるし、SHOW-YAにも在籍していたステファニー・ボージャスのソロに提供した⑧など聴いたことがあるような曲が多いのもチョイと気になりますが、この二人でしか味わえないサウンドを個人的には楽しみましたね。当時はギリ、ディアノ&ストラットンにリーハートが絡む事に新鮮さがありましたから


PAUL DI'ANNO - The Worlds First Iron Man ★★★ (2016-04-29 17:51:09)

生活保護的なものを不正受給したリアルアイアンマンな男、我らがポール・ディアノのソロアルバム。今作でもしっかりとメイデンのカヴァーを行い、何ヴァージョンあるんだいと突っ込まずには入られない彼が取り組んだのはAOR系の歌モノサウンド。オープニングはジェイムス・ブラウンのカヴァー、思い出されるのは映画ロッキーにて、アポロ・クリードが大はしゃぎ、その後ドラゴにぶちのめされるあの映像ですが、この選曲に驚かされ、②もファンキーな名曲をカヴァー(ワイルドチェリーの名曲ですね)。そのままゴスペルな③にながれ、ワタクシはしばらく開いた口がふさがらず、怖くなり一旦トレイから取り出し聴くのを中断した思い出深い一品。再度チャレンジするもポールの歌声を中心にメロディックな歌モノHM/HRスタイルを貫いており、何をトチ狂ったんだ、と叫びそうになるのですが、何をやってもポールのパワフルヴォイスは消えるわけがないのでハーモニーをつけて軽やかに歌おうがポールはポールでした。中盤以降の楽曲もそうですが⑨⑩なんて今作ならではの味わいがあり、逆に好きになりましたね。ディアノのソフトサイドを際立たせた一枚。マニアなら手を出さずにはいられないでしょう。


IRON SPELL - Heavy Metal Witchcraft ★★★ (2016-04-29 17:17:56)

南米はチリからやってきたツインギター編成の5人組が2014年にリリースした4曲入りEP。バンド名にアルバムタイトル、男なら一度は巻きたいガンベルト姿も眩しい、そのセンスがまんま音となって表れており、哀愁のメロディが炸裂するTHEヘヴィメタルなサウンドはオールドスクールも甚だしいスタイルを披露、正直詰めの甘さや不安定なアンサンブルに音程も怪しいシンガーと気になる面はありますが、青春時代の思いで作りの一枚かいと切り捨てるには惜しい面があり、どこか強く愛着を持ってしまいます。無難な曲作りだからこそ、締めるところをビシッと決めて欲しいのですが初めてのレコーディング&デモ音源の製品化ということでユルめのジャッジでワカチコワカチコ行こうかいなとね。世間的にはブスでも俺にしか分からない可愛らしさがある、そんなブス専感覚を共有できる世界平和を愛する博愛主義者なら楽しんでもらえるでしょう。2016年の2月にリリースされた1stフルでは見違えるような成長を見せているので、お試しあれです。


METALUCIFER - Australucifer Heavy Metal Holocaust ★★ (2016-04-29 06:37:30)

南米はチリの『Austral Holocaust Productions』からリリースされたコンピ作。アナログのEPをCD化したものなのですが、楽曲は既にフルアルバムにも収録されていたりとダブっているのですが、SAMMこと舘真二さん参加のIron’ Steel’ Metal 、Heavy Metal Hunterの2曲が貴重なデモ音源らしく、そこが最大の聴きどころでしょう。メタルシファーのファン以外に食指が進むかと言われると微妙なんですが、日本が海外に誇るレジェンダリーなバンドで国内のみならず精力的な海外でもツアーを行い、マニアの間では世界でも名の知られたバンドなのです。それでなければチリからリリースされる事はないでしょう。アルバムジャケットから発散されるオフザケ感も程々にメタル愛溢れる一枚、哀愁のツインリードにむせび泣き、和製NWOBHMサウンドに触れて欲しいですね


CRYSTAL KNIGHT - Crystal Knight ★★★ (2016-04-26 20:16:54)

海外のマニアックなレーベルは本当に熱い、歌モノなら『AOR HEAVEN』、だれが知っとるんじゃいと突っ込まずにはいられない、まさにカルトな作品を世に送り出している『Cult Metal Classics』。ベルギーの老舗『Mausoleum Classix』シリーズに散財させられました(涙)。スラッシュ/パワーメタル系やあのアーチンを世に復刻させた事でも知られカタカナ帯びタタキも眩しい『High Roller Records』。NWOBHMからアングラアメリカンメタルまでマニアックすぎる作品を世に送り出す『Skol Records』。激渋激熱なのはポーランドの 『Metal Mind Productions』。そして今作をリリースしたのが手書きナンバリングなどリイシューものや幻の一品を復刻する事に余念がない、いま最も輸入盤市場を席巻するインディペンデント系の雄ギリシャの『No Remorse Records』。デンマークのバンドらしく、やる気のないジャケットもなぜか惹きつけるモノがあり、レーベル対する信頼と安価も手伝いジャケ買いを敢行、これが渋い音を聞かせてくれました。オリジナルのリリースは1985年、その時代背景を考えると少々古臭い音ですが、NWOBHMにも根ざした攻撃性とモッサリとした音色は一時代を築いたあのスタイルを踏襲、ラフなパワーを内包しつつも、北欧独特のマイルドな感性と扇情的なメロディを持ち込み独特の艶やかな光を鈍色に輝かせています。疾走するビート、アグレッシブかつソリッドなリフワークなどヘヴィメタルを真っ向から叩きつけてきた姿など好感が持てますね。憂いを帯びた欧州型HM/HRの美点が詰まった一品としてマニア筋にはたまらんモノがあるでしょう。


MAGNUM - Sacred Blood “Divine” Lies ★★★ (2016-04-26 19:41:37)

英国はメロディアスHM/HRの重鎮と呼ばれる大御所中の大御所、生きる伝説と言っても過言ではない彼らが今年の2月にリリースした新作。情緒あふれる美しいメロディは実に英国的な響きを奏で、そこにプログレッシヴ・ロック的なアレンジを導入、繊細さとロックのダイナミズムを見事に共存させたマグナム流HM/HRに陰りなど微塵もなく、今作も近年の良盤同様安心して身を任せる事が出来ます。老獪なテクニックを駆使し衰えを見せないボブ・カトレイの円熟のパフォーマンス、鍵盤プレイが際限なく聞き手のイマジネーションを広げ、トニー・クラーキンの手腕により導かれるは極上至極のメロディアスHM/HRの一代抒情詩、メロディックなHM/HRが好きな方なら手を出しても損はしないでしょう。やっぱエエわ。これ以上のコメントは作品を汚すな。ワシには到底及びもつきませんよ。この世界観を表現する術などね。ひたすら感動しました。


MAGNUM - Sacred Blood “Divine” Lies - Crazy Old Mothers ★★★ (2016-04-26 19:18:29)

ドラマティックやなぁ
ため息が出ます
胸を締め付ける繊細なメロディ
ロックのダイナミズムを損なわないアレンジに身震いさせられますね


MAGNUM - Sacred Blood “Divine” Lies - Your Dreams Won’t Die ★★★ (2016-04-26 19:13:07)

憂いのあるメロディ
どこかハートウォーミングででもセツナイ
繊細なマグナム節に笑い泣きです


MAGNUM - Sacred Blood “Divine” Lies - Don’t Cry Baby ★★★ (2016-04-26 19:09:59)

本編を締めくくるロマンティックな一曲
ピアノが流れ組んでくる瞬間に昇天しました
ベテランならではの深い味わいのコクに酔いしれます


BULLET - No Mercy ★★ (2016-04-25 18:40:06)

引き続きプロデューサーにディーター・ダークスを迎え1983年にリリースした2nd。今は亡きアリスタからリリースというビックディールを獲得した影響もあるのか、メタル度は上がったが明るめのご機嫌なノリの曲も増えタイトルトラックの④などは無理やりなメタルナンバー放り込み幅広い楽曲を用意、個人的には中途半端な明るさやメジャー感覚を放り込むならラスト3曲くらいの流れでやってくれないと厳しいような感覚にとらわれるのですが、前作の流れを考えると微妙ですかね。けして器用なバンドではないと思いますが、方向性の拡散がメンバーチェンジを誘発し解散の一途を辿るのですが、この時代ならではの大衆性とゴージャスに決め切れなかった音楽性の響きはオールドというよりはアンティークと言いたい味わい深い輝きがあり、ある意味、早すぎた音楽性とも言えなくもない。そんな彼らにとってはらしくないかもしれませんがラストのBaby We Can Talkなんてアルバムを締めくくるのに相応しい感動的なロックアンセムかと思いますよ。


BULLET - Execution ★★ (2016-04-25 18:16:21)

1970年代後半から活動を続けるドイツ産HM/HRバンドが1981年にリリースした1st。出しているサウンドはアクセプトがAC/DCをカヴァーしているような感触で終始ご機嫌なロックサウンドを披露、NWOBHMを通過しているので硬質観もあり今の感性で聞けば古臭さはあれど、ドライブするシンプルなビートとメタリックな質感が混在し普遍の魅力となっていますね。同時期活動していたクロークスあたりの音楽性が好きな方なら聴いて損はしないでしょう。ドイツらしい生真面目さとアクセプトなシンガーの持って生き方にプロデューサーを務めるディーター・ダークスの手腕も発揮されていますかね


MORE - Warhead ★★★ (2016-04-24 20:08:03)

プロレスラー並みの大柄な体躯が印象的なケニー・コックス率いるバンドの1st。NWOBHM仕込みの荒々しHM/HRスタイルなんでが、ケニー・コックスのエモーショナルなギターと、ブルージーさが少々違う面を持ち、またグルーヴィーなリズムもパンクにも触発されたといわれるNWOBHMの持つストレートさとは違った魅力があり、実に懐の深さを伺わせる作風が渋みをまとい②のカヴァーも流れの中でバンドの端的な魅力を光らしています。今作の成功があったのかモンスター・オブ・ロックのステージも上がり、多くのメタルファンの記憶に刻まれるのですが、今作でリードシンガーを務めるメイデンファミリーとして知られる、ポール・マリオ・デイは翌年リリースされる2nd、前に脱退、新たにWILDFIREを結成、それも上手く行かず、あのせSWEETに参加することになるんだから不思議なものですね。ブリティシュ然としたハードでブルージーな味を残したケニー・コックスの泣きのギターは一聴の価値あり、改めて聴くと④はエエ仕事してますわ。


LIONS PRIDE - Breaking out ★★ (2016-04-23 13:50:56)

ベルギーの古参レーベル『Mausoleum Records』から1985年にリリースされた1st。塩っ辛い親父声のリードシンガーの在り方が評価を思いっきり分けそうですが、硬派で男臭いパワフルな正統派HM/HRサウンドを披露、哀愁のメロディと噛みつくほどに刺激的な攻撃性、そのバランス感覚が絶妙でアメリカやドイツ、英国では聞くことのできないバンカラ一代漢メタルが醸し出す味わいに目頭が熱くなります。ある意味、定番化した楽曲なのかも知れませんが、その中でも秀逸なアレンジが生えるパートなどが顔を覗かせる瞬間のカッコよさ、その圧力に胸が焦がれギラリとした個性に引き寄せられますね。


Salem's Law - Tale of Goblins Breed ★★ (2016-04-23 13:32:59)

ドイツ産ツインギター編成の5人組が1989年にリリースした1st。サウンドは同郷のパワーメタルの雄ランニングワイルドに近いスタンスをとっており、向こうが海賊をコンセプトならこちらは中世ファンタジーな世界観を感じさせる音楽性を披露、抒情的なフレーズを歌いあげる愁いのある歌声は、線が細く不安定な印象を受けるが、疾走感溢れるパートを盛り込み、その攻撃性を損なわずともフライングするロマネスクがファンタジックな雰囲気をまとい、拘りの展開も用意となんとも言えぬ味わいを醸し出しオリジナルティをアピール、綺麗なメロディを奏でるギターもハマると魅力も倍増なんですが、凡庸な歌メロとリフワークに迫力不足の低音、リズムもやや不安定と気になる面もありますが、『Dream of Love』では女性シンガーとデュエットしたりと工夫を凝らしているのが面白くもあり、メジャーキーをぶち込みコミカルさを演出するスタイルやジャーマン七三分けパワーメタルとはチョイと趣の違う音楽性は意外と個性的ですね


ETHEL THE FROG - Ethel The Frog ★★ (2016-04-22 14:15:58)

NWOBHMを象徴するような幻のコンピレーション作Metal For Muthas Vol. 1に楽曲を提供している事でマニアからも知られるバンドが1980年に残した唯一のフルアルバム。脆弱なサウンドプロダクションが醸し出すペシャンペシャンのシッケシケなスッカスカのボロンボロンの味わい深さにマニアなら咽ぶこと間違いなし、コンピにも提供した⑥が醸し出すあの空気にNWOBHMマニアを自負する方なら立ち上がらずにはいられなくなるでしょう。この時代の英国産バンドでしか味わえないジメジメとした湿度の高さ、全体を覆うモヤっした空気と煮え切らないあのメロディ、もう少し演奏にメリハリがあれば印象も変わるのにと嘆きたくなるのですが、実はそこが初期NWOBHMバンド群の魅力とも言えるので、間違っても洗練された一線級のバンドや評論家の美辞麗句が踊るライナーノーツ付きの作品を主力として楽しみ崇めれる方にはおススメできませんが、我こそはと道場破り感覚でモノ申すツワモノにこそ、おススメしたい一品ですね。


NUCLEAR ASSAULT - Game Over ★★★ (2016-04-19 13:28:08)

アンスラックスに籍を置いていたB.ダン・ルリカーとVo.G.ジョン・コネリーの二人が中心となって結成されたニューヨークが生んだハードコアスタイルのスラッシュメタルバンドの1st。当時としては先鋭的ともいえるほど過激なスタイルの音楽性を極めており、その切迫感溢れるリフと強靭なリズムのダイナミックさと、追い立てられるジョンのヒステリックな歌声もバッチリとハマりオリジナルティ溢れる音楽性を披露。異様なまでの緊張感溢れる音楽性、そのコンクリートサウンドが轟かせる危険な香り漂うハードコアメタルは実に凶暴で、ダンの印象的なフレーズを刻むベースもさることながらT.TQuickにもいたグレン・エヴァンスの強烈なドラミングは、破壊力に満ちた音楽性の中で猛烈なインパクトを残していますね。


ANTHRAX - Fistful of Metal ★★★ (2016-04-19 13:01:49)

のちにスラッシュ四天王と呼ばれ、白い粉が贈られたテロ騒動時に話題になった日本語訳『炭疽菌』という物騒な名前を持つニューヨーカー。今作で聞ける音楽性はズバリ、メイデン、プリーストといった英国産HM/HRを下地により刺激的で加速度を強めた作風に終始しておりメタリカ同様、独自のスタイルを極めようとするインパクトは相当なものでした。ダン・スピッツのギターワークもすでに光るものがあるし、ルドルフ・シェンカー同様、切れのあるリズムギターを聞かせるスコット・イアンも存在感を光らせており後の片鱗を伺わせています。また凄腕ドラマーとして名高いチャーリー・ベナンテのドラミングも強烈なインパクトを残し今作を一段上のステージへと押し上げていますね。今作でフロントマンを務めるニール・タービンも無理やりなハイトーンスクリームシャウトをかまし若々しい歌唱スタイルを披露(なんのコネもなく単身渡米しソロアルバムを作り上げた日本人覆面ギタリストKUNIのアルバムで歌っているのと印象が異なりますね)NWOBHM風パワー/スピードHM/HRサウンドにヒリリとしたキレをもたらしています。ニューヨーカーならではの冷ややかな感性、ストリート育ちのコンクリートサウンドは常に勢いに満ち溢れており、メタル馬鹿一直線のように感じるがリフワークの鋭いキレ、バイオレントでメロディアスなソロワークの流麗さ、攻撃力の高い強靭でリズミカルなリズムプレイのクールさ、どれも洗練された印象をもつし、出涸らしの出まくった英国サウンドを模倣しているだけではないのがカッコいい。彼らの代表作といえば後の活躍を考えると無理があるかもしれないが、この時代ならではのUSシーンの底力を感じて欲しいですね。


OVERDRIVE - Metal Attack ★★ (2016-04-18 13:20:00)

スウェーデン産ツインギター編成による5人組が1983年リリースした1st。ド派手なツインギターを主軸にメロディアスかつパワフルなHM/HRを披露、NWOBHM風味の攻撃性や北欧ならではのポップフィーリングを盛り込みつつ、クラシカルさもあるリードプレイが華を添えており、バックの演奏は稚拙な面もあれどダイナミックな爽快感さえ携えている。しかし肝心要のリードシンガーのパフォーマンスがクオリティをダダ下がりさせており、そのあたりが大きく評価を分けるのでしょうが、スケールの大きなメロディックHM/HRサウンドをマニアにはたまらんモノがあり、そのあたりに理解のある良識なファンなら手を出しても損はしないでしょう。


OBSESSION - Scarred for Life ★★★ (2016-04-18 13:00:41)

マイク・ヴェセーラがフロントマンを飾る事で知られるコネチカット出身のツンギター編成5人組による1st。あのエニグマからリリースされている事に感慨深いものが個人的にはありますね(涙)メイデン、プリーストといった王道サウンドを下地に当時としても古臭い音と言われた実直な鋼鉄サウンドは、チョイ前にリリースされたミニアルバム同様、シャープでエネルギッシュな正統派サウンドを披露。バタバタとしたリズムにはUS産パワーメタルの味わいがありますが、L.Aあたりのバンド群とは一線を画すヨーロピアンな響きがバンドの肝でしょう。マイクのハイトーンを武器に鉛色に輝きを放つアングラ臭漂うコンクリートメタルはなかなかの品質と保っていますよ。お約束感満載だけど疾走ナンバーの持って生き方とは、やっぱり好きですね。


ANVIL - Anvil is Anvil ★★ (2016-04-17 13:36:01)

アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~、ドキュメンタリー映画として秀逸な出来栄えだったと今もってあの感動を噛みしめることもあるし、一メタルファンとしてよりも人として胸打つものがありましたね。その後、活動も順調なようでうれしい限りです。苦節云十年メタルを愛し演奏を続けてきた彼ら、時代に取り残され活動がどんなに縮小しようとも変わることのなかった方向性にブレなど一切なく今作でも不滅のメタル愛を貫いてきました。ヘヴィなミドルナンバーだがポップフィーリングも忘れない剛毅なアンヴィル節を堪能できる①で始まり、パワーメタルな疾走感が心地よいお約束な②、ヘヴィだが爽快感がカナダらしいミッドテンポの③ノリのよいロックロールな④と続きアンヴィルらしい魅力が詰まったお約束ナンバーを披露、日本盤のボートラ『You Don't Know What It's Like』今までないないようなタイプの曲を用意しギミックなしのパワフルな演奏を轟かしていますね。今さら流行るような音楽じゃないし、何か新しいものを構築するわけでもない、派手さも極端な仕掛けも、媚を売るキャッチネスさも何もないんだけど、でもこれがメタルじゃないですかね。そう言わざるを得ない年季の入った音楽性には尊敬と共に猛烈な愛着を覚えずにはいられません。


EXISTANCE - Steel Alive ★★★ (2016-04-16 14:05:28)

フレンチメタルの礎を築いたバンド『H-BOMB』のシンガーだったダイダー・イザートを父に持つジュリアン・イザートがVo.Gで牽引するバンドが、あのMausoleum Recordsより2014年にリリースした1st。欧州産ならではの湿り気を帯びた哀愁のツインリードにメイデンよろしくなリズム、情緒あふれるNWOBHM風味満点の正統派HM/HRサウンドはノスタルジーをくすぐるだけではない躍動感に満ちており、これまた湿った歌メロと艶のある歌声が官能的な響きを聞かせ実に有機的な熱き情熱を滾らせています。ギターソロやキメのフレーズなどにも英国的なニュアンスをぶち込み、ともすればエイドリアン・スミスがやりそうなフレーズなんかを持ってきて没個性化も知れませんが、シリアスな音楽性には合致しており、ある意味、それらを最大限に生かし多様な楽曲を用意しています。湿り気に軽快さを兼ね備えたハードな曲のみならずソフトな面をフォローする曲にも、正統派HM/HRバンドならではのダンディズム溢れる屈強さが見られ実に頼もしい限りですね。堅実な音楽性は地味かもしれませんが、若い方にこそ触れて欲しい、普遍の音楽性の中にあるメタルの真髄を垣間見て欲しいですね。


RAZORMAID - First Cutt ★★★ (2016-04-16 13:44:36)

ネヴァタ州出身のちにアクセプトのデヴィット・リースらと『BANGALORE CHOIR』を結成するギタリストのカート・マイケル、ジョン・カークなどが在籍する事で知られるアメリカンメロディアスHM/HRバンドが1987年にリリースした1st。ヴォーカルハーモニー大切にしたメロディックなスタイルも二本ギターを主軸とした曲作りに終始しており、実にエッジのたった男臭い一品として仕上げており、特にリードギターのカートのプレイは中々のギター巧者だ。華やかさを損なわないアレンジとハードさのバランス感覚の巧さなど、同時期活躍していたDOKKEN、ICON、KING KOBRAあたりを想起させるものであり、そのあたりのギターオリエンテッドなスタイルのHM/HRサウンドが好きな方にはたまらん物があるでしょう(歌い手もかなりの実力派で安心して聞いていられるのも好印象)しかしこういったバンドが自主制作で消えるあたりにアメリカの層の厚さを感じずにはいられませんね。


EXODIA - Hellbringer ★★★ (2016-04-16 13:25:27)

スペインはヴァレンシア出身の5人組による2nd。破壊力満点、殺傷力の高いリフワークが冴えわたる突破力に優れた楽曲にはスラッシャーなら首の疼きも止まらない魅力が詰まっており、思わずシンガロングしたくなるような男臭いパートなども用意、基本はダイハードなスラッシュナンバーだが全体的にキャッチーさも盛り込まれておりマニアならずともガッツポーズが出るでしょうね。その瞬発力の高い楽曲を彩るのがツインギターのセンス溢れるフレージングの賜物、スリリングだが一聴して飛び込んでくる刺激的な即効性の高さに魅了されますね。また大衆演劇のような泣け泣け泣けのフレーズではないメロディックなパートもふんだんに盛り込んでくるので音楽的魅力が過激さやスピード感だけではないのも見逃せません。屋台骨を支えるリズムプレイも強靭なビートを叩き出し好戦的な高揚感を煽り立てるのがカッコいいですね。


ALKOHOLIZER - Drunk Or Dead... ★★★ (2016-04-15 13:37:00)

イタリアはサルディーニャ出身のツインギターを擁する4人組が2009年にリリースした1st。ドカドカと爆裂するハードコアナンバーは勿論、クランチーなリフワークが冴える楽曲やスピーディー極まりない首の疼きも止まらぬ80年代型のピュアスラッシュナンバーを披露、バンドのコンセプトからはタンカード的なノリも感じるが、イーブルなスレイヤーやディストラクション的なニュアンスも強く、ひたすらに突っ走る突貫型スラッシュメタルのオンパレードにマニアならニヤニヤとさせられるでしょう。アルバムのランニングタイムも10曲入りで32分30秒チョイですからね、スパーンと駆け抜けていきますよ。視聴後の爽快感は中々のものでしたね。


GAME OVER - Burst Into the Quiet ★★★ (2016-04-15 13:22:23)

イタリヤが生んだツインギター編成の4人組によるヤングスラッシャーの2nd。まずは抜けのよいクリアーな音質が良いですね。小気味よく刻まれる鋭さとキャッチネスさも兼ね備えたリフワークとリズムが心地よく駆け抜け、過激だが感触のよいクランチーなスラッシュサウンドを披露。緊張感を滾らせつつもフックのある展開を設け圧倒的なダイナミズムと小手先のテクニックに走らない快活さは痛快極まりないですね。また、頭を振りながら口ずさめるようなコーラスパートもあり、高揚感もハンパなく若いのに曲作りの巧さも冴えていますよ。


FUELED BY FIRE - Plunging Into Darkness ★★★ (2016-04-15 12:46:21)

速さに加え過激さと鋭さも増した2nd。グイグイと押しまくるアグレッシブなリフワークが冴えわたるスラッシューナンバーを引っ提げ、その空間を切り裂くが如きテクニカルなソロが耳を惹きますね。前作で感じたドラマティックなフレーズがわりと目についた楽曲が減った分、少し物足りなさを覚えなくもないが、ダイハードな男たちが繰り広げるスラッシュサウンドは破壊力満点だ。スピーディーだが重量感を損ないバランス感覚にも優れており、気合いの入った演奏は、質の高い楽曲同様、聴きごたえがありますね。


JAGUAR - Metal X ★★★ (2016-04-14 15:03:27)

多くのスラッシュメタル勢に影響を与えたといわれる英国が生んだスピードHM/HRバンドが2014年にリリースしたアルバム。ご多分にもれず往年のスタイルを順当に引き継いだスピードHM/HRサウンドを披露。新たなる発見など幾度なくとも、このスピード感を盛りたてるガッツ溢れる演出と英国的な湿り気を帯びたメロディが絡みあう展開にマニアならずとも焦がれる面はあるかと思います。今のご時世もっと過激でスピーディーな楽曲は山ほどあるし、これのどこがスピーディーなんだと突っ込まれたな返す言葉などありませんが、タイトなリズムとエッジの効いたギターリフの心地よさ、そしてシンプルゆえに誤魔化しのきかない分、力強さと速さにこだわった展開はこのバンドならではの魅力が詰まっているでしょう。ラストに収録されている『Stormchild 2014 』は往年のデモやコンピに提供した楽曲のリメイクですね。


Reign of Fury - Death Be Thy Shepherd ★★★ (2016-04-14 14:41:13)

英国出身の若手スピード/スラッシュHM/HRバンドの2nd。歌い手がかなりメタリカしていて面白い。楽曲もその辺りのスラッシュサウンドを下地に、流麗なメロディを奏でる叙情味満点のツインリードと高速回転するリフワークはアッパーな楽曲と相性も抜群。最近の若手同様、非常に分かりやすい歌メロも用意し聞きやすくまとめあげていますね。そのオシャレ感がオッサンには少々鼻につくのですが、先人達が作り上げた音楽性を解体、再構築する様の手腕はよくかなりのセンスを擁するし勉強している証拠。8曲入りで60分のボリュームによるドラマティックな展開の楽曲ながらも、パッと聞いてスッと入ってくる分かりやすさと高揚感がこのバンド最大の肝なのでしょう。パワー負けしない気合いの入った歌声、快活さを演出するエッジのたったギターサウンドと豪胆に畳み掛けるリズムプレイの数々にはマニアならずとも興奮しますよね。


HOLY MOSES - The New Machine of Liechtenstein ★★ (2016-04-12 14:26:42)

今では信じられないでしょうが、当時は完全にイロモノ的な扱いを受けていたこのバンド、サビーネ嬢が女性なのに濁声一本ってのも支持されなかったというのもありましたね。またドイツってのも格下扱いを受けていた事を覚えています、更にはスラッシュだから、その差別的待遇は更なる拍車を掛けていました。当時、このバンドなんて良識のあるメタルファンからはケチョンケチョンの扱いを受けていた事を鮮明に覚えています。世に出たのが早すぎた、今はそう感じずにはいられません。1989年リリースの3rdですが、時流に流されることなく自らが進むべき道をばく進、ジャーマンらしい生真面目なアレンジを際立たせるメロディックなギターは聴き応え充分、細かく刻まれるリフワークやベースとのユニゾンプレイなど艶やかで、ある意味聴き易さを演出していますね。しかし妙に耳障りな軽めのスネアの音に馴染めず、重量感の欠落が個人的には聴いていてイライラと腹が立ってくるのが大幅なマイナスポイント。楽曲やアレンジにおける完成度の高さがあるだけに残念な気持ちにはなりますが、切迫感溢れるサビーネ嬢のカミソリシャウティングがグイグイと引っ張っていき、邪悪で退廃的なサウンドの一翼を担っていますね。ウリ・カッシュの熱演を削いだミックスにおいて評価を分けそうですが(良く聴くとかなり高度なレベルのリズムプレイをベースと供に行い前作よりも更にパワーアップしているので…無念じゃ…涙)メロディックなパワーメタルよりの今作も前作同様聴き応えのある力作ですね


HOLY MOSES - Queen of Siam ★★ (2016-04-12 14:00:23)

元祖デスヴォイス女性シンガーとして、その名を知られるサビーネ・クラッセンを擁する女性シンガーをフロントに据え置いたアーセン出身の古参ジャーマンスラッシャーの記念すべき1st。次作と比べるとまだまだ大人しいオーソドックスなメタル寄りの音楽性を披露しており、激烈さは薄目ですが、ジャーマン由来の剛毅なプレイを従え獰猛に威嚇するサビーネ嬢の歌声を中心としたバイオレントな作風を貫いており、後の片鱗を伺わせております。ドイツのバンドらしい、遊び心を排した生真面目なサウンドは面白い面白くないは別として安心して聴いてられますね。


FUELED BY FIRE - Spread the Fire ★★★ (2016-04-12 13:45:18)

アメリカの古参レーベル『Metal Blade Records』が目を付けただけの事はありますね。ヒロイズム溢れる扇情的なツインリードからはメイデン、プリーストと言った王道サウンドを踏襲しつつ、NWOBHM由来の高速リフを豪快に聴かせる辺りにメタリカは勿論、ベイエリア辺りのオールドスラッシャーを下地とした色の濃さが出ていますね。80年代型のスピード/スラッシュメタルのいいとこ取りな音楽性は、この手のスタイルが好きなモノにとって安定のブランドであり、キャッチーなリフワークの旨味と良く動き回るベースの逞しさ、少々音質に問題はありますがドラムも屋台骨をしっかりと支え勇ましく突進、昨今のメタルシーンにおける、やりすぎ感を考えると、これからスラッシュメタルを聴いてみようと思う方の入門編として最適でしょうね。


SHOGUN - 31 Days ★★ (2016-04-11 14:42:40)

英国風味溢れる哀愁のメロディは聴こえてきますが、キーボードをフューチャーしたライトな作風に舵を切った2nd。コマーシャル性を高めた音楽性は随分とイメージを変えましたが、前作でもある程度この方向性に進む気配はあったのですがTOKYO BLADEの流れを期待をすると肩透かしを喰らう一品かもしれません。キーボードが前に出た事により、泣きまくる哀愁系のギターフレーズは大幅に減退、軽めのスネアに代表されるバブリーなリズムプレイ、シンプルなリフワークなど華やかさと堅実さの融合具合が評価の分かれ目でしょう。BON JOVIの1st路線を英国人がやりました的な感覚が漂い、コーラスワークや唄メロの持って行き方などは興味の引かれる所ですが、この手の音楽性としては少々練り込み不足も目に付きますかね。どんなにライトな作風に進もうとも隠しきれない英国の血がマニア心をくすぐる一品でしょう。メロディックな英国HM/HR好きなら聴いて損はしないでしょうね


SHOGUN - Shogun ★★★ (2016-04-11 14:16:59)

音楽性の相違などで空中分解したTOKYO BLADEのアンディ・ライトンは同じくTOKYO BLADEのシンガーだったアラン・マーシュに声を掛けCHINATOWNのギタリストのダニー・グウィリム等と供に新たに結成したのがこのバンド。テレビ東京に番組を提供する制作会社が喜びそうな日本大好きぶりが窺い知れるバンド名もTOKYO BLADE譲りと、親しみを持って迎え入れたい所ですね。NWOBHM仕込みの哀愁系サウンドとキャッチネスさを共存させたソリッドなナンバーから甘口のナンバーまで収録と懐の深い作風を披露。1986年という時代背景や分裂前のTOKYO BLADEの方向性を巧みに取り込みつつも、華やかな派手さは抑え気味の素朴な雰囲気は英国的なニュアンスを十分に醸し出している。そこにマイルドだが湿った歌声もロックな熱を帯びており、泣かせるエモーショナルなギターとの絡みも上々で、それなりの音楽的スケールの大きさを堪能できる瞬間がカッコいいですね。個人的にはエッジの効いたメタリックなナンバーと甘口な楽曲の収録順やヌルイ音質に少々苦言を呈したくなりますが、お好みで聴けば不満は概ね解消できるので問題なしです。広がりのある音楽性は後期NWOBHM群の一つとしては、皆が進んだ方向性とも言えるので時代背景を考えて聴くと興味深さも倍増しますね。NWOBHMブームも過ぎ去り英国ではHM/HRシーンなど壊滅的な状況の中で暗中模索を繰り返し、その中で多彩な音楽性が反映された意欲作。暗く湿った英国風メロディアスHM/HRサウンドの中に適度な明るさも持ち込んだ作風はマニアならずとも一度を試してみたくなる一品ですね。


OVERKILL - Ironbound ★★★ (2016-04-09 18:34:01)

毎度おなじみな髑髏のキャラクターに魅入られ、何となく購入したのが今作。それまでの期間、彼らの作品に触れたのは90年代の頭くらいだったので衝動買いも甚だしいのですが、いやー恐れ入りましたね。当時はマイナーメタルや再発もんばかりを聴いていたので、まずはバリバリのメジャーどころが出す音の良さと迫力に耳がもってかれました。すげぇ迫力だなとチョット引いてまう位の勇壮さに慄かされた強力無比な一品。速射砲のように弾き出される安定感抜群のドラミングに魅入られ、バキバキゴキゴキとした芯の強い弾力のあるベースのカッコ良さ、ジャギジャギと汚らしい激音カミソリギターのキレたるや、近づく事も許されない空間を切り裂く切れ味の鋭さに興奮されっぱなし、ヘヴィネスさや怪しげなフレーズを持ち込み、さらにはここぞとばかりに設けられた扇情的なギタープレイに数々に魅了されましたね。正直、こんなに上手いバンドだったかと驚かされました。その印象を強く持たされたのは歌い手が披露した圧巻のパフォーマンス、激烈なスラッシュサウンドを従え、一歩も引くことなくガッツリと歌い込む姿にちょっとした感動を覚えました。ご無沙汰していたらこんな卓越したバンドサウンドを醸し出しているとは、購入当時は相当聴きこみましたね。無慈悲なバイオレントさは王道USスラッシュだし、湿り気を帯びたメロディは欧州産のパワーメタルにも通ずる魅力があり、その王道的流れを巧みに継承しつつも時代性に合わせた音楽性、極端なアグレッション等も持ち込まなくとも、十分すぎる程の攻撃性を兼ね備えており、ダークな叙情性と妖しげな世界観を巧みに演出した音楽性は彼らの専売特許といっても過言ではない程の仕上がりを感じさえてもらいました。金属が擦れ合うノイジーさとクリアーさが絶妙なバランス感覚で聴かせているのが好きですね。


TRUST - Rock 'n' Roll ★★ (2016-04-09 18:09:07)

アルバムタイトルそのまんまな作風にリニューアルされた1984年リリースのアルバム。軽快なビート、ゴキゲンな曲調を気持ちよく歌い演奏する様が微笑ましい一品。鍵盤楽器のみならずサックスまでも飛び出し終始ゴキゲン麗しロックサウンドを披露。個人的には少々エッジ不足で喰い足りないのですが、KISSばりのコマーシャルリズムを確立、皆で大合唱したくなるようなロックアンセムも収録とフランス語の語感も気にさせない快活さを演出した方向性は、ある意味正解かと思います。メタル度を薄まったがメジャー感も滲み出ており、等身大の魅力が伝わってきますね。L.A界隈の若手バンドにも負けない親しみやすい感触のアルバムをリリースするも活動は一旦停止。1988年あたりにLIVEアルバムをだしますが、その熱狂ぶりは興味深いものがありましたね(MCでボンジュールと飛び出す辺りが新鮮でした)。その後も不安定な状況が続きますが現在も活動を継続しているレジェンダリィーなフレンチメタルの生き字引たる彼らの遍歴に触れるのも一興ですよ。


TRUST - Man's Trap ★★★ (2016-04-08 16:20:16)

ドラマーのニコ・マクブレインが抜け、代わりに参加したのがクライブ・バーというアイアン・メイデン人脈、どのような経緯で参加したのかは分かりませんが、オープニングからクライブらしいパワフルなドラミングが耳を惹きますね。前作も英語バージョンがあり、今作のフランス語ヴァージョンが「Ideal」のちに「Trust」に変わったのか?そして本来は1stが「L'élite」だったのに再発時には「Trust」になり、今作のフランス語ヴァージョンがこちらの自動登録では「TrustIV」となっていますね。ややこしい話でなんだか間違えて作品を購入しそうになるのですが、今作は今までの流れを踏襲しつつも、よりメリハリの効いたアレンジが冴え渡り、明るいノリと独特の哀愁味が加味されよりスケールの大きさをアピール、十分メジャーシーンに打って出れる作風にまとめ上げてきましたね。NWOBHMの影響を受けつつもブルース色を感じさせない陽性さがこのバンドの味なんでしょう。もう少し泣いてくれた方が個人的には好みですが、親しみやすいリフワークと豪快なノリも好きだし、時折扇情的なフレーズでギターが絡んでくるパートはやっぱり好きですね。


TRUST - Marche ou crève ★★ (2016-04-08 16:03:56)

今作でドラムを叩いているのは、ニコ・マクブレインでして、見事にメイデンファミリーツリーに名前を残す事になった彼らの3rd。前作の路線を推し進めつつも唄メロなんかは工夫を凝らしており、陽気で大味なノリに鋭さを加えれており、いい意味で親しみやすいリフワークとの絡みも上々で①なんて割とお気に入りのナンバーだったりします。全般的なスケールアップが功を奏しアルバムを通して聴いてもグズグズにならない展開や流れ、ソロパートのカッコ良さなど大いに興味が惹かれる場面が増えた事がバンドの充実ぶりを物語っていますかね。


TRUST - Répression ★★ (2016-04-08 15:53:01)

元祖フランス産HM/HRバンドのTRUSTが1980年にリリースした2nd。勃興したNWOBHMの流れにのる前作よりも勢いのました作風は英語盤を出すほどの出世作。おっさん臭い歌声が目一杯ロックしているのに暑苦しさを感じ、曲調も意外と陽気なノリで、独特の硬質感がありチョット不思議な感覚に囚われますね。ダイナミックなノリと親しみやすい大味な曲調、そのバランス感覚が評価の分かれ目ですが、後にアンスラックスが①をカヴァーしてチョット話題なったのも懐かしいですね。


MYSTERY BLUE - Mystery Blue ★★★ (2016-04-06 14:45:55)

70年代の後期に結成されたフランスはストラスブール出身のバンドが1984年にリリースした1st。不安定なハイトーンヴォイスと怪しい演奏、更にはペシャンペシャンの音質と厳しい作品なんですが、時代は1984年、NWOBHMも末期、出している音はNWOBHM直系のスタイルにフランスならではの高貴に香るメロディが聴こえると実はマニア筋にとっては、たまらず手に取りたくなる聴き応えのある一枚。個人的にはロマンシズム溢れる扇情的なフレージングが涙を誘う⑧などは、年に一度は無性に聴きたくなる一品ですね。フランス語の語感が苦手な人も彼等は英詩なので、その面はクリアー、NWOBHM的なニュアンスの強い攻撃性と欧州産ならではの湿度のある哀愁のメロディには大いに引き寄せられるモノがあるでしょう。1989年に一旦活動を停止しますが1995年に復活、今はフロントを女性シンガーに変更、時代に合わせ音楽性をアップデートしつつも根幹の音楽性は変わらず、哀愁の正統派HM/HRサウンドを聞かせていますので、今作と合わせて聴いて欲しいですね。ある意味、彼等もフレンチメタルの元祖だし、シーンの礎を築いたバンドの一つです。フランスのメタルシーンを垣間見る意味も込めておススメしたい一枚ですね。


TRUST - L'Élite ★★ (2016-04-06 14:16:24)

フランスのメタルシーンを語る上では外す事の出来ない彼らが1979年にリリースした1st。ロンドンレコーディングの影響もあるのか当時のシーンを垣間見ることができる活きのいい①で幕が開けますが、まだまだ音楽性が確立されておらず②③と微妙な曲が続き、中盤で盛り返すし⑧ではAC/DCのカヴァーありといろんなタイプの楽曲が収録されています。全てにおいて荒削りだしまだまだ垢抜けないマイナーバンドの一郡ではありますが埃っぽいNWOBHMの香りがフランスからも漂ってくるとは感慨深いものがありますね。


Кипелов(KIPELOV) - Жить вопреки ★★★ (2016-04-03 14:11:56)

LIVEなどではアーリアの楽曲も演奏したりと、元の○○の肩書が必要なのかも知れませんが、今作のようなワールドワイドな作品を聴かされたら必要ないんじゃないかなと思いますね。むしろアーリアの方がロシア民謡的なフォーキーさやクラシックに根差したメロディなんかを露骨に取り込むので、こちらの方が洗練されてスッキリとした印象を持ちますね。前作から6年ぶりにリリースされた2枚目のアルバム。主役たるヴァレリー・キプロフの歌声を健在、ロシアのクラウス・マイネが歌うは、メランコリックなメロディを導入したロシアンバロックHM/HR、お国柄固有の音楽性の上を駆け抜ける鋭さをました音像、攻撃性と供に豊潤なメロディが醸し出すロシアンメタルバンドが放つマイナー臭と、大手メジャーから出てもおかしくないワールドワイドな音楽性とのバランス感覚が絶妙でイントロ①から②の流れなど荘厳かつダイナミックなサウンドに圧倒されるでしょう(有名なクラシックナンバーを引用していますね)またパワフルかつキャッチーなリフワークが耳を惹く大衆性を纏った③の分かり易さなど、アーリア同様ロシアンメタルの魅力を如実に伝えていますね。クラシカルなHM/HRの要素を盛り込みつつも、より現代的なスタイルで唄を中心とした作りは主役たるヴァレリー・キプロフの魅力を前面に押し出した結果でしょう。良くも悪くも前作でアクの強いプレイで存在感を見せつけたヴィクター・スモルスキーがいない分、スッキリとした印象を受けるのが評価を分けるのかも知れませんね。日本国内での脆弱な流通において、手に入れるのも困難な作品かも知れませんが、普遍の様式美系正統派サウンドが好きな方なら聴いて欲しいですね。


HELL - Curse and Chapter ★★★ (2016-04-03 13:41:01)

アンディ・ス二ープの献身的なサポートにより奇跡の復活を遂げた英国産HM/HRバンドの2nd。NWOBHM直系のアングラ臭漂うダークでシアトリカルなサウンドは健在、随所に魅力的なフレーズを奏でるツインリードのダイナミックなプレイと情緒溢れる華麗なフレージングもコンパクトだが印象的な持って生き方を施しアクセントとなる聴かせ方は流石だ。芝居がかったデヴィット・ボウアーの唄も巧みな声色を使い分けストーリー性の高い楽曲の中で見事な役者ぶりを披露、俳優業との二足の草鞋が功を奏した結果となり見事にHELLサウンドを牽引しております。前作以上にダイナミックなギタープレイが荘厳な展開をもつ楽曲の中でパワーメタル色を強めていたりと聴き様によっては音楽性のとらえ方も変わるのかも知れませんが、劇的な展開を生かしたアレンジと演出的技巧が光る古典的なHM/HRサウンドの中で、その脈々と流れるNWOBHMの血脈を守る音楽性の高さは圧巻の一言ですね。⑤では故デヴィット・ハリディが在籍していたバンドのカヴァーを収録、なんだか感慨深いエピソードもあったりと、昔のマテリアルを引用する辺りが、このバンドの魅力なんでしょうね。個人的には敢えてのローファイなサウンドで、この手のバンドは楽しみたかったりするのですが、古臭さを感じさせないように仕上げているので若い人にも馴染みやすいでしょう。でもゴリっと走る曲がないから厳しいかな


Кипелов(KIPELOV) - Реки времён(The River of Time) ★★★ (2016-04-02 15:08:05)

ロシアンメタルの皇帝、我らがアーリアのシンガーを長年務めたヴァレリー・キプロフが満を持して世に放った1st。そのクラウス・マイネを彷彿とさせる艶やかで張りのあるウエッティな歌声は健在、フック富んだ哀愁のメロディを歌い上げる姿は圧巻の一言、ミステリアスかつダークな質感に彩られたソリッドでストロングな王道も王道を突き進む正統派サウンドを引っ提げ極上のパフォーマンスを披露してくれました。その様はまさにパワフルかつメタリックなHM/HRの覇道を極めようとする姿勢に圧倒されっぱなし、強靭リズムプレイの上を魅力的なリードプレイが駆け抜けていきますが②~⑧ではマインド・オデッセイやレイジのギタリストとして知られるベラルーシ出身のヴィクター・スモルスキーがリードギターとして客演、そのトリッキーかつテクニカルな技巧を駆使したプレイで華を添えてくれますね。これといった大掛かりな仕掛けはありませんが、今の時代にアジャストしつつも、HM/HRの源流から外れる事のない音楽性は流石ですね。9曲入り48分ってのも丁度よい尺ですなぁ。アーリアのファンは勿論ですが正統派メタルマニアなら一聴の価値ありですね。


LETTER X - Born into Darkness ★★★ (2016-03-29 13:14:06)

早くもVoが脱退、新たにマイケル・ボーマンを迎えリリースしたのが2nd。前作で示したQUEENSRYCHE風の密度の濃い王道メタルを継承、シンガーの質も変わり、唄メロはボーマンが手掛けたのかフックに富んだ美メロが満載、やや甘口になったと捕える向きもあるが、時には優美に、そして胸打つ哀愁のメロディが聴き手を掴んで離さないでしょう、また洗練度をアップさせたカチッまとめたミックスが功を奏していますね。前作同様一曲の完成度の高さは健在、プログレメタル的な要素を加味しつつも複雑になり過ぎないアレンジとキャッチーで耳馴染みのよいメロディ、聴きこむほどに深い音楽性に感嘆させられますね。速い曲でスカッとしたい、思いっきり頭を振りたいという方にはおススメしませんが、シリアスさを演出する冷ややかなサウンドと、ノリのよいリズムが導き出すインテリジェンス溢れる聴き易いプログレメタルは一聴の価値があるかと思いますよ。


LETTER X - Time Of The Gathering ★★★ (2016-03-29 12:56:58)

国内盤はヘヴィメタルシンジケートでお馴染みのテイチクからリリースを果たしたジャーマンHM/HRバンドの1st。いわゆる近未来的な質感のサウンドは往年のQUEENSRYCHEを想起させるもので、キーボードを効果的に使いつつ広がりのある空間を演出、拘りの構成力もバンドの魅力となり、小難しく頭でっかちな作風に陥ることなく見事の聴かせてくれる。どっしりと構えた王道感、そこに適度なコマーシャルリズムを塗すもドイツカラーがライトな方向へは導かず、密度の濃い重量感溢れるドラマティックなサウンドへと仕上げています。ツインギターが織りなす表情豊かな音楽性、クセのないハイトーンも心地よく馴染み洗練度も高いですね。昨今のシーンではあまり見かけなくなったタイプのバンドですが、メロディアスだが甘いのは嫌だ、ハードにガツンときて欲しいと思う方ならピンとくるものがあるでしょうね。


AXEL RUDI PELL - Game of Sins ★★★ (2016-03-28 13:40:51)

2014年に25周年を迎えたドイツを代表する様式美系ギタリストのソロバンドの最新作。2015年にDVD化された25周年のLIVE映像は貴重なものでかつて在籍していたSTEELER時代の曲や、ジェフ・スコット・ソート、ロブ・ロック・ヨルグ・マイケル等を始めとした歴代メンバーによる再現、後半は豪華ゲストシンガーを迎えアクセルが影響を受けたミュージシャンのカヴァー(歌い手はジョン・ロートン、ドゥギー・ホワイト、ロニー・アトキンス、グラハム・ボネット等)そんなノリに乗っている男の最新作は従来通りのリッチー・ブラックモア愛溢れるお約束の一枚。近作収録の曲をシャッフルされて聴いても違和感のない筋の通った作風は、新鮮味は皆無、しかし究極のマンネリズム漂う威厳溢れる伝統芸能に改めてひれ伏しました。一貫した音楽性、極端なスピードナンバーやキャッチーなポップソングも用意しない初志貫徹とした姿は、マニアの心をガッツリと掴んで離さないでしょう。この手の曲を聴き然したる興奮は幾度覚えないのですが、HM/HRの側面を支えたジャンルが消え入りそうな昨今だからこそ、若い人にこそ知って欲しい作品ではありますね。頭からケツまでライダーキックにスペシュウム光線みたいな曲のアルバムも馴染みやすくて良いが、じっくりと耳を傾けマジカルな世界観にドップリと浸かってみるのも良いのではないでしょうか。徹底した初期RAINBOWや様式美サバスに倒錯した世界観は中々のモノですよ。唄は上手いが熱くマイルドなジョニー・ジョエリがこの世界観に適任かは微妙かもしれませんが、彼のパフォーマンスはけして作品のクオリティを下げるものではなく、フックのあるメロをパワフルに歌い上げるパフォーマンスは、灼熱のシンガーとして地味なアクセルサウンドを沸々と燃え上がらせていますよ。ドイツのみならず、欧州を股にかけ人気を誇るレジェンダリーな男の最新作、どこまでも熱く迸っていますね。カッコエエわ。