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失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 3201-3300

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ROBIN MCAULEY - Eloise - Don't Say Goodbye ★★★ (2018-03-11 13:54:01)

Grand Prixの未発表曲
少々盛り過ぎたカヴァー曲よりも落ち着いていてロビンの声にあっている
聴くべきはコチラだろう


ROBIN MCAULEY - Eloise - Eloise ★★ (2018-03-11 13:46:44)

オリジナルはBarry Ryanというポップシンガーの楽曲。
オリジナルにあったロマンティックさも残しているがちょっと硬めのアルデンテな仕上がりになっていますね。


DEMON ANGELS - Time of Confusion ★★★ (2018-03-11 13:24:38)

イタリア人ギタリスト、クリス・ファルコが率いたChris Falco's Demon AngelsがDemon Angelsと名を改め再始動したバンドの1st。イタリア人の中に今作でゲスト参加をしたのが、最近ではSurvivorのシンガーも務めたロビン・マッコリー。オープニングのファットなギターリフが聞こえてきたときは、ちょっとギョッとしましたが、クリスの歌心のあるフラッシーなギタープレイも炸裂するが、ロビンの色彩豊かなハーモニーを生かした歌も大切にした、パワフルに正統派HM/HRサウンドを披露。④のようなメロウなハードポップナンバーなんかはロビンにお似合いなのだが、いつも以上に力を入れたパフォーマンスで魅了。パワフルなサウンドと対峙しています。
古典的な手法に則った楽曲は多いが、現代的サウンドプロダクションを用いり古臭さを排除したのが印象的、そこにロビンの有機的なメロディと歌声が絡らむ事で間口が広がっているのも見逃せません。現代的なスタンスと言う先鋭性とロビンの成熟したパフォーマンスの融合が、マイナーなバンドだった彼らを一段上のステージに押し上げましたね。
硬軟交わるへヴィグルーブの心地よさを倍増させたのが、ロビンのフックに富んだメロディだと言うのも実に興味深いものでした。


MAGNUM - Goodnight L.A. ★★★ (2018-03-10 13:24:08)

このアルバムタイトルを見せられて、嫌な予感に肝を冷やさないマグナムファンはいるのかいと言われる問題作。時代は1990年、仕方のない事でしたが、アメリカ進出と言うのはこういうことなんですね。かの国は他国のいいところを取り込んでも結局はアメリカ流だもんなぁ。美味いけどカルフォルニアロールは寿司と呼べるかね的な、アメリカ流儀に抗えず、多くのバンドが本質を見失い失速したのですが、ご多分にもれず、マグナムも歌を忘れたカナリア状態に陥る事に、どこかヨソ行きのバンドサウンドに、かつての彼らの姿を重ねると落胆するファンも続出だったようですが、駄作の烙印を押された事を真に受け、聴かないのはもったいないと言える品質の高さは誇示しており、名プロデューサー、キース・オルセンの元、装飾を省きシンプルなロックサウンドに舵を切ったメロディック路線も聴き応えは十分にあります。
⑧とか聴いて、こんなもんマグナムじゃないとはとても言えません、抑え気味でもストリングスアレンジも持ち込むキーボードは健在だし、収録曲も中盤から後半に向けて徐々に従来の魅力を完備した楽曲も目立ち、聴きようによっては実にバラエティに富んだ一枚として楽しめるでしょう。シンプルでライトになったのは外部ソングライターによる楽曲が半数近くあるのも起因しているでしょうし、レーベルも狙ったんでしょう。ちなみに提供者はジム・ヴァランスとラス・バラードです、だから質は低くないですよ。


MAGNUM - Sleepwalking ★★ (2018-03-10 13:05:54)

英国の重鎮だし、メロディックHM/HR界の重鎮と言っても良いでしょうね。前作でメジャーレーベルからGOODNIGHT L.A.されてしまったマグナム。そのあおりもあるだろし、時代の流れというのもある。そういった閉塞感の中でリリースされたのが今作でしょう。前作のような雰囲気も残しつつ英国的なニュアンスは復活、かなり大人しめの楽曲が大半を占め、ある意味ボブ・カトレイのソロでも作ったのかかいなぁと言いたくなるような歌モノ路線を敢行。AOR風味も強めの作風に、マグナムらしい優雅な展開美がなく、物足りなさも覚えるでしょうが、バンドの歴史を紐解くうえでも一度は耳にして欲しいアルバムです。


MAGNUM - Escape From the Shadow Garden ★★★ (2018-03-10 12:57:22)

ブリティッシュHM/HRの重鎮、マグナムが2014年にリリースしたアルバム。以前からそうだったが、再結集以降もコンスタントに作品をリリース、その勤勉ぶりには頭が下がるのですが、いずれもクオリティの高さを保持している事に驚かされる。前作でも聴けたストリングスアレンジを盛り込んだマーク・スタンウェイの手技も大フューチャーされた音楽性は、トニー・クラーキンのプロデュースの元、ツボを心得た安定のバンドサウンドで魅了。芳醇なメロディが叙情味溢れる質感を伴い優美だが力強く舞い踊ります。安定感が強すぎて、ややスリルに欠けるし、マークはとにかく我を出さない素晴らしいギタリストだ。
主役はバンドサウンドだし、もっと言えばボブ・カトレイの温かみのある高貴なムードを醸し出せる、あの歌声だろう。その尖り具合の丸さに、刺激を求める耳にはチョイと刺さらないかもしれないが、安定と言う名の色彩美豊かな曼荼羅模様に、このバンド最大の魅力を感じます。滋味深い主役不在とも言えるバンドサウンドは聴き応え十分ですよ。
それにしても昔から抱かせる彼らのイメージを守りながら、今聴いても古臭いと思わせないアレンジ力には目を見張るものがありますね。トニー・クラーキンの才能に改めて築かされました。当たり前のようで難しいですよ。昔のヴァイブを今の時代に通用させるのはね、単なる焼き回しじゃないからさぁ。


MAGNUM - Lost on the Road to Eternity ★★★ (2018-03-09 13:53:36)

長きに渡りバンドを支えてきたマーク・スタンウェイが脱退というニュースは、このバンドにとっては大きな損失だったろう。ソングライティングのみならず、LIVEにおける演出と言う観点からも由々しき問題だが、ボブ・カトレイとトニー・クラーキンの二人から生み出されるケミストリーは健在。深みのある歌声と、豊富なアイデアに彩られたリリシズム溢れるロマンティックなハードサウンドを披露。その練り上げられたメロディから醸し出される芳醇で高貴な香りに、このバンドの真骨頂を味わえるでしょう。
今回は老獪なテクニックを駆使しするも、やはり衰えを感じるボブをサポートをするように、リー・スモールやトビアス・サミットなどがゲスト参加、この世界観を押し上げてくれています。
あまりにも楽曲中心の作風ゆえに、ロックバンドとしての厳つさが足りないと、スピード感や目に見えたハードさを好み方には、少々大人しいサウンドとなるのでしょうが、この滋味深きマグナムサウンドが醸し出す圧倒的な存在感に、どこまでも引き寄せられます。いぶし銀のハードサウンドに酔いしれますね。テクニカルなプレイがなくともトーン一発で酔わせるギターも円熟味を増していますよ。


APPICE - Sinister ★★ (2018-03-09 13:36:03)

この世界では知らない人はいないでしょうと言えるカーマインとヴィーニーによるアピス兄弟がドラムバトルを繰り広げる、プロジェクトチームによる1stフルアルバム。個人的には豪華ゲスト参加によるギターゼウスなどで、ややハズシ気味の作品を出した印象の強いカーマインでしたが、ミーハー根性を押さえきれず衝動買いを敢行。内容は今風の音を封じ込めたカーマイン兄弟のドラムプレイを堪能できるハードでへヴィな古典的ロックを楽しめる一枚でした。
オリジナル曲にまぎれて、蛇足感はありましがサバスメドレーの⑬やロビン・マッコーリーが歌う事でイメージも変わったブルーマーだーの⑥なども収録され、バラエティに富んだ楽曲が多数収録。ポール・ショーティノは何を歌っても上手いし、クレイグ・ゴールディはRAINBOWタイプの様式美ではなくへヴィなミドルナンバーを2曲持ち込み存在感をアピール。ロン・サールのエモーショナルなギターが堪能出来る⑧などが耳を惹きましたね。
次回は単純明快に走り抜ける疾走ナンバーや、キングコブラを彷彿とさせるアメリカンロックなんかも聴いてみたいっす。


北斗の拳 - 北斗の拳 Original Songs ★★★ (2018-03-09 12:54:48)

不朽の名作漫画『北斗の拳』その人気は国内では留まらず、ハリウッドにて実写化され、ファンから不評を買いまくった迷作まであるのだが、こちらはアニメ版の主題歌はおろか挿入歌までひとまとめにした一枚。
集英社の悪い癖が出てしまい、ラオウが死すで終わっておけば良いものの、元斗皇拳のフォルコを投入。個人的にはこの辺りまでは胸を熱くし涙でページが捲れないほどの感動を覚えたが、ファルコがあっさりやられる北斗琉拳の件りから、幾度記憶がなく、特に北斗琉拳のヒョウとケンシロウが血を分けた実の兄弟みたいなエピソードに落胆してしまい、読むのを辞めた記憶があります。大人になってから、コンビニで売られていた北斗の拳の、お得番みたいな分厚い奴を買い集め、最終回まで読んだ時は驚きましたね。
北斗琉拳のあとも続き、ラオウの息子と旅に出る話や(不評過ぎて物凄い中途半端な終わり方で次のエピソードに向かいます)三国の話、最終的には大人になったリンとバットとの再会など、辻褄の合わないぶっ飛んだエピソードの連続に、本気で集英社に怒鳴り込みたくなったが(歴史的名作を汚い金儲けの道具に使うな、こんな無理やりなストーリー作者が泣いとるわい)数々のエピソードに彩られたアニメ版の楽曲を聴き、ワタクシは年に数回は手に取り楽しみますよ

トムキャットに①②やクリスタルキングの⑪⑫が有名なんでしょうが、最後の方でチラッと流れた子供バンドの⑤⑥⑦⑧がお気に入りです、時代を反映した電子的な音に、子供バンドらしさを感じませんが、お仕事として引き受けたのかなぁと、性格の悪い深読みをしながら楽しんでいますよ。およげたいやき君の子門真人が歌う好戦的な③や④なんかも入っているのが嬉しい。ちなみに⑨⑩は神谷明さんが歌っている挿入歌で、いずれもアレンジ一つでカッコいいメタルナンバーになりそうな楽曲でしたね。

後年、新たに霞 拳志郎を主役に、北斗神拳のルーツを辿る新作を発表したが、かつてのような格闘シーンの少ない物語で、諸説あるが、アニメ関係者の話によると、そもそも今のご時世、北斗の拳の地上波による再放送がNGらしい、理由はひこうを突いて、断末魔の叫びを上げながら、血しぶきを上げ肉体が破裂する的な描写がNG。BPOが許さないというのが理由らしい。
あの世界観を誰が真に受けるんだ?その恐ろしい発想に膝の震えが止まらないが、昨今の世知辛い世を見渡すと妙に頷きますよね。NHKのBSで火野正平さんは自転車に乗り各地を走り抜け、視聴者の思い出を叶えるみたいな番組を放送しているが、スキャンダルまみれの人生の火野さんを、リアルタイムの出来事だったら、今なら誰も許してくれないだろうなぁ。あれ、でもエエ番組よ。厚みがあるんだよなぁ演者のさぁ。

関係ない話を、のたうち回りましたが、北斗の拳と言えば数々の名シーンがあります。その中でも南斗聖拳のシュウの件は泣かせますね。仁星として生きた男のエピソード、そしてケンシロウをかばい爆死しる息子、さらにピラミッドの頂点での別れ、さらに憎きサウザーの悲しき宿命の件、凝縮しているやないか。でも一番好きなキャラはやはり、雲のジュウザですね。あんな風に死にたいっす(感涙)
このサントラを聴き、ワタクシはあの熱き男達の世界観にいつだって酔いしれますよ。
強敵と書いて『友』と呼ぶ、そう教わりましたもんね。

1.TOUGH BOY
2.LOVE SONG
3.KILL THE FIGHT
4.WIND&RAIN
5.SILENT SURVIVOR
6.DRY YOUR TEARS
7.HEART OF MADNESS
8.PURPLE EYES
9.KEN-北斗星-
10.荒野の風
11.愛をとりもどせ!!
12.ユリア……永遠に


S.A. SLAYER - Prepare to Die - Final Holocaust ★★★ (2018-03-07 12:53:39)

これもWarriorっぽいメロがでます
Shine on, shine on, in all of your gloryのところね
確信犯ですなぁ
パワフルでけたたましUS産パワーメタル
ロン・ジャーゾンベクのソロで弾き倒しています
へヴィグルーブが迫力満点に突進してきますよ


S.A. SLAYER - Prepare to Die - Prepare to Die ★★★ (2018-03-07 12:50:38)

あきらかにRIOTのWarriorを意識してますよね
歌メロの類似性のみならず楽曲もよりスラッシーにしたようなね(笑)
ドン・ヴァン・スタヴァンはRIOTに参加するべくして参加したんのかねぇ
そりゃ適任だろう


S.A. SLAYER - Go for the Throat ★★★ (2018-03-07 12:47:56)

このバンドは1983年にEPをリリース後に活動停止。その後、失意の中でバンドを解体したRIOTのマーク・リールと合流して-Mark Reale Project~NARITAと流れていくドン・ヴァン・スタヴァンとMACHINE HEADで大出世するデイヴ・マクレイン、ハイトーン系のシンガー、スティーブ・クーパーが居た事がマニア心を擽る存在として知られています。
実際に今アルバムのリリース時にバンドは実態がなくRIOT人気にあやかったとも言われているが真偽の方は不明です。

作風としてはメイデンやJP風味を盛り込んだ光沢のあるアングラUSパワーメタルサウンドを真っ向から聴かせています。その実直な作風に遊び心も少なく、視野の狭い音と思うだろうが、個人的にはRIOTをスラッシーにしたような音に聞こえ、大変興奮した事を覚えています。勿論、堅物で不器用な剛直メタルなんですが、時折切れ込んでくるメロディなどには『Thudersteel』に通ずつものがあると思いますよ。
この手のマイナーアルバムに悪評を叩きつけるのは簡単なのですが、USアングラメタルが大好きな方なら大いに楽しんでもらえるでしょう。そしてRIOTマニアもルーツの一つとして楽しんで欲しいですね。


RIOT V - Unleash the Fire ★★ (2018-03-07 12:28:52)

『Army of One』から5年、名盤と誉れ高い『Thundersteel』時代のメンバーに長年の盟友マイク・フリンツ加えスマッシュヒット『Immortal Soul』をリリース。これで活動も上向きになるのかと思った矢先に、バンドの創始者であるマーク・リールが急逝。そのニュースに、とうとうバンドも長きに渡る活動に終焉を迎えたと思っていたのですが、マークを意思を引き継ぐが如き、再びメンバーが集結、新たにVirgin Steeleのドラマー、フランク・ギルクレスト、シンガーにReverenceのトッド・マイケル・ホール、そしてマイクの弟子にあたるニック・リーを迎え活動を再開。その新たなる船出に多くのマニアは期待を不安を入り混ぜたでしょうが、ここで聴けるサウンドは『Thundersteel』路線を継承したパワーメタルサウンドを披露。 ファンの涙を誘うような歌詞や楽曲を用いて見事に期待に応えましたね。
個人的には『Thundersteel』はRIOTのカタログの中でもチョイと異質なアルバムだと思っているし、線の細いトニー・ムーアは大の苦手だった。それ故に、この路線を支持しない数少ないRIOTファンなのですが、トッド・マイケル・ホールはトニーのようなハイトーンを駆使しつつも、より太く逞しい声を持っており、個人的な不満を解消。さらにはマイクとニックの新ギターコンビも、RIOTらしい哀愁にツインリードで聴き手も魅了。そりゃマークが存命なら、もっと叙情性も加味されるのではなんて思ったりすのですが、それは野暮な発想なので封印します。
マークの死を乗り越え、けして金儲けの為だけに集まったのではない事を証明した会心の力作。今後も継続して欲しいですね。

このバンドは確かにマーク・リールのバンドですが、昔から彼一人が曲を書いていたわけではなく、初期の頃はガイ・スぺランザや相棒のリック・ヴェンチュラもソングラインティングチームとして数多くの楽曲を提供していた。
マイク・ディメオ時代もマイク・フリンツも提供していた。そして今アルバムでも大活躍をするベースのドン・ヴァン・スタヴァンは権利の関係でRIOTと名乗れなかった時代のNARIT時代に既に名曲『Thundersteel』をマークと共作。欧州風味のRIOT節にスラッシーな攻撃性を持ち込んだのは、間違いなくドンだろう。曲間をつなぐSEの長さが不評でしたが、けして曲もアイデアも悪くなかった『The Privilege Of Power』ではオープニングの『On Your Knees』と『Black Leather And Glittering Steel』を書き上げ、『Metal Soldiers』と『Dance Of Death』をマークと共作しています。
ですから疾走感のあるメタリックなRIOTを支持する方なら、ドン・ヴァン・スタヴァンがいれば安心して、このバンドを支持できるでしょう。継続は力なり、長きに渡り活動を続けたRIOTの金看板を下ろさぬように頑張って欲しいです。
そして次作はもう少しお金を掛けて欲しいですね。メジャーから出た割には、脆弱なサウンドプロダクションじゃないのかね。昔から、このバンドはそこが問題だったぞ。
そして2018年にリリースされる最新作の先行配信の音源もやはりダイナミズムに欠けた、こじんまりとしたもんだったぞ(汗)


ESCLAVITUD - Return to Eden ★★ (2018-03-06 16:38:49)

90年代の中頃から活動を開始したスペインのバンドが2017年にリリースした3rd。活動歴の割には作品のリリースが少ないため、けして順風満帆といった活動ではなかったのかなぁと勝手に推察するですが、今作で聴ける音楽性は、起伏に富んだ場面展開の多い楽曲を中心としたメロディックHM/HRサウンドを披露。プログレ風味もあるが、メロディ主導とも言える曲作りを行っており、難解さは幾度感じないが、インストパートの長さにクドイさを感じる人も多いでしょう。
シリアスでダークなサウンドではるが、歌い手がマイルドな声質の持ち主で、その噛み合わせも微妙だなぁと思っていたら、歌い手がフランスのAttentat Rockの名盤『Strike』で歌っていたマーク・キューだと言うから驚きです。

へヴィでアグレッシブなリフとリズムを前に出しつつも、歌メロやコーラスパートを始め、キャッチーさをしっかりと主張する辺りにバンドの裏設定も見えてくるのですが、もう少しエッジが立っている方が、個人的には好みなので、その辺りで評価も別れる事になるのかも知れませんね。
クリアーな音質も聴きやすさを誘発しているし、ダークでミステリアス、そして勇壮さもあるだけに、バランス感覚の難しさを感じますね。


ATTENTAT ROCK - Strike ★★★ (2018-03-06 16:13:37)

いまだになんて読むのか分からないフランス産の正統派HM/HRバンドの3rd。1st、2ndと作品を重ねる度に確実に成長してきた彼らですが、今作では見事に音楽性を開花、勢いと若さが漲るサウンドは欧州のバンドらしい叙情性を残しつつも攻撃性を高めており、硬質なツインリードを軸に勢いよく襲いかかる、その姿は正にへヴィメタルという言葉がピッタリとハマる強烈な一撃となっているでしょう。

多彩なイメージを膨らませる音楽性ではあるが、今まで以上に焦点も絞り込まれ、硬軟交えたドラマ性は、どの楽曲で確かな手応えを感じるし、その研ぎ澄まされた感性には、このバンドのスケールの大きさを感じずにはいられません。勢いのある楽曲にも、叙情性とフックのある歌メロをねじ込めるセンス、曲作りも上手さも冴えわたっていますね。そりゃ多少なりとも歌、演奏と未熟な面はあるでしょうけどね、核となるスタイルがあり、パワフルだがキャッチーで聴きやすいメタルソングと言うものを確実に手にしています。全編に漲る張りつめた緊張感、勇壮だがスピーディーに走り出すも、哀愁のあるヨーロピアンスタイルが根底にあるから、魅力が倍増しているんですけどね。

1stに続いて、脱力系のジャケットが大損しているバンドですが、多くのメタルファンのハートにグサリと突き刺さる質の高い音楽性は、正にストライク!!、今聴いても胸を熱くする迫力満点のバンドサウンドに唸りました。これがフランス産だから認知されていないのが残念ですね。
2008年に再結成を果たしたバンドらしいのですが是非とも最新作を期待したいものです。


陰陽座 - 迦陵頻伽 ★★ (2018-03-05 18:04:50)

1999年に1stをリリースしてから既に17年、自らが立ち上げた妖怪メタルなる唯一無二のジャンルを極めた彼ら、その音楽性は拡大するファン層と共に音楽性の拡散もあり、作品によってはかなり、J-POP風味の強いものもあったのだが、ようやくここにきて、その拡散していた音楽性を再度集約し一つの方向に纏めてきたなぁと感じさせるの今作。

シンフォニックな味付けを前面に出してきましたが、根底にあるのは和のテイストであり、自分たちが研磨してきたスタイルだ。その壮麗なる和洋折衷のシンフォニックサウンドを迎え撃つのは、圧倒的な表現力を有する黒猫ちゃん。彼女の多彩な顔を使い分ける歌声と、バンドの中核をなす瞬火のディレクション能力によって盤石なるバンドサウンドを築いています。

全編に渡りメロディックな要素を強めつつ、ハードな質感もキープ、勿論、陰陽座ならではのバラエティに富んだ楽曲も用意、相変わらずこじんまりとしたミックスだしダイナミズムに掛けるサウンドメイクは、ハードなモノを好むモノには物足りないのだが、最大公約数のファンを慮れば当然の忖度だろう。

ただメロディを際立たせ、J-POP臭を上手く取り込み絶妙な采配でおもてなしをした瞬火、昨今の作風を支持するファンなら問題なく楽しめるでしょう
和風メタルの中に組み込まれたのは普遍的な叙情性、その耳を捉えて離さないフックに富んだメロディを最大限に高めた作風には一日の長を感じずにはいられませんからね。ソングライティング力の高さと、黒猫ちゃんのパフォーマンスがあってのなんですがね。

それ以前もロックに和の楽器を持ち込むみたいなアイデアのアーティストが居なかったわけではないが、ここまで長きに渡り活動を行うメジャーなバンドは陰陽座をおいていないと思われたが、あのAVEXから似たようなフォーマットのバンドがデビュー、向こうは瞬火のようなアーティスティックな拘りはないので、喰われないように頑張って欲しいですね。
普通の人がパッと聴いたら、そんなに違いがないですから、メタル発の歌謡曲と、歌謡曲発のロック風では次元が違いますからね。
そのあたりの違いを明確に見せれるかが今後のカギとなるでしょう。メタルという看板は軽くないからねぇ。
もう少しミックスに気を配って欲しかったなぁ。チョイと地味に感じる音だよ。


Dervish - Some Monsterism ★★★ (2018-03-04 15:10:15)

1979年から80年代の初期に爆発的なムーブメントとなったNWOBHM、その勢いは世界のロックに対する勢力図を大きく変え、シーン全体に多大なる影響を与えましたが、その期間は凄く短が濃密なものだった。そんな奥深い世界のNWOBHMなのだが、このバンドも1980年から1982年まで活動。大きな話題もなく解散するのだが2001年にデモ音源をひとまとめにしてアルバムをリリース。手書きのナンバリングという手作り感満載ではあるが、作品のクオリティとしてはNWOBHMのレベルを物語る高品質なもので、どんよりと暗雲立ち込める英国的な翳りあるメロディと、沸々と燃え上がる沸騰型のロックサウンドが融合している、あの特有のサウンドで、歯切れのよいギターリフと疾走感を煽るリズムプレイ、そこにパワフルでエモーショナルな歌声が乗っかり独特の世界観を見事に描き切っている。
シンプルでグルーヴィなハードブギーあり、アグレッシブなリフワークが映える疾走ナンバーあり、ダークな英国メタルありと、多彩だが、どの曲にも哀愁のメロディが塗されており、これ一枚でNWOBHMの歴史が総括出来るような内容となっています。
名もしれず、詳細はサッパリ分からないバンドですが、彼はを知ったのは今作のリードシンガーとして活躍する、デイヴ・モンゴメリーがヨナス・ハンソンのソロで歌っていたからです。
それにしてもNWOBHMは奥が深すぎる、まだ見ぬ歴史に埋もれた実力派バンドが多すぎるんだよね。一度手を出したか抜け出せない魔境だよ。恐るべしNWOBHMよ!!


Kidd Glove - Kidd Glove ★★★ (2018-03-03 13:23:46)

稀代のメロディメイカー、ポール・サブーが中心となり結成されたバンドが1984年にリリースした1st。彼の躍動感溢れるロックスピリットとフックに富んだメロセンスを生かした歌モノロックサウンドを披露、その向こうにワタクシの大嫌いなニュー・ウェーブ風味がチョイと感じられ(乾燥でもパクチー風味を嗅ぎ分けれるぞ)腹が立つんですが、まぁ時代的にもシャレオツなロックサウンド勝負したかったんだろうなぁと思うんですがねぇ。
でも押しの強いポール・サブーの歌声は、そんなシャレオツサウンドを押しのける灰汁の強さもあり、大半の楽曲はイキイキとした躍動感のあるハードサウンドも完備、その比率に合わせてチョイスしながら楽しめば十分に満足出来るでしょう。
大衆性とアーティスティックな両面を巧みに演出した自信作とも言えるバンド活動&アルバムでしたが、サッパリ売れず、早々と見切りをつけバンドは解散。翌年にはソロアルバムをリリースするサブー氏ですが、この方向性で一枚、二枚とアルバムをリリースしていれば状況も変わっていたのではと思わせる、質の高いクオリティを保持していたので一枚のみは残念でしたね。


SABU - Paul Sabu ★★ (2018-03-03 12:58:50)

今は亡きZEROコーポレーションからリリースされたポール・サブーのソロアルバム。彼のサミー・ヘイガー風の熱い歌い回しを生かしたハードロッキンなAOR風味も満点のお得意の歌モノロックを披露。その情感豊かな押しの強い歌声と爽快感のあるメロディも高次元で融合、曲によってはサックスまで飛び出す多彩な楽曲を用いて、自身の魅力をたっぷりと伝えてます。個人的にはもう少し、しっとりとしている方が、好みだったりしますが、所謂、北欧風のメロディは辛気臭いと感じる方には、コチラの豪快なロックサウンドの方がしっくりとくるでしょう。
今作も長らく廃盤でしたがZレコードからタイトルを変えて再発もされています。もっとお得なのは手軽なダウンロード版なのですが、そこで、彼がサウンドトラックとして楽曲提供した、笑いありホラーありのカルト映画『Hard Rock Zombies』の楽曲が聴けたりするのだから、ありがたい時代になりましたね。


ATTENTAT ROCK - Le gang des saigneurs ★★★ (2018-03-02 20:36:42)

前作から3年後にリリースされた2nd。その間に彼らはしっかりと音楽性を研磨していたのでしょう、JP譲りの攻撃性やMSGばりの叙情性も蓄え、しっかりと時代にアジャストしてきました。
前作と比べると明らかにスピードもアグレッションも倍増、エッジの効いたリフワークの切れ味も、シャープなソロも、ハードにドライヴィングするロック然としたリズムも、メタルと呼ぶに相応しいダイナミズムを演出しており、音質も悪さをモノともしない迫力に満ちている。その魅力を端的に伝えているのが、スピーディでエネルギッシュな④に集約されているだろう。歌い手も一生懸命シャウトを決めているしね。
ある意味、彼らの歴史はこのアルバムから始まったと言えるのだが、イギリスのロックと親和性の高いフランスならではの、歯切れの良さとドラマ性にメタルな魅力を思いっきり感じるでしょう。テクノロジーや理論など物ともしない気骨のあるサウンドに熱くなりますね。
個人的には今回もクサれジャケを期待しましたが、マイナーバンドにありがちなツマラナイ奴でチョイと残念でした。弾けて欲しかったなぁ。でも3枚目でやってくれましたけどね。


ATTENTAT ROCK - Attentat Rock ★★ (2018-03-02 20:09:34)

フランスの古参バンドが1981年にリリースした1st。全身黒ずくめのマスク男が銃を持って車を襲撃すると言う緊迫感を醸し出すアイデアではあったが、まったく生かされていない緊張感に欠けたジャケットが色んな意味でインパクトを残していますが、時代的にNWOBHMが勃発、隣国のフランスにも、そのブームは直ぐに飛び火、シーン全体も結構な盛り上がりを見せていたとのことでしたが、どういう訳は日本の評論家の耳には届かず、全く情報を伝えることなく、完全なるロック後進国の格下扱いを受けたフランスのロックシーン。彼らはその黎明期を支えたバンドなのだが、どこかいなたい雰囲気があれど、熱きロックスピリットに突き動かされた音楽性は、まだまだ粗削りだが何かを突き破ろうとする初期衝動に包まれており、陽性な雰囲気はあれどロック然としたダイナミズムを生み出しています。彼らがメタルバンドとしての本領発揮は次作以降となるんだろうが、エンディングに向けて一気に走りだす①やルーズな②、元気溌剌な③、歯切れのいいリフが耳を惹く④、甘まめのイントロも印象的なミドルナンバー⑤、ちょっとタドタドしいのだが走り出す⑥、ドライブ感のあるロックンロールな⑦、全然ハードコアじゃない大陸的なノリの⑧、キーボードも大活躍の明るい⑨、オリジナル盤には収録されていないシングルとして1980年にリリースした⑩も収録と、和音リフも懐かしい、純正ハードロックサウンドが好きな方は楽しんでもらえるでしょう。スピード感や派手なのが好みの方はチョイとキツイでしょうね。
でもてっきり、このバンドの事はコメントしていると思っていました。老いは怖いな。


JAMES BYRD - James Byrd's Atlantis Rising ★★★ (2018-03-01 05:17:58)

Fifth AngelのギタリストがShrapnel Recordsからリリースした1st。ドラムはケン・メリー、ベースはQ5のエヴァン・シャレイにヴォーカルは無名のフレディ・クルミンスが参加。James Byrd's Atlantis Risingという名義で、Shrapnelでしょう。中途半端なネオクラ路線だったら、どないしようかと不安もありましたが、オープニングはどっしりと構えたメロディックなミドルナンバーで幕開け、叙情派ギタリストの面目躍如か②ではFifth Angelを彷彿とさせる疾走ナンバーを放り込み現役復帰感を猛烈にアピール(少々やり過ぎだが)、哀メロハードポップの③と流れ、Shrapnelにありがちな、やり過ぎ路線ではない事に安堵。
でもShrapnel的とも言える面もあり少々堅苦しいのだが、ジェイムスのギターも適度に前に出しつつバンドサウンドとしてしっかりと纏め上げ、彼のメロセンスを生かした叙情派アメリカンHM/HRサウンドとして仕上げています。
フォーキーなメロディも映える④、アコギを生かした泣きのバラード⑤、飛翔感のあるFifth Angelな⑥と中盤以降も工夫された楽曲が並びダレさせないのは流石、個人的には結構な頻度でFifth Angelしている事に驚くが、その方向性を指示する方なら、今作は安心して聴けるでしょうね。歌い手がもう少し柔軟に歌いこなせるタイプなら良かったが、ないものねだりですかね。
思わずグラハム・ボネット辺りが歌えばなんて思いましたよ。7分超えのインストナンバー⑨以外はすべて歌入りってのもギタリストのソロとしては接しやすく、Shrapnelといって腰が引けている方も手が出やすいのかなぁと思います。


SABU - Heartbreak ★★★ (2018-03-01 04:43:42)

AOR系の歌モノマニアの間では知られる、歌もギターもプロデュースも一人でこなせる、マルチプレイヤーのポール・サブーが1985年にリリースしたアルバム。オープニングのAngelineからメロウなポップロックで幕開け、そこに熱を帯びたサブーのハスキーヴォイスが乗るんだから歌モノマニアのハートをガツンと掴んでいきますよね。②曲目以降も爽快感のあるメロディを軸に、キーボードを生かしつつもロックな熱さを損なわないアレンジセンスを駆使した名曲が目白押し、合間にハードなシャッフルナンバーの
Shake, Rattle, Rollや、ご陽気なHot Flash、お得意の哀メロナンバータイトルトラックの名曲Heartbreakなども盛り込み、その後もダレることなく最後まで聴き通せる魅力を有しています。
名盤と誉れ高いVAN HALENの『1984』+『5150』とまで言えば言い過ぎかもしれませんが(あんなにギターは弾いていないしね)、それほどのクオリティを有しているのは間違いないです。今なら簡単に安価でダウンロード版がありますので、興味のある方は手に取って欲しいですね。
ロックシンガー然とした逞しさと、メロディを生かした繊細さのある歌声、静かに燃え上がるBreakin' Outでの色気のあるパフォーマンスには、男のワタクシでもゾクゾクとさせられますよ。


SAXON - Thunderbolt (2018-03-01 03:43:30)

最近はコンスタントに作品をリリース、積極的にツアーを行い精力的な活動を継続する、ベテランバンドの熱い心意気が詰まった最新作がコチラ。作風としては近年にないくらいオーセンティックな作風を貫いており、ここにようやくアンディ・スニープとバンドの特性が合致。初期の頃の音楽性を現代にアップデートした作風は多くのファンの期待に応える出来栄えでしょう。よもや、このようなスタイルを2018年に叩きつけるとは驚きです。ギターリフ一つとっても正統性への純度の濃さを証明するようなキレもあり、懐かしも倍増ですかね。今まで以上にタイトに締め上げたリズムプレイも印象的だし、このあたりの作り込も徹底的に無駄を排したと言うことでしょう。
また楽曲もコンパクトにまとめたものばかりで、楽曲の半分以上が3分代というシンプルな構成に拘っているのも面白い。新しい面もあれど、今作はそれまでのへヴィネス路線とは一線を画した方向であり、2018年にクラシックメタルへの在り方を示した一枚とも思え、こういう方向性に進んだのを、前向きなのか、後ろ向きと捉えるかで評価も別れるでしょうね。

新旧の魅力を巧みに織り交ぜは②③④の流れは確かに素晴らしく、アルバムのハイライトと言える展開となっており、その為に後半が地味に映るとも言えるが、レミー・キルスターに捧げた⑤で多くのファンの涙を誘い、グロウルパートも挿入した⑥のクールなのに焼けつくようなへヴィグルーブのカッコよさに悶絶。英国的威厳に満ち溢れた⑦と続きエンディングへ向けて盛り上がっていくのですが、お約束のようなスピードナンバーが凡庸に映るのが残念(焼き回し感もね)。その合間に挟まれる⑨や⑪の出来が良かっただけに余計に気になりますね。こうなると衰えを隠すように、がなり立てるのもビフの歌声もチョイとね。

なんだかんだ言いましたが、個人的には、ここ数年のSAXONは動けなくなったベテランレスラーみたいなもんです。回りの若手が色々と仕掛け成立さえているプロレスの試合です。それだけに星は伸ばせませんが、天龍や長州がリングにいればよいというマニアには常に満点でしょう。こういう大味な作風は止めて、昔のようなバイカーズ路線も聴きたいのが本音。10年は手を変え品を変え、このスタイルをやっています。アメリカンナイズド時代よりもたちが悪い気がしますね。言い訳できないもん。

ここからは余談ですが、SAXONはこの最新作を引っ提げ、同じく3月に新譜をリリースJudas Priestと共に大規模な欧州ツアーに出かけます。そのJPも先行で公開されている楽曲が、随分と過去をイメージさせるものだった。JPはロブが復帰した時に、昔のアイデアを生かしたアルバムをリリースしているし、ロブ・ハルフォードも名盤レザレクションでシーンにカムバックした実績があるから、気にはなっている。最新作はセルフパロディになっていないかは大いなる問題だが、それ以上に感じるのは、2018年はHM/HRシーンにとって一つの潮目を迎えそうだ。
LOUDNESSの最新作も想像以上に古典的なスタイルに回帰していて驚いたが、こうなると腑に落ちる。そういえば昨年リリースされたMETALLICAのアルバムも随分と古典的なものだった。春にリリース予定のRIOT Vの新譜もTHNUDERSTEEL路線らしい。2016、2017年と国内外を問わず、ビックネームの原点回帰サウンドの乱発に驚いています。その流れの中でSAXONとJPが欧州で大規模なツアー、これはシーンにとって大きな変革をもたらすこといなるのかも知れませんね。


FLATBACKER - 戦争 -アクシデント- ★★★ (2018-02-26 12:44:05)

個性的なシンガーと言えば誰ですかと問われると、真っ先に思い浮かべるのがキング・ダイアモンド氏とサブラベルズの高橋喜一氏なのですが、丸ごとバンドとなると、唯一無二という表現にピッタリとハマるFLATBACKERしかいないでしょう。
ソリッドで重量感のある攻撃的なリズム隊と、妖しげなフレージングと鋭角的なリフワークを駆使する攻撃的なギター、パンキッシュな精神性を持ちつつも、メタルな整合性を併せ持つという離れ業を成し遂げた個性的なスタイルを築いていたのが、クマどりメイク姿も異彩を放っていたのがFLATBACKERだ。
いまこうして、冷静に向き合い耳を傾けると、まるでACCEPTがハードコアパンクスに路線変更したのかなぁ、みたいな音にも聞こえ、アグレッシブだがウネウネドロドロとのたうち回るへヴィグルーブのエゲつなさと、研ぎ澄まされた感性が刺々しく切れ込んでくるギタープレイの数々に、世界中を見渡しても本当に個性的だったと思わずにはいられません。
その個性の塊のようなバンドサウンドの頂点に君臨するのは、クセの強い強靭なヴィブラードを駆使するストロングな歌唱スタイルの山田雅樹。あの過激な歌詞を独特のスクリームと言えば良いのか、個性あふれる強烈な歌い回しでスコーンと突き抜けるのだから、聴き手の快感指数もマックスへと高まります。
SHOYOの独創性に溢れたギターは、テクニック至上主義とも言えるメタルギター群とは一線を画すスタイルで、流行のタッピングやスウィープ・アルペジオ的なスタイルではなく、ギター全体を揺らすようなロングトーンのヴィヴラードを大きく聴かせたと思えば、神経を逆なでするような音階を行き来するVENOM風の禍々しいリフワークなどなど、違うアプローチをとり、その佇まいには異端児という言葉がピッタリとハマるギターヒーローだった。キカイダーよりもハカイダーに魅力を感じる、ワタクシにとっては、彼のようなスタイルにシンパシーを感じずにはいられませんでしたね。
ある意味、パンクとメタルの壁を壊した存在として、両方のファンからも一目を置かれる事となった彼ら、ピチピチのレスラーみたいな服を着なかったのが良かっただけかも知れないが、本当の意味でのクロスオーバーサウンドだったと思いますよ。


FLATBACKER - 戦争 -アクシデント- - ACCIDENT ★★★ (2018-02-25 15:19:30)

独特のリフワークがキリキリと切り刻んでいきます
アルバムの中では比較的に灰汁が薄いのも印象的だが
パンキッシュなマインドと整合性のある音楽性が見事に結実
アイデアに富んだ一曲ですね


FLATBACKER - 戦争 -アクシデント- - BANISHMENT -追放- ★★★ (2018-02-25 15:14:25)

妖しげなフレーズが不穏な空気を見事に演出
少々エコーが強めの音質は気になるが
このバンドの特性が見事に表れている
ひねくれた感性が溢れ出ていますね
雅樹のAメロのエグイ歌い回しにブッ飛ばされましたね


FLATBACKER - 戦争 -アクシデント- - DANCE ★★★ (2018-02-25 15:10:59)

ソリッドなリズムが激しく突っ込んできます
リフワークもパンキッシュだ
でもダ・ダ・ダ・ダンスって歌うのはチョイとイケてないッス


ONE DESIRE - One Desire ★★★ (2018-02-24 14:32:06)

国内盤はKINGレコードからリリースされた北欧はフィンランドの若手バンドによる記念すべき1st(本当にありがとうAKBのファンの方々よ)。まぁ、のっけから壮麗なド直球の北欧産HM/HRサウンドで魅了、攻撃的なギターによるフレージングの旨味もさることながら、テクニックに埋没しない聴かせる腕も持っており、若いのに押し引きを心得ているなぁと感心しますね。
そのバランス感覚はバンドサウンドにも随所に溢れており、北欧ならではの透明感のある甘美なメロディを軸とした、壮麗なるロックサウンドは幅広い層に訴えかける魅力があり、軽快なリズムが絡む疾走ナンバーの旨味は勿論だが、フックに富んだ哀愁のメロディが、どの曲でも必ず盛り込まれると言う、曲作りの上手さに多くのファンを取り込む大衆性が完備されています。
キーボードのパートも巧みに使う事で、メリハリを生み出す事にも成功、このあたりの聴かせ方の上手さが肝でしょう。素直な歌い回しのシンガーも、この手の楽曲には合っている。
普遍的魅力を秘めた現代の正統派スタイルとも言える音楽性に拘った彼ら、現代的な音ではあるが、モダンへヴィネス的なニュアンスをあえて取っ払った音楽性は実に興味深いモノがあります。これが今の主流となるのなら、リバイバルではなく熟し切ったメタルシーンの真の姿なのだろう。


STORMTHRASH - Systematic Annihilation ★★★ (2018-02-24 14:15:06)

南米はベネズエラのヤングスラッシャーが2017年にリリースした待望の1st。国内盤はSPIRITUAL BEASTのリリースですから、安心して聴けますよね。南米特有のアングラ臭もたっぷりと含んでいるが、邪悪なる瘴気に満ちたアグレッションはスレイヤー+セパルトゥラといった仕様となっており、手綱を緩めない攻撃性と、押し引きを心得た場面展開には先人たちのアイデアを下地に、しっかりと自分たち流に作り上げてきたなぁと感心しますね。
勿論、単なる回顧録で終わらない、現代風の音作りもされており、新旧スラッシュサウンドの魅力を内包。切れ味鋭いカミソリリフに喉元もかっ切られそうです。スリリングな曲調を煽るテクニカルなドラムとベースによる強烈なリズムプレイな凄み、リフやリズムに、キメの形も組み込まれた楽曲も多く、滑らかに進んでいくのも特徴的で、そのあたりの魅力は④に表れていると思いますね。結成して10年を超えた、バンドだけに1stといっても、思いで作りのような青臭さは皆無。既に出来上がっている感も強めで、確かに国内盤がリリースされるのも頷けるクオリティを有していると思います。問答無用の暴走スピリットなグラインドコアスラッシュと冷徹なる感性が滲み出る几帳面さを併せ持つ音楽性には一日の長を感じずにはいられませんね。恐るべし南米デスラッシュサウンドよ。


Ceaseless Torment - Forces of Evil ★★★ (2018-02-24 13:54:33)

北欧はフィンランドのスラッシュメタルバンドが2017年にリリースした2nd。一頃、北欧と言えばメロデスばっかりメディアは紹介していましたが、個人的にはいつもホンマかいな?な気分いっぱいだった。このバンドも2008年結成後、デモ、EP、そして1stを2014年にと作品を重ね、今作へと至るのですが、とにかくこの音が2017年なのかと驚くほど、オールドスクールな汚らしいスラッシュサウンドを披露。瘴気に満ちたイーブルなリフと激しいリズムが、削岩機でこそげ落とすような破壊力を伴い突き進んでいきます。鋭利なカミソリではない、そのぶっ壊しサウンドには強烈なアジテーションがあり、何とも言えない悪意あるサウンドに身震いさせられます。初期TANKやVENOMのようなスタイルではあるが、彼らは北欧産なので、破天荒な面に裏に、キッチリと作り込んだ正統性もあり、邪悪さを振りまきながらも意外と聴きやすいという、離れ業をやってのけているのが実に面白い。万人向けではないのかも知れないが、昨今のリバイバルブームに乗り、素直に楽しむのが一番でしょう。ギターはアイデア豊富な巧者ですよ。


Winter's Reign - The Beginning ★★★ (2018-02-23 15:02:51)

こちらはアイルランド産のキーボードを含む3人編成による(ドラムはヘルプを頼んでのレコーディングだったらしい)ハードポップバンドが1987年にリリースした1st。オープニングからいきなりファイナルカウントダウンな有名曲のパクリが飛び出し仰け反りますが、フォーキーなメロディを甘く味付けしたサウンドはアイルランドと言うよりは、北欧風と呼ぶに相応しいデコレーションを施しており、身体に優しい甘さで包んでくれます。でも、その後もどこかで聞いた事のあるフレーズが出てくるので、気になると厳しいかも知れませんが、線は細い貧弱シンガーも楽曲のクオリティを下げぬよう必死に歌い上げているし、堅実なプレイで良質なメロディを聴かせようとする姿勢は大いに買いであろう。
メロディ派の間では幻の一品として高価格で取引されていると言われているが、そこまでの質があるかと言われると微妙な空気が流れるのは否めない一品ですが、マニアなら愛でる要素も大でしょう。甘美なポップソングの②、おおらかな③、繊細なピアノの音色をバックに歌い上げるフォーキーな④と流れ良く進む展開に、ハードポップマニアならついつい笑みもこぼれますよね。ほっこりさせられますもん。


MOTORHEAD - Snake Bite Love ★★★ (2018-02-21 15:05:06)

90年代と言う時代の中でも確実に基盤を固めていた彼ら、今作もそれまでの流れを踏襲するハードコアベースの暴走ロックスタイルを築いており、前作よりもへヴィな音像へと仕上げた事で視聴感はSACRIFICEに近いものがある。ある意味、ミッキーの柔軟さもある強靭なドラムを軸に打ち鳴らされるへヴィグルーブの心地よさに細かい事など気にもならなくなりますね。
レミーの歪みまくった歌声の味わいも増しているし、硬質なサウンドの中でも、フィル・キャンベルのギターは、何とも言えない温かみもあり、テクノロジーに頼り切ったモノではない有機的なサウンドを響かせているのも好印象。変わり映えのない音楽性の中にも、アルバム毎に、何か新しいエッセンスを持ち込もうという工夫も感じられ色んな意味でバラエティに富んでいると思います。メタリックなモーターヘッド流儀を貫いた今作、速さが足りないと思う方も多いだろうが、前作にはなかったメタリックさとアグレッションは増量されていると思いますよ。そこが評価を分ける要因なんでしょう。


MOTORHEAD - Overnight Sensation ★★★ (2018-02-21 14:49:51)

ジャケの真ん中にいる男は誰だと、レミーがトレードマークの髭をそり落とした事も話題になった一枚。ワーゼルも脱退し3人編成に戻りましたが、音楽性にブレはなく、前作よりもスッキリとしたサウンドプロダクションに戻し、実に彼ららしい悪ぶった大人げないブルースベースの暴走ロックを披露。初期の頃のヴァイブを1996年に呼び覚ましたかのような作風に終始しています。それはけして過去の焼き回しと言う事でなく、味わい深いスタンダードなロックへの邂逅とも呼べ、彼が一つのジャンルになったとも言える瞬間であろう。、辣腕ドラマー、ミッキー・ディーを擁したラインナップにおける強靭なグルーブも健在、ソリッドな質感とブルースロックの旨味を同時に味わう事が出来るでしょう。レミーのメランコリックな節回しも印象に残る7分超えの③も映えるんでしょうね。シンプルなビートを叩きだす、哀愁味のあるタイトルトラックの⑤も様になりますよね。


MOTORHEAD - Bastards ★★★ (2018-02-21 14:24:25)

空席のドラムの座に名手ミッキー・ディーが収まる事でバンドサウンドはより強化。その魅力は②のようなアグレッシブな疾走ナンバーを聴いただけば分かるが、タイトに締め上げた彼のドラミングの切れ味に悶絶です。ここまでメタリックなナンバーはなかったでしょう。強烈なドラマーを手に入れる事でアンサンブルは向上。ギターにワーゼルも今作から加わり、盤石の態勢を築き上げたといっても良いでしょう。その環境の良さは音楽性にも直結。今作では何の迷いもない荒くれ暴走サウンドが復活。その小気味いいまでのスピード感に、多くのファンを仰け反らしたでしょう。だからこそ⑥のようなスローナンバーも映えるんですよね。


MOTORHEAD - March ör Die ★★★ (2018-02-21 14:16:25)

名物男フィル・アニマル・テイラーが抜けてしまい。ゲストにトミー・アルドリッジやミッキー・ディーを迎えレコーディングに挑んだアルバム。前作で感じさせた多様性を残しつつも、彼ららしい男臭さでパッケージした一枚。
概ね方向性にブレはなく安心して聴いていられるブランド力を発揮していますが、前作で手応えを感じさせた暴走感が減退、良く練り上げられた楽曲は増えているが、多くのファンが待ち望んだのは、大人げないまでのスピードだったんだろう。オジーと競作している⑥やスラッシュとオジーが参加した⑤、テッド・ニュージェントの②など興味深い楽曲も収録されているだけに残念だ。ブルージーなギターが味わい深い④も印象的ですよ。


W.A.S.P. - The Crimson Idol - The Great Misconceptions of Me ★★★ (2018-02-20 19:57:22)

コンセプトアルバムを締めくくる大作ナンバー
曲単位で聴けば問題はないのだが
似たパターンのリズムや歌メロが頻発するアルバムだっただけに
このあたりでお腹一杯になるのが残念
しかし最後まで飽きさせない工夫を凝らしているのは流石ですね
ブラッキーはレンジが狭いからなぁ
同じメロをいったりきたりだもんねぇ


W.A.S.P. - The Crimson Idol - Hold On to My Heart ★★★ (2018-02-20 19:54:02)

絶望の淵で見たのは
希望と言う名の一筋の光明なのか
温かみのあるメロディをアコースティカルなサウンドに乗せ歌いあげます


W.A.S.P. - The Crimson Idol - The Idol ★★★ (2018-02-20 19:46:48)

虚構に塗れた人生の悲哀を歌っているのかな
自虐的な歌詞に乗せて盛り上がります
悲しみを讃えたロッカバラード
ドラマティックですよ


W.A.S.P. - The Crimson Idol - I Am One ★★★ (2018-02-20 19:41:44)

心の内に秘めた苦しみを吐露するような歌詞も印象的です
コーラスワークを多用したブラッキー節に彩られた一曲
W.A.S.P. な魅力に包まれていますね
似たような曲調が多いだけに曲順的に印象に残りずらいのかもしれないが
派手なリズムセクションと情緒のある爽快感が肝だ


W.A.S.P. - The Crimson Idol - Doctor Rockter ★★★ (2018-02-20 19:37:49)

軽快ですね
ノリノリです
だがバカっぽさは皆無
この快活さが魅力なんですよね


W.A.S.P. - The Crimson Idol - The Gypsy Meets the Boy ★★★ (2018-02-20 19:36:35)

荒んだ心を映し出す荒涼としたメロディが耳を惹きますね
色んな意味でブラッキー節が全開だ
彼は良く自らのアイデアを焼き回しする


W.A.S.P. - The Crimson Idol - Chainsaw Charlie (Murders in the New Morgue) ★★★ (2018-02-20 19:34:38)

爆発力のある歴史的名曲
高いドラマ性を有してはいるが難解さは皆無
キャッチーでメロディックだが攻撃性も失わない
ロックな魅力に富んだ名曲
このバンドの底知れぬ魅力を垣間見ました
金儲けだけのミュージックシーンと言うものを
見事に描き切っているのも素晴らしい


W.A.S.P. - The Crimson Idol - Arena of Pleasure ★★ (2018-02-20 19:28:46)

こういう疾走ナンバーはもう少しへヴィなリズムセクションで聴きたかった
でも爽快感のある疾走ナンバーはウケもよさそう
アイデア豊富な今作ならではの一曲だろう


W.A.S.P. - The Crimson Idol - The Invisible Boy ★★★ (2018-02-20 19:24:09)

ワイルドでキャッチーだが情緒のあるブラッキー節も炸裂
アルバムの流れ的にも絶妙な配置の楽曲だ
堅実なプレーで華を添えるギターワークも目を見張りますね
ドラムも派手だ


W.A.S.P. - The Crimson Idol - The Titanic Overture ★★★ (2018-02-20 19:22:18)

聴き手の期待感を煽りますね
アコギも有効に活用
静と動の対比を見事に描いています
名作と誉れ高いショーの幕開けにゾクゾクとさせられます


LOUDNESS - Rise To Glory -8118- - Rain ★★★ (2018-02-18 13:08:03)

アレスの嘆きを彷彿とさせるダークかつメロウな一曲
ごっついへヴィなリフもカッコいいね
二井原実先輩のフィーリングを生かした歌もエエですね
パッと視界が開けるようなソロの入り方もエエわ
エモーショナルなLOUDNESSを堪能しましょう


LOUDNESS - Rise To Glory -8118- - No Limits ★★★ (2018-02-18 13:03:11)

歌メロが耳を惹きますね
このリフも癖になる
典型的なメタルソングだが聴かせ方が上手い
派手に火を吹くだけがメタルじゃないんでね
サビメロの叙情性も印象的でした
でも燃え滾るロックなパワーも失っていません
上手い事アレンジしてますなぁ


LOUDNESS - Rise To Glory -8118- - Why And For Whom ★★★ (2018-02-18 12:58:55)

ユニゾンのフレーズに思わずLOUDNESSやなぁと声をあげましたね
勇壮なメタルソングだがキャッチーな歌メロを上手く絡ませ聴きやすさを誘発
随所に往年の空気を感じさせるパートがあり懐かしいですね


LOUDNESS - Rise To Glory -8118- - Rise To Glory ★★★ (2018-02-18 12:55:14)

軽快に走るだすノリのよいお約束ソング
中盤ではへヴィなパートもあり単純な構成ではない
でもストレートな曲調は往年の空気を纏っていますね


LOUDNESS - Rise To Glory -8118- - Kama Sutra (instrumental) ★★★ (2018-02-18 12:51:44)

プログレッシブな構成が耳を惹きますね
何とも言えないエキゾチックさもありますが
高崎のソロアルバム
ジャガーの牙に収録されていてもおかしくない魅力があります
プチドラムソロあり
LIVEでもそうなりそうですね


LOUDNESS - Rise To Glory -8118- - Massive Tornado ★★ (2018-02-18 12:48:14)

山下&鈴木によるへヴィグルーブも心地よいアグレッシブなファストナンバー
古めかしいサウンドが多かっただけに
近年のイメージに近いナンバーの登場は若いファンにとってはありがたいでしょう


LOUDNESS - Rise To Glory -8118- - The Voice ★★★ (2018-02-18 12:43:40)

メロウな出だしに驚きました
練り上げた歌メロも耳馴染みよく
メロディックなパートとの相性も抜群
個人的にはハイライト的な魅力を感じる一曲
じっくりと楽しみたいですね
エンディングに向かい高崎が弾きまくっています


LOUDNESS - Rise To Glory -8118- - Until I See The Light ★★★ (2018-02-18 12:39:08)

モノ悲しいフォーキーなアコギのイントロに驚いた
随所にメロディックなフレーズを持ち込み
ここ数年のLOUDNESSとは明らかに違うベクトルを放っていますが
へヴィさもありブッタ時代も無駄にしていないのが面白い


LOUDNESS - Rise To Glory -8118- - Go For Broke ★★★ (2018-02-18 12:35:39)

懐かしきキャッチーなリフワークも耳を惹きますが
Bメロのクリアーなパートが印象的ですね
いままでこういう事はしてこなかったもんね
こういう曲があると言う事が今作の方向性を思いっきり示唆しています
歌メロの練り込み具合がアルバム随一かなぁ
ソロも明るい目で驚いた
こんなの何年ぶりですか?


LOUDNESS - Rise To Glory -8118- - I'm Still Alive ★★ (2018-02-18 12:32:11)

跳ねがあるグルーヴィーさとスラッシーナリズムパートの対比が面白い
攻撃的な一曲だ
唐突にフェードアウトするのに驚いたけどね


LOUDNESS - Rise To Glory -8118- - Soul On Fire ★★★ (2018-02-18 12:29:53)

往年の空気を纏ったLOUDNESSらしい一曲
キャッチーなリフワークも耳を惹きますね
歌メロも哀愁があってエエです
沸々と燃え上がるメタリックなナンバー
タイトル通りのイメージ通りでしょう
ナチュラルトーンのギターも懐かしいね
ロックンロールしているわ


INSULT KILL - Vultures & Hyenas ★★★ (2018-02-18 12:23:02)

近年のメタルシーンにおける成熟ぶりには本当に驚かされる。この音が2017年の新譜だというのだからね。根ざしているのは完全にオールドスクールと烙印を押され隅っこに追いやられた、昔ながらのスラッシュサウンドだ。
クランチーなリフワークもあるが、アメリカンと言うよりはヨーロピアン調のマイナーメロディが耳を惹くパートも多くあり、正統的なメタル色の強さも魅力の一つだ。でもドライブ感のあるグルーブやキャッチーなリフも飛び出すアイデアの面白さなどはEXODUS辺りの影響も感じられ、そこがスラッシュ特有のユーモアなセンスというか、ファニー感があったりと激しく煩いのに、親しみやすいという究極の矛盾を複合しているのが面白い。
エッジの切り立ったギターが急転直下で切れ込んでくる起伏に富んだアレンジのスリリングさに、80年代型のスラッシュメタルをど真ん中で受け止め自分たち流に再構築した仕様は、1stとしては十分すぎる程の出来栄えを誇っているでしょう。
迫力のあるリズムプレイとテクニカルさにも息をのむし、個性は薄いかも知ればいがクオリティの高い楽曲とアレンジセンスに、圧倒的な信頼感と魅力を感じますね


SLEAZY WIZARD - STONE DEAD ★★★ (2018-02-17 15:18:31)

へヴィメタルの魅力を端的に伝えるスピーディかつアグレッシブなファストナンバーを中心に、男の哀愁と煙ったいロックな渋みが醸し出すサウンドが魅力のバンドでした。メタルならではのドライブ感や、ツボを押さえた構成力の高さに唸りますね。インディーズ制作ということで音質のユルさは如何ともしがたいが、それを補って有り余る、勢いと曲の良さに全てが許されてしまいます。
これがドイツのバンドと紹介されたらウケも違うのでしょうが、日本人と言うだけで毛嫌いされるという、偏見めいたものが、根底にあり認知度が低いのであれば残念です。
今や国内も含め世界的に成熟しつつある活況著しいメタルシーン。今だからこそ、再評価して欲しいバンドですね。ヘヴィでスラッシーなアグレッションを土台としつつも豪快にドライヴする骨太サウンドは一聴の価値ありですからね。


Temple Balls - Traded Dreams ★★★ (2018-02-17 15:11:10)

フィンランドの若手4人組による記念すべき1st。いろんなところで語られていますが、ハノイロックスやガンズ、モトリー、スキッドロウなどのワイルド系のロックサウンドを下地に、いかにも北欧らしい糖度の高い甘美なメロディが優美に彩る、活きの良さが満載。どの曲もシングルカットされてもおかしくない快活さに、思わず身体が勝手に動き出すのですが、80年代のメタルを堪能した人には懐かしくもあり、今の若い人にとっては逆に新鮮な響きになるのでしょうかね。
ポップでキャッチーさも豊かだが、ギターオリエンテッドな作風に終始しているので、歯ごたえは十分にありますよ。

それにしても、ここ数年のリバイバルブームには本当に驚かされる。この音が2017年の年末にメジャーレーベルからリリースされるんだからね。しかも北欧でしょ。一頃はメディアから伝わる情報は皆、メロデスばかりだったからね。
勝手に亡きものにされそうになった、古典的ロックサウンドが今、こうして新時代に高らかに鳴らされているのが、好みであろうとなかろうと心底嬉しいです。
この手の音楽の復権はブームではなく、メタルシーンの成熟そのものなんだろう。


FOREIGNER - Can't Slow Down - Angel Tonight ★★★ (2018-02-16 16:02:29)

温かみはあるがウエッティなムードに包まれています
それがフォリナーの魅力なんでしょう
ケリー・ハンセンは見事に重責を果たしていますよ
往年の空気を纏ったらしい一曲に焦がれます
サビメロは何度聞いても胸キュンさせられるねぇ
ベタですけど


FOREIGNER - Can't Slow Down - As Long as I Live ★★★ (2018-02-16 15:59:04)

センチメンタルやんかぁ
胸キュンやでー
繊細なタッチとロックな躍動感
押さえ目だが随所の燃えるロックスピリットが息づいています
上手いこと料理してますねぇ
ベタだがベタに敵うもんなしですね
新生フォリナーここにありですよ
国内盤は何故6年も遅れたんだ


FOREIGNER - Can't Slow Down - I Can't Give Up ★★★ (2018-02-16 15:57:01)

叙情味たっぷり
ピアノをバックに歌いあげます
ベタですがドラマ性の高い泣きのバラードナンバー
濡れてはいるが湿らないアメリカンさが絶妙だ
マーティ・フレデリクセンはエエ仕事をしているよ


FOREIGNER - Can't Slow Down - When It Comes to Love ★★★ (2018-02-16 15:54:16)

国内盤は6年遅れの2015年にリリースされました
フックのある哀愁のメロディが満載
全盛期に肉薄する一曲
ケリー・ハンセンもウエッティな曲調を上手く歌いこなしている
新生フォリナーの魅力を伝えていますね


FOREIGNER - Unusual Heat - I'll Fight for You ★★★ (2018-02-16 15:50:19)

ジョニー・エドワーズが歌うバラード
時代的にキラキラ系は受け入れられるワケもなく
シリアスな作風を貫いています
乾いた大地に潤いを与える情緒のあるメロディが印象的
歌が少々硬いかねぇ


FOREIGNER - Agent Provocateur - That Was Yesterday ★★★ (2018-02-16 15:44:49)

沸々と燃え盛るルーの歌声が素晴らしい
アルバムの2曲目に相応しいメロディックなロックナンバー


FOREIGNER - Inside Information - Heart Turns to Stone ★★★ (2018-02-16 15:42:11)

AOR系の歌モノロックが好きな人にとってはたまらん曲でしょう
隙のないアレンジとセンスに脱帽
流石の一言に尽きる


MOONSTONE PROJECT - Time To Take A Stand - On the Way to Moonstone ★★★ (2018-02-16 15:34:25)

Blue Oyster Cultのエリック・ブルームが客演
かれの渋みのある歌声がハマる古典的なブルースロック
そこに軽めのストリングスが挟まれるのがカッコいい
良いアイデアですね
ギターもトーン一発に賭けていますね


MOONSTONE PROJECT - Time To Take A Stand - Pictures of My Lonely Days ★★★ (2018-02-16 15:31:07)

ドラマーにカーマイン・アピス
シンガーはポール・ショティーノの二人が客演
アルバムの中では軽快なノリと欧州的なメロディが冴える一曲です
古典的なクラシカルロックサウンドを支えるギターと
オルガンに耳がいきますね


MOONSTONE PROJECT - Time To Take A Stand - City of Lites ★★★ (2018-02-16 15:26:46)

KANSASのスティーブ・ウォルッシュが歌っています
モダンな雰囲気のギターサウンドをバックに歌うと言うのが斬新
コーラスハーモニーを多用したのも面白いですね
この曲調に人選とニヤリとさせられました


MOONSTONE PROJECT - Time To Take A Stand - Where Do You Hide the Blues You've Got ★★★ (2018-02-16 15:24:00)

リッチー風味満点の枯れたギターが印象的ですね
オルガンも聴いており懐かしい雰囲気が一杯ですね
メロウなバラード調の一曲
グレン。ヒューズは何を歌っても上手い
そして自分のカラーの染め上げますね


MOONSTONE PROJECT - Time To Take A Stand - Beggar of Love ★★ (2018-02-16 15:20:17)

歌うはジェイムス・クリスチャン
ご機嫌なファンキーかつソウルな70代型のロックナンバー
こういう曲を歌うジェイムスも珍しいですね
少々窮屈に感じるかなぁ


MOONSTONE PROJECT - Time To Take A Stand - Rose in Hell ★★★ (2018-02-16 15:17:18)

ここでシンガーを務めるのはヴォイスオブゴット
我らがグレン・ヒューズです
第3期DP風のファンキーかつハードな一曲
オルガンも活躍していますね
ちなみにドラムはイアン・ペイスですよ


MOONSTONE PROJECT - Time To Take A Stand - Fire and Wate ★★ (2018-02-16 15:14:22)

歌うはエンリコS.マディディーニという人物
FREEのカヴァーですがオリジナルのファンキーさは皆無
へヴィなグルーブを基調としたハードなアレンジを施しています
主役たるギターが自由闊達に弾いていますね


MOONSTONE PROJECT - Time To Take A Stand - Not Dead Yet ★★ (2018-02-16 15:10:35)

RAINBOWのパロディのような出だしです
そこを楽しめるのかが評価をわけるでしょう
歌うは我らがグラハム・ボネット
だからこの曲調なんでしょう
グラハム師匠はチョイとガナリすぎでした


MOONSTONE PROJECT - Time To Take A Stand - Slave of Time ★★★ (2018-02-16 15:08:41)

オープニングは乾いたアメリカンロック
カントリーな南部の風が吹いていますね
唄うはケリー・キーリングです


VOLCANO - Irregular ★★★ (2018-02-13 22:12:32)

ここ数年、精力的な活動を行う屍忌蛇率いるVOLCANOの最新作が2018年の1月に早くもリリース。今回はバンドメンバーの選曲による渾身のカヴァーアルバム集となります。なにかと、この手の企画モノをリリースしている屍忌蛇ですから、新鮮味は薄いのかも知れませんが、個人的には選曲の旨味に思わず手が出てしまいます。なまじ中途半端なメンバーで録音するよりも気心の知れたメンバーの録音の方が安定感はあるだろうし、個人的にはカミソリシャウターのNOVがどう歌いこなすかに興味津々、そこに屍忌蛇の泣きの旋律が絡めば、至高のカヴァー集になる事はソロ名義の作品で証明済みですからね。マニアとしては期待値も大いに上がりました。
ある意味、同時期に活動していたXのカヴァーは関係者の涙を誘う選曲だろうし、出来栄えもNOVが歌う事で元曲の魅力も倍増。さらに攻撃的なリズムプレイによって迫力もこれまた倍増と、いいことずくめの好カヴァー。個人的には④や⑩のカヴァーよりも②の方が以外だったりするのですが、随所に屍忌蛇印の泣きメロを導入しつつも、元曲のイメージを損なわないアレンジ力で聴き手を魅了。これぞリスペクト精神を忘れないカヴァー集でしょうね。①も⑦も良かったけど、個人的には思い入れも含め⑥のカヴァーがハイライトでした。NOVのヴィブラートを掛けまくったカミソリシャウトのカッコいいこと、何故かオネエ口調になる『いい加減にしなさいよ♪今に痛い目にあうわよ~♪』は痺れるね。L.Aメタルとメンバーの相性も意外性があり面白く、またVOLCANO流に染めあがているのも面白い。これぞこの手の作品の魅力でしょう。やらされているのではなく、バンドが楽しんでいるのが一番に聴いていて楽しいですねでもインギーはやっぱり難しいよね。

1. 1789 / SILVER MOUNTAIN
2. Invaders / IRON MAIDEN
3. Headhunter / KROKUS
4. Don't Tell Me You Love Me / NIGHT RANGER
5. Rise And Fall / HELLOWEEN
6. Hard Blow / FLATBACKER
7. Bring Me The Night / OVERKILL
8. I'll See The Light Tonight / YNGWIE MALMSTEEN
9. I'll Kill You / X
10. Home Sweet Home / MOTLEY CRUE


SAXON - Thunderbolt - Roadie's Song ★★★ (2018-02-12 16:03:39)

英国的な泣きメロと力強いポジティブさが背中を押してくれます
ロックンロール賛歌的なニュアンスが漂っていますね
へヴィでダークな曲調が多かったので最後にこういう曲があると感動も倍増しますね
シンプルさが余計に耳を惹きます


SAXON - Thunderbolt - Speed Merchants ★★ (2018-02-12 15:57:33)

レミー・キルスターに捧げたアルバムに相応しいスピードナンバー
往年の空気と攻撃性を緩めない新旧の魅力が詰まっていますかね
ライブ映えする一曲でしょう


SAXON - Thunderbolt - A Wizard’s Tale ★★★ (2018-02-12 15:55:01)

目まぐるしく場面展開する攻撃的かつメロディックな一曲
4分を切るコンパクトさがエエです
グイグイと攻めてきますなぁ


SAXON - Thunderbolt - Sniper ★★ (2018-02-12 15:52:05)

タイトに締め上げたリズムプレイが耳を惹きますね
ストレートな疾走感もお約束ですがファンにとってはありがたい一曲でしょう


SAXON - Thunderbolt - Sons of Odin ★★★ (2018-02-12 15:50:18)

後半の楔となるメロウかつへヴィなミドルナンバー
堂に入ったビフの歌いっぷりも素晴らしいですね
ブリティッシュロックの威厳を感じますね
もったいつけて何かが起きそうで何も起きないのがサクソンなのですよ
サクソン流HAVEN AND HELLってとこかね


SAXON - Thunderbolt - Predator ★★★ (2018-02-12 15:45:49)

捕食者というタイトルもしっくりくるへヴィな一曲
Amon Amarthのヨハン・へグがグロウルでゲスト参加
新しい事にも果敢に挑戦していますね


SAXON - Thunderbolt - They Played Rock and Roll (2018-02-12 15:41:09)

Nosferatuから間髪入れずに開始するNWOBHMな回顧録歌詞が懐かしさを誘発する古典的なロックナンバー
古めかしいアルバムの中に本当に古い曲があると案外厳しいモノですね
曲単位では悪くないが流れ的には蛇足感がハンパなく
iTunesに取り込んだ際は曲順を最後にしてボートラ扱いにしました
あの世にいったらレミー・キルスターに殴られるな(笑)
スピード感やノリの良さを重要視する方には気にならないかと思いますが
構成など細かい事を気にすると厳しいのです
やり過ぎ感がねぇ
狙い過ぎじゃないッスかねぇ


SAXON - Thunderbolt - Nosferatu (The Vampires Waltz) ★★★ (2018-02-12 15:35:44)

珍しくキーボードをフィーチャーしていますね
クラシカルだがシンフォニックという程大げさでもはい
高貴なムードで酔わせるドラマ性の高いミドルナンバー
これも前の曲との流れが良く満足度も高いですね


SAXON - Thunderbolt - The Secret of Flight ★★★ (2018-02-12 15:31:17)

鷲は舞い降りた
へヴィメタルのクルセーダーズ
SAXONの降臨です
前の曲との流れも良く早くもハイライトを迎える
メロディックなリフワークも聴き応え十分
歌メロも練り込まれていますね
クラシックな王道スタイルへの帰還
今作のテーマとも言える一曲でしょう


SAXON - Thunderbolt - Thunderbolt ★★★ (2018-02-12 15:28:21)

動画サイトなどに先行配信されていたアルバムのタイトルトラック
しなやかなへヴィグルーブが躍動するサクソン流パワーメタル
メロディックなフレージングもあり視聴感は抜群に高い
クラシックなメタルサウンドと新たしいエッセンスが同居した快作です
アルバムの幕開けに相応しい一曲ですね
老獪なテクニックを駆使して衰えを隠すビフの歌声も悪くない


WISHBONE ASH - Number the Brave ★★ (2018-02-10 18:33:52)

バンドの創始者とも言えるマーティン・ターナーが脱退、代わりに迎えられたのが英国ロック界の貴公子ジョン・ウェットンが参加したのがコチラになります。高貴な声の持ち主として知られるジョンが、フォーキーな叙情派ロックサウンドとどのように絡むのかと思ったら、オシャレでファンキーなアメリカンロックの『Loaded 』で幕開けと、随分と肩透かしを食らうのですが、そのノリは結構な勢いで続き③曲目に収録された『Underground』で持ち直すも、オシャレなアメリカン志向のロックサウンドが多く収録されイケそうでイケない気まずい雰囲気になるのですが、だからマーティン・ターナーやめたんかぁとなりましたね。
またジョン・ウェットンよりも他のメンバーも活躍も目立ち、彼が俄然色めき立ったのが自身が提供した『That's That』くらいという仕様にバンドの迷走ぶりを感じずにはいられません。
そういう方向性や立ち位置に嫌気がさしたのか今作リリース後、早々とジョンは脱退。後任にトレバー・ボルダーが迎えられえるとは驚きました。アグレッションやハードさがウリのバンドではないので、ソフトでオシャレなロックサウンドである事に嫌悪感は抱かせないが、英国的な叙情性が薄まると求心力の低下に繋がるのは否めないかと思います。
それでも随所に拘りのプレイも持ってくる辺りには、このバンドの出自が英国である事を誇示していると思いますよ。80年代初頭のニューウェーブな波を意識した作風に時代を感じますが、それ系も気にならない守備範囲の広いロックファンなら楽しめる要素も大きいのではないでしょうか?ハードなモノを好む方にとっては、シャラシャラしたギターが活躍する大半の楽曲に怒りを覚えるでしょう。でも合間にねじ込まれる英国風味が滲み出たロックナンバーに、気分も持ち直すんですけどね。


WISHBONE ASH - Raw to the Bone - Don't You Mess ★★★ (2018-02-10 15:48:00)

WISHBONE ASHか否かは別として
エモーショナルかつ躍動感のあるマーヴィンの歌声に良いしてます


WISHBONE ASH - Raw to the Bone - Cell of Fame ★★★ (2018-02-10 15:42:53)

英国的叙情味満点のメロディが華麗に躍動します
オライアンことマーヴィン・スペンスの歌声もバッチリハマっていますね
透明感とハードなロックサウンドが見事に結実しています
ノリのよいグルーブはこのラインナップならではの旨味かね


WISHBONE ASH - Illuminations ★★★ (2018-02-10 15:39:23)

80年代に一旦活動を停止するも復活を果たした英国の老舗バンドが1996年にリリースしたアルバム。メンバーはアンディ・パウエルのみと言う事で、ある意味ソロアルバム的なニュアンスもありますが、彼が居ればWISHBONE ASHといっても過言ではないので問題はないでしょう。
英国風味満点、トラディショナルな響きには、あの望郷心をくすぐる哀愁美が満載。湿り気を帯びた叙情性の高いメロディを軸に、芳醇なメロディを紡ぐ二本のギター、アコギを織り交ぜ多彩なギターワークで聴き手を魅了。往年の空気を再現しつつも古臭さを一掃したサウンドプロダクションは聴きやすさを誘発。メロディ派のマニアならグッとくること間違いなしでしょう。割と長めの曲もあるのですが、難解な要素など微塵もなく、優美な叙情性と言う看板を掲げ、あくまでもムードで酔わせるスタイルをとっているので、AOR系のソフトロックなどが好きな人が聴いても満足出来るでしょうね。
ロックの持つ有機的なエモーション、彼らは熱さよりもクールさなのだが、その往年のブリティシュトラッドロックを極めたアーティスティックな面と、ソフトな歌モノ路線とのバランス感覚と巧みに保つ事で、自らも金看板を守っていますね。


ALDO NOVA - Aldo Nova ★★★ (2018-02-07 19:59:04)

今やプロデュースやソングライターとして知られる存在となり、アーティストとしては忘れ去られた感のある天才マルチプレイヤーのアルド・ノヴァ氏。彼の名前を一躍世に知らしめる事になった記念すべきデビューアルバムがコチラになります。
ハードなギターと鍵盤楽器を軸に、キャッチーかつ優美なメロディが華麗に舞い踊るという手法をとっており、ポップな曲調なのだが、猛烈な哀愁美を擁したメロディや、渋く光る叙情性も完備、産業ロックと揶揄される音楽性かも知れませんが、随所に拘りの演出を設けており、甘美なハードポップナンバーの上を軽快なリズムが踊る⑤なども収録、軟弱な要素よりも、本格派の設えを施したハードポップの名盤としてメロディ派のマニアに強く勧めたい一品ですね。
REO Speedwagonあたりと比較される事も多い彼らでしたが、甘美な歌声に絡む哀愁美にはカナダの風を強く感じるし、その本格派の音作りは、むしろASIAからプログレ臭を取っ払った音楽性とも思え、コンパクトな楽曲に、こだわりの展開を持ち込む辺りにも、玄人好みのアレンジセンスが光り、視聴後の満足度は高いでしょう。
歌を前に出した軽めのサウンドプロダクションが気になるし、中性的な歌声も苦手な人もいるでしょう、でもハードなギターを嫌みなく聴かせるバランス感覚は秀逸かと思いますよ。


ZZ TOP - Eliminator ★★★ (2018-02-07 19:30:26)

テンガロンハットって言うの?カウボーイの帽子をかぶり、恰幅のいい体系の男がサングラスに、何十年伸ばしているのと聴きたくなる顎鬚姿が何とも言えない風貌で、インパクトも大きなモノでした。
80年代中期にハードなモノを聴くようになった思春期真っ只中のワタクシでしたが、彼らは、その当時割と日本のメディアでも取り上げられるような存在であり、来日時などはチョイとしたニュースにもなっていました。それほど、売り上げを残した作品をリリースしていたのですが、今作は彼らの名前を広く世に知れ渡る事に貢献した一枚でしょう。
勝手に思っているアメリカ南部のカウボーイ魂、そんな精神性をハードなブギーサウンドに乗せて、渋くかき鳴らしています。リリ-ス時が1983年なのですが、当時としても十分に古典的なサウンドだったろうが、シンセサイザーなどの電子音を、さらりとねじ込む事で、当時としてのモダンさを補完、その成果も手伝いAC/DC同様、変わり映えのないハードブギースタイルを確立しています。


WISHBONE ASH - Raw to the Bone ★★★ (2018-02-07 19:13:38)

個人的にWISHBONE ASHの音源に初めて触れたのが今作。事前に聞かされていたイメージとは異なるサウンドではあったが、今作が他のカタログと比べると異質な方向性であった事を後に知る事になります。WISHBONE ASHと言えば、トリプルヴォーカルに、湿り気を帯びた哀愁のメロディを奏でるツインリードの調べ、英国風味満点のトラディショナルなフレージングの旨味、それらが幾重にも折り重なり美しくハモるのだが、今作には、そんな要素は皆無。
勿論、英国的なムードも満点だし、ちょいブルージーな要素もあるが湿り気という点も全然違う、またマイルドな感触と明るいポップセンスが前に出た作風に、かつての面影もない、でもこれもWISHBONE ASHという魅力には富んでおり、アンディ・パウエルを中心としたバンドサウンドの新たなる可能性を示唆している。
これも1985年と言う時代の波だったんでしょう、と理解できますが、かつての姿を知る筋金入りのファンからはすこぶる評判が悪かったと言われる一枚ではあります。ワタクシのようなライトリスナーにとっては、ポップな明るさの中にある、英国的な響きに琴線がチョコチョコと触れられる瞬間があり、質の違う湿り気を楽しんでいます。
そして最大の主役は、今アルバムを残してバンドをさる事になったオライアンこと、マーヴィン・スペンスの透明感のあるエモーショナルな歌声を堪能できる一枚として、歌モノロックを愛する方には強く勧めたい一枚ですね。
1985年と言う空気を思いっきり吸い込んだ、ポップでストレートな作風に舵を切った意欲作。バンドの活動に一旦、区切りをつける事にもなりましたが、2枚組で再発も決まった今作。丸ごとアメリカンになった分けではないので(英国的な叙情性のある曲も収録されている)、是非ともトライして欲しい一品です。


PARADOX - Pangea ★★★ (2018-02-05 01:54:28)

チャーリー・スタインハウアー以外のメンバーを一新してリリースされた一枚。まさか新メンバーに新進気鋭のギターヒーロー、ガスGが参加するとは驚きです。そのガスGの目の覚めるようなギターワークも殺すことなく、このバンドらしいアグレッシブな叙情派パワーメタルサウンドを披露。チャーリー流儀の攻撃性と叙情性の両面をバランスよく際立たせる事に成功。起伏に富んだアレンジを司る、風雲急を告げるツインギターのスリル満点の構築美。鋭角的なリフワークから繰り出される、畳み掛けるアグレッションと扇情的なメロディによるクロスアタックに悶絶。ツボを突く哀愁たっぷりのメロディと全般的に支配されるシリアスさと重苦しい閉塞感、だからといって大げさな展開になることなく、シャープに、そして峻烈なるアジテーションが一塊となり突っ込んでくる様には、スリル満点の破壊力を秘めています。パワフルだがスラッシーな躍動感を疎かにしていないのが、このバンドらしいですよね。


W.A.S.P. - WASP ★★★ (2018-02-03 00:44:01)

股間にノコギリの歯をつけ、過激なライブパフォーマンスで人気を博したブラッキー・ローレンス率いるW.A.S.Pのデビューアルバム。そのキワモノ系の路線を維持する過激で猥雑な歌詞とワイルドだがポップで親しみやすい音楽性は実に魅力的で(日本人なんでワシは歌詞の意味がわからん)CD化された際には、先行シングルでアルバムには未収録だったAnimal (Fuck Like A Beast)を一曲目にもってきたりと、今作の魅力は倍増。乾いてはいるが欧州的なメロディが映える王道HM/HRサウンドが素直に耳に飛び込んでくる心地よさに満ち溢れている。
ロックの持っているワイルドさと、洗練されたポップセンスと快活な楽曲の数々は聴き応え十分。メジャー感満載ながらも毒気のあるブラッキー節を存分に堪能してもらいたいですね。ゴシップ雑誌並みの話題性を引っ提げ、イメージ戦略を巧みに仕掛けた彼らは、色んな意味でショックロックでしたよ。


BOOMERANG - Boomerang ★★★ (2018-01-26 19:38:17)

ヴァニラファッジのマーク・ステインが新たに立ち上げたバンドがコチラ。時代は1971年、レッド・ツッエペリンの成功などをウケ、世に言うハードロックブームが巻き起こる事に、その匂いを嗅ぎ取ったマークが実践した音楽性は、ブルースベースのグルーヴィーロックサウンドを披露。若いミュージシャンを従え、やりたい事を思いっきりやると言う方向性に進み、ヴァニラファッジ時代の先鋭的なアートロック路線とは違えど、そこには漲る野心とやる気に満ちており、古くて新しい新鮮な音楽性は無名の若手ミュージシャンの技量があってこそのサウンドでしたが、正直、わが国では、今の今も全く知られていないという事実に愕然とさせられます。
ブルースを基調としているものも、ファンキーでサイケな音楽性はバラエティに富んでおり、へヴィグルーブに、まとわりつくオルガンの音色と渋めのギター(若干15歳というのだからを面白いですね)、アメリカンなライトさはあるが、オルガンとピアノの音色にオーケストレーションが絡むファンタジックな⑥など聴き応え十分なバラードナンバーも盛り込み、そんな簡単なバンドじゃないよと言う事を誇示しています。

このアルバムで特筆すべきはオープニングを飾る①に尽きる、へヴィなグルーブが跳ねまくるブルースロックナンバーに悶絶。DPの名曲SMOKE ON THE WATERのファンクロックヴァージョンと言いたくなるようなアイデアが詰まっており、唄い回しもカヴァーディル風で実に面白い。勿論、コチラの方が先なんだが、第3期DP風の⑦なんかもあり、個人的には、とても不思議な気分を味わいました。もしDPよりも先にコチラを知っていたら、第3期の事をどう思ったんだろうと思いを馳せますね。ちなみに、こちらもベースがヴォーカルを兼務するというツインヴォーカル編成ですからね。実に面白いです。
売上的に、パッとせずにバンドは程なく解散。その短い活動の為、知られることなく歴史に埋もれているのですが、個人的には絶対にジャケットが良くなかったと思うんですよね。だって髭もじゃの原住民が、草で出来た腰巻一枚の半裸姿で鎌みたいな武器とブーメランを構えているだけのシンプルなジャケットだもん。音楽性なんて絶対に伝わらないもんね。
中身は濃厚なんだけどなぁ。


Export - Living in the Fear of the Private Eye ★★★ (2018-01-24 20:59:23)

プロデューサーにランス・クインを迎え、1986年にリリースされた3rd。出自は時期的にNWOBHMだが、ここで聴けるのは英国的ハードさと湿り気のあるメロディが映えるハードポップサウンドを披露。軽薄になる事のない生真面目さと、良質なメロディの融合が実に居心地がよいサウンドを響かせ、その筋のマニアなら必ずや満足して頂けるでしょう。
間口を確実に広げるキーボードとアコギの活用の上手さ、そして沸々と燃え盛るパショネイト溢れる燻銀のギター、そこに絡むエモーショナルな歌声、楽曲自体は派手さに欠けているが、ツボを押さえたアレンジと情緒溢れる熱情型のロックサウンドは、どれも魅力に富んでおり、サバイバー辺りにも通ずる親しみやすさと玄人好みの渋さがギラリと光り輝きます。コーラスワークの重ね方もプロデューサーの手腕によると事だし、ギターも色気のあるトーンで酔わせてくれる。
バンドとしては、アメリカンマーケットを意識した作風で打って出たが、今作をもってバンドは解散。AOR系のメロディックロックマニアには、知られている存在だが、アルバム単位での連動性がなかったのが、一般的なマニア筋にも浸透しなかったのが痛手だったのだろう。オリジナルは米国のEPICから、2010年にはアメリカンロックの再発盤に強いRock Candyから出ていますよ。
ちなみに歌モノ好きとしては、ボブ・ハリガンJrやマックス・ベーコンが楽曲提供しているのも見逃せませんね。


HIGH TENSION - Under Tension ★★ (2018-01-23 22:51:20)

ドイツのツインギター編成の4人組が1986年にリリースした2nd。ドイツと言えばHelloweenタッチのコミカルなスピードメタルを想起される方も多いでしょうが、個人的にはSCORPIONSだしACCEPTだ。もっと言えばRUNNING WILDだしGrave Diggerの方がしっくりくるのだが、このバンドも、後にわが国では隆盛を極めるHelloweenタイプとは一線を画す音楽性を信条としたバンドでしたね。

渡米後のSCORPIONS的なメジャー感もあるし、ある意味、同じドイツ人でアメリカでも成功したドン・ドッケンにも通ずるメロセンスもあるかと思います。そこに気骨のあるジャーマンメタルが乗っかるのだが、時代性を巧みに取り込んだ、正統性の強いHM/HRサウンドは、BONFIREまでの洗練度はないが、ドイツ人によるバブリーではないL.Aメタル風とも言える大衆性と硬質感を取り込んでいて、何とも言えない不思議な魅力がある。それは欧州的な湿り気のあるメロディに尽きるのだが、これぞ俺たちと言える個性に欠けている面がマイナスなんでしょう。それは⑨のモロパクリに起因しているような…だって誰が聴いてもモトリーのToo Young to Fall in Loveだもんね。
いい意味でのラフさと力いっぱい演奏する姿は気持ちがいい。ドイツ人らしい生真面目さが息づいているのも面白い。簡単に○○風と言えない魅力が最大の聴きどころでしょう。そしてモトリーファンは⑨を聴いてくださいよ。


BURN - Spark To A Flame ★★ (2018-01-22 16:46:24)

1993年にキーボードを生かした爽快感のあるメロディックHM/HRサウンドを引っ提げデビューを果たした彼らが2年後の1995年にリリースした2ndがこちら。時代的に95年ですからね。どのような音楽性で勝負を掛けるのか不安はありましたが、概ね、前作の流れを引き継ぐ世界観を踏襲。しかし時代の流れ的にキーボードのボリュームを幾度絞る事になり、魅力的だった軽やかさは半減、歌を聴かせる方向性ではあるが、上手い歌い手ではないのというジレンマも抱え、そのあたりの匙加減に評価も別れる要因でしょう。
キーボードを効果的に活用した華やかさ、英国のバンドでありながらもアメリカンナイズドされた柔らかくキャッチーなサウンドは聴き応えがあっただけに、その旨味を封印せざるおえなかった95年という時代背景に臍を噛みます。
派手なギターヒーローも存在しない主役不在の地味目なバンドサウンド故に、スピーディーで派手なメタルを好む方には退屈極まりない、音楽性に映るでしょう。でもここにあるのは、メロディックでキャッチーな英国風味の初期BON JOVIサウンドと言えなくもない魅力に富んでおり、中盤からはキーボードも増量された楽曲も顔を出すので、前作を気に入った方なら楽しんでもらえると思いますよ。こういう音楽は地味なのではなく、渋いと感じて欲しいっすね。