この曲を聴け!
失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 1301-1400

MyPage

失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 | 82 | 83 | 84 | 85 | 86 | 87 | 88 | 89 | 90 | 91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 | 98 | 99 | 100 | 101 | 102 | 103 | 104 | 105 | 106 | 107 | 108 | 109 | 110 | 111 | 112 | 113 | 114 | 115 | 116 | 117 | 118 | 119 | 120 | 121 | 122 | 123 | 124 | 125 | 126 | 127 | 128 | 129 | 130 | 131 | 132 | 133 | 134 | 135
モバイル向きページ 
失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 1301-1400

0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 | 82 | 83 | 84 | 85 | 86 | 87 | 88 | 89 | 90 | 91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 | 98 | 99 | 100 | 101 | 102 | 103 | 104 | 105 | 106 | 107 | 108 | 109 | 110 | 111 | 112 | 113 | 114 | 115 | 116 | 117 | 118 | 119 | 120 | 121 | 122 | 123 | 124 | 125 | 126 | 127 | 128 | 129 | 130 | 131 | 132 | 133 | 134 | 135


SMITH/KOTZEN - Smith/Kotzen ★★★ (2021-04-03 18:03:23)

20年以上雑誌を読んでいないので、最近の流行りものを全く理解していない。それで苦労することはないのだが、どういった経緯で、エイドリアン・スミスとリッチー・コッツェンがタッグを組んだんだろうか?
全然、接点のない二人だと思われるのだが、浦島太郎オジサンにとっては、皆目見当もつきません。それでも、先行公開された楽曲の出来の素晴らしさに感嘆させられましたね。
エモーショナル歌声と、テクニック込められた情熱とソウルフルな味わいのギター、トーン一発で酔わせてくれるプレイの数々に、思わず酒も進みますね。リッチー・コッツェンのエモーショナルなギターと唄、上手いのは知っているが、ここでは今まで以上に有機的に機能、シンプルながら多彩なフレージングを用いり、二人のギターは個性を光らせています。
腕利きの二人が派手なプレイになど頼らなくとも十分に満足させている。ハードだが哀愁美に溢れたフレーズはフックも満載。何とも言えないセクシーな音色、その肉感的なギタープレイの数々に悶絶です。

個人的には、第3期パープルの現代版とも言える味わいがある。あそこまでリズムセクションは多彩ではないし、キーボードも出てこないのだが、エモーショナルかつソウルフルな歌声とハードエッジなギターが楽しめるという一点において、勝手にそう想像して楽しんでいます。まぁ英国的な要素も漂っているのも拍車をかけていますかね。

妥協なきギターと唄、その充実ぶりを受け止める優れた楽曲。このプロジェクトは単発で終わらせてはいけませんね。
くどいようですが、唄もギターも沁みるよ。染みわたりますよ。エエで、溜息が出るわ。

余談ですが、この前後にケン・ヘンズレーのソロを聴いていたので、余計にそう感じます。比較する事でもないのですが、やはり唄えるだけじゃダメなんですよね、訴えかけるものがないとね。


George Murasaki and Mariner - Mariner One ★★★ (2021-04-03 17:34:54)

日本のDEEP PURPLEと呼ばれた沖縄のロックバンド、紫を率いていたジョージ紫が新たに結成したバンドの1st。ジョージの鍵盤プレイを主軸に楽曲はドラマティックに展開荒々しさの中に繊細さを加味させた古典ロックの旨味に唸ります。

随所に存在感を発揮するリズムプレイ、ハーモニーやフィーリングを大切にするエモーショナルなギター、そしてJJのソウルフルな歌声、演者が一体となり生み出される音は、既存のアイデアを踏襲しつつも、アレンジセンスの妙味も光り輝き、新たなる息吹を与えている。
あらゆる音楽に精通したプロ集団が生み出す無限のエネルギー、多様性に富みながらもエネルギーの放出を一つにまとめることでインパクトを強めているのも印象的です。
ロックあり、バラードあり、プログレテイストありと、なんでも歌いこなせるJJは、本当に逸材だった。
時代が1979年のリリースである、それだけに古さは否めないが、偽りのない音楽性だけに、今聴いても十分なほど鮮烈なインパクトを放っている。抜群のリズム感に富んだアンサンブル、半分が外国人だからだけが理由ではないはず。沖縄の血は日本とはチョイと違うんだな。
紫直系でありパープル同様、小気味いリズムは跳ね上がり、ギターとハモンドが暴れるロックが好きな人ならマストでしょう。
全ての曲がいちいちカッコイイ。アレンジも様になっている。無駄もない。完成度の高さに舌を巻きますね。何故、再発されないのだろうか?権利の関係なら乗り越えて欲しいなぁ。


STORMWIND - Straight From Your Heart - Gimme, Gimme, Gimme ★★★ (2021-04-02 20:29:35)

インギーよりも先にカヴァーしているのかな?
女性シンガーも上手く機能しているでしょう
中低音域を駆使して堅苦しい印象を受けていただけに雰囲気はあるぞ
ギターソロもスリリングでイイですね


George Murasaki and Mariner - Mariner Two ★★★ (2021-04-02 20:20:09)

沖縄のロックシーンを代表する紫の創始者、ジョージ紫が新たに動き出したバンドの2枚目。シンガーはJJが務め、バックはアメリカ人と言う事らしいのだが、元々、返還前の沖縄の血で育まれた本物のロックを体感してきた彼等、JJもある意味、外国人だし、このバンドから日本的なバタ臭さは全く感じない。
むしろ、英国でも米国でもない無国籍なサウンドを奏でており、ジョージのキーボードを生かしたドラマティックなサウンドを展開。JJのソウルを感じさせる歌声は、正にロックシンガーとしての魅力を搭載、そこにプログレタッチの本格的なロックサウンドが絡んでいくのだからたまりません。プログレ系と言ってもコマーシャル性は完備。ASIAほどのスケールの大きさはありませんが、完成度の高さでは、このバンドも負けていません。むしろ、どこかアジアを感じさせる個性的なメロディを有しており、一度聴いたら忘れないようなフレーズもあったりと、質の高さは折り紙付きです。技巧と親しみやすさを調和させた絶妙なさじ加減が、何とも言えない空気を生み出しています。

これだけ、本格的な音を出していたのにバンドは2枚のアルバムを残し解散。おまけに、いまだにCD化も見送られている幻の一品。デジタル配信でいいので、確実に復活して欲しいバンド。久しぶりに聴きましたが、かっこエエわ。


FIGHTER - Bang the Drum ★★★ (2021-04-01 19:33:59)

エイミー・ウォルターとショーン・マーフィーの男女がシンガーを務めるクリスチャンロックバンドの2nd。ハードエッジよりはAOR調のサウンドを基調としており、HEARTのBRIGADEみたいな路線を思い出しました。
嫌味のない爽快感とロックな躍動感、弾けるポップセンスを巧みの盛り込み万人に受け入れられるスタイルを取っている。コンパクトながらギターも巧者、この手のバンドは、実力者が脇を固めるパターンが多いのだが、このバンドも安心して聴ける技を持っている。
個人的には、折角フロントマンが二人いるんだから、もっとデュエットを増やせばよいのにと思います。①男性②女性③男性④女性⑤男性と、譲らないんですよね主役の座を、何故なのか不可思議な気持ちのまま、進みますが総じてクオリティは高くメロディ派の心に寄り添うようなヒットソングも多い。
まぁ、こればかりはバンドの在り方ですから、如何ともしがたいのですが、タイプの違う二人が絡めば魅力も倍増するのにと思わずにはいられません。


VENGEANCE RISING - Human Sacrifice ★★★ (2021-04-01 19:13:38)

クリスチャンメタル界からついにスラッシュが登場するとは夢にも思いませんよね。恐るべしスラッシュムーブメントなのかクリスチャンの節操のなさなのかは分かりませんが、このバンドが出している音の暴力的なエッセンスには驚きます。
DARK ANGEL的な背徳感やSLAYERのようなアンチクライスト的な匂いまで嗅ぎ取れるのに、これが、キリスト万歳を唄っているのかと驚きますが、英語は分かりませんので不思議な気持ちです。
ギャングコーラスも飛ぶ出す①のようなお約束もあるが、ブルースメタルな③もあったりと、以外と懐が深い。そして④ではスローな出だしで驚かせ、その後、吐き捨てタイプの歌声が映える絨毯爆撃スラッシュが展開。ゴン太なヘヴィグルーブが怒涛の進撃を繰り広げるバイオレント極まりないスラッシュサウンドの凄み、それでいながらも、スラッシュ以外からの影響が出ているパートも攻守交代のように効果的に出てくる演出のおかげで、スラッシュ特有のスリルを生み出し、凡百のスラッシュバンドからの脱却を目指している。
こんなもん○○だよと、お叱りを受けそうな面もあるのだろうが、殺傷力の高いリフとリズムが混然一体となり迫りくる厳つさに、恐れ慄きますね。
こういう無慈悲さと有機的な絡みを見せながらも、濁声の吐き捨てヴォーカルが絡むことで、独自のクールさとバイオレントな空気を生み出していることも見逃せません。
仕掛けも多いし、アメリカのバンドと言うよりもドイツのスラッシュ系に近い音を出しているのも印象的だし、このバンドの立ち位置を示していますね。それにしても、クリスチャンスラッシュて何を唄っているの?
音だけ聴けば乱暴ですよぉ。


Emerald - Armed for Battle ★★★ (2021-04-01 18:49:51)

70年代の終わりに産声を上げたクリスチャンメタルバンドが、解散前にリリースした6曲入りのEP。なぜこのような形でバンドは終焉を迎え、リリースに至ったのかは知りませんが、歯ごたえのある無頼なメタルを披露。オープニングではやさぐれたDOKKENのような曲で幕開け、次もアコギのパートを盛り込みドラマ性を喚起させる無頼さもある曲へと繋がり、このバンドから浮ついた印象を受けない。
メタルバブルど真ん中の1987年に、この手のスタイルがメインに躍り出ることはないが、EDMもリズムも取り込み多様化する昨今のサウンドを見聞きするたびに、個人的には、この無頼なメロディアススタイルに愛着を覚えずにはいられません。
やたらベースが自己主張するバランスなど、もう少し配慮した方が良いような気がする、全体的にもっさりとした印象が拭えない。やりたいことを表現方法が違うと感じてしますが、それも、マイナーバンドの味として楽しんで貰いたいです。
パワー漲る正統派スタイルは、堅実過ぎると思われるでしょう。ベテランレスラーの前座試合のような展開かもしれませんが、ヘヴィメタルの美徳を感じさせる、パワフルさとメロディに対する拘りの姿勢は何物にも代えがたい魅力があると思いますよ。


LIONHEART (2021-04-01 02:20:03)

このバンドが再び脚光を浴びたのはデニス・ストラットンがプレイングマンティスに加わった事が大きい。実際、1992年に世界に先駆け、日本のみでCD化再発された時は、その前後でBURNN!誌において、再考され名盤発掘的なお墨付きをおもらった記憶がある、そのおかげでワタクシも1stを聴いたのだが、後期NOWBHMバンドとの認識として照らし合わさすと、かなりアメリカンナイズドされたシャレオツなサウンドだったことに驚いたものです。

質は高いがメジャー感がバリバリのメロディアスサウンドだった。後年、コンピ作に収録された曲を聴いた時に、このバンドも少なからずメジャー資本の横槍を入れられ方向性が変わったんだと思ったのですが、1999年に、今なお日本のみでしかリリースされていない、2枚組のデモ集を聴き長年の鬱積も晴れました。

そして30年以上たってから、デニスは、昔やり残したことは見事にやり切り、このバンドを本分となるサウンドをリー・スモールの力を借りて体感させてくれました。

LIONHEART=1stと思われると、このバンドの姿がぼやけてしまいます。特に1stは持ち上がられ話題になりましたが、デモ集はゴット伊藤氏から厳しい言葉を頂いています。BURRN!書いてあることこそすべて、ましてやゴットが言うのならばと言うBURNN!原理主義者には、馬の耳に念仏ですが、もっと広い視野で音楽を聴ける人には、復活後のアルバムは勿論ですが、世界中のコレクターが血眼になって探している。日本盤しか存在しないデモ集も、素晴らしい価値があると理解できるでしょう。いや、むしろデモ集こそ、LIONHERATと思うでしょうね。音楽は耳で判断するものです、活字で判断されるものではありません。ましてや権威に追従するなど…愚の骨頂です。


LIONHEART - Unearthed - Raiders of the Lost Archives - Don't Hide The Feeling ★★★ (2021-04-01 01:58:06)

英国らしい高貴なムードが漂う哀メロハードポップナンバー
線は細いが透明感のある歌声もマッチ
こういう曲を盛り込める三頭政治体制は間違いではなかった


LIONHEART - Unearthed - Raiders of the Lost Archives - Prisoner ★★★ (2021-04-01 01:18:48)

我らが山本恭司のソロでも唄い
バーニー・マースデンのアラスカでも唄った
ロバート・ホーソーンがボブ名義で参加しています
彼の透明感のある歌声と
分厚いコーラスワークは似合いいますね
このラインナップには可能性を感じます
マンティスから流れてきたファンもグッと掴むでしょう
ドラマティックな展開もあったりと繊細さもたまらん


LIONHEART - Unearthed - Raiders of the Lost Archives - Shooting All The Lights Out ★★★ (2021-04-01 01:16:07)

英国のMR.BIGのシンガーだったジェフ・ペインが立ち上げたバンドのカヴァー曲
この煮え切らない感じも英国していますねぇ
ご機嫌なブギースタイルという事ですかね


LIONHEART - Unearthed - Raiders of the Lost Archives - Don't You Know What Love Is ★★★ (2021-04-01 01:13:07)

TOUCHの名曲をカヴァー
このバンドこういう曲が好きなんですねぇ
デニスとロッキーが唄い分けています


LIONHEART - Unearthed - Raiders of the Lost Archives - Ace In The Hole ★★★ (2021-04-01 01:10:46)

Vinnie Vincent InvasionやJourneyのシンガーとして知られる
ロバート・フライシュマンの曲をカヴァー
4トラック録音だそうで音質はショボいですが
このバンドには似合っていますね
いいフィーリングがありますよ


OZONE - Self Defence ★★★ (2021-03-30 18:27:43)

スティーブ・オーバーランドとクリス・ウーズィーの実力者シンガーのツインボーカルが堪能できるAOR調のハードサウンド。ソングライティングチームにはマイク・スラマーも加わりお膳立ては揃っているのですが、そこにトミー・デナンダーも招聘とメロディ派にとっては盤石の体制となっていますね。
英国的な叙情派サウンドに盛り込まれる北欧のエッセンス、それらが織りなす化学反応に導かれ極上の歌モノロックが展開。真新しいものなど無いのだが、安定感抜群のサウンドに身も心も委ね楽しむのが一番ですね。
上手いなぁ、ツボを押さえていますね。味のあるギターも印象に残る。でも邪魔しないのよ。だれも無駄な動きをしていない。こういう音は永遠に聴いていられますね。
玄人も唸らせるアレンジセンス、そこに上手い唄が絡むのだから、マニアならずとも手を出して損をさせない一枚でしょう。


HOBBS' ANGEL OF DEATH - Heaven Bled ★★ (2021-03-30 18:02:42)

どこかファニーなイメージがあったバンドの首謀者であるピーター・ホブスさん、雑誌の低評価もそこに加わり、一般的には割を食った印象が強い。しかし、生粋のスラッシュマニアからは、そのキャラも含め愛されるべきバンドして一目を置かれたのは事実。久しぶりの復活作となる今作に対する期待値は決して低くない状況の中で、見事にこちらの期待を裏切ってきました。
単なる80年代スタイルの焼き回しに終わらないブルータリティの増量、それはオープニングから炸裂。切り刻まれるブラストビートとブラッケンドなアグレッションを有するナンバーの登場に衝撃を受けました。その路線はアルバム全体で感じさせるものであり、新しい時代を巧みに飲み込み、この時代に復帰する意味合いを強く感じさせてくれました。

個人的には、行き過ぎた印象は否めないものの、若い人たちにも存分に訴求する魅力を携えており、現役のアーティストとしての矜持を感じます。
以前よりもテクニカルな要素に偏った新生サウンド、手数足数の多いドラムはバンドの推進力となりイーブルなスラッシュサウンドを牽引、ギターも思いのほか、メロディアスなフレーズを奏でガラリと印象を変えてきた。


A.S.A.P. - Silver and Gold ★★★ (2021-03-29 17:44:33)

今作をリリースする辺りから、エイドリアン・スミスはメイデンを抜けるのではと噂になっていました。元々、メイデン加入前のバンドURCHINでは、唄も担当、そして音楽性もポップな叙情派ロックをやっていたので、今作の方向性に違和感はない。しかし、そういう情報は必ずしもポピュラーではない為に、多くのファンにとっては、おもてたんと違うという事で、あまり良いリアクションを得られなかったと言われていますが、英国スタイルを基調としつつもワールドワイドな展開を視野に入れた楽曲を収録、アメリカン仕様が少々鼻にはつくが作品のクオリティは総じて高く、マニアならずとも手が出るライトな音楽性に傾ている。
バーニー・マースデンもアラスカやったからなぁ、なんて妙に納得できたりするのですが、格式高いメイデンスタイルを期待すると正直ガックリとくるでしょう。
個人的にはEARTHSHAKERに提供したような曲調も期待したので、ハードエッジの少なさに戸惑いました。キーボードも出過ぎですが、エイドリアン・スミスのバックボーンを考察すると見えてくる景色も違うので、これは守備範囲でしょう。

最近、エイドリアン・スミスとリッチー・コッツェンのプロジェクトが話題となり、そちらの音楽性も素晴らしく、今作を思い出しました。エイドリアン・スミスの別の顔に興味のある方は是非ともトライしてください。
煌びやかなロックサウンドに面を喰らいそうですが、ギターリスト、エイドリアンとしては多彩なアプローチで楽しませてくれます。こういうフュージョン系のプレイでも腕利きのギターテクニックを披露できるエイドリアンの才能の豊かさ、改めて素晴らしいミュージシャンであることを確認できるでしょう。
メイデンだけに押し込めておくのは待ったいないですね。


早川めぐみ - Hot Lady (2021-03-29 17:24:15)

今回の帯タタキもキュンとなりますねぇ「君も、セクシーでキュートなメグのライヴ感覚あふれる"POWER POP"かじってみない?!!」前作に当たるEPにもあったPOWER POPかじってみない好きやなぁ。

元祖嬢メタルと言えば、ワタクシにとっては早川めぐみ嬢を真っ先に思い出します。セクシー系のジャケ、そして裏ジャケは松本伊代に叱られそうな線路でグラサン姿を披露。中身のポスター的な要素の強いライナーノーツではアイドル的な笑顔を披露と、一枚で何度も楽しめる仕様になっています。
これぞ昭和アイドル的な売り方なのでしょうが、アイドルに熱を上げなかった少年時代のワタクシは、チョイと疎いのですが、そんな雰囲気を今作から感じています。

作風も、作品毎に歌謡テイスト化に拍車がかかり、B面に当たる2曲以外はリズム隊が打ち込みに変更と、本格的に路線変更を果たしています。

A面の5曲、B面の頭で参加するのは、今やロック界の大御所である松本孝弘、制約のある中でも、自身の持ち味を出そうと苦労していますが、②では作曲も担当と躍進していますねぇ。

総じて歌謡曲です。免疫がないワタクシには総じて恥ずかしくなる曲調ばかりです。ACTIONのメンバーが提供した楽曲も、彼等がやりそうなパワーポップナンバーだ。しかしめぐみ嬢の歌唱力不足は如何ともしがたく、可愛らしさでは押し切れないフィールドまで進んでしまった。

しかし、無理やり感の漂うハード路線よりは肩の力が抜けて、彼女にとってはプラスに働いている。完全に水泳大会のワイプで唄っている姿がチラつく曲ばかりだが、昭和アイドル好きには需要もあるだろう。
また、歌謡曲よりのロックが好きは人もイケるでしょうね。忘れ去られたアイドルロッカー、昨今のブームを横目に見ているワタクシですが、こんなんもありましたよぉとお節介を焼きたくなりました。


BLACK KIRIN - 金陵祭 ★★★ (2021-03-28 17:21:41)

漢字では黑麒と書きます。中華圏のフォーク系ブラックメタル。その悲哀に満ちたメロディと暴虐性極まりないサウンド迫力満点。殺傷力の高いリフ、悲しみを抱いて血を吐き咆哮する唄、ブルータリティに満ちた豪快なリズムは強度が高く、エキサイティングなサウンドメイクに一役買っている。
殺伐として狂気、中華風のメロディも大胆に取り込み、静と動のコントラストを際立たせた演出が独自性の花を開いている。7曲入りで唄があるのは3曲、インスト唄インストという具合で物語が進み、戦争と言う不条理なる出来事を彼等流に演出。歴史解釈はどうであれ、我々日本人にとっては、無視できない南京大虐殺を取り扱うコンセプトアルバムとなっています。

個人的には7曲で37分超え、少々長いなぁと感じる曲がある。例えばインストの⑤はスローナンバーで5分半、しかも強弱のある展開がないので、いつまで続くんだろうと心配になる。歌詞が分からないから、余計に見失うのだが、こういう聴かせ方の工夫をするだけでも、随分と聴き易くなるのになぁと思う。

また、この手のフォークメタルには詳しくない為、えげつないパクリがあっても気が付ないのだが、民族楽器を巧みに使い、悲劇の物語をメタル仕立てに作り上げた今作は、エクストリームな暴走サウンドと相まって、中華風○○としては大成功だろう。暴れるところはしっかりと暴れ、泣かせのメロディに繋げている。そこにアイデアの渋滞は起こっていないようだ。


梦灵 - General Triumphant ★★★ (2021-03-28 16:59:34)

梦灵と書いてDream Spiritと読む、中華圏のフォークメタルバンドが2017年にリリースした2nd。既に海外のフェスに参加するなどワールドワイドな活ども行っているようで、中国のロック市場がどのような動きをしているのか?検閲のある中国において興味が尽きない、そろそろロックやって大丈夫のか?政治批判なんて絶対できないだろうしなぁ?
そういう意味では、今作にある昔の話をテーマにしたコンセプト色の強い作風は波風を立てない、また、フォークロックとの親和性の高いテーマでもある、それだけに違和感なく中華風味を盛り込んだメタルをやっても遜色はない。むしろ個性の確立に一役も二役も買っている。
欧米志向の強いロックが中国から出ているとは驚きだが、今となっては、こういう資本の使い方もありだろう。
中国で売れるだけでも、物凄い成功につながる、映画だって、マッド・デイモンが主役の歴史ファンタジーを作れる環境にあるのだから。

そこはかと流れるアジア的な情念のあるメロディ、そこに民族楽器的な音色も絡めアジア色を猛烈に演出。フォークメタルに疎いので、もろパクリを行われても気が付きませんが、自らのアイデンティティの確立と西洋文化の融合を、見事に果たしており、一定のクオリティを保持している。これならば海外のフェスに出ても違和感なく迎え入れられたろう。

もっと中国色があった方が個性は高まると思うが、そうなると台湾の人気バンドに類似するために、これくらいが丁度良いのかもしれません。益々ボーダレス化が進むミュージックシーン。アメリカで売れることを前提とした音作りは、必ずしも成功に結び付かない。特にSNSによって火が付く可能性も高めた今、わざとらしさはかえって命とりである。

動画がバズれば、大成功に結び付く昨今。何が起こるか分かりませんからね。


DESTRUCTION - Bestial Invasion of Hell ★★★ (2021-03-24 17:50:54)

ドイツが生んだ極悪スラッシャー、ディストラクションのデモ音源。2018年に正式な形で商品化された一品ですが、現在は配信盤も世に出ており、簡単に耳に出来る貴重な一品です。
このデモを叩き台に正式な形でアルバムに収録されたりしているのですが、その違いを楽しむのが一番でしょう。個人的には資料的な価値の高い作品だと思っている。
アメリカのバンドの触発されドイツからも現れたスラッシュ三羽烏の一翼を担ったグループですが、1984年の時点でかなり自分たちのスタイルを構築しており、その奇抜なアイデアからくる、ひねくれたリフワークや禍々しい暗黒度、理性を逆撫でするハイテンションな突貫スタイルは健在、少々、唄の迫力は、まだまだキレ不足だったりするが、このバンドが、単なるスレイヤーのフォロワー以上の魅力を持ち合わせていたことを理解できますね。
後年の、欧州スラッシュシーンに対する影響力の強さを考えても、今作は大きな意味を持つでしょう。なかなかお金を出すのは躊躇するのだが、定額制となれば話は別です。スラッシュ黎明期を音源を聴きたいと思うマニアなら必聴と言える一枚でしょう。


Urchin - Get up and Get out ★★★ (2021-03-21 17:51:52)

2012年に突如High Roller Recordsから世に送り出された幻のバンドの音源。知る人ぞ知るエイドリアン・スミスがメイデン加入前にメインで活動していたバンドのがURCHIN。結局、フルアルバム世に出す前に消えたのですが、メイデン効果もあってか、チョイチョイ未発表音源がリリースされています。権利の関係はどうなっているのか?など気になることはありますが、発掘良品を送り出すHigh Roller Recordsだけに期待値は高いものでした。
今作はリハーサル音源です、一発録音音源です。正式なレコーディング商品ではありません。それでも、このバンドの魅力を知るには十分なプレイと楽曲が目白押し、どちらかと言えばNWOBHM勢でもポップな叙情派スタイルで知られたバンドでしたが、その魅力を残しつつもライブらしいラフさも加味されており、持ち味は十分に発揮されてるでしょう。
後年、メイデン脱退後、ASAPを結成して割とポップなサウンドで勝負してきたことに驚いたメイデンファンも多いでしょうが、URCHIN時代を知っている人なら驚きは少なかったと思います。
ここで聴ける英国的ロックの様式を感じさせる王道サウンドの旨味、唄にギターとエイドリアンの非凡な才能に触れることも出来ますので、メイデンマニアにも十分、訴求するだけに魅力はあります。
そしてNWOBHMに興味があるマニアも押さえて欲しい一品ですね。


ANGEL - Risen ★★★ (2021-03-21 17:29:19)

あのANGELが白い衣装をまといシーンにカムバックしてきました。パンキー・メドウズのソロやフランク・ディミノのソロの延長線上にあるようなハードテイストを増強、合い間に懐かしいエッセンスを散りばめながら、軟弱な印象などを一切与えないパワフルな古典ロックを披露。
昔の名前で出ていますな、ノリを排除しつつも往年のファンを無視しない仕様に一日の長を感じずにはいられません。フックのあるメロディとクサすぎない哀愁美、重量感のあるリズムを心地よく鳴り響かせ、ギターの深い味わいで聴かせる手法により、硬軟のハンドリングを行い、このバンドの持ち味である華やかさを、新しい切り口で魅せている。

やや収録曲が多いなぁと感じるのだが、伝統と革新をもって改革された新生ANGELサウンドに死角は見当たりません。こういう古典的なロックは聴いていて気持ちがイイですねぇ。
スカッと抜けていますよ。歌心の満載のメロディと、それに応える力強い歌声、そして厚みはあるのに無駄を排除したアンサンブルの旨味に唸ります。ベテランによる会心の一撃、深みの増した楽曲の持つ完成度の高さ、ハードなのにコマーシャル性も忘れていない職人技、何もかもが素晴らしい豪華絢爛の盛り合わせですよ。これは売れなきゃダメでしょうよ。


THUNDERMOTHER - Heat Wave ★★★ (2021-03-21 16:57:53)

常に鮮度の高い古典ロックを披露する北欧のガチンコHM/HRバンドの4枚目。ブルースベースのロックサウンドも見事に手名付け、自分達が何者であるかを誇示するように、スケールの大きなロックサウンドを眼前に見せつけてきます。しなやかで強度のあるヘヴィグルーブは心地よくなり響き、ノリの良いリフ一発に破壊力も倍増、豪放磊落なロックンロールの嵐に飲み込まれますね。その頂点に立つ唄も頼もしい限り、AC/DCにも匹敵するような定番感を持ち合わせています。
こういう音楽は時流に左右されることはありません、彼女達に邪な感情さえ生まれなければ、このバンドに外れはないでしょう。似て非なるものを作る作業は簡単ではありませんが、ライブで叩き上げた実力者にとっては無問題ですね。

雑念を振り落とした穢れなき古典ロックの美徳。それでありながらも華やかさを感じさせるのはルックスだけではなく、このダイナミックで埃っぽいのに小奇麗さを感じさせる、ゴージャズなサウンドメイクによるものでしょう。
可愛い女子大生のキャンプを眺めている気分です。
作品毎に飛躍するバンドサウンド、デジャブ感も味方につけ、高らかに鳴らされる雷ロックの閃光を見ましたね。


MAGNUM - The Serpent Rings ★★★ (2021-03-17 04:12:46)

英国を代表する伝説のロックグループによる20年リリースのフルアルバム。近年の精力的な活動には目を見張るものもありますが、今回はベースプレイヤーがデニス・ワードにチェンジ、どのような交代劇があろうとも、主役を張るボブ・カトレイとトニー・クラーキンの二人がいれば陰りなどあり得ないでしょう。
オープニングから炸裂するマグナム印満載のオーケストレーションも決まっているドラマティックなナンバーの登場で掴みはOK、その後も、彼等のイメージに沿うような重厚な世界観を演出、マグナムかくもありきな音楽性をで酔わせてくれます。
あくまで主役は唄なのだが、その中にもマグナム流儀のプログレスタイルも盛り込み、楽曲毎にドラマとなる見せ場を設け聴き手を飽きさせません。しかし、ある意味、マンネリズムではある。
新しい事はやっていないかもしれないが、その反面、長きに渡り培ったバンドとしての顔がある。熟成させ磨き上げた音楽性の豊かさ、だからこそ古典的な手法だから威厳があるんですよ、みたいな懐古主義と一線を画す滋味深き音色で、マグナムな世界観を作り上げています。
古き良き英国ロックの旨味を今の感性で、もてなす事に余念のないベテランのフレッシュな感性。益々、衰えを感じさせる歌声ではあったが、老獪なテクニックを駆使して最後まで楽しませてくれました。
このバンドの音は、本当に落ち着きますね。ロックなのに、何故か心が温まるハートフルメロディの数々、しっとりとしつつもメリハリが効いているのでジメッとベタつきません。だから、踊るような軽快さとフックのある展開に身も心も魅了されるのでしょう。
世代を超えて支持される普遍的なマグナムロックの醍醐味を味わえる一枚。明確な意思疎通があればこそですよ。


FRANK DIMINO - Old Habits Die Hard ★★★ (2021-03-16 01:24:35)

日本でも外タレ好きの女子から大人気を博したANGELのシンガーであり、脱退後はソングライターとして活躍する、フランク・ディミノがリリースしたソロアルバム。
国内盤もAVALONから出ていますので比較的聴き易い環境にあると思いますが、これが素晴らしい出来栄え。硬軟交えた楽曲はどれもがヒットの要素を秘めた玄人も唸らせる職人肌の楽曲が目白押し、熟練された力強い歌声と表現力の高さ、そこに熱量の高いハードサウンドが絡めば、もはや外すことのない定番定食の出来上がり、キーボードが活躍する疾走ナンバーまで用意する憎い演出もバチーンと決まり、今作をサブスクで見つけてからはヘヴィローテーションと化しています。

ギタリストには懐かしいパンキー・メドウズの名前もありANGELファンなら嬉しい共演でしょう、エディ・オジェーダ、オズ・フォックス、ジェフ・ダンカンと、HM/HRマニアには嬉しい名前もありますので、グッと期待値も高まるでしょう。

上手い唄とツボを押さえた楽曲、バラードあり、ノリノリのロックあり、AOR調の歌モノあり、パンチの効いた疾走ナンバーありと多様性に富みながらも方向性を絞り込みアレンジした楽曲は、売れ線志向になびいてはいないと感じさせる熱さとハードさが存在しており、骨太でカラッとしたサウンドメイクのおかげでダイナミックに躍動しています。
シンプルながらギターリフも前に出しつつ、主役たる歌声は、誰にも負けることなく鎮座する貫禄に唸ります。王道アメリカンハードな香りをプンプンと漂わせつつも、潤いを感じさせるメロセンス、バランス感覚に秀でた名盤でしょう。

大人が聴いても恥ずかしい思いをさせない本格派のハードロック。ANGELのシンガーだった男のソロなんてと侮るなかれです。


STRYPER - Fallen ★★★ (2021-03-14 20:04:28)

有名バンドのカヴァー大会にセルフリメイクもやり、自分達の本分を取り戻そうと邁進してきたストライパー。今作も多くのファンが期待しているようなメロディアススタイルを保持、美しいコーラスワークもしっかりと登場、ツボを押さえたアレンジは、今の時代性も無視することなく新旧の魅力を携えています。

このヘヴィなうねりが苦手と言う人もいるかもしれないが、新生サウンドの代名詞ともなっているので、ここまでくれば違和感はないですね。
個人的には、少々、アイデアの流用も気にかかる面があるのですが、逆に80年代スタイルを支持するマニアには安心材料となるでしょう。メロディを大切にしつつもヘヴィなグループが硬派な印象を後押し、ポッと出の新人には出せない百戦錬磨の貫禄をアピールすることに余念がありません。型のあるバンドが強いねぇ。


ANDY MCCOY - 21st Century Rocks ★★★ (2021-03-14 19:53:30)

ハノイロックスの主要メンバーとして解散後も活躍したアンディ・マッコイの久しぶりのソロアルバム。なんの思い入れもないアーティストですが、何故か、貴方におススメのアーティストとして紹介されたので視聴(今作を聴いたことで、一時期ロックンロール系を中心に聴くこととなる)
これが思いのほか、バラエティに富んだ楽曲が目白押し、次から次へとフックのあるメロウな雰囲気重視のロックナンバーが登場。フラメンコな曲まであるのだから驚きです。歌もギターも雰囲気バッチリ、やるせないアンディの声とメロディラインが合致、これが彼の持ち味なんだろうなぁと初心者であるワタクシにもビビットくる音楽性を披露していると思います。
サックスやトランペットにスパニッシュギター、そういう楽器が出てきても変化球を投じていると思わせない、彼の核心を突くようなロックサウンドを丁寧に作り上げ、メロディアスかつラフなロックンロールサウンドを構築している。
大きな影響を受けたジャンルではないために、途中でチェンジしたくなるのだが、ラストナンバーの軽快さが耳に残り、気が付けばリピート再生したくなる中毒性がある。

こういう音楽をなんと表現すればよいのが術を持っていないワタクシには、如何ともしがたい、もどかしさがありますが、あらゆるジャンルに精通しているプロだからこそ作り上げられるのだろう。ハノイファンは当然チェックしているのでしょうが、日本人の琴線に触れるロックっていうのは美味しいですねぇ。


HANOI ROCKS - Oriental Beat ★★★ (2021-03-12 16:24:21)

日本でもバットボーイズブームが巻き起こった時代がありましたね。あまり詳しくないのですが、友人の影響もありGDフリッカーズとかDEVILS辺りを真っ先に思いだします。一番成功したのはZIGGYだろう。グロリアのヒットは凄まじい影響力を持ち、同学年の友人、知人がこぞって聴いていた。
そんな中で、ZIGGYのメンバーが、ハノイやニューヨーク・ドールズから影響を受けたみたいなコメントを残した為に、急増したのがハノイファン。モトリークルーのDR FEELGOODも売れたが、あれはうるさ過ぎると敬遠されたがハノイはウケていた。

このバンドはポップでキャッチーなサウンドを引っ提げ、非常に耳辺りの良いロックをやっていた。フックのあるメロディと適度の毒気。退廃的なムードもそこそこに親しみやすい魅力も持ち合わせZIGGYのメンバーも押していた為に、それが口火となり皆が聴いていて驚きましたね。

ここで聴けるサウンドは極めてポップです、洗練されたロックサウンドは実に多彩なジャンルを網羅しており、その枠に囚われない発想はバンドの個性を光らせている。
ハノイファンにとっては、今作の位置づけがどのようなものなのかは理解していないが、初めてこのバンドの音源に触れたのが今作の為に、思い入れが強い。


DR. FEELGOOD - Down by the Jetty ★★ (2021-03-12 16:14:29)

イギリスを代表するロックバンドの一つでありパブロックの中核を担った伝説のグループ。よもやワタクシのような門外漢も甚だしいものが初登録となり投稿するとは夢にも思わなんだ。
本当にないのか検索ミスじゃないのかと疑いは拭えませんが、一応登録しました。

ワタクシの人生において大きな影響を受けたジャンルではありませんが、サブスク生活のおかげで、昔、チラッと聴いた音楽をタダで聴ける人生なのでトライ。ボートラも大増量の41曲入りでリマスター盤が聴けるとは有り難いです。

ジャカジャカとかき鳴らされるギターはシンプルだが、鋭さがあり強力なテクニックは無くとも切れ味で勝負している。リズムプレイもシンプルだがタイトで無駄がなく気持ちのいいビートを叩き出しパブロックバンドの持つビート感を誘発、ジャンルに縛られない奔放さが爽快感を伴い軽快に踊ります。

リードシンガーである、リー・ブリローのファンキーなノリも上手く曲調にノリ、様々なスタイルを取り入れた楽曲の中で存分に機能していますね。

70年代の英国にとって、ロックは庶民のモノ、もっと言えばそれよりも苦しい労働者階級の代弁者だった。このバンドもまた、そういうロクに読み書きもできない、階級に寄り添うカンフル剤のような活力を与える存在だったのかも知れない。パンクシーンの呼び水になったとか、色々な影響を語られるが、詳しくないので割愛するが、今作で聴ける音は、ポポップスあり、オールディーズ風味もありだが、紛れもなくロックンロールである。


SLADE - Slayed? ★★★ (2021-03-11 02:06:47)

SLADEと言えば、グラムロックの大御所であり、カヴァーされた「Cum On Feel the Noize」の原曲バンドくらいのイメージしかなかった。大人になり少し金回りも良くなった90年代の中頃、音楽シーンの変遷についていけず自分探しの旅に出てた。自らのルーツたる音楽を見直す、これは本当に大きな出来事であり、今の自分を形成するのに凄く役に立った。
ある意味、グランジムーブメントのおかげで、速い段階で覚醒への兆しを見つけれたので今となっては感謝している。
このバンドも、そんな時期に触れたベテラン集団の一つでしたが、これが底抜けに明るく楽しいだけじゃない、英国的な陰りとパンチの効いたパワーポップサウンドを聴かせており、何とも頼もしいと思わせる趣向を取っている。
バカっぽいビジュアルにだまされそうになるが、頭のいい人たちであり、腕のあるバンドだという事に気が付かされた。

気だるいポップロックはチョイと苦手だしデビットボウイのような中世的で雰囲気重視のロックは苦手な故に、生涯聴くことのないジャンルと決めつけていた自分が恥ずかしいと思えるほど、多様性と多くのロックバンドへの源流となるサウンドがテンコ盛り、方々で語られるKISSのジーン・シモンズが影響を受けたという言葉を鵜呑みにさせる魅力がある。

ジャニス・ジョプリンのカヴァーも全然違和感がない。そういう懐の深さがこのバンドの魅力なのだろう。能ある鷹は爪を隠すを実践しているという事でしょうね。

今の若い人が聴けば古めかしい音でしょう。でもこれもロックのルーツだと言いたい。煌びやかな70年代エッセンスとサイケにジャズも飲み込んだ世代の隠し技、激しいだけではないキャンディポップスが弾け飛ぶ豪快なロックサウンドに、胸がザワつきますね。人に語れるほど詳しいバンドでもないし、主食になることもないので、思い入れも少ないのだが素直にカッコいいと思います。

スペルのおかしな曲目も多いのですが(アルバムタイトルも?)これは彼等流のメッセージ性なんだとか、ロックしてますね。


WISHBONE ASH - Coat of Arms ★★★ (2021-03-09 19:49:16)

英国ロックを代表するベテラン中のベテラン。来日コンサートも話題になりましたが、最新作をリリースしてきました。メンバーはアンディ・パウエルしかいませんが、このラインナップでも活動も板についている状態だけに問題は起きないでしょう。パルエル一家も支えアルバムを作り上げているのも安心材料の一つ。
今後の事も考えると、そんなに新作をリリースできるとも思えないので、総力戦で挑んでいるという事でしょうね。

湿り気のある哀愁のメロディは健在、古めかしい曲を今の感性で作り上げ大衆性も完備。順風満帆とは言い難い時代も含め、今作には、それまでの流れを無視していない一貫性のあるアルバムに仕上がっている。
ベテランらしい地に足の着いたパフォーマンスは、若い人にとっては、やや刺激も薄めでしょうが、枯れた味わいだけではない、洗練されたポップセンスとコマーシャル過ぎないロック然とした力感、無駄を排した拘りのアレンジは、このバンドならではの風合に満ち溢れている。

とはいいつつも70年代の味とは別のものと捉えて楽しむべきでしょう。ワタクシはこの路線も支持できますよ。


TWINTAIL - Ghost Pain ★★★ (2021-03-09 19:33:47)

キャリア的には10年以上も活動している国産HM/HRバンドがようやくリリースに漕ぎつけたフルアルバム第一弾。日本人好みの歌謡テイストも香る情熱系メタルサウンドを披露。どこか懐かしい昭和スタイルや先人達から受け継いだアイデアも巧みに取り込み、見事にやり切っている。少々、やってんなぁはあるのだが、熱の籠った正統性の強いストロングスタイルと情緒のあるメロディ、そこに切り込むハイトーンとツインギターは王道中の王道。
ハイトーンもX-JAPANのTOSHI風でもあり、その筋のマニアならグッとくるでしょうね。ちょっと唄が弱いといえるのだが、それも日本人あるあるなので無問題です。
真摯に向き合ったヘヴィメタルのマナー、その純粋無垢な作り込みに深い愛を感じますが、少々小奇麗にまとまったのが残念。ダイナミックな音質が欲しかった。若いので剥き出しのギラついた野心を音に乗せてたら、より一層カッコよく仕上がったであろう。
ライブが見たいと思わせる一枚でしたね。


CRYSTAL VIPER - The Cult ★★★ (2021-03-08 16:47:03)

ポーランドが世界に誇れるガチンコ正統派HM/HRの勇者、マルタ・ガブリエル率いるバンドの最新作。衰え知らずにパワーヴォイスを主軸に、ドラマ性豊かなパワフルサウンドを披露。
純度100%のガチンコメタルのカッコよさに唸らされます。なにか特別な隠し味や必殺技はなくとも重厚なスタイルと、華やかさのある音楽性に陰りはなく、往年の大スター、フリッツ・フォン・エリックのような鉄のツメサウンドで魅了する。
地味系なんだけど一撃のインパクト、このバンドには堅実さの裏にある、メタル道を極めんとするバンドが持つ、煌びやかなスター性がある。それは女性シンガーの存在だけではない。バンドが一体となり醸し出す味わいにある。

正統派=他に例えようがない地味系バンド、そんな粗悪品も増えてきた中で、このバンドはしやかなかパワーグループ、硬質なリフワーク、そして華麗に舞い踊るストロングな声、重厚なバッキングを引き立たせるかのように流れる流麗なるソロ、どれもが無駄なく機能・これぞヘヴィメタルと呼びたくなる魅力が満載です。

長きに渡り活動してきた中で熟成された音楽性、キャッチーさや良質なメロディさえも精錬されタフネスに磨き上げたサウンドの説得力の高さ、古いアイデアを大切にしながらも古典主義では終わらせない、したたかなさに舌を巻くツボを押さえた展開の妙味。その完成度にオープニングナンバーから勝負ありと言えるでしょう。

このバンドのこと2年くらい忘れていた。前回の新譜、手元にあるのに開封してなかったぞ。ワシはアホである。


DREAM THEATER - Train of Thought (2021-03-08 16:17:52)

フェバリットではないバンド故、なぜこのバンドがヘヴィネス路線を追求したのか情報通に聴いてみた。当時、彼等はメタリカのアルバムを丸ごとカヴァーするライブなどをおこなっていて、そこで体感したヘヴィなスタイルの統一感、みたいなものに触発され、徹底的にヘヴィでダークなスタイルに軸足を置いて制作したと教わる。

なるほどなと納得したのですが、腕のあるグループだけに、何をやっても様になるのだが、今作に一番足りないものは、なんてことはない、バンドが長年培ってきた美意識である。
複雑な演奏の中に盛り込まれるポップセンス、なによりも素晴らしいのはメロディの練り上げ具合、その激しくぶつかいあう技巧の果てに流麗なメロディが嫌味なく流れてくる展開に、多くのフォロワーを生み出すインテリジェンスが垣間見えた。
今作はあえて、その手法を取らず徹底的に強度のあるモダンヘヴィネスサウンドを踏襲。メタリカのカヴァーの経験が生かされるようなスタイルになった。
あえてやらなくともよい音楽性なんだろうが2003年と言われるとしっくりくる。
ペトルーシが奏でる泣きのソロや豊かな表現曲、そういうものが薄めに仕上がったのは残念です。とくに後半3曲は、とってつけたような印象を受ける。
長い歴史の中で、あえて必要な方向性だったんだろうが、彼等のカタログの中では異質は印象が強い。


NEW YORK DOLLS - New York Dolls ★★★ (2021-03-05 19:32:32)

非常に中性的なメイク姿が目を惹くジャケット。そこに拍車を掛けるグラマラスな雰囲気が漂うポップでキャッチーなロックサウンド。音楽性だけでいけば、英国のパンク勢に多大なる影響を与えたという点には些か違う気もするが、ロックの持つ退廃的なムード、その危うさが色濃く打ち出されている今作は、このジャンルと形容しがたい魅力がありハードロックというよりはグラムロックと呼ぶに相応しい音楽性を披露している。

このバンド、2枚のフルアルバムを残し瓦解するのだが、短い間に駆け抜けた破天荒はロックンロールライフは正にパンクの先鞭をつけるという意味では大きな影響力をもっていたのだろう。

久しぶりに聴いたが若い頃よりも許容範囲がガバガバになったオジサンになってから聴くと評価が全然変わってくる。技巧的な面や完成度の高いアーティスティックなバンドが多く出てきた70年代、その反目にある胡散臭いロックサウンドの持つ妖艶なる体臭にクラクラしますね。
ギターもワイルド、唄も粗削りだがワイルド。リズムセクションも色んな意味でワイルド。めちゃくちゃポップなこともやるのに、その姿が狐の皮をかぶったなんちゃらな悪ガキテイストもあり、何とも言えないオリジナリティ溢れる魅力がある。演奏技術なんて糞喰らえな雰囲気も、こういうロックには必要なんだろう。
総じてルーズに聴かせる辺りも計算づくと思える。面白いバンドサウンドですね。このメンバーだから出せる音。そういう姿にパンクを感じますね。ヘタウマバンドの化学反応。それは恐ろしくスパークしています。

個人的には、WASPのブラッキーがバンド末期にいたという情報が一番印象に残っていたりします。


MAZERAN - Can't Stop My Dream ★★★ (2021-03-05 16:45:49)

エアロスミスの名曲Dream Onのカヴァーにも挑戦したシングル。
今作は今はなきMandrake Rootからリリースされていますね。大阪のバンドがと少々意外でしたが、オリジナルソングを聴けばレーベル的な方向性にもあう、日本人らしいメロディセンスを生かしたハードサウンドで勝負しているバンドと捉えることが出来ます。
いい意味でラフなパワーを内包した音楽性、エアロファンにとっては違うなぁとなりますが、どこか退廃的なムードを醸し出しているのが印象的です。それに聴いたことのあるフレーズを上手く取り込み再構築するセンスも日本的と言え、その細やかな配慮とセンスに光るものを感じますね。
エアロのカヴァーを聴けば一目瞭然、あとは日本人的な歌い手に対する評価が全てでしょう。場違いと思うか、これも日本人アルアルと好意的に受け止めれるかがカギになりそうですね。
ワタクシは、こういう雰囲気モノのハードサウンドが大好きですので大いに楽しみます。


TILT - Tilt Trick ★★★ (2021-03-05 14:36:08)

ガチンコ、トラベリンバンドとして有名な名古屋のHM/HRバンドのフルアルバム。ますまずエアロスミス化に拍車もかかり歌い手もスティーブン・タイラー風味も増しているが、本家のようなファンクやソウル色が薄めの為、アメリカンロックのもつ大味なテイストよりも、日本人的なキメの細やかさが目立っている。

日本のロックバンドにありがちな洋楽かぶれの底の浅いサウンドとは違い、幾戦の修羅場を乗り越えたバンドが持つ核になるものが彼等にはあった。こうして日の目を浴びた今作においても、彼等は妥協せずに自らが示してきたバンドしての道しるべになるスタイルを貫き、荒々しい演奏と、ライブで鍛え抜かれた熟成具合も程よく絡み、問答無用のロックサウンドを奏で理屈抜きに楽しませてくれる。

とは言いつつもライブバンドならではの熱気と言うか勢いみたいなものが、今作には足らず、バンドの魅力が伝わり切っていないのが残念。スリージーなハードロック系が好きな人なら楽しめる要素も大きいだけに、惜しいなぁと思います。そして根幹にあるスタイルは英国よりのブルースロックがあるというのも強みでしょうね。


KEN HENSLEY - Cold Autumn Sunday (2021-03-03 15:40:53)

のっけからボサノバありタンゴありと、前作のブルージー路線を払拭。憂いのある英国的な情緒も戻ってきました。作風としてはAOR風味の歌モノサウンド。多少なりともHEEP的なアプローチを探せるが、彼のソロ作で統一されている革新的な方法論を持ち込まない、無難な作り込みは定番の空気が漂い、刺激はないが安定感はある。
ラジオ向けの大衆性、ソフトケイスされたバラード系が大半を占める構成(私が聴けるのは頭から⑧までです)、今回は今までと違いレコーディング環境も良くなり音に深みが増しているのが良かった。

そして連続してケンのソロを聴き、いかに1stソロが偉大だったかを思い知らされた。


KEN HENSLEY - The Last Dance ★★ (2021-03-03 15:29:27)

ロシアなど局地的な地域では神様のように扱われる英国を代表するオルガン奏者。それ以外に歌もギターもできるマルチプレイヤーとしても知られ、その豊かな才能は70年代において煌めいていた。
一頃、すっかり姿を消したケン・ヘンズレーだったが、それまでの低迷期を払拭するように精力的な活動を行っていた。ライブなどでは、HEEP時代の曲を擦り倒し沢山の会場を埋め尽くす盛況、その反面、ここ数作の作風はファンの思いに応えていたのかと言う疑問符もあったが、彼がやりたいことをやればよいので問題は起きない。
今作は彼がかつてサザンロックバンドにいたことを思い出した。乾いた南部よりもブルージーな作風は、雄大な大地を想起させるスケールを誇っており、その無駄を省き徹底して方向性を絞り込んだことにより近年の作風に感じた迷いを払拭、好き嫌いは別として、まるでBON JOVIがやりそうなカントリー風味のロックをケン・ヘンズレーがやっているという印象が強い。それだけにコマーシャル性も十分に感じられる。
とは言っても、そっち方面に理解のある方がイケる話なので、ハードなものを好む方には少々地味だろう。当然、ケンがリードシンガーなので地味さ加減は半端ない。田舎道の潰れかけのドライブインの如き味わいだ。そこに共感できるかが重要。まさに絶飯グルメ旅行である。
リラックスした楽しそうな雰囲気が詰まった一枚。これもケン・ヘンズレーなのです。


KEN HENSLEY - Running Blind (2021-03-03 14:44:30)

2000年に入り動きも活発となったケン・ヘンズレー。ジョン・ロートンとのコラボも発表、手作り感満載とは言え両者が並ぶライブは見ごたえたっぷりの内容だった。しかしというか予定通り、プロジェクトは永続できず、次に手を組んだのはジョン・ウエットンだったが、これも早急に瓦解する。
何事も続かないのが問題だが、精力的な動きの中でリリースされたのが今作。まずオープニング2曲が嘘のようなイントロダクション的なインストナンバーが2曲続きます。このアイデアにちょっと笑ってしまいますが、③からエンジンも始動。それまでの路線とは明らかに違う歌をメインにしたメロディアスロックスタイルで勝負。
ジョン・ロートンのソロに近い風味も漂い、ロートンとのコラボ時代を想起させるような楽曲が続きます。A Glimpse of Gloryが厳しい内容だっただけに、焦点を絞り込んだ作風はありがたい話である。
とは言え、リードシンガーはケン・ヘンズレーである。昔ほどクリアーな声でもない、地味さとオッサン臭さに拍車のかかった力のない唄は、AOR風味の強い歌モノロックに適しているとは言えず、③④⑤と続くほど、その違和感は半端なく漂ってくる。ジョン・ロートンの声が聴こえてきそうな曲もあるし、彼が唄えば適なイメージがちらつくのが口惜しい。

アイドルの追っかけの気持ちを理解できない身としては、○○がいれば何をやっても素晴らしいという発想は一ミリもありません。⑥のようなお気楽なロックナンバーにオジサン声は全く似合いません。
それら全てを受け止められさえすればメロディ派にとっては素晴らしい作風になるでしょう。草野球の審判並みのゆるいジャッジも必要になるでしょう。

クラシカルなインストからカントリーまで、バラエティ豊かな楽曲は円熟味を増したエレガントな男の生き様が色濃く投影された今作。⑦では朴訥とした声もハマる、⑧も上手くいっている。でも専任シンガーならもっと凄いことになっている。勿体ないと思わせる場面が大きすぎる、ストリングスアレンジがハマっている⑧はもっと伸びやかな歌声で聴きたい。ケン・ヘンズレーは素晴らしい才能があり、アレンジ方法も心得ている。
しかし、ここで聴ける唄が、千鳥の漫才のネタ同様、手の込んだ料理にタルタルソースをニチャチャチャチャと同じである。漫才なら笑えるが、こちらはガチなのでツライ。


KEN HENSLEY - Blood on the highway - Blood on the Highway ★★★ (2021-03-01 19:31:08)

エモーショナルヴォイスが持ち味のヨルン・ランデ
彼の持ち味を生かしたゴスペル調のブルージーな一曲
ケンの人生を振り返るという意味のあるアルバム
そういう意味で聴けば非常に意味のあるタイトルトラック
ヨルンのディープヴォイスがグッと迫ってきますね


KEN HENSLEY - Blood on the highway - The Last Dance ★★★ (2021-03-01 19:27:05)

ヴォイスオブゴットの異名を持つグレン・ヒューズの降臨です
彼のソウルフルかつエモーションな歌声が楽曲の持ち味を遺憾なく発揮
ストリングスアレンジもがっちりとハマり
ソウル過ぎないグレンのおかげで数段素晴らしい仕上がりになりました
ケン・ヘンズレーではこういう味にはなりません
レベチですね
一番ガツーンと来て欲しいサビで突き抜けるのでオリジナルにあった糞詰まりも解消
スッキリさせてもらいました


WITCHFYNDE - Stagefright - Moon Magic ★★★ (2021-03-01 19:12:34)

ロマンですね
どこか神秘的にも聴こえます
このバンドの本質はコチラの路線なのかもと思えます
アルバムの中で一際異彩を放つ一曲


KEN HENSLEY - A Glimpse of Glory (2021-03-01 19:02:06)

久しぶりにシーンにカムバックしてきたケン・ヘンズレー、今回も沢山のゲストを迎え制作。相変わらず彼がメインでギターとヴォーカルも担当、やはり大人しくキーボードに専念することはありませんが、懐かしいMama's Prideのメンバーが楽曲を提供、&客演、④はパットが唄い⑤⑨はダニーが唄っている。④はMama's Prideの曲、⑤⑨はわかりません。
他の曲のクレジットはヘンズレーです。作風は静かな歌モノサウンドを貴重とした渋めのロックサウンド。
ケンのハモンドが暴れるなんてありません。ひたすらAORという仕様。合い間にサザン風味まで持ちこみ、とにかくハードなものを主食としてる方なら眠くなること間違いなし、HEEPファンにとっても辛いアルバムになりました。
ワタクシはアイドルの追っかけではないので、ケン・ヘンズレーなら何やっても凄いと思える耳は持っていませんので、地味な歌声と地味なギター、退屈極まりないアルバムです。
ゲストシンガーの本物の唄が素晴らしいと感じるだけ、往年のジーパン刑事殉職シーンみたいに、本気の『なんじゃこりぁ』が出ました。
と、往年の姿を期待するがあまりに文句しか出ませんでしたが、そんなことを気にしない、有名な曲のオルゴールヴァージョンとか聴いて楽しめる方や、ロックではなくスローなバラード系に癒されたい、カントリー風味も欲しい、寝る前の子守唄を探している、そんな方にはピッタリでしょう。
そしてケン・ヘンズレーと言う名義に拘らない、これが一番重要なのが虚しい。


KEN HENSLEY - Free Spirit (2021-02-28 19:29:44)

HEEPを去ったケン・ヘンズレー、何かに追われるようにリリースされたソロなのだが、これが困惑するような内容になってしまった。英国的なフォーキー路線だったゼ前2作とは路線をガラリと変えAOR調の歌モノスタイルへと舵を切っている。
特にオープニングナンバーなどディスコタッチのナンバーなので驚く、続く②も2分半と短い歌モノサウンドに驚く、ドリーミーなHEEP風味もあるが、戸惑いは隠せない。
何の予備知識もなく聴けば、これがケンのソロとは思えないような、オシャレAORロックになってしまった違和感は今もってなくならないが、イアン・ペイスが叩いている⑥はハードなスタイルをキープ、オシャレ感と枯れたギターもマッチしており、盛り返している。バラード系も機能しているが、ケンの歌声はパンチに欠け、一番出て欲しいところで苦しそうに唄ってしまう、ポップなロックナンバーの⑧などでは、彼の歌唱力不足は顕著に感じるだろう。
イングヴェイ同様、何でも自分でやりたい人なので、理解はしているのだが、勿体ないと思わせる瞬間が多く訪れる。
リズムセクション以外はケンが担当、ギターもサイドとしてはイイが、リードとなると弱い、教則本のようなフレーズも多く、アルバムの性質に大きく起因している。
ムーディーな⑨やポップロック等は、ジョン・ロートン辺りが唄えば凄い事になるのになぁと、本当に臍を嚙むアルバムですね。
全10曲、32分のランニングタイムが示すように、ラジオを始めとしたメディア展開も視野に入れた売れ線志向です、それだけに重厚なケン・ヘンズレースタイルは望めませんが、歌モノロックがイケる口ならば、楽しめる曲も多いでしょう。
そういうアルバムなのでお気楽な⑩でクローズするのですね。
これが売れたら、続編あったのかと、今となってはゾッとする思いですが、サブスクの方は気兼ねなく楽しんでください。


Inspire - Doctor - Leads to the Lights ★★★ (2021-02-26 17:21:42)

テラローザの曲を高橋喜一が唄うみたいな曲
日本人好みの様式とダークテイスト
シアトリカルな歌も機能しているといえよう
上手いバンドだったがアルバムリリースまでいけなかったのは残念


WITCHFYNDE - Stagefright ★★★ (2021-02-26 16:49:32)

92年に我が国のみでCD化されたレア盤も存在するNWOBHMバンドの2nd。活動キャリアは70年代の中頃にはありポッと出の新人ではない、それだけにマテリアルもあったのかデビュー作の同年に間髪入れずに世に出している。

オープニングナンバーこそ、オカルト神秘主義をど真ん中で受け止めているサウンドを披露しているが、その要素は徐々に薄れ、③のような軽快なロックナンバーが始めれば、事前に聴いていた話と違うぞという事で戸惑いを覚える。
その要素は、マイナスに働いておらず、サタニズムな歌詞もあるのだろうが(日本人なので英語はわかりません。勿論訛りも何十年聴いてもわかりません)全般的には英国流儀に根差したロックサウンドを踏襲、前作の流れを受け止め幅を広げてきた印象も強く、ヘヴィでダークなオカルト神秘主義に傾倒することなくバランス感覚を用いているのが面白い。

他人からの伝聞なので確証はないのだが、このバンドデビュー時、ミュージックライフ誌のレビューで、リズムもメロディもないヘヴィなバンド、みたいな評価をされたり、悪魔的な紹介をされたと聴かされた。
そういうイメージを抱く人は多く、同じような意見を他所でも聴かされたが、個人的に、そう思ったことは一度もなく、英国的な情緒をふんだんに含み、恐怖を演出するような曲もあるグループだと思っている。
重ねるが、英語の歌詞を理解できないので、音そのもので判断すると、全然怖くはない。ダークな曲調も英国流儀だろうし、70年代のJP的なエッセンスの方が強いと思っている。確かにサバス的なアプローチもあることはあるが、その影響を表に分かりやすく出しているわけでもない。
何故、当時、悪魔だ徹底的なヘヴィネスを極めたと呼ばれたのかは疑問だが、そういう見地からいけば、今作は方向性を変え大胆に攻め込んだアルバムに映るだろう。
現代的な解釈でいけば、古典英国ロックの純然たる系譜に連なる一枚以外の何物でもない。

玉石混交、百花繚乱を極めたNWOBHMムーブメント、付和雷同することなく多様性を孕んだシーンを楽しんで欲しい。百鬼夜行の如き群れを成す、多くのバンドたちの夢の跡を辿るのも面白いですよ。


SKID ROW - United World Rebellion: Chapter One - Fire Fire ★★★ (2021-02-25 13:44:01)

我らがEZOのカヴァー
そういえば同期デビューだもんなぁ
一緒にツアーも出たみたいなニュースもあった気がする
以外とハマっているのに驚いた
でも本家の方が迫力ありますよ
こうして取り上げてくれたことが嬉しい


GRAND SLAM - GOLDEN BAT - D.O.A ★★★ (2021-02-25 13:36:04)

イントロでガツーンといき
Aメロで引く展開
ヴィジュアル系から入った人にも優しい仕様です
本格派のハードサウンド
腕が確かなメンバーが色んな思いを飲み込み時代に合わせアレンジしている
その努力に☆3個献上しますよ


GRAND SLAM - GOLDEN BAT - DON'T YOU ★★ (2021-02-25 13:34:03)

派手なギターソロも決まっています
このバンドらしいアメリカンロック
バンドしての一体感がいいですね


GRAND SLAM - GOLDEN BAT - Rocklaw Living Arab (Joan Jett & the Blackhearts Cover) ★★ (2021-02-25 13:30:48)

何故タイトルが違うのだろうか?『I Love Rock N' Roll』なのは間違いないはずである
ん?この曲には他のタイトルヴァージョンがあるのか?
色んな疑問が頭をもたげますがシンガーの加藤純也が以外とハマっています


GRAND SLAM - GOLDEN BAT - ONCE MORE KISS ★★ (2021-02-25 13:25:27)

少々狙い過ぎな感はありますが
底抜けにキャッチーなメロディが耳を惹きます
歌詞もティーンエージャー向け
曲調も含めオープニングナンバー何でガツーンと来てほしかった
でも上手いことやって目先を変えている
この判断は正しい
キャッチーな掴みで徐々に始まる本格志向のロックを聴かせるという手腕は評価されるべきでしょうね


GRAND SLAM - GOLDEN BAT ★★★ (2021-02-25 13:20:57)

バンドブームの波に押し込まれたジャパニーズハードシーン、その勢いはヴィジュアル系の登場で息の根を止められたが、解散&方向性にメスが入っきた大御所たちも離散集合を繰り返す中で、結成されたのがコチラ、44マグナムにリアクション、プレゼンス、メイクアップの4バンドから集合。特にメインソングライターを担当した44マグナムの吉川は曲作りの上手さに定評があり、彼が主軸のバンドとして活動するのであれば、どういう方向に向かうのか興味もありました。
2曲目のジョーン・ジェットがやった『I Love Rock N' Roll』をカヴァーしたりと、4曲の中にメッセージを込め、端的に魅力を詰め込んできた。
メロディアスでキャッチーなジャパニーズアメリカンロックの①はファンの間では大切な曲らしい、③は明るくアメリカンと、このバンドの本流となる一曲。そして直線的に迫るハードサウンドの④、これもワビサビを大切にした展開を持ち込み、ブアッーと突っ込んでくるだけではない。このバンドらしさを盛り込んでいる。
バンドブームに刃を立てたベテラン組の逆襲、彼等はその先陣を切っていった。


ASTLLA - Brain? No', No'! Know!? ★★★ (2021-02-25 13:01:55)

京都を拠点に活動していたド派手なルックスが話題のバンドだった。今作のリリースは1989年、ヴィジュアル系ブームが勃発していた時期だけに、また新手が現れたぞである。
ジャケットを眺め、右二人のインパクトは絶大だ(左端だけ抵抗)カラフルに染め上げたロン毛を逆立て(スプレー何本使ってるの?)フロンガス満載の楽屋に環境団体も訴えてきそうだが、衣装がハッピなのか振袖なのかよくわからないが、ド派手なセンスの悪い着物を羽織り活動しているらしい(左端はどうなっている?)
このインパクト大なヴィジュアルとリリース時期、聴く前にOUTな状況でしたが、聴かせてもらうと評価が一変。あのハッタリを噛ませまくり収集が付かなくなった、和柄を取り入れたハイブリットヴィジュアルが、どう考えても無駄にしか感じない本格派のサウンドを披露。
アメリカンな軽快なメロディもあるが、根幹にあるのは芯の太い本格派のハードサウンド、あまりの本格派志向のスタイルに騙された感がハンパない。
X-JAPANに続けとデビューしたバンドの中では、1、2を争う本物のロックを引っ提げていた。
インディーズと割り引いてもワイルドかつソリッドなリズムプレイは本格派志向に拍車を掛け、ギターも日本人的なきめ細やかさがあり、フレーズを大切にしている。そして主役たるフロントマンの歌声が素晴らしい。
こういったロックを唄うなら、これくらいはやってもらわないと、と言いたくなる歌心を大切にした歌唱スタイルを披露。本格志向のハードサウンドに真っ向勝負しても負けない実力を誇っている。
手数も多くド派手なドラムに負けない存在感。なんであの服装なのだと首を傾げる。
ヴィジュアル系ファンにとっては本格的すぎる音だろうし、音楽に対して真摯に向き合っている人には、TOO MUCH過ぎるだろうと呆れるでしょうね。
魅力を感じない和装風味(京都出身だからか?)にげんなりさせられるが、哀愁系アメリカンロックは魅力十分。日本人の口に合うワビサビが随所にねじ込まれていますからね。テクニックもルックスに負けない華やかさがあり、誰がどのパートを演奏してるかジャケを見ても分かりませんが(多分着物羽織ってないやつがドラムかな?)、EARTSHAKERや44マグナムの哀愁系ハードポップ路線や、ELIZAのようなバットボーイズ風味も加味したメロディアスHM/HRが好きな人なら楽しめるでしょう。日本人向けの爽やかハードエッジアメリカンである。


MOX NIX - Mox Nix ★★★ (2021-02-24 17:26:01)

テキサスが生んだ幻のパワーメタルバンドのデビュー作。マニアの間では名盤中の名盤として愛されていた一品。それがボートラ大増量プラスで復刻するとは思いもよらなかった。
オリジナルはフランスのレーベルAxe Killer Recordsこらリリースと、アメリカのバンドが何故、フランスのレーベルに目をつけられたのか?それは出している音を聴けば一目瞭然。情熱的なエモーションを込めたパワーメタルサウンドは無駄な贅肉を切り落とし徹底的にシェイプ、敵軍を蹴散らす重戦車の如き豪快なサウンドはデビュー作とは思えない完成度を誇っています。
今作のみで消えた為に無名のまま終わってしまったバンド。これほどのクオリティを保持しながら、何故、次がなかったのか知る由もないが、Y&TがNWOBHM化したようなスタイルの音楽性は、実に力が漲っており、重心低くド迫力で迫るリズムプレイの豪胆さに舌を巻き、コンパクトながら派手なプレイで魅了する二本のギターは無駄なく機能、唄も熱いサウンドに応えるように、沸々と燃え盛る炎のような熱きパッションを内包している。突き抜けるタイプじゃないのもNWOBHM化に拍車を掛けているのがポイント。

昨今のシーンから登場することのないピュアなパワーメタルサウンド。手垢が付いてないのが素晴らしい。この時代ならではの貴重な一枚だろう。本当に惜しいバンドだった。これで2、3枚とリリースしていたら、もっと一体感も熟成され、さぞや素晴らしいアルバムをリリースしていたろう。初めて聴いた、あの時の感動は今なお色あせません。


WRATH - Fit of Anger ★★★ (2021-02-23 22:01:48)

いきなりメイデンよろしくなオープニングナンバーが登場、その手の正統派HM/HRサウンドを墓標とするバンドなのかと思ったら、いい意味で裏切ってきます。スラッシーな刻みが耳を惹くスピードナンバーに、力技でねじ伏せるミドルナンバーありと、楽曲は多様性に満ちており、もう少しバランスの良い音質なら、このバンドの魅力は更なる強度とダイナミズムをもって聴き手を圧倒していたでしょう。
唄い切れていないシンガーも問題だが、全ては分離の悪い音質が足を引っ張っている。実に残念です。
そういうマイナーメタルあるあるを受け入れれるマニアなら無問題、無頼なコンクリートメタルに、情熱的な情緒も盛り込み独自性をアピール、荒削りな面さえも味方につけ勢いのみならず、説得力のあるアイデアで魅了できるのが最大の聴きどころだろう。
猛るヘヴィメタルのうねり、眼光鋭く威嚇する本格派のサウンドは今なお引き付ける魅力がありますね。


PRIMAL FEAR - Black Sun ★★ (2021-02-23 21:52:12)

移り変わる時代の中で、彼等は変わることのない価値観を用いてゴクゴク当たり前のことを懸命にやり切っている。ある意味、時代錯誤感のある正統性の強いスタイルを武器に一点突破ともいうべき姿勢を披露。ファンにとっては実に頼もしい存在でしょう。
このグループには最大の問題がある、それはあからさまなアイデアの流用。流石に4枚目となると、もう少し創意工夫をと思うのだが、この時代に、このスタイルを築いたことを称賛するべきであろう。
ダイナミックなリズムプレイとアイデア豊富なキレのあるギター、ザクザクと刻まれるリフもゴン太、それでありながらも時代性を加味した音作りを行い、古さに埋没しないフレッシュ感がある。それだけにデジャブ感を減らせば、もっと高い評価を受けるでしょうね。
印象的なリフ、スリリングなソロ、メロディアスなフレージングと旨味はありますよ。


CHILDREN OF BODOM - Hate Crew Deathroll ★★ (2021-02-21 21:00:53)

ハルフォードの前座で見たくらいの超ライトリスナーですが、ただで聴けますのでなんでも手を出します。こうして先日までまともに聴かなかった今作ですが、驚くくらいに鮮度の高い音楽性を披露しています。
もっとマイナーでクサ目のメロディを放り込んでいた印象があったのですが、実に現代的で洗練された音楽性を披露。マイナー臭を幾度感じさせないが泣かせのメロディが満載。ギターテクニックも素晴らしいし、デスヴォイスも上手くメロディに乗せ機能させている。個人的には、こうなると普通に唄えばいいのにと思うのでハマらないのだが、そういう不満を押さえ込むだけの曲作りの上手さが全面に出ており、勢いのある演奏とテクニックに埋没しないがテクニカルと言う演奏技術で酔わせているも見逃せません。
この手のバンドにありがちな泣け泣け泣けのメロディ主導ではなく、リフワークが美味しいのも個人的には良かった。
2004年と言う時代背景を飲み込み、ワールドワイドなサウンドに変換した今作。泣かせを抑え手にしたのは、ソリッドなアグレッション、彼等が向かう知はアメリカと言う事のなのでしょうね。
だってメチャクチャおしゃれなヘヴィロックになっていますからね。リズムセクションの作り方など恥ずかしいくらい時代を意識しています。
新しいメタルの登場だなぁという事を思い出しましたね。個人を偲んでご冥福をお祈りいたします。


AUTOGRAPH - Get Off Your Ass! ★★★ (2021-02-21 20:38:44)

知らないうちに復活していたアメリカンロックの健康的な面をフォローしていた堅実派のロックバンドの復活作。
シンガーのスティーヴ・プランケットは不在だが、ギターのスティーヴ・リンチとベースのランディ・ランドは健在、ソングライティング面において重要なリンチがいれば問題は起きないでしょう。

今作は80年代に披露したキーボードを前面に出した煌びやかで爽快なアメリカンロックは封印、もともと派手さの奥にある堅実さ、その職人気質の曲作りの上手さに定評のあったバンドだけに、ここで聴ける落ち着き払ったブルージーなメロディアスロック路線に違和感はない。
勿論、往年の姿を期待すれば大外しとなるが、何を求めるかで評価を大いに変わるでしょうね。
この時代に復活する意味のあるスタイルでの帰還、新たにフロントを飾るサイモン・ダニエルズはブルージーだ。音楽性ありきだったのか?彼に合わせたのかは分からないが、今作の方向性にはピッタリと言えよう。

今作の充実したものにしたのがギターの上手さ、瑞々しいメロディを技巧的なスタイルを用いり構築、そして分厚目のコーラスを効果的に使い、バンドの本分とも言える聴かせるハードサウンドを確立したといえますね。
とにかく往年のファンは勿論だが、新規さんにも優しい下地のしっかりとした音楽性を披露している。ビジネスの元、振り回されていた80年代、ここに雑念はないと思っている。それだけで十分な気がする。
じっくりと耳を傾けたくなる、古くて新しい鮮度のある音楽を楽しめます。


BRAD GILLIS - Gilrock Ranch ★★ (2021-02-20 17:09:58)

NIGHT RANGERのギタリストとして有名なブラッド・ギルズが多くの仲間を迎えリリースされたソロアルバム。歌モノは2曲、いずれもグレッグ・オールマンが担当するという贅沢な仕様、キーボードにディレク・シュリニアンも参加、半数以上の曲でブラッドと共作と、興味を引く情報も多く、その期待にそうような勢いのある作風に仕上げている作品。

フュージョンありブルースありと多様性を網羅、飽きさせぬ工夫もあるし、曲も悪くない。ブラット印も満載。いい意味でも悪い意味でもブラットである。ある意味、目新しさのない、ありがちなギタリストのソロアルバムに落ち着いている。
③のようなスリルのある展開も今となっては、デレクのアイデアが強めなんだろうなと感じたりと、決定打になるような曲が見当たらないのも、なんともブラットらしいといえばらしいのだが、テクニックで酔わせるギタリストも多い中で、ブラットは何で喜ばせたいのかが伝わりづらいのが難点。もっとギター多めでも良い。我を剥き出しにいつものようにパンチインしまくりで良いのでガンガンやればよかった。

なんて不満がつい口をついて出るのも彼がギターヒーローとして注目された時代があったという事です。後半もう一発、リーダートラックなるようなインパクトのある曲が欲しかったなぁ。


VARDIS - Vigilante ★★★ (2021-02-19 18:07:04)

このアルバムがリリースされた時にバンドはどういう状況にあったのか?1986年に歩みを止めた為に、彼等にとっては前作から4年ぶりにリリースしたラストアルバムとなるわけで。そういう背景に一抹の不安を覚えるのですが、①②と聴き、その問題は杞憂となりました。
英国流儀のハードブギーを引っ提げ、彼等は真っ向勝負でシーンに切り込んでいます。そりゃ多少は音楽性を広げていますが、そんな面倒なことを挟む余地もないほど、勢いのあるビックロックを披露しており、ハードブギーサウンドに磨きをかけています。中々、日本では受けないスタイルの音楽性ではありますが、三丁の拳銃が心地よくぶっ放される、痛快活劇のような爽快感に身を委ね、お気楽に楽しんでもらいたいですね。

久びりに聴きましたが器用さを身に着け1986年と言う時代に挑んだんだなぁ。それが仇となって解散したのかな?なんて勝手の妄想して喜んでいます。


WITCHFYNDE - Give 'em Hell ★★ (2021-02-19 17:37:29)

92年に待望の国内盤がリリースされた時の帯び叩きが凄かった。徹底的なサタニズムを追求する、みたいな煽りが大げさだったなぁと思いだします。
そういうイメージが先行するがあまり、NWOBHMムーブメントに乗ってデビューをしたバンドは、ジャケットもドンピシャにハマる仕様であった為に、聴く前から音楽性が決めつけられていた印象が強い。
歌詞など悪魔的なエッセンスも強めなのかも知れないが、英語がサッパリなワタクシには、音そのものでイメージを掴む傾向があるために、このバンドから幾度サタニズムなる音楽性をイメージしない。確かに⑥みたいな曲はあるが、アルバムを通して聴けば⑥は異質に感じる。
このバンドはもっと純度の高い伝統的な英国ロックの系譜に連なるバンドである、ダークな70年代スタイルとハードロックテイストはJP仕込みとも言えるし、サバス的な匂いは少ない。激しいシャウトもダイナミックなヘヴィグルーブも登場しない実にオーセンティックなサウンドです。

この1stはNWOBHM史に残る名盤としばし名前を上げられる機会も多いのだが、個人的には、多様性のあるNWOBHM群の一つとの印象も強く(3枚目から入り一番最後に聴いたアルバムになるのも影響しているかも)、メイデンはおろか、エンジェル・ウィッチやTOPの方が影響力は強いだろうし、SAMSONと同じくらい玄人向けの地味系バンドだと思っている。

なぜ、あの仰々しいサタニズムの追求なる帯びたたきに至ったのかは、音だけでは判断できないが、そういうイメージを持ってバンドの個性を出そうとしたのは間違いない。
ある意味、先行しすぎたイメージで最も損をしたバンドだと思っている。


WYTCHFYNDE - The Awakening ★★★ (2021-02-18 20:29:48)

Witchfyndeの3枚目と4枚目で唄っていたルーサー・ベルツがシンガーを務めるバンド。名前がクリソツなんで参加メンバーもWitchfyndeから二人という事で、猛烈なバッタもん感が漂いますが音楽性は名に恥じぬ正調ブリティッシュメタルを披露。正にNWOBHM降臨と言った内容にマニアならグッと惹き寄せられるでしょう。
本家も同時期に再始動していただけに、ややこしい事は間違いないのですが、リフ、リズムと屈強なサウンドを構築、そこに流れる英国的な情緒と哀愁、その相反する魅力がスクラムを組み、一点突破で攻めてくるのだからマニアならずとも腰を上げたくなるでしょう。
ミステリアスな空気を上手く引き継ぎ、より80年代的メタルスタイルで昇華したサウンドは、当時よりも勢いがありNWOBHM出身としての真骨頂とも言うべき魅力を発散、Ghost Dancerなどは弾けるリフと親しみやすいメロディ、軽やかに走るがリズムはバキバキ系、もっと深みのあるミックスの方が好みだが、呪文みたいなコーラスも出てきたりと、このバンドらしいオカルトテイストも盛り込み、目新しい魅力がある。その合間に古典的メタルをガッツリとやり込む、JP仕込みの王道路線を支持する方なら大いに楽しんでもらえるでしょう。
結局、このバンドはこれ一枚で終わり、活動も短命。そしてシンガーのルーサーは、現在Witchfyndeに戻っているのですから、何とも言えないですよね。


Mein Kampf - Deathrash Metal Never Die!! ★★★ (2021-02-16 13:23:12)

一部のスピード狂の間では幻の国産バントと呼ばれるグループの復活作。このバンドが母体となりAIONが結成されていますので、そちらのマニアも無視できないバンドです。1986年にEPは出していますが、ブートレック感覚の録りぱなしライブ音源が聴けるとは驚きです。
参加メンバーはリズム隊とギターのKERRY氏の名前があり、主役と言えるIZUMI氏はいませんが、サポートに鋼刺狼なる人物が参加。シンガーにHisayoshiの名前が、IZUMIとは犬猿の仲だと思っているのでなんだか微妙な空気を感じます。

懐かしい名前をだし懐かしい曲を収録とマニアを歓喜させる作風ではありますが、ラフなライブ盤だし、これを商品にして良いのかと思ったりすのですが、AIONの母体&原曲的なものを楽しめる構成、多少ラインナップに引っ掛かりはあれど、半分以上のメンバーが関わっているので問題なしでいきましょう。

頭を空っぽに、この勢い重視の破壊的なパワーと内包した様式のあるスピードメタルを楽しんでいます。
でも、全9曲で、現ラインナップのライブは6曲目まで、7曲目からはIZUMIとREDがいた昔の音源が聴けるという仕様。ある意味、これが一番の目玉でしょう。勝手に権利の関係とか気になるのですが、できる事ならば正式な音源が聴きたいと思いました。
それにしても昔からスピードに特化したアグレッシブなメタルをやっていたんだんぁ。もっと多くの人に知ってもらいたいですね。スピード狂ならば是非ともチャレンジして欲しいバンドでした。


THE DEAD DAISIES - Holy Ground ★★★ (2021-02-14 16:18:33)

オーストラリアに住む金持ちのオッサンのボンボンが大人になってから結成されたグループみたいな、偏見を持っていたために活動していたが、どんなバンドかはあまり知らなかった。それでも、結構なミュージシャンが参加しているので簡単なチェックは済ませるも、これまた実体があるのかないのかな感覚をもってしまい無視していた。

それがだ、今作にあのグレン・ヒューズが参加ときている。骨太な古典ロックにジョン・コラビの唄が乗っていたバンドから一転、我らがヴォイスオブロックの参戦である。
この音にグレンが合わないわけがない。ソロのようにイニシアチブを握り中途半端なソウルを持ち込まなければ、彼の声は正に神の領域、豪華なメンバーも、今まではどこか割の良い仕事感が漂っていたが、今回はグレンの加入によりバンドに箔が付いた。これは間違いない。同じ寄せ集めでもオジーの最新作に、ネームバリューで選ばれたダフ・マッケンガイ&チャド・スミスのような違和感は全くなく。

ここにはバンドとしての濃密なケミストリーの発生、理にかなったグレンの選出によって強固なサウンドを手に入れたといえよう。
ダグはレスポールを揺らし骨太なギターサウンドを構築、その一音に込められたエモーションと荒々しいアグレッションは、感情を爆発させるかのように強烈なインパクトを放っている。
重厚感たっぷりのタメを効かせたドラムの凄み、ディーンのリズム感の良さはグレンの持つファンキーさと相性抜群、名前だけで選ばれたわけではないミュージシャンシップ、このリズムセクションに宿るマジックに興奮します。
相変わらず独特の音をならずグレンのゴン太ベースのグルーブ感に酔いながら、衰えたとは言え、ここまで歌い上げる、グレンの天賦の喉に驚嘆あるのみ、凄いフィーリングが宿った現代的古典ロックが再興されています。

単にテクノロジーに頼っただけのベテランによる古典ロックがトレンドになりつつある中で、彼等は生身の人間が鳴らすグルーブを前面に押し出し魂を乗せかき鳴らしている。

ここに手抜きはない、全力でロックをやっている、その姿に胸が焦がれますね。主役と言えるグレンの参加、それを実現させたデヴィッド・ローウィーには土下座しないといけません。本当にごめんね、金持ちの道楽とバカにしていてね。

グレン・ヒューズの歴史的にも重要なアルバムになりそうです。それくらいバンド感が出ている。皆がスポットライトを浴びている。そういう一体感もまた素晴らしい。


WITCHFYNDE - Stagefright - In the Stars ★★★ (2021-02-13 18:05:25)

1stが出る前にシングル盤としてリリースされている一曲
爽快感もあるが
どんよりとした英国風味も出ている
このバンドらしい味わいがある
ポップでキャッチーなのに
根暗なアングラ臭こそ英国だと思うマニアならグッとくるでしょうね


POSSESSED STEEL - Possessed Steel ★★ (2021-02-13 17:57:15)

カナダはトロント出身の4人組からなるエピカルなムード漂う正統派HM/HRバンドが2014年にリリースした4曲入りのEP。むせ返るような濃密な空気感を漂わせる重厚なサウンド、パワフルかつスピーディーに展開する様も魅せており4曲でも十分にやりたいことを伝えている。
ユニコーンジャケやバルハラというタイトル曲もあるように、北欧神話的なニュアンスも取り込み、勇壮なエピックサウンドとの親和性も高くコンセプトを機能させている。
ドゥーミーな暗黒成分もあるが、勇猛果敢なファンタジー色も強く滲み出ており、どこかホラーテイスト漂うスタイルには欧州とは違う切れ味をあったりと、アメリカのOMENに通ずるようなガチムチのパワーメタルに、MANILLA ROAD的展開を持ち込み、両方の個性を磨き上げることで、自分達流のスタイルへと築き上げたような印象を受ける。
ありそうで、あまりないスタイル。その古典ロックに根差したサウンドは強烈なエネルギーを発散、高い整合性と先人たちから受け継いだアイデアを無理なく取り込みやり切っている。どこかぶっきらぼうに聴こえる歌も好みを分けそうだが、こういうスタイルの中では機能していると言えよう。


WITCHFYNDE - Lords of Sin / Anthems ★★★ (2021-02-12 18:22:58)

4枚目のアルバムは我らがMausoleum Recordsからリリースとなりました。恐ろしいジャケットに三匹のオッサンもたじろぎますが、サウンドの方は前作の流れを組むポップな方向性を支持、このバンドらしいオカルトテイストもあることあるが、厳つめのスタイルではなくメロディアスな方向性に傾いている。
強度のあるリフやパワフルさも顔を覗かせるも、どこか中途半端と思わせるスタイルになっているのが残念。良く聴けばバランス感覚に気を使い聴かせる姿勢を取っているだけに、余計にそう思ってしまいます。
仕掛けはあるが妙な明るさがあるオープニングナンバーあたりも、サタニカルなサウンドを期待するとなんか違うになる、その釈然としない思いが全体を包み込み、②などメロディアスかつどんよりメロディが疾走する名曲が登場しても、中途半端さを覆せていないのが惜しいですね。
アルバムは総じて悪くない。メタル界でも語り継がれる最恐ジャケが逆に損していると思いますが、初期のスタイルを上手く変換させたメジャー流、サタニックサウンドの確立に着手した意欲作。スピーディーなナンバーも爽やかすぎるんだよなぁ。怖さ半減の中途半端なホラー映画を見せられた気分になったのは痛かった。
それでも嫌いになれない魅力が今作にはあります。耳が勝手に探しに行くんですよね。良い部分をね。
そういう年季の入ったサウンドを持つブランド力がNWOBHM勢にはありますよ。


THRUST - Fist Held High ★★★ (2021-02-12 18:04:15)

シカゴからやってきたツインギター編成5人組がMetal Blade Recordsからリリースした1st。いかにもアングラUSメタルな空気が充満したパワー/スピードHM/HRを披露。その無骨な電車道サウンドの濃厚さに耐性の無い方なら消化不良を起こしそうですが、マニアにとっては、その不愛想さが最大の魅力。ドッカンバッカンと打ち鳴らさられる力瘤メタルにノックダウン必死。意外と派手目の技も披露したりしますが、サウンドその物が巨漢外国人レスラーが、骨付き肉に齧り付く昼飯風景みたいなものなので、どうでも良くなってきます。
とにかく、このバカバカしまでに力強く打ち鳴らされるパワフルメタルに押しつぶされます。この愛想の無さに拍車を掛けるのがロン・キールタイプの一本調子のシンガー、良くも悪くも彼が音楽性を決めているような雰囲気もあったりと、アングラUSメタルの世界観を濃厚スープに仕立てている。
ダイナミズムと爆裂ドライヴィングメタルが放つ膨大なエネルギー量、帰りの燃料など積み込んでいない、片道切符サウンドの持つ眩いばかりの輝きに、懐かしい時代の風景が蘇ります。
売れる売れないとは関係ない純粋なロックに対する高潔なる姿勢。1984年には、まだ通用するスタイルであった。
久びりに聴きましたが疲れました。途中で一旦休憩です。それでも最後まで付き合わなければ、俺は裏切り者だと思わせる魅力がある。嫌いになれない、最強のバカメタルである。


BLUE CHEER - The Beast Is Back ★★★ (2021-02-10 16:29:43)

野獣が帰って来たぜ、みたいなタイトルもカッコいいね。USハードサウンドの始祖的な元祖○○バンドと崇められる伝説のロックバンドが復活したのですが、半分は昔のリメイクという仕様になっており復活作と呼ぶには微妙な空気も流れるのだが、彼等と言えばな②も再録されたりと、往年のファンも新規さんも迎え撃つ準備は出来ているといいそうな空気は充満している。
個人的には初期のガレージ臭溢れるハードサウンドが好きだった、それだけに少々80年代仕様にはなっている今作は物足りなさがある。それでも、テクノロジーに頼り切らない生々しいサウンドメイクは、彼等のヒリつく研ぎ澄まされた剥き出しの感性を伝えるには十分な魅力も感じたりと、楽しめる要素もある。
何を期待するかで評価も分かれそうだが、ブルースベースの唸りを上げるハードサウンドの凄み、野獣が帰って来たに相応しい轟音サウンドは復権したようだ。
個人的にはリリース時よりも、今の方がグッと楽しんでいますね。大人になって色んなもんを汲み取れるようになったんだなぁ。


RUNNING WILD - Crossing the Blades ★★ (2021-02-10 16:15:12)

19年にリリースされた4曲入りのEP。もはや定番と化しているサウンドだが、今作もお馴染みのロルフ節が満載。KISSのカヴァーもやっているが、強固に支えられる岩盤層とも呼ぶべき信者向けの作風である。
そこに疑いがなければ傑作となるであろうが、なんか聴いたことあるぞ等など、疑問を挟めばついていけなくなるのが最近のロルフ節でしたが、リズムセクションも新たに加わり最近のプログラミング主導と離れたため、強靭なロックサウンドが戻ってきたと思える。
そういう意味では新鮮味をあるが、このバンドに変革など求めるマニアは少ないと思いますので概ね大いに楽しめる仕様でしょう。カヴァーも含め毎度おなじみのサウンドが目詰まりを起こすことなく溢れんばかりに熱演されています。

2018年に行われたWackenのステージを駆け回る彼等を見ていれば活動は安泰でしょう。
本国とは言えドイツではあんなに人気あっただなぁ。コロナの影響もあるのか、フルアルバムをリリースする予定だったランニングワイルド。これなら期待できる作風になるかと思いますよ。


WITCHFYNDE - Cloak & Dagger - Cry Wolf ★★★ (2021-02-09 18:49:16)

リッチーブラックモアも取り上げた
エドワード・グリークの有名な曲を取り上げています
このバンドの音楽性とも合致しており
この試みは成功していると言えよう


WITCHFYNDE - Cloak & Dagger ★★★ (2021-02-09 18:40:11)

ワタクシのWITHCHFYNDE初体験はシンガーがルーサー・ベルツに交代した今作でした。
悪魔的な禍々しいジャケと勝負の3枚目、それが理由で友人から借りたのだが、その時は既に4枚目のリリースしており、彼等の代表作は1stだというアドバイスも頂いたのですが、ここは先入観無しでいきたいのでファーストインプレッションでいきましたよ。
どこかオカルトテイストの漂う神秘的なサウンド、その手のロックとは親和性の高い湿り気のある伝統的英国ロックの響きが心地よく共鳴。NWOBHMということで、もっと荒々しい厳ついサウンドを想像していたのですが、思いのほかポップフィーリングを生かしており音楽性の懐は深い。
シンガーもハルフォード+キングダイアモンドな高低を生かしたシアトリカルな歌声を披露し、このサタニカルなホラーサウンドを演出している。
バックのメンバーに陰りは見えない、自らが進むべき方法論を踏み外すことなく音楽性を広げているアイデアは非難されるようなものではないだろう。
しかし、暗黒成分が薄まったという意見を無視することは出来ませんので、その辺りが評価を大きく分けるでしょうね。

個人的には、初めてのWITCHFYNDEなんで思い入れが強く大好きな一枚なのだが、この煮え切らない湿度の高いメロディと、ダークテイストは初期型JPに通ずるものも多くあり、ミドルテンポ多めのじっくり聴かせるサウンドは即効性は低いが聴き込ませる味わいはあると思いますよ。
入門編とは行きませんが、伝統的な英国ハードサウンドの系譜に連なる一枚であることは間違いありません。


Christ - Easy to Ride ★★★ (2021-02-08 20:40:46)

WOLFと同じくビクターが手掛けたインディ系レーベルCaptagon Pluggingからデビューを果たした国産バットボーイズ系HM/HRバンドのEP。
出しているサウンドは、日本人好みのメロセンスとワイルドなロックサウンドが危うさを纏いながら駆け抜けていく、雰囲気モノロックサウンドだが日本人なのでキメが細かい、そういう意味では、やや置きに行っている感は否めないが、逆を言えば、その繊細さが持ち味とも言え、時速60キロのスリルとはいえ良くできている。
この手のシンプルでワイルドなノリのロックが好きな人なら、大いに楽しんでもらえるでしょう。

このバンドを有名にしたのは日本人に交じりギターが外国人だったではなく、ドラマーがLOUDNESSの二井原実先輩の実弟、二井原教仁さんだったことが注目される要因だった。
兄弟でリズム隊だったんですね、とローカルニュースもありますが、雰囲気モノのロックサウンドは、噛み合った時の威力はあるのだが、良くも悪くも日本人的なシンガーの在り方が聴き手の評価を分けるでしょう。
個人的には、国産バンドあるあるなので飲み込めるが、この辺りと折り合いが付けないと厳しいでしょうね。

こうなるとニッキー・シックスやアクセル・ローズは偉大だなぁと思える。

そしてワシは、このバンド登録もしてコメントしていると思っていた。老いは怖い。


METAL CHURCH - Damned If You Do - Damned If You Do ★★★ (2021-02-07 16:51:34)

ハムーって聴こえる不気味なコーラスが耳を惹きます
宗教的なダークテイスト
往年のイメージが戻ってきたと印象付けています
古くて新しい新生メタルチャーチの幕開けに相応しい一曲ですね


METAL CHURCH - XI - No Tomorrow ★★★ (2021-02-07 16:47:09)

静と動のコントラストを見事に描き切っています
アコースティカルなパートが良いのよ


METAL CHURCH - XI ★★ (2021-02-07 16:44:47)

カート・ヴァンダーフーフがいれば、それはもうメタルチャーチであるという図式に異論はないだろうが、今作はシンガーの座に懐かしい名前のマイク・ハウが戻ってきたという嬉しいニュースも飛び込み新譜への期待は高まっていた。

音楽性は昨今のスタイルを踏襲する現代的なミックスはどこかスッキリとまとまっており、このバンド特有のカラーは薄まっている。それでも前作の反省を生かし楽曲にフックを設け、メロディを歌い上げるシンガーの存在はよりバンドを強固なものとしている。
とは言えマイクのブランクを感じさせる歌は、口のこえたファンを納得させることは出来ず、諸手を上げての大歓迎といかなかったのマイナスでしょうね。

過去との比較は酷な話です。個人的にはもっとヘヴィな音像のメタルチャーチが聴きたいと思うのが最大のポイント。若いNWOTHM系のバンドがやりそうなミックスは正解とは思えない。そこを改善するだけでも、厳ついメタルチャーチが復活すると思う。
せっかく看板シンガーがいるのだからと思わずにはいられませんが、それもこれも贅沢な悩みであり。通常のバンドには当てはまらない話です。現役感を損なわない新生メタルチャーチスタイルと思えば気にもならないでしょう。
若い人にとってもとっつきやすい音に収まっているのも今の時代と言うことで理解しています。


METAL CHURCH - Generation Nothing (2021-02-07 16:30:10)

2013年と言えばリバイバルブームも成熟しだした時期でしたね。バンド運営は首謀者であるカート・ヴァンダーフーフがいれば問題は起きないという体制も作り出し今作は時流の流れに乗ったスタンダードな鋼鉄サウンドへと仕上がっている。
お約束の①で掴み、キャッチーな②という展開も懐かしい限りなのだが、メタルチャーチってこんなバンドだったっけ、見たいな無難さも同時に馴染み出ており、いい意味でも悪い意味でも普通の感じがする。

丸みを帯びたミックスではあるが、ザクザク系のリフもあるし雰囲気もあるが、似たようなメロを唄う一本調子のイメージを与えるロニー・ムンローの歌い回しも(ウド・ダークシュナイダー8割のデッキンソン2割)、終盤に差し掛かると飽きてきたりと、バラエティに富んが楽曲があるのにイマイチ伝わりずらいと思わせるのが残念。

並みのバンドなら及第点だが、メタルチャーチの金看板を重いといえるので、少々食い足りないというところでしょうね。もう少し後半に向けてフックのある展開が欲しかった。なんかこうありがちなNWOTHMなサウンドに落ち着いてしまっている。ちょっとの違いんですけどね、難しい問題なぁ。


KILLERS(FRENCH) - Mise aux poings ★★★ (2021-02-06 18:33:22)

3年連続でアルバムをリリースしていた勝負作となる3枚目。メンバーも去り、仕切り直しと本当に勝負となっているのだが、これが素晴らしい。欧州風味のダークなテイストを感じさせる硬派なサウンドはヘヴィメタルと呼ぶに相応しいサウンドを披露。整合性も高まりかつてのような破天荒な暴走ロックスタイルはなりを潜めたが、全てにおいてパワーアップした音楽性にスキは見当たらず、構築美溢れるスピードメタルは局地的なヒーローでは終わらない普遍性を身に着けている。

その分、個性はなくなったと見る向きもあるが、快活なリズムとダイナミックに攻める二本のギター、良好な関係性から生み出される一体感のあるバンドサウンドは、余計な装飾がないからこそダイレクトに聴き手に迫ってきます。
そのリアルなスタイルは、格段に進歩を遂げており、このクールにひりつく欧州メタルのカッコよさに唸ります。1987年と言う時代背景を考えても、もっと認知されて欲しいクールなスピードメタルを堪能できますよ。
とにかくスピード狂には楽しんでもらいたい。速さだけではない場面展開を設けた豊かなドラマ性、シンプルなミックス故に炙り出される剥き出しの感性。
どこか中途半端だった前作のイメージを払拭するには十分すぎるインパクトを誇っています。

このバンドがイマイチ知名度を上げられないのは、脆弱なレーベルから音源が出ているために、流通が絶望的な状況にあること。今のご時世、ダウンロード盤はおろか、サブスクがないのは致命傷と言える。
嘘くさいCD-Rによるコレクターズアイテムには手が出んよ。


MADAM X - We Reserve the Right ★★★ (2021-02-06 18:13:12)

国内盤は懐かしきCBSソニーからリリースもされているL.A風のグラムファッションが目を引くバンドのデビュー作。当時としては珍しく男性と女性が二人ずついる構成もインパクトがあり、ドラムとギターは姉妹。ドラマーは後にVIXENに加入しました。
イケメンシンガーとメイクが濃すぎるベーシスト、そして網タイツ姿の女性と気になる情報が多すぎて音を聴く前に気持ちの整理がつかないのだが、出している音は渋滞中のバンド情報をクリアーにするのに十分な魅力が満載。
少々軽めのミックスではあるが、ギターを前に出しバランスを図っている。硬派と言うよりは妖しげなグラマラスな空気を前に出し、ワイルドかつハードなサウンドを耳なじみ良く、クールに纏めている。
この辺りもプロデュースに迎えたリック・デリンジャーのアイデアなら成功していると言えよう。音で勝負しているバンドだけにもう少し深みのある音の方が好みだが、色艶で勝負を仕掛けない本格派のバンドサウンドは説得力がある。
とくにギターソロをフィーチャーしたインストの⑤も楔となりグイグイと食い気味の突っ込んできます。
その流れでストレートな疾走ナンバー⑥に繋がる構成も見事、シンガーも中低音域を駆使して勝負、ロブ・ハルフォードに似ていると思う瞬間もあり、実力派十分です。
悪名高きJETレコードのせいもあったのか、次が出ることなくバンドは解散。その為にイマイチ知られていないのだが、Twisted Sisterあたりが好きな方なら、類似性も多々あり、ロックアンセム⑦なんて、そのものと言えよう。硬派さと大衆性を程よく完備したグラム系HM/HRバンドの1st。
能天気なイメージが強いL.A組よりもクールな感性が強いのも魅力ですね。

久ぶりに聴いたが昔よりも断然カッコいいと思える。今となっては貴重なサウンド、マニアならずとも聴いて欲しいバランス感覚に秀でた一枚です。


Oliver/Dawson Saxon - Rock Has Landed, It's Alive ★★★ (2021-02-06 17:46:24)

分裂したSAXON、SAXONと名乗る前のバンド名Son of a Bitchを使用してグラハム・オリバーとスティーブ・ドーソンは活動していた。なんだかんだ揉めた挙句、このクレジットに落ち着きリリースされたライブアルバム。
シンガーにジョン・ワードを、ドラマーは懐かしいナイジェル・ダーラムとシンガー以外はSon of a Bitchという構成。半数以上の曲がSAXONということもありバッタもん感も漂いますが、半分はSAXONであり、ギターのハイドン・コンウェイも同じNWOBHMファイターときていますからね、昨今のパワーメタル化したサクソンよりも、昔の雰囲気が出ており全体の流れは悪くない。
ロニー・アトキンス風のハスキーなパワーヴォイスもハマり、本家とは、また違った味わいがあり、これはこれでありと思わせる熱の籠ったライブ盤である。
とはいいつつも元の揉めた経緯などを考えると、微妙ではあるのだが、バイカーズSAXONが聴きたいならコチラの方がらしいかもしれません。
妙な先入観を捨て、半分SAXONによるらしいプレイを楽しんでもらいたい。


KILLERS(FRENCH) - Danger de vie ★★ (2021-02-04 08:57:01)

短いスパンでリリースされた2nd。前作よりも音楽性に幅を持たせた意欲作。スピード命の馬鹿メタルを期待すると、出だしからあれっとなるのだが、今作はミックスも含め聴き易さを誘発したようで、前作のような切迫感やキリキリと切り刻まれるメタリックな暴走スタイルよりも聴かせる事に重きを置いたようだ。
勿論、このバンドならではの暴走様式は随所の顔を出す、相変わらずパワフルかつスピードもある。しかし、中途半端な測速度制限や品行方正さを出そうとしたことで魅力を損ないかけているのが気にかかる。
また、風呂屋でレコーディングされたような音も頂けない。
と不満が先をとってしまったが、選曲の持って行き方に問題もあるように感じられ全8曲40分を切る今作は、前作同様スピード狂を満足させるスタイルは存在するだけに、安っぽいミックスが台無しにしている感は否めない。
そういう迷いが生じさせたのか、バンドはギターのブルーノ・ドレギー以外のメンバーは、TITANなるバンドを結成、同年にフルアルバムをリリースしている。その時、このバンドはどうなっていたのか興味は尽きない。


KILLERS(FRENCH) - ...Fils de la haine ★★★ (2021-02-04 08:37:53)

フランスを代表するパワー/スピードHM/HRバンドが1985年にリリースした記念すべき1st。その勢いはのっけから凄まじく、オープニングナンバーのインパクトに悶絶。これぞヘヴィメタルなアグレッションとスピードで全てをなぎ倒していきます。終始打ち鳴らされるド派手なリズムと刺激的なギター、ひしゃげた金切りヴォイスと、ヘヴィメタルと言う言葉でしか形容できない音楽性を披露。スピード狂を自負するマニアなら一度を聴いて欲しい魅力があります。
お手本はACCEPTでしょう。それだけにドラマ性もある、③のような曲を放り込んでも背伸びした印象を与えない音楽的な教養もプラスに働き、速さにと力強さに力点を置いた作風は、多くのヘヴィメタルバンドが共有するスタイルへと磨きをかけている。デビュー作ならではの直情的な感性の爆発、威勢のよい叩きつけるようなアグレッションサウンドは多くのマニアを引き付けるはずである。愚直なまでに打ち鳴らされる④、彼等のメタルアンセム⑤、この曲の歌い回しなんてウド・ダークシュナイダーそっくりですよね。
突っ走りながらも色んな顔を魅せる前半、そして後半は埋葬行進曲をイントロに導入したバンド名を冠した⑥、圧倒的なパワーと重厚な世界観に、このバンドの進みたい方向性が見えていきます。
パワー/スピードだけに埋没しない豊富なアイデアをバカバカしいほどの、パワー/スピードで突っ込んでくる突貫スタイル。若さ任せのようで芸の細かい面を魅せようとしているのも魅力ですね。
メタルのスピードに恋い焦がれ、この世界に足を踏み入れました。こういう音は生涯嫌いになることはないでしょう。


Seventh Son - Dangerous Kiss ★★★ (2021-02-03 10:40:56)

80年代の初頭から活動していた幻のNWOBHMグループ。正式な音源は遅く1987年にカセットテープによるアルバムをリリースしていた。1999年にデモ音源などを増やしCD化もされたマニア向けの作品。
こういうものが定額制で聴けるようになったとは知識があれば大概はフォローできる時代になりましたね。いやはや驚きです。NWOBHMファイターということですが、1987年と言う時代を意識した洗練されたメロディアスHM/HRサウンドを披露。英国流儀の様式美に、華やかなL.A風味を加味したサウンドは、清々しいほど奇をてらってはおらず、懐かしい空気が満載。
一気にあの時代に連れ去ってくれるでしょう。
オーソドックスなサウンドを軸に、親しみやすさとハードテイストをバランスよく押し上げた今作は、当時としてはタイムリーな作風だったと思う。厳つめのNWOBHMスタイルを想起すると期待外れとなるが、折り目正しい正調HM/HRサウンドの旨味、硬軟交えた真っ当なスタイルは今となっては逆に、個性のない普遍性が個性となるのだから不思議なものですね。久しぶりに聴いたけど懐かしいわ。決定打には欠けるけど、メロディアスかつ叙情的なメインストリームよりのサウンドは良くできたものですよ。


BIFF BYFORD - School Of Hard Knocks - Me and You (2021-02-02 14:33:58)

渡米後のサクソンを思い出させるようなアメリカン志向
よもや今になって高評価を受ける時代になるとは夢にも思わなんだ


AION - Hang on Night ★★★ (2021-02-02 14:10:40)

デスラッシュサウンドなる言葉を打ち立てた国産スピードメタルバンドが1987年にリリースしたシングル。
シンガー以外は、AIONというバンドではお馴染みのメンバーが揃っており、彼等特有の過激でスピーディーなサウンドを確立。当然歌っている人間が違うので歌詞も変えてだが、両曲ともリメイクされ世に出されている、その違いを楽しむだけでもマニアにとってはたまらんものがあるでしょうね。
リメイクで唄うのはNOVでしたが、ここで唄うのは初期のデモで唄っていたSatoru氏、いかにも日本人的はハイトーン系のシンガーでしたが、バックに厳つさは十分に伝わり、AIONスタイルを確立していたといえよう。
鬼のピッキングから繰り出されるスピードプレイに息を飲みます。
良くも悪くもジャパニーズスタイルです。海外からは絶対に出てこない味付けの濃い日本のメタルです。そこを理解して楽しめるマニアならば、是非とも聴いて欲しいバンドです。メジャーデビュー時はX-JAPANの成功もあり、やや歌謡チックな面も魅せ、筋金入りのマニアを落胆させた場面もありましたが、初期の彼等は、ド派手なツーバスと高速ギターが、突っ込んでくる特攻スタイルを取っており、その大和魂燃やす刹那な破壊的サウンドで魅了していました。
個人的には、ドハマりはしなかったが、今聴いても十分通用する個性を持ち合わせていたバンドだった。今作は、そのバンド初めての正式音源です。YouTubeで良いんで聴いて欲しいねぇ。


TRAPEZE - Hold On ★★★ (2021-02-02 13:50:12)

グレン・ヒューズが抜けた後もバンドは続き、前作ではメル・ギャレーがリードヴォーカルも兼務。ソウルフルな歌い回しでバンドのイメージを崩すことなく、よりメロディアスかつハードなスタイルに進化していった。
今作は曲も作れる専任シンガーを迎え入れ体制を強化。その人物が、後にHEEPに加入するピート・ゴルビーです。
今作は1978年にドイツでリリース、エロいジャケとタイトルと曲順を変え再リリースされたのが今作。世界的な認知はこちらですね。
個人的には、ドイツ盤の方が曲順が好きなのですが、ファンキーなテイストも残しつつ、メロディアスさも増強、その独自性を高めた音楽性は、力強いピートの歌声のおかげで、筋の通った手堅いサウンドへと仕上がっている。
特に⑦に代表される新機軸とも言えるメロディアスファンクは、二人のシンガーが火花を散らし唄う事で、このバンドの在り方を明確に示している。普遍的英国ロックに濃厚なファンク色も取り入れ、メロディアスに仕立て上げるという美味しいアレンジに大いなる可能性を感じました。
個人的には、どこか地味に感じていたトラピーズ、今作には、今までと明確な違いを魅せるポイントを打ち出すことで、より幅広い層に訴えかけていると思う。往年のスタイルを支持するマニアには、逆に喰い足りないのかもしれないが、ファンキーは得意ではない身としては、これくらいが丁度良いです。
ピートのストレートな歌唱スタイルも悪くない。


MICHAEL SCHENKER GROUP - Immortal ★★★ (2021-01-31 15:36:48)

MICHAEL SCHENKER GROUP名義で久しぶりにリリースされたフルアルバム。正直、参加メンバーの重複もあったりと、似たようなクレジットのプロジェクトが多すぎて困惑するのだが、今回はラフル・シーパースのような新顔を加わり、久しぶりの金看板名義に華を添えている。
新旧入り混じったマイケル節、哀愁を帯びた叙情的なフレーズをダークなカラーでまぶし、今まで以上に強度のある骨太なサウンドを構築している。勿論、マイケルらしい情緒はたっぷりとあるし、彼に求めるものをしっかりと理解し忠実に再現していると感じる。それだけに、ややこしい名義が気になるのだが、いずれにしろマイケルの美学は貫かれており、意表を突くラルフ・シーパースの参加した①を筆頭とするパワフルさの増量と、従来のスタイルと言える儚くも美しいマイケルの芸術性が見事にリンク、その華々しい天賦の才が満開に花開いていると言えよう。
古くて新しいマイケルサウンドの復活。なんちゃら○○周年的な売り方だけではないと思いたいほどの充実感はある。

とはいいつつも体毛が濃そうなロニー・ロメロの暑苦しさとマイケル節はフィットしているかとか?不満ではないのだが気にはなるが、個人的には、今までのマイケルにない気合いの入った攻撃的な①を聴き、今作は新機軸を打ち出すと踏んでいたので驚きはなかった。

ここからは余談ですが、①に始まり、半数の曲が先行公開、最近の風潮とはいえ、一番最初に公開されたラルフの唄う①は、そのインパクトも付き合い聴きまくった。なんたってMSGにもしも、ロブ・ハルフォードが参加したら、どんな曲を書くのかなぁが、実現したようなものだからである。それが2か月以上前の11月に聴かされている、そのおかげで今作に対する実績を安心を積むことにはなっているが、半数は先行公開されているので、アルバムを通して聴く時の温度差が生まれてしまった。ある意味、アルバムを聴いた気分です。それだけに、素晴らしいアルバムの魅力が半減してしまったのが個人的な感想です。
難しいよね。売るためには、ガンガン予告編をみせて、凄いアルバムだと売り込む必要はある。そもそもダウンロードしてもらえば、お金になる。だから個別売りは正解になるのだが、サブスクなんで、嬉しい提供ではあったが、やり過ぎと言う贅沢な悩みを抱えたというのが正直なところですね。


DAVID BYRON BAND - On the Rocks ★★ (2021-01-30 14:38:41)

言わずと知れたHEEP黄金期を支えた稀代の名シンガー、デヴィッド・バイロン率いるバンドのフルアルバム。相棒はロビン・ジョージ、他にはクリムゾンのメル・コリンにバット・フィンガーのボブ・ジャクソンらも従え、移り変わる1981年というロックシーンに切れ込んできました。
HEEP脱退後、バイロンと言えばな音楽性を披露してこなかっただけに、期待値も高まっていた中でバイロンが選んだ選択肢は売れる事だった。英国的ではあるが、アメリカン志向とも取れる楽曲を用意、そういう姿勢が日本の批評家の反感をかったのか、リリース時の評価はかなり低いものでした。ハード系マニアからもロビン・ジョージが気に入らないのか、ケチョンケチョンで今もって、誰からも褒められない駄作のレッテルを張られている印象の強いアルバム。

では、令和の時代に突入した今、このアルバムを果たして、通り一辺倒の批判を丸呑みしてよいのかと思います。バラエティ豊かな楽曲を自分流儀に持ち込むバイロンの魅力。ある意味、その器用さは、彼の正体を無くしているかもしれませんが、ロックでもポップスでもブルースでもオシャレな奴でもバラードでも、なんでもこいの守備範囲の広さに舌を巻きます。ラストに収められている⑧なんて、このバンドの方向性をドンズバで表していると思いますよ。
全8曲、お好みでチョイスして頂ければ、バイロンの上手さを存分に味わってもらえるでしょう。

泥臭さのない洗練されたロック、芯のある歌は頼もしい限り、シンプルだからこそ引き立つバイロンの存在感。どこかで聴いたことのあるフレーズも味方につけ、バラエティ豊かな曲調なのに、一本芯が通っていると思わせるのがバイロンの魅力なんだろう。でも、やはりバイロンと言えばな音楽性は最後まで見えなかったのは残念だった。


VERITY - Interrupted Journey ★★★ (2021-01-30 13:48:35)

知る人ぞ知る英国ロックを代表するミュージシャンの一人、ジョン・ベルティによるソロプロジェクトチームが1983年にリリースしたアルバム。元Argentとしても知られ、今作には、そのつながりもあるのかラス・バラードを筆頭、外部ライターの力を借りているのも魅力の一つ、ジョーイ・カルボーンの書いた④なんて日本人好みの哀メロナンバーですよね。

クリアーでエモーショナルな歌声と、英国的な情緒を絡ませつつも情熱的なロックテイストと洗練されたアーバンなエッセンスも巧みの織り込ませ、実に熱量の高いクールな古典ハードサウンドを披露。それでありながらもヒットポテンシャルも秘めているのだからマニアならずともたまりません。

上手い歌とギター、そしてメリハリの効いた楽曲が用意と、なぜこれが当時日本で発売されず、今日まで無視されているのか残念でなりませんが、エッジの立ったハードなギターと、情感たっぷりの透明感溢れるロックな歌声、英国仕様の折り目正しいワイルドハードサウンドの洗練されたロックの旨味、当時としては伝統と斬新なアプローチを試みつつ、硬軟のバランス感覚にも秀でた一枚として高い評価を受けたと思いますよ。

ちなみに今作で主役を張るジョン・ベルティさんですが、実はジョン・ロートン脱退後のHEEPに加入寸前までいった人物です。
そんな情報を頭の片隅に置いて聴いてみると、これまた違った景色も見えてきますよね。
知名度は低いのですが、マニアならずとも楽しめるブリティッシュロックの隠れた一品。是非とも見かけたら聴いて欲しい一枚ですね。
玄人好みの味わいと、売れる要素が見事に融合していますので。


BERNIE SHAW - Too Much Information ★★★ (2021-01-29 08:09:28)

バーニーがかつて活動を共にしていたミュージシャン、デール・コリンズと共同クレジットで世に出したデュオアルバム。ある意味、バーニーのソロとも言えるのだが、クレジットはBernie Shaw & Dale Collins名義になっている。
90年代の後半、プロモ的な作品をリリースしている両者、バンドのような活動をしていたらしく、今作には、その時代の音源が含まれているらしいが、見たこともない商品を検索して知ったかぶりするのはマナー違反なので止めておきます。

全8曲、40分を切るランニングタイムの心地よさ。バーニーの唄を軸に洗練された大人のロックを披露。流行り廃りとは無縁のオーセンティックな響きに酔いしれます。等身大の魅力を内包したアーバンな古典スタイルは、AOR系のスマートなサウンドを窘めるマニアならグッとくるでしょうね。
バーニーのファン層を意識した哀愁のメロディアスロック、リラックスしたムードを漂わせながらも要所要所を〆る曲を作り上げた相棒の確かな目利き、AOR調のロックを豊かな音楽性を駆使して、大人の魅力で染め上げた。
ここに能天気なロックナンバーや、時代を意識した売れ線志向は皆無である。それでありながらも普遍的コマーシャル性と職人技を共存させた両者に賛辞を贈りたい。
味わい深いデールのギターもメチャクチャ刺さってきますよ。終始リラックスしたムードに包まれているのも、このソフトなサウンドには合っている。


Charged GBH - Midnight Madness and Beyond ★★★ (2021-01-28 10:19:18)

英国ハードコアパンクスの顔とも言えるバンドの3枚目。前作以上にメタリックな様式も増え、パンクにありがちな馬鹿テンポ一直線な手狭なスタイルとは違う面をアピールしている。
メタリックと呼ぶに相応しい土台のしっかりとした枠組み、アンダーグラウンドな感性で研ぎ澄まされた楽曲群、解き放たれた直情的なビートとロック然とした硬めのリフとリズム、スピード命の勢いと同じくらいロックな様式を踏襲している。間口を広げた音楽性だが、パンクな精神性を損なうような事はなく、メタルへの架け橋になるような質の高い音楽性を披露している。
あくまでも彼らが根差しているのはストリートです、世の不条理を代弁する生粋のロッカーです。その崇高な精神性があるからこそ、キャッチーな楽曲にも殺気が漂い狂気を内包している。
鋭利な刃物の如きビートは小回りを利かせ、寸止めで傷つけぬよう展開してるのが心地よいです。
この聴き易さを設定したギリギリR-18にいかない音楽性、上手いことやってますね。

ある意味、もっともロックを感じさせる音かもしれません。英国はバーミンガムからやってきただけに、先人たちからの影響も飲み込んだストリートロック。理屈抜きに楽しめますよ。


Charged GBH - City Baby's Revenge ★★★ (2021-01-28 09:55:59)

パンクハードコアの第二世代と呼ばれるGBH。その直情的なビートに乗せて、世の中の不条理を叫び若者から支持を受けることになる。過激なファッションに負けないメッセージ性の強いサウンドは、無駄を省くことでシンプルに耳に届く。前作同様カヴァー曲も自分達流儀にまとめ上げ、単なる一過性のアティテュードをブチアゲ話題性だけのバンドではない芯のあるロッカーだという事を決定づけている。
ソリッドにドライブするアグレッシブなギター、過激さ命と言える鬼気迫るツービートもロックなタメを効かせグイグイと迫ってくる。前作よりも若干、音楽性に幅を持たせたと感じさせるのも好印象、スピード狂なら一度は聴いて欲しい作風に仕上げています。
パンクスなのでメタルのような深みのある展開や創造性は薄い、しかしロックな精神性を強く打ち出した崇高なスタイルのサウンドは、テクニック云々で語られるものではないし、彼等は腕のあるバンドでもある。荒涼としたメロディとシンプルな楽曲、明るめのキャッチーなナンバーすらも、俺に触れると火傷するぜと言わんばかりのクールなニヒリズムを漂わせ、大胆不敵に挑発してくるのだからパンクスならずともグッと襟首を掴まれるでしょう。確信犯的メタルとの親和性も感じさせる質の高い音楽性、パンクス/ハードコアの神様で終わらせるのが勿体ないですよね。

余談ですが、このバンドの作品、過去に何枚かコメントしたことあるような?ん~老いたのかな?


Charged GBH - City Baby Attacked by Rats ★★★ (2021-01-28 09:35:00)

70年代の末期に現れた第二期英国パンク/ハードコアムーブメントの立役者となるバンドの1st。世の中のあらゆる不条理を直情的なビートに乗せ歌い上げる快活なロックサウンドは、まさにパンクと呼ぶに相応しい音楽性を披露。
過激でスピーディーだが、親しみやすいキャッチーさがあるのもパンクの魅力。そこに、彼等の場合はメタルな耳にも通じるバックボーンを魅せ、メタルから来たマニアもパンクスも楽しませる素養があるのがポイント。
より高速化するパンクの叫び、このスタイルがNWOBHMに間違いなく影響を与えているという点を見逃すことが出来ませんね。パンクは人に語れるほど詳しくありませんが、パンクメタルと呼ぶに相応しいソリッドに刻まれるギター、爽快感すら漂わせる騒音ビートの嵐、喧嘩の強そうなラフな直情的ロックンロールサウンドをお見舞いすることで独自のスタイルを築き上げた。


REALM - Endless War ★★★ (2021-01-26 21:54:58)

台頭するスラッシュシーンの中でもギラリと光るセンスと個性を持ち合わせていたバンドでした。洗練された印象も強く演奏力も高い、そして歌い込めるシンガーの存在が、他のバンドとの差別化を図り、飽和するシーンの中で際立った印象が強かった。ある意味、同時期のメガデスよりも知的なエッセンスが漂い、殺伐とした無機質なる殺戮マシーンの如き精巧成るプレイと溢れ出る有機的な人間力の融合、ダイナミックに刻まれるリフ、そしてバキバキと唸るベース、バンドサウンドを押し上げるクールなドラム、重厚なアンサンブルの元、ひねりの効いたアイデアをクリアーに聴かせることでバンドの個性と高いアビリティを誇示、その質の高いアイデアと構成に唸らされました。
メロディを追いかけてアグレッシブに唄い込めるシンガーの在り方が殺気立つスラッシュサウンドに深みをもたらしているのも見逃せませんね。
今聴いても古さを感じさせない隠れた一品。スラッシュマニアは勿論ですが、息を飲むようなスリルと緊張感、テクニカルなバンドが好きなマニアの耳を刺激するでしょう。スピード狂も大いに楽しめる懐の深さがイイのです。


M.O.D. - U.S.A. for M.O.D. ★★★ (2021-01-26 21:29:50)

遊びが高じてアルバムまで作り、短期とはいえツアーまで行ったS.O.D.、このバンドは、その精神性を継承するような形で本腰を入れ動き出したバンドと言えよう。
プロデューサーとしてスコット・イアンが参加、S.O.D.と比べると真剣にバンド活動をしているという印象が強く、かっちりとまとまっている。その辺りが、少々食い足りないと思ったりするのだが、それは比較しての話で合って、無用な情報を省き作品に向き合えば、ハードコアテイストの強めな無国籍スタイルを形成、冷たく突き放すイーブルさ、都会的とも言える底知れぬ恐怖に満ちた暴力性、タイトに練り上げたリズムとリフワークからも感じられる冷徹な響きが、前のめりに突っ込んでくるからたまりません。
少々ドライに感じるのですが、そういう無機質さも差別化を図る意味では正解と言えよう。


S.O.D.(STORMTROOPERS OF DEATH) - Bigger Than the Devil ★★★ (2021-01-26 21:10:52)

ある意味、ダイハードな男たちによるスーパーグループと呼べるバンドによる2枚目のスタジオ作。前作から14年、25曲入りでランニングタイム40分を切るといった内容。時代の変化を受け止めつつも、自らのスタイルを壊すことなく継承。アルバムジャケからも感じさせる人を喰ったような姿勢、そのシーン全体をおちょくり挑発するようなスタンスは健在なようだ。

一口で言い表すことのできない音楽性、遊び心も満載のクロスオーバースタイル、先人たちからのアイデアを、食い散らかし千切っては投げを繰り返す、それでありながらも収集がつかないような愚行は一切行わず、前作よりも直情的なハードコアテイストが聴き手の感性をひき殺していきます。

重心低く構えたヘヴィネスサウンドが、問答無用で突っ込んでくる激音の嵐、時代の流れを組みソリッドでタフになった音像は、より野蛮な破壊的衝動を纏い全てをなぎ倒していくかのようだ。

21はヴォーカルのビリー・ミラノがやっていたM.O.Dでも取り上げた奴ですね。本来はこっちのバンドの曲なので、こちらが正規ヴァージョンという事になるのかな?本編以外にもお楽しみの要素があるのも、この手のバンドあるなる。間違え探し感覚で色々と突っ込んでみるのも悪くないですからね。


TYGERS OF PAN TANG - Burning in the Shade ★★ (2021-01-25 13:46:41)

オリジナルは1987年にリリース。メタルバブル弾けまくる時代に出しているとなれば察しもつくでしょう。キーボード前目に出した唄モノサウンドで勝負。ジョン・デヴァリルの煮え切らなさが独特のカラーを与えているのが面白い。
歌も上手くエモーションを込めれる逸材、彼が今作を最後にシーンから遠ざかってしまったのを惜しむ声が出るのが当然とも言える、彼の唄を楽しめる仕様。その為に、ハードテイストは薄め。時折ギターも派手目に絡んでくるが、バンドとして、どこまで実態があったのかは分からない。
ベースとキーボードは前作同様ヘルプ対応。ギターはスティーヴ・ラム一人。NWOBHM戦士の面影はありませんが、歌モノロックが好きな人なら是非とも聴いて欲しいですね。
どこか軽薄に感じる面もありますが、ジョンの唄がイイ。その上手さをタップリ味わえる好盤ですよ。ある意味、別のバンドとして捉えるのが一番でしょう。個人的に秀でた部分を愛でて楽しむタイプなのでね。


RAVEN - Metal City ★★★ (2021-01-25 13:11:11)

今では伝説のNWOBHMファイターと崇められたりと、スピード狂の間では伝説と化しているバンド。紆余曲折を経て音楽性も拡散したりしていましたが、ここで初期の頃のスタイルをイメージして具現化。自らが進むべき道とファンの望むものを実直にやり遂げた清い印象が強い。
初期のスタイルといっても、無軌道に外れていくようなスリルはなく、完成された暴力とも言うべき計算されたサウンドを構築しており。1986年にリリースしたEP『MAD』あたりを思い出される内容です。
とにかく、年齢も年齢なんで荒々しさの中に落ち着きがあります。そのオジサン加減が大好きですね。衰えているのに、無視してバカバカしいほどのメタル道を突き進んでいます。でも帰りの燃料は積み込んでいる。
そんな大人のバカメタル感がイカしています。愛すべきピュアスピードロック、その80年代愛に満ち溢れた懐メロサウンドに愛着を覚えますね。
派手なギターと激しいリズム大暴れ、そのクセ整合感たっぷりなんでズルいよね。大人げないことしてくるなぁ。無冠の帝王としての貫禄が出まくっているのも微笑ましいですね。


SABER TIGER - Paragraph V ★★★ (2021-01-25 12:45:38)

北の狂獣の異名を持つ北海道はおろか、日本を代表するHM/HRバンドによるセルフリメイク作。正直、このシリーズは多いので、全く新鮮味はないのだが、過去に埋もれかけている名曲を掘り起こし、海外のマニアに知らせるには効果的といえるだろうし、新規さんにとっても昔の曲に触れる機会になるので悪いアイデアではない。
ここは、お馴染みの恒例行事として楽しむのが一番でしょう。予想外の選曲もあったりと、個人的には重複のない選曲は大いに買いだし、完結している久保田陽子時代と対峙する下山ヴァージョンの違いを楽しめるのも、この企画モノならではの味わいでしょう。でも久保田さんで完結しているので難しいですよね。
シングルギターだった曲をどう料理するのか、トリオ編成の曲をどう膨らませるのか、そういう知的好奇心をくすぐりまくるリメイクベスト。
現代的なマッシブでメカニカルな要素が増量、その中にある人間力の見せ方、そういう匙加減が絶妙な絡みを見せている場面と、少々、スッキリとまとまったなぁと感じさせる場面があり、オリジナルに対する思い入れもあり逆に違和感を覚えるのだが、最強のメンバーが揃い、一体となり襲いかかるバンドサウンドは健在。
聴き手を裏切る複雑な展開とテクニカルな演奏、明快で歯切れがよい肉厚なサウンドはメタリックに染め上げることで、メロディアスなのに攻撃的なサーベル流メタルへと昇華している。

個人的には、やはり熱くなる部分は少な目です。オリジナルを聴きすぎているせいもある、ジェラシーもオリジナルを聴きすぎた。それほどサーベルはお世話になった。全盛期の彼らのライブなら余裕で二桁みている。下山が抜けた後も足を運んだ。エンジェルさんも叫さんも見た。それだけに、Paragraphシリーズはつい最近のリリースに感じてしまいす。
本当は10年振りなのに、そんな個人的な溺愛指数のせいでイマイチに感じていますが、ライトリスナーにとっては嬉しい企画でしょう。
でも初心者向けとは言えないのが難点。もっと代表曲あるもんなぁ。これは裏番長だもんね。