①は未発表曲でアコギヴァージョン。③⑨⑩はХимераから、あともリレコーディングで占められる企画モノ。恐らくバラードタイプの曲を抽出したベスト的な作風なんだろう。よほどコアなマニアでもない限り、ヴァージョン違いだけで占められる作品に手は出さないのだろうが、アルバムタイトルでもあるGolden Earringカヴァー『Going To The Run』のロシア語ヴァージョン⑭のライブヴァージョンが聴けるのが最大のポイントだろう。悲しいタッチのメロディは、このバンドに良く似合う。 しかし現在ダウンロード盤でカットされているのが悲しい。アルバムタイトルじゃん。そしてタイトルも英語に訳すと『Careless Angel』になり原題と違う。ややこしいわ。日本人みたいなことするなよと言いたくなりますよね。それでなくともロシア語なんて馴染みないんだからと、アジアの片隅から叫んでみます。
ちなみにこのカヴァーは1999年にリリースしたEP『Tribute to Harley-Davidson』に収録されているのだが、現物は見た事無いし聴いた事もない、そこにはManowarのカヴァーもあるんだからマニアはほっとけないでしょう。罪作りなバンドだよ。コンプが困難だから挑戦したくなる、まるで天竺のようなバンドだ。
L.A. BLUES AUTHORITYシリーズ第2弾は、当時燻っていたグレン・ヒューズのヴォーカルをメインとしたアルバムへと変貌。 いくつものパーソナルな問題を抱え体重は増加。ドラッグ&アルコール漬けの怠惰な生活を送り、もう歌えないよと囁かれるグレンでしたが、ジョン・ノーラムと活動したり、カヴァーディルの声かけに応え、彼のアルバムに参加したり(本編で昔みたいに歌い分ける予定であったが、全く衰えていないグレンのパフォーマンスに嫉妬したカヴァーデイルは、マネージメントが提示したプランを握りつぶした話は有名である。またグレン参加はアルバムの話題作りでもあったが主役がわき役に喰われたんではシャレにならん。まるで映画ロッキーみたいなもんだもんね)
けして世捨て人になった分けではなかった。特に当時のエピソードとしては、DOKKEN解散後のドン・ドッケンの新バンドでは、ヴォーカルディレクターを務め、ドンにこう歌うんだよとアドバイスを送ったのは紛れもなくグレンで、彼の歌声がバックで流れ続ける『When Love Finds A Fool』のグレンが歌うデモヴァージョンは絶品だと言われる。 そんなヴォイスオブロックと呼ばれる男、グレン・ヒューズの名前が久しぶりに前面に出たのが今アルバムだった。
本格的なソロアルバム『From Now On...』で痺れまくった後に聴いてので随分と地味な印象は拭えなかったのだが、スローナンバーなどで聴けるエモーショナルかつソウルフルな歌い回しは絶品で、情感を揺さぶるパフォーマンスに魅了されました。 参加メンバーも豪華なものなのだが、やはり性質上、どこかヨソ行きで地味なモノが多いと感じる。その辺りが、土着的なアメリカンブルースへの憧憬というのか、ワタクシにその素養があまりないので心に引っ掛かるモノが少ないだけで、その筋のブルースが好きな人なら豪華メンバーによるハードなブルースロック集として楽しめるでしょう。 ワタクシもオジサンになってからは、味のあるサウンドとして楽しんでますのでね。上手い歌が聴きたいと思う方にも一口いかがと言いたいです。
かつてはLouisiana's Le Rouxと名乗っていたバンドがLeRoux(ル・ルー)と改めリ・スタート、それに合わせ音楽性も洗練されたもに変わったと言われるが、1982年に中心人物と言われたジェフ・ポラードとボビー・カンポが抜け、バンドは存続の危機となるのだが、新たにシンガーとしてファーギー・フレデリクソンとギターのジム・オドムを加え難局を乗り越え1983年に今作をリリース。前作にあった洗練度の高いメロディックサウンドを主軸にフレデリクソンのエモーショナルなパワーヴォイスを生かしたハードサウンドを披露。 ドラマ性とシリアスな面を強めつつもキャッチーさを散りばめており、練り上げられた楽曲群の充実度には目を細めてしまいます。所謂、JOURNEY辺りを想起させるサウンドなれど、時流に合わせた付け焼刃ではない、優れた演奏力と大衆性を持った楽曲で勝負が出来る実力派のバンドサウンドは、重厚なヴォーカルハーモニーに支えられたメロディックロックとして、多くのマニアに潤いと癒しを運んでくるでしょう。少々声が強めなので曲調によっては、癇に障ることもるフレデリクソンですが、バラードタイプで聴ける彼の美声は一級品でしょう。だからTOTOのシンガーにも抜擢されたんですよね。 しかしバンドは商業的成功を収められず今作を持って一旦解散。メンバーが出戻り数年後に再始動する事になります。それだけに幻のラインナップとも言える今作。
今までに何度か再発されている隠れた一品ですが、2016年にはAOR City 1000シリーズの一品として1000円の安価で再発もされています。歌モノロックに理解のある方は是非とも聞いて欲しい一品ですね。 ワタクシはこのバンド、ファーギー・フレデリクソンのソロに出会うまで知りませんでした。まだまだ隠れた名品はありますなぁ。
のちにお蔵入りしたロートン時代のアルバムがブートで出回り、今作から③④はロートンヴァージョンもあり両者の違いを味わえるのもチョイとした話題でした。そしてオフィシャルな形で未発表曲を収録した4枚組のベスト作『A TIME OF REVELATION』で確認する事も可能ですのでマニアは要チェックでしょう。
ジョンはライブでも驚異的な歌声を聴かせてくれた。その一言に尽きます。ライブと言ってもラフにならずに丁寧に歌いつつも、ライブならではのアグレッションもあり、デビット・バイロン時代の楽曲も難なく歌いこなしている。またファンなら両者の違いを楽しめる一枚として重宝するであろう。とにかく音質は粗い、正規のライブ盤として録音されたとは言い難い商品だ。 でもそこが逆に生々しさを誘発しており、このラインナップによる真の姿を垣間見る事が出来る名盤でしょう。 July Morningで歌うジョン・ロートンの圧巻のパフォーマンスにひれ伏しましたよ。バイロン時代からなんだけど、ケン・ヘンズレイがチョイチョイリードボーカルをとってくるのが気になる。朴訥としたフォーキーなLady In Blackも盛り上がるのは、バイロンが絡んできてから、今回のライブ盤を聴いてケンは歌はない方が良いとつくづく思いましたね。 そして稀代のヴォーカリスト、ジョン・ロートンがローカルな活動で満足している現状が残念でなりません。誰でも良いから第一線に担ぎ出して欲しいよ。
個人的には一枚目のライブ音源にプラスされた4曲の新曲を楽しめるのがファンにとっては最大の目玉でしょう。特に2曲目に収録された I Wish I Couldは、チョイチョイ日本語っぽい言葉が飛び出し、随分な空耳アワーだなぁと思ったら、英詩の合間に日本語で歌っており、その答えは最後に出ます。こういうアイデアも国内向けのファンにとってはありがたいサービスでしょう。
そして90年代に乱発した同じような作風のアルバムよりは、多様性を擁しており(ラップソングいらんぞ)、インぺリテリファン以外にもアピールできる要素が高いのも見逃せません。こうなるとクリスの速弾きがいらないと感じたり、歌い手も個性不足な為、またメロもロブが歌っても遜色がないだけに、やはり痛し痒しな作風になってしまったのが残念。もう少し、どちらかに思い切って舵を切れば良かったの思うのだが、駄作として切り捨てる事など到底出来ない、謹製クリス印が満載のバラエティ豊かなアルバムだと思います。 Victim of the Systemで復活、Answer to the Masterで多くのフォロワーを生み出したのに、Screaming Symphonyは自らの亜流すぎたもんなぁ、Eye of the Hurricaneまでの4枚をシャッフルされても気がつかない近似値な作風ですからね。 どちらを支持するかが評価の分け目でしょう。