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失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 1401-1500

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BLOODROCK - Bloodrock 2 ★★★ (2021-01-17 21:57:51)

前作同様グランドファンクのプロデューサーとして成功するテリー・ナイトを迎え制作された2枚目。前作同様ヘヴィな音楽性を継承しているが、幾分スマートになった印象を受ける。また、バンドとして実験的な要素も見えたりと次作の布石を感じさせるもポイント。スマッシュヒットを記録する原動力となったシングルの⑦もあり、バンドの名前を一躍ミュージックシーンに轟かせる形となった。
ブルージーな味わいもあるが、ハモンドとコーラスワークも色鮮やかな色彩美を魅せ、ロックの基礎となるアンサンブルの上を革新的な風合いで駆け抜けたりと、当時としては斬新と言えるスタイルを築いていた。
ブルースロックにだけ留まらないエモーションを込めたギター、時には冷徹に響くリズムの上で情熱的に輝く。ソウルフルな歌声は南部らしいが、このグループは、濁りよりも清々しいメロディを盛り込み、繊細さとロックの醍醐味たる野性味を際立たせている。
その背反する両面を兼ね備えた古典ロックの旨味、ヘヴィな姿勢を崩すことなく多様性を感じさせることに成功した今作もハードロック史において重要な一枚と言えるでしょう。
今日の認知度の低さが悔やまれますね。


BLOODROCK - Bloodrock ★★★ (2021-01-17 21:34:52)

よもやブラッドロックの初めての登録をワタクシが行うとは夢にも思っていませんでした。アメリカ南部はテキサス出身の古典HRバンド。そのうねりを上げるヘヴィグルーブとギター、そこにオルガンが絡みバンドサウンドの厚みも倍増。一曲の中に緩急も設け、濃密な初期型ヘヴィロックサウンドを鳴り響かせている。MC5やBLUE CHEERのような生々しいガレージ臭はないが、上記のバンドやGRUND FUNKなどとアメリカンハードシーンの支えたグループとして有名ですね。
特にグラミー賞を取ったWOLFMOTHERにも多大なる影響を与えているバンドとして認知もされています。WOLFMOTHER自体は少々2000年代ならではのオシャレロックなエッセンスが入っていて、個人的にはやりに行ってる感がダメでしたが、こちらはオリジナルたる本物の響きを持っているので、古典HRを知りたいマニアなら是非とも聴いて欲しい一品です。
作品前にプチモデルチェンジしているので、時系列でいかなくても楽しめます。
ヒットしたのは次、プログレ風味が増したのが3枚目と、なかなか攻めてくるバンドですよ。


BIFF BYFORD - School Of Hard Knocks - Scarborough Fair ★★★ (2021-01-16 13:30:48)

ビフのルーツたる曲でしょうね
ロックヴァージョンに仕立て上げ感動も倍増
望郷のメロディ
そしてビフの切ない歌い回し
ベテランの味ですね
こういう曲を取り上げたからバンドでカヴァー集へと向かったのかな?


SAXON - Inspirations - Speed King ★★ (2021-01-16 13:26:35)

クラシック中のクラシックナンバーをカヴァー
これは1月15日にアップされた動画
次のカヴァー集に対する気合いを感じ取れますが
あくまでもカヴァーはカヴァーです
もう少しリッチー愛を感じたかったかな
スピードキングツインギターヴァージョンを楽しみました


SAXON - Inspirations - Paint It Black ★★★ (2021-01-16 13:22:35)

今年の3月リリースのアナウンスを昨年末に届けてくれた先行動画
12月にアップされた動画なのですが相当見ましたね
別のアルバムを登録しようとしたら
今作が自動登録出来るとは驚きです
メンバーにゆかりのある場所なのか?
熱狂的なファンではないので分かりませんが
レコーディング場所も面白いですね
そんな裏側も見れるPV
そして原曲に忠実に行われたリスペクト溢れる好カヴァー
老いさらばえたメンバーのオフショットに微妙な空気も流れますが
モノクロ映像と曲がリンクしているなぁ
ビフの枯れた声も合っている


Август - Ответный удар ★★★ (2021-01-13 15:33:41)

80年代の初頭から活動開始、90年代に一度は歩みを止めるも2003年に復活、現在も活動を続けるロシアの老舗メタルバンドが1989年にリリースした2nd。前作のマイナー臭を払拭、いい意味で洗練された展開にバンドの意気込みも伝わり、DP風味からノリノリのロックアンセムまで多彩な楽曲をロシア風味で料理、彼等が何者かを強烈に誇示してきます。
影響を受けているバンド群のスタイルを実直に受け止め自分達流に再構築、癖強ロシアンワールドによってオリジナルティを猛烈に発散しています。
深みのない共産圏ならではのミックスも気にさせない勢いがここにはありますね。
多彩な鍵盤プレイを前に出しつつ、派手に駆け回る硬質なギター、そして勢いを押し上げるリズムプレイ、重厚で劇的な様式美メタルを引っ提げシーンに切り込んできます。これがロシアでなければ、もう少し認知されそうなのですが、残念ですね。
硬軟のバランス感覚に秀でた正統派HM/HRの旨味、色んな意味で昭和の匂いがする、懐かしきシャープで荒々しい攻撃的な音像とサウンド、温故知新を楽しみたいマニアは勿論ですが、普遍的メタルを楽しみたいマニアの耳を十分に刺激する一枚でしょう。

オリジナルは8曲、④⑧はインスト。2011年の再発盤には3曲ボートラが追加されています。このボートラも世界観を壊さない楽曲があることでお得感が倍増されていますね。9曲目なんてめっちゃ耳に残りますよ。


WHITE LION - Anthology ’83–’89 ★★★ (2021-01-11 16:31:49)

サブスクで楽しんでいると、思わぬ出会いが訪れます。貴方におススメの一枚だそうで、知らないタイトルに興味も津々。1983年といえば日本のみでリリースされたアルバムよりも前の音源があるというだけでも興奮しますが、今作は、貴重なデモや未発表曲。特に2枚目、3枚目の完成前の音源が聴けたりするのですが、これが驚きである。
特に①に違いに驚愕、アコギで始まる出だしは同じだが、そこから一転、シャープに走り出す。その硬質感と切れ味鋭い曲調に二度見ならぬ三度見も出る始末、予想外の疾走感とハードテイストの増量ヴァージョンに驚きました。彼等の名前を一躍有名にした全米デビュー盤は、いかに売れそうなプロデュースをうけていたかを知ることになります。
本来の彼らがやりたかったのは実に硬派で、欧州風味のメロディを隠し味に大衆性を捨ててない正統なスタイルだったかを雄弁に物語っていました。その魅力はDISC1で確認できますので、マニアなら間違いなく聴いて欲しい。
あくまでもデモ的な音源です、正規品と音質云々などクオリティを比較するのはナンセンスなんですが、バンドとしてのアティテュードの違いに驚きます。
売れ線狙いのバブリーロックとは一線を画す、アーバンで洗練されたハードサウンドは実に男前なものでした。
だれがアルバム『Pride』ソフトケイスしたんだと戦犯探しをしたいところですが、メジャーに出るという事は、そういう面を確実にもっていますからね、成功と引き換えにしたことを責めることは出来ません。

DISC2はMane Attractionのプリプロと1983年にレコーディングされた音源、その違いも面白いですね。本来のバンドの姿は何処にあったのか?そんな事に思いを馳せ、この貴重なテイクに大きな価値を見いだします。デンマーク人のマイク・トランプの持つメロセンスと、ヴィト・プラッタのワールドワイドなセンス、両者のアイデアが共有されている1983年の音源にグッとくるものがありますね。Mane Attractionも余り聴き込んでいないので、感触に違いを探せていませんが、これを機に再度、聴いてみようと思いましたね。
今作は掘り出し物でした。素晴らしい一品ですね。こういう出会いが訪れるのもサブスクの魅力ですよ。


Masters of Disguise - Alpha / Omega (2021-01-11 16:05:09)

US産スピードメタルの雄Savage Graceのアルバムからバンド名を拝命したバンド。それだけにデビュー作は、バキバキのベース音も含め、完全にフォロワーという形をとっていた。それもカヴァーバンドから派生しているのだから当然です。
今作は、いい意味で彼らの個性を出している。その反面、無頼なコンクリートアメリカンスタイルは捨て欧州風味も倍増。しっかりと歌い込めるシンガーの素養もありMasters of Disguiseの音になってきている。
ギターも巧者であり、よく泣き疾走する。
基本はスピード重視の楽曲と音楽性、彼等のやりたいことは貫かれているが、余所行きに変わった印象は拭えない。特にアコースティカルなパートも増やし音楽性に深みが増している。
この手のスピードメタルにありがちな、勢いだけではない懐も深さ、そういう演者のバックボーンも巧みに取り込み、脱Savage Graceに成功した。
元々がドイツのバンド、それだけに順当なスタイルに落ち着いたといえる。彼等の武器は欧州風味のあるステゴロ喧嘩メタルであったが、ジャーマンスタイルの王道パワー/スピードメタルに落ち着いた。
そこが評価を分ける最大のポイントだろう。
余計な先入観がなければ不満などあり得ないが。、個人的には、やはりそっちの方向性に流れたかが強い。


WHITE LION - Anthology ’83–’89 - Hungry ★★★ (2021-01-10 19:57:07)

このバンドの本当の姿を世に知らしめた未発表テイク集のオープニング
もの悲しいアコギから一転
タイトにスリリングに展開
原曲よりもテンポアップされており
男前度がグッと上がっている
スピーディーな展開になった瞬間
マジのチョ待てよが出た
多分キムタクよりもカッコいいチョ待てよが出た
それくらいカッコいい
オリジナルは売れるためにテンポを落としソフトなミックスになったんだね
このヴァージョンが出ていたら売れていないかもしれないが
メタルファンの間ではもっと高い評価を受けるバンドになっていたろう
そして今なお伝説の正統派ヘヴィメタルバンドとして崇められたと思う
メジャー展開って恐ろしいわ


VIXEN - Live Fire - You Ought to Know by Now ★★★ (2021-01-10 17:58:15)

レイ・ケネディのカヴァーです
こういうセンスが共感度を上げますよねぇ
日本では八神康子が怒られた奴で知られた曲ですね
デヴィッド・フォスター関係者が許さなかったのかな?
しっかりとVIXEN流に仕上がっていますよ
唄っている彼女の変貌ぶりに時の流れを感じます
俺も歳喰ったよなぁ


VIXEN - Live Fire ★★★ (2021-01-10 17:43:18)

L.Aのメタルシーンを駆け抜けた本格派のガールズHM/HRバンドのライブ音源。私が知っているのは、ここに登録されているより2曲多く、一つはベースのロス・シェアが唄う、レイ・チャールズやハンブル・パイが有名にした曲であり、メタル系ならWASPが取り上げたI Don't Need No Doctorとスタジオ音源がないと思われるROCK MEが入っている14曲入りの奴です。

初期の2枚に特化した収録曲の美味しさ、①②⑦⑧が2nd。③④⑨⑩が1st。合い間に挟まれる⑤はバンド紹介。そして⑥はレア音源集で紹介された奴ですね。最後の2曲はレイ・ケネディのカヴァーであり(八神康子が叱られた奴です)レア集にあった奴とヒット曲のアコギヴァージョンと現ラインナップによる挨拶代わりのオマケが収録。これを機に本格的な始動を期待させる内容になっています。

特筆すべきは本編であるライブ。円熟味と熱のあるロックンロールショーは、彼女たちの魅力を余すことなく伝えることに成功。少々出来過ぎじゃないのと思わせる面はあるが、気合いの入った彼女たちのエンターテイメント性が見事に発揮、リードギタリストとして活躍するブリッツ・ライトニングのキレのあるプレイはバンドの顔役を務めており、ライブならではのアドリブをあり、有名なフレーズをちょろっと弾いたりとする場面は彼女の力量と懐の深さを物語るのモノであり、バンドの推進力として機能しようとしている。

有名な曲の合間に、未発表的なものをねじ込み、ファンならばお馴染みなのかも知れないが、こちらとしては予想外の側面も強く感じられ聴いていて面白かった。特にROCKは前半ちょろっとやった後は、DPのPerfect Strangersへと流れる展開になるので、個人的には相当驚かされた。そして、こういう曲をチョイスしたバンド側のセンスに共感。今作がより良いものへと変換していきます。
徐々にヒートアップするライブ、曲が進むにつれてバンドも演奏に火が付きグッとハードに男前に迫ってくる。スタジオヴァージョンよりもラウドに展開しているのも嬉しい限り、彼女たちが、どれだけ真摯にHM/HRへ取り組んでいるかが伝わり胸に熱いものがこみ上げてきました。
往年の名曲群によるポテンシャルの高さ、それはら売る為にソフトケイスされていたが、ライブではハードさ全開、緊張感漲るストレートなロックスタイルへとアレンジすることでスタジオヴァージョンとは違った味わいがあるのもライブならではと言えよう。
女性らしい、しなやかさとロックバンドの持つ野性味、このバンドならではの色艶を上手く音に乗せているのも耳を喜ばせるのに十分、硬軟交えたバランス感覚の良さも手伝い非常に聴き易くまとまっています。
自身を持って演奏される過去の名曲達、こうなると新曲が聴きたいですねぇ。


Color - 激突 (2021-01-08 21:35:05)

かつて東のX、西のカラーと並び称された関西圏のロックバンドのフルアルバム。詳しいバイオはサッパリだが(コンピ作に収録されたサウンドバックベイビーが初体験でした)ド派手なルックスとパンクに通ずるようなノリ重視の楽曲が話題となり、ヴィジュアル系バンドの魁として人気を得ていた記憶がある。
とにかく派手派手なルックスと、はったりをかましまくるヘタな歌声が、物凄い雰囲気を醸し出し胡散臭さが漂いまくる。その何とも形容しがたい、ごった煮感が醸し出す危うさ、危険極まりない火薬の匂いが漂うバンドサウンドが、上手くハマれば破壊力も倍増するでしょう。
個人的には少々軽めのミックスと、パンクな歌い回しにハマらなかったが、TOO MUCHな初期型ヴィジュアル系ならではの型にハマらない大きな意味でのハードサウンドが魅力ではあったのでしょう。
今作一枚しかもっていないし、ヴォーカルであるダイナマイト・トミー氏が立ち上げた自らのレーベル、フリー・ウェルにもお世話にならなかったのだが、今回久しぶりに聴いたきっかけが、なんとヴォーカルのダイナマイト・トミー氏がコロナに感染したとニュースになっていて驚いた。何故に今、ダイナマイト・トミーなんだ?
彼、ディル・アン・グレイのプロデューサーだったんですね。
思わぬ形で名前を見かけたダイナマイト・トミー氏。ミュージシャンとしての夢は叶わなかったが、実業家として成功していたんですね。おめでとうございます。そして、病気に負けないでください。


Валерий Кипелов - Смутное время ★★★ (2021-01-03 16:57:46)

元ARIAであり、ソロで活動するギタリストのセルゲイ・マブリンとARIAの看板シンガーだったヴァレリー・キプロフの二人がメインを張るロックプロジェクトのアルバム。作品はこの一枚しか残していないが、今作は②でブルースをやったり、トリッキーなプレイを押し込んだ、明るめの③が序盤から登場と、古めかしいロシアンメタルとは違う路線を提示。欧州のシーンに打って出ようとする冒険心。局地的な音楽性からの脱却を目指しているように感じられ、ドリーミーなオペラロックナンバー⑥まで放り込み、バラエティ豊かな楽曲を揃え楽しませてくれます。
基本軸は正統派メタル、ロシア仕込みの癖強いスタイルではなく、もっとワールドワイドな感性に磨きをかけている。その修練の賜物は英詩タイトルになっている⑦なんかに現れているでしょう。
キャッチーなメロディとゴシカルな曲調、ゾクゾクを煽る高揚感、キーボードも効果的に使われドラマ性を増幅。唐突の終わるのはご愛敬だが、アルバムのハイライトとも言える大衆性も完備した世界観に唸る。
硬軟交えた質の高い音楽性、二人の名前を冠しただけの事はある聴き応えのある一枚へと仕上げています。もうちょいガチムチの硬質感や、勇猛果敢なスタイルを予想していただけに、いい意味で裏切られましたね。バラードも多めだしね。上手い歌と、アレンジの妙味。抜けきらないマイナー臭。これもロシアンメタルならではのお楽しみでしょう。正統派マニアにとってはARIA関連は外せないカタログですよ。


Кипелов(KIPELOV) - Звёзды И Кресты - Косово Поле ★★★ (2021-01-03 16:30:03)

ドラマティックですね
リリシズム溢れるメタリックな大作ナンバー
荒涼とした大地
虚しく響く孤高のメロディに胸がキュンとなります
ロシア語なんで何を唄っているか分かりませんが
なんとなく読めるコソボ
そういう事をテーマにして歌っいると決め込んで聴いていますよ
だから悲しいメロディなんだなぁ


Кипелов(KIPELOV) - Звёзды И Кресты ★★★ (2021-01-03 16:27:07)

知る人ぞ知るロシアのメタルシーンを代表するバンドARIAのフロントマンだったヴァレリー・キプロフのソロバンドの3枚目。2002年から活動しているのでコンスタントとは言い難いが、合い間にライブアルバムを2枚挟んだり、コンピ作を出したりとロシアあるあるがあるので、ご無沙汰感は少なめだが、それでも待ちに待った待望の新作と言えるだろう。
衰え知らずの艶のある歌声を軸に、時代遅れと言われそうなトラディショナルサウンドを引っ提げ、期待通りの作風を提示してくれた。勿論、現代的なエッセンスは無視していないし、テクノロジーの恩恵はロシアにも届いており、かつてのような脆弱な音質とは無縁のサウンドを轟かせている。
少々ミックス的には、歌モノバリにキプロフの歌声強めとなっているが、癖が強めのメロディラインを絶妙な感性で押さえ込みワールドワイドな作風に終始している。ロシアの風は吹いているかも知れないが、ARIA時代から比べると、ソロではより洗練されたスタイルで勝負を賭けているようだ。
正統性の強いメタルナンバーはメリハリが効いており、その筋のマニアなら満足すること間違いなし、高いドラマ性を有する大作ナンバー⑩も放り込み、正統派メタル一代抒情詩を描き切っています。
それ故に、真新しい解釈を求めるメタルマニアには退屈に映るかもしれませんが、スタンダードなメタルが大好物な方ならトライして欲しい一品です。ここまで、実直にやり切り、なおかつ一線級のクオリティでありながら、ロシアというだけで知られていないバンドですからね。初見の方なら、さぞや完成度の高さに驚くでしょう。
ロシアのメタル界を代表するヴォーカルが才能あふれるアーティストを引っ提げ、活動しているのだから外れは掴ませませんよ。


ANTHEM - Explosive - studio jam ★★★ (2021-01-02 17:13:26)

ANTHEM feat. Graham Bonnet名義でリリースされたスタジオジャムセッションライブを収録した企画モノアルバム。過去に一度アンセムの曲をグラハムが唄う企画を成立させたが、今回のコラボも両方のファンが得をする内容に落ち着いている。
自動登録出来ないので下記に収録曲を紹介
1. Gypsy Ways(WIN, LOSE OR DRAW)
2. Cryin’ Heart
3. Midnight Sun
4.Since You Been Gone
5.Lost in Hollywood
6.Desert Song
7.The Witchwood
8.Night Games

頭3曲はアンセムのカヴァー、かつて一緒にやった奴、④⑤はRAINBOW、⑥はMSG、⑦はアルカトラス、ラストはソロからという、グラハムの代表曲も網羅。正直、RAINBOWは聴き飽きているので、さほど興味は惹かれなかったが、⑥⑦は美味しい選曲であり、特に⑦は良かった。そしてラストを飾るのはソロ時代の代表曲と言えるNIGHT GAMES。これで終演という選曲にグッと掴まれます。性質上、これ以上の収録曲を望むのは贅沢な話ですが、できれば12曲くらいは入れて欲しかった。特にアンセムが大好物なワタクシとしては、過去にやっていない坂本英三時代をドンと増やしてくれたなら、感動を一入だったんですが、ないものねだりは良くないので諦めます。それくらい、もっと聴きたいという魅力が満載。
アンセムの曲に関しては森川と歌い分けるパターンをとっており、まさに夢の競演感が強まったのもファンとしては嬉しい限り。
ジャムセッションですから、等身大の魅力が収録されているのもポイント。正直、アンセムの曲を歌い慣れていないよなぁと感じるし、明らかにエンジンがかかるのはRAINBOWからだ、衰えだって隠せない。70前後のお爺ちゃんである。そんなグラハムが、ここまで歌い上げるとは恐れ入る。そして森川之雄がいかに優れたシンガーかを改めて思い知らされた。

バックを支えたアンセムのメンバーには賛辞を送りたい、線は細いが、存在感のあるギターはテクニカル、ミスをしない清水の天賦の才に脱帽、ドラムは若さ溢れるパワーが漲り後方支援、バンドの推進力として柴田直人に食らいつき、時には押し込んでくる。そういう歴戦の兵による、贅沢な大人の遊び、そんな夢の競演を楽しめるのだから、ファンならずとも聞く価値のある一品へと仕上がっています。

中盤からのグラハムがエグイんだよなぁ。主役はグラハム、彼に敬意を払ったメンバーも凄い。そして、両者がコラボするグラハム劇場には間違いなくマジックが存在するんだということを知らしめた。限られた時間の中で、是非とも第二弾を期待せずには、いられないでしょう。次は新曲なんかもあれば最高である。


BERNIE MARSDEN'S ALASKA - The Pack - S.O.S. ★★★ (2020-12-30 18:33:10)

癖がないですね
そのクリアーさがコクを薄めているが
バーニーファンにとってはお待ちかねのブルースナンバー
三連が心地よいです


BERNIE MARSDEN'S ALASKA - The Pack ★★ (2020-12-30 18:30:30)

前作から間髪を入れずにリリースされた印象の強い2nd。オープニングからポップセンス全開のライトな曲で幕開け、完全に振り切っているので不自然さは皆無、むしろ前作で免疫が出てきているので問題なし、今作もこっちでいくんだなぁと確信しました。少々ハードタッチの②、AOR調の軽やかな③とハードなものを好む耳では、眠くなるのですが、中盤ではバーニーに期待するブルース臭が香りだし、気分を持ち直す。クリアーな歌声のシンガーの声質にも合う、チョイ足しブルージーのオシャレサウンドで埋め尽くされている。喰い足りなさを誘発するライトロック路線。とにかく、売れることを念頭に置いたサウンド故に、聴き手を選ぶでしょう。
個人的には、オジサンになり守備範囲も広がりましたので、容易に受け入れるのですが、お金出しては行きづらいサウンドではあります(安っぽいキーボードを引っ込めたのも正解)。現在はBRONZE YEARSというタイトルで1stとカップリングで楽しめますので、サブスクリプションサービスを受けている方はお楽しみくださいませ。


STATE OF ROCK - A Point of Destiny ★★★ (2020-12-29 16:18:56)

SHYのシンガーとして知られるトニー・ミルズが、ドイツのメロディアスHM/HRバンドFRONTLINEのメンバーと合流、そして作り上げたのがキーボードも大活躍の、涼やかでダイナミックなハードサウンドが心地よく駆け抜ける王道メロディアスHM/HRサウンドを披露。時折、ミルズのハイトーンが煩わしいと感じる場面もあったりするが、両者の特色を生かした骨太感のある叙情派路線は、メロディ派の耳を存分に楽しませるでしょう。
小難しい解釈なのど皆無、その実直なる姿勢は逆に新鮮だなと感じさせる場面もあったりと聴きようによっては景色も変わるから不思議だ。
勿論、ド定番と言えるバラード風味満載のメロウな曲もありますのでね、グッとハートを掴まれますよ。裏切らないことが一番の裏切りというベタさが最強なんだということを雄弁に物語る。王道メロディアスHM/HRサウンドの旨味。良い歌とメロディがあれば良いというマニアにはたまらんでしょうね。
個人的には、チョイとリズムセクションの音作りが苦手な面があり、特にドラムのプログラム臭がチョイとダメなのですが、そこは嗜好の問題。マニアなら迷わずトライして欲しい一品です。


SNAKECHARMER - Second Skin ★★★ (2020-12-29 15:47:06)

ブリティッシュロックマニアなら、腰を上げずにはいられないベテランが集うロックプロジェクトの2枚目。こんかいはバーニー・マースデンの名前はないが、代わりに参加したのがサイモン・マクブライドという玄人好みのマニア泣かせメンバーが参戦、WISHBONE ASHを支えたローリー・ワイズフィールドとの相性も上々に、バーニー不在が不満となることなく機能していますね。
元々がブルースベースの王道ブリティッシュロックでしたからね、テクニックよりもフィーリング重視、このベテラン集団が培った経験を余すことなく伝えてくれるだけで十分です。期待を裏切らない展開、上手い歌とツボを押さえたプレイ、その滋味深いハートフルメロディと躍動するロックなリズム、聴いていて嬉しくなうような懐かしさ、熟練度の高さからくる安定感、そういった全てに癒されますね。
期待を裏切らないが、退屈させては意味がない。何の特色もない音楽を正統派と言って誤魔化すのとは違う、ホントの音がここにはありますね。たまには、こういうの大音量で聴きたいもんですよ。一個一個のアレンジが渋いのよ。味があるのよ。懐かしいだけじゃないのよ。でも奇をてらってなんかいないのよ。そこが大好物です。
やれそうで一番難しいことをやっています。FREEやBAD CANPANY、WHITESNAKEのエッセンスをちらつかせるだけじゃないのが素晴らしい。


Rhoads - Into the Future ★★ (2020-12-28 18:23:31)

知る人ぞ知るランディ・ローズのお兄さん、ケル・ローズ率いるバンドのデビュー作。今となってはニック・メンザがドラムを担当している方が話題性もあったりするのだろうが、サウンドとしては軽快なアメリカンロックサウンドが満載、ミックスも軽めの仕様で、ドラムを音作りには殺意すら覚えるほど、苦手なミックスなのだが、ケルはチョイハスキーなラフでワイルドな歌声を披露、ガンガンを攻め込み気持ちよく歌っている、その悪っぽいノリが噛み合えばよいのだが、なんでこんなペラペラのミックスにしたのか理解が出来ない。
ロックのもつダイナミズムをすっぽり抜け落ちているぞ、そんな個人的な不満はあれど、割と勢いで押し切っており、Rude Awakeningに参加するギターのジョン・グッドウィンも派手に迫っている。
何を聴かせたいのか、バンドの核となる部分が分かりづらいバンドサウンドが大きく評価を分けるでしょう。しかし、マニアならまずは聴いて欲しい、何故、このミックスにしたんだ?ニック・メンザは何と思ったのか興味は尽きません、これもマイナーメタルのお楽しみ要素でしょう。


BERNIE MARSDEN'S ALASKA - Heart of the Storm ★★★ (2020-12-28 18:04:07)

WHITESNAKEから抜けたバーニー・マースデンが新たに立ち上げたバンドがコチラになります。時代は1984年、多くのバンドがアメリカへの進出を伺う時代、衰退する英国シーンに見切りをつけてとなるのだが、今作は雑誌の評価も低く日本でも話題に上ることなく消失。のちに、同じ英国勢のLIONHEARTは再考の機会を与えられたが、同じような路線のアラスカはダメだった。
端的に言えば、徹底的にブルース臭を抜いたWHITESNAKEとも取れる堅実なプレイと楽曲を用意、もっとブルージーに染め上げた方がバーニーらしいと思うが、それではレコード契約もきつかろうと推察できる。しかし、ファンが求めるものとの乖離が評価を下げたのは間違いなく、何を聴けばよいのかと言いたくなるほど、お気楽なキーボードの登場に脱力するのは間違いない。特に今の感性でいけば、キーボードの音は安売りスーパーの如き軽薄さが漂っている。

しかし、そういうマイナス点はあれど、令和の時代を迎え、当時の世相など全く関係ない若い人にとってはどうでも良いわけで、ここは、古のメロディアスロックとして楽しんでもらいたい。この嘘くさいキーボードも80年代なんだよと言いたい。そして何より、アメリカン志向ではあるが、英国的なニュアンスは消えておらず、ソフトケイスされていても、隠せない大英帝国の残り香、落ち着いた雰囲気のあるポップロックの持つ大衆性を楽しんでもらいたいですね。バーニーは個性を捨てた、そこが最大の問題なのだろが、良い部分を愛で楽しむタイプなので、全然イケるんですよね。
80年代のデニス・ストラットン率いるLIONHEARTや、ゲイリー・バーテンのSTATETROOPERあたりを楽しめるマニアにも行って欲しいね。


AGENT STEEL - Mad Locust Rising ★★★ (2020-12-28 17:37:38)

我らがコンバットから1985年にリリースされたEP。
SIDE.A
1.The Swarm Is upon Us
2.Mad Locust Rising
Side B
3.The Ripper (Judas Priest cover)
4.Let It Be Done / The Day at Guyana
一曲目は10数秒で終わるインスト。③はJPのカヴァーですから、オリジナルは2曲と判断することになりますが、ツインギター編成になり、1stから2ndへの過渡期となる音楽性の意味合いはとても大きく、スピード狂を身上とするマニアは勿論、バンドを愛する方なら押さえて欲しい一品ではあります。のちに再発されるフルアルバムにボートラ扱いで収録されることにはあるのですが、やはり単体の作品として、楽しんでもらいたいので、復刻された今作を見かけた方は是非とも聴いて欲しいですね。
タイトに切り刻まるシャープな演奏、そこに超音波スクリームが乗る高速メタルに悶絶必死ですよ。JPのカヴァーも激ハマりです。


浜田麻里 - MAGICAL MYSTERY “MARI” 浜田麻里 LIVE ’85 ★★★ (2020-12-28 17:12:43)

脂乗った1985年のライブを収めた一枚。映像作品としては、浜田麻里メインのカメラワークに、ロックバンドとしての醍醐味や臨場感を味わえない一枚だったので、感触が良いとは思えなかった一品。スポットライトの当たらないバックメンバーの思いを感じると無念である。確認できる佐藤克也も辛かったろうが、音源のみとなると話は別であり、ここで味わえる珠玉のロックナンバーに胸がキュンキュン鳴りっぱなし、カヴァーソング②も嬉しい誤算だし、こういう守備範囲の広さをアピールしてきたのは正解だと思う。
80年代の後半位から路線変更して成功した片鱗を感じさせ、偏見の強い国産メタルシーンを考えると、このまま踏みとどまらせるのは勿体ないと思っていたので、後の成功に賛辞を送りましたね。
そんな過渡期となる85年のライブ、人気も絶頂であり、大きなホールを埋める実力派の彼女、そんな当時の充実した活動を反映するような、華やかさも伝わるロック実況中継、画がなくとも十分楽しめるのが最大のポイント。上手いメンバーが揃い、彼女を盛り立てる、そして力強い歌声で答える主役の頼もしさ、どんなに時代が過ぎようとも色あせない、思い出が蘇る一枚へと仕上がっています。
映像作品より収録曲が少ないのは残念ですが、もっと聴きたいと思わせる渇望感を煽るのも、今作における質の高さを雄弁に物語る証拠、今の時代なら定額制で楽しめますからね、興味のある方は是非ともトライして欲しい一品です。
初期の作品はどうしても、音質的に古臭いので、浜田麻里のメタル時代に興味がある方は、これから入っても間違えないと思います。昔のバンドはライブがベスト的なニュアンスを持っていたのでね。そしてオリジナルアルバムに触れ、衝撃を味わうのが一番かもしれません。


DAMIAN HAMADA'S CREATURES - 旧約魔界聖書 第Ⅱ章 ★★★ (2020-12-27 18:38:09)

一般メディアでもチョイとした話題のダミアン浜田陛下率いるロックプロジェクトの第二章となるアルバム。筋は通っているがバラエティに富んでいた前作と比べ、方向性を絞った印象が強い荘厳なるチャーチメタルサウンドが全開。その濃密な世界観故に、少々胃もたれを起こしそうになるが、これがダミアン浜田陛下ワールドだというメッセージ性は強く、2枚を一緒にするよりは切り離した方が無難だったと思わせる出来栄えとなっている。
堅実なプレイで濃厚な世界観を支える演者の器用さに目を細めつつ、やはり、この可愛らしい女性シンガーの声質が全てを結審するようなバンドだと思っている。
幼いというのか、あどけなさの残るストレートな歌唱スタイルは、何とか少年少女合唱団的なニュアンスが、この荘厳なサウンドと合わさることで増幅されているなぁと感じる面はあるのだが、ストレートにロックを歌い上げる女性シンガーは稀有な存在、見た目重視よりも実力重視という事なのだろうが、合う合わないの感性により評価を分けるだろう。
本格的なサウンドに親しみやすさを込めたメロディと歌、一瞬たりとも緩むことのないタイトな演奏、ダミアン浜田陛下ワールドの源泉たる荘厳なる教会メタルの純粋なる響き、若い世代にも十二分に訴えかける鮮度と華やかさが、ここにはあるでしょう。聴き易いってのも見逃せませんね。


SEX MACHINEGUNS - Best Tracks: The Past and the Future - みどりのおばちゃん ★★★ (2020-12-23 13:48:16)

この曲をやるときはストライプの服を着て聖書を配って欲しい


SEX MACHINEGUNS - Best Tracks: The Past and the Future - 語れ!涙! ★★★ (2020-12-23 13:46:40)

青春しているねぇ
ストレートな歌詞もグッと響きますよ
競馬で穴を買うときにサビを口ずさみます
勿論負けた後もね


SEX MACHINEGUNS - Best Tracks: The Past and the Future ★★★ (2020-12-23 13:44:26)

一時期はお茶の間にも顔を出す機会があった国産HM/HRバンドのベスト。個人的には、ハマらなかったが、一時期はそこそこ人気のあったグループだったはずである、特に一般層にも受け、メジャー流通の活動をしていた稀有なバンドだったと認識しています。
定額制なんでタダで聴けますからね、腹立たないのですが、やはりオマージュがキツイなぁと感じる面が多々あり、あっ、それが苦手で避けていたんだということを思い出した。
コミカルな歌詞を許せないほど、ケツの穴は小さくないが、メタルを知らん奴らに、その手口は日本で一番有名なロックデュオと同じなので、好みの問題だが気になると厳しい。
しかし、無料となると話は別で分かりやすいメタルソングが満載、成り立ちもバイオもサッパリの初心者のワタクシには、非常にありがたいカタログであり、この一枚でバンドの魅力が十分に理解できます。
スピード重視のノリの良い楽曲が目白押し、面倒くさいことを考えずに楽しんだもの勝ちでしょう。やりすぎオマージュもメタルの布教活動と捉えています。
それにしてもピュアなメタルを受け止めてくれるファン層を持っているって羨ましいですね。メタルのカタルシス、血沸き肉躍るメタルスピリットを大量消費するガチンコサウンドの旨味、今こそ見直されるバンドのような気がする。


BOW WOW - Warning from Stardust - Warning from Stardust ★★★ (2020-12-23 13:25:35)

再結成後にリメイクされたヴァージョンも良いが
思い入れはこちらの方が強い
荒廃した雰囲気が曲調に滲み出ていますね
荒涼とした叙情的メロディをビターテイストで味付け
拳を握りしめながら唇をキュッと噛みしめたくなります
カッコいい大人のハードサウンド
BOWWOWのラストアルバムは実にバラエティに富んだものになっています
こういう曲をサラリとやってのけるバンドの懐の深さに唸りますね
北斗の拳なんだよなぁ


BOW WOW - Warning from Stardust - Break Out the Trick ★★★ (2020-12-23 13:20:13)

トリッキーなリフワークが印象的ですね
斎藤の男臭い歌も
この手の曲に似合います
臭めの日本語歌詞も逆に好きですね
ワイルドかつキャッチーなのもカッコいい
B時代ならではの魅力ですよ


BOW WOW - Warning from Stardust - 20th Century Child ★★★ (2020-12-23 13:17:43)

LIVEでも定番の一曲になります
歌詞も日本語なので狙いは分かりますよ
シンプルでキャッチー
彼等流のロックアンセムです
派手なギターを楽しみましょう
歌メロも一発で耳に残ります


BOW WOW - Warning from Stardust - Poor Man's Eden ★★★ (2020-12-23 13:16:01)

ストレートに突っ込んでくるハードロックナンバー
勢いだけではないキメの細やかさに日本を感じますね
でもワイルドさは十分ありますよ


BOW WOW - Warning from Stardust - Can't Get Back to You ★★★ (2020-12-23 13:12:57)

B時代ならではの豪快なロックナンバー
このキャッチーなエッセンスもバンドの武器ですね
中盤のシリアスな展開が好きですね
一筋縄ではいかないんだよなぁ


BOW WOW - Warning from Stardust - Clean Machine ★★★ (2020-12-23 13:11:47)

シャープでメタリックなリフが耳を惹きますね
ドラムも暴れているよ
男らしいワイルドさも前に出たメタリックなナンバー
クールだなぁ
噛みつくような歌もロックしてますよ


1782 - 1782 ★★★ (2020-12-18 20:55:46)

イントロからサバス愛も炸裂するイタリアンドゥームプロジェクトの1st。禍々しい闇の世界に委ねられた、おどろおどろしいホラーサウンド、その恐怖を増幅するようなレトロな音色とエコーの掛かったヘタウマな歌声が、ズンドコとうねりを上げながら聴き手の感情に忍び寄り徐々に侵食。強めのアルコールを飲み干したような焼け付く焦燥感が、どこか心地よく酔いが回るように歪ませていきます。
古臭い手法の古典ドゥームと現代的なストーナー系の持つ鮮度、その両面から追いかけてきたサイケなジャズブルースロックの普遍的響きに往年のバンドと重ね合わせ楽しんでいます。新鮮さは少ないが、それがドゥーム系と言えるので無問題。オジーのように引きずるような歌い回しも悪くない、感情を揺さぶる暗黒ギター、ヘヴィグルーブを核に現代的洗練度も手懐け、鬱屈とした世界観を演出している。
ちぎっては投げを繰り返す倦怠感のあるグルーブもハマれば癖になるだろうが、苦手な人にはトコトン駄目な音楽性でもある。


GALNERYUS - VETELGYUS ★★★ (2020-12-18 20:25:49)

若きギターヒーローと目され、デビュー当時から話題だったSYU国産メタルバンド。前任シンガーが苦手なタイプであり、また所謂メロパワもちょっと苦手なので手が出なかった。
小野先生になってから、過去のリメイクを聴いたがハマることなく今日まで来ているのが現状。とは言いつつもカヴァー集は選曲の良さも手伝いコンプリートしてるが、オリジナル作にどうにも馴染めなかった。でもそんな聴いていないし、アルバムもつまみ食い程度。今作も貴方の好みの曲ですで、サブスクのおススメに単に従い手を出しただけ。
そうしたらですよ、ケルト風のメロディは飛び出すわ、流行りのEDM風味はあるは、テクニカルなギターも当然出てくるがバンドとしてのバランス感覚が素晴らしく、唄を中心にキーボードも名わき役として随所の存在感を残し、とにかく鮮度の高いサウンドで魅了。なんでもありの柔軟さ、これがガルネリウスなのかと思うと恐れ入る。そして小野先生のフック満載の歌メロの充実ぶりも素晴らしく、苦手なジャーマン風のメロパワも臭くならず、いやむしろ臭さを上手く生かし絶妙なタッチで攻めてくる。
洋風ではあるが、まさにジャパニーズ仕様に変換された叙情派ハードサウンドの旨味に悶絶しっぱなし、痒い所に手が届くアレンジと楽曲構成、長めの曲なのに全然クドくない、その清涼感のある濃厚スープの旨味にお腹一杯です。

今更なんですが、ガルネリウスの魅力に惹き寄せられました。毛嫌いしていた過去作にも向き合い、聴き込もうと思いましたね。アルバム単位で無駄な曲がないのが凄いんだよね。ギタープレイも曲に合わせタッチを変えている、だから主軸となる存在感がある。線の細そうな男が、骨太なロックギターを自在に操り脚色するのだから恐れ入りました。
天才ギタリストの横に小野先生がいる、こんな贅沢な組み合わせはないですよ。今まで馬鹿にしてすみません。いくつになっても先入観を捨てれる大人でいたいです。


SODOM - Genesis XIX ★★★ (2020-12-17 15:22:14)

最終的に、トム・エンジェルリッパー以外のメンバーを刷新した形となった新生ソドム。ツインギター編成の4人組となったが、バックファイアなどの懐かしい名前もあったりと、マニアにとってはニヤニヤさせてくれる要素もあるだけだが、単純にバックファイアのバンドとトムが合体しただけとも言え、そうなれば政治的なバランスも気にかかるも、2020年という背景に不純物が混ざる要素もないので問題なくチャレンジできました。なんたってお金かかりませんのでね。
今作の特徴は、速さに特化したスタイルとは違い、非常の重く荒々しい展開に終始しており、148キロのストレートでも前に飛ばすことを許さずにバットを折りまくる、剛球路線へと展開。禍々しい黒く濁った感情が吐き出されるソドム流ブラッケンドメタルへと仕上げています。感触は徹頭徹尾ヘヴィなのに、のべつ幕なしのスピード狂路線とは違い、間合いを持たせたことで凄みが増し、それでいながらも曲によっては耳なじみが良いと感じるのが不思議。
熟しきった残虐性、その無駄のないパワーの放出が、整合感を高め聴き易いと錯覚させていると思うだが、自分の耳を疑うくらい、アグレッションを有している。
現代的な要素も無視することなく成長してきたバンドの強み。鋭いエッジと無慈悲なる残虐性、深淵なる闇の世界へと誘うドラマ性も加味した新たなるサウンドに興味を尽きません。
個人的には、なかなかどうしておもてたんと違うという違和感は拭えない面はあれど、殺伐とした荒涼感、そこに恐怖を覚えますね。音が怖いバンドになりましたね。


DAMIAN HAMADA'S CREATURES - 旧約魔界聖書 第I章 - Sacrifice of Love〜主よ、人の欲望の悲しみよ ★★★ (2020-12-17 14:56:03)

魔界聖書というアルバムタイトルのイメージがソックリハマるような一曲
これで歌い手に妖艶さが備われば完璧ですね
専任キーボードの使い方も世界観を大きく広げダミアンワールドを強めています
なんか起きそうで起きないもどかしさもあるが
第2章に繋がる何かを期待させる曲調でもある


DAMIAN HAMADA'S CREATURES - 旧約魔界聖書 第I章 - Lady into Devil ★★★ (2020-12-17 14:52:04)

プログレッシブロックな展開と耳なじみの良いメロディ
その一筋縄ではいかないアレンジが耳を惹きます
こういう曲を料理できるバンドメンバーがいることが強み
懐の深い魔界サウンドに魅入られます


DAMIAN HAMADA'S CREATURES - 旧約魔界聖書 第I章 - 三枚の照魔鏡 ★★★ (2020-12-17 14:49:30)

メロディアスかつ勇壮なミドルナンバー
アルバムの中ではストレートな曲調である
詩の世界観などダミアン浜田陛下ならではでしょう


VAN HALEN - Diver Down ★★ (2020-12-17 14:28:48)

アルバムの半数近くがカヴァーソングという風変わりなスタンスになったアルバム。前作がセールス的に失敗した煽りだろうが、このやり口には些か驚かされる。
底抜けに明るいアメリカンロック路線を追求しつつも、ギターオリエンテッドな作風を貫こうと苦心する姿にロックバンドとしての矜持を、売れなければいけない苦悩を感じるが、今作はその両面を絶妙に押さえ、よりジャンル不問のロックスタイルへと昇華させている。何を聴きたいかで大きく評価を分けるだろう、ハードなものを好み耳には、チョイとやり過ぎとも思えるが、いずれにしろ商品としての質の高さは揺ぎ無い。ヴァン・ヘイレンというブランドの価値を上げるには十分なインパクトがある。一家に一枚という側面から見ても、このやり方は正解。非難を押さえ込むだけのアイデアが詰まっているという事でしょうね。


DEEP PURPLE - Live in Paris 1975 ★★★ (2020-12-15 15:31:18)

バンド脱退を決めたリッチー・ブラックモア。この時期のラインナップは相当、人間関係に軋轢があったろう。それでなくともリハーサル嫌いのリッチーなのだから、今作における準備はいかほどだったのかと興味は尽きない。オープニングからサウンドチェックを入れたりと、不安な気持ちにもなるが、同時に妙に生々しい緊張感が漂い今作の成り立ちを含め、期待感を煽る。結論から言えば、リッチーはバンドに対する情熱が失われていたと感じる、しかし、そういう中でも第三期時代の曲を意外なほど真面目に取り組み、けして親指一本でプレイするなどの皮肉を感じることのない、やる気を見せており、前評判ほどの不満を感じることなく大いに楽しみました。何と言ってもこの時代のライブは貴重ですからね。ましてや、脱退を決めたラストステージとなれば、尚更の事です。
手直しなしのノーカット版、その意味合いは大きい。ふてくされ気味と言われるリッチーの天邪鬼ぶりをサポートする、イアン・ペイスのドラムも素晴らしいサポートぶりを披露、彼が決まらなければ、今作はもっとグダグダなものとなっていたろう。隙あらば前に出てくる、グレンの存在感強めも、ミックスのバランスを取り、ギターを前に出したので聴き易くなっているのも好印象。
ギタークラッシュもあるんだけど、実は第二期の曲の方が、リッチーの粗さが目立ったりと意外な形になっているのも面白い。ギランよりもグレンのワタクシにとっては、無問題なのだが、やはり二人のシンガーも、少々、リスペクトに欠けていると言われると、そう思わずにはいられないのだが、怒気を孕み歌い込むラストのHIGHWAY STARも、これはこれでありだろう。ミスを含め、生々しいプレイの数々は、リアル実況ライブ盤としての在り方としては大正解だと思う。こういうテイクを聴けるの逆に新鮮、二人のシンガーの抜き差しならぬ関係性も、実に興奮状態を演出しているだろう。ソウルフルに変貌していくバンドの姿を克明に描いていますね。
グレンが吠えればカヴァーディルも牙を剥く、かつては形無しだったカヴァーディルだが成長しましたね。


URIAH HEEP - The Magician's Birthday Party ★★★ (2020-12-14 14:15:17)

2001年にロンドンで行われた一大イベントを収録したライブ盤。フルパッケージではないし曲順も変えられている。しかし、今作には、そんな事はどうでも良いと思わせる圧倒的な魅力がある。それは、恩讐を乗り越えて、あのケン・ヘンズレーが参加していること、そして久ぶりにジョン・ロートンが美声を披露。さらにはゲストとしてFOCUSのタイス・ヴァン・レールがフルートとヨーデルを披露していたりと、お楽しみが多い。
特に20年の時を経て参加するケンの雄姿には、ファンならずともグッとくる要素も大きくあり、その夢の競演に興奮を覚えますね。
現ラインナップは①から④までと続けて披露、②ではタイスがお得意のヨーデル&フルートを用いり大いに楽しませてくれる。これは、後半が楽しみで仕方がないぞと思っていたら、⑤からはケン・ヘンズレーが本格参加、しかも名曲『July Morning』ときてますからね、興奮しないわけにはいかないでしょう、映像ではフィルと、ケンの姿を鑑賞でき、両雄が並び立つ豪華な布陣に感慨深いものを感じます。あのケンが、もう一度、HEEPのステージに立っているのですからね。⑧の『The Magician's Birthday 』からジョン・ロートンも参加、このお祭りに華を添えてくれます。
圧巻なのは久しぶりに披露された⑨は名曲『Sympathy』、比較するのはナンセンスだが、やはり役者の違いを感じずにはいられないジョン・ロートンの歌声に痺れます。そして次の『Free 'n' Easy』でトドメを刺しますね。本来はアンコールでやっていたのですが、現ラインナップに対する配慮もあってか、最後の2曲は『Sunrise』『Easy Livin'』 でライブCDは幕を閉じるのですが、ジョン・ロートンの凄さに圧倒され、正直、ラストの2曲が入ってこないという、個人的な問題はあれど、今作の持つ意味合いの大きさを如実に感じてしまいます。
現ラインナップの小粒感、それを証明する形にはなったが、それが今のHEEPだという事実に変わりはない。そして長くに渡って育まれた良好なメンバーシップ、それだけは確実に肌で感じることが出来る。

結局、一夜の夢とかしたラインナップではあるが、その後、ジョンとケンは二人で動き出し、オリジナルアルバム制作に向かうのだから、この共演は大きな意味がありましたね(ジョンとケンのプロジェクトは空中分解する)。

何を求めるかで評価も大きく分かれるでしょう、バーニーがロートンに牙を剥く⑧なんてすごいと思う。久しぶりのケンとミックのツインギターも贅沢だった。そういう意味ではお腹一杯である。個人的には映像込みで見て欲しい作品ではありますが、音源なら簡単に聴けますので、この夢の競演を楽しんでもらいたいですね。余計な予備知識を入れずに触れると、二度三度と驚くでしょう。そんなサプライズ感も今作最大の魅力ですよ。
個人的には、現ラインナップの充実ぶりを知ることが出来たのが最大の収穫でした。


URIAH HEEP - Celebration: 40 Years of Rock ★★★ (2020-12-14 13:24:38)

アルバムタイトルが全てを物語る40周年を記念するリメイクベスト。①⑤は新曲だが、違和感なく収まり往年のヴァイブスが感じられ嬉しいボーナスとなっている。
長きに渡り活動を続けるラインナップによる、リメイク集だけに綻びもなく等身大の魅力を表現、現ラインナップでのHEEPというのも余すことなく伝えてくれる。もっと、あの曲が聴きたいというのもあるのだが、初期の傑作に絞ったのは正解だろう。個人的に、漏れた選曲も含め第2弾、第3弾を聴きたいものだ、やはり予想外の曲が欲しいものです。自身のセルフリメイクも含め、見事に大役を務めたバーニー・ショウ流石にジョン・ロートンの歌っていた⑨辺りは分が悪いものの、温かみのあるジェントリーな歌声で見事にフロントマンとしての重責を果たし、バンドの顔であることの正しさを証明、口うるさいファンの不満を押さえ込むには十分な活躍だったと思う。
名曲⑭も、ようやくちゃんとしたヴァージョンで聴けると思っている。ケン・ヘンズレーは一番、力を入れて歌ってほしいところで歌えない、リードヴォーカルになるには力量不足。名前で音楽を聴く人なら問題ないだろうが、こちらは耳で楽しんでいるので、そうはいきません。ミスターワンマンのいないバンドは、どこか迫力に欠ける面はあれど、気の合う仲間が政治的にもバランスが取れ活動している、現在のHEEPを通して過去の旅に出ているのが最大の魅力であり聴きどころである。
オリジナルの違いを楽しむのもファンとしては最大の魅力だろうが、個人的には一触即発、暴発寸前のスリルと引き換えに手にした安定感が一番の聴きどころでしょう。
ミック・ボックスのギターもイキイキと楽しそうだ、リズム隊もパワフルかつタイト、派手さを要さないHEEPスタイルをしっかりを熱演、フィル・ランゾンも高貴な鍵盤プレイで魅了しています。
現在も精力的に活動を続ける本物のロックバンド。昔の名前で出ているだけではない現役感の強み。10年前の今作にも確実に、そのメッセージは込められていると思う。今が旬だと言わんばかりの等身大の姿に共感しますね。


SILVER MOUNTAIN - A Reunion Live ★★★ (2020-12-12 14:07:54)

2010年に行われた関係者大集合の復活ライブ。ヨハンソン兄弟の不参加は残念だが、クリスタル・メンツァーの他にヨハン・ダールストロームがヴォーカルとして自身の持ち歌を担当。パー・スタディン以外にも初期に在籍していたインゲール・ステンキスト、ドラムはマルテン・へーデナーにマッツ・ベルゲンツの二人がしっかりと参加、お祭り的な意味合いのあるリユニオンライブに華を添えています。
元々DVDとして世に出ていたもの数曲カットして配信しているので編集点がおかしいなぁと思うものあるのだが、いやいやこれがどうして、生々しいリアルライブを味わっているような雰囲気があり、ミスも含め、これがあのシルヴァー・マウンテンだという魅力を思いっきり味わえます。
上手いとか下手では出せないアンサンブルと、主役たるヨナスのギター、個人的にはヨナスが奏でる必殺のクラシカルフレーズにグッとくるので、大いに楽しみました。
気の合う仲間が集い、思い出に華を咲かせているような側面もあるライブ盤。そこに乗れるかが最大のポイントなのだろうが、個人的には楽しんだもの勝ちなので、バンドのファン以外にもクラシカルテイストの強いフーガロックに酔いしれたいと思う方には、お勧めしたいですね。定額制サービスなんで無問題でしょう。選曲もベスト的な意味合いもあるので尚更です。


HARDLINE - Danger Zone - What I'd Like ★★★ (2020-12-12 13:41:56)

ヘヴントゥナイト風な曲ですね
インギーの横で歌うジョニーも悪くないなぁと感じましたね
アクセル・ルディ・ペルともやっているのだから見てみたい気がします


HARDLINE - Danger Zone ★★★ (2020-12-12 13:40:35)

ジョシュ・ラモスもいなくなり、すっかりジョニー・ジョエリのソロプロジェクト的なニュアンスも強まったが、それもこれもFRONTIER RECORDSのバックアップもありということで、欧州風味を倍増のメロディアスロックサウンドへと仕上がり無国籍スタイルへと昇華。哀愁を塗した繊細さのある叙情性、そこにジョニーの熱を帯びた歌声が情熱的に絡み力強さを補完、ともすれば暑苦しくなる歌声も巧みなディレクションのもと、押さえ気味に仕上げることで万人向けのメロディアスサウンドへと仕上げています。
大きな驚きも裏切りもない、安心安全の歌モノロック。過激さや新しい風を浴びたいマニアにはおもろくないでしょうが、ここで聴ける抜群の安定感、そして心を震わすエモーショナルなジョニーの歌声、この手のメロディアスロックに必要不可欠なものが全て揃っているように感じます。個性のある歌声のジョニーを主役に決めたことが成功に導いていますよね。何度も聴くうちにトルステン・コーエンのリードも邪魔することなくコンパクトながら聴かせるソロもあったりと、ハード系の耳を楽しませる手法を多くとっているも満足度に繋がるでしょう。


DAMIAN HAMADA'S CREATURES - 旧約魔界聖書 第I章 - Heaven to Hell ★★★ (2020-12-11 12:15:34)

レンジの広い歌声
ある意味ここまで女性的な声質のシンガーがメタルを唄うというのを知りません
ともすれば歌唱力のあるアイドル的な可愛い声である
それが荘厳なダミアン叙情派ロックと有機的に絡むというのだから驚きだ
究極のミスマッチ感はあれど
普段メタルを聴かない人にはドンピシャを人材だった
本当にかわいい声なのにロックを迎え撃っている
バックの演奏も味わい深いものがあるねぇ
グッとくるよ~
ワタクシを魔界へと誘ってくれます
美しいピアノにキュンとなるわ
一ミリも無駄のない展開に唸りますね


DAMIAN HAMADA'S CREATURES - 旧約魔界聖書 第I章 - Babel ★★★ (2020-12-11 12:12:24)

SE的な①に導かれ炸裂するシンフォニックなダミアンワールドも全開
涙で枕を濡らしたという生活感のある歌詞は気になるが
始まりましたよーと高らかに宣言している
アニソンよろしくな歌声は個人的にイマイチ馴染めないが
多くのファンを迎えるべき体制は整っていました


ALIEN - Into the Future ★★ (2020-12-11 11:58:16)

前作から6年、再始動後待望のフルアルバム第2弾。正式メンバーは3人になったがブレインであるトニー・ボルグと看板シンガーのジム・ジッドヘッドは抜けずにいるので安心材料です。
前作の方向性を踏襲しつつ、ラフなハードさも増量。その北欧然とした甘美なスウィートメロディを期待する身としては、やや肩透かしを喰らったが、リッチーよろしくな枯れ線ギターが登場すれば無問題。しかし、バンドとしての感触は、かなり違うものとなったろう。前作が、往年のファン向けならば、今作は本格的な始動へ向けての宣戦布告というところか、粗めのハードな①から、バイキング風味のある②の流れに強烈な決意を感じられ、過去との決別という意味では大きな役割を果たしている。④あたりで往年の空気を持ち出したりと、丸ごと変わったわけではないので、守備範囲の広い方なら大いに楽しめるでしょう。
彼等のルーツたるレイトバックしたサウンドと現代的なエッセンス、そこに練り込まれた北欧的エッセンス、その淡い情景がファットな音像と重なり合い、新生面をアピールしているという事でしょう。
こうなるとシンガーである、ジムの衰えが気になる。潤いのある瑞々しい声だったのになぁ。


URIAH HEEP - Fallen Angel - Love or Nothing ★★★ (2020-12-08 13:41:43)

今回のケン・ヘンズレーは爽快感のある曲を用意していますね
コーラスワークも耳を惹きます
アメリカでの成功を目指すバンドと英国ロックの矜持
どんな曲も自分のカラーに染めるロートンのパフォーマンスに魅了


URIAH HEEP - Fallen Angel - Come Back to Me ★★★ (2020-12-08 13:38:31)

味のあるギター
ロートンの唄がこれまた素晴らしい
しっとりとしたバラード
リーカースレイクの置き土産ですね
邪魔しないが存在感のあるリズムプレイもいいねぇ
でも主役はロートンです


URIAH HEEP - Fallen Angel - One More Night (Last Farewell) ★★ (2020-12-08 13:33:50)

これまたご機嫌な奴が登場です
ベースが良く動きますね
皆の笑顔が目に浮かびます


URIAH HEEP - Fallen Angel - Falling in Love ★★★ (2020-12-08 13:32:25)

爽快ですね
耳に残るコーラス
ロートンの唄も力強い


URIAH HEEP - Innocent Victim - The Dance ★★★ (2020-12-07 12:05:19)

古臭い曲調ですが
ジョン・ロートンの艶のある歌声がイイ
ステージで光る汗が似合う大人のオシャレロック


URIAH HEEP - Innocent Victim - Illusion ★★★ (2020-12-07 12:01:20)

アメリカンな色ありの強い曲が続いたので安堵しました
張り上げるだけではない繊細さも持ち合わせた稀代の名シンガー
ジョン・ロートンのパフォーマンスに魅了
英国的なメロディラインで魅了するギターも◎


URIAH HEEP - Innocent Victim - Roller ★★ (2020-12-07 11:57:25)

トレバー・ボルダーが以前いたバンドで作った曲を採用
それだけに曲調も違った感触になるのも当然
作者のクレジットを見れば納得なのですが
ロートンなどんなタイプの曲も見事に歌いこなし自分のカラーに染め上げている


URIAH HEEP - Innocent Victim - Flyin' High ★★ (2020-12-07 11:53:53)

2曲続けての陽気な曲の登場に面を喰らいパなしです
ポップで爽快な新生HEEPの登場を印象付けた


URIAH HEEP - Innocent Victim - Keep on Ridin' ★★★ (2020-12-07 11:52:06)

ロートンの唄が素晴らしい
彼なくして成立させられないような陽気な一曲
ご機嫌過ぎでついていけないが
唄の良さが全てを許容させてします
これがHEEPなのか?


URIAH HEEP - Firefly - Firefly (2020-12-07 11:48:44)

アルバムのラストを占めるのがケンがリードヴォーカルを務めるドリーミーなナンバー
ジョン・ロートンの凄い歌の後では分が悪すぎる
声質的に近いオッサン声のバイロンならまだしも
それが許されるのがケン・ヘンズレーということのだろう
それで良かったと思ったことは納得したことはありませんが
曲自体はアメリカンマーケットを狙った意欲作です


URIAH HEEP - Firefly - Rollin' On ★★★ (2020-12-05 12:21:29)

ムードのある曲ですね
ロートンのエモーショナルな歌声もバッチリとハマっています
新しいステージへ向かうバンドに必要なのは垢抜けた声だったんですね


URIAH HEEP - Firefly - Do You Know ★★★ (2020-12-05 12:16:49)

いかにもライブ映えする疾走感
ストレートな作風だがこれで良い
ハモンドオルガンとコーラスワーク
これぞHEEPな魅力と小細工無用のハードロックスタイル
やれば出来るんですよね


URIAH HEEP - Firefly - Who Needs Me ★★★ (2020-12-05 12:14:01)

パワフルなロートンの歌声に惚れ惚れしますね
器用なだけではない表現者としての個性
なにより歌が抜群に上手い
ノリノリのロックチェーンにHEEPらしいコーラス
ベースも良く歌いギターもワイルド
そしてドラムは堅実


URIAH HEEP - Wonderworld ★★ (2020-12-04 12:29:14)

ミック・ボックスがインタビューで答えた『辛い時代だった』そして『もっといいものが作れた』この二つの言葉がキーワードのように思える。今アルバム。最近、亡くなったケン・ヘンズレー、その訃報を聴き、彼の歴史を再度触れているのだが、やはり制御不可能な我の強さを感じさせる作風に落ち着いている。
ハッキリ言えばユーライアヒープとは、どんなバンドなのか、それが見えてこないアルバムになってしまったと言えよう。それは、今作に限ったことではない、初期の重厚かつ幻想的なスタイル、ある種の神秘的な魔力的音楽性を手放してからの迷走ぶりを象徴しているように感じる。
アメリカでの成功を念頭に作られる70年代中期からのHEEPサウンド、襲い掛かるハモンドオルガンは影を潜め、バンドとして核になるサウンドが見失った。前作よりは英国的な情緒を取り戻していたとて、フォーキーでスローなナンバーも多く、やれないのではなくヤラナイ選択をするバンドの運営に大きな問題を感じてします。
HEEPと言えばな音楽性、その顔が見えてこないのがツライと言えよう。
デビット・バイロンは器用なシンガーだ、子役上がりでCMソングも唄っていた、その器用さが、時には顔のないバンドの音楽性に拍車をかけている。その上手さが仇となる典型的なアルバムが今作であろう。
冷静に聴けばよいアルバムです。70年代的オリジナルのある創作性も感じされる。しかし、それは現在のシーンと比較しての話、時系列で聴けば、物足りなさを覚えるのが正直なところだろう。
まさにもっとやれたはずである。それは、そこかしこにHEEPらしさを感じれるからです。徹底して欲しかったなぁ。


CONCERTO MOON - Ouroboros ★★★ (2020-12-04 12:09:08)

最近まで、初期のリメイクベストが出ているを知りませんでした。厳密にいうならば、After the Double Cross以降のアルバムを聴いたこともなく、井上の後任のシンガーのアルバムをチョイと聴き終了だった。
島紀史のアイドルオタクぶりが嫌いなのではなく、単純にアルバム自体が大味なものに進み、個人的な好みから外れてしまった。今回もリメイクだが、がなり気味の唄が台無しにするのではと、聴く前は懐疑的だった。
シンガーも新たに芳賀亘に変更。前任者を知らないとで何とも言えないが、初期の曲を歌うにはピッタリとも言える人材。ある意味、尾崎節を踏襲できるシンガーが唄っているという印象を受ける。正直、彼のパフォーマンスは甘い、まだまだとう印象が強いのだが、尾崎時代のギリギリの歌唱スタイルが、楽曲に刹那な響きをもたらし、ある種の悲壮感みたいなものがロックな炎となり燃え上がっていた初期が大好きだった身としては、物足りなさはあれど、パワフルな歌い手により中途半端なアグレッションスタイルから、抜け出して活動しているのなら、過去も辿り聞き直さなければと思いますね。
正直、昔の曲がメイン故に古臭さは否めないが、ある意味、このバンドの黄金期とも言えるので、入門編にはもってこいの一枚でしょう。最近出た新譜もこの方向性なら聴いてみよう。そして定額制サービスならではの出会いではある。


ROADWOLF - Unchain the Wolf ★★★ (2020-12-04 11:52:55)

オーストリアから現れた正統派HM/HRの精神性を継承する4人組によるデビューフルアルバム。ロック然とした力強い歌声、JPやSAXONと言ったバンドから影響を受けたサウンドはストレートな手法を用いり実直に再現、あまりに素直なスタイル故に、見新しさはないのだが、ツボを押さえた展開と楽曲構成、歯ごたえのある演奏と熱量の高さ、メタル特有のドラマとカタルシスの開放。ベタ故のお約束に熱くなれるかどうかがカギだろう。
トラディショナルサウンドに目がないマニアならグッとくること間違いなしだが、何らかの代替え品である事は否めない。それでも、こういう姿勢を現代に持ち込んだバンドを往年したくなるのは必定とも思え。個人的には愛して止まない音楽性であります。ハルフォード風の声質も楽曲にバッチリとハマっている。
時代を超越するHM/HRの本流サウンドに旨味、そして何物にも代えられない魅力、今作にはそういう普遍的な魅力を内包している。昔の作品は古臭いと敬遠しているような若い人にこそトライしてもらいたい。かつては希少な存在だったスタイルの音楽性、今では当たり前にあるのだから、2000年代の幕開けを味わったものとしては複雑である。あのムーブメントは何だったのだ?アメリカのミュージックシーンに歩調を合わせたメディアの仕業でしょう。先見の明がないね。


URIAH HEEP - Wonderworld - Dreams ★★★ (2020-12-01 21:08:22)

このアルバムでバンドを去るゲイリー・セインの存在感
我を出し過ぎずバンドの一員にケン・ヘンズレーが収まったので
濃厚な世界観なのにスッキリして聴き易い
そのおかげでバンドの一体感が倍増
それが一番聴いていて心地よい
バイロンの唄もイキイキとしている


URIAH HEEP - Wonderworld - I Won't Mind ★★★ (2020-12-01 21:04:35)

エンディングではミック・ボックスがフラストレーションを吐き出すが如き弾きまくっています
HEEPにしては珍しいと感じるヘヴィブルースナンバー
いかにも英国らしい情念がたっぷり味わえる


URIAH HEEP - Wonderworld - Something or Nothing ★★★ (2020-12-01 21:01:15)

ノリの良いシャッフルナンバー
シングル向けの陽気さもマイナスに働いていない
朗らかな雰囲気とHEEPの刻印が絶妙ですね


URIAH HEEP - Wonderworld - Suicidal Man ★★★ (2020-12-01 20:59:21)

歯応えのあるヘヴィなミドルナンバー
これぐらいハードに迫ってくるとバイロンのエモーションも俄然生きてくる
ヒープらしいコーラスワーク
そしてゲイリー・セインも良い仕事をしています


URIAH HEEP - Wonderworld - The Easy Road ★★ (2020-12-01 20:54:49)

美しいオーケストレーションが魅力
バイロンは邪魔をしない術を持っている
その押し引きのバランスが素晴らしい
でも3分もないランニングタイムなので物足りない
アルバムの箸休めとしてはアイデアが勿体ない気もするがである


URIAH HEEP - Wonderworld - The Shadows and the Wind (2020-12-01 20:51:03)

ケン・ヘンズレーのソロに収録されてそうなフォーキーな曲
この辺りがバンドとして苦しんでいた時期を想起させそうです
ララララのコーラスにHEEPらしさを見出しました


URIAH HEEP - Wonderworld - We Got We ★★★ (2020-12-01 20:48:21)

割とヘヴィな音像の中で枯れた味わいのギターがイイ
これもHEEPらしい多様性を孕んでいる
流れで聴くと感動も倍増
ベースに耳が持って行かれますね


URIAH HEEP - Wonderworld - Wonderworld ★★★ (2020-12-01 20:46:21)

ドカーンと始まるHEEPらしさも全開です
静と動のコントラストも見事に描き重厚かつ幻想的な世界観を描き切っている
アルバムのオープニングに相応しいドラマティックな一曲
バイロンの個性の無さが逆に生きている
だから聴き手が思い思いの感想を残せる


DAMIAN HAMADA'S CREATURES - 旧約魔界聖書 第I章 - Running like a Tiger ★★★ (2020-12-01 20:32:58)

甘いなぁ
フックのあるメロウなメロディ
甘い旋律がギュッと抱きしめてくれるミドルナンバー
それでいながらも荒涼とした大地が目に浮かぶのがよろしいです
ロック然としたハードさとJ-POPよろしくなキャッチネスに酔います
歌い手もアニソンロックみたいなイメージなので合っていますが
それ以上でもそれ以下でもないのがチョイと気になります


DAMIAN HAMADA'S CREATURES - 旧約魔界聖書 第I章 ★★★ (2020-12-01 20:27:19)

ソロアルバム照魔鏡をリリースして20年以上経過しているダミアン浜田が遂に本格的な始動。WEBニュースでもチョイとした話題だが、聖飢魔Ⅱの初期のアルバムでは、ダミアン浜田陛下の楽曲が数多く採用、あの時代が一番好きだと言うマニアも多いはずで、あの時代で聴ける様式美然とした正統派サウンドは、独特の世界観を有しており、悪魔的な美意識に富んだスタイルを築いていた。
そのブレインだった、ダミアン浜田陛下。ソロアルバムでは自身が唄っており、お世辞にも上手いと言えず楽曲の魅力を引き出しきれずにいたが、今作は専任ヴォーカルを設け、バックメンバーも従えての本格的なバンド形態をとっており、俄然興味を引き出されました。
バックを支えるメンバーはプログレバンド金属恵比須という事ですが、献身的にダミアン浜田陛下ワールドを演出、どれくらいのレコーディング期間だったのかは分からないが、時間はかけていないだろうと推察するが、叙情的なメロディが重厚に鳴り響く幻想的な世界観を受け止めています。
シンガーは伊舎堂さくらさんというメガネっ子女子、上手くやっているが、今のところモノにしているとは言えず、キャラも薄めなので、個性を磨く必要があるのだろう。沖縄のオーディション番組などを経て世に出ているらしいのですが、詳しいことはサッパリなので割愛します。
いずれにしろ、ダミアン浜田陛下が齢10万59歳にて、動き出したロックグループ。疾走感のある叙情派サウンドの合間にキャッチーでメロウな④みたな曲を放り込めるセンスにグッときますね。
勿論、オープニングのSE的な①かららしさ全開なので、初期型聖飢魔Ⅱのようなスタイルが好きな方は文句なしにイケるでしょう。デーモン閣下が唄えば、それは聖飢魔Ⅱになる仕様です。そしてこちらは専任キーボードがいるので、より叙情的で幻想的な世界をタップリと味わえます。
でも、カラオケヴァージョンを入れて水増ししたのはマイナスですよ。同時期に2枚出しているじゃん。あっちもカラオケ入り。んなもの1枚を2枚にしただけでしょう。CDが売れない時代ですから分かりますが、もう廃れ行くCD文化、いつまでも固執する日本の音楽シーンの時代遅れ感には苦言を呈したくなります。


RAJAS - Believe ★★ (2020-11-30 18:48:49)

2014年にリリースの6曲入りEP。まず、ハードなドラミングに導かれるオープニングに驚く、サウンドメイクも前作を経てもっとハードにファットにいこうとなったのだろう、テクニック的に劣るわけではないベテラン達が本気で牙を向いてきた。それだけ強靭なグルーブもツインギターコンビもノリノリで攻めてくる。そんなハードなバッキングに対して、センちゃんの歌うメロディは極めて明るくポップに弾けている。非常にポジティブで前向きな印象を与えるライトな感性とハードさ全開の演奏、その究極のミスマッチ感を武器にバンドは勝負を賭ける様です。その流れを壊さない後続の楽曲、狙いを定め進むべき道を決めたバンドにスキは見当たらない。
オマージュも隠し味として存在感を発揮してるもの◎。和製ロック臭も倍増しているが、それこそが、このバンドの魅力でもあるのだから、文句なしである。あとは趣味嗜好の問題でしょう。
全てが男前になりグッとしまったハードテイスト、センちゃんのライトなメロディラインを最大限に生かし共存させた手腕に一日の長を感じますね。


RAJAS - Mother of the Earth ★★ (2020-11-30 18:38:09)

再結成後2枚のミニアルバムをリリース。前作ではオズマこと臼井孝文の曲も取り上げ往年のファンを喜ばせていたラジャス。その後、活動は続けていたが2013年にようやく完成させたフルアルバム。
大げさなSE風のインストも盛り込み展開されるは和製ロックサウンド。そのバタ臭さを懐かしいと思うか、カッコ悪いと思うかで評価も分かれるのは昔から、そういう意味では大人に成長した感性を大切にしつつ、変わらないスタンスを披露。とにかく昭和の生活感がプンプンと漂う森川の歌詞がバンドのカラーを決めている。
極めてポップなハードサウンドで勝負をしていた80年代、そのスタイルから逃げずにアップデートされた現在のRAJAS、彼等にしてはハードなタイトルトラックなども収録と意欲に溢れた一枚へと仕上げている。歌心のあるメロディを奏でるギター、ファンキーなグルーブのベース、そして福村のドラムもバシッと決まりバンドとしての一体感をアピールする事に成功。今が最も脂が乗り切っている時代なんだと思わせる充実感があった。
個人的には少々、身内にウケるようなスタイルであり、外向きに強いメッセージを発しているように感じないのは残念だが、彼等のファンにとっては大満足の一枚でしょう。
ベースの七條義則にとってもRAJASとして、ようやく正式な音源を残せた。


HELLOISE - Polarity ★★★ (2020-11-27 17:41:55)

オリジナルは1986年、大手のWARNER BROSからのリリースですよ。デビュー作は割とガチムチのパワーメタルに複雑な展開を持ち込む硬派なバンドだったが、今作は一転してメロディアス度が増量、真摯に向き合うメタル道からは外れてはいないが、感触は明らかに違うものになった。
しかし、このスタイルは日本人には大いに受けるものであろう。例えるなら王道HM/HRスタイルに、ハロウィーンのような親しみやすいメロディを導入、高揚感を高める疾走感と口ずさめるメロディ、子供から大人まで楽しめるバランス感覚を持っている。個人的には、ハロウィーンの幼い感じがどうにも苦手だが、このバンドは、そういう子供ぽさがないのでメジャー感とマニアックなメタルサウンドを上手くミックスして機能させている。
テクニックも表現方法も充実、欧州風味満点のメロディと重量感も損なわないキャッチネスさ、瑞々しいと感じさせる躍動感もあり、正統性の強いHM/HRをお探しの方には、是非とも聴いて欲しい一枚ですね。

余談ですが、このアルバムにはちょっとした思い出があります。学生時代の友人が、良いアルバムあるぞと仲間に紹介、みんな楽しんだのに、その後、金持ちのボンボンに家にあった商業誌のレビューを見て態度を一変、ワタクシは、ボンボンが大嫌いなので、極力顔出さないので、その場にいなかったのだが、その様に友人は落胆したと言う。

友人『○○ちゃんお前はどう思う』
ワタクシ『雑誌のレビューを読んだくらいで突然いいものがイマイチにはならんよ』
友人『そうだよなぁ、あの場所にいたら自分がおかしいのかと思うほど皆態度を変えたぞ』
ワタクシ『だから俺はボンボンの家に行かない、あいつ雑誌の切り抜きだからな、自分の意見がないんだよ』
友人『そうだなぁ、俺もあんまりいかないわ、でもアイツ金あるし、レコードいっぱいもっているからなぁ』

後日、そのレビューを読ましていただきましたが、詳しい内容は流石に覚えていないが、要するに歌は上手いが曲が印象に残らない、ときめかないみたいな評論でした。
あの時はワタクシは友人に断言しました、世の中体制に寄せていくのが一番楽だ。そして雑誌に全乗っかりすれば間違いは起きないとね。ヒットチャートとは無縁と思っていたメタルの世界。ある意味、専門誌が少ないので、一番タチの悪い連中が多いのかもしれません。
このアルバムにはそんな思い出が詰まっています。


MORS�RE - Acceleration Process ★★★ (2020-11-27 16:53:26)

フランス産の元祖スラッシュメタルバンドによる1st。とにかく理論などお構いなしのスピード狂サウンド驚きます。ペタペタと浅く踏まれるドラム、元祖ブラストビートとも言える仕様だが、何とも言えないチープさがあり、もう少し音作りに工夫が欲しいと思う。本当に生ドラムなのかと勘繰りたくなる軽く薄いドラミングだ。
また、唄も唐突に始まり曲作りに対するアプローチもお粗末に感じる面もあるのだが、そんな弾けるパンキッシュさも味方につけ、とにかく突っ込んできます。時折、キレのあるフレーズを放り込みバンドサウンドを牽引するギター、裏で支えるのみならず自己主張をガンガンと出してくるベースの強めの存在感、シンガーも喚き散らすだけではない、妙なシアトリカルさも出したりと、直線的なビートの上に不思議な感性も持ちこみ、何とも言えない個性を発揮。
ハードコアパンクス+スラッシュ的なスタイルとも言えるが、時折、唖然とさせるほどインストパートがバトルを展開、その火花散る剣劇に思わず息を飲むが、アイデアが渋滞気味で、上手く機能していないと感じるのが難点。
しっかりとしたプロデュースとミキシングがいれば、こうはならなかったと思うが、そうだと破天荒な個性が死ぬので難しい問題だ。バカバカしいほどのスピード重視の姿勢、ちょっとよそ見をすると今何曲目を聴いているのか?見失うのも、ここまでくれば逆に魅力だろう。
デスメタルにも通ずる峻烈なる激情、見も蓋もないスピード命の彼等が奏でるサウンドはダーティーで嘘くさい。その不埒な悪行三昧が、イイ感じで音に現れており、独自性を強めている。1985年に、こういう音を確立したバンドがいたんだといことをひっそりと教えたい。
物好きなスピードマニアならトライする価値大ありです。こんなもん商業誌で紹介されるわけがない。


MEGADETH - Dystopia - Fatal Illusion ★★★ (2020-11-26 18:15:54)

これが新生メガデスなのか
そういう各メンバーの色が上手く出ている
キコはムステインを意識していても染まってはいない
だから自分を出せる
粘り腰のヘヴィグルーブを叩き出すリズム隊も強烈


MEGADETH - Dystopia - Look Who's Talking ★★★ (2020-11-26 18:12:19)

全曲の流れを壊さない
アコギのイントロ
不気味でダークな色合いの中にゾッとするような美しさもある
そのままインストで終わるとは思わなかったが
流れ的には抜群だった


MEGADETH - Dystopia - Bullet to the Brain ★★★ (2020-11-26 18:09:34)

蛇みたいに厭らしく絡む粘り腰のギター
そして流麗なプレイで見事な対比をはかったキコのソロ
お見事とした言いようのない圧巻のプレイに脱帽
この二人もマジックはあると示唆しています


MEGADETH - Dystopia ★★★ (2020-11-26 18:06:06)

ライブでは、過去のギタリストのプレイを意識しつつも自分のカラーも上手く出していたクリス・ブロデリック。日本ではいまだにマーティー・フリードマンに対する根強い人気もあり、腕利きのクリスが過小評価されていたように感じる。
しかし、今作でムステインの相棒を務めるのは、あのキコ・ルーレイロである。あの超絶技巧派ギタリストの参加である。これには驚いたが、彼の凄さはHangar18キコヴァージョンとも言える②の登場にグッと掴まれる。新生メガデスが進むべき方向性、それは教養溢れるギターテクニックを駆使したスラッシュサウンドという事なのだろう。
多様性を盛り込んだ前作は何だったんだと首を傾げたくなるような方向転換、丸くはなったが、俺はまだまだキレているんだぞとムステインが誇らしげに大見得を切る。
だったら最初からこういうの作ってよ、前作は何で作ったの?くっつきそうになってはすれ違う、女子高生が好きそうな恋愛ドラマを見せられている気分だよ。

本分とも言うべきアグレッションが無理なく戻っている。昔を意識しているわけではない。むしろ、新しい血の導入が刺激を与え変異を起こしているようだ。無理無駄のないアレンジと有機的な絡み。なんでも唄えるムステインの歌声は、モダンヘヴィメスもポップスも取り込み自らの糧にしていた。新たなるムステイン劇場の始まり。純粋はスラッシュサウンドではないが、今作の完成度は往年の作品と比肩しても遜色のないものだろう。
キコにはマーティーの影を追い求めるファンを納得させるだけのフレージングの上手さがある。あとはムステインとどこまで共存できるかがカギだろう。


MEGADETH - Super Collider - Cold Sweat ★★★ (2020-11-26 17:44:23)

昔のメガデスが戻ってきたと感じた
それだけで十分なカヴァー
ムステインのニヒリズムもきまっている


MEGADETH - Super Collider ★★★ (2020-11-26 17:41:04)

このバンドとしては珍しい同じラインナップにより制作された一枚。それだけに前作の流れを踏襲。柔軟な姿勢を見せつつも攻めの姿勢を崩さない彼らに迷いは一切感じない。⑧みたいな曲があったとて、もはや彼らの守備範囲、充実したメンバーシップにスキはないだろう。
シングルカットされた②もカッコいい、これで良いとさえ思える。アルバム全体の雰囲気はヘヴィだ、しかしリフワークは耳なじみが良く視聴感を良くしている、苦労人クリス・ブロデリックの多彩さも楽曲の中に組み込まれ、エッジの効いたメタルサウンドを温和な心で受け止めるムステインの歌声、その全てが無理なく収まり柔軟なメガデススタイルを極めようとしている。

ここには揺ぎ無き信念がある、試行錯誤した時代を経て掴んだメガデス流儀、その野心は飽くなき進化を遂げさせシーンの最前線へと推し進めている。鮮やかと言っても差し支えのないバラエティ豊かな楽曲を用意したムステインの手腕は見事しか言いようがない。そしてラストに収められたTHIN LIZZYのカヴァーで〆たアイデアも大正解だと思う。

何を聴きたいかで評価も分かれるだろうが、なんとなく過去のスタイルを押し込み往年の姿に帰還しようとしたメガデスよりも、らしいと感じたのがファーストインパクトでしたね。


MEGADETH - United Abominations ★★ (2020-11-26 16:59:28)

前作のツアーを共にしたドローヴァー兄弟と元WHITE LIONのジェイムズ・ロメンゾが参加して制作されたアルバム。まずサウンドメイクがグッとメタリックな硬質感を伴いメタル度も補強、ここ最近にあったオシャレメタル風味を、無視しないが振り落とし逞しいスタイルへと戻ってきた。リフやリズムプレイにもキレが戻り、昔からのファンはやったぜ!ベイベーと叫ぶでしょうね。特に②なんて、母ちゃん、明日は父さん代打逆転満塁ホームランだねと叫びたくなる、ピュアメタルの登場でした。
しかし、細部に拘った作りは単なる回顧録ではなく、現代のメタルである。その風合いが見事に昇華されており古くて新しい2007年仕様のメガデスサウンドの確立へと繋がったのだろう。
個人的にはキャッチーな歌メロを難なく歌こなすムステインの表現力に改めて驚く。


MEGADETH - The System Has Failed ★★ (2020-11-26 16:45:09)

つい最近までメガデスは一度解散していて(薄っすらしか記憶がない)、今作はムステインのソロアルバム用に制作された過程があると知って驚いた。そんなことも知らないでメガデスを語るのかと、厳格なメタルマニアに、きっと私は後ろから刺されるのではないだろうか?
今作のとって一番の目玉は、クリス・ポーランドの参加だろう、どのような経緯があっての復帰なのかは知らないが、フュージョン系に走ったクリスのリードギターは、初期の頃の風合いを呼び戻し、彼のカラーが今作に色を付けた感はある。②みたいな歌モノもあるが、アルバムの作りとしては2000年仕様の中でスラッシ風味を増量。一定のアグレッションとスリルと纏ったサウンドはメガデスらしいと歓迎できるムードも満載である。
ワタクシのような時代遅れの野風増なオッサンには、モダン化した2000年仕様でしかないのだが、多くのファンにとっては嬉しい作風だろう。
始まりはソロアルバムだけに、バラエティ豊かな面は存在する、完全にやり切ったとは思わないが、それでもムステインの一人作業が功を奏しスラッシュ色が強まった、そしてムステインの歌い回しの柔軟さが、印象をガラリと変えている。これも、歌モノに手を出したからの成長ならば、あの時代も悪くないと言えよう。


MEGADETH - The World Needs a Hero (2020-11-24 16:05:20)

アルバムジャケットが昔をイメージさせるものに変わりファンの期待を相当煽ったろう。ギターのマーティー・フリードマンはバンドを去ったが、後任も技巧派で知られるアレ・ピトレリです、これは期待できるぞとなります。オープニングも地味だが、昔の空気を纏っており、なんとなくクリスタルである。
しかし、その雰囲気もまま、大きな盛り上がりもなくラストまで完走。収録時間が長い感じてしまい。肩透かしを喰らった気分である。
どんなものにも賛否あるだろうが、新しい事に取り組んだ前作は、メタル脳にとってはイマイチなだけで一般的ロックファンにとっての評価は違うだろう。今作は、自らのフィールドに戻って作業を進めようとしたのに、根幹となるスタイルが見えてこず、ある意味、前作以上に中途半端で覇気がないように映る。
雑誌のレビューも知らないし、当時の評価も全く分からないが、個人的には昔の名前で出ています感が強く、もっとメガデス強めでお願いします感がハンパない、あのスタイルに近いだけに渇望感がピークに達してしまい、イケそうでイケないもどかしさがハンパない。
これがメガデス黄金期に近いスタイルですと言われたなら、豊田真由子ばりに違うだろうとシャウトするだろう。
個人的にはアルバム長いなぁである。一曲一曲も長いである。アル・ピトレリが悪いのではない。時代の流れに即して、自分達を見失ったバンドの末路という事だろう。
このアルバムのあと、ライブ盤を残しバンドは解散したと知ったのだが、驚きはなかった。晩節は汚すものではない。
雰囲気はバッチリなのに、何にもないアルバムになってしまった。メガデスの看板は安くない。そういやメタリカもファー首に巻いたり、メイクしたりして写真に写っていた時代だもんなぁ。
当時、完全にメジャーシーンと鎖国していた私には、つい最近の出来事なんですよね。


MEGADETH - Risk (2020-11-24 15:50:48)

ヘヴィメタル冬の時代を、何とかしのいできたメガデス。2000年を目前に彼らが進んだのは時代に即したスタイルだったという事だろう。実は今作以降の作品に触れるのはつい最近です。所謂サブスクリプションのおかげで気軽に聴けるので、手を出しただけ、ワタクシにとって重要なのは、音楽性でありバンドの名前は後からついてくる。
好きなジャンルに、そのバンドがいるか否かです。
①②と驚いていたのも束の間、④の登場には腰を抜かしかけました。いくら無料でも一旦聴くの止めましたがファーストインパクトです。
いくら時代の流れとは言え、これがあのメガデスなのかです。前作の方向性を更に推し進め、自らのアイデンティティを投げ出したアルバム。ブルージーは⑧などメガデス流BON JOVIのように感じ度肝抜かれっぱなしである。
メタルな耳にとっては退屈でも、この時代の音楽に触れた方にとっては不満も少ないでしょう。時代の流れとは恐ろしいものである。そして、自分も、この時代から商業誌を読むのを止めようと考え、ディープなメタル探訪を旅に出るので、何とも悩ましい時代を想起した。
いかにも2000年前後を象徴するような試行錯誤を感じさせる一枚です。


MEGADETH - Cryptic Writings ★★★ (2020-11-24 15:36:25)

まずプロデューサーにダン・ハフの名前がある。これには相当驚いた。聴く前から大幅なモデルチェンジを行われているのだろうと予想はつくのだが、今作は前作の流れを踏襲したジャンル不問のワールドワイドなメタルサウンドを披露している。○○風や流儀を捨て自らが築いたインテレクチュアルスラッシュなる音楽性は、ここにはない。
充実する歌メロとムステインの情感あふれる歌声、冷めた狂気は成りを潜めたがムステインの声はいつだって冷ややか、そのバリエーションが増えたムステインの歌い回しはブルージーな曲まで歌いこなし、製作者サイドの意向をくみ取るようにこなしている。
マーティー・フリードマンも実に上手いギタリストだが、ムステインとの神経戦とも言うべきスリル溢れるツインギターの絡みがないのは寂しい限りだ。ここまで開き直ったら過去の曲をどうライブで混ぜ込む演奏するのか興味は尽きない。スラッシーな⑤やメイデン風のツインリードが登場する⑩など、メタリックな耳を楽しませる曲はあるが、そこまでテンションを下げずに聴けるかが問題であろう。
個人的には、歌モノも大好物だ。アリーナ系もイケる口である。ヘヴィメタルやりチン男と恐れられる節操のないワタクシでも、メガデスがここまで開き直ると、些か冷めてします。でも質の高さは疑いがない、あとは趣味嗜好の問題であろう。久しぶりに聴いたが、やはり面喰うわなぁ。


MEGADETH - Youthanasia ★★★ (2020-11-24 15:21:54)

アルバムも売れ快進撃を続けるメガデス。前作の成功を鑑み、また時代性を考慮した中で作られた今作も無理無駄のないスタイルで勝負。とくに共同プロデュースの立場をとるマックス・ノーマンの手腕は評価されるべきものであり、メガデスらしい冷めた狂気の中に、人間臭さを大導入してきた。
ギターの音選び一つとっても、それまでのメガデスとは違う形をとっており、メタリカが進んだ先鋭的モダンヘヴィネス化とは一線を画す方法論でバンドは新たなる道筋を立てた。

実は、今作からメガデスの作品をまともに聴いていない。恥ずかしながら、次のアルバムまでは、何年か遅れで聴いたが、それ以降は2年位前まで完全にスルーだった。
この時代、自分のルーツたるものを探すたびに出ていたのですが、こうしてリリースして20以上もたち、こちらの耳も色んな音楽に触れ耐性が出来れば、ここで聴けるサウンドに違和感を幾度感じない。
勿論、初期の音楽性に惚れ込んだので、これは別モンに聴こえるが、③みたいな歌メロを唄えるようになったムステインの心境の変化に驚かされる。だからこそ④が生まれたんだろう。
スラッシュメタルを愛する者には眠くなる一枚だろう。ムステインが取り組んだ歌モノアルバムでもある。しかし、このアルバムには、メガデスらしいトゲがある、温かみのあるサウンドメイクの中にムステインの込めた毒があるのは確かだろう。今作最大の毒は最もメガデスらしくないというのが一番かもしれませんがね。


MEGADETH - Countdown to Extinction ★★★ (2020-11-24 15:06:33)

マーティー・フリードマンが抜けず制作された5枚目のフルアルバム。初期の頃にあった破天荒さ、一筋縄ではいかぬ個性剥き出しのリズムプレイや、ギターワークは影を潜めたが音楽性な成熟度は高く、テクニックのみならずエモーショナルなフレーズを奏でるギターのおかげで、メガデスサウンドに人間の血が通いだした。
かつての冷徹なる殺人マシーンの如きメカニカルな殺傷力を引き換えに手に入れた感情。時代的にも脱スラッシュが進んでいた中で、メガデスは緩やかなモデルチェンジを行いファンの不平不満を最大限に押さえ込み、新たなるステージへと進んでいく。特筆すべきはムステインの歌唱スタイル、今まで以上にフィーリングを重視しており、しっかりと歌い込む事でサウンドに深みをもたらしている。
一撃必殺のアグレッションはなくとも実に味わい深い新メガデス流スラッシュ、普遍性を最大の武器に変えた彼らに弱点は見当たらない。口うるさいファンからシングル向けと揶揄されそうな②⑤ですら、必然性を感じさせ流れを損なうものではない。特に②は実に聴きやすく今アルバムを象徴するような仕上がりです。
マックス・ノーマンのプロデュースにより、クリアーでメタリックな音像を手に入れたのも大正解だった。


MEGADETH - Killing Is My Business... and Business Is Good! ★★★ (2020-11-23 17:18:04)

初めて聴いた時のインパクトは相当なものだった。音質云々で語ることのできないド迫力、その他者を受け入れない狂気じみたムステインの歌声と、キレまくるリフの嵐、そして不思議な風合いのドラミングと、ジャズ系など知らない子供には、恐ろしいほど個性的で尖りまくったサウンドだった。
後年、いろんな形で世に取り上げられ、リミックス盤も出ているが、個人的はインパクトとしては、あの劣悪な音質のコンバット盤に敵うものはない。
それに今作最大の魅力は、革新的な音楽性に尽きる、無軌道に外れていくソロのスリル、高速にスイングする強烈なドラム、そこに食らいつくベースは巧者、この野心に溢れたリズムプレイによって、今作の特異性は確立されている。
上手い下手では語れない初期メガデスの旨味、クビになったメタリカに対する恨み節も込みで制作された今作は、何よりも狂気じみた怒りに満ち溢れていた。
他では聴けないインテレクチュアルスラッシュの登場。個人的には、理屈抜きで今作が最も愛するメガデスの一枚である。


MEGADETH - So Far, So Good... So What! ★★★ (2020-11-23 16:48:28)

クリス・ポーランドとガル・サミュエルソンが揃って抜け、その後任に収まったのがジェフ・ヤングとチャック・ビーラーの二人、メンバーチェンジがもたらしたものなのか?ムステインの悪癖なのが、前作から比べると音質が劣化、逆に生々しくなったと言えるが、デモ並みに音質の悪かった1stを思い出したりと、ムステインやりやがったなとなる。

しかし、音楽性的には先鋭性の強い前作から、より間口を広げた音楽性へとチャレンジ。それが大成功したとは言い難いが(③のカヴァーは失敗だろう)、歌メロが強化されていたり、クリフ・バートンに捧げたバラード調のナンバーを収録したりと必ずしも否定されるような内容でもない。
やはり特筆すべきは、スラッシュサウンド特有の魅力、一寸先の展開を読ませないスリル、そしてムステインが醸し出す狂気が上手く機能しており、メガデスたる魅力を体感できる。前作のキレっぷりからすると見劣りするのだが、何を求めるかで評価も大きく異なるでしょう。

個人的には荒々しいメガデススタイルは健在。なによりテクニカルな要素も十分に補完している。なんだかんだ言ってもメガデスらしいアルバムですね。


MEGADETH - Rust in Peace ★★★ (2020-11-23 16:35:36)

結局、ジェフ・ヤングは一枚でバンドを去り、ドラムのチャック・ベラーも同じ道を辿る事になる。そこで新たに加わったのがマーティー・フリードマンとニック・メンザとなる。
前作で広げた音楽性をどう回収するのかと身構えていたら、今作はこちらの予想を上回る展開を見せる。インテレクチュアル・スラッシュな方向性に戻ったと印象付ける①に始まり、その流れを組む拘りの展開と正統性の強いメタルサウンドへの接近、その二つが高次元で融合、単なるメガデスらしさの復活に留まらない革新的な成長を見せる事に成功。特にマーティーの情緒あふれるギタープレイの数々、その旋律の美しさとキャッチーさは聴きやすさを誘発、それまで敬遠されていたファン層も開拓するエモーショナルなプレイによって、見事なほど、ムステインの持ち合わせていたメカニカルな要素と合致。その有機的な響きが、冷徹な機械的サウンドの中で熱い血潮を巡らせている。
ストレートなメタル的要素も増えたが、それが全くマイナスに働かないのも、ムステインとマーティーの相性の良さに尽きるのだが、リズム隊の強化も見逃せない充実度を誇り、全てにおいてスケールアップしているだろう。
刺々しい先鋭性と引き換えに手に入れたスタンダードな響き、前作があればこそなのかもしれないが、やはりマーティーの加入が素晴らしい相乗効果をもたらしたと思う。
彼なくして、ここまでギターオリエンテッドな作風にはならなかった。そして後続のスラッシュ勢にも、影響を及ぼしているのは間違いない。とにかく、ムステインとマーティーがここまで上手く機能するとは思っていなかった。


JOHNNY, LOUIS & CHAR - Free Spirit ★★★ (2020-11-21 13:17:06)

ジョニー吉長、ルイス加部、チャーの3人からなる伝説のロックグループ。のちにピンククラウドと改名して活動を続けるバンドのデビューライブアルバム。
オリジナルのリリースは1979年、ライブ会場は日比谷野外音楽堂。当時のチャーは、まだアイドル的な名残はあったが、彼が進みたい本格的なロック志向を見せており、ジャパニーズフォークの残り香と本格派の洋風ロックを取り混ぜ革新的な精神性の元、腕に自信のあるメンツが世界を目指し本物のロックを鳴らそうと努力している。
チャーらしいキレのあるフレーズ、ブルースやカントリーをベースにしながらも様々なジャンルの音楽性を取り込み、自分流儀にかき鳴らすことで個性を確立、豊富なアイデアに裏打ちされたセンス、その多彩なと技巧に唸る。
曲調に合わせ表情を変えるリズム隊の器用さ、ガリガリとしたベースだけではない加部の柔軟に向き合う真摯な姿勢、野性味のあるグルーブと繊細さを叩き出す吉長のドラム、3人が互いを意識しながら、譲りあるのではなく、居合の如く間合いを詰め、隙あらば主役の座を乗っ取ろうとするようなスリルが、訪れる瞬間に、このバンドの核心を垣間見た気分を味わえる。まだまだ、詰めの甘さもある。古臭い日本的フォークソングなど顕著であろう。それでも、合い間に登場する本物志向のロックに、このバンドの未来像が見えてくるようだ。


URIAH HEEP - Firefly - Been Away Too Long ★★★ (2020-11-20 14:28:33)

ジョン・ロートンの歌声が素晴らしい
力強く伸びやかな彼の声がなければ
ここまでの感動は訪れなかったでしょうね
ドラマ性を演出するバックを従え
ロートンは最大限のパフォーマンスで見事にバンドを従えています
主役は彼でしょう
新加入とは思えない存在感に驚嘆あるのみ


URIAH HEEP - Firefly - The Hanging Tree ★★★ (2020-11-20 14:24:59)

新たに参加したジョン・ロートン
この芯のある力強い歌声の登場にぶっ飛びました
前任者では表現できない男臭さと透明度のあるクリアーな歌声
誰が聴いても凄いと思うだろう
当然バイロンとの好き嫌いはあれど
上手い下手で議論をした場合
ロートンに敬意を払えない人とは一生音楽の話は出来ないでしょう
耳が付いていないのと同じです


URIAH HEEP - Salisbury ★★★ (2020-11-20 14:12:39)

ドラマーがナイジェル・オルセンからキース・ベイカーに変更。同じジャジーなタイプのロックドラマーだけに違和感はないがナイジェルの本気のドラミングが聴きたかった。
いきなり奇々怪々な歌声が飛び出す邦題『肉食鳥』がピッタリとハマるオープニングに驚く、この曲を聴き一気に黄金期にHEEPのイメージに近づくが、この曲のクレジットにケン・ヘンズレーの名前はない。しかし今作にはヘンズレーのクレジットが当然登場、②④⑤はケン・ヘンズレーのみの楽曲でし、他の2曲にも関与、彼のソングライティング力が要約、HEEPに反映されたという事なのだろうが、1stでもクレジットこそないが、ヘンズレーのアイデアは多分に採用されているはずなので、今作の出来栄えに驚きはない。
美しいコーラスワークが耳を惹く②、ヘヴィなブルースナンバー③のカッコよさたるや、今聴いても惚れ惚れするようなバイロンの歌い回しに、ヘヴィなオルガンとギターの絡み、ギターソロもカッコいい、その余韻に浸っている次に登場は、ケン・ヘンズレーの朴訥とした唄が映えるアコースティカルな一曲、何故、リードヴォーカルを差し置いて、自ら歌うのか理解できないが、いずれにしろケンは気持ちよさそうに唄っています。どう聴いてもバイロンが絡む後半がカッコいいのにね。次もケンが唄いテンションダウン、しかし超がつくドラマティック大作ナンバーの登場で、2曲続いたフラストレーションを一気に吹っ飛ばし大円団を迎えます。
ライブでは定番の④も個人的には箸休めソング、流れの中に、お楽しみでケンが唄うのはありだが、彼はインギー以上に自己主張の強い人間で活動を続ける中でバンドに不協和音を生み出す。しかし、その俺様のおかげで初期HEEPは個性を確立して成功を収めたのだから、仕方がないのですがね。
そんな俺様、ケン・ヘンズレーが顔を出し始めた2枚目、バンドが一体となり襲いかかる①と、大作⑥を聴くだけでも価値はあるでしょう。とくに⑥があるから次があるんだなぁと思えるほど、HEEP印全開である。