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失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 1501-1600

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URIAH HEEP - ...Very 'eavy ...Very 'umble ★★ (2020-11-20 13:39:16)

SPICEからURIAH HEEPへと改名、本格的な活動に入りアルバムをリリース。今作にはSPICE時代のモノもある、他にもドラマーが二人いたりと、チョイとややこしいのだが、そういった情報がマイナスに働くこともなく、むしろ気に留めることもない完成度を誇っている。実験的な要素も多分にあるが、有り余るポテンシャルと創作意欲、そういうものを内包しつつ、吐き出せていない印象の方が強い。それは次作以降のアルバムを聴いているので、そう感じるのだが、いずれにしろ70年代のアーティストらしい、ジャンルを一括りに出来ないイマジネーション溢れる実験的サウンドを披露している。
どこか祭儀的なオカルトタッチもあったりと、アルバムジャケットまんまの音楽性もある、シンブルなバラードもあり、カヴァーもある、ファンキーな曲もあり、そんな中でヘヴィなオルガンが襲い掛かる重厚なナンバーなど、後の片鱗も感じさせ、デビュー作としては申し分ない完成度を誇っているでしょう。


URIAH HEEP - ...Very 'eavy ...Very 'umble - Wake Up (set your sights) ★★★ (2020-11-19 14:13:14)

バイロンの圧巻のパフォーマンスに舌を巻きます
コリン・ウッドの鍵盤プレイに泣かされます
中盤の展開にうっとり
ドラマティックですねぇ
それでいて攻めの姿勢を崩さないハードさに唸ります
お腹一杯ですわ


URIAH HEEP - ...Very 'eavy ...Very 'umble - I'll Keep on Trying ★★★ (2020-11-19 14:07:47)

クレジットはボックス/バイロンだが
相当ケンはアイデアを出しているだろう
ド頭からHEEPらしい迫力のある凝った展開が掴んでいきます
静と動のコントラストも見事に描かれ機能
デビュー作とは思えない完成度を誇るアルバムを象徴するようです


URIAH HEEP - ...Very 'eavy ...Very 'umble - Real Turned On ★★★ (2020-11-19 14:04:27)

以外やファンキーなナンバーがここで飛び出します
異なるアプローチのツインギターも効果的に機能
ケン・ヘンズレーのマルチプレイヤーぶりが見事です
芸能界でのキャリアのあるバイロンは芸達者ですね
なんでも唄えるんだなぁ


URIAH HEEP - ...Very 'eavy ...Very 'umble - Dreammare ★★ (2020-11-19 14:02:08)

色々と仕掛けていますね
歌いだしもエコーを掛けてきて
HEEPらしさを出していますね
チョイと盛り上がりに欠けるが流れ的に絶妙


URIAH HEEP - ...Very 'eavy ...Very 'umble - Lucy Blues ★★★ (2020-11-19 13:59:09)

流れ的に絶妙なポジションに収まっているブルースナンバー
なにがどうってことはないのだが③と⑤の合い間しかないというドンピシャなところに収まっている
流れで聴くと凄くイイ
バイロンの唄には素晴らしいフィーリングが存在する


URIAH HEEP - ...Very 'eavy ...Very 'umble - Come Away Melinda ★★★ (2020-11-19 13:51:09)

元々はカヴァーソング
反戦歌として知られる有名な曲です
有名なところではティム・ローズが手掛けた奴があります
ハード系としてはUFOもやりました
ティム・ローズヴァージョンはどこか埃っぽさがありますが
ここではフォーキーな泣きが倍増
HEEP流に仕上げたというところでしょう
バイロンもオリジナルを意識していますね


URIAH HEEP - ...Very 'eavy ...Very 'umble - Gypsy ★★★ (2020-11-19 13:41:23)

緊張感があるねぇ
スゴイ迫力を感じます
うねり上げるハモンドオルガン
ミック・ボックスのヘヴィなギター
バイロンの堂に入った歌声
アルバムのオープニングから気合入っているねぇ
確かにクリムゾン風です


HITTMAN - Vivas Machina - Mercy ★★★ (2020-11-19 13:24:21)

8分超えの大作ナンバー
シンガーは情感たっぷりに歌い上げ
中盤に設けられた仕掛け
そのシアトリカルな展開も含めプログレッシブロックに通ずる魅力がある
アルバムの最後に大勝負を賭けてきた
厳ついアレンジを避け万人向けたのもプロデュース力の賜物
このバンドは本気で天下を取りに行ったんだと理解できる聴きごたえのある力作


HITTMAN - Vivas Machina - Say a Prayer for Me ★★★ (2020-11-19 13:15:31)

タイトルまでBON JOVI風かよ
無頼なパワーメタルバンドだと思っていたら
器用なグループだったんですね
フックのある哀愁美と大衆性
ここは素直に楽しんだもの勝ちでしょう


URIAH HEEP - Return to Fantasy ★★★ (2020-11-17 13:27:20)

カッコいいアルバムジャケットと、そのイメージを前面に受け止めたようなオープニングナンバーと、ジョン・ウェットン参加により臨戦態勢は整ったとテンションも爆上がりするのだが、それ以降はアメリカン志向を強めていき、そのまま流れてしまい最後にらしい顔を覗かせ、HEEPらしいイメージは保ったが、全体的には完全にアメリカンマーケットを狙いに行った印象が強く、これでよかったのか?という疑問が頭をもたげる。
それでも名曲①を聴けば、そんな不満も吹っ飛ぶのだが、アルバムを通して聴くには頭の切り替えが必要なアルバムになってしまった。
そして一番期待したケン・ヘンズレーとジョン・ウェットンの共作もなく、おもてたんと違うというのが残念ですね。しかしジョン・ウェットンの参加は、バンドに好景気をもたらしアルバムのチャート順位が過去最高と叩き出すこととなるとは皮肉な結果ですね。

それにしても、殿堂入りの火薬先輩のレビューは言うに及ばずだが、HEEPのサイトには、素晴らしい論客がいたんですね。ここ数日HEEPの発言を繰り返していて目に留まりました。杉本剛さんのレビューは実に的を得ていて腑に落ちる内容でしたね。


Joel Hoekstra's 13 - Dying to Live, ★★★ (2020-11-17 13:03:43)

ダグ・アルドリッチの後任としてWHITESNAKEに迎えられたりとしたことで名前を上げたギタリスト、ジョエル・ホークストラのリーダーバンドによる1st。参加メンバーもトニー・フランクリン、ヴィニー・アピスのリズム隊に、ジェフ・スコットソート、ラッセル・アレンと言う実力派シンガーの二人が主要メンバーとして参加、メロディアスロックの総本山、我らが
Frontiers Musicからのリリースという事で楽曲中心のメロディアスサウンドへと仕上げています。
狙ったであろう、WHITESNAKE風の楽曲も散りばめつつ、現代的なサウンドメイクを無視することなく古くて新しい王道サウンドを披露。遊び心の少ない無難な作りは、些か、面白みに欠けるが若い人にとっては、古典サウンドに精通した現代的なロックとして大いに耳を刺激していくでしょう。
個人的には、どうしても寄せに行っていると感じでイマイチ跳ねないのだが、それは古い音が好きなだけの細かい話であり、一般的な感覚でいけば、フックありメロディあり、仕掛けありの安定感のある高品質アルバムとなるでしょう。
ちょっと、カヴァーディル強めなのが気になるのですが、期待された音を出していると素直に評価したい。
上手いギタリストが我を抑え楽曲中心のプレイに終始しているのも好感が持てる。やはりジェフ・スコット・ソートは上手い。


URIAH HEEP - Return to Fantasy - The Time Will Come ★★★ (2020-11-16 13:27:56)

ミックのワウギターも耳を惹きますね
ムーディーなバイロンの歌声も多彩な表情を見せている
バックの演奏もアイデアを詰め込み贅沢に聴かせてくれます
アルバム本編に入れても遜色のない味わい深い一曲


URIAH HEEP - Return to Fantasy - Shout It Out ★★★ (2020-11-16 13:25:18)

シングルカットされたPrima DonnaのB面に収録された曲
ヘヴィなミドルナンバーだがバイロンの色気のある歌声がカッコいい
ケンの曲だけにケン・ヘンズレー大活躍である
シンプルだがベースにドラムと耳を惹きますね


URIAH HEEP - Return to Fantasy - A Year or A Day ★★★ (2020-11-16 13:19:36)

アメリカン志向の強めの曲が続き
テンションも下がり目な中で最後にらしさを感じさせる曲が登場
この曲の登場で物足りなさを回収していきましたね


URIAH HEEP - Return to Fantasy - Showdown ★★ (2020-11-16 13:16:03)

今アルバムを象徴するような陽性ロック
そこにケンのスライドギターがご機嫌に絡み一体感を誘発
新しバンドサウンドを模索していたんでしょうね
いずれにしろ楽しそうな雰囲気は出ている


URIAH HEEP - Return to Fantasy - Your Turn to Remember ★★★ (2020-11-16 13:13:00)

なんか望郷ですよねぇ
夕焼けを背にする帰り道です
そういう昭和な古臭さがたまりません
スタンダードな響きにHEEPらしさは感じません
アルバムの流れとしてはたまりません
ウエットンのベースもイイですね


URIAH HEEP - Return to Fantasy - Beautiful Dream ★★★ (2020-11-16 13:09:03)

バイロンの歌声が凄まじい
とにかく高低を駆使し変化自在の歌唱スタイルで彼の魅力をたっぷり表現している
繊細に唄うかと思えば噛みつくようにシャウト
恐れ入りました
この曲に関してはバイロンのパフォーマンスが最高
誰がどう聴いても文句なんて付けられないでしょう
他のパートが入ってこないんだよねぇ


URIAH HEEP - Return to Fantasy - Devil's Daughter ★★★ (2020-11-16 13:04:46)

パーカッションもご機嫌ですね
ノリも良くHEEPらしさも強めの一曲
攻めの姿勢が何とも原始的な響きを誘発
明るく楽しそうな新生サウンドを象徴する様だ


URIAH HEEP - Return to Fantasy - Shady Lady ★★★ (2020-11-16 13:01:28)

ウェットンのベースが味わい深いですね
ブリブリと弾き楽曲の柱のようにブリッと存在感を打ち立てています
ドラムも職人技です曲を邪魔しないが存在感もある
スライドギターはケン
みんな上手い事やっているわぁ


URIAH HEEP - Return to Fantasy - Return to Fantasy ★★★ (2020-11-16 12:57:50)

神々しいまでに光り輝くHEEP印
名手ジョン・ウェットンも加わりバンドは新たなるステージへと上り詰めたと確信させた
ケンのムーグにオルガンと鍵盤プレイも炸裂
幻想的な曲に彩りを与えています
こういう曲にシンプルなプレイで答えたウェットンのセンスも光りますね


URIAH HEEP - High and Mighty (2020-11-16 12:50:42)

アルバムの方向性としては全体的にアメリカンマーケットを狙ったライトな曲調が多い。その中でHEEPらしさも持ちこまれているが、後半の流れは完全にそっち方面と言えよう。アルバムのイニシアチブは完全にケン、それだけに彼の悪いところが出てしまった。
大衆性を増量したシンプルかつストレートなサウンドメイク、最大の山場がバラードの②というのもあり、今作が一般的に評価の低いものとなっているのも頷ける中途半端な一枚。まして、これがデヴィッド・バイロンのラスト参加作と考えるとファンなら居たたまれない気持ちになるでしょうね。

こうして時代が過ぎれば、ライトなポップロック志向でも前半の流れは耳を惹くものがあり、②から③の流れなんてゾクッとされる刹那な響きがあり、英国バンドとしての情緒を感じさせる。それだけに、後半の流れに配慮があれば良かったのですが、違うバンドのような作風に傾いたのが残念。特に後半の流れは配慮して欲しかった。
ある意味、ケン・ヘンズレーの乗り物のようなバンドだけに仕方がないのですがね。

バイロンのラスト作としては、小粒な印象は拭えない一枚。そしてケンの我の強さを味わえる一枚でしょう。


URIAH HEEP - High and Mighty - One Way or Another ★★ (2020-11-16 12:35:15)

ジョンとケンの歌声が楽しめるアルバムのオープニングナンバー
ジョンのベースも耳を惹きますね
新しい事にチャレンジしようとする意欲を感じます


URIAH HEEP - High and Mighty - Confession ★★★ (2020-11-16 12:30:47)

アルバムのラストを飾るピアノバラード
バイロンの優美な歌声が素晴らしい
いかにもHEEPなコーラスワークも印象的ですね


URIAH HEEP - High and Mighty - Footprints in the Snow ★★★ (2020-11-16 12:27:57)

これもケンとウェットンの共作ですが
元ネタはケンのコンピ作に収録とウェットンがどこまで関与しているのか興味も尽きません
アメリカンマーケットに寄せた曲が続いたので
英国風味が増量されたので下がっていたテンションも持ち直します
ラストに向けドンドンHEEPらしくなるのが良い


URIAH HEEP - High and Mighty - Woman of the World (2020-11-16 12:23:02)

アナログ盤で言う所のB面はアメリカン路線ですが
その前の曲も結構なアメリカンに驚きましたが
ここでもその路線を繋げている
特筆すべき魅力はないのだがケンのソロアルバムに元ネタが収録されています
資料的な価値がある一曲


URIAH HEEP - High and Mighty - Midnight ★★★ (2020-11-16 12:15:24)

印象的なイントロを奏でるギター
誰がどう聴いても凄いジョン・ウェットンのベース
とくにベースラインは多彩で耳を惹きますね
コーラスワークもヒープらしい
ブルースカイブルーな爽快感のある曲に
少々クド目に絡む唄はご愛敬だが
子役上がりでCMソングも唄っていたバイロンならどんなタイプでも歌いこなせるということでしょう
でもMVPはベースです


URIAH HEEP - High and Mighty - Misty Eyes ★★★ (2020-11-16 12:09:56)

爽やかな味付けのHEEPサウンド
ある意味ケン・ヘンズレーのソロ作風とも言える
バンド自体がケンのソロみたいなもんだからなぁ


URIAH HEEP - High and Mighty - Weep in Silence ★★★ (2020-11-16 12:07:59)

英国的情緒あふれるHEEPらしい一曲
今アルバムの目玉であるヘンズレー&ウエットンの共作だというのもポイント
あくまでも楽曲を引き立てる堅実なドラムの職人技
そしてワウを噛ませた泣かせのギター
バイロンの唄も素晴らしくラスト参加となる今作に華を添えている


LIZZY BORDEN - The Murderess Metal Road Show ★★★ (2020-11-15 19:31:52)

デビューして間もないバンドが早い段階でライブアルバムをリリースするとは驚きですよね。普通は3枚くらいアルバムを出してからと思うのですが、このバンドはステージを見て欲しいと言うレーベルの移行もあるのでしょうがとにかく大英断ですよね。
ステージ映えするバンドのライブは、非常に生々しい演奏をパッケージ。そのおかげで彼らのライブを追体験できる仕様。これは本当にありがたいですね。修正がきつい名前だけのライブ盤とは一線を画す仕上がりだけでも大満足です。

ライブならではのヴァージョン違いにカヴァーソングもありますが、全てが良い方向に転んでおり、何ら違和感なく楽しめます。ライブでもテンションの下がらない熱量の豊富な演奏、火花散るツインギターと、冴えわたるリジーのフロントマンとしての役割、これがデビューして2、3年の新人のやる事かと驚きます。
音源も良いけど、同時期にリリースされた映像も見て欲しいですね。このバンド、血生臭いイメージがついていますが、ここで聴けるサウンドは、実に正統性の高いピュアメタルを披露しています。

今となっては、あの人は今状態の為に、メディアも含め話題に上ることもないでしょうけど、日本人が見れば少々バカバカしいショーも含め、ショックロックここにありと共に、それと同じくらい真面目な音が埋め尽くしています。
これぞメタルと呼ぶに相応しい、ドラマと硬質な一体感のあるサウンドメイク、絶妙なノリの良さとキャッチネス、その秀でたバランス感覚は全てを兼ね備えています。

タイプの違うツインギターコンビも、互いを尊重し合い高め合う姿勢も美しい。改めて、リジー・ボーデンは優れたバンドだと言うことを確認できるでしょうね。
リアルなライブ盤と言うのはありそうでないですからね。今作最大の聴きどころは、そこにあります。


ALDIOUS - EvokeⅡ 2010–2020 - 愛しい男 ★★★ (2020-11-15 19:05:40)

愛しい男で”かなしいおとこ”と読みます
チョコレートプラネットのネタみたいなタイトルですが
このシングル向けのポップなロックサウンドと
ありがちな歌詞が合わさることで妙に生っぽく聴こえます
サビも弾けヴァージョンアップに成功
唄が変われば全てが変わるということでしょう
個人的にどうにも身につまされる話でチョイと懐かしみます
それが好きな要因ですかね
胸がキュンとなって泣けてきますね
大好きな曲ですよ


BLUE OYSTER CULT - Imaginos ★★★ (2020-11-15 18:49:01)

今となっては、古くからあったアイデアをアルバート・ブーチャードが暖め過ぎて機を逃した為にお蔵に成りかけたマテリアルをBOCの名の下に復活させたと言う裏話もあるコンセプト作。
そのもとはサンディ・パールマンのアイデアなのだが、バンドに見切りをつけ勝負を賭けたアルバート、1984年には完成していたアルバム。しかしL.Aバブルを目前としていた時代に、こういった玄人好みのサウンドに二の足を踏むコロンビアレコードの判断もあり、お蔵入りとなった。
そこに実質、解散状態にあったBOCの復活劇に結びつけるには丁度良い素材でしょう。古くからあるアイデアだけに、妙な色気はない、むしろ全盛の音源と比較しても遜色のないクオリティを誇示しており、BOCの名の下にリリースされるべき一枚へと仕上がっています。
どこまでアルバートが仕上げたものに、後から来たメンバーが関与したかは分からないが、けしてアルバートのソロ作が途中からBOC名義に変更した、いわく付の作品ではありません。アルバートがしたためたデモをレコード会社に却下され為に、サンディ・パールマンのアイデアの元、実質解散状態のBOC名義で復活と言うウルトラCが行われたのです。
ちなみに、現在はアルバート・ブーチャードヴァージョンも出回っているので、マニアなら確認するのが一番でしょう。でもデモ音源ですので、やはり今作の方が完成度は高いですよ。

個人的に、BOCの作品としてリアルタイムで触れた初めての作品。初期の音源は聴いたことあるが、血気盛んな思春期真っ只中のワタクシには、ポップ過ぎる、どこがメタルやねんの一言で終了。今作を紹介された時も、鼻にもひっかけない薄いリアクションでした。
でも、この不気味なジャケが何とも言えない雰囲気を醸し出し、眺めるほどに聴きたい衝動にかられ再生。聴き進むにつれ、ミステリアスな世界観にグイグイと引き込まれ気が付けばリピートと、なんか分からんが凄いぞと感動、そして少しだけですが大人の階段を上った気分を味わいました。

自分たちのカラーを持つバンドの強み、このひんやりとした感触、漆黒の闇に怪しく光るクリスタル、このグループには、形容しがたい魅力がありました。
その要因は、鍵盤奏者のアラン・レニアーの存在がギラリと光るのですが、禍々しくも美しい邪神の宮殿、そこに迷い込んだリスナーは、語感を研ぎ澄まし、この世界と対峙するしかありません。ご機嫌に楽しむ娯楽作品ではありませんが、知性溢れる音楽性に触れるのもお楽しみの一つでしょう。

個性は発揮しつつも聴きやすい、ジャンル不問で楽しめるIQ高めのロックサウンド、70年代のBOCは古すぎると敬遠しがちなライトリスナーにこそ勝負して欲しい入門編にうってつけの一枚ですね。


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains - Edge of the World ★★★ (2020-11-10 13:26:08)

ジャジーなのにミステリアス
この雰囲気がBOCなのでしょう
キャッチーな歌メロとコーラスも耳を惹きますね
古典ロックに乗せて歌われる現代社会のへの提起
スケールの大きい曲調も手伝い抜群の相乗効果を生んでいる
歌うはエリック・ブルーム
作曲はリッチーです


LIVING DEATH - Back to the Weapons ★★★ (2020-11-10 12:48:53)

1986年にリリースされたEP、時期的には2枚目と3枚目の間です。ちなみに国内盤は3枚目とのカップリングでテイチクレコードから出ています。
初期型の猪突猛進なスピードメタルに無頼な男臭さを導入、この埃っぽさは、彼等のルーツたるバンドからの影響なんだろうが、前作との違いを画策しているのか、それともこの方向性に進むのか初見と印象は割と不思議な感覚に陥った。
ヨーロピアン調のスラッシュからモーターヘッド風味が強まったという印象なのだが、それも許容範囲の微妙な感覚であり、根幹にあるスピード重視の姿勢に変わりない。むしろ曲作りに余裕が出来たように感じられ、成長が伺えるのも好印象。②のようなキャッチーな曲を、断末魔シャウトで聴けるとは夢にも思わなんだ。
ズンドコ節の①、キレキレの③、はち切れる④と彼流のハイテンションサウンドに偽りなし、首の疼きが止まらない問答無用のスピードメタルにグッときます。
2枚目と3枚目の過渡期に、こういう作風があったんだという事を知って欲しいですね。


KEN HENSLEY - Eager to Please ★★★ (2020-11-09 20:46:11)

ケン・ヘンズレー2枚目のソロアルバム。リリース時期を考えると、バンドは不安定な時代であり、やはりケンは独立を考えていたのかと深読みしたくなりますが、それは音楽性にも起因します。前作同様、アレンジ次第ではHEEPに採用されそうな曲もあり、わざわざソロでやらなくてもなんてね、言いたくなるのですが、誰にも文句を言われずにやりたい気持ちもわかります。ましてやリズムセクション以外は全てケンが担当する才人ぶりを発揮、これだけ歌えて、ギターもひけりゃ、多少は天狗になっても仕方なしです。

前作同様、フォーキーなサウンドが大半を占める構成、気品溢れる英国ロックは湿り気たっぷり、その情緒のあるサウンドにケンの声もハマり、コマーシャル性と職人肌の拘りが程よく絡み合い、味わい深い大人のロックへと昇華しています。ここにガンガンと唸るオルガンはありません、ハードなものを求めると眠くなるでしょう。

時には心を穏やかに、素直な音に癒されたいものです。ケン・ヘンズレーのメロディメイカーとしての才に触れて欲しいです。この人は、HEEP脱退後、大きな仕事をしたとは言えない人物です。それだけに、今となっては過去の人でしょう。だからこそ、今、若い人に知ってもらいたいですね。


SHORTINO - Make A Wish ★★★ (2020-11-09 20:24:30)

新進気鋭のギタリスト、若井望とポール・ショーティノの二人によるロックプロジェクト。リズム隊には豪華ゲストを迎え、このプロジェクトに華を添えています。
フィル・スーザン、ピーター・バルデス、ヴィニー・ポール、カルロス・カヴァーゾ、ジェイ・シェレーン、マルコ・メンドーサなどの有名人の中に、現在はLOUDNESSで活動する西田竜一の名前もあり、彼がいかに優れたアーティストであるかを知ってもらえるでしょうね。ギターもダグ・アルドリッチやローワン・ロバートソンなどが適材適所で顔を覗かせ個性をギラリと光らせている。
とにかく単なる話題性や寄せ集めでは、味わえない完成度と充実感、両者の特性を殺すことのないマジックの存在に驚かされる。
正直、一時期しつこいくらいSpotifyのトップバナーに、この二人が張り出されていたのだが手が出なかった。理由は、若井のメロディアスなギターに、ポールのざらついたハスキーヴォイスが合うとは思えなかった。実際、ロニー・ロメロとやった時は、合わないと思う瞬間も多々あったので、気が引けてしまった。
しかしだ、いざ覚悟を決め聴きだしたら、若井は確実にポールの新たなる魅力を引き出し、彼の押しの強いエモーショナルヴォイスを控えさせ、メロディに乗せて歌わしている。そのリラックスした歌唱スタイルはジョー・リン・ターナーを想起させるものであり、若井が作り出すハード&ヘヴィな楽曲に質の高いメロディが絡むと言う極上のサウンドを構築、父さん明日は代打逆転満塁ホームランだね‼級のインパクトを誇っている。

とにかく驚きました。ポールにこういう面があるとは思わなんだんぁ。もう一人の主役たる若井の押し引きを得たギタープレイに文句なし、流麗なソロばかりに目がいきがちだが、彼の持ち味はフレーズの上手さ、あくまでもフィーリング重視の姿勢を取っており、高い技巧に裏打ちされた情感たっぷりのギタープレイに魅了されました。

攻めの姿勢を貫く正統派サウンド、アメリカン志向ではあるがメロディ重視、もはや国籍無用の万人向けのHM/HRは国内外問わず一線級のアーティストと比肩出来るクオリティを誇示しています。
お金かからないのに、なんとなく無視した自分がバカでした。こんなに質の高いもんを見落とすとは末代までの恥ですよ。まぁ、アメリカのKKK並みの洋楽至上主義者にはなにを言ってもダメなんですが、日本を代表するコンポーザーと有名海外アーティストのコラボ。この贅沢な組み合わせを前に、無視するのは勿体ないですよ。

野暮は言いませんので是非とも聴いて欲しい一枚です。旬を無視しない現役アーティストの強み、恐れ入りました。


KEN HENSLEY - Proud Words on a Dusty Shelf ★★★ (2020-11-08 18:23:56)

HEEPの全盛期とも言えるDEMONS AND WIZARDSとTHE MAGICIAN'S BIRTHDAYという名盤を制作していた合い間にソロアルバムをレコーディングしていたケン・ヘンズレー、溢れ出る創作意欲の賜物なのか、それとも別行動をしたかったのか、とにかくここで聴けるサウンドは、HEEPに採用されるようなエレガントな英国ロックが収録。フォーキーでブルージーな要素も強いが、アレンジ一つで、バンド採用されてもおかしくない楽曲を楽しめます。

それだけにHEEPから流れてきたファンにとっては、概ね不満もなく受け止めれるでしょう。幻想的なハードサウンドが出てきたら、そりゃ本家に喧嘩を売るようなもんだし、そもそも、ソロアルバムにそんな要素を求めていないでしょう。
ここでは、ミュージシャンとしての別の顔を見たいものです、それだけに、イメージを崩さないオシャレな作風は、今聴いても通用するような優美な古典ロックとして受け入れられるでしょう。HEEP以前の活動を知っていれば尚更、腑に落ちると思いますよ。

邦題が夕闇と付けられた、オープニングから、その味わい深さを満喫、枯れた味わいの泣かせのギターに悶絶です。そこに朴訥とした英国ロック声が絡むんだからね、涙腺が刺激されるでしょう。ケンの優しく語り掛けるようなソフトな声が何とも言えないフォーキーな②(裏で鳴ってるど~)再録の④など、彼の裏表両面を垣間見ることが出来ます。気品あふれるエレガントな正調英国ロックの響き。ハードなものを主食の方には眠くなるようなフォーク路線かもしれません、初期HEEPのようなガンガンと迫る強烈なアンサンブルもありません、でも、ケン・ヘンズレーのルーツを知りたい方はマストな一枚でしょうね。

いかにもHEEPな⑥も泣かせる、味わい深いギターがたまらん。英国的情緒溢れるポップな⑦も朴訥な声に似合う。カントリー調の⑧⑩、その合間に挟まれるドラマ性のあるゴスペル調の⑨など、ケンの情感豊かな歌声が胸に迫るでしょう、ギターもエエですよ。
秋の夜長に、心を癒すポップサウンド。疲弊した耳を休めたい、そんな方にピッタリの一枚でしょう。


The Hensley / Lawton Band - The Return ★★ (2020-11-07 15:44:52)

バンド名を見ればお分かりかと思いますが、HEEP黄金期を支えたバンドの頭脳、ケン・ヘンズレーと稀代の名シンガージョン・ロートンが再タッグ、そこにポール・ニュートンも加わり、世に出たのが今作。
名目がファンの集いですから正直、同窓会的な緩さもあるのだが、ここはノスタルジーに乗って思いっきり楽しんでもらいたい。細かいことを言わずに、楽しんだもの勝ちである。
このメンツが集まれば期待されるのはHEEPの再現となるわけですが、その期待を裏切らない選曲&プレイで魅了。

衰え知らず、ロートンのクリアーで伸びやかなパワーヴォイスに酔いしれますが、やはりケンは唄を歌いたがります。そりゃ、自分のソロ時代の曲だからね、歌っていいんだよ。でもね、あれだけ歌えるロートンいるんだから、自分のパートも譲ったらと思わずにはいられません。でもそれをやるとケン・ヘンズレーでなくなりますからね。
でもケンに思い入れのない若い人なら、首を傾げたくなるでしょう、それがケン・ヘンズレーなんですよね。

ケンとロートンの二人には確実にマジックが存在します。正直、この二人で本気の新作音源が聴きたくてたまりません。そんな期待を渇望させる魅力があります、それだけに、今となっては実現不可能になったのが残念。惜しいわぁ。無念ですね。


KEN HENSLEY & LIVE FIRE - Faster ★★ (2020-11-07 15:13:45)

新たに動き出したケン・ヘンズレーのロックプロジェクト。シンガーにエリック・ホークを迎え、HEEPとメイデンの融合という、マニア心を擽る人選に否応なしに反応しますよね。

ケンの幻想的なイマジネーションを喚起するエレガントなオルガンプレイも随所にねじ込み、往年の空気を現代に再考。その空気感は①②で一気に惹き寄せてきます、浮遊感のあるハードでヘヴィな音像、ケン・ヘンズレーここにありと言った味わいを堪能、その流れを壊すことなく、メロウな③と流れていきます。歌い手としては、定評のあるエリックも、ここでは個性を抑え気味、というかブルース・デッキンソン臭を封じているように感じる。力めばブルースになるのだが、③で聴ける、黄昏た歌い回しの新鮮に響きます。

流石にファンタジーな初期型HEEPにブルースが参加と言う、こちらの安易な発想は木っ端微塵に砕いていますが、ある意味、ライブでケン・ヘンズレーでも歌えるような形、もしくはガイドヴォーカルに沿ってというような、裏事情を深読みして楽しんでいます。

押しなべて古典サウンドです。ポップセンスもそこそこに、60年、70年代と生き抜いてきた男の等身大の感性が無理なく披露させています。ある意味、峠を過ぎたアーティストと呼ばれるケン・ヘンズレー、もう少し絶対的な説得力のあるキラーチェーンがあれば良いのですが、持続させられなかったのが残念、その為、全体的に小さく収まったと感じるのも難点。やはりエリックはもっと歌える、ギターももっと我を出させるべき、そういうゲスト参加したアーティストが借りてきた猫状態に陥るプロデュース力には、些か疑問もあるが(自己顕示欲が強そうだと何故か感じる)概ね、彼に期待する音楽性を披露しており、古典サウンドを所望するマニアなら安心して手が出せる一枚です。

いい雰囲気なのに、余所行きの空気が個人的には感じてしまう。贅沢な悩みを吐露させるほど、ケン・ヘンズレーは偉大なアーティストだったはずである。


KEN HENSLEY & LIVE FIRE - Trouble ★★★ (2020-11-06 18:49:10)

先日、家族に看取られ天に召された稀代のアーティスト、ケン・ヘンズレーがLIVE FIRE名義で2014年にリリースしたソロアルバム。プロデュースを担当するのはケン・ヘンズレー、相棒はヴォーカル兼ベースのロベルト・ティランティ、イタリアのバンドLABYRINTHのシンガーとして知られています。

今回、ケンはどんな歌い手を所望していたのかと思ったら、グレン・ヒューズのようなソウルフルなシンガーだったんですね。参加メンバーもスリムになり、ここで披露するはケンのオルガンがヴィンテージ臭を撒き散らしらしながら、エレガントに舞う古典ロック。そのオーセンティックな作りにファンならずともグッときますが、ここではファンタジーな要素を抑え、とにかくスタンダードな響きで勝負。その為、今の感性でイケば全般的に地味な仕上がりとなるのですが、70年代をガチで過ごした歴戦の兵が、余計な色気を出さずに堅実作業を敢行、英国ロックの伝統を優美に包み込み聴き手を魅了。
レトロなサウンドプロダクションに埋もれがちですが、耳をすませばケンの歴史を総括するような味わいがあり、じっくりとトロ火で煮詰めた英国ロックの旨味成分の強さに唸ります。

URIAH HEEP脱退後の、ケンの活動は日本では過去の人のような扱いになっていました。確かにソロなんだがバンドなんだか分からない活動もあるし、ジョン・ロートンを組んだり、ジョン・ウエットンとジョイントしたり、ややこしい面はあった。作風も脈絡があるのかないのか、そもそも、ケンは何屋さんなのかという欠点がある。
オルガンに専念すれば良いのに、歌ったり、ギター弾いたりと、イングウェイみたいにやりたい放題。そういうのもマイナスに働いたと思っている。ヨーロッパを中心とした活動、特にロシアでは神様のようなアーティストだったケン・ヘンズレー、今現在の日本での認知度を考えるとチョイと残念ですね。

良いメロディと良い音楽、今作は最も大切なものがあります。それだけで十分です。


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains ★★★ (2020-11-06 13:00:32)

9月の頭に先行公開された①と③を連日に聴き、リリース時にはアルバム全部を聴いたような感覚に襲われてしまった。
どこか不穏な空気の漂うBOC印満点の①と、それに反するAOR調とも言える歌モノロックバラード③、この二つが今作の方向性を示唆している。レーベルはフロンティアだしある意味、安全牌だなぁと思える。
冒険心もそこそこに、久しぶりにリリースされた今作は、専任キーボードプレイヤー不在の為、方向性としてはハードなカラーを強めた『Heaven Forbid』に近いがアラン・レーニアの後任を迎えなかったのも、アランに対する敬意なのかも知れないが、その辺りに物足りなさを覚えるファンもいるでしょうね。

その代わりにライブなどで長年バンドを支えたリッチー・カステラーノの貢献が大きく、プレイのみならず創作面でもバンドに新風を送り込み鮮度を上げてきた。
マルチプレイヤー集団として知られているBOCに新たなるマルチプレイヤーも加わり、アラン不在も、サンディ・パールマン不在も乗り越え、自らの過去と向き合い再構築することで生まれた今作、フロンティアの口添えも少なからずあると思うが、往年の空気を包み込み見事にイメージを壊さないアルバムを作り上げた。

エリック・ブルームもバックダーマーも衰えている、それらは隠し切れないものだ、その等身大の魅力をBOCカラーの名の下、ミステリー仕立てに作り上げた今作は、実に聴きごたえのあるものであり、無難ではあるが、それそれ、キタきたとマニア心を十分に刺激する、意欲に溢れている。
MVPはリッチーである。それは間違いないが、彼を前に出てこない。主役はオリジナルメンバーであるエリックとバックダーマーだ、そういう構成にすることで今作は威厳を保てたんだと思う。

とにかく先行されたPVを見過ぎた、アルバート・ブッチャードがパーカッションでゲスト参加する①など、今年一番聴いたんじゃないかと言うくらい、公開されてから毎日のように聴いた、良いような悪いような、どっちつかずの感想だが、そのおかげで今作に確かな感触を覚えたのも事実、そして、アルバムを全て知った気になったのも事実だ。何とも皮肉である。

ロン・サールの下で腕を磨いたリッチー・カステラーノは、今後もバンドを支えるだろう、それは創作面のみならずレコーディングなどでも辣腕を振るうだろう。老いては益々壮んなるべしな、二人を支えてもらいたいものだ。

先行された上記の曲以外も、いかにもドナルド・バックダーマーなポップセンス溢れる②、新鮮な⑤⑥、カントリー風のスピードプレイが面白い⑦、王道70年代ロックの⑧、エリックとリッチーの共作によるヘヴィな⑨もバンドしては異色なイメージを与えるしPVにもなった⑪など、魅力的な楽曲が多数収録。アルバム全体の流れも良く、通しても聴いてもダレない構成に唸らされる。

この手の音楽をヘヴィメタルと呼称したことで知られる元祖的な扱いが、このバンドのブランド力を上げているのだが、音だけ聴いてBOCを元祖ヘヴィメタルと呼ぶのは苦しい、どちからというと、ポップなロックバンドでした。いや極めてポップなロックバンドと言えるでしょう。
彼等が個性を強めたのはSF風や摩訶不思議な世界観を歌うと言う知的なエッセンスにある。そして、そのイメージを増幅させるクールな音楽性、埃っぽさのない洒落たサウンドメイクは、どこか濡れており、そして、ミステリアスな空気に満ちていた。そういう個性が、他のバンドとの差別化を図り今日まで活動できている。
今作はそのイメージを真っ向から受け止めた力作だ。残されたミュージシャン人生を考えれば、良くやってくれました。今後はコンスタントにお願いしたいですね。


SANCTUARY - Into the Mirror Black ★★ (2020-11-02 12:34:33)

デビュー時、日本ではスラッシュメタルとして紹介されたように感じるが、このバンドは走り出さない。確かにスラッシーなリフは顔を覗かせるし、プロデュースにデイブ・ムステインの名前もあったんで、そうなるのかもしれないが、出している音はQUEENSRYCHEの影響下にあるミステリアスでダークな曲調のHM/HRサウンドだった。

浮かれまくるL.A風のメタルを尻目に、彼等はプログレッシブロックに通ずる複雑な構成と無頼なパワーメタル色をじっくりと煮詰めることで独自性をアピール、サウンドプロダクションやヴォーカルの節回しなど、全てにおいてパワーアップ、不安定な要素を排除し完成度を高めている。
その深みの増した音楽性は、確実に成長しているのだが、その反面、バンドの顔となる音楽性が見てこず、捨て曲がない代わりにリーダートラックもないと言う決定打に欠ける面が強まっている。前作の弱さが、違う形で浮き彫りになったのは残念だが、前作以上に深みを増した楽曲の数々は、知性と狂気を孕んでいる。その触れると怪我するような切れ味が最大の聴きどころだろう。

これは嗜好の問題でしょうが、アメリカのバンドは欧州のような情緒がない、このバンドに扇情的なフレーズがあれば、日本人には聴きやすいのだが、その辺りが評価を分けるポイントでしょう。ミドルテンポ中心、時々スラッシーに走りますな閉塞感に満ち溢れたダークなパワーメタル、こういう音の需要は日本にも確実にありますのでね。

やはり唄はジェフ・テイトでもリジー・ボーデンでもなく、ミッドナイトくらいが丁度良いなぁ。


SANCTUARY - Refuge Denied ★★★ (2020-11-01 15:20:01)

今ではNEVERMOREの前身バンドとして認知されているシアトル産パワーメタルバンドの1st。方向性というか下地は一頃流行ったQUEENSRYCHE風の密度の濃いシリアスなサウンドを踏襲。一筋縄ではいかぬ拘りの演出、場面展開にも気を配り類型的であることを拒否することで自我を極めようとしている。
シンガーもシアトリカルな要素が強く、ダークでミステリアスな②などを聴けばジェフ・テイトと言うよりは、真っ先にリジー・ボーデンを思い出してしまった。そういう意味では類型的なスタイルなのだが、印象的なリフを引っ提げ伝統的なメタルを踏襲する③を聴けば、ますますリジー・ボーデン色を感じてしまうのだが、そこにプロデュースを担当するムステイン色も加わり独自性を高めている。


またシアトルと言う都市から生まれるメタルはこういう気骨のあるパワーメタル系も多く、こういう音を聴かされると、L.Aの土壌とは相反する感覚なんだと思い知らされますね。
本当にアメリカって広いなぁなんて感じながら、こういうストレートに走らないメタルは、聴き手を選ぶでしょうが、ノリで聴かせない作り込まれたメタルの旨味を味わうには丁度良いかもしれません。
コンセプチュアルではあるが、適度な隙間を設け疲労感を軽減しているのがポイントです。個人的にいつも思うのは、このハイトーン系なら、ジェフでもリジーでもなく、ミッドナイトだなぁである。なぜか覆面の彼を思い出しますね。


LAAZ ROCKIT - Nothing$ $acred ★★★ (2020-11-01 13:06:33)

90年代に入りHM/HRシーンも変革の波が訪れていた。脱スラッシュ化、スピードよりもグルーブと皆が試行錯誤しだす時代に突入しつつあったと記憶している。
このアルバムのそんな煽りは受けているが、2000年を超えぐるっと回って先祖帰りも済ませたシーンを見渡した後に聴けば、全然印象が変わってくる。リリース時に感じた違和感、あれって何だったのか?そんな事すら思い出せないほど、今の感性でいけば全然問題なしの一枚へと変換されるのだから不思議です。
先の展開を読ませないスリルを演出する技巧的なプレイの数々、スパーンとした切れ味よりも、ヘヴィでメタリックな質感が五感を刺激する先鋭性の高い音楽性へと生まれ変わり時代と折衷している。

ベイエリア風からの脱却を狙った新機軸を打ち出した一枚。ある意味、正統性を高めたと言える純度の濃いサウンドである。


LIVING DEATH - Protected From Reality ★★★ (2020-10-30 15:35:31)

ド頭から並々ならぬテンションが一気呵成に駆け抜けていきます。その尋常ない雰囲気は並々ならぬ世界観を映し出し、このバンドの何たるかを明確に示しています。デビュー作は何だったんだと言いたくなるようなスキルアップの数々。鋼の精神性を極限までに高め打ち鳴らされる、鬼気迫るスラッシュサウンドに恐れ慄きます。

初見で聴いたことに衝撃たるやね、いい思いですが、スラッシュメタルとはこういう音だと言う魅力が満載。破壊力抜群、手数の多いドラムは鬼神の如き存在感でバンドサウンド推進、まさに大地を揺るがすほどの強力なグルーブを生み出している。ダークでミステリアス、その禍々しい世界観を映し出しすハイピッチなトトの歌声も、線の細さを武器に独自性を高めることに成功、荒々しくかき鳴らされるギターは加速度を増し聴き手を刺激し続ける。暴力的でありながら整合感の増したサウンドは、メロディの質の高さも手伝い、良質なホラー映画の如く血生臭い雰囲気を醸し出し、知的好奇心を刺激、肉体を歓喜させるだけでない、そのIQの高い毒気が体中を侵食していくようだ。

個人的には1stが初体験なので思いれは強いが、全てにおいてスケールアップした(1stとは別モンと言える)今作はスラッシュメタルマニアは勿論だが、ヘヴィで激しいのがお好みの方はマストな一枚でしょう。何度聴いても、このテンションの高さに度肝抜かれる。起伏を設けアルバム一枚を使い切るドラマ、その質の高さに唸らされますね。恐れ入りました。


KICK AXE - Rock the World - Great Escape ★★★ (2020-10-29 11:07:03)

ド派手な一曲ですね
豪快なリズムの上に爽快なメロディがパワフルに躍動
キーボードもお化粧を施し楽曲を煌びやかにメイクアップ
こういう曲をやれるのがバンドの強みでしょう
ポップでパワフルなアルバムの中でも異彩を放つ一曲
アクセントになっていますね


KICK AXE - Rock the World ★★★ (2020-10-29 10:58:40)

カナダの正統派HM/HRバンドがリリースした3枚目。熱量の高いロックヴォーカルと、そこに被さる厚めのコーラスワーク。爽快だが泣いているメロディに絡むハーモニーの付け方にメロディ派のマニアならずとも耳を持って行かれるでしょう。
80年代的な売れる要素も感じるが、それ以上に感じるのは彼らのアーティスティックな感性。細部に拘ったアレンジと音選びに感嘆、アホでは作る事の出来ない一線級のサウンドで勝負している。
テクニカルな要素もあるが、ツボを押さえたプレイに職人肌を感じるギター、曲調に合わせ色彩美豊かなプレイで楽曲に華を添えています。躍動するリズムプレイも同様に曲調に合わせ強弱のアクセントを表情豊かに見せ、聴き手を魅了。美しいハーモニーの合間を縫うように我を打ち鳴らしていきます。
ロックな熱量も豊富な歌声が胸板厚し、そういう迸るエモーションを売れそうな感性で堰き止めクールな一面をアピールさせることで絶妙なバランス感覚でまとめ上げている。
過去の作品と比べても質は高い、その完成度の高さにメンバーも満足したとは思うのだが、売り上げに繋げる事は出来ずに、次の一手が出るままバンドは解散。コンピ作などにも顔を売り、これからという所だったので残念でしたね。
極上のメロセンスに支配された正統派と呼ぶに相応しい聴きごたえのある一枚。一部のメロディ愛好家の間で知られる一枚で終わるのが勿体ないと思う気合いの入った一枚です。
何度聴いてもグッとくるんだけどなぁ。


KEE OF HEARTS - Kee of Hearts - Learn To Love Again ★★★ (2020-10-29 10:27:05)

フック満載
哀愁のあるハードサウンドにグッときます
ポジティブな雰囲気も漂い
アルバムのラストソングなのに心もリセットされ
気が付けがアルバムを頭から聴き返しています
絶妙な配置をされた一曲ですね
上手いことやるわぁ


KEE OF HEARTS - Kee of Hearts ★★★ (2020-10-29 10:21:15)

キー・マルセロとトミー・ハートの二人がメインを張るロックプロジェクト。期待するサウンドは憂いのある欧州型メロディアスHM/HRサウンドですが、今作はそんなファンの思いを前面に受け止め、驚くほど実直にやり遂げている。
それもその筈で、この二人は曲作りに、深く関与していない。楽曲はプロデュースも兼ねている、アレッサンドロ・デル・ヴェッキオのもの、そういう情報をもらえば、ここで聴ける無難さも納得できるでしょう。
衰え知らずに伸びやかな歌声を披露するトミー・ハートの押しの強さも、無難な曲作りの中でも押しの強さを発揮。フロントマンとしての重責を果たしています。
もう一人の主役たるキー・マルセロも、彼特有の華麗なプレイで魅了、雇われ感は滲み出ているが、二人の名前を担ぎ出すだけの価値は見いだせる。もはや小室哲哉状態のアレサンドロが、全てをコントロールしているのだが、名のあるメンバーを全面に出し、フロンティアはアレッサンドロ・デル・ヴェッキオその人を、売り出しているように感じるのがポイントだろう。
今話題の、北朝鮮の軍事パレートは、自らの国力を示すのではなく、武器を売るための品評会という所だったのと同じって言ったら怒られるかね。

憂いのあるメロディが嫌味なく洗練されたポップセンスと溶け合う極上のサウンド。計算し尽くした手練手管の名手により忖度しまくりのロックプロジェクト。その全てが、危うさなど微塵も感じさせることなく、完璧な精度を誇り演出されたら文句など言えません。
恐るべしアレッサンドロ・デル・ヴェッキオ、有名人二人の名前など借りなくても、彼の才能は既にメロディ派に届いていますよ。

二人の名前に拘りがある人も、この楽曲を聴けば文句など出ません。キーのギターが、お馴染み過ぎると感じるでしょう。トミーも、老いたなぁと思うでしょう。単に連れてこられただけでしょう。それでも力技で押し切れるのは、曲の良さに尽きる。それで十分です。


SARCOFAGO - The Laws of Scourge - Little Julie ★★★ (2020-10-27 17:15:39)

ただ単にノイジーに喚き散らすだけではない様式が存在する
ある意味メロデス勢にも通ずる押し引き得た展開
禍々しくも美しいゴットハンド降臨といったところか
個人的には漫画ベルセルクのワンシーンを思い出します
荒涼としたメロディとキャッチネスさも放り込み
絶妙なバランスで聴かせてくる
ノイジーだけど騒々しいだけじゃない
芸の細やかさに唸る
知名度は低いのだがブラック/デス系が好きな方は是非ともトライして欲しい


SARCOFAGO - The Laws of Scourge - Crush, Kill, Destroy ★★★ (2020-10-27 17:11:16)

元々は1992年にリリースされたEPの音源
復刻されたアルバムのボートラとして今は収録されています
禍々しい暗黒スラッシュサウンドに無慈悲なる冷酷さを加味した
この曲は彼らの代表曲と言えるだろう
作品毎に音楽性の質を上げてきた彼等
継承される悪魔の刻印
この曲にはバンドの新たなる可能性と方向性を示唆した起点となる名曲である


VODU - Seeds of Destruction ★★ (2020-10-27 17:02:03)

知る人ぞ知る南米はブラジル出身のパワー/スピードメタルバンドの2枚目。南米特有の荒々しい粗挽きサウンドは実にスラッシー、しかし、スキを見せると直ぐに正体を無くす演奏に、ハラハラドキドキ、お前たちせーのっ!って言ってからレコーディングしているだろうと言いたくなるような、怪しいプレイをそのままパッケージ(逆にせーのっ!でやり直せ)、あまりのあらびき団ぶりに、ひっくり返りそうになるのだが、メタル愛溢れる熱のこもったプレイと、情緒のあるパッショネイト炸裂するメロディは、妙な吸引力があり、何故かメタルな感性を刺激する。
7分にも及ぶ、動きの多いドラマティックなナンバーなども放り込む、バカメタルで片づけられない魅力も発散。線の細いギターも含め、懐かしさが満載、良く動くベースとドラムも酔拳かよと、言いたくなる剛腕ぶりを発揮、不安定さを味方に聴き手に、襲い掛かってきます。
この手のパワー漲るスピードメタルにとっては、もう少し歌えるシンガーでないと勝負にならないが、この唄が実に不安定な要素を炙り出し、D級感をこれでもかと言わんばかりに強調してくる。
何処をどう聴けばよいのかと、ススメどころも見つからないズンドコベロンチョメタルサウンドなのだが、半地下番長メタルが大好きはワタクシは、どうしようもない魅力があるのです。
今のご時世、お金払わなくとも音源に触れる機会がありますので、見かけたら一度立ち寄ってくださいませ。

このバンドを知ったのは2000年に入ってから、②の歌入れに、あのアンドレ・マトスが参加、彼はヴォーカルアドバイスというか、手助けをした形で参加しているようです。その一点ですよ。
今は亡きアンドレの、若かりし姿を感じたいマニアにはグッとくるでしょうね。


TOLEDO STEEL - No Quarter ★★ (2020-10-26 12:19:16)

イギリスの若き野郎どもが世に放ったのはオーセンティックなHM/HRサウンド。そのNWOBHM仕込みの音楽性に、本当に90年代にグランジ/オルタナブームなんてあったんかいと思わせるほど、あの時代からの影響を微塵も感じさせない古典芸能に終始している。あまりに実直で遊びがないために、懐かしさでグッとくる事はあるが、飽きるのも早く、その辺りは趣味嗜好に委ねることとなるが、このバンドはとにかく古いことを全く拒絶せず綿々と続く物語の語り部として引き継いでいる。

裏返る声も癖が強め、しかし演奏はいたって普通、何とも言えないB級感も漂わせている。化学調味料で味付けされた、懐かしの街中華やに足を運んだ、若かりし頃を思い出させてくれる望郷じょんがら感が満載。個人的にはどうしても外せないジャンルとして心に響き渡ります。

これからメタルを聴く若い人に進めずらい面もあるが、細分化された今だからこそ、メタルというど真ん中を行く音楽性だよと教えたい。しかし真新しさはない。過去をなぞるだけのバンドは評価が難しい。


NINJA SEX PARTY - Strawberries and Cream ★★ (2020-10-25 12:35:46)

バンド名に人を馬鹿にしたような風貌、そして思春期の男の子のエロ願望を歌うなど、潔癖な方からは100%嫌われる要素も大なロックユニットの2枚目。シンセ全開ですから、でもフェスなどでウケそうなノリの良さや親しみやすさが全面に出ており、音楽性はけして低くない。むしろトンカツDJ揚げ太郎なサウンドでお楽しみの方なら大いにいけるでしょうね。PVもお気楽で、真面目に議論するものではありませんが、このバンドには、おういうお笑いでお茶を濁さない音楽的な偏差値も高く、全年齢全ジャンル対応の懐の深さがあります。
こういう音を主食として楽しみこともないし、お金を出して買う事もありませんが、定額制サービスのなせる技としてハードサウンドの箸休めに楽しんでいます。
お遊びの要素も強めなコメディポップユニットも、カヴァーアルバム集を3枚もリリース、そこでは有名どころを大真面目にカヴァー、しっかりとしたアレンジと嫌味のない爽やかな歌声で華を添えています。
そちらも注目ですよ。


SABïRE - Gates Ajar ★★★ (2020-10-25 12:11:40)

カナダ人マルチミュージシャン、スカーレット・モナスティルスキのロックプロジェクト的なニュアンスのバンドが2019年にリリースしたEP。ドラム以外は彼が一人で担当とメタルマニアぶりを発揮、そのマニアぶりは音楽性にも反映、イントロあとの②は完全にSATANだよなぁと狙いは十分、毒々しいグラマラスなファッションと相まって、80年代的なアーティスト臭もプンプンと漂わせていますが、アホでは出来ない、英国的な様式美スタイルも感じられ、適度な湿り気を帯びたメロディと、派手目の楽曲との相性も抜群の相乗効果を生み出し、実に真っ当なサウンドを披露している。
親しみやすいのはキャラのみならず、ハードテイストに練り込まれたキャッネスさ、その万能感はシャープな質感を纏い、柔らかいのに芯のあるロックサウンドをスパッと切っていきます。
所謂、トラディショナル系の復権型HM/HRです。ですから真新しさなど皆無です。その先人たちからの影響下にあるサウンドを、パクリと切り捨てるのか、揺ぎ無い忠誠心を捧げたメタル信者と取るかて評価も分かれるでしょうが、毒気を纏いメタリックに走りだす、スピードナンバーの数々にW.A.S.Pに通ずるものを感じました。
そう思うと、あの派手なヴィジュアルも納得ですね。ありそうでなかった真っ当なW.A.S.P.のフォロワーサウンド。こういうのは嫌いになれませんね。


PRETTY MAIDS - Spooked - Twisted ★★★ (2020-10-24 13:32:03)

お約束感満載です
このバンドの定番と言えるような展開とメロディ
自己のスタイルを持っているバンドの強みを感じますね


PRETTY MAIDS - Future World - Future World ★★★ (2020-10-24 13:30:09)

いきなりイメージチェンジに成功しています
力みが賛否を分けそうですが
メジャー志向を打ち出しただけではないガッツを感じます
それでもって大衆性があるのだからスゴイ
でも若気の至りだよねぇ


PRETTY MAIDS - Red, Hot and Heavy - Red, Hot and Heavy ★★★ (2020-10-24 13:25:37)

いいですねぇ
典型的なメタルアンセム
大地を踏み鳴らし拳を振り上げたくなります
ベタな展開ですがメロセンスがエエのです


PRETTY MAIDS - Red, Hot and Heavy - Fortuna Imperatrix Mundi/Back to Back ★★★ (2020-10-24 13:23:56)

この時代が一番好きですね
メタリックかつメロディアスなプリティメイズ節炸裂の代表曲
最新作は冗談としか思えないほど売れ線志向になびきすぎだよ


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains - Nightmare Epiphany ★★★ (2020-10-24 13:00:35)

ピアノがいいぇ
メインリフを華麗に弾いております
そこに絡むギターもいい
これもBOCな魅力を感じます
このラインナップの旨味ですかね
粋なシャレオツ感が実にクールに鳴り響きます
ドナルド・ローザーの声にピッタリだね


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains - Box in My Head ★★ (2020-10-24 12:57:55)

なつかしいなぁ
このポップセンスこそ長年貫かれてきたスタイル
ローザーらしい爽快感が聴きどころ


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains - The Return of St. Cecilia ★★★ (2020-10-24 12:55:07)

ノリの良いキャッチーな一曲
アルバムの流れ的に絶妙
ハモンドの音色もアクセント
歌うはリッチー
彼の声はBOCパワーポップに良く似合う
そして懐かしのリチャード・メルツァーのクレジットにニヤッとしました


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains - The Alchemist ★★★ (2020-10-24 12:49:14)

曲はリッチー単独で歌うはエリック・ブルーム
ヘヴィでブルージーなリフが耳を惹きますね
このバンドらしい冷ややかな感性が楽曲を引き締めています
アラン・レイニア不在は痛いがピアノも聴こえてくるがもっと欲しい
多くのファンを満足させる今作のハイライトと言える一曲でしょう


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains - Tainted Blood ★★★ (2020-10-24 12:40:18)

リッチー・カステラーノは歌が上手いねぇ
王道をいくブルージーなバラードナンバー
BOCとしては新しい風を感じます
壮大な雰囲気はホワイトスネイク風ですかね
こういう曲をアメリカンナイズドと叩くのでしょうね?
ドラマティックないい曲ですねぇ
エンディングに向けて迸るエモーションを込めたソロはリッチーのもの
エエねぇ
1stは譲ったがエエよ


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains - Train True (Lennie’s Song) ★★★ (2020-10-24 12:32:47)

ウェスタン風?ロカビリー?
西部劇をイメージさせるフレーズをスピードに乗せ奏でるのが印象的ですね
こういう遊び心はアルバムの楔になりますね
色々と仕掛けていますよ


BLUE OYSTER CULT - The Symbol Remains - That Was Me ★★★ (2020-10-24 12:29:07)

9月の頭には先行公開されていたアルバムのオープニングナンバー
冷ややかな感性とBOCにしてはファットなサウンドに驚かされた
特筆すべきはアルバート・ブーチャードがパーカッションで参加
一応はPVの映像にも収まり最新作に華を添えている
コロナの影響もあったのか全メンバー別撮りの合成映像にチョイと笑えるが(アルバートは何処を見ている)
最新作の方向性は見えてきた
リードギターとして活躍する若きギタリストもメンバーに合わせ忖度しているのが面白い
彼はもっと弾けるギタリストですからね
まぁマルチプレイヤー集団だから仕方ありませんよね
専任キーボード不在は寂しいが新生BOCに対する期待値を上げるのに十分な魅力があります


DRAGON - Fallen Angel ★★ (2020-10-23 12:17:35)

ポーランドのメタルシーンを語る上では外せないバンドの2枚目。前作のスラッシーなパワーメタル風味から一転、シンガーもデス系に変わり、そのままデスメタルスタイルへと変貌。こういう流れに驚くことはないが、とにかく音質が悪い。
こじんまりとしたサウンドプロダクション、分離の悪い音質は隣のスタジオからの音漏れを聴いている気分。そういうことがマイナー臭に拍車を掛け、真剣に聴く気になれないのだが、聴いていると骨がきしみだすようなノイジーさと、汚らしく塗されたイーブルさ、その独特の感触に個性を見出せます。
またデスメタル特有の感性、闇の美学なるダークネスさをストレートにぶつけることで不穏なる空気を演出、その分かりやすさは説得力へと変わり、聴き手の感性をドス黒く汚していく。

地を這う血まみれのヘヴィグルーブも音質の悪さに殺されているが、他のジャンルとは例えようがない、デスメタルサウンドを確立しようと苦心している。ポーランドメタルの悪い例を特出したような作りになってしまったが、デス系のメタルを愛するマニアならチャレンジして欲しい、元祖的な音に溢れた一枚である。


THE POODLES - Performocracy ★★ (2020-10-23 11:50:50)

所謂80年代のメタルリバイバルブームの流れでデビューを果たし成功を収めた北欧のグラム系HM/HRバンドの4th。今作は基本、歌心を大切にしたメロディアスサウンドを踏襲しているが、それ以上にシリアスでダークな感触が増量、今までのイメージをソフトチェンジさせることに成功。明るく弾けるだけじゃない、第二形態へと進化させている。

現代的なエッセンスを前面に押し出し親しみやすさを抱き合わせたナンバーは、いささか安直に映るのだが、ビックセールスを実現した先人たちの音楽性、それらをジャンル問わず取り込むスタイルは、ある意味、毛嫌いされる対象となるのでしょうけど、ここまで狙い、やり切ったのなら文句は言えないでしょうね。
正直、オリジナルティは薄い、刺激も少ない。それでも4枚目までコンスタントにリリースできる盤石があるからこそ、前作との相違点を明確に作り新機軸を打ち出せたのだろう。そういう意味では野心に溢れた一枚となる。

それにしてもヤコブ・サミュエルは近未来的サイバーメタル風の楽曲に、あの金属質な声は似合うんだという事を再認識した。


兀突骨 - Where Warriors Once Dreamed A Dream ★★★ (2020-10-22 17:11:44)

まずバンド名が渋い。光栄のシミュレーションゲームやNHKの人形劇の影響もあり、大好きな世界である三国志、その中でもゲームではポンコツの部類に入る(知能が低いのですぐに計略にかかる、また三國無双などでもヤラレキャラだ)。マニアウケの孟獲率いる、藤甲軍団の武将、兀突骨をバンド名にした、国産デスラッシュバンドのフルアルバム。
川崎の残虐王の名を持っているらしいが、その異名に偽りなし、和のテイストを持ち出しつつも、臭くならず世界を相手に戦えるだけの個性と質の高い音楽性を披露。
三位一体となり繰り出される泣く子も黙る暴虐性、そこにそこはかとなく流れる悲哀のメロディ、戦火の果てに命を落とす兵どもの夢のあと先、儚く散るはな、刹那な世界を唯一無二の個性へと変換させ、無慈悲なる暴力的なサウンドの中で有機的な絡みを魅せ独自性をアピール。西洋の音楽性を和をもって迎え入れているが、けして飲み込まれることなくハイブリットさせたバンドの柔軟さに恐れ入る。
これは海外志向ではなく、日本から生み出されたエクストリームミュージックなんだと胸を張れますね。凄みのあるデスヴォイス、おおよそトリオとは思えない分厚い音像、先鋭的でトゲトゲしい密度の濃いヘヴィサウンドの凄み、重量感たっぷり、死者の怨念が渦を巻き、生者を祟り呪い殺すが如き変化自在のヘヴィグルーブ、その圧倒的な破壊力で打ち鳴らされるドラムと、アイデア豊富な才人、高畑のスラップするベースからは、グラインドコアは勿論、インダストリアル系からの影響も感じられ、個人的には新鮮に耳に響きました。
特筆すべきは芸達者のギター、雄々しい怒号を上げるバンドサウンドの上を喜怒哀楽を用いて縦横無尽に駆け巡り、苛烈なるバンドサウンドに表情を付けている。戦いに身を置くものの儚き命、円城寺のギターは実によく唄っている。

聴くたびに思うのは実に芸の細やかなバンドであるという事、技巧的にも海外の一流ところと比べても遜色なし、アグレッションに埋没させない有機的な響き、その確かな人間力がこれほど織り込まれているデス系を、私は余り知りません。門外漢も甚だしいので言及はしませんが、このバンドには、実に人間臭さが音に溢れている。それが最高に好きです。

ライブのSE的に意味を含むインストナンバーの①から始まる、彼等が提示した戦国絵巻にスキは見当たらない。

それにしても何故、兀突骨なんだろう。三国志好きなら、一度や二度、理不尽な奴に向かって、董卓みたいだなぁとか、喧嘩の強いやつを呂布奉先扱いしただろうが、兀突骨を選んだセンスが素晴らしい。狙い過ぎるとダメだから、語感も含め絶妙です。個人的には三国志ポンコツキャラと言えば、真っ先に思い浮かぶのは曹豹です。内政に向かないし、戦闘に出しても戦う前に計略でボロボロになるんだよなぁ。言いたい名前だと武安国、董荼那、阿会喃、帯来洞主、祝融夫人とか出ますね。


JURASSIC JADE - 帰天 ★★★ (2020-10-22 16:16:17)

2014年にリリースされた6曲入りのEP。シンガーでありバンドの顔でもあるHIZUMI嬢のアジテーションヴォイスは健在、紆余曲折を経て辿り着いた崇高な理念すら感じさせる歌詞と音楽性、その二つが濃密に絡み合う事で、このバンド独自の世界観を演出してきた。時代の中で折衷しながら磨き上げた普遍的ヘヴィサウンド、ジャリジャリと下品にささくれたつギターも、ここでは逆に暗黒サウンドとしての気品すら漂わせ、唯一無二のスタイルをより一層黒く塗りつぶしていきます。

うねりを上げるヘヴィグルーブの熱を帯びた粘着力、スパーンとドラムが切ったかと思えば、ベースがねっとりを絡みつきヘヴィな現代的音像を浮き上がらさせている。
スラッシュメタルを軸に置きながらも、時代性を無視してこなかったバンドサウンド。今作は久しぶりに初期の頃を想起させるスピード感も戻り、摩擦度も増量。しかし、それは安易な原点回帰などではなく、現在進行形の深化の果ての先祖返りであり、彼等が今日まで培ってきた音楽性が結実したに過ぎない。

定番を持っているバンドは何をやっても強い。今作は、このバンドらしい黒い感性が唯一無二のキャラクター、HIZUMI嬢を伴って鮮烈に解き放たれている。ヘヴィな音像に埋もれることなく共鳴し合うキャッチネスさ、ただ攻めるだけじゃないアグレッションの開放、質の高いドラマ性を有するダイナミズム溢れるバンドサウンドに唸ります。

吐き出される呪詛、6曲入りでは物足りないよと、とんでもない渇望感を味わう銘品です。久しぶりに聴きましたが、意外なほどキャッチーなサウンドに仕上がっていて驚いた。古さに埋没しない古典芸能。彼等は同じ場所に留まらず、常にシーンを見定め攻めていた。その多様なアイデアを破綻させることなくバラエティ豊かに押し込めてきた入魂の一枚。同じ日本人であることを誇りに思える感性。スラッシュファンは勿論、ラウド系のマニアも飲み込ませるだけの力が備わっている一枚でしょう。


DRAGON - Horde of Gog ★★★ (2020-10-20 13:36:11)

ポーランドのメタルシーンを語る上では外すことのできない伝説のバンド、ドラゴンの記念すべき1st。ヨーロピアンテイスト満載、スピード感溢れる重厚な楽曲はどれもがインパクト大。迫力満点の高速ツインギターから繰り出される癖も強めのフレーズはドラマ性を高めつつ個性を発揮、先人たちからの影響も自分たちの流儀に染め上げ、見事に昇華している。

高い演奏技術に支えられた楽曲は、どれもが粒だっており、攻撃性の中に秘められた叙情性、ダイナミズム溢れるバンドサウンドを牽引する、ハードドラムとメイデン風ベースの絡みも正統性を高めることに貢献、そのエキサイティングなプレイの数々は、派手に走る回るツインギターコンビとの相性も抜群である。

一体感のあるバンドサウンド、そこにポーランドメタル的な癖のある唄が乗るのだからマニアならずともグッと惹き寄せてくるでしょう。一気呵成に突っ込んでくるだけではない多様性、リズムチェンジも多用した楽曲群はドラマ性を高めことに余念もなく、アイデア豊富なツインギターによって極限まで楽曲を盛り上げている。

どこか陰りのある東欧的なメロディも、ここではアングラ臭を強めるよりもバンドの個性に磨きをかけており、地下メタル愛好家だけが愛でるのは勿体ないよと言わせるだけの、ワールドワイドに羽ばたける魅力を携えている。時期的にスラッシュムーブメントも泡沫状態、大手レーベルからドントンとデビューを果たしている時期でもあり、そして脱スラッシュ的な匂いがしつつある時期でもあった。それだけに、このバンドは知名度を上げ切れなかったのだが、スラッシュマニアなら押さえて欲しいですね。同郷のTURBOのKawaleria Szatanaあたりが好きな人なら迷わずイってほしいアルバムですね。


Love Machine - Hungry for Your Love ★★★ (2020-10-20 13:10:51)

イタリアのメロディアス系正統派HM/HRバンドが1992年にリリースした2nd。鮮烈なメロディと歯応えのあるハードテイスト、二本のギターとキーボードを駆使し時には軽やかに、そして力強い旋律が駆け抜ける王道スタイルを披露。北欧系のような雰囲気もあるが、そういう甘さよりもパワフルさが勝っておりメタルバンド特有の荒々しさがメロディアスなサウンドと絶妙なバランスをもって駆け引きを行い、互いの良さを高め合っている。この手のメロディアスHM/HRにとっては奥行きのないサウンドメイクに良さを殺されているが、低予算に恨めしい思いを抱きつつも、それ以上に楽曲の質も高く、甘すぎず軽すぎない男前なHM/HRサウンドで勝負している。

これで、もう少し歌い手に表現力があれば良いのですが、粗い声質の歌い回しではイマイチ曲の良さが伝わってこないのも、このバンドの短所と映ってしまうが、メロディを大切にする曲作りに、島国日本の情緒に訴えるようなメロディが満載、そこに秘めたるパッションが弾けるバックのカロリー高めの演奏がテンションをアゲアゲで迫ってくるんだからな、メロディ派なら大いに楽しめるでしょう。

こういう爽やかだが泣いているHM/HRは欧州ならではの味わい、大切にしたいものです。ピアノの旋律が涙を誘うバラードなんて、上手い歌で聴きたいに決まっているんですけどね。日本のインディーズ系にも通ずる歌は弱いが曲はイイ、音質云々の不満を飲み込ませる力技に目を細めてしまいます。ワタクシこういうの大好物なんです。


MANILLA ROAD - Mystification ★★★ (2020-10-20 12:43:29)

世界中にコアなファンを持つカルトメタル番長が1987年にリリースしたフルアルバム。走り出しそうで走らない濃密なエピックメタルを展開するバンドでしたが、ここでは一転、当時台頭するスラッシュシーンを迎合するように、ドカドカとド派手に突っ走る①にひっくり返りました。何の予備知識もなかっただけに、このバンドにもこんな時代があったんかいと初見の驚きは相当なもんですよ。
夜中に起き冷蔵庫に冷やしあるお茶を麦茶かなんかと思い飲んだら、ルイボスティーだった時の驚きに匹敵する、不意打ち感に驚きました。②も勇猛果敢なエピカル度もあるが勢いのある姿勢を崩しておらず、その変貌ぶりに驚かされる。相変わらず歌は魔界村な世界を抑揚の少ない歌唱スタイルを用いて朗々と歌い上げているが、随分と様変わりした印象を受ける。

おそらくメタルの持つカタルシス、スピード、キャッチーさ、そしてパワーと言った衝動性に惹かれる方なら、今作の方向性は大いに歓迎でしょう。マニラロード初心者には、この方が取っ付きやすいかもしれませんね。

個人的には無駄とも言えるほど、仰々しいむせ返るような世界観強めのサウンドこそマニラロードと思っているので、違和感はあるのだが、そういう先入観を捨てて聴けば作品のクオリティは高く、新機軸を打ち出しつつも、勇壮なスタンスを取りづ付けており、広く聴き手を呼び込むことに成功している。そして、聴き込むほどに評価を改め続けている一枚でもある。

エピックメタルファンにとっては違うのかもしれないが、自己主張の強いメンバーが互いを睨み合いながらも共鳴し合う、喧嘩奏法サウンドは圧倒的な音圧を誇っており、低予算などモノともしない一触即発のステゴロハイエナジーサウンドを披露しております。こういうのは理屈ではありません。ある意味野性的とも言える荒々しい猛りが、聴き手の闘争心に火をつけるでしょうね。
そんな喧騒なサウンドの中でも、マーク・シェルトンの唄は自分のペースを乱しません。そしてバンドも絶妙な一体感を持ってトリオバンドとは思えない厚みのある演奏で魅了します。

全然人気薄の知名度激低くなんですが、この手のスタイルは必ず日本でも需要のあるサウンドだけに、チャレンジして欲しいですね。走るエピックメタルって、こんなに脂っこくてカッコいいんだということを知って欲しい。個人的にも愛して止まない一枚です。


ZZ TOP - Eliminator - Gimme All Your Lovin' ★★★ (2020-10-16 14:31:27)

洗練されていますねぇ
それでありながらも保守的な南部の香りがします
そんな武骨なロックスピリットとMTVへと移行する時代を見越した一曲ですね


DEF LEPPARD - Hysteria - Love Bites ★★★ (2020-10-16 14:26:16)

売れ線ですねぇ
売れ線志向を極めている
ロック度は激薄だが時代を射抜いている
新生デフ・レパードを決定づけたようなバラードタイプのヒットソング
反則負けである
個人的にはコッソリ聴いていた想い出の一曲
フラれら後に良く口ずさんだなぁ(涙)


AUTOGRAPH - Sign In Please - Turn Up the Radio ★★★ (2020-10-16 14:10:53)

やりにいっているなぁ
やりにいっている名曲です
この普遍的な響き
THE80年代なラジオ向けの大衆ロックソングです
このコーラスだってギリギリでロックに留まっている
そのセンスが最高に好きです
なんだかんだで今でも聴きたくなりますね
狙い過ぎが癖になります
ギターも巧者


KIX - Blow My Fuse - Don't Close Your Eyes ★★★ (2020-10-16 14:06:44)

青春時代を思い出す想い出の一曲
なんだかんだで良く聴きました
でもスラッシュから入ったので仲間に馬鹿にされそうなので
コッソリと聴いておりました
デニス・ストラットンがビージーズを聴いていて
メイデンのメンバーに馬鹿にされバンドを止めたみたいな逸話に共感しますよ

珠玉のアメリカンロッカバラード
今だからこそ多くの人に聴いて欲しいですね
時代を超越して愛される定番だと思います
クセが強めなのがいつまでも愛される要因です


TOKYO BLADE - Night of the Blade - Night of the Blade ★★★ (2020-10-16 14:01:43)

このバンドの名前をシーンに轟かせた代表曲
NWOBHMな雄々しくも荒々しい疾走ナンバー
歌メロも歌声も英国じゃないですかねぇ
メイデンよろしくな濃密な展開もたまらん
ヘヴィメタルの様式が詰まっていますねぇ


VAN HALEN - OU812 - Mine All Mine ★★★ (2020-10-16 13:58:09)

夜の高速道でかっ飛ばしたくなるようなアーバンな洗練度のある一曲
サミー・ヘイガーの声が有機的に絡む
時代を感じさせるサウンドメイクだが
それだけヴァン・ヘイレンの存在が大きくなっていた証拠だろう


W.A.S.P. - The Last Command - Sex Drive ★★★ (2020-10-16 13:53:49)

なんかどっかで聴いたことあるぞなリフがね
英国ロックからの様式を受け継いでいるからこそなアイデアです
W.A.S.Pの前身バンドSISTER時代から演奏されている一曲
この明快なノリの良さと毒気
そしてチョイ切ない系のメロディがエエのでしょうね


W.A.S.P. - The Last Command - Wild Child ★★★ (2020-10-16 13:47:47)

ブラッキー・ローレンス節炸裂のW.A.S.Pと言えばな名曲中の名曲
個人的にも大好物な一曲
でも後年、ブラッキーはこのアイデアを擦り倒すとは夢にも思わなんだ
それでも溺愛してしまう
歌メロがたまらん


CHROME MOLLY - You Can't Have It All ★★★ (2020-10-16 13:34:34)

既に英国では下火となりつつあったメタルシーン、そんな厳しめの環境の中で遅咲きのデビューを果たしのがコチラのバンド。力強い歌い手のパフォーマンス力に魅了、その憂いのある沸騰型ヴォイスに英国の血を感じずにはいられません。
これを知らずして英国ロックを語るなかれと言いたくなるほど、英国中の英国なハードサウンドを牽引している。

適度に散りばめられるメジャーな質感も程々に、ロックに対する真摯な姿勢を打ち出し絶妙なバランス感覚で魅了。楽曲そのもので勝負を賭けているのがなにより嬉しい。
当時としても鮮度とよりも熟成、派手さよりも堅実という玄人好みの音楽性、少々うっとしいと感じる歌声も、それは彼らの強み。ハードなロックに似合う本格派の歌唱スタイルに唸る。

このバンド最大の売りはデビュー作から既に風格が漂っており、定番の匂いがプンプン漂っていること、それでありながらも古典ではない、新しい歓声を取り込んでいるのが最大のポイント。イイ歳こいたオッサンが聴いても恥ずかしくないメジャー感は最高に気持ちがいい。若い頃よりも今の方がしっくりくるのも、その辺りの作りにあるのでしょうね。
ネアカなアメリカンロックは苦手、でもメジャーな風格のある普遍的なロックが聴きたいと思うマニアにはうってつけの一枚でしょう。知る人ぞ知るマニア向けのバンドでない隠れた名品ですよ。


ENGLISH DOGS - Metalmorphosis ★★★ (2020-10-16 12:58:31)

1986年にリリースされた3曲入りのEP。相変わらず軽めのミックスにパンク時代の名残はあるが、音楽性は正当性の強めなヘヴィメタル色を増強。ツインリードのハモリパートも強化と、不思議な味わいの音楽性に変換されている。
まさにメタルバンドがパンクしかしらないプロデューサーのもと、音源を制作したような奇妙奇天烈なハイブリットスタイルを披露。完全に自分たちの流儀のスタイルへと昇華されており、そこに疑問を挟む余地など見当たらない。歌い手も濁り強めだが、メロディを追い歌い込む姿勢と取っており成長の跡も伺える。
全てにおいて正当性の強いメタルサウンドに接近した為に、パンクから入ったマニアには物足りないだろうが、メタルサイドとしては、この路線変更は歓迎ムードだろう。
個人的には、もう少しパンク強めの方が個性があったように感じるという、摩訶不思議アドベンチャーな不満を覚えてしまうのだが、3曲で17分を過ぎる大盛ハイブリット定食を出されたら文句も出ません。展開もメロディもパワーも十分兼ね備えていますからね。
リメイクされた死霊のはらわたを思い出すジャケットも魅力。


ENGLISH DOGS - Forward Into Battle ★★★ (2020-10-16 12:34:26)

元々はパンク/ハードコアスタイルの音楽性だったが徐々にメタルへと接近、今作はパンクサウンドを下地に、正統性の強いメタルへと憧憬も垣間見えるクロスオーバースタイルへと昇華、吐き捨て型のパンクヴォーカルに対して、ドラマティックなギターが登場したりと、メイデン風味も感じさせるなど、一筋縄ではいかぬ多様性を披露。
ときには勢いのあるギャングコーラス風もあったりと、スラッシャーにも勧められる過激さも完備、少々軽めの音質ではあるが、首筋辺りが疼くスピード命の楽曲は魅力的ですね。
勢い重視の楽曲ではあるが、耳をすませば意外と複雑な拘っており、テンションの高い演奏を相まって独自のスタンスで攻めている。個人的にはもう少し深みのあるミックスの方が好きだし、パンク気味の唄はドストライクとはならないが、これまたギターチームが、予想もしない角度からメロディアスかつ正当性の強めのアプローチで印象的なフレーズを放り込んでくるから嫌いになれません。
粗めの演奏もイイ感じのハイブリット感を誘発、パンクバンドの持つフットワークの軽さと、重厚なメタルが出会い、互いが自己主張した元祖クロスオーバースタイルのメタル/パンクバンドの一つだろう。


White Pigs - Songs of Sin ★★★ (2020-10-15 08:52:06)

結成当初はハードコアパンクスだっと言われるコネチカット出身のスラッシュ系バンドの1st。とにかく音楽性を一口で表現することの難しいバンドであり、かつてはCombat RecordsからEP出したりもしているのだが、クロスオーバースタイルのバンドだ。ヴォーカルの持って行き方などは明らかにパンクハードコアスタイル、しかしギターは随所にメロディアスなフレーズも導入する様式美系にも通ずる美意識の持ち主、国も音楽性も違うが我が国のDEAD ENDにも通ずるような型にハマりきらないサウンドです。

B面の最初になる5曲目のLAMBS BLOODを聴いたのが、このバンド初体験、直情的なビートが突っ込んでくるスピードナンバーだが、メロディを追うパンクヴォーカルとソロでが俄然色艶が煌めくギターと、不思議な感覚のバンドだった。恐らくバンドの本質は8曲目のBOBBYのようなNWOBHMやモーターヘッドなどに通ずるパンキッシュなハードスタイルなのかもしれないが、このアルバムでは芸達者のギターを武器に、単純明快に走るだけではない小ドラマが存在する。
その2面性を殺すことなくハマった時のパワーと破壊力に魅入るのだが、噛み合っていない瞬間もあり、イマイチ乗り切れないと感じさせるが評価を分ける最大のポイント。

最近まで存在を忘れていましたが、棚を整理していたらポコッと出てきました。こういうのはサブスクリプションでは絶対にないからなぁ。便利さは出会いの場を広げたが、記憶を呼び覚ましてはくれない。難しい問題だなぁ。


ASSASSIN - The Upcoming Terror - Assassin ★★★ (2020-10-15 08:22:02)

アコギのパートをアクセントに静と動を巧みに演出
アコギパートの美しさに思わず息を飲みます
だからこそ剛毅に打ち鳴らされるヘヴィネスサウンドが体の奥深くまで侵入
大切にしたい倫理観を掘り投げ
ひたすら音に身を委ね首を振りまくりましょう


ASSASSIN - The Upcoming Terror - Holy Terror ★★★ (2020-10-15 08:19:19)

圧巻のツインリードの驚きます
激しさの中にある刹那な美しさ
前曲のアコギアレンジとは別に感じさせる美意識
単なる過激さだけではない芸の細やかさを見せつけた
勿論暴れていますよ


ASSASSIN - The Upcoming Terror ★★★ (2020-10-15 08:15:02)

あれ?消えてんなぁ??

かの有名な商業誌から50点を喰らったいわくのある一枚。まだまだスラッシュメタルへの理解は低く、マニア向けだったんだろう。特にこの手のレビューを担当する人もいなく、翻訳家のさこたはつみさんが専門だったと聴く。これは深民さんが下したらしいが、こういうスピード重視の不条理なサウンドというのは嫌いな人はトコトン駄目でしょうね。
個人的に、スラッシュ系からメタルを聴き始めたので、この手のスタイルはアホのように耳にしました。
もし、雑誌を片手に音楽を聴いていたら一生出会えなかったと思います。

一気呵成に突っ込んでくるスピード命の音楽性、そのもっさりとした音質に難を示したくなるが、マチェーテを片手に備えぶん回す暴力的なサウンドは今聴いても十分刺激的、断末魔の叫びをあげる歌声と、制御不能と化した大型重機が暴れ回るが如き修羅場を想起させるリズムプレイに恐れ慄きます。

当時はアメリカやイギリスよりも格下扱いされていたジャーマンメタルシーン、そういった理論整然としたメジャーロック勢とは一線を画す、地下メタルサウンドの凄みは今作からビンビンに溢れ出ており、シーン全体をひっくり返すようなパワーが蓄積されていた。
拘りぬいたアグレッション、汚らしく騒々しいサウンドではあるが、単なるメタリカのフォロワー群とは違い、自分達のカラーを打ち出そうとしている。彼等もルーツは同じ、NWOBHMだしパンクもある、しかし一つのジャンルにハメ込まれることを拒絶するようなアレンジと構成があり、聴き進むにつれ、その味付けの多彩さに驚かされる。勿論、諸先輩方の影響も大だが、個性を見いだそうと努力を怠っていないのは評価できるだろう。

ハッと息を飲むほどに美しいアコギをフィーチャーした⑤など顕著に表れているのではないだろうか。細分化されたメタルシーンだが、今は随分と洗練されたものだ。この時代でしか味わえない、初期衝動を震わす地下メタルサウンドの凄み、既にこういうリズムアレンジを行っていたバンドがいたんだという事を知って欲しいですね。


BATTLE BEAST - Steel - Enter the Metal World ★★ (2020-10-13 14:39:00)

ノリの良いロックアンセムです
キーボードがバリバリ効いていますよ


HELLOWEEN - The Dark Ride - Mr. Torture ★★★ (2020-10-13 14:37:25)

このバンドのイメージにピッタリですね
どのような時代にアジャストしようとも
あのメロディが飛び出しますから


BON JOVI - Lost Highway - We Got It Going On ★★★ (2020-10-13 14:33:20)

どっから聴いてもBON JOVIですね
忖度してるなぁって思いますよ


EUROPE - The Final Countdown - Heart of Stone ★★★ (2020-10-13 14:31:42)

地味な曲と言われがちですが
ヒット系の曲が多い中でアルバムをビシッと〆ている
十分メロディアスだし売れそうな曲ですよ
歌メロも歌声も素晴らしい
バックの演奏も適切
脂の乗っている時期だと確認できる
ジョン・ノーラムは抜ける必要なかったよなぁ


BLUE MURDER - Nothin' But Trouble - We All Fall Down ★★★ (2020-10-13 14:28:10)

SEでサイレンが使われる曲はカッコいい説を唱えたい
そんな期待を裏切らないアイリッシュフレーバーもあるハードロック
屈強な男のダンディズムが漂うのがいい
でもサイクスの声もリジィをイメージさせるなぁ
狙ったかね


KEEL - The Right to Rock - Speed Demon ★★★ (2020-10-13 14:23:54)

メロディがイイですよね
勢いとノリの良さもバランスがイイ
ロンがもっと器用な歌い手だったらね
でもこれがKEELですから
かっちりまとまっているけど熱い


DANGER DANGER - Screw It! - Crazy Nites ★★★ (2020-10-13 14:20:41)

ご機嫌です
弾けとるねぇ
チョイ切ないメロディが顔を覗かせるのが良い


ZZ TOP - Eliminator - Sharp Dressed Man ★★★ (2020-10-13 14:18:26)

超絶ブルージーなディスコ調のロックナンバーと思っている
1983年仕様のZZ TOPサウンドは古典に新しさも盛り込み自分たちの流儀を貫いている
ブレない姿が最高にカッコいい


DISTURBED - Ten Thousand Fists - Ten Thousand Fists ★★ (2020-10-13 14:12:23)

突き放すだけではない親しみやすさも持ってきた
機械仕掛けのトライバルなリズム
時代を見据え計算されている


KORN - The Paradigm Shift - Prey for Me ★★ (2020-10-13 14:09:34)

移り変わるシーンの中で辛酸をなめてきたバンドでもある
革新を求められてきたが
ある意味後退したと言われようが自らを確立させる定番を生み出す事は悪いことではない
リズムの刻みもエグイ
でも個人的にはオシャレロックすぎる


SCORPIONS - Sting in the Tail - The Best Is Yet to Come ★★★ (2020-10-13 13:56:29)

メジャー仕様の哀愁のバラード
こういう曲が似合うバンドになりました


JOE SATRIANI - Super Colossal - Crowd Chant ★★★ (2020-10-13 13:54:53)

有名なインストナンバーですね
ライブを想定して書いたと言われていますが
個人的にはいつ聴いても魂が奮い立たされます
そして最後に涙が薄っすらと滲むほどの感動を覚えるのです
正気では聴けない大好物な一曲
本物のロックがここにある