TERRA ROSA DEAD ENDなどで活躍した天才ギタリスト、足立祐二がかつて在籍していたバンド。 1985年にリリースした第2弾のデモ音源『LE DERNIER SLOW』がボートラ込みで2019年の3月に待望のCD化。 よもやこんな日が訪れるとはね。SABRABELLSの復活もあったしCROWLEYにELIZAだし、梶山章も昔の曲をリメイクしたし、足立のこれでしょう。何が起こるか分からんねぇ。次はWOLFに期待だな。
80年代の国産メタルを愛するマニアなら知っている人も多いと思う大阪のアメリカンロックタイプのバンド。ギターの吉永GOKI邦春は国産V.Aの名盤『BATTLE OF METAL』に参加しているSEXUALやメジャーデビューも果たすVOXPOPで活躍するテクニックのあるギタリスト。ドラムはFEEL SO BADなどの山口PON昌人がいたことでも知られています。
Metal Churchのカート・ヴァンダフーフにプロデュースをお願いし作られた待望のフルアルバム。シンガーも歌えるマイク・ハウの交代とお膳立ては揃いました。 Metal Churchと親和性の高い音楽性だっただけにバンドの推進力には成ったのだが、今作を制作時にシンガーの引き抜きを行いカートがマイクを連れていくと言う背信行為を行ったゴシップニュース満載の話題性の方が今日では印象が強いのですが、パワフルかつアグレッシブなアングラUSメタルの代表的な音が詰まっており、その筋のマニアなら必ず満足出来るクオリティを保持、期待を裏切らない展開と丹念に作り上げたサウンドは表情も豊かになった(US産なので歌謡曲並のキャッチーなメロディや分かりやすさはありません) しかし、アルバムリリース時にはマイクはバンドを抜けており、実態もなく、そのせいで程なく解散に追い込まれる。これほどの質の高いアルバムがあるのに、世に出れなかったのは残念なのだが、このバンドの文春砲は、この程度で終わる事無く、ギターのブライアン・コーバンと日系人ベーシストのデニス・オハラはMetal Churchを抜けたデヴィット・ウェインと今度はReverend結成へと動くと言う最大のオチが待っているのに興奮を覚えます。 そんな情報過多のせいでイマイチ、音が入ってこなくなるのが個人的には難点なのですが、パワーで押し切るのではない切れ味の鋭さも、このバンドの魅力。基本的なメタルのマナーとUSアングラメタルの魅力を内包した一枚は、質の高さや完成度も含めトップ級の出来栄えだ。
1.Smash It Up (Lee Small on Vocals, Mat Sinner Bass, Magnus Karlsson Lead Guitars)
2.Reality (Toby Hitchcock on vocals and Mike Slamer on Lead Guitars)
3.Homeland (Rob Moratti on vocals and Martin Kronlund on all Guitars)
4.Going Away (James Christian vocals and Tommy Denander Martin Kronlund on Guitars)
5.Gotta Move (Ralf Scheepers on vocals and Christian Wolff &Tommy Denander on Guitars)
6.How Long (Lee Small on vocals and Martin Kronlund on Guitars)
7.Shake (Mike DiMeo on Vocal and Martin Kronlund on Guitars)
8.Fighter (Terry Brock on vocals and Steve Newman on Guitars and backing vocals)
9.Dancing Days (Niklas Swedentorp on Lead Vocals with all Coldspell members)
10.Stand Up For Love (Chris Antblad with JAVA Gospel Choir)
上記豪華ゲストが参加しためるトム・ギャレー主催のフェノメナプロジェクト第6弾。ド頭からリー・スモールのグレン・ヒューズを彷彿とさせるエモーショナルが歌声が炸裂、楽曲も今まで以上にAOR風味満点のHM/HRサウンドを披露と、随分と垢抜けた印象が強い。適材適所とも言える名シンガーが揃い、自慢の喉を披露と、ちょっとしたカラオケ大会の模様だ。そんな豪華な顔触れの恥じないゴージャズな雰囲気の歌モノロックは、派手になった分、このプロジェクト独特のコクのようなものが薄まり、レーベルの意向に沿った企画モノへと変貌したように感じる。 ロブ・モラッティが歌う③はグレン・ヒューズのソロ『From Now On』からだったりと、既発音源もあるから尚更だったりするのだが、そんな細かい事を気にせずに、名シンガーと腕利きギタリストとの共演を楽しむのが一番でしょう。 こういうお祭り感の強まった企画モノは楽しんだモノ勝ちですからねぇ。
一度空中分解したバンドをリードギターだったケヴィン・マイケルがバンドを再興。今作は1993年にリリースされた3rd。3曲目にはメガデスのYouthanasiaでボツった曲を収録したりと期待された中でのリリースだったのか、俄然期待値の上がる作品へとなりました。他にも⑥のIt's My Lifeは、あのダニー・ジョンソン時代のアルカトラスをカヴァーしたりとマニアならウズウズしてくるラインナップです。かつてのようなハードコアスピードメタルとは違い、より正統性とスラッシュ成分を高め過去と未来予想図を巧みに混ぜ込ませた内容となっており、⑩ではラップも披露と現役感をアピール、アメリカンヤクザメタルバンドの矜持を保ちましたかね。この後に続く音源がないようなので、このラインナップが上手くいったとは言い難いが、2018年には再結成したとも言われる彼ら、US産ならではのステゴロコンクリートメタルに興味のある方は聴いて損はしないでしょう。それにしてもダニー・ジョンソン時代を取り上げるとは渋いなぁ
早くもベースが交代しているがターナー姉妹が揃っていればバンドは盤石なんだろう。今作は名手クリス・タンガリーディスをプロデューサーに迎え、早くも音楽性をモデルチェンジ。クリスの手により進化したバンドサウンドは音質やプレイの向上もさることながら、メリハリをつけることに成功した事が大きい。歌メロの充実やコーラスワークの装飾と1stで魅せていた叙情性と洗練度を上げる事でシャープさに磨きが掛かり、よりソリッドでパワフルに変貌した。 バンドとしてのプレイアビリティや楽曲面でのクオリティは前作を遥かに凌ぐ出来栄えで正統性の高いHM/HRが大好きな方なら大いに楽しんでもらえるでしょう。よく言うじゃないですか『女は見た目じゃない愛嬌だ』『容姿じゃない心根が大切なんだ』とかね。このサウンドは正に、その見た目じゃない愛嬌であり心を大切にした本格派のサウンドに生まれ変わりましたよ。デビュー当時からメロディを大切にしていたバンドだからねぇ。 クリスが関わったGirlschoolの『Screaming Blue Murder』とリンクする部分も多いかなぁ。
英語に訳すならHero of Asphalt 20 Yearsと銘打ったライブ盤になります。彼らの歴史では3枚目にあたる『Hero of Asphalt』の完全再現を実施、前後にバンドの代表曲を挟むのだから、これが駄作になるわけがない。 癖の強いロシアン民謡調のメロディやロシアンバロック様式からの影響をふんだんに取り込み、アイアンメイデン風に纏め上げた楽曲は、どれもが一発でアーリアのものだと分かる個性に溢れている。 言語も今だにロシア語に拘っている為に、今一つワールドワイドな存在になれないが、80年代からずっとメタル一筋で活動を続けてきたレジェンドバンド。特筆すべきはグランジやオルタナからの影響を全く寄せ付けなかったという、気合いの入りようが魅力となっている。昨今ではユーロ圏の進出も果たしているロシアンメタルの皇帝。高い演奏力と会場を飲みこむ圧巻のパフォーマンス、ベスト的な意味も込めて、アーリアの魅力を知る上では重宝する一枚でしょうね。
稀代の名シンガー、我らがジョン・ロートンがブルガリアのレジェンドロックバンドDIANA EXPRESSとコラボしたアルバム。リリースは2012年ですが、衰え知らずに美声に改めて酔いしれます。 リリシズム溢れるピアノをバックにジョンが朗々と歌い上げる様の逞しい事、そこにPleven Philharmonic Orchestraの演奏がが大導入と、ほとんどの曲が本当に意味でのシンフォニックなサウンドです。ロック然としたパワフルさや、エッジの聴いたナンバーはありません。ですから歯応えのあるハードなモノを期待すると眠たくなる一枚なのですが、そんなスローナンバーの合間に、オーソドックスなノリノリのロックナンバー『Maxi Rock』『Rock And Roll Is My Thing』みたいなものを挟まれると、思わず笑みもこぼれます。
オリジナルのリリースは1990年であるデビュー作。わが国では2年遅れの92年にリリースされるも、その時の帯タタキが凄い。 解散記念盤『ドリームポリスはこんなに素晴らしいバンドでした。』である。 91年に2ndで国内デビューを果たしプロモーションによる来日も決まっていた矢先の解散劇にリリース元もひっくり返ったでしょうね。契約してリリースしたのに金を返せと言いたいでしょう。エピックレコードもご立腹だったでしょうねぇ。 そんな短命なバンドだった為に、日本でもイマイチ認知のないバンド。音楽性も当時流行りのブルージーさも加味したアメリカンロック、所謂BACK TO 70’の煽りを受けたノルウェーのバンドでした。 オープニングからブルースハープも飛び出す乾いたサウンドを披露したりと方向性は完全に定まっている、パワフルだがエモーショナルな歌い手もロック然とした熱さがあり、この手の楽曲には良く似合う。バックの演奏も堅実で派手さはないが的確だ。北欧のマイナーバンドと言う匂いを全く感じさせないワールドワイドな作り込も上々、これならスカンジナビア半島を飛び出し活動も出来るでしょうと言いたくなる優れた一品です。 リリース当時は、この手のアメリカンロックは嗜好に合わなかったので完全にスルー、90年代の中頃まで無視でした。記憶では世界中から、バットボーイズ系のロックやブルースロックバンドは雨後の筍の如く世に氾濫していたのでね。
『Surrender』のようなゴスペル調のブルージーなナンバーや、スローバラードの『When The Sun Goes Down』、はみだし刑事情熱系(風吹じゅんです)なホットな熱情とクールな哀愁が調和したシングル向けの『Little Angel』などが好みなのだが、バンドの本分としては、アメリカンロック志向なので、90年代初頭のサウンドが好みの方はドンピシャでしょう。