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DEF LEPPARD - High 'n' Dry - Lady Strange ★★★ (2021-06-28 17:13:48)

哀愁のメロディが映えます
いい意味でのメジャー感とマイナー臭のが完全にマッチ
英国ロックの持ち味とも言える空気がたまらん
愛しさと切なさと心強さが満載です


DEF LEPPARD - High 'n' Dry - You Got Me Runnin' ★★★ (2021-06-28 17:08:18)

リジー風とも言える哀愁のメロディ
サビの味付けも嫌味になっていない
コーラスワークも秀逸だね


DEF LEPPARD - High 'n' Dry - Switch 625 ★★★ (2021-06-28 17:07:14)

このアルバムの中で一番好きな曲です
哀愁のメロディが絶妙ですよね
テクニカルではないが聴かせ方が上手いギターチームも素晴らしい


DEF LEPPARD - High 'n' Dry ★★★ (2021-06-28 17:06:13)

NWOBHMの流れの中でデビューを果たした英国を代表するバンドの2nd。哀愁のメロディが炸裂する④など日本人好みの曲もあるが、基本はアメリカ志向のワールドワイドなスタイルで勝負をしている。
デビュー作から一貫する指向に揺らぎはなくワイルドな粗挽き感をそこそこ残しつつも洗練度も同時に上げ、確実にステップアップしている。一度も上手い歌い手と思ったことのないジョー・エリオットの絞り出すような歌い回しも青臭さの残る、はみだし刑事哀愁系サウンドと程よくマッチしており、彼の歌声は甘酸っぱい青春感を強めているのが印象的です。
若さ溢れるエネルギッシュなプレイとNWOBHM的な粗さ、そこに大衆性を持ち込み無難さを上げたことで前作以上に聴き易くなっている。④が代表曲のように言われるアルバムだが、その次に登場するインストナンバーの⑤も好きだし個人的にはハイライトと思っている、その後に続く⑥も流れを壊すことなく機能している、⑦も絶品と、この流れが大好物である。中盤でダレることなく、むしろアーティステックな面を強めアルバムを強固なものにしている。ここが称賛に値する最大のポイントだろう。前半の軽めな曲で騙されそうになるが、本質はここだろう。
歌メロを含むメロディの質が英国的であり、丸ごとアメリカンになっていない作風も支持を受けるでしょうね。2作目で早くもNWOBHMから脱却を図った彼等、デビュー時から貫かれた姿勢が見事に花開いたと言えよう。


ALFEX - 4carat ★★★ (2021-06-26 18:35:18)

高濱祐輔のソロで1曲歌い、WENDYというガールズロックバンドでシンガーを務めていた村野麗羅と大沢洋恵らが中心となり結成された女性4人組によるハードポップバンドの5曲入りEP。高濱祐輔の助力を得て作り上げたのは歌謡テイストも満載の歌モノロックを披露。出るところでは出ると言うハードテイストも強めのバックを従える村野嬢ですが、中音域はまずまずも、突き抜けて欲しいところで籠ってしまい、歌メロの良さを生かし切れていない、もどかしさも顔を覗かせ、やや不安定な映るのが難点、その辺りの嗜好が評価を分けるでしょう。

時代は1998年、白を基調とした衣装はちょいエロな大人の雰囲気を醸し出すも、地方のキャバクラ的な匂いも漂い、栃木あるいは、赤羽に迷い込んだ気分にさせてくれた。
改善点はあれど、今でも定期的に聴きたくなる魅力がある。ぶつくさ文句を言いながらも良い点を愛で楽しめる我が身の特性を生かしての話なので、名盤だと大風呂敷を広げるつもりはないが、機会があれば耳にして欲しいレアものです。


ALYSON AVENUE - Presence of Mind ★★★ (2021-06-26 18:12:27)

後にNIGHTWISHに参加することで知られるアネット・ビッカートことアネット・オルゾンがシンガーを務めるバンドの1st。メインソングライターはキーボードのニクラス・オルソンなのだが、これが北欧マインド全開の歌モノサウンドを披露。甘く切ないメロディが胸を締め付けます。思い出すのはERIKAとかロビン・ベック辺りですが、こちらは意外に押しが強くギターも前に出てくる場面も多くリズムもスコーンときている、主役たるアネットの歌声も押しが強く、甘美でスウィートメロディなのに十分ロックを感じさせるハードさも完備、女性を卑下する前時代的な偏見の持ち主でもない限り、歌モノロックが好きな人にはたまらんでしょう。
オープニングからスキなし、バラエティに富んだサウンドはカラフルに光り輝いています。嫌味にならない甘さとポップフィーリング、ついついくどくなりそうなサウンドを胃もたれさせぬよう硬軟のバランスを巧みに操り優しく耳を刺激します。
かつては中古市場を賑わせた幻の一品も、簡単に聴けるようになった時代、定額制を謳歌する若者が羨ましい、ワシの若い頃はBURRN!!にも掲載されないバンドに手を出すのはギャンブル中のギャンブル。外しても自分に名盤だと言い聞かせセルフマインドコントロールしてたもんね。

歌モノロックに興味がある、フックのあるメロディが欲しい。でも軽すぎるのは嫌だ、そんな人にピッタリの柑橘系ハードポップサウンドです。


SAINT VITUS - Born Too Late ★★★ (2021-06-23 13:52:30)

長年バンドのフロントマンを務めていたスコット・リーガースがバンドを脱退。後任にTHE OBSESSEDのワイノが参加、その影響もあるのか、前作とは打って変わって幻惑するリズムがのたうち回る初期のスタイルへと帰還、まさに元祖ドゥームロックに相応しいサウンドを轟かしている。
こうなるとデイヴ・チャンドラーのギターも熱を帯びている、前作のような空を切り裂く暴れっぷりもイイが、やはりこっちなんだろう。
このバンドは、ドゥームと言っても暗黒主義ではない。もっと庶民的でロックなメッセージ性がある、特にマニアの間では話題となった①の歌詞など、彼等の身上を明確に打ち出しているだろう。

個人的な記憶では1986年にドゥームと言う言葉で、初期型サバスを形容する人が周りにいなかった。90年代入るくらいから聴きだした言葉と認識している。そういう背景もあるのだろうが、彼等を受け止めてくれるシーンなどなかったろう。アメリカでは全くウケなかった80年代、彼等に生きる道を与えたのはヨーロッパのシーンだったことを忘れてはいない。
一体いつからサバスが崇め祭られたのか、なぜ、そうなったのか皆目見当もつかないが、このバンドにとっては苦難の連続だったろう。

必要最小限の表現方法を用いるリズム隊も行間を生かし緊張感のあるプレイで魅了、けして熱量は高くないが十分エネルギッシュと感じさせるのは流石、弾力性のあるヘヴィサウンドを司るギターも、病的な神経戦を繰り広げブルース臭も沁み込んだ旋律をうねらせる。
不思議な踊りでマジックポイントを奪うように、彼等のサウンドは我々の理性を侵食してくる。それは魔術的ではないかもしれないが、妖しげで摩訶不思議な唯一無二の世界観に、このバンド特有の魅力を感じさせてくれますね。
筋金入りのドゥームマニアにとってはアイコンのような存在である彼等、これからドゥームに挑戦したいと思う若い人には、80年代の不遇エピソードも込みで、このバンドと対峙してもらいたい。
誰にも聴いてもらえないのに信じることをやり切る姿にメタルな精神性を強く感じます。これぞヘヴィメタルでしょう。


SAINT VITUS - Hallow's Victim ★★★ (2021-06-22 17:54:43)

元祖アメリカンドゥームロックの重鎮としてマニアから絶大な支持を受けるバンドの2nd。ある意味、ドゥームファンにとっては最もらしくないと思われている一枚。確かにスローナンバーも存在するが、アップテンポされた曲の方が多く、特に④などは3分にも満たない曲であり、パンキッシュな魅力を撒き散らしながら加速度と激しさを感じさせる曲まで用意してきた。
個人的には、この路線も好きだし、彼等がルーツとしているのはサバスだけではなく70年代的JPからの影響もあるという事を知らしめているようで問題は生じていない。NWOBHMからの派生、そしてサバスティカルな要素も孕み、シーンの中核にレトロな感性を持ちこみ攻め込んできたと解釈したい。SSTに席を置いていると言うのも影響しているのかもしれません。

ドゥーム初心者には実に親しみやすい音だろう、重苦しいグルーブと適度な疾走感、合い間に挟まれる粘度の濃いスローナンバーは焼け付くように聴き手の感性にドロリと絡んでくる。
もうちょっとネジくれた倦怠感マックスのサウンドの方が初期サバスだろうと思う人には、物足りなさはマックスだ。
走り過ぎだよ、おっかさんと苦言も出るだろう、しかし個人的には、このスピード感もありだし真正ドゥームと言うよりは、70年代的なサイケ/ガレージ/ドゥーム/パンクメタル的な発想で楽しんで欲しい。

走り過ぎでドゥームじゃないで切り捨てるには惜しいバンドサウンドなんですよねぇ。あまりブルース臭を感じさせないのも好きなのです、賛否の分かれる作品だろうし、らしさも希薄である。早くも問題作である。それでも千切っては投げる倦怠感も悪ないぞ、このドロリとした病的な感性が走るのも悪ないぞと言いたい。
なによりシンガーの声質的にはドロドロ系よりも似合っていたと思う。そして疾走感はメタルの魅力を体感させる重要な要素ですからね。


SAINT VITUS - The Walking Dead ★★★ (2021-06-22 17:34:59)

今では2ndとカップリングなって聴ける機会もあるし、DVD付きで単品としてもリリースされたらしいが現物を見たことがないので不明、1stリリース後に世に出た3曲入りのEP。ちなみにオリジナルでは②曲目がラストに出てくる。

実際は①②とアップテンポした疾走ナンバーが続き、脱ドゥームと言うのかシーンへの接近を図っているように感じる。とはいえ出している音は時代錯誤なローファイな音質、英国的な陰りのある疾走ナンバーはNWOBHMからの影響もたっぷりと含ませ、そのリフの嵐は聴き手の感性を滅多切り、そしてギターとステゴロで殴りあるリズムプレイも極上のグルーブを叩き出し柔軟な変化を魅せている。
本編の真骨頂は、ここでは②である11分超えの表題曲でしょう。徹底的に無駄を排しシンプルに鳴らすことで不気味さを増幅させた背徳感の強いサウンドに、このバンドの真の姿を垣間見ますが、個人的にはアッパーな①②にも十分に惹かれるし、下品極まりないブーストするギターと原始的なリズムのバトルに息を飲みます。
何故、サバスが神格化されるのに、こっちは無視されるのだろうか?ドゥームに興味を持ち始めた若い人には是非とも進めたい一品ですよ


SAINT VITUS - Saint Vitus ★★★ (2021-06-22 17:20:13)

アメリカンドゥームロックのアイコンと呼んでも差し支えのない伝説のバンドによる1st。
今の若い人は信じないかも知れないが、オジー編成のブラックサバスと言うのは80年代的には非常に古臭い音でアリ、ベルボトムにブーツなんて、当時のメタルファンにとっては究極のダサいファッションであったと同時に、サバスも完全に時代遅れのイケていないサウンドだった。
浮かれまくる80年代にサバスなんて聴いている奴は、よっぽどの物好きというくらいの異端児扱いである。
そりゃそうだ、商業誌は、あの手のバンドを切り捨てお金になる華やかなものに飛びついたのだから。
サンセットストリップの裏街道で活動を続けるSSTレコードを立ち上げたグレッグ・ジン、このバンドは、そのSSTからリリースされている。
既に時代遅れのサウンドを真っ向勝負で展開した気概、そのロックに対する真摯な姿勢に疑念を挟む余地はない。グランジブームが起こった時に、まさか、初期サバスがあんなにもてはやされ不自然なくらいに『俺、昔からサバスのファンなんだ、やっぱオジーは別格だよと、寝言を言いだした奴らの滑稽な顔を忘れる事は出来ません』どんだけ権威にひれ伏し、ミーハーなんだとヘドが出る思いでした。ヘヴィメタルの世界にそんな奴はいないと思っていたら、対立するような情報がないだけに、一番ヤバい集団が集まっているのがヘヴィメタルの世界だったことを思い知らされる。

このバンドは、そんな時代遅れも甚だしい84年に今作をリリース。こんな音を受け止めてくれるクラブシーンもないし、レコード会社もないなかでSSTが手を差し伸べたのはエポックメイキングな出来事だと思っています。
まさに初期型サバスサウンドが降臨しています。神々しいまでに黒い光を放ち、ドラッグカルチャーを押し上げるような、激重リフのうねりに精神が侵食されます。
引きずるような重苦しいリフ、そしてリズム隊はリズムカルなフレーズを叩き出し楽曲に勢い一体感を生み出している。アッパーな①でテンションもあがるのだが、真骨頂とも言える混沌としたドゥームサウンドが顔を出せば、暗澹たる世界にズブズブと沈み込んでいきますね。
個人的には①で掴み、以外とキャッチーな②が勢いをせき止めることなくドゥーミーな世界へ自然に導いているのが凄いと思っている。初心者が聴いても耐性が出来上がるような構成が見事だと思っているし、思春期真っ只中のワタクシにとっても馴染みやすい点でした。
墓標とするのは暗黒サバスです、80年代中期に、ここまでやり切っていたのは彼らくらいでしょうと言いたくなるくらい徹底しています。中々ドゥームが好きだいう筋金入りのマニアに出会う事も少ないのですが、メディアに踊らされるだけではない、本物を味わいたいライトリスナーに挑戦して欲しい一枚です。


DEF LEPPARD - On Through the Night ★★★ (2021-06-20 18:17:00)

全米で大成功を収めたバンドの1stは実にオーセンティックな英国スタイルを基礎としたバンドサウンドで勝負。オープニングから英国的な煮え切らないメロディとリフワークが耳を捉えるも、②ではハローアメリカときたもんであれっとなるが、③以降は英国スタイルに戻り攻撃性と叙情性を巧みに操っている。
とは言えシングルとして先に世に出しているのは②なので、このバンドが目指しているのはアメリカの成功だったんだろうと推察は出来る。
イギリスなんて小さい国から抜け出しアメリカで成功してやると言う野心めいたものを、成功後に聴けば感じる事が出来るかも知れないが、この時点で彼等がヒステリアを作るとは夢にも思えないだろう。

デビュー期がNWOBHMと重なるためにムーブメントの重要なピースとして語られる機会もあるが、彼等の音楽性をNWOBHMと解釈できるのは今作くらいだろう。2作目からプロデュースも含め、随分とアメリカを意識した作りになった。しかし、このバンドの成功は、他のバンドにも多大なる影響をもたらし、音楽性が変遷したバンドもいたのは間違いない。
そういう意味でも彼等はNWOBHMの星だったろうが、音楽性だけで括るなら今作以降は、別のスタイルとして論じられるバンドであろう。個人的にはNWOBHM出身と言う概念で接することはない。大人の力で音楽性を変えたのではなく、自らアメリカ進出を目指していたからに他ならない。

個人的に、愛聴する機会が一番多いのは今作と言うのも影響している。この英国的な陰りを含んだマイナー臭と、ポップセンスの妙、歌い手の甘さと軽めの声質も上手く機能、危険でグラマラスな空気も感じさせ妖しげで火薬の匂いがするロックサウンドを築き上げている。特に⑤みたいな曲は、初期ならではの味わいとも言える。

今作には、ラフなパワーが内包されている。その満ち足りたエネルギーはNWOBHMムーブメントと化学反応を起こしバンドをステージへと昇らせた。そこから、洗練された方向に舵を取り、見事に地下インディーズミュージシャンから脱却したのだが、今作で聴ける未熟で粗削りな面が、とてつもなく魅力的に感じる。
このリフもリズムもメロディも英国ロックならではと感じさせる場面も多いだけに余計にそう思う。個人的には捨て曲なしの名盤ですよ。

デフレパードなんてヒット曲満載のモンスターバンドという認識を持っている若い人も多いだろうが、デビュー期の彼等はメタルを愛する者の耳を刺激しますよ。洗練されたメジャー作品に慣れ親しんだ人には田舎臭い音に聴こえるでしょうが、マニアならば活況するシーンの合間を力ずくで抜け出してきたバンドであることを確認できるはずです。


DENNIS DEYOUNG - 26 East, Vol. 1 ★★★ (2021-06-20 14:59:05)

STYXのシンガーとして知られるデニス・デヤングのソロアルバム。リリースは我らがFrontiers Musicときていますから歌モノマニアなら間違いなく買いの一枚でしょう。
しかも半分の曲をジム・ピートリックと共演となれば尚更ですよ。マニアならずとも見過ごせない共演に期待値も上がりますが、ここでは等身大のデニスの魅力をピックアップ、STYX風味のバランスよく散りばめ、セルフパロディにならぬように配慮、これは純然たるデニスのソロなんだという事を高らかに宣言していますね。
それらしい曲こそデニスの魅力とも言えますが、このアルバムを制作する過程で演者としてのキャリアを終えると宣言した事に驚きを隠せませんが、そんなセンチメンタルな情報は作品の批評に一切影響を与えられない身としては、理屈抜きに良質な歌モノサウンドの出来栄えに目を細めます。
老いて益々盛んなるべし、デニスの味わい深い歌声といぶし銀の楽曲構成に、ただただ聴き惚れました。

今作と対となるVOL.2もリリースされました。彼の華々しいキャリアに華を添えたFrontiers Musicには感謝。そして日本は、いつから欧米諸国のセカンドラインに成り下がったのか、情けない気持ちにもなる。


BLOODVALE - Lobotomy ★★★ (2021-06-15 12:19:42)

ドイツの4人組が奏でるのはテクニカルな要素を孕んだオールドスクールスラッシュ。その清々しいまでの清い姿勢には爽快感すら漂います。自主制作ですからあれなんですけど、サブスクで簡単に聴けますから無問題です。
欧州由来の叙情的なフレーズもありますが、そのメロディアスなフレーズの導入とテクニカルな要素からはAnnihilatorのようなバンドを想起させ、苛烈なるアグレッションさからはArtilleryのような個性もくみ取れる、勿論、Metallicaを始めとしExodusやSlayerなどの王道的なスタイルの類似点はあれど、それは皆がシェアするアイデアでしょうと好感すら持て古くて新しい現代に蘇った古典スラッシュを前に笑みもこぼれます。

今風のプロダクションを生かしたサウンドは鮮度も抜群、弾力のあるヘヴィグルーブも変化自在、刻まれるリフもいい、なによりメロディアスなパートの導入も耳を惹く、そしてスラッシュ由来のドラマ性は迫りくるスリルに対する緊張感を煽り、加速度アップに貢献。最後まで途切れなかった緊張感、モロ出しじゃないアイデアの再構築の上手さがオリジナルティの確立に貢献している。


WILD HORSES - Stand Your Ground ★★★ (2021-06-14 20:00:19)

2013年にCD化されたときはリマスター&ボートラ8曲追加の豪華版が登場。前作同様メインを張る二人を軸としたいぶし銀のハードサウンドを武器にシーンに切れ込んできます。
哀愁のメロディとポップセンスを生かした楽曲は前作以上に統一感を持たせクールに鳴り響いている。THIN LIZZY譲りとも言える男の哀愁を滲ませたメロディはフックを伴い切れ込み、大きな見せ場を設けている。これならばNWOBHMブームを上手く活用できるスタイルに近づいたと言えるだろう。
今もってNWOBHM四天王の紹介は無理があるのだが、ムーブメントを牽引するだけの魅力を磨き上げてきた。参加メンバーの知名度的に1stの方が有名だが、個人的にはサウンド的な好みは2枚目の方が上であり、今でも手が伸びるのはコチラの方が頻度が大きい。
大きく打ち上げられたアドバルーンに伸るか反るかでセンスも問われるのですが、やはり出している音が重要でしょう。今となっては笑い話の四天王トーク、このバンドは局地的なムーブメントなど必要としない自肩の強さがあるバンドだった。しかし、短命に終わったし再結成も見込めない今となっては、認知度も上がり切らないのだが、古き良き英国ロックの良さを素直に伝えてくる音楽性は、今でも十分刺激的ですよ。


WILD HORSES - The First Album ★★★ (2021-06-14 19:43:21)

遺恨を残してバンドを去ったとワイドショー並みの話題を提供したブライアン・ロバートソンと元RAINBOWのジミー・ベインが合流することで結成されたバンドのデビュー作。
THIN LIZZYにも通ずるポップセンスと哀愁のメロディを武器に割かし馴染みやすいサウンドを披露。オープニングの①こそヘヴィな音像で迫るが、②からリジィ節も作れる、ロマン溢れるバラード④ときてバンドの方向性も見えてきましたが、軽快なロックンロールスタイルと、垢抜けない英国風味を強く打ち出し各メンバーのバックボーンも無理なく投影した、実にオーセンティックなハードスタイルで勝負、勢い重視のNWOBHM勢に対して、ベテランの駆け引きの上手さと言うのか、引き出しの豊富さを魅せた形になったでしょうね。
古典ハードロックとして矜持といったところなのでしょうが、英国的なロックスタイルが強く打ち出されており、NWOBHMの枠組みに放り込むには無理があるでしょうね。ギターもブルース過ぎるしね。

90年代の中頃から、グングンとNWOBHMの魅力にひかれ、2000年以降はメインとなるのがマイナーNWOBHMバンドだった。日本で紹介されたNWOBHMというのは随分と湾曲されて伝わっているなぁと肌で感じましたね。そんなワタクシは、このバンドがかつてNWOBHM四天王と日本で紹介されたと知った時は心底驚きましたよ。
しかもメイデン、GIRL、DEF LEPPARDの組み合わせですよ。今とは違い特定のメディアの情報に頼るしかない時代背景があればこそ通用する枠組みですが、今となっては笑い話ですよね。
ちなみに、当時を知る人に、四天王の話を聴いた時は信じられませんでした。何故ってGIRLは外タレ好きの女子からワーキャー言われ、このバンドもレイバンのサングラスがカッコいいと、女子から支持を受けたんだと教えられました。にわかには信じられませんが、本当なら凄い話ですよ。
どう考えてもレコード会社と雑誌編集者が結託して、この地味目のベテランバンドを売る為に考えられた戦略にしか思えない。ある意味、プロパガンダと言いたくなるような政治的な戦略であろう。
そのおかげで女子ウケしたのなら戦略勝ちですね。そして、それってバンドの足枷になったような気がする。このバンドからは厳つさは幾度感じない。80年代当時でも古いレイトバックした英国スタイルを築き上げている。
若い人なら知らないエピソードだろうが、NWOBHM云々ではなく、古典英国ロックとして楽しんで欲しい。英国流儀に則ったバラエティ豊かな楽曲が目白押しである。そして、オッサン臭い地味なサウンドを飽きの来ない定番をやっています。


VALHALLA - Unearthed ★★★ (2021-06-13 16:27:46)

オリジナルは1992年にTwelfth of NeverというタイトルでリリースされたEP。それをCult Metal Classics Recordsが2019
年にタイトルを改めて再発してくれました。
ギターが元Maltezeのサミー・フジキ。そしてベースはマックス・コバヤシという日本人なのか日系人が2名参加、その影響もあるのか、メロディと展開を大切にしたワビサビのある正統派HM/HRサウンドを披露。歌メロもしっかりとフックもあり、大陸的でおおらかなミドルナンバーにも光沢のある艶めかしいUS産コンクリートスタイルを練り込みつつ、自分達のサウンドと言うものを確立しようとしている。
単純に走るわけでもないし、キャッチーさで魅了するわけでもない本格的な作り込みは、メタル特有のドラマ性を高め楽曲の中に明確は起承転結を設けている。ヘヴィなサウンドに設けた様式美的な展開、個性は薄めかも知れないが、自分達のスタイルを確立している。
収録曲は全5曲、なかなか全容はつかめないが、バラエティ豊かな曲調を用意しているので好感が持てますね。もっと聴きたいと思わせたのもプラスです。


MALTEZE - Count Your Blessings - Borrowed Time ★★★ (2021-06-13 16:04:25)

ここいらでようやくテンポアップということでしょうか
歌メロもしっかりとしており耳にスッと飛び込んでいます
この曲に関わらず少々リバーブが掛かり過ぎですが
これもインディーズという事で無問題です
妖艶なるダークでメタリックなサウンドが全開です


MALTEZE - Count Your Blessings - Count Your Blessings ★★★ (2021-06-13 16:01:14)

このバンドの魅力がギュッと凝縮されたようなドラマ性のある一曲
捲し立てるコーラスパートもカッコいい
妖しげでメタリックなバンドサウンド魅了
真骨頂でしょうね


MALTEZE - Count Your Blessings ★★★ (2021-06-13 15:59:47)

女性シンガー、バーバラ・マルテーゼのマルテーゼをバンド名にした米国産正統派メタルバンドの1stなのだろう?それともEPなのかな?リリースは1990年、正統派メタルとしては微妙な時期だけに、この作品の置かれた立場は厳しかったと推察されるが、クオリティは物凄く高くパワフルかつエネルギッシュなメタルサウンドがテンコ盛り、合い間に挟まれるアコースティカルな静のパートも上手く機能させ、叙情的な面もフォロー、ワビサビのある展開に日本人ならグッと惹き寄せられるでしょうね。
もっと金をかけコーラスパートなんかも豪華にすれば、さぞや神々しいクリスタルパワーメタルになったのにと思いますが、ここに収録された8曲も十分に光り輝いており、ヘヴィメタルのヘヴィな部分に惹き寄せられる生粋のマニアなら前のめりになるでしょう。でもポップで何でも良いから速い曲を欲しがるマニアには退屈に聴こえるでしょうね。

腹の据わったヘヴィメタルを歌い上げるパワフルヴォイス、歌メロも意外なほど親しみやすく視聴感も悪くない、なによりメタルに対して真摯である。媚びを売らず徹底したストロングスタイルを築いている。その強い信念の上に成り立つサウンドだからこそ、いつまでも色あせないのでしょうね。
DIOやレザー・レオーネなどのに興味のある方はイケると思いますよ。ギターはそこまでテクニカルではないのですが、バンドサウンドに頂点にあるのは唄だと言うのも心強いです。
ダークなメタルサウンドは、どこか妖しげで艶っぽい。女性シンガーならではの強みと言うか魅力を上手く打ち出せているのも見逃せませんね。


SAXON (2021-06-13 15:09:23)


まず上記の発言に対して私が HIGASHIというユーザーを個人攻撃していると思われるのはキツイので正式に謝罪します。

どうしてそう思われたのかは分かりませんが、私、自身は特定の誰かに対して、気に入らないから攻撃してやろうという概念を持ち合わせてはいません。
どのあたりがHIGASHI批判に繋がったのかは私にはよくわからないのですが、そう思われたのであれば違いますよと断言します。そして今後も個人攻撃をする予定はないのでご安心ください。

これは失礼な言い方になりますが、正直、HIGASHIさんの発言に対して意識をして目を通したことがほぼありません。
今回も目に留まったのは≪BURRN!!のレビューに歩調を合わせるだけの自称サクソンファン≫の部分があったからです。
これはやぶさかではないと思い、長文を拝見しました。
失礼なのですが、私がこのサイトにいるのは、自分の知らないバンドや、思いもよらない的確な発想で魅了するユーザーが一人います。その方が投稿を続けているので、私も投稿を止めないだけです。彼がいなくなれば、私もいなくなることになるでしょう。

ですから、HIGASHIさんが、私のコメントに目を通し、そして、こいつは俺を攻撃していると感じたのならば、それは違いますよと言いたいのです。何を言っても言い訳に感じるでしょうが、個人的には、そのような器の小さい行為を行う事は物凄く恥ずかしいのでやりません。もっとフランクな言い方をすれば、スベッているになります。個人攻撃する奴はスベリ散らしていると思うからです。
だから、今、私は凄く恥ずかしいのです。失恋船長は、他のユーザーのコメントに目を通して、気に入らないから攻撃していると思われた事が死ぬほど恥ずかしいのです。クソスベリ散らしているのです。
もう厳しいです。

これ以上は、何も申し上げる事はありませんが、間違ってもHIGASHIさんのコメントに目を通して、俺のと違うという理由で攻撃することも反論することも永遠にありえません。
もう一つ言えば他者との交流を望んでいません。そんな中で特定のユーザーを攻撃しようとは思いません。

私は、今とても恥ずかしいです。それは、日ごろ意識もしていないユーザーさんから、あいつ俺の事を意識していると思われた事が恥ずかしいし、他のユーザーから、あいつ、のHIGASHIことを意識してたと思われるのも恥ずかしいのです。
あえて言いますが、全くHIGASHIさんに興味ないのです。バカにして言っているわかではありません、他のユーザーもほぼ同じなのです。だから、気にしないで下さいと言いたいのですが、言い訳がましいので、もうやめときます。

不快な思いをさせて申し訳ありませんでした。


GYZE - Oriental Symphony - Samurai Metal ★★★ (2021-06-10 13:56:16)

国際的に認知度を上げている北海道のメロデス系バンドのEPから
コミカルさをあるPVを見てバカにされていると不快感をあらわにする潔癖な方もいるでしょうが
三味線の音色も耳を惹くジャパニーズフォークメタルと呼びたくなる
欧州風味満載のメロデスサウンドに和音は良く似合います
サバスのアイオミも和音リフ全開ですからね
細かいことは言わずに好戦的で刹那なメロディをもって分かりやすく突進してくる
サムライロックに身を委ねて欲しいです
こういう少々バカバカしいほどのデフォルメ強めだが大まじめなサウンドは大好きである
本人たちが本気でやっているから成立している
目の肥えた海外のマニアを打ちのめして欲しいですね


KILLER DWARFS - Killer Dwarfs ★★★ (2021-06-10 13:32:01)

洗練されたサウンドを向こうにある本格派のスタイルが魅力でL.Aムーブメントとも折り合いをつけて活動していた印象があるカナダのHM/HRバンドだった彼等のデビューアルバム。
まず驚かされるのが、後年のスタイルを比較すると実に堅実で泥臭いハードサウンドを披露している。その出で立ちはNWOBHMにも通ずる硬派さと、ソリッドでヘヴィなスタイルを軸に、アンサンブルの頂点には唄があるという仕様。邪念のない正統派スタイルでグイグイと迫っています。
この手のスタイルの評価は二分するでしょう、派手さに欠け親しみやすいキャッチーさがあるわけでもない、そういう意味でメジャー流通の時流に合わせたものを好む方には少々敷居は高くなるのだが、時代に関係なく基盤となるヘヴィメタルの基礎を築いた、あのサウンドが好みの方は、この安定感のあるハードサウンドは実に体に染み入るでしょうね。
カナダ産だけに大陸的なうねりを土台に、熱を帯びたメロディが、ほのかな哀愁と屈強さを伴い力強く打ち鳴らされている事に好感を覚えるでしょう。
ハイトーンも絶妙な形で歌い込まれている。骨太はグルーブも軽快に聴かせる手腕と、重苦しくさせないライトな感覚、その頂点に唄があると言う仕様を見事に成立させている。それでありながらもハードな力感を損なわない完成度の高い楽曲に目を見張りますね。これは地味ではなく堅実なんだと言いたい。


Work Force - Work Force ★★★ (2021-06-09 01:00:15)

サンフランシスコを拠点に活動していたキーボードを含む6人組が1989年にリリースした1st。熱を帯びた歌声はロックなパッションに孕んでいるが、出しているサウンドに合わせるように絶妙に押さえ暑苦しさを緩和。そのおかげで、素直に耳に飛び込んでくる。彼等が奏でるサウンドはアメリカの良心とも言える、質の高いロックサウンド。歌を主軸に、嫌味ならない程度の売れ線志向を滲ませながら、アーティステックな感性も鋭く迫り、硬軟のバランスを上手く取りながら売れ線をサウンドをねじり込んでくる。本当にグリグリとねじ込むのだが、その反面、個性と言うか優等生過ぎて正体が見えなくなっているのは気になると所。TOTOだしJOURNEYだしFOREIGNERである。そういった先人たちの成功の足跡を叩き台にしたベイエリアAORサウンドは、王道を行く展開で聴き手を魅了。
きらいな人はトコトン駄目だろう。ワタクシも10代20代の血気盛んな頃なら大激怒である。ある程度、モノの分別が付く年頃になってからは、随分と嗜好も変わった。今ならば、暑い日に窓を開け、海辺を走りながら大音量でいきたいもんである。上手い唄と事故を出し過ぎないツボを押さえた職人技の演奏、そして万人にウケそうなハードサウンドを展開させる聴かせ上手な楽曲群。一度聴いたら覚えそうなメロディも秀逸であろう。


SAXON - Inspirations - Problem Child ★★★ (2021-06-07 20:27:22)

豪快なノリもサクソンに似合います
これも全米制覇を企てていた時代を想起させますね
そして自分たちのオリジナルような親和性があります


SAXON - Inspirations - Hold the Line (2021-06-07 20:22:01)

まぁまぁですよね
オリジナルは歌が凄く上手い
あのフィーリングはビフでは出せないでしょう
バックボーンの違いですよ


ALOGIA - Semendria ★★★ (2021-06-06 20:53:16)

つい最近まで全く知らなかったセルビアンメタルを代表する現役バンドの最新作。パワフルかつシンフォニックサウンドは意外なほど様になっており、付け焼刃ではない長年に渡り熟成された音楽性のような気がします。
主軸なるツインギターコンビはブランコビッチ兄弟。シンガーにはEden’s Curseでも活躍するニコラ・ミイッチがいるので、そっち方面のメジャーサウンドに詳しい人ならば当然の如く押さえているのでしょうね。
親しみやすいメロディとメタルバンドが持つ熱いドラマ性、裏切らない展開と欧州風味満点のメロディは、メジャー感に満ち溢れており、普段C級D級の四畳半一間なNWOBHMサウンドを愛聴するものには眩しいくらいである。

これだけでも凄いのに、今作は①にマーク・ボールズ、②はリッパー・オーウェンズ、⑦はファビオ・リオーネとやり過ぎなくらいドンピシャのゲスト参加で華を添えています。②みたいな歌唱のリッパーも新鮮でした。
疾走する叙情的なメロディの数々、そしてフォーキーさも散りばめたシンフォニックパワーメタルサウンドは、個人的には少々恥ずかしい気分になるので熱心に耳を傾けないのだが、今作を聴いたきっかけは、なんてことはない第三のブランコビッチなる派手目の顔立ちの妹が参加したことが大きい。

メロディアスロックの総本山、フロンティアからThe Big Deal なるバンドがデビューするらしいのだが、そこでシンガー兼キーボードで参加しているらしい、そこからの繋がりです。キーボード弾きながらROCK THE NIGHTがちょいエロなのよ。そんな不純なセクシャルハラスメント全開のマイノリティー違反を繰り返すワタクシは、銃殺さても文句も言えませんが、忙しいです。雑誌なんかなくともいくらでも情報が入る時代、本当にフォローしきれませんよ。

横道にそれ過ぎましたが、オランダのElegy+アメリカのKamelotが合体してバルト風味に仕上げたようなサウンドになっていると思います。門外漢のサウンドなので、この辺りの類似性しか見い出せませんが、フォーキーさなどはrhapsodyのようなRPG戦闘シーンメタルが好きな人にも訴求するのでしょうね。
でも、このバンドが先人達からパクリ倒しても気が付かない、ライトリスナーなので、ツメの甘さはお許しください。妹から繋がったんっす。


CACUMEN - Down to Hell ★★★ (2021-06-06 20:12:08)

BON FIREの前身バンドとして知られるCACUMENの3枚目。オープニングの①はBON FIREでもリメイクされる曲で、両者の違いを味わえる叙情派サウンドで魅了してくるが、②では渡米後のSCORPIONSをイメージさせるような明るめの曲も用意、だが中身は濃厚な欧州風味が漂っており、単なるフォロワーでは終わらない魅力が満載。
堅実なプレイとアレンジ、何を聴かせたいかも明確に定めたバンドサウンドに死角は見当たらず、硬軟のバランス感覚に秀でた攻撃的なハードサウンドを聴かせてくれる。ACCEPTでもSCORPIONSでもない、洗練されたジャーマンサウンドの旨味。勿論、ハロウィーンのようなコミカルさもシュラガー風のコマーシャル性でもない、親しみやすさを隠し味に、フックのあるメロディを鋼のサウンドに搭載しつつ華麗に駆け抜けてきます。
ある意味、改名後は垢抜けすぎたという面もあるのだが、そこに不満のある方はこちらの方が大いに楽しめるでしょう。オープニングナンバーのみならず、これをたたき台に動き出しているのは間違いないので、その違いを楽しめる仕様になっているのも面白い。硬派なナンバーのみならず、泣かせのバラードも絶品だったのが強い。


VANILLA NINJA - Blue Tattoo ★★★ (2021-06-04 16:32:52)

エストニアのポップロックバンド。全員キュートでカッコイイ女性で纏められています。それもその筈で、こういうバンドをやるぞと言う大人の力が働き結成されたバンドなのだから、当然と言えば当然なのだが、曲もパフォーマンスをしっかりしており、異国情緒あふれるヨーロピアンな香りがする叙情的なメロディに耳が持って行かれます。
ゴシカルだしロックしているし、女性シンガーが活躍するゴシックメタルやエヴァネッセンス辺りが好きなマニアにも訴求する魅力はありそうだ。
個人的には、少々エッジ不足でアルバムを通して聴くには厳しいものがあるが、数曲つまむには全く問題は生じず、この哀愁のあるメロディに惹き寄せられますね。インギーの奥さんだったエリカの1stを思い出させるような曲もあり、とにかく哀メロハードポップファンなら大いに楽しんで貰えるのではないでしょうか?
ダイハードなメタルファンには、こんな甘ったるいもん聴けるかと叱られそうですが、ある意味ABBAのハードサウンドヴァージョンと言えたりもして、色んな方面から音楽を聴いている人たちをおもてなし出来る多様性のあるサウンドだと思っている。
でもなんでバンド名がヴァニラニンジャなのだろうか?興味あるねぇ。


44 MAGNUM - ANTHOLOGY ★★★ (2021-06-04 16:16:36)

オリジナルは1989年にリリースされたベスト。音楽性をダンサンブルなものに変貌して活動を続けるも、結局バンド運営は続かず、ドラムも宮脇が脱退を決め解散へと至るのですが、このベストアルバムは、マグナムのHM/HR時代にフォーカスを当てており、全13曲の内12曲はライブでも定番の代表曲ばかり、こぼれた曲はあれど、この一枚で十分にマグナムの音楽性を知ることが出来る仕様になっています。ちなみに13曲目は未発表曲となっていますが古くからのファンなら知っている人も多いでしょう。いずれにしろ、サプライズ的な曲も用意しアルバムをコンプリートしている人でも購買欲を駆り立てるような商売上手さがなんとも憎らしい。

個人的には、今でも定期的に手を出したくなる一枚であり、マグナムと言えば1stと同じくらい愛聴するアルバムです。とは言いつつもオリジナルアルバムを揃えている身としては断捨離なんですけどね。
こういうのを見るとすすまんのよ。CD文化を終わるから手放した方が良いのに、思い入れが足止めします。難しいねぇ。


Gilt Face - 裁 (2021-06-04 16:06:39)

本日、断捨離を行う最中で見つかったCD。正直、自分で購入した記憶もなく所持していた認識がない。誰かが置いていったのか?全く思い出せないのだが、初見のようなフレッシュな気持ちで聴いた一枚。
ジャパニーズテイスト満載のスラッシーなサウンドは、全体的に線が細くダイナミズムに欠ける音質がなんともインディーズ臭を全開に感じさせるが、フラットバッカーのようなパンキッシュさにガーゴイル風の和風感を混ぜ込み、ファストドロウようなうねりとスラッシーさにヴィジュアル系を隠し味として放り込んだ闇鍋的なニュアンスを醸し出すサウンドでした。なかなか、上手く例えられないのだが、どこか捉えどころがないのに、聴いた事があるサウンドと言うには、決定打に欠ける印象を深めており、自分の記憶になかったことに納得してしまったのだが、いずれにしろアンダーグラウンドな香りがプンプンと漂うサウンドを披露しています。
やっぱりこういう音はもっと立体的で分離が良くないと伝わらないでしょうね。でもゲストでダムゼルのギターだった佐伯が参加と、個人的にはチョイとしたサプライズもありましたけどもね。
和風メタルとしては脇も甘いが福岡メタルマニアには見逃せないバンドでしょう


BLACK 'N BLUE - Hell Yeah! ★★★ (2021-05-31 21:38:05)

紆余曲折を経てようやく日の目を浴びた復活作。Frontiersが噛んでいるなら安心できるファンも多いでしょう。今作に確かにトミーセイヤーと言うエースは不在ですが、全員野球で自らの看板を守り切っています。
単なるノスタルジーではない、現代的なエッセンスも取り込み、自らのルーツなる70年代的な要素すら取り込み、ワイルドかつ明朗快活なハードサウンドを披露しています。
血統を汚すことなく、やり切った新生サウンドは懐かしさも一杯。粘り腰のヘヴィグルーブも心地よく鳴り響き、そこに王道的なポップス的エッセンスをぶつかり合うことなく融合、自分達の魅力を端的に伝える事で、新風をより強い味方にしている。ベテランらしい小技を効かせつつもストレートな勢いを損なわないアレンジセンスの妙味、迷いがないからこそ、ヘヴィさとポップさを共存させられたのでしょう。少々、出来過ぎなきらいもあるが、これはこれでアリでしょうね。個人的には15曲は多いなぁ。10曲くらいに絞って欲しかったのですが、それも贅沢な悩みという事でファンの方には許してもらいたいです。でもボリューム多すぎるで…


THE RODS - Vengeance ★★★ (2021-05-31 21:24:24)

男の哀愁を纏ったヤサグレハードサウンドを信条とするバンドが、往年のメンバーを引き連れ復活。AC/DCやMOTORHEADに例えられるような豪放磊落なシンプルサウンドは健在、そこにデイヴィッド“ロック”フェインステインのワイルドなギターが心地よく鳴り響きバンドサウンドを牽引、パワフルなリズム隊も呼応するようにワイルドなグルーブを叩き出し後方支援と完璧なアンサンブルを見せつけてきた。
この誤魔化しの効かないシンプルなハードサウンドは、懐かしさも手伝いハートにビンビンに鳴り響いてきます、もうソリッドでクールでホットな奴ですよ。理屈なんて必要なし、やんちゃで大人げない、男のハードサウンドに仰け反りまくりです。コンパクトに纏まった楽曲に込められたハンパないエネルギー、その破壊力を全身で浴びたくて気が付けばボリュームも上がりますよ、かつてはY&Tと対を成すようなバンドとして目されましたが、今やANVIL辺りと同じベクトルを放っていますね。大好きです。
今作のエポックメーキングは、もう一つあります、恐らくロニー・ジェイムス・ディオが生前最後に残したテイクと話題になった⑤でしょうね。マジカルさも漂うヘヴィなミドルナンバーを前に、マニアならずとも聴いてみたいと思わせる一曲ですよ。


SLAYER - God Hates Us All - Bloodline (2021-05-28 16:53:10)

スレイヤーらしさは微塵も感じません
この時代ならではのヘヴィなミドルナンバー
グラミー賞にノミネートだったか受賞したかは知らないが
そういう効果もあって比較的人気のあるアルバムだった
この曲はPVも作られアルバムを代表するような曲なのだろうが
これならアルバムに手を出さなくても良いとオジサンには大助かりだった一曲
最近サブスクで聴きましたが凄い時代に擦り寄りでしたね
もうスレイヤーじゃないよ
でも売れるってこういう事ですからね
血塗られたPVも凄いインパクトです
だから彼等は変わってなんかいないんですと言っているように感じました


ANTHRAX - Spreading the Disease - Madhouse ★★★ (2021-05-28 16:45:04)

ライブでは定番のクラシックナンバー
これぞアンスラックスという曲ではないが
PVも作られ並々ならぬ思い入れもあるかと思う
キャッチーでノリの良い一曲
ザクザクと刻まれるリフも懐かしい
アンスラックス初期の雄姿が蘇ります


ANNIHILATOR - Alice in Hell - Alison Hell ★★★ (2021-05-28 16:41:41)

出だしからドラマティックである
それでありながらも不穏な空気がゾクソクと期待を煽り
このバンド特有の緊張感を生み出す
アホには出来ないIQ高めのソングライティング力
テクニカルな要素を際立たせなくとも伝わる臨場感
この一曲でバンドの全貌も見えてきそうだが
同時に底の見えない恐怖もある
恐るべしアナイアレイターサウンドである


TESTAMENT - The Ritual - Electric Crown ★★★ (2021-05-28 16:36:09)

90年代に入り多くのバンドがモデルチェンジを図っていました
このバンドもご多分の漏れず
そうなるのですが上手くやっています
メロディアスかつキャッチーな新生アルバムに相応しいシングル向けの一曲
これはこれで必要なトラックである


ALICE COOPER - Trash - Bed of Nails ★★★ (2021-05-28 13:21:39)

狙っていますねぇ
売れ線ですが
アリスの不気味さを上手く出しています
viva80年代ですよ
メインストリームだねぇ
でも刺激的なハードさがある
そこがカッコいい


DAMN YANKEES - Don't Tread - Where You Goin' Now ★★★ (2021-05-28 13:19:19)

これも質が高い
良くできたメジャーロックである
唄えるメンバーがいるからハーモニーも強い
易々と感動を運んできますね
ジメジメとした梅雨を吹っ飛ばしてもらいましょう


DAMN YANKEES - Damn Yankees - Come Again ★★★ (2021-05-28 13:10:43)

泣かせるねぇ
本当にどのチャンネルを捻ると泣けるか知っとるよ
質の高いメジャーロック
この力量とセンスを持ち合わせる凄腕集団
素人も玄人も楽しませる最高のバンドだった


DREAM POLICE - Messing With the Blues ★★★ (2021-05-27 13:12:19)

ノルウェーからアメリカンロックを引っ提げ日本でも1991年にリリースされた2ndにてラストアルバムでもある。ギターがのちにWIGWAMで活躍するティーニーということでマニアなら知っている人も多いでしょうが、知名度はけして高くありません。しかし、音楽性の偏差値は高くVAN HALEN辺りを真っ先に思い出しそうになる優等生サウンドを披露、テクニカルな要素もさりげなくねじ込めるキレのあるギターと、ダイアモンドデイブを彷彿とさせる唄、ビックコーラスも効果的に起用しながらも、飾り過ぎない王道ロックサウンドは、煌びやかなポップセンスを巧みに混ぜ込みシンプルに打ち鳴らしています。軽快でカラッとした雰囲気もあるが、やはり出身が北欧だけに、甘美でスウィートなメロディラインも顔を覗かせ、やはり丸ごとアメリカンにはなりません。
90年代に入り、この手の北欧アーティストも増えました、ちょいブルージーなハードサウンドがウケだしていた時代をど真ん中に射抜いた作風でもあります。当時のシーンを垣間見た、若い人にも歴史を紐解く上で聴いてもらいたい一枚。
そして移り変わるメジャーシーンに付き合うのは大変なんだと言いたい。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - At the Movies the Soundtrack of Your Life Vol.1 - Maniac ★★★ (2021-05-26 19:54:34)

有名な映画の挿入歌
映画は見たことなくても聴いた事ある人は多いでしょうね
シンセポップを見事にハードサウンドへと変貌
メロディラインが強いオリジナルの味を生かしたアレンジもきまっています
二人のシンガーによる掛け合いも見事に華を添えていますよ


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - At the Movies the Soundtrack of Your Life Vol.1 - Wouldn't It Be Good ★★★ (2021-05-26 19:49:01)

女子が好きな胸キュン映画の胸キュンナンバーやんかぁ
押しの強いロックヴァージョンになっていますが
サビでパッと開ける展開にキュンとなるよねぇ
コーラスの重ね方もイイ
キーボードの使い方も悪ないぞ


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - At the Movies the Soundtrack of Your Life Vol.1 - St Elmos Fire ★★★ (2021-05-26 19:45:21)

ジョン・パーの曲ですよ
懐かしいことをしよるなぁ
そよ風に吹かれながら遠くを見つめますよ
少々暑苦しいヴァージョンになっていますが
懐かしいです
メタル懐メロ大会に足を踏み入れた気分です
藤本朗が唄っていたナツメタル思い出したな


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - At the Movies the Soundtrack of Your Life Vol.1 - The NeverEnding Story ★★★ (2021-05-26 19:40:53)

なつかしいなぁ
ファンタジーに心を躍らせた子供時代を思い出します
単なるカラオケ大会かも知れませんが
ワタクシは素直にこの世界を受け入れます
懐かしいでぇ


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - At the Movies the Soundtrack of Your Life Vol.1 - Far from over ★★★ (2021-05-26 19:38:41)

オリジナルを唄うのはスタローンの双子の弟フランク・スタローンの曲
映画は見た事はありませんが曲は知っています
この切迫感のあるリズムが好きですね
歌メロもフックがあってよい
オリジナルの味を残しつつ切れ味の鋭さを増しハードテイストを強めています


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - At the Movies the Soundtrack of Your Life Vol.1 - The Power of Love ★★★ (2021-05-26 19:34:28)

オリジナルはヒューイ・ルイス
軽やかな80年代的なエッセンスとソリッドなハードテイストの融合
名作を思い出させる好カヴァーですよね


SCORPIONS - The Hunters ★★★ (2021-05-24 13:22:18)

1975年にスコーピオンズのメンバーがザ・ハンターズと名乗りレコーディングを行ったレア音源。しかも、2曲ともパワーポップ系アーティとのカヴァーときている。あのウリ・ロートが弾いているの?それもだけでも興奮しますが、選曲の意外性や真面目にカヴァーする姿勢、なんともスコーピオンズらしいと感じますね。
クラウス・マイネの唄ウマ選手権ですが、見つけたら楽しんで貰いたい一品です。


VOIVOD - Rrröööaaarrr ★★★ (2021-05-24 12:59:52)

オープニングナンバーから大暴れ、無軌道に外れているようだが、これも計算尽くめなのだろう。エンディングに向けてドンドン整合性が増している。このオープニングナンバーから、このバンドの成長も伺えるが、前作のスタイルを踏襲しつつも、より明確な意思表示を魅せ、とにかく楽曲毎に大暴れである。恐れを知らない大胆さ、無慈悲なるブラッケンドなサウンドは、血生臭い地下メタル的な腐臭を漂わせつつも、破天荒な力技ではない知性を感じさせ、このバンドは大まじめに、こういう音を叩き出している。
NWOBHMから派生したプレスラッシュ群からの影響もたっぷりと滲ませつつも、単なるアイデアの寄せ集めではない亜流になりさがらない個性、そして確かな腕が支えるアレンジセンスの妙、ついつい力任せになりがちな面でも、しっかりと技術でカヴァーしているのがカッコいい。


VOIVOD - War and Pain ★★★ (2021-05-24 12:47:24)

新興勢力として世の中に出てきたスラッシュメタル。当時は、ヘヴィメタルとパンクの融合と呼ばれたりしていた。パンクとメタルの違いを教えて、ごくごく一般的な質問だが、これが以外と苦労する。どうでも良いエピソードだが、このバンドの音を聴くといつも、そのことを思い出す。ハードコアパンクス的な直情的過激さ、そしてメタル的な構築美のあるテクニカルな要素、その両面から駆け付け激しくぶつかり合う個性は、独創性を高め刺激的に聴き手の感性を煽ってくる。

グリグリ、ガリガリと刻まれるリフ、ストレートにドライブするだけではない起伏のあるヘヴィグルーブの粘り腰、キレがあるのにモッチリとしたサウンドは、このバンドとしてのオリジナルティを猛烈に感じさせる。VENOMの暗黒面、そしてMOTORHEADの暴走感すらも土台にして作り出した自分たちの音、デビュー作としての完成度はめちゃくちゃ高い。


HYKSOS - Hyksos ★★★ (2021-05-19 09:17:42)

かつてMetal Massacre IIに参加したことでマニアにも知られるカルフォルニアの5人組。古代インド史に登場するヒクソン人からバンド名を取ったのかな?ファンタジックな世界観を下地に繰り広げられるマイナーメタルの世界、70年代のJPからの影響も伺えるトラディショナルサウンドは英国的な湿り気と叙情性を感じさせるのがポイント。リリースが1982年だけにNWOBHMの影響も受けているが、なんとも例えようのないエピカルさも顔を覗かせ、煮え切らないぬめっとしたサウンドを披露している。とはいえインストナンバーの④などに現れる、もう一つの顔。腰にくるノリの良さ、そのブルージーなガレージ臭もハマり、彼等がアメリカのバンドであることを強く認識させられた。

その後はコンピ作にも提供した⑤でアクセルも踏み込み後半戦をスタートさせます。JP風味もそこそこに、多彩なアイデアと各々が抱える音楽性、そのバックボーンの違いが、チグハグに映る場面とハマった展開があったりと、いかにも1stらしい側面は抱えているが、ありきたりのメジャー流通作品に飽きたマニアならば、このバンドがギラリと異彩を放つ瞬間を見逃せないでしょう。でもまるで、あの曲はあれでしょうもあるのですが、そこは1stという事で大目に見ていただきたい。でも、一番気になるのは、突然素っ頓狂になる唄でしょうね。つくづくハルフォードって偉大だなぁと思いますよ。


Regime - Straight Thru Your Heart ★★ (2021-05-16 19:43:58)

ギターにリック”ハンター”マルティネスを要するクリスチャンメタルバンドの1st。オリジナルは1990年辺りにリリースされている。2004年にアウトテイクやライブ音源などを追加して再発というか、日の目を浴びた作品なのだが、これが懐かしいい時代を想起させるメロディアスUS産HM/HRサウンドを披露。
そのどこかで聴いた事あるデジャブ感を味方につけ思いっきり勝負を仕掛けてきます。清々しいくらいのやりように、逆に応援したくなりますが、強引なリックのギターが少々邪魔に感じられる場面をあったりと、好みを分けそうだが、懐かしい感じを楽しみたいマニアには需要もあるだろう。ある種のパワープレイも懐かしい、何より活きが良くバラエティ豊かである。
あくまでも個性重視、オリジナルティを尊重する方には厳しいでだろうがこういうベタなもんは聴きたくなります、いいとこどりなので気軽に聴ける。そういう利点も音を楽しめる理由には成り得ますのでね。


Soldier - Louder Than Hell ★★★ (2021-05-16 19:29:24)

カルフォルニア産のクリスチャンメタルバンドによる1stにあたるデモ音源。リリースは1986年、そんな幻の一品が2019年に復刻するのですが、懐かしきUS産メロディアスHM/HRサウンドを主軸に、メインで活躍するリードギターのリック”ハンター”マルティネスがギターを気持ちよく弾きまくるバンド。正直、叩き台のデモ的な作品ですから、あれなんですけども、既存のアイデアからの流用も多く、正直やり過ぎ感は拭えない。もう少しバレないようにやれよと、アドバイスを送りたくなるくらい、丸々使うので厳しい目になりますが、これもご愛敬と受け止めれる許容範囲のガバガバなマニアに、そっとススメたい一品。
まるでお好みテープを聴いているような懐かしい空気があります。ジェフ・スコット・ソートが参加してそうな80年代的メロディアス叙情派サウンド、ある意味は、KUNIとかMASA、ジェイムス・バートとか、思い出して楽しめるマニアには喜べる一品でしょう。大まじめに硬軟交えたメタリックサウンドを叩き出していますので。

オリジナルティの薄さは、デモと言う事で大目に見てください。個人的には許してしまうのよねぇ。ワシには分からんアホじゃけぇ。


JOSHUA - The Hand Is Quicker Than the Eye ★★★ (2021-05-14 13:27:39)

あれ~コメントした記憶があるど~??消えたのか?老いは怖いなぁ…

ジョシュアと言えば名曲②がメロディ派の間で話題となったのは間違いないが、アルバム自体はもっとソフトケイスされたプログレ風味のハードポップスタイルを打ち出しており、時代的にもBOSTON STYX、JOURNEYと言ったところがヒットを連発していただけに、ジョシュアもソコを狙ってきていますね。

どういうわけか、日本ではジョシュア・ペラヒアを速弾きギタリスト系で紹介した実績があるようで、多分、それは英語圏ではない日本人の拙い英訳からくる勘違いが優先されたのか?アルバムタイトルを訳すと『手は目よりも早い』になるが、実は意味としては、手品師の技を表現する一つである、要は嘘を本当に見せる手技を褒めているのだが、自分のギタープレイは目にも止まらぬ早業と紹介されてしまった。

ワタクシもそういう風に知人から教わったのだが、英語が分からない小生にとってはイマイチピンとこず、拙者は日本人故に英語は分からず、音そのもので判断されたしと、要らぬ先入観を排除、②の衝撃が強すぎると為、他の曲が霞んでしまうのだが、完全にアメリカンプログレーハード風味を打ち出したバンドでしょう。
特に日本盤に収録された④は完全にそっちのイメージを受けています(日本盤は2曲追加の8曲入り)。
このバンドはギターのジョシュアの名前を付けていますが、インギーのような速弾きではなく、楽曲で勝負しているのを感じてもらえるでしょう。

今作ですが、レコードの配給はエニグマが担当しているのですが、作ったのは謎のオリンピックレコードなる会社、裏ジャケでマラソンランナーみたいのいるのは、そのせいか?なんて思ったり、主役たるジョシュアがギリシャ人だからオリンピックレコードなのか?とにかく謎が多いです。
流通自体が脆弱だったのか、自主制作で勝手に手売りしていたのか?真偽は分からないが、本国アメリカでまともに販売されていたのかが疑問とさえ言われている一品。それだけに認知度が低いらしい。けして当時のシーンから外れた音楽性ではなく、むしろアメリカンプログレ勢の一団に入ろうとしたアルバムであろう。それだけに一定のクオリティを保持しており、少なくとも速弾き系ギターではないと言えるでしょう。勿論、時代に即していないと言う事ではありません。

とにかく②のインパクトが強すぎた、狂おしい泣きのメロディ、メロディ派のハード系マニアならば一生もんの名曲でしょうね。ガルネリウスのカヴァーヴァージョンは素晴らしかったなぁ。

余談ですが、今作で唄うステファン・フォンテーヌさんは、ユーライアヒープに一時期在籍、ピーター・ゴルビーとバーニー・ショウの合間にいた人物としてマニアに知られていますよ。
そして84年に日本盤が出たときの邦題が旋風でした。94年にCD化された時も旋風使って欲しかったなぁ。なんたって世界初のCD化だったんだから。


MCAULEY SCHENKER GROUP - Perfect Timing - Love Is Not a Game ★★ (2021-05-14 12:48:41)

幾度マイケルがギターを弾いている感はありません
このアルバムを象徴するような作品オリエンテッド
バンド体制中心の姿勢を明確に打ち出しています
主役はロビンの唄でしょう
それだけにマイケルファンとしては物足りなさはハンパないのですが
新生MSGはこれなんだと決意を強いられましたね


ROBIN MCAULEY - Standing on the Edge ★★★ (2021-05-14 12:43:16)

最近、BLACK SWANというバンドを始動させたFrontiersから、今度はロビンのソロが出ました。スパン早くないのか?なんて心配になりますが、今回もお馴染みの仕事人軍団が集合。アレサンドロ・デル・ヴェッキオにトミー・デナンダーらがクレジットされた安牌感、ある種のマンネリズムも感じますが、手堅いバックアップ体制はレーベル謹製の破壊力を持っているので、そこにどうロビンが絡むかに興味も津々です。

個人的には先行公開されたタイトルトラックの②がDOKKEN過ぎた為にイマイチ素直になれないのだが(それ以外にもアレサンドロ&トミーが関わったバンドの流用がある)、90年代に日本国内でリリースされたソロに通ずるような哀愁のあるメロディと、ロビンの押しの強い歌声が絡むと言うお約束感を見事に演出しており、ロビンのファンであればガッツポーズ連発のパフォーマンスと楽曲の良さに大満足となるでしょう。

このレーベルの強みたる職人技も感じるが、ロビンという事で80年代から90年代風のメロディアススタイルを用意しすぎたのかも知れませんね。細かいことですが一旦気になると、ちょっと冷めてしまいます。

いずれにしても、MSGロビンが大好きな人なら大いに楽しめるでしょう。BLACK SWANほど味が濃くないのも個人的には良かったです。レーベルの意向と威光、出している音に自信があるから、こうやって良盤を次から次へと出してきますね。
今作もメロディ派の心に寄り添うハードサウンドで魅了しますよ。


Riley's L.a.guns - Renegades ★★ (2021-05-14 12:19:20)

リリース前から、やってんぞとファンの間ではプチ話題になっていた、3挺目のL.Aガンズ。本家は恩讐を乗り越えた二人が合流後、順調に動いているのですが、コロナ騒動の影響を受け活動を止めている状況なのか?昨年、新曲を先行公開した辺りから音沙汰がないのですが、正に鬼の居ぬ間にな状況でリリースしてきたのがコチラ。

サウンドとしては良く出来ています、荒涼としたヒリつくメロディもあったりとしますが、全体的な小粒感は拭えず、シングルギター編成と言うのもあるのでしょうが、やはり個性不足な面が目立ちイマイチ乗り切れないのが本音。
やはり全てが淡白に感じる。トレイシーのギターはメタリックでテクニカル、さらに言えば自分の音を持っている。ヘタウマでお馴染みのフィル・ルイスには色気がある。そういう個性が本家には存在するが、この4人には、そこまでの迫力が無かった。簡単に言えば、すぐに飽きてしまうです。


しかし、総じて楽曲のクオリティは及第点を超えており、名前に拘らなければ素直に楽しめるでしょう。昔、再結成したMötley Crüeが最初に出したアルバムに似た優等生感というか置きにいった感もある。
下手ではない歌い手も、やはり淡白過ぎて面白みがない。やはりロックってのは尖っていないとダメなんでしょうね。薄味です。本家を脅かすことのないL.Aモデルガンズですかね。
やっぱ先入観が邪魔しているのかなぁ?


BLACK 'N BLUE - In Heat ★★★ (2021-05-07 15:28:51)

試行錯誤を繰り返すも成功に結び付かないバンド。前作同様ジーン・シモンズを起用。今回はアダム・マイケルやパット・リーガンも曲作りに参加したりと、腕のある仲間の助力を借りてシーンに打って出た意欲作。
とは言いつつも、勢いのあるサウンドをかなぐり捨て、とにかく落ち着き払ったロックサウンドへと変貌。勿論、自肩の強さを感じさせるバンドサウンドではあるが、方向性をガラリと変えたのはファンにとっては戸惑いでしかなかったろう。しかし器用なメンバーはレーベルの意向を飲み込み見事モデルチェンジをやってのける。前作では吠えまくったシンガーも押さえ気味に唄いリラックスしている。こういう音がバンドの本分ではないのだろうが、⑤なんかは1stに入っていても違和感がないくらいギターが燃えている。
個人的には1stのインパクトを超えられなかったのが成功に繋がらなかったと思ってはいるが、久びりに聴いた今作は、オジサンの耳になると聴こえ方も随分を変わってきた。長い活動の中では、こういう方向性もありと思える説得力があるのは間違いない、あとは嗜好の問題であろう。

土台がしっかりしているバンドな何をやっても様になる。今作も新築そっくりさんと言わしめるほどのプチリニューアルを敢行した、孫も生まれたので二世帯住宅に立て直したのだが、結局は嫁がごねて同居の夢は叶わなった。そんなお家事情による無念さを感じさせる。らしからぬ作風になったと思う。でも質は高い。


BLACK 'N BLUE - Nasty Nasty ★★★ (2021-05-07 15:05:53)

個人的には大失敗だと思っている露骨な売れ線路線の2枚目。完全に興味を失いかけた中で聴いた3枚目ですが、ジーン・シモンズをプロデューサーに迎え、もう一度、本分とも言えるハードテイストを復権、歯ごたえのあるサウンドと大衆性を完備した楽曲は健康的なノリを誘発させ元気溌溂オロナミンCな力が漲っている。
軟弱なイメージを払拭させる乾坤一擲な豪胆さ。こんなに洗練されたメジャー感を持ちながら、実に野心に溢れたロックサウンドである。ジョン・パーデルがキーボードで参加する④もニコニコと走り出したくなる爽快さ、バラエティに富んだ楽曲を従え最後まで駆け抜けていきます。
ラストにはロン・キールやマーク・フェラーリの合間にピーター・クリスの名前までクレジット。いい意味でのパーティ感溢れるアルバムを賑やかに〆てくれます。
ギタリストしては、トミー・セイヤーもコンパクトに纏めてきた、それだけに、弾き倒していた場面は前2作の方が多かっただけに、違う意味でも物足りなさはある。


BLACK 'N BLUE - Without Love (2021-05-07 14:48:14)

1stが思いのほか売れなかった為に、関係者もどげんかせんといかんと、東国原風に叫び、呼び出したのがブルース・フェバーンであった。当然の如くオシャレなアレンジを施しメタリックな本質を押さえ徹底的にコマーシャル性を高めた。
それは1stにもあったが、その裏で見え隠れする硬派さにカッコよさも見出していた身としては厳しい作風になったと思っている。日本でも雑誌の影響もあり、1stや3rdよりは価値があるらしいのだが、今作最大の悲劇は、ここまでやったのに売れなかった事にある。
次のアルバムでは、もう一度、デビュー作のような立ち位置に返り咲くのだが、洗練された今作を駄作と切り捨てるのは惜しい部分も沢山あり、何を求めるかで大きく評価を分けるでしょう。
所謂、煌びやかなL.A勢として聴くなら今作は大正解。しかし、本格派のロックバンドとして耳を傾けると厳しいだろう。こうなるとどこかで聴いた事あるフレーズも完全にマイナス。でも、メジャーロックに興味のある方は、逆にここから聴いて欲しいと思うから難題だ。


BLACK 'N BLUE - Black 'n Blue ★★★ (2021-05-07 14:32:30)

バブル弾けまくるL.A勢の中では実に地に足のついたサウンドが魅力だった本格派のバンドBLACK 'N BLUEの1st。その魅力はオープニングから炸裂、光沢なまめかしいコンクリートサウンドと洗練されたエッセンスも強めに打ちだしメジャー感を誘発、デビュー作のオープニングから貫禄たっぷりの余裕すら感じさせる出来栄え、②のような明るい曲もメロウなパートもあり危険でセクシーなロックの顔を出してくる。いい意味での大衆性を武器に行進、モーター音が鳴り響く③で一段ギアを上に上げ加速、そのまま勢いよく言って欲しいのですが、売れたい④で寄り道によるのはご愛敬。その流れを壊さない⑤、シングル向けがもう一曲欲しかったのかカヴァーの⑥、そしてブリブリとしたベースも耳を惹くグルーヴィーなミドルナンバーの⑦と続き、アメリカ人が好きそうな曲を中盤に並べてきた、それは⑧でも繋がり、哀愁のあるメロディを上手く溶け込ませ、何故、彼等がドイツまで飛びディーター・ダークスの手を借りたか理解できます。
だから⑨が俄然男前に輝き、コンピ作にも提供した⑩で締めくくります。
⑩に関してはコンピヴァージョンの方がメタリックだが、メジャー流通ヴァージョンとしては異論のない仕上がりになっており、甲乙つけがたい魅力を発散している。このバンドの本分は、こういう歯ごたえのあるガッツィーなメタルスピリットを根底に置いたメジャーロックバンドという事だろう。
それだけに次作の方向転換にはガッカリとさせられたが、今作にある裏切りのないメジャー仕様というのは奇跡的なバランス感覚に秀でており、ヘヴィメタル系のメジャー作品としては理想的な作風になったと思っている。
個人的には彼等のカタログで一番好きなアルバムである。どこかで聴いたことあるフレーズすらも味方につけ、彼等は次の一手を攻めあぐむベテラン勢を蹴散らすような威風堂々としたアルバムを叩きつけてきた。


L.A. GUNS - Waking the Dead ★★★ (2021-05-05 14:10:17)

大御所であるアンディ・ジョーンズがプロデュースを務める意欲作。個人的には、出たり入ったりとメンバーが流動的だったりと、影の薄い時代のアルバムだが、この後、トレイシーとフィルが共演するのは2017年まで無かったと思うと感慨深いアルバムではある。創立者はトレイシーなのだから、二つのガンズがあるのは奇妙だった。そして何より、今では第三のガンズが出てくるのだから、摩訶不思議アドベンチャーなバンドだと思う。

オープニングからいきなりL.A GUNSのディオ風味な曲に驚くが、2曲目以降も懐かしい匂いをさせた曲が続く。ハードでメタリックなギターはいかにもトレイシーらしい野心が漲り、新時代を迎え撃つべく自身のルーツを奮い立たせ気合いを入れてきた。このバンドの肝は、危うさにあると思っている。どこか胡散臭いのも魅力だ。その嘘くささを際立たせているのが、雰囲気重視のフィル・ルイスだと言うのが面白い。
この相反するようなトレイシーとフィルが融合することで独自性をアピールしてきた。モダンさも取り込んだスタイルの中で、二人の化学反応は間違いなくあり、このバンドらしい魅力に溢れている。

なによりもらしさが全開である。退廃的なムードといい意味でのコマーシャル性、ロック本来が持つ危うさ、そういうものを2002年と言う背景もそこそこ意識しながら自分達のカラーを真正面からぶつけてきた。それだけに国内リリースが見送れたのは、混迷極める時代だけに、彼等の人気を薄めてしまったのだが、再ブレイクしつつある今なら、視聴する環境も整っているだけに、マニアならずとも大いに楽しんで欲しい。
プロデューサーの助力もあるのだあろうが、個人的には初期の時代よりも良い出来だと思っている。抜けの良いトレイシーのギターがあってのL.A GUNSである。リズム隊も妙に生々しい。歌も相変わらず下手ウマの雰囲気重視だが、見事にバッチリ組み合っている。
影の薄さが嘘のような会心の一撃でしょう。○○に似ているが気になる潔癖な方には向きませんが、ストライクゾーンも広めに見て欲しい。元々がそういう雰囲気重視のバンドですからね。


WAR & PEACE - Time Capsule ★★ (2021-05-04 13:29:33)

あれ?このバンド、以前登録されていた気がする?そしてコメントも残した記憶がある。他に人も書き込んでいたような?一応検索したが出てこなかった?ん~老いは怖いなぁ。

DOKKEN解散後、ベースとして活躍したジェフ・ピルソンがヴォーカルとギターを担当、そして自身のミュージシャンとしての才能を発揮する場所として結成されたバンドがコチラ。ギターはラス・パリッシュ、ベースにはWarlockのトミー・ヘリクソンが参加、レーベルはシュラプネルときているし、リリース時は1993年ですからね、どんなサウンドが飛び出すのかと思ったら、往年の煌びやかなL.A風グランジ仕立てに仕上がった印象が強い。
DOKKEN的な匂いは少ないが、そういえばドンも似たような作風があるなぁと思う。猫も杓子も時代に飲み込まれると、こういうスタイルになるという事だろう。
何を聴きたいかで大きく評価も分ける作品である、間違ってもドライブするような疾走ナンバーは登場しない、そういう時代背景を込みで耳を傾けて欲しい。
歌メロの練られているし、センスのあるポップさ、随所に光る部分はあるが、あくまでも93年仕様と言う音楽的なバイアスが全てを結審するでしょう。久しぶりに聴いたが、今となっては、この音も懐かしい空気で一杯だ。逆に今、リバイバルしているのだろうか?そんな事すら思ってしまった。
シンガーとしては、個性不足なジェフだが、いい曲を書ける才能はある。

DOKKEN解散後、DIOと仕事したり、ジョージ・リンチやマイケル・シェンカーと合流したり、Foreignerにもいる、そして最近ではBlack Swanだ。正直、歌っているのかベース弾いているのか、イマイチ活動状況が伝わらない、ジェフ・ピルソン、ある意味、器用貧乏さが仇になっている感はあるのだが、今作は時代性を飲み込みつつも、ポップセンスを惜しみなく披露した一品である。DOKKEN時代から重要なパートを担うアーティストだった事を証明しましたね。


ANVIL - This Is Thirteen ★★★ (2021-05-02 13:08:34)

映画人気もあり、セールス的にも評価も一定の成績を収めた一枚。苦節云十年の苦労が報われた一枚でもある。それまでリリースしてきたアルバムよりも格段にサウンドプロダクションが良い。テクノロジーもあるのだろうが、クリス・タンガリーディスの仕事っぷりを褒めるべきであろう。とにかく迫力のあるアンヴィルサウンドが戻ってきた印象が強い。

映画を見ている人ならご存じだろうが、今作リリース当時は、どのレコード会社からも相手にされず自主制作として手売り状態となったのには、本当に驚いている。名手クリス・タンガリーディスの威光も通じない現状に、こちらも打ちのめされました。
後年、映画の影響で売れたのは本当に嬉しいのですが、この現代的な要素もアンヴィルなりに盛り込んだタフな作風が、今まで同様、ほとんど知られる事無く埋もれるのはシーンにとっても良いことではないですからね。

相変わらず不愛想です。パワフルかつエネルギッシュなサウンドもある。見た目以上にシリアスである。そういう要素がどっちに働くかで評価も大きく変わるだろうが、映画の後に聴くと随分と景色が変わるだろう。
個人的にはもっとストレートなスピードナンバーが欲しかった。13曲もあるんだからではあるが、④みたいなロックンロールナンバーがあれば、顔も綻びホッとさせられます。だから⑤もすんなり入ってくると言うものですよ。
近年になかった剛毅な中にあるメジャー感。10年以上過ぎた今の耳で聴けば、アンヴィルなりに時代を意識していたことも伺える。きっとクリスのアイデアなのだろう。そういう意味でも、誇り高きアンヴィルメタルの系譜に連なる一枚として燦然と輝くでしょうね。
でも9曲くらいに絞ってくれた方が聴き易かったのも間違いない。


ANVIL - Back to Basics ★★ (2021-05-02 12:50:06)

かつての彼等は無頼なパワーメタルの中に哀愁やキャッチネスさなどを巧みに盛り込み聴かせていた。猛々しい猪突猛進型のスピードナンバーはスラッシュ勢に影響も与え、NWOBHMを迎え撃ったカナダの雄としてマニアから称賛を浴び信頼をもぎとったバンドでもある。
このアルバムからは、紆余曲折を経て辿り着いた男たちの開き直りが聴けるのかと期待していたら、思いのほか地味な作風に落ち着いている。要するに自らのルーツに立ち返り新陳代謝を図る目的があったのであろうか?
いずれにしろ、一度リセットしてスタンスを見つめなおすと言う事でしょう。割と勢いのあった前作がお気に入りであったが為に、最初はアレっと感じたが、何度も聞き直すうちに、今作の方が楽曲も含めアレンジも練られており作品に対する拘りな近年のアルバムにない構築美を感じる。アンヴィルというバンドが進めてきた無頼な頑固メタルからの脱却と言う裏コンセプトを掲げ、徹底的に自らのサウンドを金床に打ち付け再考したようだ。

その成果は、より一層の頑固さを増し、代わり映えのない金太郎感は誘発している。これが基本に立ち返ったアンヴィルサウンドと言う事なのだろう。
既に20年をゆうに超えるベテランが魅せた大人げないまでの轟音サウンドの凄み。味も値段も創業当時と変わらない、うちは肉うどん一本で勝負してますよな、黒帯しか入店出来ない老舗の味がある。
なかなか初心者には進められないが、彼等を愛するマニアなら避けては通れないだろう。


ANVIL - Worth the Weight ★★★ (2021-05-02 12:32:53)

前身のバンドLIPS時代から苦楽を共にしたギターのデイブ・アリソンが抜けてしまった。92年と言う時代背景もあり、カナダの老舗バンドにも変革の波は押し寄せているのかなぁと聴く前は危惧していましたが、剛毅で無頼なアンヴィルサウンドは健在。今作でむしろ、シリアスでダークな側面も強め、パワフルさを前面に押し出す形となった。またサバス的なアプローチの曲も方向性的にハマり、リップスの押しの強い歌声も違和感なく溶け込んでいる。
前作にもあったが、少々キャッチーさに欠ける面があり、その閉塞感に満ちた不愛想なパワーメタルに対する耐性が全てを分けるような気がします。
新たなギターチームとなる二人ですが、楽曲の中で明確な役割分担を決め今まで以上にスリリングなプレイを魅せている、勿論ロブのドラムは手数も多くド迫力、その勢いのあるドラムで後方支援、派手さをモロに爆上げしています。

全体的に1曲が長い、9曲で(⑧と⑨は連なっている)48分と言うランニングタイムが示すように、味付けの濃いサウンドになっている。個人的には、この無頼漢こそアンヴィルと思っている。そして彼等なりに時代を意識した可能性はある。それが親しみやすさを退けたんだろうと思いますね。

決め手に欠けるアルバムではあるが、アルバム全体から溢れ出るメタル愛を楽しんで欲しいです。


FAITH OR FEAR - Punishment Area ★★★ (2021-05-01 13:17:45)

Combat Recordsが主催するUltimate Revengeのシーズン2にDark Angel , Death , Forbidden , Ravenらと共演した経験を持つバンドのデビュー作。ワタクシも、上記バンドが出演するVHSが初体験でした。
上記のバンドの中では比較的、個性が薄くキャラの強いメンツに押されていた印象が強いも、逆に普遍的な大衆性を持っており、上手くスラッシュバンド特有のスリルと、キャッチーなノリの良さを味方につけれれば、成功する可能性をもっているぞと思ったのも事実です。
今作は、ある意味、先人たちの影響を飲み込み研磨した意欲作です。いい意味での器用さは、多彩なアプローチを試みつつも、けして破綻することなく機能。80年代の頭から活動していただけに経験値は高い音を出している。
その反面、このバンドと言う顔が見えて事無いのも事実。いい意味での器用さが裏目に出た感はある。落ち着きて聴ける安定感はあるのだが、粗くとも、FAITE OR FEARと言えばなリーダートラックを見い出せなかったと言えば少々言い過ぎだろうか?
となんだかんだ言いながらも、今でも年一で通して聴いている作品であり、メタリカ風の歌声も込みで愛聴する一枚ではあります。
音質もスラッシュらしくないなぁと感じる面もあり、その辺りもマイナスに働きそうですが、マニアならば是非ともチャレンジして欲しい一枚です。スラッシュバンド以外のルーツもしっかり確認できる幅の広いバックボーンには親近感も湧くし、十分刺激的ですよ。


ANVIL - Pound for Pound ★★★ (2021-05-01 13:00:33)

間口を広げた前作の不評を受け、求められるガチムチのパワフル路線に面舵一杯した5枚目のフルアルバム。そのかいあって初期の猛々しい猪突猛進型のパワー/スピードHM/HR路線に戻ってきた。
その反面、少々堅苦しい印象を受けてしまい、いい意味での遊びと言うのかキャッチーさが減退したのは残念。しかし、問答無用のアンヴィル節の復権は、その筋のマニアにはウケが良く前作の不評をひっくり返すだけの勢いを取り戻したのは間違いない。
経験と新しい感性が融合した前作を経てリリースされた今作は、実に順当な形で彼等流儀のスタイルを構築する事となった。変革を求めない岩盤層を持つバンドが直面する難儀な課題。この辺りがアンヴィルを苦しめる事になるのかもしれない。いずれにしろ、今作で聴けるサウンドは、今現在も脈々と連なる作風である。

アンヴィルと言うバンドに漂う前座レスラー感、ある意味は国際プロレスのメインマッチのような小粒感。子供の頃に見た、グレート小鹿と大熊元司の前座試合を思い出す。ボディスラムに、ヘッドロック、ロープに振ってからの水平チョップ、観客の反応を見ながら、観客を煽る姿は実に不器用だが、迫力があった。
でも、よく考えると何故二人のシングルマッチだったのだろう?極悪コンビじゃなかったの?そんな古めかしい小学生の思い出を呼び起こす無頼なサウンドが詰まっている。


ANVIL - Strength of Steel ★★★ (2021-05-01 12:35:26)

2枚目のアルバムが世界中のメタルマニアの目に留まり、期待をされていたカナディアンメタルの先駆者たるアンヴィル。満を持してリリースされた今作は、おもてたんと違うという事でリリース時の評価は必ずしも良くなかった。
特に、①②の流れが不評を焚きつけ、PVも作られた⑦なんかも流行りもんに飛びついたと叩かれる始末。前作から空いた長めのインターバル、シーンの移り変わり、アメリカでの成功と言うのがキーワードだったのでしょうが、ヘヴィなグループを前面に押し出し、当時流行りのグラム系も意識したL.A仕立てのアンヴィルサウンドは期待値を超えられなかったというのが当時の論調でした。
しかし、今の感性で聴けば多様性を帯びた意欲溢れるアンヴィルサウンドが収録されており、ミドルナンバーもそこそこに、小気味の良いサウンドも上手く盛り込み、アルバムの流れに起伏も設けています。
通して聴いてもダレることのない統一感、どこかファニーな面も補完しているアンヴィルサウンドの豪胆さは、マイルドなミックスの中でも上手く滲みだしていおり、上手くやり切っています。
結局、この路線は今作で終わってしまいましたが、1987年と言う時代と折り合いをつけた今作もアンヴィルの歴史として語られるには十分なクオリティを保持しています。厳つさよりも大衆性、譲れない精神性なのか不器用さが勝っただけなのかは分かりませんが、新生アンヴィルは十分メタルしていますよ。


KEN HENSLEY - My Book Of Answers (2021-04-30 12:24:42)

HEEP黄金期と呼ばれる音楽性を支えた天才的な鍵盤奏者として知られるケン・ヘンズレーの遺作となった一枚。バンド脱退後の彼の活動はけして順風満帆とは呼べないものだろうが、2000年に入ってからは精力的な活動を行い、ソロ、バンド、合い間にHEEP関連の仕事をこなし、ご健在な姿を見せてはいた。
その反面、何をやりたいのか見えない活動が多く、バンドでアルバムをリリースしたかと思えば、すぐにソロ、それが上手くいかないと思ったらバンドと言うような形の活動が多く見られ、随分と腰の据わりが悪い印象を受けていました。
ベテランなのに、何を焦っているのか?です。その方向性の定まらない活動は遺作となる今作まで続いていますが、今回は、ある意味ベストオブソロアルバム的な多様性を持ち込み、それまでのアルバムからベストな曲を選曲したような印象を受ける。逆を言えば代わり映えのない曲でもあるのだが、焦点を絞り込みメロディアスな作風に傾いている。

しかし、残念ながら、リードシンガーを務めるのはケン・ヘンズレー本人である。彼の唄が全てを結審するでしょう。抑揚のない力のない歌声、一番張って欲しいところで張れない弱弱しい歌声、良く言えば味があるであるが、親戚でもないので、そこまで肩を持てません。レンジの狭い声質でもある為、歌メロも同じような音域を行ったり来たりとフックもない、それなのに用意している楽曲は歌モノである。

ここと折り合いがつくならば問題はないだろうが、どう贔屓目に見ても下手な歌である。彼の唄が予定通り全てを台無しにしている。その答えは⑦にあるだろう、男女のコーラスを参加させたことにより、唄の弱さをフォロー、そのおかげで俄然曲の良さがグッと出てくる。本来も魅力が発揮されているという事だろう。
バンドサウンドも、けして派手さはない。もっと言えば聴かせるようなパートがない。それだけ地味でる。あくまでもボーカルオリエンテッドな作風なのである、その唄が最強に弱い、だから聴いていて辛いに直結するのです。

②③④⑤とバラエティ豊かな曲が並ぶ、どの曲も今までの集大成のような魅力がある、それは⑥以降も続く、しかしである。これ以上の戯言は止めるが、これだけは断言したい。
今作は、遺作という事で、割と聴き易い環境にあるだろう、ある程度、ハードシーンにアンテナを張っている人ならば、耳にする機会もあったケン・ヘンズレーの死去報道、それだけに視聴する機会もあるだろうが、これが彼のマックスとは思って欲しくない。彼はもっと野心に溢れキレまくった演奏をしていた才能豊かなミュージシャンだった。2000年以降もライブでオルガンを弾いている姿は何とも頼もしいものであった。
そしてライブでのセットリストの9割HEEP時代をプレイしていた。それが全ての答えである。求められた姿と、本人がやりたかったことの違いは最後まで埋まらなかった。それでも、フックのあるメロを唄えるシンガーがいるだけで後世の評価を随分と違ったであろう。
ソロアルバムなのだから、誰にも邪魔されずにやりたいことをやるのは簡単である。でもそれでは商売にならない、唄える事と唄う事は別の話です。

きしくも、今年はレディインブラック発売50周年である。本家はケンの死を悼むように再発してきた。因果なものである。つくづく残念なアルバムになってしまった。

ワタクシはアイドルにうつつを抜かしたことがありません。だから、○○がいればよい。○○がセンターじゃなきゃ嫌だと言う感性がない。そもそも、その人がいれば何でも最高だなどの概念がない。ANTHEMは大好きだが、柴田直人のレゲエアルバムを聴きたいとは思わない。
音楽の話とは別次元の○○が好きだから、何でもかんでも傑作と言う糞センスを持ち合わせていません。人には理解しがたい溺愛指数100%の話には共感しますが、それを強要する人間には一切関わりたくないものです。下手だけど好きと、下手に聴こえないでは、大違いです。

さらに言えば専門誌を20年以上読んでいない、最近のトレンドを全く知らない浦島太郎オジサンである。そもそも興味がない。
メタル系の世界に一番必要のないものはポピュリズムだと思っている。知名度が評価に反映されることは絶対にない。ましてや、批評家の名前や点数に左右され自分の価値観が変えられる歳でもない。メディアの情報を鵜呑みに出来るのは、音楽聴き始めの、せいぜい2,3年でしょうね。
昭和、平成、令和ときて、何十年も前に、批評家がいったコメントを後生大事に抱えて生きられません。自分の人生や価値観を過去に置いてはいけませんのでね。


Lance - While the Giant Sleeps ★★★ (2021-04-29 00:17:57)

ヴォーカル、ギターにキーボードとバンドの主役を張るランス・マシューがランス名義で1996年にリリースした1st。ジャケットに顔アップで映る武将様似の優男がランスさんだと思うのですが、これが実に癖のないワールドワイドなサウンドを披露。スウェーデンのEmpire Recordsから世に出ているのですが、北欧風の甘さよりもスパイスの効いたハードテイストも感じさせ、大衆性にニヒリズムも盛り込んでいる。
勉強不足の為、主役であるランスさんの事は何にもしりません、でもアーティストとしの腕は確かなようで、チョイハスキーな声が、この無国籍メロディアスHM/HRサウンドにバッチリとハマっています。決して明るいメロディアスサウンドではありませんので、爽快とはいきませんが、90年の中頃に奇跡のようなスタイルをサウンドを奏でており、バラエティ豊かな楽曲も見事にやり切っています。無理無駄のないアレンジと秀でたバランス感覚、何を聴かせたいか明確に定めた楽曲にスキは見当たりません。
涼やかな風が優しく頬を撫でていく、哀愁のメロディアスロックの旨味、多様な楽曲を収録することでアルバムに起伏をもたらしているのも見逃せません。実に味のある一枚ですね。


CLIF MAGNESS - Solo ★★★ (2021-04-27 19:46:58)

超絶有名売れっ子ソングライター/プロデューサーとして知られるクリフ・マグネスのソロアルバム。タイトルも嘘みたいにソロと名付けている。今作のリリース前に、同業者とも言える裏方軍団とPlanet3を結成しているのですが、今作にも仲間が勢揃いしており、ソロ名義じゃなくともなんて野暮なことが頭を過るのですが、俺が完全にイニシアチブを取るんだという事なのでしょうね。
誰が、どのチャンネルを捻れば感動させられるのかを知り尽くした仲間が勢揃いしているだけに、その質の高さは折り紙付き、もやは疑いのないヒットソングが満載です。清々しい極上のAORサウンド数々に心を洗われますね。
ここは素直に耳を傾け、この世界に引き込まれるのが一番です。裏切りのないベタな展開は、計算され尽くした完成度を誇り、その経験に裏打ちされた緻密な作業は、あくまでもメロディアス。そのフックのあるメロディは、マニアならずとも胸にグッと迫ってくるでしょう。
ともすればBGMになりがちなサウンドだが、ハード系が主食の門外漢な人たちですら、振り向かせるだけに魅力があります。本物の音楽は強いなぁ。やはりベタに敵うものなしですね。


SHAKRA - Shakra ★★★ (2021-04-27 19:29:10)

スイスを代表するHM/HRバンドの1st。快活でエッジの効いたハードサウンドと北欧ならではのメロセンスが相反することなく融合。現代的なヘヴィネスさ、そのソリッドでタイトなハードサウンドは、豪快でありながらもキメの細かいメロディがガッツリと絡み、気持ちよく泣かせてくれる。
タテノリグルーブの心地よさ、あくまでもギターが中心の音楽性、ひりつく渋めのハードサウンドはあくまでもエモーショナル、その有機的な響きに絡む色気のあるワイルドヴォイスも哀愁のメロディを歌上げバンドサウンドの底上げに貢献。ベタな面は多々あるが、それが安定感につながりマンネリとは無縁の定番サウンドを奏でている。
GOTTHARDが好きな人ならマストでしょう。こういうアイデアは皆が共有するものだと思いますよ。


BRETT WALKER - Nevertheless ★★★ (2021-04-27 19:06:57)

国内盤は我らがZEROコーポレーションからもリリースされている、ソングライターとして活躍していたブレット・ウォーカーのソロアルバム。
元々ミュージシャン志望の彼、満を持してのソロデビューを言いたいのですが、時代は1994年です。そんな時代に、爽快なメロディが映える普遍的アメリカンロックで勝負とは驚きですね。
そしてこれほどの質の高さを有しながら、スウェーデンのEmpire Recordsと日本だけの地域限定リリースと言うのが残念です。スタン・ブッシュ、ジョナサン・ケイン、ジム・ピートリックらも協力に駆け付ける、彼の顔の広さ。①②⑨⑪では、ドラムとプロデュースにデヴィッド・プラーターまでもが参加となるのだから、その質の高さは折り紙付きです。勿論、ブレットが単独で書いた曲も魅力満載。
上手い唄とギター、何を聴かせたいかを明確に定めた音楽性は、ベタ中のベタですが、歌モノロックを愛する方ならマストな一枚と言えるでしょう。
正にベタ最強説を裏付けるような味わい深い一枚です。少々、商業寄りの為、気になるマニアもいるでしょう。でも、この哀愁のメロディにそっと寄り添う彼の歌声にキュンとさせられる瞬間は多々あり、ソフトなサウンドが続き、ハードなものにチェンジしようかなぁと毎回なるのですが、⑥の哀メロナンバー登場で気持ちも盛り返し、最後まで完走させられます。その余韻を引きずり⑦の頭の唄い方もエエのよ。
完全に掴まれるオープニングの①、そして②の流れに、歌メロマニアなら間違いないと確信するでしょう。バラエティ豊かな楽曲を用意して最後まで抜かりなく完走します。歌も上手い、ギターも弾ける、曲も書ける、アレンジの手腕ありと力のあるミュージシャンですよ。

2012年にようやく、Divebomb Recordsからリマスター盤が再発。しかも日本と同じでボートラ入りの13曲です。歌モノマニアなら手にとっても損はしないですよ。


余談ですが同じ名前のラップグループ?があるのでお間違いのないように。


KIM KYUNG HO - Kim Kyung Ho Live ★★★ (2021-04-25 14:25:19)

韓国の至宝と呼んでも大げさではない、アジア圏を代表するロックシンガーだった、キム・ギョンホが1988年にリリースしたライブアルバム。インギーにMR.BIG、QUEENメドレーに、FIREHOUSEにJOURNEY、そしてDREAM THEATERのカヴァーにも挑戦、彼のセットリストの合間に取り込まれています。
韓流ドラマの主題歌のようなバラード系のヒットソング?も披露。幅広い音楽性の楽曲をチョイスしたせいもあるのか、ホンマかいな?と疑いたくなるような黄色い声援も聴こえてくる実況版に、なんだか恥ずかしくなります。まるで昭和アイドルのリサイタルじゃん(あえてリサイタルと呼びたい)。これが、本当なら相当な大スターである。インギーのライジングフォースですら黄色い声援が飛び交う始末なのだから驚きで。、現在配信されているものと、CDとしてリリースされているものでは曲順が違うのですが、CDではオープニングがイングーのRISING FORCEでしたからね。

とにかく、何を唄っても上手いです。ロックシンガーとしてのパッションが凄いです。勿論、バラード系もバッチリです。その確かな実力に裏打ちされたステージングに唸ります。なかなか、彼の凄みが日本で語られる機会は少ないのですが、SABER TIGERとのプロジェクトが軌道に乗れば、もっとメタルシーンに名を残せたのかなぁと思いますね。

何と言っても本人が、メタルを歌い続け、マイナーなロックスターでは終わりたくないと、韓国の芸能雑誌で答えたと言うのだから、彼自身の問題なのだろうけど、アジア圏のみならず、世界と互角に渡れる実力者だっただけに残念です。

98年として考えても、古臭い匂いが漂う昭和リサイタル、どこかチグハグに感じるのだが、それでも彼の歌声に嘘はない。驚異的なボーカルテクニック、全身全霊を乗せて歌う彼のパフォーマンス力の高さに舌を巻きますね。

バックの演者も素晴らしいプレイを披露。こんな熱いステージなら一度は見て見たいと思いますね。でもインギーのカヴァーは誰がやっても本人より上手くできない。あのタッチはライブで表現できないのよ。
あんなに力強いピッキングなのに、流麗に聴かせれるのは本人だけです。改めて言うつもりはないが、こういう場面でも偉大さを認識させられた。


BANG TANGO - Ready to Go ★★★ (2021-04-25 13:53:43)

所謂バットボーイズロックブームみたいなモノにノリ80年代末期にメジャーデビュー果たした彼等が、あのシュラプネルからリリースしてきた4枚目。しかも一度バンドは解散していたらしく、前作から10年振りの新作だと言う。
個人的に、飽和状態だった88年代末期のシーンとは遠ざかっていたので、このバンドの事は名前も知っているし、1stは聴いたが幾度記憶に留めていなかった。猫も杓子も、流行りものを生み出すL.A出身に辟易していたんですね。

復権しつつある2004年という時代背景、そして、あのシュラプネルというレーベルからのリリース、このワードを信じて手にしたのですが、これが思いのほか、骨太でラフな男気溢れるハードサウンドを披露。男臭いハスキーヴォイスと無頼な二本のギター、時には哀愁を震わせながら、心にグッと訴えてくる。技巧面よりもエモーション、ハートで勝負のサウンドは、その奥にある基本的なスキルの高さから安定感もあり安心して聴いていられます。

2004年に勝負を賭けたスタイルは、オーセンティックでストレートなロックサウンドを披露。勿論、バラード系も上手く挟み往年の煌びやかな時代を走馬燈のように思い出させる曲も用意、ビシッと筋の通った音楽性を武器に懐かしさも手伝いグッと胸に迫ってきます。
無駄な装飾をそぎ落とした、古典ロックの揺ぎ無き精神性。一発で何物と分かるシンプルな曲を用意したのは正解だろう。時代に逆行する形で、この手のサウンドで攻めてきた気概は大いに買う。そして、毛嫌いしていた、バットボーイズブームと一度真剣に向き合おうというキッカケを与えてくれた一枚でもありました。


BLASPHEME - Désir de vampyr ★★★ (2021-04-24 13:17:40)

お隣の国で勃興したムーブメントは当然のように飛び火、このバンドは正にフランスでも巻き起こるNWOBHMを盛り立てたバンドであることは間違いないだろう。メイデンよろしくなドラマ性の高い展開を用意、KILLESなどのメイデンの2枚目が好きならば、今作も間違いなく耳を刺激するだろう。
デビュー作はではファルセットを交えた歌声を聴かせていたマーク・フェリーもストレートな歌唱スタイルに重きを置き、良くも悪くも煩わしいと感じさせた歌い方を変えたのは、逞しくビルドアップされた今作の方向性を推し進めている。
硬質なメタルサウンドではあるが、どこか軽やかなオシャレ感が漂うのがフランス産のなせる技なのだろうか、メロディの質などに、特有の魅力を感じます。
英語圏以外は皆、格下と言う当時のシーンを反映しているかのように、フランス語で唄う彼等はワールドワイドな成功は収められなかったが、当時のマグマがグラグラを今にも吹き出しそうなメタルシーンに、名を残すには十分なクオリティを保持、語感的にも気にさせない詩の乗せ方も、個人的にはお気に入り度も増させてくれます。

新たなるトレンドとなるNWOBHM以降のスタイルを継承する伝統芸能サウンド、音質はあれだけど、パワー、スピード、メロディセンスと一線級のバンドに肉薄するアイデアを展開、しっかりとした土台の上に成り立つ構築美に、大いなる可能性と、もっと認知されてもおかしくない魅力を感じます。あいつコーチのいう事聞かないから上にいけない万年二軍の三冠王のような存在である。


Jim Dandy - Ready As Hell ★★★ (2021-04-23 12:35:01)

Black Oak Arkansasのシンガーとして知られるジム・ダンディが1984年にリリースしたソロ。サザンロックで知られるバンドのソロなので、どういう方向性に向かっているのかと思ったら、南部臭のそこそこに、84年的なアプローチにも果敢に挑んでおり、そのオッサン臭い歌声は如何ともしがたいが、曲によってはキーボードを上手く絡ませ音楽的なアプローチの幅を広げている印象が強い、勿論、無頼なロックもあるし、ピアノをバックに雄大な大地を優しく見つめるバラード系もあるのだが、時にはVAN HEALENのアルバムJUNP的な作風にも挑み、フレッシュ感を演出。勿論、泥だらけではあるのだが、今の時代に改めて聴けば、面白い発見が出来る。
基本は、豪快で無頼なロックサウンドが基調である。サザンロックにも軸足を置いてはいる、しかし、そのイメージだけに留まらない豊は音楽性、キャリアの成せる技なのでしょう。スケールの大きなロックサウンドの持つ無限の可能性。その乾坤一擲な野望に魅入られます。
味わい深い曲が多いんだよなぁ。オジサンになるとグッと沁みてきます。乾いた大地に根を下ろし自然と向き合い生活をする人々の強さ、その大いなる恵みと畏怖が、このアルバムから感じる瞬間がありますね。
ちなみにリードギターとしてクレジットされるスティーブ・ヌネンマッハーは、後にスティービー・ブレイズと呼び名を変え、Lillian Axeで活躍する、あの人です。


ELEKTRADRIVE - Over the Space ★★★ (2021-04-20 12:37:51)

1986年にリリースされた1st。シンガーのエリオ・マウゲリはイタリアのロニージェイムス・ディオと呼ばれた人材であり、その堂に入った唄いっぷりに驚かされる。サウンドの方も垢抜けた80年代中期を意識しつつもパワフルな王道スタイルにも軸足を置いており、絶妙なバランス感覚で勝負している。

その反面、分離の悪いミックスなど、バンドの魅力を削ぐような面もあったりとマイナス要素は拭えないのだが、熱を帯びたパッショネイト溢れるプレイと硬軟交えた楽曲の数々は、正統性の強いメタルファンの期待に十分応えるものとなっています。
DIO流のパワーメタルにDOKKEN風味のソフト路線を持ち込み、そこにヨーロピアンフレーバーを掛けた完成させた音楽性。その質の高さに舌を巻きますが、2016年にEscape Musicから再発されるまで全く知らないバンドでした。まだまだ知らんバンド多いなぁと、思い知らされますね。メロディに拘りのあるマニアにもトライして欲しい一品です。


NAZARETH - No Jive ★★★ (2021-04-18 14:10:34)

時代の流れの中でもがき苦しんでいたベテランバンド。今作には、その紆余曲折を経て辿り着いた境地を感じる。変わることのない屈強な精神性、自分達が何者なのかを再度見直しアピールしてきたような印象を強く受ける。

ロックと言えば、これでしょうな音楽性、流行り廃りとは無縁のスタイル。その安定感と裏切らない音は、行きつけの大衆食堂のような居心地の良さがある。瓶ビール片手に上手い飯を腹いっぱい喰らいたい、町中華で飲ろうぜ、ノリで楽しみたいロックファンならば是非とも押さえて欲しい一枚である。

味わい深いマッカファーティの唄、堅実なプレイから弾き出されるいぶし銀のサウンドは、今では逆に新鮮に映るのではないだろうか、変わることを拒絶したバンドの強み。単なる70年代の焼き回しではない、鮮度も込め彼等は戻ってきたと感じるファンも多かったでしょう。
キャリアが生んだ新しい切り口、バラエティ豊かな楽曲をまとめ上げる説得力。地に足がついたベテランの持つ聴き手を安堵させる存在感、キャッチーさも忘れずに見事、イメージに沿ったスタイルを具現化しましたね。


BARREN CROSS - Rattle Your Cage ★★★ (2021-04-18 13:55:18)

クリスチャンパワーメタルバンドのスタジオ4枚目となるフルアルバム。オープニングナンバーのエアロスミス風には驚きますが、94年と言う時代性を考えれば頷けますね。その後もヘヴィなミドルナンバーを中心に展開、その中にも胸が熱くなるようなガッツ溢れる王道メタル風味を展開させ、時代の中で折り合いをつけている。
ブルース・デッキンソンに似た声質のシンガーとして知られるマイク・リーのパフォーマンスは健在、①の方向性を②で揺り戻していますからね。
前作から5年のインターバルはバンドとしての苦悩の歴史でしょう。音楽性の変遷に時代の流れに飲み込まれたと感じますが、その中でもバンドらしさを感じさせる瞬間は多くあり、テクニカルなギターソロなど、その片鱗でしょうね。④とか好きだなぁ。ヒリリとした男の哀愁とメジャーロック感、このバンドの真骨頂とも言える場面でしょうね。
昔はもっとダイハードなメタルをやっていましたけどね。


COCOBAT - Struggle of Aphrodite ★★★ (2021-04-18 13:40:06)

永井豪とパスヘッドのコラボジャケも話題になった国産ミクスチャー系ラウドロックバンドの先駆者となるココバットの2nd。海外からの高い評価を受けた1stの次と言うのもあり話題性も高まった中でのリリースだけにプレッシャーも有ったろうが、その辺りの課題は見事にクリアー、何でもありの質の高い音楽性をまとめ上げ自分たちの流儀に合わせて昇華、唯一無二のサウンドを築き上げようと先鞭を振るっている。
個人的に、ドストライクの音楽性ではないし、むしろ門外漢も甚だしい素人ですが、世界に向けて日本からも新たなる勢力が生み出されたことを確実に感じさせる作風であることは間違いなく、リフ一つとっても、マイケル・シャンカーだリッチーだ、ランディだとは違うスタイルの登場に新風を感じます。

あえて王道を外し奇をてらうだけではない確かな技術とバックボーンの豊かさ、多様なジャンルに精通したプロ集団が作り上げた一流の音楽性は、ジャンル不問の魅力があり、ハードな音楽を好む者たちに大いなる刺激と提示しています。

ファンキーなベースとノイジーな図太いギターの絡み、ヘヴィなうねりは実験的な要素も孕んだ音楽性の中で強烈なグルーブを生み出し独自性を発揮。何物にも囚われない自由な発想と感性により、楽曲に大きなふり幅を設けている。それでありながらも一点突破とも言うべき、アイデアが集約された時の破壊力は半端ない攻撃力を持っており、その一撃のクリティカルヒット度の高さは、このバンドの真骨頂とも言えるだろう。

現代的なメタルの源流たる音楽性、こういう音は今こそ見直されるべきであろう。このバンドは日本人と言うだけで随分と割を喰った印象が強い。そういう偏見を持たない若い人ならば、現代メタルのルーツとして楽しめるはずだ。
むしろ、日本にもこれだけ個性を剥き出しにしたグループがいた事に驚くだろう。


RUTHLESS - Metal Without Mercy ★★★ (2021-04-15 11:50:24)

アメリカンロックの裏街道を走る硬派なパワーメタルサウンドが売りのバンドである、RUTHLESSが1985年にリリースしたEP。今では6曲のポートらが追加され世に出ている。
ダークで鈍色の光り輝くUS産パワーメタルサウンドは、先人達からの影響も飲み込み見事に自分流儀に昇華。ブルージーな色もアクセントに、古典的手法と80年代的メタリックな新時代サウンドを抱き合わせ見事に築き上げている。
US産らしい不愛想な顔、その音は煌びやかなシーンとは裏腹に、実に真摯にメタリックなスタイルを向き合っている。少々単調なリズムもあるが、緩めのミックスをうらやみつつも、豪快なプレイで攻撃性を担保、そこに歯切れの良いギターがガツーンと迫ってくる。重心低く迫るヘヴィネスサウンド、ミドルナンバーが中心ではあるが、ドカーンと派手目にキメているので、視聴感は悪くない。いかにもエネルギッシュなパワーメタルは、逆にメタルな脳を刺激していくでしょう。ボートラ6曲も本編に見劣りしない内容。むしろ作品の力点となり、購買意欲を擽ります。
スローなパートもアクセントとなり息苦しいだけではない柔軟さを持ち込んだ点も良かった。


JOHN SLOMAN - 13 Storeys (2021-04-15 11:07:44)

2003年にソロをリリースしたジョン・スローマン、前作から3年のインターバルを経て作り上げたサウンドが、アコギを片手に弾き語るフォーク/アートロック路線に変更。前作のような不自然な歌い回しはなくなり、彼らしい高音を駆使したエモーショナルヴォイスが復活。全13曲、ジョン・スローマンの歌声をタップリと味わえる仕様となった。

個人的には、眠くなるようなスタイル故に、惹き寄せられるものはないのだが、クラシックなサウンドが好きな人には一定の需要もあるでしょう。唄以外にもマルチな活躍をする、文字通りのソロアルバム、紆余曲折を経て辿り着いたのが今作だったんですねぇ。


JOHN SLOMAN - Dark Matter ★★ (2021-04-15 10:57:04)

70年代から80年代まで活躍した元HEEPであり、脱退後はジョン・サイクスやニール・マーレイとBADLANDSを結成したりと活躍していた、ポール・ロジャースタイプのシンガーとして知られるジョン・スローマン久しぶりの音源となるソロ2枚目。時代は2003年、モダンなヘヴィネスサウンドが席巻しているわけですが、今作もグランジ以降のサウンドメイクを基調とした古典ロックを披露。古臭い手法にざらついたファットなギターが似合うかは嗜好によるだろうが、いかにも2000年的ではある。

色んなアーティストが時代の中で試行錯誤していたことを思い出しますが、今となっては、この音も懐かしい音となるわけですから、時代の移り変わりを感じます。トレンド志向ではなかったのでハタから見ていた側としては余計に、そう感じてしまいますね。

若い頃はファルセットを交えエモーションに歌い上げていたジョン。今作には若い頃のような勢いと言うか色気はないのだが、懐かしい顔が見えてきたのはマニアにとっては嬉しい限りです。歌を中心として2000年仕様の古典ロック、最大のポイントが懐かしい顔と言うのが、個人的には少々寂しいのだが、マニアならチャレンジする価値はあるでしょう。


URIAH HEEP - Live January 1973 ★★★ (2021-04-14 17:34:43)

まさに全盛期と言える時代のライブを体感できる貴重な一枚。生々しい演奏は正にライブ盤に相応しい勢いがあり、当時の彼等の充実した姿を見ることが出来るでしょう。
ケン・ヘンズレーの鍵盤プレイの凄みと、重厚なコーラスワークこそ、ヒープと思うファンも多いだけに、これを聴けば好き嫌いは抜きに納得できるでしょうね。選曲的にも当時としては、ほぼベスト。そういう美味しさもあり満遍なく楽しめる仕上がりでしょう。
破壊力抜群の鍵盤プレイの暴れっぷり、それに負けじとミックはワイルドに迫り攻撃力も倍増。このバンドの何たるかを端的に味わえる。とりわけ、今作が素晴らしいのはデヴィッド・バイロンが誰にも邪魔されることなく唄に専念出来ていること、特に名曲Look at Yourselfもバイロンが歌いこなし、これだよこれと言いたくなる仕様。バイロンの変化自在の確かなパフォーマンスのおかげで実に芯の太い充実したものとなりました。
2ndからやっていないので、そうなったのかもしれませんね。何はともあれ、全盛期と呼ばれる誉れ高き70年代のヒープ。その勢いに満ちたハイパフォーマンスを楽しんで欲しい。そして、ケン・ヘンズレーの凄さを知って欲しいなぁ。


URIAH HEEP - Gypsy ★★★ (2021-04-14 17:13:02)

ピーター・ゴルビー時代のライブ映像。場所はLondon Camden Palace。TVの収録用のものが原本らしいが確証はない。
ある意味、貴重なゴルビー時代のライブなのだが、ミック・ボックスのワイルドかつハードなギターを前面に出した勢いのあるステージになっているのに驚く。かつてのようなプログレタッチの幻想的なスタイルではなく80年代的なモダンさも加味された新生ヒープそのものをパッケージ、そのホットで活きのいいステージを楽しめるが、少々物足りなさはある。
それは、思いれや選曲などにもよるのだろうが、個人的には、バイロン時代の曲では、やや軽く仕上がってしまった。また、喉に問題を抱えていたデリケートな男として知られるゴルビーのパフォーマンスも粗めだったりと気になる点も多い、それでもミックは、バンドをグイグイと引っ張り、ヒープの金看板を支えている。
それだけでも十分、この作品には価値があると思います。
思いのほか、The Wizardがハマっていたりと新しい発見もあり、個人的には大いに楽しみました。
ピーター・ゴルビーが引退した状態なので、今となっては忘れ去られている感があるのだが、80年代中期と言うシーン全体の過渡期に、ヒープがどのようなスタイルで勝負していたかを知ることが出来る資料的な価値も高い一品。半分以上がゴルビー時代と言う選曲も含め、マニアの心も擽るだろうし、ヒープマニア以外にも訴える場面は多いと思います。
やはりライブならではの勢い、その魅力を体感してください。
また、ヒープ最大の危機を迎える直前の時代だというのを理解してみると、また違う感情も湧き出ると思いますよ。


REFUGE - Solitary Men ★★★ (2021-04-12 17:50:02)

新旧RAGEのメンバーが揃った夢のプロジェクトチームによる記念すべき1st。癖のあるギターワークはスリル満点、緊張感漲る独特のトーンを操り不穏な陰影を際立たせている。この辺りに、このメンバーが揃う意味合いを感じるのだが、古典的なジャーマンスタイルのHM/HRも強めに反映させることで差別化を図っているように感じる。
その効果はオープニングから色濃く反映されていると思う、より普遍的でオーセンティックな方向性に軸足を置き、新旧のRAGEファンを取り込める魅力を感じる。エモいRAGEなんて嫌だと思うマニアにとっては、尚更支持できるだろうし、独特の癖を押さえることで苦手と感じていたファンを取り込みだけの魅力も同時に存在している。その反面、地味に感じる面は否めないが、堅実なジャーマンスタイルと思って聴いて欲しい。
こういうプロジェクトには可能性を感じますね。第2弾も期待したいところです。


JOHN LAWTON BAND - Sting In The Tale ★★★ (2021-04-10 13:47:29)

HEEP30周年を祝うイベントでケン・ヘンズレーと共演を果たし接近するも、両者の思惑通りに事は運ばず、ある意味予定通りとも言える形で袖を分かつこととなる。それでもジョン・ロートンの活動は途切れることなく継続されロートンバンドの始動に繋がったのはありがたい。
なかなか、精力的な活動を行っていると感じない稀代の名シンガー、ジョン・ロートン。そのパワフルかつクリアーな歌声は唯一無二の個性を放っており、一聴して彼と分かる自分のトーンを持っている人です。確かな表現力と歌声、その天賦の才を存分に生かして欲しいと思うのですが、中々ワールドワイドとはいかず、どうもローカルスター的な立ち位置で活動している印象が強い。
今作もマイナーレーベルからのリリースである。そしてレコーディングにも金をかけていないジャムセッション的なニュアンスから生まれたようなサウンドである。盟友とも呼べるギターのスティーブ・ダニングを筆頭に、気の合う仲間と仕上げたようだ。
多彩な楽曲が収録された今作、まさに主役であるジョン・ロートンの独壇場ともいえる喉を披露。なんでも歌いこなせるのは周知の事実だが、こうして改めて聴かされると、素晴らしいなぁと思う。地味目の曲もジョンが唄えば七色に光り出す、正に彼の唄が、バンドを一段上のステージへと引き上げているのだから、どのような形であれ継続した活動に声援を送りたいものです。その後、このアルバムを主軸にライブ盤を出して以降、作品のリリースはなく、今でも実態があるのかないのか分かりませんが、やや、ラフな歌声のジョン・ロートンを楽しめる今作も、彼のキャリアの一つとして燦然と輝いています。
そしてある意味、一番、真っ向勝負の古典ハードロックサウンドに挑んでいると思います。憂いのある楽曲で俄然と光るジョン・ロートンのパワーヴォイス、あの人は今的な立ち位置にいるだけに、マニア以外にも聴いて欲しい一枚です。


NECROPHAGIA - Ready for Death ★★★ (2021-04-09 13:11:49)

つい最近、Bandcampで見つけた幻の一枚。元々はこちらが1stよりも先にレコーディングが済まされていたが(詳しい事情はわかりません)1990年にポコッと出来てきて消えた一枚。ややこしい権利の関係などあったのか知る由もないが、単体での再発はなく、コンピ作に丸々収録されたり、リメイクされた形で数曲、他のアルバムで確認できたものがある程度。マニアとしては、一度は聴いてみたい一品でしたが、これがコチラの想像を裏切るような展開になっていて驚いた。

デビュー作こそ、スラッシュメタル的アプローチだったが、こちらは完全にホラーテイスト全開のブラッケンドなデスメタルスタイルを披露。シンガーもギターの音色も汚らしい糞尿まみれの血みどろサウンドを轟かしているのに驚く、1stリリース以降、デスメタル的なアプローチに移行したと思っていたら、デビュー作が異質で、彼等の本分はこっちの方だったんだと言う事実にひたすら驚きました。
とにかく、恐ろしいです。腐敗臭がプンプンと漂う残虐描写連発のホラーサウンドの凄み、ローファイな音色も手伝い、そのカルト的な恐ろしさに拍車をかけ、なんとも血生臭いB級スプラッタームービーを見せられている気分である。

おぞましきダーティーな残酷メタルは、グラインドコアからの影響も容赦なく撒き散らし、苛烈なるのノイズは自由度の高い音楽性の上で、気色悪さを発揮。彼等が示した激情渦巻く邪悪なるサウンド、その情け容赦のにない激烈さに、聴き手の理性は見事に蹂躙され支配下に置かれるでしょう。

ワシは、このバンドのことを何にも知らんかったんだぁ。

初期型デスメタルマニアならグッとくるでしょうね。


JURASSIC JADE - Id ★★★ (2021-04-08 08:45:00)

常にアンダーグラウンドシーンの先端を走ってきた国産スラッシュ系バンドの最新作。HIZUMI嬢が紡ぐ言霊。その刺激的かつ風刺の効いた世界観は、含みを持たせつつもストレートに吐き出すことで、聴き手の感性に鋭い刃を突き立てます。有名になる為なら手段を選ばず平気で嘘をつき、皆が自分を立場ばかりを優先するがあまり、善悪の判断すら曖昧になる世の中、見たくないものに背を向け、小さいウソをつきながら自分の立ち位置を決める。
世の中からこぼれるよう真偽不明の情報に寄りかかり、今日もスマホの画面に噛り付き、全てを知ってるかのような顔をする。本当の恐ろしい世の中がやってまいりました。

HIZUMI嬢の存在そのものが音楽性の頂点に鎮座するスタイル。その唯一無二の個性は、決して奇をてらった存在ではない。悪目立ちが横行する世の中とは一線を画す、本物のカリスマ性。そういうものを纏った存在だ。

ブレることのない軸足。多様な音楽性を吸収しつつも見失う事のなかった自分たちの音、それは全世界共通の認識として成立させれるような強靭なエクストリームサウンドだったと思う。
今作は、初期の匂いもだいぶ感じる。個人的には何とも懐かしい空気感です。それでも、それらが進化の過程でしかなく現代に擦り寄ったなどの妥協点を見つけるような安直なものではない。
メンバーチェンジも含め、時代の中で巧みにモデルチェンジしてきたJJサウンド。熟成された衝動は、オールタイムベストとも言える出来栄え、オールドファンから新規さんまで、全てを飲み込むだけの説得力がある。自由度の高いヘヴィサウンドの旨味、緩急をつけた楽曲が放つダイナミズム、真摯に向き合う音楽性はより崇高な理念が宿ったようだ。
メタルシーンが衰退した時代でも、常に強靭なオーラを放ち続けていたバンドの強み。カオティックなラウドサウンドは研磨され続け今なお先鋭的である。積み上げたキャリアの違いとも言えるのだろうが、文才のないワタクシでは、とてもじゃないが、この音を表現することは出来ません。とにかく妙な先入観やしがらみのない若い人にこそ聴いて欲しい国産メタルの最高峰に位置するバンドですよ。


HUGO - Time on Earth ★★★ (2021-04-06 22:03:18)

スティーブ・ペリーに声が似すぎているで話題になったヒューゴのソロアルバム第2弾。ギターはヴィニー・バーンズが参加とお膳立ては揃っています。粒だった楽曲と上手い唄、リードギターもそこそこに技を見せ、教科書通りとも言えるようなお約束のロックをやりまくっています。
それだけにスリルはありませんがクオリティに対する保証は間違いなし、どこか深夜の通販番組みたいな嘘くささもあったりするのだが、素直な耳で聴けば、心もハレバレになる爽快感たっぷりの、チョイ切ない叙情派サウンドがテンコ盛り。遠くの空を見つめ、心も穏やかな気分に浸れます。
唄が上手いってのは素晴らしいね。⑩では、カナダのTriumphの曲をカヴァー。これも流れ的に問題なく溶け込み、ヒューゴが作り出すメロディアスロックに華を添えています。
参加メンバーも複数クレジットがあり、どういう経緯で制作されたのか?気になる面もありますが、メインはヒューゴ、その者です。彼の芸達者ぶりを味わうのが一番でしょう。ギターにキーボードにドラムまで担当していますのでね。


RON KEELS FAIR GAME - Beauty and the Beast ★★★ (2021-04-06 21:46:19)

あのイングヴェイ・J・マルムスティーンを世に送り出し(踏み台にされた?)、その後はBLACK SABBATHに一瞬参加、そしてKISSのジーン・シモンズの助力を得て世に出たロックンローラー、我らがロン・キール。
80年代にそこそこの成功を収めるもメタルバブルに乗っかれるほど、器用でもなくシーンから消える事となる。
その後1997年に突如、北の狂獣SABER TIGERのアルバムに参加した時は驚きました。叙情派バンドに何故?キールなんだ?
その予測不能な化学反応はパルプンテの如き破壊力で、マニアを楽しませてくれましたね。
そんな不器用な歌声が愛されるロン・キール。一時期はカントリーで食いつないでいた苦労人、迷走するキャラを極めていたのが、この時代だと思います。
ロン以外は全員女性のツインギター編成、セクシー系の女性を4人も従えハーレム状態を楽しむことに、どう考えてもロンがニヤついている姿しか想像できないのだが、サウンドの方が、そんな邪な感情を与えない真面目なモノ。
マーク・フェラーリやトミー・セイヤーの曲もあったりと、ロンの声が似あう豪快なロックもあるが、しっかりとした枠組みのメロディアスロックもあり、華やかなメンバーの組み合わせも手伝い、音楽性は煌びやかなイメージを与えてくれる。結成は1991年だが、当然の如くバンドは短命に終わる。結局、この作品は2000年に突如リリース。
いつのマテリアルで、いつ頃レコーディングされたものなのかは知る由もないが、相変わらずロンは綱渡りなロックンロールライフを生きていると想像を掻き立てられますね。
今では簡単に聴ける、ある意味、レア音源。KEEL時代を支持するマニアなら聴いて損はしないでしょう。そしてロンのカントリー路線も、あながち間違っていないと確認できるような楽曲も収録されています。意外と器用にメロディアスなロックを歌っているので驚きます。
こっちが勝手に出来ないと思っていただけなんですけどね。


FATES WARNING - Theories of Flight - Rain ★★★ (2021-04-04 21:36:54)

ここではピアノではなくアコギをバックに切々を歌い上げています
エモーショナルで太い声も逞しい優しさを感じます
オリジナルのドリーミーさはありませんが
オマケのクロージングとしては成功でしょう


OCTOBER 31 - Gone to the Devil - Too Scared to Run ★★★ (2021-04-04 21:30:13)

シングルに収録されたカヴァー
押しの強い無頼なバンドのイメージがあったがけに予想外のカヴァー
本家よりもラフな仕様になってるが
バンドのイメージに即している
こういう隠れた名曲に再びスポットライトを当てる機会を作ってくれたことが嬉しい


SPIRITUAL BEGGARS - Return to Zero - Time to Live ★★★ (2021-04-04 21:24:22)

このバンドのイメージにピッタリのカヴァー
オリジナルに対するリスペクトがハンパない
ワウをかましたギターもたまらん
唸るハモンド
粘り腰のグルーブ
官能的なギターがやはり素晴らしい
唄も雰囲気バッチし
本家ではもう再現できない空気を生み出している
オリジナルに負けない素晴らしいカヴァーです


VIRGIN STEELE - Age of Consent - Stay on Top ★★★ (2021-04-04 21:19:26)

ピーター・ゴルビー時代をチョイスするとは渋いね
オリジナルの方がベースがブンブンきてました
でも持ち味を殺さない好カヴァーですが
このバンドの必要だったかは微妙な気がする
でもマニアには嬉しい誤算ですよ


GAMMA RAY - Somewhere Out in Space - Return to Fantasy ★★★ (2021-04-04 21:10:19)

以外と本気でやっています
アルバムの締めがカヴァーとは驚きですが
カイ・ハンセンの唄がミスマッチですが
それでも雰囲気は十分に伝わります
HEEPメタル仕様といったところでしょう
こういう忘れ去られたバンドの隠れた名曲を取り上げたセンスが素晴らしい


W.A.S.P. - Inside the Electric Circus - Easy Living ★★★ (2021-04-04 21:06:20)

どっしりとしたヘヴィネスさが増強
割とカヴァーソングでアルバムの水増し傾向のあるブラッキーですが
流れ的に違和感はない
またバンドのルーツに触れるのもファンにとっては嬉しい限りです


W.A.S.P. - Inside the Electric Circus - I Don't Need No Doctor ★★★ (2021-04-04 21:03:46)

ロッカーならHumble Pieヴァージョンが馴染みでしょう
元はR&Bでレイ・チャールズが唄っていたとか
こちらのヴァージョンはロック仕様です
軽快なロックショーの合間に挟まれても違和感なし
このバンドのイメージにピッタリですね


MOUNTAIN - Nantucket Sleighride ★★★ (2021-04-03 18:35:07)

ある一定の世代の人ならば、ギターをマスターする過程で、必ずポール・コゾフやアラン・ホールズワース、そしてレズリー・ウエスト等は避けては通れないマスターピースだったろう。
マイケル・シェンカーに通ずる泣きのギター、そりゃレズリーがお師匠さんなんだから、類似性があって当然となるわけです。若い人で、なかなかマウンテンというバンドに繋がりづらいでしょうが、ギターを志す気持ちがあれば、一度はトライして欲しいバンドでありアーティストです。
そして何よりも、古典ロックの凄みを体感したい人にはマストなアルバムだと断言したいですよね。
アメリカンロックの良心とも言えるエモーションと泣かせのフレーズ。このバンドがR&Bやソウルだけのエッセンスで終わらないのはプロデューサーであり、ベースとして参加するフェリックス・パパラルディの影響にもよるのだろうが、そういう理論的なものなど関係なく魂に訴えかけるフレーズとエモーションなプレイを心行くまで堪能できる。
しかもハードな調べを基調としているのだから、ロックファンにとっては避けては通れないアルバムだと思いますよ。粘りっこいギターは哀愁を纏いながらも熱量を放出、そのスリルとエキサイトメントをフォローしつつも、泣かせ具合があるのだから恐れ入る。
バンドサウンドの根幹たるギターに負けないベースの存在感、そして丁々発止なギターとベースの合間を縫うように美味しいフレーズを叩き出すドラム、鍵盤プレイは空間を広げ、このロック一代抒情詩の世界観をより深いものに演出。演者が無駄なく一体感を出すことで、バンド特有のスリルと味わいを膨らませている。
レズリーのギターは素晴らしい、これだけ弾ければゴリ押しのプレイの一つも挟めたくなるが、彼は、バンドの一員となり主役を務めあげている。
70年代のバンドという事でブルース臭も強めと考えている若い人にとっては、思いのほかザラついていない清々しいさがあって驚くでしょうね。でも骨太なロックサウンドの魅力は損なわれていません。その妙味が今作にはあります。
島国感情を持つ日本人には、この哀愁が忘れられないんですよね。無頼なロックに注入された泣かせのメロディ。そこに感情が大きく揺さぶられます。