あのアイオミ師匠にプロデュースを頼んでいたが断られてしまった事で知られる4枚目のアルバム。彼ららしい70年代的英国サウンドとドゥームロックからの影響、そこに日本的耽美な世界観と日本文学などに根ざした歌詞を津軽弁なまりで纏めるという壮大な作業をデビュー当時から一貫して行い研磨してきた彼らですが、前作ではある意味、その道を極めた感があり、今作の方向性は相当ハードルの上がった中での作業だったと思います。そういう点では大正琴や童謡を楽曲に組み込んでみたりと独特の感性を遺憾なく発揮、オドロオドロしいオカルティックさはやや薄れた感はあれど、屈折した感性を反映した歌詞と曲調の持つ背徳の美学は健在、基本的にブレはありませんね。この手のマニアックな世界観をメジャーレーベルがどこまで受け止め、シーンに受け皿があるのか分かりませんが、ドゥーム好きで日本語詞に違和感がなければイケるでょうね。でも別れた彼女に向って『声が枯れるまで叫ぶよ100万回のI LOVE YOU』とか会いたくても会えない異性を思い『震えが止まらい』とか、ロマンティックな歌詞は出てきませんのでお気を付けくださいませ。
待望の1stからオープニングナンバーの『Into The Night』と5曲目に収録される『Dead Man Walking』が先行ダウンロードできる。この2曲を聴く限りでは、新作は多くのファンがグラハム・ボネットに求めているクラシックロック路線のメロディックHM/HRが表現されており、今まで彼が参加したバンドの中で最もRAINBOWスタイルを感じさせる要素があり相当な期待値がありますね。