1.TOUGH BOY 2.LOVE SONG 3.KILL THE FIGHT 4.WIND&RAIN 5.SILENT SURVIVOR 6.DRY YOUR TEARS 7.HEART OF MADNESS 8.PURPLE EYES 9.KEN-北斗星- 10.荒野の風 11.愛をとりもどせ!! 12.ユリア……永遠に
『Army of One』から5年、名盤と誉れ高い『Thundersteel』時代のメンバーに長年の盟友マイク・フリンツ加えスマッシュヒット『Immortal Soul』をリリース。これで活動も上向きになるのかと思った矢先に、バンドの創始者であるマーク・リールが急逝。そのニュースに、とうとうバンドも長きに渡る活動に終焉を迎えたと思っていたのですが、マークを意思を引き継ぐが如き、再びメンバーが集結、新たにVirgin Steeleのドラマー、フランク・ギルクレスト、シンガーにReverenceのトッド・マイケル・ホール、そしてマイクの弟子にあたるニック・リーを迎え活動を再開。その新たなる船出に多くのマニアは期待を不安を入り混ぜたでしょうが、ここで聴けるサウンドは『Thundersteel』路線を継承したパワーメタルサウンドを披露。 ファンの涙を誘うような歌詞や楽曲を用いて見事に期待に応えましたね。 個人的には『Thundersteel』はRIOTのカタログの中でもチョイと異質なアルバムだと思っているし、線の細いトニー・ムーアは大の苦手だった。それ故に、この路線を支持しない数少ないRIOTファンなのですが、トッド・マイケル・ホールはトニーのようなハイトーンを駆使しつつも、より太く逞しい声を持っており、個人的な不満を解消。さらにはマイクとニックの新ギターコンビも、RIOTらしい哀愁にツインリードで聴き手も魅了。そりゃマークが存命なら、もっと叙情性も加味されるのではなんて思ったりすのですが、それは野暮な発想なので封印します。 マークの死を乗り越え、けして金儲けの為だけに集まったのではない事を証明した会心の力作。今後も継続して欲しいですね。
このバンドは確かにマーク・リールのバンドですが、昔から彼一人が曲を書いていたわけではなく、初期の頃はガイ・スぺランザや相棒のリック・ヴェンチュラもソングラインティングチームとして数多くの楽曲を提供していた。 マイク・ディメオ時代もマイク・フリンツも提供していた。そして今アルバムでも大活躍をするベースのドン・ヴァン・スタヴァンは権利の関係でRIOTと名乗れなかった時代のNARIT時代に既に名曲『Thundersteel』をマークと共作。欧州風味のRIOT節にスラッシーな攻撃性を持ち込んだのは、間違いなくドンだろう。曲間をつなぐSEの長さが不評でしたが、けして曲もアイデアも悪くなかった『The Privilege Of Power』ではオープニングの『On Your Knees』と『Black Leather And Glittering Steel』を書き上げ、『Metal Soldiers』と『Dance Of Death』をマークと共作しています。 ですから疾走感のあるメタリックなRIOTを支持する方なら、ドン・ヴァン・スタヴァンがいれば安心して、このバンドを支持できるでしょう。継続は力なり、長きに渡り活動を続けたRIOTの金看板を下ろさぬように頑張って欲しいです。 そして次作はもう少しお金を掛けて欲しいですね。メジャーから出た割には、脆弱なサウンドプロダクションじゃないのかね。昔から、このバンドはそこが問題だったぞ。 そして2018年にリリースされる最新作の先行配信の音源もやはりダイナミズムに欠けた、こじんまりとしたもんだったぞ(汗)
今は亡きZEROコーポレーションからリリースされたポール・サブーのソロアルバム。彼のサミー・ヘイガー風の熱い歌い回しを生かしたハードロッキンなAOR風味も満点のお得意の歌モノロックを披露。その情感豊かな押しの強い歌声と爽快感のあるメロディも高次元で融合、曲によってはサックスまで飛び出す多彩な楽曲を用いて、自身の魅力をたっぷりと伝えてます。個人的にはもう少し、しっとりとしている方が、好みだったりしますが、所謂、北欧風のメロディは辛気臭いと感じる方には、コチラの豪快なロックサウンドの方がしっくりとくるでしょう。 今作も長らく廃盤でしたがZレコードからタイトルを変えて再発もされています。もっとお得なのは手軽なダウンロード版なのですが、そこで、彼がサウンドトラックとして楽曲提供した、笑いありホラーありのカルト映画『Hard Rock Zombies』の楽曲が聴けたりするのだから、ありがたい時代になりましたね。
1. 1789 / SILVER MOUNTAIN 2. Invaders / IRON MAIDEN 3. Headhunter / KROKUS 4. Don't Tell Me You Love Me / NIGHT RANGER 5. Rise And Fall / HELLOWEEN 6. Hard Blow / FLATBACKER 7. Bring Me The Night / OVERKILL 8. I'll See The Light Tonight / YNGWIE MALMSTEEN 9. I'll Kill You / X 10. Home Sweet Home / MOTLEY CRUE
股間にノコギリの歯をつけ、過激なライブパフォーマンスで人気を博したブラッキー・ローレンス率いるW.A.S.Pのデビューアルバム。そのキワモノ系の路線を維持する過激で猥雑な歌詞とワイルドだがポップで親しみやすい音楽性は実に魅力的で(日本人なんでワシは歌詞の意味がわからん)CD化された際には、先行シングルでアルバムには未収録だったAnimal (Fuck Like A Beast)を一曲目にもってきたりと、今作の魅力は倍増。乾いてはいるが欧州的なメロディが映える王道HM/HRサウンドが素直に耳に飛び込んでくる心地よさに満ち溢れている。 ロックの持っているワイルドさと、洗練されたポップセンスと快活な楽曲の数々は聴き応え十分。メジャー感満載ながらも毒気のあるブラッキー節を存分に堪能してもらいたいですね。ゴシップ雑誌並みの話題性を引っ提げ、イメージ戦略を巧みに仕掛けた彼らは、色んな意味でショックロックでしたよ。
このアルバムで特筆すべきはオープニングを飾る①に尽きる、へヴィなグルーブが跳ねまくるブルースロックナンバーに悶絶。DPの名曲SMOKE ON THE WATERのファンクロックヴァージョンと言いたくなるようなアイデアが詰まっており、唄い回しもカヴァーディル風で実に面白い。勿論、コチラの方が先なんだが、第3期DP風の⑦なんかもあり、個人的には、とても不思議な気分を味わいました。もしDPよりも先にコチラを知っていたら、第3期の事をどう思ったんだろうと思いを馳せますね。ちなみに、こちらもベースがヴォーカルを兼務するというツインヴォーカル編成ですからね。実に面白いです。 売上的に、パッとせずにバンドは程なく解散。その短い活動の為、知られることなく歴史に埋もれているのですが、個人的には絶対にジャケットが良くなかったと思うんですよね。だって髭もじゃの原住民が、草で出来た腰巻一枚の半裸姿で鎌みたいな武器とブーメランを構えているだけのシンプルなジャケットだもん。音楽性なんて絶対に伝わらないもんね。 中身は濃厚なんだけどなぁ。
渡米後のSCORPIONS的なメジャー感もあるし、ある意味、同じドイツ人でアメリカでも成功したドン・ドッケンにも通ずるメロセンスもあるかと思います。そこに気骨のあるジャーマンメタルが乗っかるのだが、時代性を巧みに取り込んだ、正統性の強いHM/HRサウンドは、BONFIREまでの洗練度はないが、ドイツ人によるバブリーではないL.Aメタル風とも言える大衆性と硬質感を取り込んでいて、何とも言えない不思議な魅力がある。それは欧州的な湿り気のあるメロディに尽きるのだが、これぞ俺たちと言える個性に欠けている面がマイナスなんでしょう。それは⑨のモロパクリに起因しているような…だって誰が聴いてもモトリーのToo Young to Fall in Loveだもんね。 いい意味でのラフさと力いっぱい演奏する姿は気持ちがいい。ドイツ人らしい生真面目さが息づいているのも面白い。簡単に○○風と言えない魅力が最大の聴きどころでしょう。そしてモトリーファンは⑨を聴いてくださいよ。