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VOLCANO - Juggernaut ★★★ (2019-01-28 13:50:03)

近年の精力的な活動には驚かされるが、今作も、その流れの中でリリースされた1枚。このバンドらしい叙情的なフレーズを持ち込みつつもヘヴィでアグレッシヴなパワーメタル色を損なわないダイナミックなサウンドは健在。
メロディアスな歌心を大切にしつつもスピーディーに畳み掛ける展開は迫力満点、全体的なメロディアス度も高く即効性の高いキラーチューンも満載だ。
本当にパワフルな楽曲が多い中でも、リフやソロからにじみ出る泣かせの哀愁、その扇情力の高いギタープレイの数々に改めて屍忌蛇のセンスの高さを感じる。そしてバックを支えるテクニカルなメンバーによる質の高い演奏も大きい。ベースとギターの絡みなど何度聴いてもゾクゾクとさせられる、二人が繰り出すハーモニーとハモリ、ベースのAKIRAが実に効いてるバンドだ。叙情的な支配下の中、屈強なリズムプレイの重要度はメタルバンドとしては必要不可欠。若いドラマーSHUNの貢献度も見逃せません。聴く者を熱く高揚させる楽曲の中で、マシーンの如き冷徹なドラミングは効果的な役割を果たしている。

古さに埋没しない現代的なセンスを投影した意欲作。古くて新しいストロングメタルが、今の若い人にとってどのように響いているかは、オジサンのワタクシには理解が及ばないが、このバンドが現在の国産メタルシーンのおいて貴重価値の高いバンドである事は間違いないだろう。攻撃的な泣かせのギターとメタリックかつタイトなリズムプレイ。その上でド迫力の喉を披露したNOVの存在は何事にも変えられない存在感だ。彼無くしてVOLCANOサウンドは成り立たず、今後も目が離せないバンドですね。そしてバンド初のバラードも泣かせるなぁ。


SHE-JA - Dual World ★★ (2019-01-28 13:17:41)

泣かせの伝道師、疾走する哀愁などと呼ばれ、扇情的なフレージングの組み立てを武器にスピーディーかつパワフルなサウンドを世に提示してきたVOLCANOの屍忌蛇によるカヴァーアルバム第2弾。
『STAND PROUD!ALL FOR HEAVY METAL』と比べると参加メンバーの小粒感は否めないしVOLCANO感が強めなのだが、王道路線を踏まえつつも、今の時代に通用するセンスを生かした彼らならではの選曲が面白い。
1.NIGHTMARE
2.BANISH FROM SANCTUARY(BLIND GUARDIAN)
3.STARLIGHT(ACCEPT)
4.MIRACLE MAN(OZZY OSBOURNE)
5.CARRY ON(ANGRA)
6.METAL HEART(ACCEPT)
7.WILD FRONTIER(GARY MOORE)
8.BACK TO BACK(PRETTY MAIDS)
9.COLD SWEAT(THIN LIZZY)
10.PAINKILLER(JUDAS PRIEST)
11.THUNDER STEEL(RIOT)

ACCEPTから2曲も選んでいますが、スピーディーな楽曲が多く、泣きの疾走との相性も抜群、基本は元曲のイメージに忠実なのだが、ソロでは俄然、自らのカラーを投影する屍忌蛇。METAL HEARTはLIVEを意識した作りで面白かった。PAINKILLERの大胆な解釈も彼らならではのセンス。THUNDER STEELもやりたい放題だ。
個人的には、少々偏った楽曲構成であり以外性はなかったが、先人達に対するリスペクト愛に溢れた企画モノとしては理想的な仕上がりを魅せ緊張感もある好カヴァー集であった。
GALNERYUSのSYU同様、若い人たちに往年のサウンドを伝えると言う橋渡し役として貴重な活動を続けてくれた屍忌蛇。その心意気は大いに買いだろう。


AXE WITCH - The Lords of Flies ★★ (2019-01-26 13:33:09)

古くは70年代の終わりから活躍するスウェーデンの老舗バンド。所謂NWOBHMに触発された古典的スタイルである。その為、後年多くの人がイメージする北欧スタイルとはかけ離れたシンプルなサウンドだけに、よほど気合いの入ったマニアでもない限り、眠たくなるようなシンプルなサウンドと映るだろう。スピードを競ったり、重心低く襲いかかるようなへヴィネスさはない。
しかし、当時としては十分、迫力のあるサウンドであり、基本中の基本のようなシンプルなハードサウンドを奏でている。それだけにリフワーク一つとっても皆がシェアするアイデアであり、当時としても垢抜けたサウンドではないのだが、今となっては、この古臭さが鼻腔を擽るマイナー臭を放ち、マニア心を刺激するから不思議だ。
ウィリアム・ゴールディングの名著をタイトルに持ってきた記念すべきデビュー作。バンド名も魔術的だから、いろいろ期待するだろうが、いなたい歌い手に萎えなければ、80年代初期のサウンドとして十分に楽しめる一品。リリースは1983年、NWOBHMマニアなら見逃せない愛着のある音ですよ。


UNITED - Absurdity ★★★ (2019-01-26 13:06:57)

バンドの顔である横山明裕は帰らぬ人。再起を掛けたバンドが進んだ方向性はアグレッションを讃えたスラッシュサウンドへと帰還。スラッシュの魅力たるキレのあるリフワークとスピード感も増し本来あるべきスタンスへと戻ってきた。勿論、モダンへヴィネス路線も咀嚼したうえでのマッシブな土台の上に成り立っている為、安易な原点回帰ではない今の時代を見据えた、スタンスでの再興であろう。前作の路線をさらに研ぎ澄ました音楽性、盟友、遠田譲士を迎え入れ自らの進むべき道を提示してくれましたね。


JESUS - Le Dernier Slow ★★★ (2019-01-24 15:27:57)

当時関西では人気のあったインディーズバンド。今作でギターを弾くのは当時TERRA ROSAと掛け持ちしていた足立祐二。オープニングの『The Shine of Forever』は完全にTERRA ROSAの『The Endless Basis』の元曲です。
彼が参加する事で叙情性が格段に加味されたバンドサウンド。滑らかな運指から繰り出される歌心溢れるプレイの数々と、後年、天才と呼ばれ持て囃される片鱗は健在。既に確立されているといっても過言ではないでしょう。
どうしても歌い手の日本人臭が気になる人も多いでしょうが、『Farewell』インストプレイで聴けるクラシカルフレーバーたっぷりのフーガロックサウンドなど、その鮮やかなメロディにうっとりと聴き惚れてしまいます。

2019年にボートラ入りでCD化も決まった貴重な一品。結局、足立はTERRA ROSAに入るも、程なくしてDEAD ENDに強奪されてしまう運命でした。色んな意味で歴史的にも重要な作品に感じる。


JESUS (2019-01-24 15:17:58)

TERRA ROSA DEAD ENDなどで活躍した天才ギタリスト、足立祐二がかつて在籍していたバンド。
1985年にリリースした第2弾のデモ音源『LE DERNIER SLOW』がボートラ込みで2019年の3月に待望のCD化。
よもやこんな日が訪れるとはね。SABRABELLSの復活もあったしCROWLEYにELIZAだし、梶山章も昔の曲をリメイクしたし、足立のこれでしょう。何が起こるか分からんねぇ。次はWOLFに期待だな。


FORT KNOX - The Early Days Demo ★★★ (2019-01-23 15:39:10)

80年代の国産メタルを愛するマニアなら知っている人も多いと思う大阪のアメリカンロックタイプのバンド。ギターの吉永GOKI邦春は国産V.Aの名盤『BATTLE OF METAL』に参加しているSEXUALやメジャーデビューも果たすVOXPOPで活躍するテクニックのあるギタリスト。ドラムはFEEL SO BADなどの山口PON昌人がいたことでも知られています。

日本人らしい甘いメロと歌声を駆使するヴォーカルのRAYも、楽曲の邪魔をすることなくしっかりと歌い上げ、爽快感のあるジャパニーズアメリカンロックを上手く歌っている。バタ臭さがないとは言えませんが、これが国産メタルの味なのです。
プレゼンス程のライト感はなく、ベースもブンブンと唸りロックな感触を十分残している。丁寧にメロディを歌い、ギターが彩りを添える日本人らしい、キメの細やかさは、遊びは少ないが玉石混交、和洋折衷サウンドに懐かしさを感じずにはいられません。

収録された、ほとんどの曲が初見だったので大いに楽しめました。なんか懐かしいサウンドだったなぁ。十二単とかLUSHELとかVeilを思いだしたなぁ。80年代の甘酸っぱい青春時代が蘇りました。若い人には昭和の香ばしい匂いがプンプンしますから、ちょっと胃もたれする可能性も大ですが、当時のシーンがどれほど、豊かで隆盛を極めようとしていたかは知って欲しいですね。今年はNWOBHM勃興40周年。温故知新は楽しいもんですよ。


BATTLE BRATT - Battle Bratt - Winds of Change ★★★ (2019-01-23 15:08:02)

メタリックに打ち鳴らされる重厚なオープニングナンバー
堂に入ったパフォーマンスはアルバムの幕開けに相応しい


BATTLE BRATT - Battle Bratt ★★★ (2019-01-23 15:05:09)

珍品ジャケット100選があるのなら間違いなくノミネートされるだろう。二代目麻宮サキ鉄仮面女子の淡いロマンスと名付けたい。夏休みなの宿題だ。自分の彼女がこの程度の画力でドヤ顔してきたら、ハズキルーペの舘ひろし並の優しい声で『この絵好きだなぁ』と応えるしかありません。

音楽性としては、シンガーの歌い回しも含めQueensrÿcheを彷彿とさせるものであり、US産のバンドなのでシャープで都会的だ。それだけにQueensrÿcheとの親和性は高く、本家のようなプログレ臭は難解すぎるなぁと思う方には、こちらの方がストレートにメタルしているので聴きやすいでしょうね。メタリックな質感のギターはテクニック的にも十分、ボトムを支えるリズムプレイも、これまたガチガチのメタルサウンドを支えるに相応しい逞しさがあります。

オリジナルは1988年にU.S. Metal Recordsからのリリース。ややこしいのですがドイツのレーベルです。そして、このバンドの国内盤を出したメルダックの気概に驚いた。このジャケで勝負出来るとおもたんか!
そんな愛すべき点が詰まりまくったマイナーメタル史に燦然と輝く一品ですよ。

このバンドのこと完全に記憶から消えていたよ。


BATTLE BRATT - Battle Bratt - Heat of the Night ★★★ (2019-01-23 14:50:39)

ニューヨーカーなんで都会的なサウンドだ
夜に濡れる哀愁のメロディ
演奏もタイトでドラマ性を盛り立てている
シンガーもジェフ・テイトタイプなので相性は悪くない


UFO - You Are Here ★★★ (2019-01-22 14:35:07)

マイケル・シェンカーが復帰するも、時代的な背景もありUFOが再上昇したとは言えなかった。看板ギタリストの脱退はネームバリュー的には痛いだろうが、音楽性のイニシアチブを誰が握るのかを明確するのは、このバンドによって正しい選択だったろう。新たに加わった凄腕ギタリストのヴィニー・ムーアはマイケルのギタープレイをリスペクト、UFOらしいスタイルで器用な面を見せてくれた。ドラマーにこれまた辣腕ドラマーのジェイソン・ボーナムという新たなる血の導入は、UFOとしてあるべき場所に着地。オーセンティックかつブルージーなサウンドなのに躍動感に満ちており、今までにないアイデアも導入していたりと、野心に満ちた新作は古くて新しい古典ロックだがチャレンジ精神も披露している。

速弾きばかりが話題になる時代にデビューを果たしたヴィニー。彼もそういうニーズに応えデビューした為に、どうしてもシュラプネル系と思われがちだが、彼本来の魅力はそんな画一的なスタイルではないので、こういう柔軟さを披露できたのは大きなチャンスだろう。アコギも使う場面もあり、多彩な才能のアピールしましたね。特に親しみやすいメロディアスなフレーズの導入は今作最大の魅力でしょう。
その裏でパワードラムを轟かせたジェイソンも良かった。そしてフィル・モグは熟練の技で味のある歌を聴かせてくれましたね。


VANDENBERG - Alibi - All the Way ★★★ (2019-01-19 15:23:42)

こういう曲を聴くとカヴァーディルとエイドリアンのコラボに期待していた
もし両者が互いのアイデアを均等に取り込めたらセールスは別として凄い叙情派サウンドを作り上げたろう
口惜しいやぁ


VANDENBERG - Alibi - Alibi ★★★ (2019-01-19 15:20:53)

良いメロディだねぇ
楽曲をより良く際立たせるギターワークも魅力
サビのコーラスの重ね方もゴージャスだねぇ
このバンドは哀愁度が丁度よいんだよねぇ


VANDENBERG - Alibi - Once in a Lifetime ★★★ (2019-01-19 15:17:59)

メインストリームへと切り込もうと大衆性を広げてきました
でも英米のバンドでは出せないムードがある
大陸的なスケールの大きいメロディアスアルバムの中にある
ポップサイドを代表する名曲だ


VANDENBERG - Alibi - How Long ★★★ (2019-01-19 15:15:42)

ヒットチャートを意識したようなシンプルなバラード
その分ストレートに胸に響きます
枯れた味わいの叙情派路線も下手ウマシンガーの力によるところが大きいから不思議だ


TEASER - Teaser (2019-01-19 15:13:25)

エイドリアン・ヴァンデンバーグがプロとして世に出たバンドが1978年にリリースした1st。これを聴けば彼がホワイトスネイクに参加したのも頷けます。自分の名前を冠したVANDENBERGのような、哀愁やメリハリの効かせたギターサウンドなどとは感触は違うが、健在の地味なブルースロックの源流がここにある。個性不足なスタイルだし、オーセンテイックなブルースサウンドが好みの人は楽しめるだろう。


GASTANK - Gastunk ★★ (2019-01-18 14:46:03)

1985年にDogma Recordsからリリースされた3曲入りのシングル。所謂、GASTANKとして一般的に知られるメンバーが揃ってからの正式音源になります。当時はパンク対へヴィメタルみたいな構図もあったように記憶していますが(もうちょっと前かな?)このバンドはDogmaらしい(G.S.I.MやROSE ROSEと同じレーベル)パンキッシュさが前に出たサウンドであり、そこにTATSUの暗い捻くれたセンスのメロディが乗る独特のギターサウンドをあったりと、そのクロスオーヴァースタイルはパンクサイドのみならずメタルサイドからも支持をウケており、デビュー作から特異なスタンスのバンドだった。
彼らにとって重要なハートフルメロディ色は、この時点では薄めだが、ヴィジュアル的な面も含め個性は際立っていた。
個人的には歌い手の持って生き方が、あまりにもジャパニーズパンクス過ぎるので苦手だが、刺激を求める時など、手を出すバンドではあります。

貴重なアナログ盤ですが2016年に再発されたDEAD SONGのボートラとして収録されたので、ファンならずとも聴いてもらいたい一品です。


T'BELL - REPLAY ★★★ (2019-01-18 14:30:07)

フックに富んだメロディは、どれもが爽快感たっぷり。そのあまりにも健康優良児なサウンドプロダクションと嫌みのなさは、ハードなものを主食とする方には喰い足りない面はあれど、爽快感の中にチョイと足しの哀愁は、日本人の琴線に触れる叙情性が高いだろう。歌い手も個性のない普通のシンガーだ。サウンドも癖がなく色んな意味で普通なのだが、哀愁とポップ性を巧みに織り交ぜた歌モノサウンドは、一点の曇りもない青空のような爽快感があり、そこに泣かせのメロディを曲毎に配合成分を変え展開させるから飽きがこない。気がつけば洗練された美旋律の数々に身も心も奪われます。
体調の悪い時は、甘過ぎて聴けなーいとハズキルーペの渡辺謙ばりの大声で叫ぶのですが、タイトルトラックの④辺りまで聴き進めたら、舘ひろしばりに色つきのハズキルーペを掛けながら、T'BELLサウンドにやられるぜと魅了されていますね。胸キュン哀メロナンバーの⑤もええんだよなぁ。
そして、ごめんごめん悪かった、もう一回頭から聴き直すから許してね。真剣に聴き入ります。

AOR色の強さがマイナスに働かない歌モノサウンドの真骨頂を味わえる貴重な一品。メロディ派のマニアならマストな一品でしょう。


WILD RIDE - Tension & Desire ★★★ (2019-01-18 14:10:08)

国内盤は我らがZEROコーポレーションからリリースされたオランダのメロディアスHM/HRバンドが1993年にリリースした1st。流石はZEROが目をつけただけはある高品質のメロディアスロック。フックのあるメロディはポップでキャッチーだが、欧州産らしい叙情性も加味されており、そこにハードなギターも嫌みなく絡む王道中の王道サウンドを披露と、その筋のマニアにはたまらんものがあるでしょう。ツボを押さえたアレンジは、類型的な面はあれどデビュー作で、このクオリティは将来有望株と言ったところなのだが、時代はオルタナ・グランジブーム真っ只中、このようなスタイルの音楽性を受け止めてくれる土壌はなく、次の一手が出なかったのが残念。
叙情派ナンバーばかりではなく、躍動感のあるハードな疾走ナンバーも合間に挟んでいるので、歌モノはちょっと飽きるという方にも手が出しやすいアルバムだっただけに尚更、惜しいなぁと思いますね。リリース時はDEMON DRIVERのジャケと被っていた為に、完全無視していました。やっぱりジャケは重要だなぁと思いました。


GALNERYUS - Voices From the Past Ⅱ - Secret Loser ★★★ (2019-01-17 13:53:31)

オリジナルもオジーのカタログの中では異彩を放つポップソング
大胆なガルネリウス風のアレンジも効いており巧みに演出されている
そのアレンジセンスを楽しむのが一番だろう
それにしても上手いバンドだ


GALNERYUS - Voices From the Past Ⅱ - 1789 ★★★ (2019-01-17 13:50:48)

本家よりも全てが上である
それでもヨナスのヨレヨレの歌も
あえての外し気味のギターも本家にしかない味があり
オリジナルを超えられない曲だろう
上手いバンドは何をやっても様になる


GALNERYUS - Voices From the Past - Whole Lotta Rosie ★★ (2019-01-17 13:48:32)

バンドのイメージから最もかけ離れたAC/DCのカヴァー
どうしてもカラオケ大会的なニュアンスが抜けていないが
タイトな演奏とギターはメタリックヴァージョンとしては優れた出来栄えだ
毛色の違う曲を真正面から受け止めた気概とセンスは買いである


GALNERYUS - Voices From the Past - Waiting for the Night ★★★ (2019-01-17 13:46:34)

泣かせるヴァンデンヴァーグの名曲のカヴァー
バンドのイメージにピッタリのアレンジも効いている
解釈は違えどオリジナルの味を損なわないギターもセンスに溢れている


BLAZE(東京) - Dream Chaser (2019-01-17 13:38:32)

ブラックモアタイプのギタリストとして知られる池田繁久が率いた伝説のバンドだったブレイズ。正式な音源が出るまでに時間が掛かったが、前作は良い意味で70年代テイストの強い作風であり、バンドとしてのルーツを嫌みなく聴かせる好盤。
腕の自身のあるミュージシャンが作り込んでくれたサウンドは懐かしさだけに埋没しない現役感もあり、顔見せとしては上々の一枚だった。
それだけにリリースの間も空きすぎな中でリリースされる今作の期待値は高かったが、思いのほか先人達のアイデアをこする作風に終始しており、おもてたんと違うと感じるのが難点。良くも悪くもセンスが問われる一枚。余りにも○○過ぎる作風は、日本人の悪いところが出過ぎでおり、彼らの音楽性を支持するオジサン達にとっては手厳しいものに映るだろう。素人相手に荒稼ぎする有名なロックデュオの影響が強すぎるよとキーボードの増田に苦言を呈したいくらいだ。このバンドを取り巻く環境を見渡しても、感覚がマヒしていると言わざるを得ない緩い内容になっている。

その遊び感覚に付き合えるかが最大のポイント。そこが好に転ぶ人には、古典的なロックテイストを楽しめる一品。池田と生沢がいるから第3期パープル風になるんだろうが、これがダメなら途中で聴くのを止めてしまうだろう。
演者の中からにじみ出るルーツの音源化、素直な面なあり楽しいだろうが、天然過ぎるとも言える。はやりプロデュースというのは重要なものだ。

それにしても演者は上手い。テクニック的は申し分ないメンツが揃っている。


AXEL RUDI PELL - Diamonds Unlocked - Love Gun ★★★ (2019-01-17 13:18:20)

ラブガンをアコースティカルなバラード調にしたアイデアは良かったが
元々の曲も単調なだけに最後の方で飽きてしまうのが難点
3分くらいで十分な曲だ
ジョニーの歌声もバッチリハマっている


AXEL RUDI PELL - Diamonds Unlocked - Warrior ★★★ (2019-01-17 13:16:18)

ジョニー・ジョエリの声質的にマイク・ディメオに近いイメージだろう
ジョニーの方が何倍も太い声なので逞しい
キメのフレーズなど新しい解釈だ
相変わらずのアクセル流速弾きに笑みもこぼれる


AXEL RUDI PELL - Diamonds Unlocked - Heartbreaker ★★ (2019-01-17 13:14:09)

FREEのカヴァー
ジョニー・ジョエリの熱量の高い歌声がクドい
下手ウマなアクセルギターも堪能
これが今のバンドなんだろう
ええフィーリングがある


WARFARE - Mayhem, Fuckin' Mayhem - Hungry Dogs ★★★ (2019-01-16 14:02:00)

やかましですねぇ
近所迷惑なやかましさが魅力です
破天荒なパンキッシュさが魅力だがメタルの様式も踏まえているのがポイント


WARFARE - Metal Anarchy - Metal Anarchy ★★★ (2019-01-16 13:48:27)

馬鹿テンポ一直線
これがこのバンドの真骨頂
パンキッシュな破壊力と親しみやすいリフレインが印象的
これぞNEATレーベルとも言える魅力に富んでいる


HELLHOUND - Metal Fire From Hell - Metal Psycho ★★★ (2019-01-16 13:45:42)

スラッシーなリフワークもカッコいいです
メタル最高だしメタル再興でもある
火の吹くような派手さとスクリーミングシャウトは正にクロスファイヤーな破壊力だ


HELLHOUND - Metal Fire From Hell - Change the World ★★★ (2019-01-16 13:43:10)

キャッチーやで
耳に残るメロディ
それでもってのド直球のメタルサウンド
青春ですなぁ
涙は心の汗ですなぁ
そんなメタルですよ~


HELLHOUND - Metal Fire From Hell - Warriors of Rising Sun ★★★ (2019-01-16 13:38:16)

コッテコテである
むせ返るような女人禁制男性寮メタルである
その勇ましい男臭さに燃えますね
特別な事などないドが付くメタル道に敬礼あるのみ


HELLHOUND - Tokyo Flying V Massacre - Samurai Warrior ★★★ (2019-01-16 13:34:09)

これぞ日本のメタルか
勇壮なメロディが駆け抜ける大和魂ロック


HELLHOUND - Let Metal Rule the World - Let Metal Rule the World ★★★ (2019-01-16 13:17:28)

ACCEPTばりの雄々しいミドルナンバー
メタルだねぇの一言に尽きる


HELLHOUND - Tokyo Flying V Massacre - Metal Warrior ★★★ (2019-01-16 13:13:52)

WACKENの雄姿も目に浮かびますね
メタル馬鹿一代な男達による至極のメタルサウンド
一歩間違えばパロディになるのだがギリギリのカッコよさ
そのやりきりぶりに目頭が熱くなりますね
海外のメタルキッズをブッ飛ばした彼らを代表する一曲でしょう


MICHAEL SCHENKER FEST - Resurrection - Anchors Away ★★★ (2019-01-15 15:07:22)

妖しげなムードも漂う叙情派ナンバー
ドゥギーの歌メロも使い回し感がハンパないが
知らない人にとっては新鮮な響きとなるだろう
色気のあるトーンを操るソロが聴きどころ


MICHAEL SCHENKER FEST - Resurrection - Time Knows When It's Time ★★★ (2019-01-15 15:03:29)

ここで歌うはロビン・マッコリー
ストレートなハードナンバー
皆が参加するビックコーラスも耳に残ります
シンプルだがマイケル節も炸裂です


MICHAEL SCHENKER FEST - Resurrection - Messin’ Around ★★ (2019-01-15 14:54:15)

ゲイリー・バーテンがリードボーカルを担当する軽快なロックナンバー
公開処刑状態だが
これがゲイリー・バーテンなんだと言いたい
アンサンブルのユルさも含め上手い下手ではない味で勝負です


ARTILLERY - Penalty by Perception ★★★ (2019-01-15 13:45:01)

歌えるシンガーを手に入れ表現力を増したデンマークの砲兵軍団。中近東風のフレーズや一癖も二癖もあるリフワークは健在、根幹となるアグレッションを保持しつつも、メロディアスな親しみやすさも増量と見事に新体制の可能性を広げている。ある意味、3rdの作風を歌えるシンガーで作りなおしましたとも言えるようなアイデアもあり、微妙な違和感は拭えないが、カッチリとハマった時のパワーと可能性はハンパない。
TANKのシンガーがドゥギー・ホワイトに変わった時のような出来事なんだろうが、このバンドは、既にこの路線でのキャリアを着実に歩み始めている。更なる普遍的なメタルへの接近は古参ファンには厳しいだろうが、哀愁の旋律にまとわりつく勇壮なリズムとステュッツァー兄弟が紡ぐ持ち前の個性的なアイデアを下地に、柔軟性を持ち合わせた音楽性は唯一無二の個性を放っているのだろう。自分達のアイデンティティを壊さずに、幅広い層に訴えかけたスタイルと言うのは、好む好まざるを問わず認めないと行けいない事なのでしょう。


ARTILLERY - Legions ★★★ (2019-01-14 13:19:06)

ここでシンガーが交代、益々癖のないメタルシンガーへと変わった。オープニングから中近東風のフレーズを導入、ザクザクと刻まれるリフの心地よさも手伝い新生砲兵軍団サウンドは、より普遍的で洗練されたパワーメタル色を強める事に成功。世界中がリバイバルブームに包まれる普遍的なメタルサウンドへの邂逅。彼らは絶妙なモデルチェンジを繰り返しながらシーン攻略への新たなる戦力図を開示した。
間口は広がったが殺傷力の高いメロディアスなツインリードは健在、ドゥギー・ホワイトが歌っているのかと思う②とか聴けば、戸惑いがないわけではない、それでも従来のスタイルとなんら変わっていないと確信させる楽曲構成に唸らされました。
確かに、この路線ではフレミング・ロンスドルフでは太刀打ちできないが、初期の曲をライブでは、どうなっているのか興味も湧きますね。


ARTILLERY - My Blood ★★★ (2019-01-14 13:04:53)

デンマークの砲兵軍団の再々結成第2弾は前作以上にパワーメタル色を強めた意欲作となった。歌えるシンガー、ソレン・アダムセンの存在感も大きいのだろうが、突破力の高いアグレッションは健在。そこにねじ込まれる中近東風のメロディと癖の強いリフワークは唯一無二の個性として光り輝いています。普遍的なメタルへの接近は大きな意味でファン層を拡大する事に成功。この音楽性を引っ提げの本格的な復活は、バンドの新たなる進軍の狼煙となるには十分すぎるほどの勢いに満ち溢れている。
これほどのブルタリティとスラッシーさを保持しながらもメロディに引っ掛かりのあるバンドは稀な存在だ。イエテボリ勢のような泣け泣けではない、あくまでも挑発的な上で聴かせるメロディと言う離れ業に、ただただ驚嘆あるのみ。練りに練り込まれたアイデアとセンスに脱帽ですよ。


ARTILLERY - B.A.C.K. ★★★ (2019-01-14 12:54:04)

80年代から90年代の頭までに3枚のアルバムを残したデンマークを代表する伝説のスラッシュメタルバンドが2000年を目前に再結成。バンドの中核を担うモルテンとマイケルのステュッツァー兄弟がいるので、これは安心の材料になりました。時代的に復帰したバンドが、かつての面影がない別バンド的なものも少なくないだけに不安は払拭、個性的な掠れ声のフレミングまでいるのでね。

スタイル的には2000年を見据えてダイハードなハードコア色も強め、ヨーロピアン調の情緒は薄まったが、突破力の高い疾走感と、捻くれたメロディセンスは残しているので、往年の姿と今を生き抜くバンドの気概は大いに買いでしょう。
当時のワタクシには流れ的にゴリゴリ感が強めで、やや単調に成りがちなのが難点。アルバムを通して聴くと肩が凝ってしまうような、遊びの少なさや日本盤収録のボートラの方が、彼ららしいと感じたりして熱心に聴かなかったのだが、色んな免疫や耐性が出来た今の感性で聴くと、根幹はオールドスタイルなのだが、当時としては斬新とも言えるブルタリティを加味させたバランス感覚に優れた作風に仕上げていた事に気付かされる。
結局、再結成は短命に終わり、次の一手が出なかった為にイマイチ印象に残らないアルバムになっているのだが、
ポーランドの老舗レーベルMetal Mind Productionsから2018年にはボートラ込みで再発されているので、昨今の彼らに触れ、バンドの興味を持ったマニアなら是非ともトライして欲しい癖が強めの一枚ですね。


REVEREND - Reverend ★★★ (2019-01-13 14:05:23)

すったもんだの挙句に結成へと進んだバンドのEP。動きも速く早速4曲入りのEPをリリース。その個性的な歌声で人気も高かった実力者のデヴィッド・ウェインを手に入れたデニス・オハラとブライアン・コーバンのHERETIC組にとっては倍返しだと叫びたくなったでしょうね。
そんなゴシップ好きにとっては音源よりも、韓流ドラマ張りのドロドロ感にテンションも上がりそうですが、パワフルかつスラッシーなサウンドはギミックなしの正攻法で勝負を掛ける逞しさがあり、フルアルバムへの期待も高まる挨拶代わりの一品でしたね。

US産のアングラメタルなんで愛想は良くありませんが、この独特の緊張感を醸し出す鋭利なサウンドワークと万力でキリキリと締め上げたようなタイトなリズムは、この手のサウンドの専売特許。これが苦手となると全てがダメになるのだが、緩急を効かせて歌い上げるRitualなどを聴けば、ポッと出の新人バンドでは出せない貫禄も漂い、余計な色気を出さずにシンプルにパワーメタルをやりきっているのがポイントだ。


HERETIC - Breaking Point ★★★ (2019-01-13 13:41:29)

Metal Churchのカート・ヴァンダフーフにプロデュースをお願いし作られた待望のフルアルバム。シンガーも歌えるマイク・ハウの交代とお膳立ては揃いました。
Metal Churchと親和性の高い音楽性だっただけにバンドの推進力には成ったのだが、今作を制作時にシンガーの引き抜きを行いカートがマイクを連れていくと言う背信行為を行ったゴシップニュース満載の話題性の方が今日では印象が強いのですが、パワフルかつアグレッシブなアングラUSメタルの代表的な音が詰まっており、その筋のマニアなら必ず満足出来るクオリティを保持、期待を裏切らない展開と丹念に作り上げたサウンドは表情も豊かになった(US産なので歌謡曲並のキャッチーなメロディや分かりやすさはありません)
しかし、アルバムリリース時にはマイクはバンドを抜けており、実態もなく、そのせいで程なく解散に追い込まれる。これほどの質の高いアルバムがあるのに、世に出れなかったのは残念なのだが、このバンドの文春砲は、この程度で終わる事無く、ギターのブライアン・コーバンと日系人ベーシストのデニス・オハラはMetal Churchを抜けたデヴィット・ウェインと今度はReverend結成へと動くと言う最大のオチが待っているのに興奮を覚えます。 そんな情報過多のせいでイマイチ、音が入ってこなくなるのが個人的には難点なのですが、パワーで押し切るのではない切れ味の鋭さも、このバンドの魅力。基本的なメタルのマナーとUSアングラメタルの魅力を内包した一枚は、質の高さや完成度も含めトップ級の出来栄えだ。


HERETIC - Torture Knows No Boundary ★★ (2019-01-13 13:19:11)

US産の地下メタルシーンを語る上では外すことのできないガチガチのコンクリートサウンドが売りのバンドによるデビューEP。前任のシンガーである、マイク・タワーズがAbattoirの参加する為に脱退、その後任として参加したのがジュリアン・メンドーサ。彼は現在再結成されたHereticのシンガーとしても知られています。
オープニングからSamsonもシングルカットまでして取り上げたラス・バラードのカヴァーで始まる展開に驚きましたが、ダークな設えの無機質な響きはアングラUSパワーメタルならではの魅力があり、これぞメタルブレイドならではのアングラ感もマニア筋の好奇心を歓喜するのだが、スピード&キャッチー感を好むマニアにはウケないだろう。しかし剛毅に打ち鳴らされる無愛想なサウンドに一定の需要は必ずあると思います。平坦なサウンドプロダクションが醸し出すマイナー感も含め当時のアングラメタルシーンを知る上では押さえておきたいですね。


Fury - Fury - Look out Now ★★★ (2019-01-12 16:34:44)

哀愁のあるメロディと熱を帯びた確かな歌声
丁度いい感じのオシャレ感がまたイイ


Fury - Fury - Keep on Dreamin ★★ (2019-01-12 16:31:17)

爽快でポップでオシャレなロック
若い頃なら絶対に聴かなかったジャンル
ワシも日和ったなぁと心の底から思うが
産業ロックと言う言葉がシックリくる一曲


Fury (2019-01-12 16:12:56)

Robbie LeBlancとBrian LeBlanc兄弟によるロックデュオ。アルバム一枚で消えたがユニット。2005年にFrontiers RecordsからBlanc Faces名義でアルバムをリリースする実力派。


FIND ME - Dark Angel ★★★ (2019-01-12 16:02:28)

今や歌モノロックの総本山と化したイタリアのFrontiers Records。かつては日本も海外のマニアを歓喜させるようなものを復刻させたり、独自の契約で良品を出す優れたメタル大国だったのですが、今やありとあらゆる面でセカンドラインとへと格下げされましたね。
このバンドはプロデュース業に精を出すダニエル・フローレスが、元Furyのシンガーだったロビー・ラ・ブランクと組んだロックプロジェクトの第2弾。
弾けるポップセンスと哀切を生かした叙情的なメロディが巧みに絡み合う極上のAOR系の叙情派HM/HRサウンドを披露。癖のないメロディとフックに富んだ展開は、メロディ派の琴線に触れまくるでしょうね。ソングライティングチームもFrontiers謹製だしね、間違いのない良質な一品へと仕上げています。プロデュースのみならずドラムにキーボードも兼務するバンドの頭脳ダニエル・フローレスのアイデアが基なんだろうが、良く練り込まれていますね。大衆性と北欧ならではのメロセンスが嫌みなく溶け合い、大きなうねりを生み出すアリーナ級のビックロックは、どれもがシングルカットされる勢いだ。上手い歌と出しゃばらないが存在感のあるギターも華を添えロックプロジェクトの快進撃へと一役買っているのも見逃せません。
目新しさなど必要としないジャンル故の強さか、この堅実な作り込みの安定感に唸らされましたね。


CARE OF NIGHT - Connected ★★★ (2019-01-12 15:43:52)

ドイツのAor Heavenからリリースされた記念すべき1st。北欧産の叙情派メロディアスHM/HRサウンドをAor Heavenが手掛けるんだからハズレを掴まされるわけが御座いません。期待を裏切らない展開は、テクノロジー以外でグランジやオルタナなんてブームがあったんかと錯覚させるような80年代テイスト満載の素直なサウンドは、フックに富んだ哀愁のメロディと瑞々しい北欧の風が吹く、もはや古典とも言えるスタイルを踏襲。繊細さとロックのダイナミズムさを巧みに織り込ませながら、切なさと甘美なポップセンスが両立させるブランドサウンドを余すことなく聴かせてくれます。
歌を大切にした作りながらも優しく包み込むキーボードの甘美な旋律、そしてツボを押さえた情感豊かなギター、あまりにも出来過ぎ感が強いために、大きな個性を見つける事は出来ないが、メジャー級の洗練度と完成度の高さは、デビュー作としては申し分ない出来栄えであり、聴き込む程に味わい深さも出てくる。
それにしても改めて北欧のバンドはメロディの組み立て方が上手いと再確認させられた。そりゃ国内盤がRUBICON MUSICから出たのも理解できますね。


PHENOMENA - Awakening ★★ (2019-01-11 19:55:13)

1.Smash It Up (Lee Small on Vocals, Mat Sinner Bass, Magnus Karlsson Lead Guitars)

2.Reality (Toby Hitchcock on vocals and Mike Slamer on Lead Guitars)

3.Homeland (Rob Moratti on vocals and Martin Kronlund on all Guitars)

4.Going Away (James Christian vocals and Tommy Denander Martin Kronlund on Guitars)

5.Gotta Move (Ralf Scheepers on vocals and Christian Wolff &Tommy Denander on Guitars)

6.How Long (Lee Small on vocals and Martin Kronlund on Guitars)

7.Shake (Mike DiMeo on Vocal and Martin Kronlund on Guitars)

8.Fighter (Terry Brock on vocals and Steve Newman on Guitars and backing vocals)

9.Dancing Days (Niklas Swedentorp on Lead Vocals with all Coldspell members)

10.Stand Up For Love (Chris Antblad with JAVA Gospel Choir)

上記豪華ゲストが参加しためるトム・ギャレー主催のフェノメナプロジェクト第6弾。ド頭からリー・スモールのグレン・ヒューズを彷彿とさせるエモーショナルが歌声が炸裂、楽曲も今まで以上にAOR風味満点のHM/HRサウンドを披露と、随分と垢抜けた印象が強い。適材適所とも言える名シンガーが揃い、自慢の喉を披露と、ちょっとしたカラオケ大会の模様だ。そんな豪華な顔触れの恥じないゴージャズな雰囲気の歌モノロックは、派手になった分、このプロジェクト独特のコクのようなものが薄まり、レーベルの意向に沿った企画モノへと変貌したように感じる。
ロブ・モラッティが歌う③はグレン・ヒューズのソロ『From Now On』からだったりと、既発音源もあるから尚更だったりするのだが、そんな細かい事を気にせずに、名シンガーと腕利きギタリストとの共演を楽しむのが一番でしょう。
こういうお祭り感の強まった企画モノは楽しんだモノ勝ちですからねぇ。


ZOETROPE - Mind Over Splatter ★★★ (2019-01-10 16:13:51)

一度空中分解したバンドをリードギターだったケヴィン・マイケルがバンドを再興。今作は1993年にリリースされた3rd。3曲目にはメガデスのYouthanasiaでボツった曲を収録したりと期待された中でのリリースだったのか、俄然期待値の上がる作品へとなりました。他にも⑥のIt's My Lifeは、あのダニー・ジョンソン時代のアルカトラスをカヴァーしたりとマニアならウズウズしてくるラインナップです。かつてのようなハードコアスピードメタルとは違い、より正統性とスラッシュ成分を高め過去と未来予想図を巧みに混ぜ込ませた内容となっており、⑩ではラップも披露と現役感をアピール、アメリカンヤクザメタルバンドの矜持を保ちましたかね。この後に続く音源がないようなので、このラインナップが上手くいったとは言い難いが、2018年には再結成したとも言われる彼ら、US産ならではのステゴロコンクリートメタルに興味のある方は聴いて損はしないでしょう。それにしてもダニー・ジョンソン時代を取り上げるとは渋いなぁ


GRIM REAPER - Walking In The Shadows ★★ (2019-01-09 19:23:56)

名義としてはSteve Grimmett's Grim Reaperとして復活したバンドなのだろう?パワフルでハイテンションのスピード感が突き抜ける、あのサウンドを期待すると完全に肩透かしを喰らうが、未だに衰えを感じさせない主役たるスティーブ・グリメットの歌唱スタイルは健在だ。その歌声だけで聴き堪えるのは難しいのだが、何となく最後まで雰囲気で持たせたのは流石であろう。
今の若い人にとっては、トラディショナルなHM/HRとして楽しめるが、かつての雄姿を知るものとしては全般的に地味で、スピードとパワーのみならず、豪快さで酔わせてくれたメタルサウンドで無かったのが残念だ。
何を求めるかで大きく評価を分ける一枚だが、突き抜けるものがなくとも、グリメットの伸びやかなメタルヴォイスを楽しめる一枚である事は間違いない。


GRAVESTONE - Back to Attack ★★★ (2019-01-09 19:10:45)

まずはオープニングから景気よく駆け抜けます。バンドメンバーの結束力も高まったのか前作よりもバラエティの富んだ内容になっており、余りのも遊びのなかった前作の反省を踏まえた音楽性の充実度は高い。
ただ残念なのは前作よりもミックスのバランスが悪くベースの音も目立たず低音の迫力不足感は否めず、せっかくのパワフルなジャーマンスタイルが活きてこないのが残念だ。また名手マティアス・ディートも今作で脱退。この後、SINNERへと参加するのですが、ギターコンビも前作程の見せ場がないように感じるのも残念。ハロウィーン登場前のジャーマンシーンを知る上では外す事の出来ないバンドであり、マニアならずとも聴いて欲しい一枚です。ベンド名やコンセプト的にはGRAVE DIGGER辺りに近いのだろう。個人的にはシンガーの声質も手伝いドイツのLOUDNESS的なスタイルにも感じる。メジャーな存在には成れなかったがアイデアとセンスを持ち合わせたバンドだった。


GRAVESTONE - Victim of Chains - For a Girl ★★★ (2019-01-09 18:56:41)

パワフルでタイトな演奏が堪能出来ます
このバンドの魅力を端的に表す一曲
今アルバムのハイライト的なナンバーでしょう
アイデア豊富なギタープレイも彩りを添えています


GRAVESTONE - Victim of Chains - So Sad ★★★ (2019-01-09 18:55:15)

泣きのバラードです
暗く湿ったメロディが泣かせます


GRAVESTONE - Victim of Chains - Fly Like an Eagle ★★ (2019-01-09 18:53:49)

BLACKOUTを彷彿とさせる屈強なリフワークが耳を惹きますね
歌もハイテンション過ぎる
二井原実タイプでしょう
近いところではHellhoundやMastermind佐藤則夫を思い出します
あっさりと終わるのがチト残念ですね


GRAVESTONE - Victim of Chains ★★★ (2019-01-09 18:49:36)

日本でも今一つ知名度を上げれなかった古参ジャーマンメタルバンドの3rd。デビュー時はもっと前衛的でプログレテイストの強い音楽性だったらしく、今作リリースの時点でオリジナルメンバーが不在的なバンドであり古参のヴォーカル、ベルティ・マイダンも元々はベースだったらしい?しかも2枚目のアルバムには不参加、3枚目の今作に復帰であり音楽性がガラリと変わったんだから当然ともいえるのだが、どうしてこのバンド名義で活動を続けガチンコのジャーマンメタルになったかは興味もありますね。
ややこしい経歴のバンドなのですが、彼らがマニア筋のメタルファンに愛される理由は剛毅なジャーマンスタイルのみならず、叙情性を塗した泣きの世界観を巧みに描き上げる点にある。ハロウィーン登場前の気骨のあるACCEPTスタイルとSCORPIONS路線ってのを掛け合わせたのがポイント。
パワフルなギターリフやズンズンと突進してくるグルーブも心地よく鳴り響き、ソロでは色気のあるプレイを魅せる。まさにへヴィメタルな美点が詰まっており、突き抜けるものはないが、グツグツと何かが沸騰するようなハイエナジーなサウンドではある。
個人的には、こういう垢ぬけないサウンドは大好物で、むしろこれをイケなきゃメタル聴いてもツマンナイよと言いたくなる一品であり、ある意味基本ともいえる音楽性だ。メジャー級のポップセンスや派手に走るのは、トム・クルーズ主演のスパイ映画と同じで、面白いし仕掛けも多いが、それは基本にはならないのでね。

初心者の方にこれをいきなり聴けとは言わないが、そろそろ自分のルーツ的なものを見定めたいと思うマニアには強くススメたい一品。歯応えのあるパワフルな演奏と情緒のあるメロディ、屈強なリズムは正にへヴィメタルの醍醐味、実直過ぎる為にメタルを聴かない人にとっては、もっともつまらない音楽性だろうが、稀代のメロディメイカー、マティアス・ディートの名前を広めた意味でも歴史的に大きい一枚。試す価値は十分にあると思いますよ。


ROCK GODDESS - Hell Hath No Fury - In the Night ★★★ (2019-01-07 10:58:29)

哀愁のメロディが耳を惹きますね
硬軟交えた楽曲に成長の跡も伺えます
クリスが提示した方向性が間違ってはいないと言う事を雄弁に物語る一曲である


ROCK GODDESS - I Didn't Know I Loved You (Till I Saw You Rock and Roll) ★★ (2019-01-07 10:37:00)

2ndリリース後にシングルカットされたGary Glitterのカヴァー
この曲はアメリカ盤のアルバムに収録されたもので英国盤には未収録である
ちなみに日本盤は英国のものだった
PVを見てドラムの妹がやる気なしなのがチョイと面白い
まるでSince You've Been Goneのコージー・パウエルみたいだ(笑)
アメリカ進出の為のオーダー
ベースの娘が妊娠を理由にバンドを脱退
全米ツアーを前に活動は暗礁に乗り上げる


ROCK GODDESS - Hell Hath No Fury ★★★ (2019-01-07 10:13:15)

早くもベースが交代しているがターナー姉妹が揃っていればバンドは盤石なんだろう。今作は名手クリス・タンガリーディスをプロデューサーに迎え、早くも音楽性をモデルチェンジ。クリスの手により進化したバンドサウンドは音質やプレイの向上もさることながら、メリハリをつけることに成功した事が大きい。歌メロの充実やコーラスワークの装飾と1stで魅せていた叙情性と洗練度を上げる事でシャープさに磨きが掛かり、よりソリッドでパワフルに変貌した。
バンドとしてのプレイアビリティや楽曲面でのクオリティは前作を遥かに凌ぐ出来栄えで正統性の高いHM/HRが大好きな方なら大いに楽しんでもらえるでしょう。よく言うじゃないですか『女は見た目じゃない愛嬌だ』『容姿じゃない心根が大切なんだ』とかね。このサウンドは正に、その見た目じゃない愛嬌であり心を大切にした本格派のサウンドに生まれ変わりましたよ。デビュー当時からメロディを大切にしていたバンドだからねぇ。
クリスが関わったGirlschoolの『Screaming Blue Murder』とリンクする部分も多いかなぁ。


ROCK GODDESS - Rock Goddess ★★★ (2019-01-07 09:53:41)

NWOBHMムーブメントの流れは大きな潮流を作りだし多くのバンドを輩出した。まぁNWOBHMというのは1979~81年くらいのことをいうんだよと、思う人にとってはなんのこっちゃわからないになるのでしょうが、NWOBHMというのが現象であるのと同時にシーンと言うかジャンルへと昇華した音楽性だと思っているので、洗練され短命に終わったとされる説はあるが、こういうバンドの音を聴かされるとNWOBHMの影響を無くしては語れなくNWOBHMと呼んだ方がシックリくるだろう。
GIRLSHCOOLに続けとばかりにロンドンからデビューを果たした女性3人組のバンド。バンドの顔であるVo.Gのジョディ・ターナーのパワフルヴォイスを軸に、豪快なロックサウンドと叙情的なメロディも配したサウンドは聴き応え十分。それもプロデューサーがGIRLSHCOOLを手掛けたヴィック・マイレだったのも大きいだろう。しなやかさと硬派なスタイルを巧みに馴染ませ、猪突猛進型のGIRLSHCOOLとは明確に違いを見せている。タイプは違えど、ロックディーバ3人組も男勝りなド迫力サウンドで勝負を掛けていた。
ちなみにジョディとドラムのジュリー・ターナーは姉妹です。


THE RODS - Wild Dogs ★★★ (2019-01-07 09:25:59)

派手さには欠けるが堅実なサウンドが売りのバンドだったTHE RODS。Vo.Gのデイヴィッド・フェインスタインがロニー・ジェイムス・ディオの従弟でELFのメンバーだっとのもチョイとした話題となり、マニア筋からは注目される存在。商業的な成功を収められなかったが、質実剛健とした硬派なハードサウンドのテンションは高い。沸々と燃え盛るクールな叫び、好対照な魅力をギュッと纏め熱を帯びたハードエモーションがエネルギーとなり放出するのは、やはりニューヨーカーならではの所作なのかイモ臭さはない。
AC/DCやSAXONといったスタイルに近いアメリカンロックの実力派バンド、大らかで大陸的なグルーブに中に、情念とも言える情緒があるのも彼らの魅力だ。


Ария(ARIA) - Герой асфальта: 20 лет ★★★ (2019-01-05 12:02:30)

英語に訳すならHero of Asphalt 20 Yearsと銘打ったライブ盤になります。彼らの歴史では3枚目にあたる『Hero of Asphalt』の完全再現を実施、前後にバンドの代表曲を挟むのだから、これが駄作になるわけがない。
癖の強いロシアン民謡調のメロディやロシアンバロック様式からの影響をふんだんに取り込み、アイアンメイデン風に纏め上げた楽曲は、どれもが一発でアーリアのものだと分かる個性に溢れている。
言語も今だにロシア語に拘っている為に、今一つワールドワイドな存在になれないが、80年代からずっとメタル一筋で活動を続けてきたレジェンドバンド。特筆すべきはグランジやオルタナからの影響を全く寄せ付けなかったという、気合いの入りようが魅力となっている。昨今ではユーロ圏の進出も果たしているロシアンメタルの皇帝。高い演奏力と会場を飲みこむ圧巻のパフォーマンス、ベスト的な意味も込めて、アーリアの魅力を知る上では重宝する一枚でしょうね。


JOHN LAWTON & DIANA EXPRESS - The Power of Mind ★★ (2019-01-05 11:42:17)

稀代の名シンガー、我らがジョン・ロートンがブルガリアのレジェンドロックバンドDIANA EXPRESSとコラボしたアルバム。リリースは2012年ですが、衰え知らずに美声に改めて酔いしれます。
リリシズム溢れるピアノをバックにジョンが朗々と歌い上げる様の逞しい事、そこにPleven Philharmonic Orchestraの演奏がが大導入と、ほとんどの曲が本当に意味でのシンフォニックなサウンドです。ロック然としたパワフルさや、エッジの聴いたナンバーはありません。ですから歯応えのあるハードなモノを期待すると眠たくなる一枚なのですが、そんなスローナンバーの合間に、オーソドックスなノリノリのロックナンバー『Maxi Rock』『Rock And Roll Is My Thing』みたいなものを挟まれると、思わず笑みもこぼれます。

喧騒な日常から離れ心を癒したい、そんなヒーリング系のサウンドに近いものもある、ジョン・ロートンが歌うロックプロジェクト、HEEPマニア以外にも、上手い歌が聴きたいと思う方なら大いに楽しめるでしょう。
個人的にはご存じないのですが、一番の話題はDIANA EXPRESSとジョンの共演なんでしょうけどね。


ANGEL WITCH - Burn The White Witch - Live In London - Flight 19 ★★★ (2019-01-03 12:13:08)

怪しげでサタニカルなサウンドは特徴的ですね
これぞエンジェルウィッチな一曲


ELIXIR - The Son of Odin - Treachery ★★★ (2019-01-03 12:10:58)

回転するリフワーク
けたたましいドラミング
激しくも重々しいへヴィなサウンドがカッコいい
英国的な翳りと哀愁NWOBHMな一曲ですね


PRAYING MANTIS - Captured Alive in Tokyo City - Captured City ★★★ (2019-01-03 12:06:57)

幻の名曲をエンディングに収録とはね
泣かせる演出ですよ
マンティスファンにとっては思いで深い哀愁のナンバー
ゲイリー・バーテンが歌おうがなんだろうが
こうして日の目を浴びた事に意義がある


TANK - Sturmpanzer ★★ (2019-01-03 12:00:06)

アルジー・ワード一人で作り上げた、もう一つのタンク。ややこしい事この上ないのですが、アルジーの不器用な歌声が看板だっただけに、武骨なメタルサウンドに、この声が乗っかればTANKらしさも倍増だ。
全般的な詰めの甘さや、デモ音源的な手触りから抜け切れていないように感じるのだが、初期のパンクスピリットからNWOBHMを抜けた叙情派風味満点の時代までを網羅した作風は、アルジーファンなら大いに楽しめるでしょう。

1979年に勃発したNWOBHM、ことして40周年を迎えます。アルジーには、もう一度、華を咲かせて欲しいね


BATTLEFIELD - We Come to Fight ★★ (2018-12-28 09:10:35)

女性シンガー、コーネリア・エルンストを擁するツインギター編成のスピード/スラッシュ系メタルバンドのデビューEP。シングルノートでガラガラゴロゴロと勢いよく突っ込んでくるが、かなりの粗削りなあらびき団ぶりを発揮する。でもそこがクサレマイナーメタルマニアのハートに火をつける要因。レコーディング技術やテクニックなどクソ喰らえと言わんばかりに、何かをブチ破ろうと型破りなスピード感に、色んな意味で擦り傷まみれの殺傷力がある。
スピードに特化したスタイルではあるが、メロディに気を配しており、楽曲構成にも気を配っている。バランス感覚はけして悪くはない。自主製作故の脆弱な環境がポテンシャルの高さを生かしていない面はあるが、それで切り捨てるには惜しいサウンドだ。
日本でいえばメジャーデビュー前のAIONとかを思い出す、攻撃性とメロディのバランスには通ずる要素もあり、日本人的な感性でも楽しめるだろう。ドイツ産と言うのも、そういった要因なのかもしれない。身も蓋もないスピード命な作風は、5曲入りのEPとしてはギリセーフ。7曲入りなら飽きるだろう。そんな音楽性もまた、クサレマニアにはたまらんのです。初心者厳禁なアングラメタルに興味のあるスピード狂なら楽しめるでしょう。


ZED YAGO - Pilgrimage ★★★ (2018-12-28 08:40:44)

デビュー作である前作に『The Flying Dutchman』という曲があるのだが、このバンドにとっては、このタイトルに全てがある。有名な幽霊船の話でパイレーツカリビアンのジャック・スパローのキャラ設定になども影響を与えている。その船長がオランダ人なのだ。そしてこの話をテーマに有名なクラシックの作曲家ワグナーがオペラを創作、そのコンセプトをバンドに組みこみ音楽性を作り上げたのがバンドの成り立ちとなる。前作もコンセプト色を感じるが、今作もその流れを継承。
そしてオープニングからワグナーの曲を引用したりと、シリアスな鋼の硬質サウンドを披露。欧州的翳りのあるメロディと光沢のある艶めかしいサウンドは唯一無二の個性を放っている。
英語が分からないので、どこまで幽霊船に拘ったストーリー展開が行われているか見当もつかないが、DIO風の正統派サウンドは、十分すぎるほどの世界観を演出している。当時日本一権威のある雑誌では、そんなコンセプトには触れずに、歌がイマイチと言われ低評価を喰らったアルバム。だから輸入盤市場でも動きが悪かったと言うが、結局バンドは、今作リリース後にレーベルとの関係もこじらせバンドは解散。短命に終わったが為にイマイチ認知されなかったというのもマイナーな存在で終わった要因だろう。
シンガーのユッタ嬢は、新たにVelvet Viper結成へと動き出す。こうして改めて音源に触れると、ある意味、このバンドはVelvet Viper前身とも言えるだろう。
ダークな設えの叙情派メタルサウンドが好みの方なら大いに楽しめるでしょうね。


ZED YAGO - From Over Yonder ★★★ (2018-12-27 01:52:32)

ドイツロック界の草分け的な女性シンガーのユッタ嬢がフロントを飾るバンドの1st。オープニングから堂に入った本格派の王道HM/HRサウンドを披露。歯応えのあるハードさとダイナミズムに仰け反ります。次の②はオペラと言うのかシンフォニックな楽曲を用意、歌はなく語りで終わりへヴィな③へと流れてきます。
欧州的な叙情性とミドルテンポ中心の楽曲はパワーが漲っている。歌メロも練り上げられており、②で魅せた展開が他の楽曲にも通ずる面があり、大げさではないがドラマを感じさせるパートもあったりする。
演奏は至ってシリアス、大真面目な展開はドイツのバンドらしい生真面目さが前に出ているが、派手なギターソロなど印象的なパートも用意されており、速さを求める方にはウケないだろうが、DIOなどに代表される、メタリックな質感と様式美然とした世界観が好きな人なら大いに楽しめるでしょう。
CHASTAINのようなギターヒーローはいないが、バランス感覚は負けてない。同系統ならUS産のHELLIONよりも情緒があるので、このバンドの方が好みだ。ミドルテンポ中心でも最後まで聴かせた手腕は褒めるべき点、そしてパワフルな楽曲に負けない歌声あっての評価でもある。やはり正統派は歌が命と思わずにはいられませんね。


BRESLAU - Volksmusik ★★★ (2018-12-27 01:31:06)

ドイツ人ギタリスト、アレックス・パルシュ率いるバンドの1st。ここでフロントを飾るのが、Velvet Viperユッタ・ウェインホールド嬢です。リリースは1982年ですから、彼女はキャリアのあるシンガーとして今でも現役とは驚きましたよ。
ここで聴けるサウンドは古典的なハードサウンド、パワーコードをかき鳴らすブルースベースの縦ノリロックサウンドは、AC/DCなどに代表される陽性なヤツです。これといって大きな仕掛けもなく淡々と進む構成は普遍的なロックサウンドが好物の人にとっては、おかわり自由の食べ放題感覚でご機嫌でしょうが、苦手な人にとっては、味も素っ気もありゃしない雑な大味サウンドとなりますので、趣味趣向によって大きく評価を分けるでしょう。ましてやドイツ語で歌っているので、語感が気になる人なら尚更です。

主役のアレックス氏もテクニックで勝負するタイプではないようで、その渋さを讃えたギタープレイはブルースベースだが、太くてコシのあるトーンを響かせ、多彩なフレーズを盛り込んでくる。誰が聴いてもノレるような王道スタイルを派手に盛り込み、渋さと同じくらいギンギンに聴かせてくれる。古典的なハードサウンドマニアには、行きつけの大衆食堂のような居心地の良さがあるでしょうね。


LONE AGE - Mama Look at Me Now ★★★ (2018-12-27 01:08:55)

Zed Yagoのギタリスト、グナール・ヘイセが中心となり結成されたバンドの1st。ここで聴けるのは厳つ目のメタルサウンドではなく、グナールのエモーショナルなギターをフィーチャーしたオーソドックスなサウンドを披露。狙うはWHITESNAKEのような味のあるスタイルへと向かっています。
適度なポップさとハードサウンドは聴き心地も上々で、個性は薄いがソツなく纏めた手腕は見事。有名なメンバーがいなくとも、実力者が集えば、これくらいの出来栄えは当然なんだと言えるほど、注文通りの音楽性だ。
ダイナミックなロックサウンドに、時折絡ませる爽やかさも悪くない、むしろポップな隠し味を際立たせる薬味としては持ってこいとも言える調理の仕方も上手い。
凝ったアレンジなど導入しなくとも充実したアレンジと演奏力は、派手さはないがワイルドなロックテイストも十分に感じさせる。
全体的に個性不足で平均点と言えなくもないが、今のご時世、こういった普通のサウンドは、ある意味貴重である。リリースが1992年、当時でも絶滅に瀕していたサウンドだった。
チョイブルージーな普遍的HM/HRが好きな人なら大いに楽しめるだろう。


VICIOUS RUMORS - Warball ★★★ (2018-12-26 02:18:47)

US産パワーメタルの最高峰に位置する伝説のバンドによる原点回帰を告げるカムバック賞アルバム第一弾。90年代から始まるへヴィネスブームに飲み込まれ、初期のファンにとっては迷走期と呼べる時代からの脱却に歓喜ですが、それ以上に嬉しいのは、過去にすり寄るだけではないモダン時代も無駄にはしていないアレンジが見事。このアルバム一枚で喧嘩別れした実力派シンガーのジェイムズ・リヴェラも素晴らしいパフォーマンスを披露と、天国のカール・アルバートも成仏出来たでしょう。彼の没後は、それくらい本分を見失っていたと酷評されていましたからね。

このバンドの魅力とは何か、それはへヴィでアグレッシブなサウンドだが、メロディアスな側面の失わないと言うバランス感覚が最大の売りだった。活きのいいリフワークとアイデア豊富なツインギターの絡み、ジェフ・ソープのキレまくりのシュレッドギターもハマり、多くの場面でスリリングな見せ場を作りだしている。ダイナミックなのにキメの細かいサウンドはメタルな耳には、この上なく心地が良い。へヴィでダークだが、聴きやすく感じるのも、このあたりのアレンジがキマっているからだろう。

JPなどの先人達が築き上げたスタイルを研磨した2000年以降の正統派メタルのあり方を提示してくれた起死回生の一撃。往年のリズム隊も復帰なども、話題性だけではなく本当の意味での復活作となった。


METAL CHURCH - A Light in the Dark ★★ (2018-12-26 02:00:22)

パワーメタルよりのスラッシュサウンドが売りで、緊張感の高い演奏と緻密な構成力、そこにダークな設えを施し聴き手をグイッとねじ伏せるようなパワーフルサウンドを聴かせるバンドだった。時代の流れもありバンドとしての存続は難しく活動は尻すぼみ1995年にバンドは解散となるのですが、98年には早々と復活とベテランバンドとして細々ながらも活動を継続していました。
今作で歌うマイク・モンローも歴代シンガーに負ける事のないパワーヴォイスを披露、一癖も二癖もあるMetal Churchサウンドとの相性も上々だ。
全般的に地味目の作風なのは欧州基盤の正統派メタル路線を突き進んでいる為、ましてはUS産のパワーメタルと言えばこういう、生真面目なスタイルになる、OMENあたりも愛想の良くないサウンドだが、そこがUS産ならではの魅力なんだと思う。日本人的には、フックに乏しいとなるので、イマイチウケが良くないのだろう。
タイプの違う曲を揃えた頭4曲の流れも悪くないし、繊細さも加味された質実剛健サウンドの⑤、10分弱の大作だが場面展開も多く、ダレる事無く最後まで聴かせる⑥など、パワー&スラッシュではないが、全盛期のQueensrycheがBlack Sabbathをカヴァーしているようで面白い。その後に続くリズムカルな⑦、キャッチーさも加味した拘りの⑧と流れ良く進む。
全般的な地味さと、キメ技一発の大技をかましてくれると良かったのだが(タイガーマスクや藤波との遺恨で話題を呼んだ長州力などの影に隠れた、キャラの薄い木村健悟が人気を得る為に、無理やり編み出した稲妻レッグラリアットのようなヤツね)
学生街にあるワンコインで腹いっぱい食わせてくれる食べログ無用の大衆食堂のような、変わり映えのない、これぞメタルな安定感はある。それが最大の聴きどころだ。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - We Wish You a Metal Xmas and a Headbanging New Year ★★ (2018-12-23 17:23:06)

豪華アーティストが一堂に介したクリスマスを祝うコンピ作。

1.We Wish You A Merry Xmas (Jeff Scott Soto / Bruce Kulick / Bob Kulick / Chris Wyse / Ray Luzier)

2.Run Rudolph Run (Lemmy / Billy F. Gibbons / Dave Grohl)

3.Santa Claws is Coming to Town (Alice Cooper / John 5 / Billy Sheehan / Vinny Appice)

4.God Rest Ye Merry Gentlemen (Ronnie James Dio / Tony Iommi / Rudy Sarzo / Simon Wright)

5.Silver Bells (Geoff Tate / Carlos Cavazo / James Lomenzo / Ray Luzier)

6.Little Drummer Boy (Doug Pinnick / George Lynch / Billy Sheehan / Simon Phillips)

7.Santa Claus Is Back in Town (Tim "Ripper" Owens / Steve Morse / Juan Garcia / Marco Mendoza / Vinny Appice)

8.Silent Night (Chuck Billy / Scott Ian / Jon Donais / Chris Wyse / John Tempesta)

9.Deck the Halls (Oni Logan / Craig Goldy / Tony Franklin / John Tempesta)

10.Grandma Got Run Over By A Reindeer (Stephen Pearcy / Tracii Guns / Bob Kulick / Billy Sheehan / Greg Bissonette)

11.Rockin' Around the Xmas Tree (Joe Lynn Turner / Bruce Kulick / Bob Kulick / Rudy Sarzo / Simon Wright)

12.Happy Xmas (War Is Over) (Tommy Shaw / Steve Lukather / Marco Mendoza / Kenny Aronoff)

13.O Christmas Tree (Doro Pesch / Frankie Banali/ Michael Schenker / Tony Franklin)

14.Auld Lang Syne (Girlschool)

これだけの曲とメンバーが揃えばメタルなクリスマス気分を存分に楽しめるでしょう。みんな大真面目にクリスマスソングを自分たち流に染め上げています。


TREAT - Coup de Grace ★★★ (2018-12-22 07:12:50)

時代の流れに抗う術もなく解散に追いやられたバンドは数知れず。北欧のTreatもメインストリーム寄りのバンドではあったが、萎んでいくシーンの中でフェードアウト。そして2010年にリバイバルブームの追い風もあり、再始動を果たす事となる。シンガーとソングライティングチームの復権はファンにとっては期待も大きいでしょうが、今作の変貌ぶりにも驚いた。
デビュー時から常に○○風のイメージが強かったバンド。作品前に時代の流れを読み、どれがTreatなのかと言いたくなる楽曲も多く4thなどかなり、やりに行ったアルバムであり、売れる為ならば、なりふり構わないという姿勢も伺える八方美人バンドと言えるようなメインストリームロックであった。
今作は、洗練されたメジャー感を武器に、過去にはない自らのアイデンティティが息づいている。3rdの後にリリースされるのは、こういったサウンドじゃなかったのかねぇと言いたくなる充実した内容になっています。

欧州的な泣きメロを生かしたフックに富んだ哀愁のメロディとメジャーな洗練度。紆余曲折を経て辿りつたいた音楽性が過去一番個性的であり、北欧のバンドらしさを感じさせるとは因果を感じずにはいられません。漫画ベルセルク風に例えるのなら、これも不文律という奴なんでしょう。
過去の作風を期待すると、かなり冷ややかなメロディが強調されている為、違和感を覚えるかも知れませんが、北欧メタルが好きな方なら安心して楽しめるでしょうね。


TREAT - Treat ★★ (2018-12-22 06:43:26)

デビュー時からアメリカンロック志向が強かった北欧のバンド。作品を重ねる度にメインストリーム寄りの作品を連発、前作など良く言えば間口を広げた、悪く言えば散漫になった、そんな印象を強めた中でシンガーが元Swedish Eroticaのマッツ・レヴィンに交代。察しの早い方なら音楽性が、どっちの方向に進んだかは分かるでしょうね。
そんな予想通りの作風に舵を切ったアルバム。時代は1992年ですからね、メインストリームと言っても華やかなサウンドではなくへヴィでグルーブ感の強いサウンドが主流、彼らもその路線にならい方向転換です。
頭3曲が余りにも今までの流れと違うために多くのファンは戸惑ったでしょう。個人的には前作もかなり前半、やりに言っているので正直言って驚いていない。むしろアルバム全部、琴線に引っ掛かる事など皆無なので問題では無かったりする。

④以降はマッツの骨太な歌唱スタイルも生きるエモーショナルかつグルーヴィーだがメロディは北欧産と言う離れ業サウンドを披露。アメリカン度は楽曲によって配分は変わるが、このあたりも前作の流れを踏襲しており驚く事ではない。大きな変化と言えば時代であり、このバンドは常に時代を見据え音楽性を拡散してきた主流派タイプと言えるだろう。
グランジ・オルタナブームをも飲み込もうとした頭3曲でダメージを喰らったファンは、ベホイミ程度の回復呪文では戦えない程の深手を負ったのだろうが、④⑥⑦⑩などはマッツ・レヴィン加入の意義を存分に味わえる楽曲が揃っていると思う。アメリカン志向と欧州テイストの融合。マイナーではなくメジャーな質感を明確に感じさせる楽曲は、このバンドの名に恥じない名曲でしょうね。

ちょっとでもモダン臭がしてきたら拒絶反応を示す潔癖なファンには薦めませんが、前作のように時代に合わせ変貌するのが、このバンドと思える方なら、92年仕様のTreatとして割り切り楽しめるでしょう。ワタクシも今回、久しぶりに頭3曲を聴きました。
重ね重ね言いますが④以降はアメリカンのバンドにはない、メロディセンスが味わえます。それが北欧でありTreatなんですよね。

そう言えばEuropeの再結成作もダークな70年代型ロックに回帰していたが、今作も同じような感覚で作り上げられたのかも知れませんね。実に興味深い仕上がりでした。


DREAM POLICE - Dream Police ★★ (2018-12-22 06:23:31)

オリジナルのリリースは1990年であるデビュー作。わが国では2年遅れの92年にリリースされるも、その時の帯タタキが凄い。
解散記念盤『ドリームポリスはこんなに素晴らしいバンドでした。』である。
91年に2ndで国内デビューを果たしプロモーションによる来日も決まっていた矢先の解散劇にリリース元もひっくり返ったでしょうね。契約してリリースしたのに金を返せと言いたいでしょう。エピックレコードもご立腹だったでしょうねぇ。
そんな短命なバンドだった為に、日本でもイマイチ認知のないバンド。音楽性も当時流行りのブルージーさも加味したアメリカンロック、所謂BACK TO 70’の煽りを受けたノルウェーのバンドでした。
オープニングからブルースハープも飛び出す乾いたサウンドを披露したりと方向性は完全に定まっている、パワフルだがエモーショナルな歌い手もロック然とした熱さがあり、この手の楽曲には良く似合う。バックの演奏も堅実で派手さはないが的確だ。北欧のマイナーバンドと言う匂いを全く感じさせないワールドワイドな作り込も上々、これならスカンジナビア半島を飛び出し活動も出来るでしょうと言いたくなる優れた一品です。
リリース当時は、この手のアメリカンロックは嗜好に合わなかったので完全にスルー、90年代の中頃まで無視でした。記憶では世界中から、バットボーイズ系のロックやブルースロックバンドは雨後の筍の如く世に氾濫していたのでね。

『Surrender』のようなゴスペル調のブルージーなナンバーや、スローバラードの『When The Sun Goes Down』、はみだし刑事情熱系(風吹じゅんです)なホットな熱情とクールな哀愁が調和したシングル向けの『Little Angel』などが好みなのだが、バンドの本分としては、アメリカンロック志向なので、90年代初頭のサウンドが好みの方はドンピシャでしょう。

バンド解散後、シンガーのルネ・アンデルセンはソロに転向、ギターのトロン・ホルターはティニーの愛称でWig Wam参加しています。


ANGELICA - Angelica ★★★ (2018-12-20 12:10:15)

カナダ出身のギタリスト、デニス・キャメロンの流麗なプレイを盛り込んだ叙情派歌モノ路線のバンドによる1st。裏ジャケなどにクレジットされるVoはAndy Lyonとなっているが、今作で歌入れしているのはロブ・ロックである。
インペリテリなどでハイトーンをかましまくっているロブだが、ここでは力む事無くリラックスした歌唱スタイルをとっており魅力的だ。歌を中心とした作りでも、俄然光り出すのがデニスのソロパート。もっとフィーチューしても良いのではと思うのだが、バンドとしてのバランスを大切にしているのか、出ずっぱりの目立ちたがりギターではないのは好感が持てる。
それだけに、もう少しリズム隊などの力強さが加われば、楽曲の中でもメリハリが際立つのだが、サウンドのソフトさ悪い方向に傾いてしまい、ダイナミズムに欠けている為、曲の良さが生きてこないのが残念。キャッチーでポップ性を強調したメロディラインの親しみやすさ、スリルと伴うギターが揃っているだけに、余計に気になる。
そんな欠点をも補うのが歌心溢れるギタープレイに尽きるのだが、そこの魅力を見出せるかがポイントだろう。ロブのハートウォームな歌も新鮮な響きを与えてくれ楽しみも倍増出来る、多角的な魅力を内包した優れた一品ですよ。


BATON ROUGE - Shake Your Soul ★★★ (2018-12-18 16:11:37)

プロデュースのみならず楽曲制作にも大きく関わっているジャック・ポンティ。そのかいあってかフックに富んだ哀愁のメロディと纏ったサビメロ&コーラスワークが随所に張り巡らされ、熱を帯びた本格派のハードサウンドとの相性も上々で、クールでね熱情が激しく燃えがあるという抜群の相乗効果を生み出している。
タイトで堅実な演奏はライブで培ったもの、新人でも既に貫禄する漂っているのだからね、アメリカのバンドは本当にレベルが高いよ。
90年代を意識してるから当然、華やかで能天気とはいかない、だから軽薄さもなく豪快だが細部に渡り構成された楽曲の質は高いのだ。
しかし残念ながら本国でも時流の流れもあり売れず、日本でも酒井康氏の点数の割に辛辣な意見に引っ張られ、多くのアメリカンロックマニアからも支持を受けられず話題に上る事はなかった。本当に残念である。こういう質の高いバンドにであると出会うと、運も実力の内とは良く言ったものだなぁと感慨深い思いになりますねぇ。

能天気なパーティーロックは苦手だ。メロディアスだが泣きまくりの北欧や煮え切らない英国は嫌だ。そんな本格派のサウンドが好みの方には、楽しんでもらえる要素も大でしょう。硬軟交えたサウンドは聴き応えタップリですよ。


TREAT - The Pleasure Principle ★★★ (2018-12-18 15:22:37)

オープニングからアメリカン志向が炸裂、そして一聴して洗練度も上がっており、バンドとしての成長を感じさせます。キラキラとしてキーボードとビックコーラス、哀愁のあるフックなメロディと弾けるポップセンスも上々に嫌みなく聴かせてくれます。
北欧のBON JOVIとはよくぞ言ったもの、陽性ハードポップサウンドの合間に、北欧産ならではの哀愁路線のハードポップナンバーを巧みに盛り込み、BON JOVIの1stのようなスタイルへと昇華しています。
北欧の光と影を讃えた躍動する叙情派ハードポップサウンド、自身のアイディンティティを損なわないアレンジと溢れ出る透き通ったメロディラインは、爽快感とともに甘く切なく胸に迫ってきます。


TREAT - Scratch and Bite ★★★ (2018-12-17 17:12:48)

エキサイティングなサウンドが甘い衝撃を呼ぶ!スウェーデンのニューヒーロー”トリート”ワイルドでセクシーな甘い罠からは、逃れられない!!の帯タタキに、香ばしい青春時代の思い出が蘇ります。北欧らしい甘さと欧州風味満点の叙情的なメロディ、ライトな質感は大衆性を帯び、ヒット曲を生み出そうとする空気が充満している。
リリース当時、日本ではL.Aの次は北欧だと言わんばかりに、雨後の筍の如く、本国でもマイナーな存在を持ちあげリリースしていた。そんな後押しも大きく、日本では割と人気の高かったバンド。今作で聴ける北欧的ワビサビは、島国感情を擽る情緒があり、嫌みのないポップセンスとライトな感性は、甘美な叙情性を大きく魅せてくれる。同郷のDa Vinci辺りが好きな人はマストでしょう。

ちょっと盛り過ぎじゃないとの笑えそうな、帯タタキの文言も、アルバムを聴き進めるほどに、これ考えた人はセンスあるなぁと唸らせる秀逸なコメントでしたね。そして日本一権威ある雑誌の評価を真に受けたファンの多さによって(評論家に意見に流され過ぎじゃ)どっちつかずのバンドと酷評されてしまったデビュー作。
ハードさは薄いが北欧ハードポップらしい音楽性を体感させてくれる優れた一品である事は疑いようもなく、L.Aファッションに身を包んだ北欧サウンドと呼べるバランスの取れた名盤だと思いますよ。
CD化の際にシングルなどに収録されていた⑩『On The Outside』⑪『Danger Games』も追加。これがまたカッコいいんだよなぁ。


XYZ - Forbidden Demos 1985/1991 ★★★ (2018-12-17 16:48:04)

アメリカの正統派HM/HRバンドXYZの未発表曲とデモ音源を一まとめにしたコンピ作。18曲入りのボリューム感だが、ドン・ドッケンがプロデュースした1stの違いとか、硬軟交えたメロディアスアメリカンロックのカッコよさ満開の1986年前後の録音ものなど、彼らの音楽的変遷などを知る事が出来る貴重な一枚。デモと言っても十分、商品として聴けるレベルであり、おまけ程度のボートラとは一線を画すホンマもんのデモ集だった。
イマイチ、日本でも跳ねず、時代の流れ的に本国でもウケなかった。しかし地に足のついた音楽性と質の高いパフォーマンスは本格派のバンドの名前に偽りなし、へヴィで鋭角的なリズム説得力のある歌声、ハードなギターもソツなく纏め、バンド全体で勝負している姿は好感が持てる。
個人的には印象に残っていないが武富士のCMで使われたらしいHI LIFEがボビー・ピッパーとマーク・ディグリオがギターを弾く2ヴァージョン収録。マニア泣かせの選曲となっています。それにしても、このバンドは何故、売れなかったのだろう。アメリカ人が好きそうな大陸的なグルーブと、堅実なサウンドは大いなるセールスポイントだったと思うのだが?テリー・イルースも上手いんだけどなぁ


TREAT - Organized Crime - Gimme One More Night ★★★ (2018-12-17 16:26:47)

裏でなるキーボードもカッコいい
全体的なバランスと言う点ではかなり高い
今作に相応しい楽曲だ
コーラスワークなど北欧風味も満点
ブルージーな渋さと軽やかさが調和した隠れた名曲だ
地味だがアルバムには必要な曲です


TREAT - Organized Crime ★★★ (2018-12-17 16:23:04)

オープニングからブルージーな要素も加わり、前作以上にアメリカンな音楽性が増量。パーティーロック風味の②も北欧3割アメリカン7割ときて、またブルージーなイントロの③と進み、今までと明らかに感触の違うバンドサウンドを叩きつけ、やはり彼らが狙うのはアメリカ進出なんだろうと言う事が窺い知れますね。
北欧マニアとしては肩透かし感はハンパないのだが、寒々しい北欧サウンドの④、甘さとハードエッジさが絶妙な⑤と流れ、盛り返す事に成功。そのあともバランスを変えながら北欧とアメリカンをブレンドした楽曲を披露しながら最後まで進んでいきます。
どうしても散漫な印象を持ってしまうのだが、前作よりもサウンドメイクにメリハリが生まれロックなダイナミズムは増量、男前度も上がり、全てが絶妙に調和したメジャー級のサウンドへと昇華している。欧州風味とブルージーさも加味された前半も、ソツなくまとまっているし、突き抜けた部分はないが、安定感は過去最高だろう。


TREAT - Dreamhunter - The Winner ★★ (2018-12-16 16:11:15)

アルバムを閉める曲にしては地味だが
大陸的なグルーブも取り込んだミドルナンバー
アメリカンな雰囲気もあるが冷ややかさは間違いなく北欧のものだ


TREAT - Dreamhunter - Save Yourself ★★★ (2018-12-16 16:08:32)

北欧らしい魅力に溢れています
ブルージーな隠し味も効いている
世界戦略を視野に知れた味付け
国際色豊かなポップロックナンバー
キーボードの使い方など拘っている
シンプルなリズムと聴かせる部分の構成力の豊かさも絶妙だ


TREAT - Dreamhunter - Dancing on the Edge ★★★ (2018-12-16 16:04:14)

ゆったりとしたグルーブでも北欧の風を吹かせまくっています
中盤のインストパートなど北欧ブランド以外の何物でもない
スカンジナヴィアとアメリカ大陸の折衷サウンドですね
上手く調理しているよ
分かりやすいナンバーに隠れていますがイイ曲です


TREAT - Dreamhunter ★★★ (2018-12-16 16:01:30)

BON JOVIの三枚目の成功やEUROPEのスマッシュヒットなど、特にBON JOVIの勢いは凄まじく、音楽シーンを塗り替える事となり、多くのボンジョヴクローンを生み出す事になった。
デビュー当初からワールドワイドな活動を視野に知れていたTREATも、ここで一気に大衆志向と洗練度をアップ。キラキラとしたキーボードを軸に華やかなポップロックサウンドを披露。冷ややかなメロディは間違いなく北欧的だし、ロックなリズムとハードさも失わないオシャレなサウンドメイクは、いかにもメタルバブル全盛のスタイルだ。
しかし、このバンドからは北欧ならではの哀愁美と叙情的なメロディ、それらはまるで満点の星空に架かる七色のオーロラと例えられるほどの美しい情景を掴みとる事が出来ます。何を聴かせたいのか、自分達のアイデンティティは何処にあるのか、そんな自己主張と商業ベースが絶妙に乗った出世作。セールスに結び付かなくとも、我が国では好意的に受け止められビックインジャパンの名を欲しいままにしていましたね。


DON BARNES - Ride the Storm ★★★ (2018-12-14 15:47:55)

38Specialのシンガーとして知られるドン・バーンズのソロ。1989年にレコーディングを済ませるもお蔵入りしていた幻の一品が2017年にようやく世に出ました。
参加メンバーもマイクとジェフのポーカロ兄弟、ティム・ピアースやダン・ハフ、デニー・カーマッシ、キーボードではジャズ系で有名なアラン・パスクア、ソングライターチームもマーティン・ブライリーを中心に職人軍団が前面バックアップ。
メロディアスなサザンロックで知られる38Specialですが、今作は更に泥臭さを排除、無国籍とも言える洗練された味わいとロックな熱さが共存した、優れた歌モノ作品へと仕上げています。とは言いつつもドンが歌えば、サザンロックな渋みが漂う。
元のリリースが1989年ですから、その当時を想起させる懐かしいサウンドです。しかし、この手の音楽性に流行り廃りはありません。質の高い楽曲と堅実なパフォーマンスに彩られたサウンドに裏切りはありませんね。


PHIL LANZON - If You Think I'm Crazy ★★★ (2018-12-14 15:28:31)

かつてはセッションプレイヤーとして多くの仕事をこなし、今ではUriah Heepの鍵盤奏者として知られるフィル・ランゾンのソロアルバム第一弾。
類まれな才能を持ち合わせたフィル・ランゾン。Uriah Heepにおけるオーケストレーションなど、彼がいなければ実現できないのだが、今作でも、その能力を発揮。英国トラッド風味と壮麗なオーケストレーションを絡ませたサウンドは、何を聴かせたいかを明確に誇示しており、その高いドラマ性と、心に響く素直なメロディセンスが高次元で融合。大げさに成り過ぎないが、ドラマティックという離れ業を見事にやってのけています。
ローレンス・コッティルとクレイグ・ブルンデルの職人コンビによるリズム隊も、フィルと同様のセッションワーカー。ギターはIt Bitesのジョン・ミッチェル、彼を2曲リードシンガーも務めています。他にもエイドリアン・スミスのPsycho Motelで歌っていたアンディ・マキンも参加。フィルも2曲歌入れしています。
気心の知れた仲間で作り上げたフィル・ランゾン渾身のソロ作。よくよくクレジットをみるとKINOのメンバーとフィルが共演しているのだから、重厚なプログレサウンドも収録されるのは納得。緊張と緩和を上手く使い分けています。
至高のメロセンスと誉れ高き英国プログレハードサウンド、本家本元がやるんだから、悪いわけがないよね。


DAVE HILL - Welcome to the Real World ★★★ (2018-12-14 14:48:32)

DEMONの看板シンガー、デイブ・ヒルのソロ。オリジナルは1993年にリリース。その作品が2014年にリミックス&ボートラ4曲追加で復活となるのですが、まずは1993年にソロが出ていた事に驚いた。DEMONは1992年に『Blow-Out』をリリースしている。バンドの終焉はシーンの衰退とセールスを上げられない為のフェードアウトと思っていたが、DEMONのラストアルバムの翌年には。バンドのブレインだったデイブがソロを出している。しかも参加メンバーはDEMONのメンツだ。勉強不足で全く知らなかったですね。

出している音はDEMON時代から培われているポップセンスを生かしたブリティッシュロック。哀愁と英国的な翳りのあるメロディ、そこに絡むデイブのオッサン声、ソロアルバムの意味がないくらいDEMONに通ずる音楽性に終始している。
したがって時系列でバンドに触れてきたファンなら違和感なく楽しめるでしょう。こういう作風もありだと思えるはずです。いぶし銀のメロディアスロック。年季の入り方が違う、色んな方面に喰い込んで行けそうな魅力を孕んだ力作に唸りますね。分かりやすい派手なモノを好む方には、全くウケないでしょうが、マニアにはたまらんものがありますね。それにしてもデイブさんがソロ出していたなんで全く知らんかった。


HELLHOUND - Let Metal Rule the World - Mr. Heavy Metal ★★★ (2018-12-12 15:44:17)

リフにリズムとドが付くへヴィメタルサウンドだ
類型的なスタイルだが一歩間違えるとパロディになる
その難業をカッコ良く聴かせるセンスが素晴らしい
誰でも出来そうなスタイルだが実は一番難しい
そしてベタを極めないと
奇をてらった事も上手く出来ないんですけどね


HELLHOUND - Let Metal Rule the World ★★★ (2018-12-12 15:41:40)

海外での評価も彼らにとっては活動への意欲につながったのか、コンスタントに作品をリリース。今回も徹頭徹尾メタル愛に溢れたサウンドを披露している。多少音楽性の幅を広げている感はあるが、EDMのリズムを取り込んだわけでもない、永遠のメタルキッズにとっては一聴して身体に馴染む、あの王道路線をひたすら貫いている。
2014年にはへヴィメタルの聖地、ヴァッケンのステージに立ち、たった4曲の演奏だったのに観客を歓喜の渦に巻き込み、アンコールの声を上げさせたのは有名な話である。名前で音楽の良しあしが決まらない審美眼のある、メタルマニアなら必ずや満足してもらえるサウンドがここにあるだろう。へヴィメタルの名のもとに、剛直に繰り広げられる一代メタル馬鹿サウンドに、恋い焦がれますね。とは言いつつも、類型的なスタイルですから、飽きのサイクルは早いんだけどね。


U.D.O. - Steelfactory - The Devil Is an Angel ★★★ (2018-12-12 15:23:06)

切れ味鋭い勇壮なミドルナンバー
キャッチーな歌メロもブチ込み馴染みやすくしている
地響き男声コーラスも逞しさを倍増
流麗なソロもキマっている
どこを切ってもウドサウンド
ライブ映えするメタルアンセムだね


U.D.O. - Steelfactory - Rising High ★★★ (2018-12-12 15:19:20)

ベタ中のベタ
高揚感のある勇壮なメロディが駆け抜けるACCEPTスタイルを継承する
U.D.O.サウンドに悶絶
キメのフレーズなど泣きまくりのツインリードで聴きたかった
ソロもスリリングな掛け合いで聴きたい
その辺りの物足りなさを感じるのが難点


U.D.O. - Steelfactory - Blood on Fire ★★★ (2018-12-12 15:14:32)

ロシア人の血がこのメロディを奏でさせるのか
アンドレイのトリッキーなフレーズも魅力だが
ここで聴ける王道的なプレイも素晴らしい
哀愁を倍増させる男声コーラスの逞しさ
そしてウドの声も衰えを感じさせない


U.D.O. - Steelfactory ★★★ (2018-12-12 15:09:46)

近年のウドはACCEPTの曲だけのソロライブを行ったりと過去と真正面から向かってきた、それはもう2度とU.D.O.のライブではACCEPTの曲はやらないと言う決別の意味もある。そんな強い意志をもってリリースされた最新作は、初期の頃を彷彿とさせるような音楽性を取っており、本家よりもACCEPTしたサウンドを披露。剛毅でパワフルなスタイルだが、耳馴染みの良いポップセンスも巧みに散りばめ全ての楽曲をバランスよく聴かせてくれる。
シングルギター編成のため、やや深みに欠ける面はあるのだが、ウドの実子を新ドラマーに迎え活動出来るキャリアを汚す事無く、へヴィメタルの中のへヴィメタルな金看板サウンドを真っ向勝負で聴かせてくれる。
スリルは減退したが熟練度は上がった。次はツインギター編成でレコーディングに挑んで欲しい。

日本ではイマイチ人気の出ないU.D.O.。日本人の権威主義、これはDNAに刷り込まれたものだろう。水戸黄門の印籠にひれ伏すように、JPがストレートなスピードナンバーをチョロッとやれば、最高だと持ち上げられる。個人的には、その先入観と名前を捨てて音楽を聴いて素晴らしいと思えるかが重要なんだと言いたい。余計なバイアスは評価を見誤ってしまう。
へヴィメタルという名のもとで、今、もっとも信頼して聴けるバンドは、彼らをおいて他にいないだろう。これといった仕掛けや、目先の新しさなど必要ない。アルバムタイトルに偽りなしの、高品質作品を全世界に発送しましたね。