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LEE AARON - Bodyrock - Hands On ★★★ (2024-08-12 00:51:43)

パワフルなシャウト一発をかましたところで
アメリカンに弾けるハードでポップなサウンドが展開
王道メジャーロック
歌詞も含め売れ線サウンドだが
今となっては懐かしいスタイルの楽曲だ
ここは素直な気持ちで耳を傾けて欲しい
今のアメリカのハードシーンにはついていけません


UFO - Force It - Out in the Street ★★★ (2024-08-10 15:59:17)

ピアノの音色が印象的ですね
ピートの力強い歌声も懐かしい
もう今はこんなに唄えん
シンプルな曲調だから若い人には物足りないかもしれないが
こういう古典を知って欲しい
キレのあるリズムもクール
各自の見せ場も十分


SUNSTORM - Edge of Tomorrow - Don’t Walk Away From a Goodbye ★★★ (2024-08-09 20:19:18)

何だかとても懐かしい気分にさせてくれます
円熟味を増したジョーの歌声
奇をてらわないアレンジが心地よく響きます


SUNSTORM - The Road to Hell - Only the Good Will Survive ★★★ (2024-08-09 17:04:54)

ポジティブなムードに包まれたオープニングナンバー
適度にハードでロックしている
歌メロもハマっていますよね
いい雰囲気の曲です


MADISON - Swedish Metal Explosion - Northern Lights ★★★ (2024-08-08 21:30:41)

ここで歌うはピート・サンドベリ
彼の透明感のあるエモーショナルな歌声
ポピュリズムを高めはソフトケイスされた叙情派サウンドにピッタリ
コーラスワークのゴージャスに
このラインナップでフルアルバムのリリースに至らなかったのは残念だ


ODIN(U.S) - Caution! ★★★ (2024-08-05 15:39:30)

この幻のシングルが配信盤で登場しているとはね。単体で1500円とかで売られるような商品でしょうが、それは手が出ないがマニアは欲しくなる。そんな悩みを解消してくれたのがサブスク生活ですが、でもいつ配信停止になるか分からない音源もあるので、痛し痒しでも、膨大な音源を棚から探すことなく簡単に検索できるのはありがたい。とくに買うまでもない音源を気軽にチェック出来るのは、あらゆる意味でもアドバンテージだ。たまにアナログ盤からCDに移行した時代を重ねる人間もいるが、全然比較にならない。

ODINがツインギター体制だった初期の音源、そのギタリストは一瞬、メタリカに参加したブラット・パーカーことダミアン・C・フィリップスというマニア好みのギタリストがいるのがポイント。既にダンカン兄弟も揃っているし、シンガーはクセ強のウエンディOだ。

このバンドの持つ退廃的ムードが醸し出す毒気、アメリカのバンドだから情念はないが、妖艶なるダークでミステリアスな世界が口を開け待つトワイライトゾーンな音楽性を披露。既に確立された魅力がここにある。シアトリカルな歌い手の存在感と、真面目に取り組むショックロック的な路線も初期の彼らならでは、癖が強いシンガーも味となり独自性を高めている。

音質的には厳しい物だが、当時の空気をパッケージした今作を配信してくれたことは大いに感謝する。


ANVIL - One and Only ★★★ (2024-08-05 02:33:24)

もはや生ける伝説を化したカナダのメタルバンドによる最新作。正直、リップスの声は衰えているが、そんな事は大した問題では無い。ここで奏でられるシンプルなサウンド。ややスタートは遅いが③あたりでスピードアップ。今作は、現代的なテクノロジーの恩恵は受けているが、極力現代的なヘヴィサウンドと距離を置き、彼ら自らが積み上げてきたスタンダードなハードサウンドへと回帰している。
前作をまだ聴いていないのでなんとも言えないが、この先祖帰りしたサウンドは個人的には大歓迎。
彼らがまだ現役でやっている事を高らかに宣言している。ANVILもAC/DCのように変わらない姿を貫いて欲しい。スリーピースが繰り出す愚直なるハードロッキンメタル。過去と現在を交差する永久不滅な古典ロックの強み。サバス風味だって自らの血肉である。
リップスの衰えは気になるが元気一発のクロージングソングは、このバンドの専売特許。また頭から聞きたくなるじゃん。ありがとうANVILである。


DRIVER - Sons of Thunder - I Believe in Love ★★★ (2024-08-03 13:08:00)

典型的なパワーバラード
たまにはベタなもんを聴きたくなります
ロブ・ロックのオペラティックな歌唱スタイルもハマる


DARK HEART - Shadows of the Night - Shadows of the Night ★★★ (2024-08-02 13:07:27)

雰囲気満載のオープニングナンバー
ダークな哀愁美を纏った英国的様式美スタイル
NWOBHMならではの味わいがたまらん


DARK HEART - Shadows of the Night ★★★ (2024-08-01 14:00:49)

かつてはTOKYO ROSEとして活動、ドラマーにBattleaxeのイアン・トンプソンが加わり、仕切り直しなのかバンド名を解明して今作をリリース。英国的な湿り気を帯びたメロディ、どこか煮え切らない哀愁のサウンド、NWOBHM特有のマイナー臭を撒き散らすサウンドは、好きモノにはたまらない魅力を発散。シンガーがシアトリカルに歌い上げればMercyful Fateと比較出来るバンドとなるでしょう。

その特有のダークサイドに落ちた世界観とメタルな勇壮感を軸に哀愁の旋律が絶妙なラインで展開。力強さを損なわない英国的様式美スタイルへと昇華している。妙にアーティスティックなジャケが、音楽性と乖離していてプログレッシブロックバンドみたいなジャケが、損しているなぁと個人的には感じるのだが、逆に目に止まるという点では高評価、そして出しているサウンドはマニアにはたまらないNWOBHMワールドを忠実に展開しているので、ガッツポーズ連発となるでしょう。

埋もれていた一品ですが、一時期勢いがあったベルギーのMetal Mind Productionsが再発。当時はRoadrunner Recordsが欧州で販路を開き、アメリカではEnigmaとMetal Blade Recordsが販路を分け合ったNWOBHM史に残る名盤。まだメタルが商業目的の道具に毒される前の純粋さが光輝いている。年に2回は通して聴いて襟を正したくなりますね。
自分のルーツと向き合う丁度良い音楽性のバンドです。ワタクシは渡米前のLOUDNESSが大好きなので、この質感はたまらんよ。


KIM KYUNG HO - The Rocker ★★★ (2024-07-29 02:17:01)

我らがキム・ギョンホが再びロックシーンに返り咲きました。デビュー30周年を祝う今作はリメイクあり、ロックオペラあり、ネオクラあり、ダンサンブルなナンバーから必殺のバラードまでと、彼のミュージシャン人生の集大成となる渾身の一枚となっています。
キムの偉業を祝うべく韓国のロックシーンを代表するミュージシャンが参加、盛大に祝福するかのようにコラボしています。彼の歌の上手さは折り紙付き、どのようなタイプの曲も自在に歌いこなし、その存在感を存分に知らしめる形となっています。
かつてインタビューでメタル系の歌を歌うローカルスターでは終わりたくないと自信のキャリアについて語っただけに、ロックフィールドに戻ってアルバムを作ってくれたのは嬉しい限りですよね。
キムの情熱的な歌声は心を動かすだけの魅力がある。かつてサーベルタイガーのメンバーをバックにミニアルバムを制作した過去がある、それだけにガチンコメタルファイターとしての実績は韓国時代のみには留まっていません。
それだけに、彼にはワールドワイドな成功を目指し、ロックフィールドで勝負して欲しい。この強靱な声を持つシンガーは世界広しと言えども、そんなに多くはありません。
バラードからロックまで、その振り幅の広さを生かした優れた楽曲とゲストが華を添えてくれた事で、今作は今まで以上にメジャー感が強まり、聴きやすさが倍増しています。現代のフィルターを通した普遍的な魅力に富んだロックサウンド、これぞキム・ギョンホな歌と共に素晴らしい楽曲を楽しみましょう。
今更、国籍で音楽聴くヤツなんていないでしょう。
まぁ、たまにいるけどね、お前は日本人じゃないとか寝ぼけたことを言う差別主義者がね。馬脚を現す掛け持ちバイトには困ったもんです。


WARHORSE - Paul Di’Anno’s Warhorse ★★★ (2024-07-28 05:57:42)

馬の嘶きから始まるストレートなメタルソング。ポール・ディアノのキャリアを見渡しても実に真っ当なHM/HRに取り組んでいる。ウクライナ人とのコラボというのもあるのだろうが、欧州的なメロディは哀愁度を増しており、ある意味、お騒がせタレントの集大成みたいなクズ人間と化したポールの破天荒な人生が醸し出す、ビジネスライクな匂いを消している。完全には消えていないが、このプロジェクトが動き出したのは2年前からだから、フルアルバム完成にこぎ着けられたのは、ポール復活を印象づける事に貢献している。

多様な楽曲に呼応するようにポールも、お得意のパンキッシュな唸り声だけではなく、魅力的なクリーントーンも披露して、傷つき疲れ果てた破滅的人生を滲ませている。現代的なテクノロジーを介して築き上げた古典サウンド。それは多くのファンに取っては期待を受け止める形となっただろう。二人のギタリストには感謝しかないのだが、せっかく⑤のようなドラマティック曲まで用意して、驚かせたのに、⑦のカバーソングは必要だったのだろうか?お気楽にお楽しみなバラエティ番組のドッキリじゃないんだからと思いましたよ。それくらい①から⑥までの流れは良かった。
朴訥としたフォーキーな出だしからテンポアップする⑧で気分を持ち直すも、⑨ではニューウェーブの代表格Depeche Modeである。これも賛否が分かれるだろう。
実験的な要素も強いがポールのロッカーとは違う一面を引き出しているが必要だったかは微妙だ。狙ったかのようなラスト⑩はメイデンのRUNNING FREEを思い出させるような魅力がありクロージングソングとしては成功だ。

全体的な感触は悪くない。ポールは今でも健在だ。オーセンティックなサウンドと堅実なプレイで貢献したギターチームも素晴らしい。あとは⑦と⑨をどう捉えるかで評価も大きく変わるだろう。不思議な物でアルバムと通して聴くと、違和感は少なめなのだが、でもなくても良かったという評価は変わらない。偏見なのかも知れないが、個人的には8曲入でも十分満足できる内容だった。

今作の方向性を煮詰め第二弾、第三弾とパーマネントな活動をして欲しいとは願う。ハリウッド映画ザ・ホエールみたいに車椅子生活とは切り離せないのだろうが、あの声が健在ならば作品には期待したい。


Punish - No Regrets ★★★ (2024-07-27 02:07:58)

久保田陽子、石原慎一郎、寺沢功一、西田竜一という四人からなるスーパーロックグループ。古くて新しいハードサウンドは、各メンバーが持つスキルをフルに発揮、古典ロックの中で溺れることのない鮮度のあるアイデアが見事に結実、久保田陽子節とも言える叙情的な歌メロが閃光を放ち、楽曲の中で異彩を放つ。そのフックのある歌メロと、彼女の潤いのある歌声は、どのようなハードテイストも自分のカラーに染め上げ、リードヴォーカルとしての格の違いを見せつける。
国内のハードシーン見渡しても、このメロセンスはメタルオンリーではない彼女だからこそ持ち合わせる個性が極まったアイデアなのだろう。ラウドネスのサポートは西田竜一の凄さをようやく世間に認知させた。プログレバンドを経てACTIONに席を置いたが、あの時代はオリジナルアルバムを作らなかったから、西田は知名度を上げきれなかった。それだけに、ここで聴ける多彩なるヘヴィグルーブの凄み、ベースの寺沢と繰り出される、先を読ませないスリルたっぷりの強靱なリズムに、ノックアウト寸前です。
シャラもSLY時代を彷彿とさせるイケイケのハードワークに惚れ惚れさせられるが、彼の持ち味は心に訴える情感溢れたリードプレイ、ここではメタリックな質感を高めつつも、持ち味を殺さない熟練の技を披露、ハヤブサの剣と言わんばかりにキレキレである。

彼らサブスクやってくれないので、CDを買うしか音源に触れられないのは本当に勘弁して欲しいのだが、それがアーティストの懐に転がり創作意欲&バンド活動の継続に繋がるならと、しぶしぶお金を出しています。
今のご時世に逆らわずに、一日も早くサブスクリプション解禁でしょうよ。もっと多くの人に知って貰いべきテクニカル集団による、聴きやすいメタルは最高なんだけどね。


STUN LEER - Once ★★★ (2024-07-20 09:02:19)

アルバム一枚で消えた幻のAOR系ハードバンドのフルアルバム。リリースはMTMから1998年、国内盤もあっただけにクオリティは折り紙付き、リリース時、参加メンバーで一番知名度が高かったのが今作でリードヴォーカルを担当する元TOUCHの才人、ダグ・ハワードという、遅れてきたルーキーだっただけに、ネーミングライツでは劣るのだメロディックメタルマニアの間では名盤と溺愛される一枚。

個人的にはリリース時期も悪かったが一番のマイナスは黄色が強すぎるグラデーションの掛ったジャケットに尽きると思っている。とてもではないが、こんな爽快で泣かせる叙情派サウンドを奏でるバンドとは思えない最悪のイメージショットが問題だったと思っている。

またバンドのメインはベースのポール・マイケルとギターのマイケル・マッケイブの二人、バンドの原型は昔からあったと言われているだけに、今作が時代を問わない普遍性を持っていることに合点がいった。
とにかく混じりっ気なしの叙情派ハードサウンドを展開、そこに力強いハスキーヴォイスが絡み、多種多様なサウンドと真っ向勝負。なにより、キーボード主体のキラキラ系ではないので、シャレオツなヤツはちょっとと思うマニアを振り向かせるだけに力強さがある。

とくにギターのマッケイブはかなりの実力者。その引き出しの多さに舌を巻きますね。だからこそ、バラエティ豊かな唄モノロックをより彩りのあるものへと高めている。極めて高いソングライティング力に支えられた今作、リードヴォーカルとして素晴らしい歌声を披露したダグの貢献度、ドラムもゲストで複数クレジットされているがパワフルなリズムを叩き出し軟弱さを排除。ノリが良くテンポアップされた曲も多いので、ノリノリで楽しめます。

とは言えヒットに繋がったとはならずバンドは今作一枚を残し消滅。配信盤もない状況なので完全に忘れ去られた存在となりました。またアメリカのバンドなのに、本国でリリースされなかったというのも痛い。そんな絶望的な知名度とは駆け離れたクオリティ、哀愁のメロディが好きでハードなギターが絶妙な頃合いで顔を出すバンドサウンドが大好きなマニアならば、腰を上げずにはいられないでしょう。類型的なスタイルと言われガチのサウンドの中で、このバンドを頭一つ突き抜けた安定感がある。
コンパクトな作風は聴きやすさを最大限まで誘発、その中にドラマと展開があり飽きさせない工夫を凝らしている。楔となるギターソロも確実にクライマックスとなる見せ場を設け、聴き手のテンションをキープ、気がつけばリピート再生の罠にはまります。

ランニングタイムを短いし本当に聴きやすい作風なんだよなぁ。力点がロックなんですよね。メロディアスな作風なんですけど、パンチが効いているんですよ。このまま埋もれされるのが惜しいわ。残念で仕方がありませんね。
まずはサブスクリプション解禁でしょうよ。どこぞのレーベルが腰を上げんかね。勿体ないわ。


HURRICANE - Slave to the Thrill ★★★ (2024-07-17 04:05:29)

このバンド、最初から日本では人気の出ない運命に魅入られていた。デビュー作は大野さんに、買うか買わないか迷う点数を付けたとレビューされ、次のアルバムは名物編集長に見つかり、そして再リリースされたEPはイマイチと酷評、そして、確か今作は増田さんだったかな?並と論じられる始末。極めつけは多分、藤木さんがダグのギターソロに対してスケールを追いかけるだけで好きになれないと、評価された過去があり、そういう複合技がもう決め手となった印象が強い。
今作がリリースされた当時、鼻息荒く文句をいうヤツが沢山いました。あれは一体なんだろうかと思い出すますね。

サウンド的には豪快なアメリカンロック路線に舵を切りました。前作にあった複雑な絡み、リズムもギターも、ストレートに打ち出すことはなく、拘りのアレンジとメロセンスで魅了、一曲の中に展開を設け一筋縄ではいかない印象を与えたが、今作は、無駄な装飾を取り外し、とにかく豪快でワイルドなアメリカンロック路線へと向かいました。
ホワイトスネイクのサーペンスアルバムみたいなヘヴィロック路線なんですよね、向こうはイギリス、こっちはアメリカ。その違いはありますが狙いは一緒、ギタリストとしてもダグ・アルドリッチがジョン・サイクスと比較して大きく劣ることもないし、今作で聴けるケリー・ハンセンのパフォーマンスはカヴァーデイルと比較しても遜色なし、もし負けたというのなら知名度くらいだろう。

曲に合わせ怒りを解き放ちロック然としたシャウトをかましたかと思えば、シットリと追いかけるエモーショナルヴォイス。なにより、どんな楽曲にも負けないパワーを持ちながら、変化自在にコントロール。彼の歌の上手さは批評家から酷評されたEP時代から突出していた。ジョー・リン・ターナーを溺愛する批評家がいたように、もし著名な批評家がケリー・ハンセンを激押ししていたら、今日の評価も変わったろう。もっとツッコんで言えば、今作&バンドの評価も違うはずだ。

パワフルなメジャーヘヴィロック①は大物フランク・ターナー・シムズのペンによるもの、ケリーは見事に期待に応えた。
キャッチーでパワフルなメロディックメタルの③、狙いすぎだが泣かせのバラード⑤、そしてハイライトとも言える繊細さとダイナミズムの対比が見事な⑥と、ケリー・ハンセンのハイパフォーマンスを堪能出来る楽曲がしっかりと揃っている。

売れたのは、ナーナナナナーのコーラスが良くも悪くも印象的なI'm On To Youのシングル効果&1988年という時代背景がある前作だが、欧米では、今作の方が支持されているというのが皮肉だ。確かに日本人は大陸的なグルーブよりも、情緒のあるメロディを好むので、⑦みたいな曲は単調に聞こえるのだが、⑨以降も手を替え品を替えアメリカンなサウンドと展開している。

方向性は変わったが前作を比較しても遜色のないクオリティを保持。サーペンスアルバムみたいなヘヴィロック路線が好きな人にはたまらんだろう。むしろ、ケリー・ハンセンの憂いのあるパワーヴォイスとダグ・アルドリッチの組み合わせはLIONでは、叶えられなかった夢を掴む可能性を感じさせるだけに、LIONファンが聴いても大いに楽しめるだろう。

個人的にはサーペンスアルバムは凄いアルバムだが、ホワイトスネイクらしくないと思っているので、今作がハリケーンらしくないという意見は理解できるが、良し悪しならば、質の高いアルバムであると断言できる。前作は画期的だったが、今作は王道を貫いた。外部ソングライターの手を借りたのも、①のようなドライブするメロディックメタルをやるためならば成功だろう。

このバンドは、ある意味、真摯に音を作っている。プロデューサーの意向を汲み取り器用に立ち回っている印象が強い。だが、彼らは安直なL.Aメタルとは一線を画す本格派のバンドである。技術的にも一流、それでなければ、この手のサウンドは二番煎じが強くなり、味が渋くて飲めたもんじゃない。レーベルに振り回された格好なんだろうが、ケリー・ハンセンの凄さが際立ったアルバムである。

改めて歌の上手さを再確認させられた。器用すぎたんだよね。なんでも出来るから、形を変えられる。要望に応え売れなかったら捨てられる。当時の音楽シーンがもたらした深刻な問題を想起させる一枚。
当時の批評におけるバイアスが掛らない世代や知らん人には大いに勧めたいですね。豪快なアメリカンロックが好きな人には①②③の流れは完璧でしょう。青空の下、大音量で聴きたくなりますよね。

今作はそういう方向性に舵をきった一枚。普遍性を追求して可能性を広げたことになります。


TUFF - What Comes Around Goes Around ★★★ (2024-07-17 03:08:58)

リリース時は箸にも棒にもかからない並のバンドと評価された彼ら。まぁあの時代を知っている人にとっては、まさにその通りと納得する個性のないバンド。丸々風味満載だったりするので、相当困惑させられるのだが、逆に今となっては新鮮だ。

グランジ/オルタナムーブメントを通り、グロウルが全盛の時代がやってきた。裏番長とだったブラックメタルがメジャーフィールドへ大流出。エヴァネッセンスがトドメを指し、マスクかぶった大所帯バンドがメタルの核にいると言われ、いまやEDMを通り越しユーロビートだ。

そういうシーンの移り変わりを見ると、個人的には、この無個性のサウンドがなんだがとても愛おしく感じる。前編に渡りデジャブ感が漂う、その節奏のなさが駄菓子屋感覚で、昔、コレ喰ったなぁ、あれは嫌いだった、高くて中々手が届かないとか思い出すように、三週回って懐かしい。こういうハードサウンドがアメリカのビルボードチャートを賑やかしていた時代があるんだよと、若い人に教えるにはピッタリの一枚。
POISONありMOTLEYありBON JOVIありAEROありと、もう類似性を上げたらキリが無い。教科書みながらのカンニング大会だ。それが、味わい深いと思う日が来るとは夢にもおもわなんだ。オジサンには、丁度良いサウンドです。
ワタクシは、たまにこういう物を聴きながらノスタルジックに浸りたいです。でも、スラッシュメタルから入ったので、実は本腰入れてL.Aメタルを聴き始めたのはガンズの成功以降なんですよね。

子供の頃は、メインストリームのロックを聴くヤツをバカにしていました。そもそも、雑誌読んで切り取り発言するヤツは耳の腐ったヤツだくらいの尖りを魅せていたので恥ずかしい思い出です。

この類型L.Aメタルが染みる。3年に一回くらいは通して聴きたくなるアルバム。温故知新を訪ねて若い人にも是非、お試しあれ。


HURRICANE - Over the Edge ★★★ (2024-07-16 01:44:48)

残念ながらデビュー作がイマイチと烙印を押されてしまった実力派集団。特にケリー・ハンセンの憂いのある力強い歌声はバンドの看板を背負うのに十分な人材、その情緒のある歌声を軸に楽曲を構成、少々長めのイントロが気になるメロディックな①は、派手に突っ走る訳でも、ノリノリのポップソングでもないという姿勢に、このバンドの魅力を感じるが、駄作感が漂うアリス・クーパーのカヴァー、そしてI say na, na, na, na, na, naの繰り返しがカッコ悪い、狙いすぎだ。

そういう悪い流れを、④で盛り返す、アメリカンなグルーブとケリーの強烈な歌声がタフな面を強調、それでありながらも仕掛けがあり単調に流れてはいかない、その構成力とケリーの支える手練手管の寝業師軍団が魅力的なプレイで魅了と、仕切り直しに成功。シングルとしては③は正解だが、アルバムの流れ的には微妙だ。

⑥で聴かせるコーラスハーモニーの美しさ、ケリー・ハンセンはロックシンガー然とした力強さを前面に押し出し、楽曲を支配。そのエモーショナルな歌声は間違いなくハイライトだろう。③のような嘘くさいヒットソングよりも、断然⑥であろう。だからこそドラマティックな⑦へと繋がるのである。バンドはアルバムのハイライトを迎え、英国寄りのロックサウンドで、目先を変えることに成功。
どこかシニカルな要素を持つ⑧、バンドの守備範囲の広さを見せつけた。好き嫌いは別にアルバムの流れ的には、いいアクセントとなっている。

メタルバブルが吹き荒れる、この時代に彼らは実験的な要素の強いアルバムをリリースしてきた。レーベル主導の②③はご愛敬だが、仕掛けの多い作風である。メインストリームを意識していたならば本格的過ぎるのだが、ハードエッジを損なわないギターと、グルーヴィーなベース、そしてバンドサウンドに深みを与えるドラム。聴くべきアレンジが多い。
何度も言うがこういう作風ならば②と③はいらん。エニグマがプッシュするだろうと、名物編集長がレビューした事で、次の隠れたスター、ツウが知るバンドみたいな感じで持ち上げられた記憶があるのだが、キャピタルからも出ているので、そんな感じじゃなかったんだけどね。まぁ、ストライパーの前座やってたからね。


CLOVEN HOOF - Throne of Damnation ★★★ (2024-07-13 07:12:18)

2008年にリメイクベストをリリースした彼ら、今回は新曲3+リメイク2曲の5曲入EPをリリース。限定500枚というリリースだったので、今や入手困難な一枚なのだが2018年リリースのThe Definitive Part Twoという企画アルバムに丸々収録されることで容易に視聴できることとなりました。ありがたい話ですよ。サブスク生活の方ならば簡単にチェックです。

ラス・ノースとリメイクアルバムを作るも、結局、マット・モートンが戻る歌入れを敢行。彼のマイルドで伸びやかな歌声はバンドサウンドにフィット、特に1stに収録されたNight Stalkerのリメイクなど、オリジナルを意識した歌い殻をしており、その器用さに舌を巻く。FMのシンガーだったクリス・オーバーランドを想起させる声質は、バンドに新鮮な風を送り、新曲が思いのほかメイデン風味が強いので、余計に際立って鮮度を高めている。

良質な作品をリリースしながら何故か、成功を掴めなかった、個人的にはその代表格の一つに挙げたくなるバンドである。
曲数も少ないしキャッチーな曲が多いので聴きやすいです。メロディアスだし適度にハード、初期の曲の持つダークテイストと、5曲入だが、挨拶代わりには丁度良いだろう。
NWOBHMに興味のある若い人には、取っつきやすい古典ロックです。まさか令和の時代に5ちゃんねるに入り浸る時代錯誤な爺さんや、NWOBHM四天王なんて、大嘘もいいカビの生えた情報を発信する猛者でもない限り、大いに楽しめるでしょう。


CASSIDY PARIS - New Sensation ★★★ (2024-07-10 15:01:30)

スティーヴ・ジャネフスキーの娘というロック界のサラブレッドとなるのかと注目を集める彼女。先行配信された①がVIXENみたいだなぁで、すっかり忘れていたが、本日のオススメという事で思い出した。まぁ、とにかくサブスク生活の弊害は、お金を払っていないし、そもそも手元にないので思い入れが薄い。
連日、上書きされる情報の多さとワタクシ自身の節奏のない音楽的趣味のせいで、忘れてしまうのだ。なんか聴かなければいけないアルバム他にもあるのだが、もう思い出せない。
それでもストレスを感じないのは、それだけ毎日良質な作品に触れる機会が多いこと、そして一バンドクリックすれば、それに類似したバンドが更に登場と、もう完全に飽和状態ですね。嬉しい悲鳴ですが、まぁメインは古いバンドを検索して聞きこむ事が一番の楽しみなので、こういう音を聴くことに違和感がない。

むしろ③のようなバラードは、私にとっては新鮮で、既に古典となっているエバネッセンスやリジー・ヘイルあたりの雰囲気が漂うし、⑥なんて全世界が喜びそうなメインストリーム型オルタナサウンドで魅了、アヴリル・ラヴィーンみたいで、オジサンの慰み者では終わらない今を切り取っている。
こういう音を若い人に知って貰いたい。ただの80年代型ガールズロックではない。

彼女の問題は、美しさを前面に出したくないのかイマイチ魅力が伝わらないジャケットと、ある意味、お約束感が強い楽曲によって個性をスポイルされていることに尽きる。
これは個人の問題だが、ワタクシは、この手のメロディックサウンドをある程度、聞きかじっているので、どうしてもデジャブ感が漂う、また幸か不幸か、数少ないモダンなロックから知っている曲に似ているパーツを見つけてしまったのも良くなかったのだが、そういうくだらない偏見を捨てて、音そのものを楽しめば、これが20歳そこそこの女性シンガーによるパフォーマンスなのかと驚かされる。
シンセを控えめにしたのはレーベルのアイデアなのか、この手のサウンドとしては珍しい方法論を採っており、このあたりにも彼女のロッカーとしてのプライドを感じる。
個人的には、それだけに⑪が印象深く刻まれた。そのおかげで、またアルバムを頭からリピートしたくなる衝動に駆られる。
あまりオルタナメインストリームポップロックを知らんから、新鮮に聴けているのかも知れないが、老若男女問わずと訴えるだけの求心力のあるサウンドだ。

是非とも売れて欲しいですね。ロックの世界にスターは必要不可欠。女がハンデにならない時代もやってきた。


SMOKING SNAKES - Danger Zone ★★★ (2024-07-10 14:28:18)

北欧初のグラム系ハードバンド。これが今日のオススメですとのこと。親しみやすいハードさ、80年代型のスタイルだが、北欧のフィルターを通しているので冷ややかな感触がある。それでありながらも黄金期を想起させるダイナミックなサウンドがギミック無しで楽しめる。嘘くささよりも生真面目さが勝っており、現代的なテクノロジーの恩恵を受けることで古くささとは無縁の古典をやり切っている。

クソ熱い夏を吹き飛ばす勢いに満ちたロックサウンド。シンガーがW.A.S.Pのブラッキー成分が高く、そこにディー・スナイダー風味が加わりメインとして君臨、裏を支えるリズミカルなベースと、パンチ力のあるドラム。そしてテクに溺れないギターワークは80年型グラムサウンドにフィット。バランス感覚に秀でたサウンドを構築している。

ノスタルジックではあるのだが、若い者が本気でやっているのでフレッシュ感が漂っている。このあたりがこのバンドの魅力だろう、ロックの持つ熱いエナジー、脳天気なパーティーロック系ではないので好感が持てるが、もっと賑やかで楽しいヤツが好みの方には、少々ワイルド過ぎるだろう。また毒気よりもシリアスさが強いので、灰汁は少ない。
そのあたりも猥雑なアメリカングラムとの明確な違いがある。パフォーマンスもさることながら、エネルギッシュなプレイと楽曲構成、コンパクトかつシンプルなアレンジが見事に効いている。

やはり何を聴かせるバンドかと言うヴィジョンを明確に持っているバンドは強い。売れる要素が強いのだが、彼らのようなバンドが増えメタルシーンを再構築して欲しい。


DEMON - Invincible ★★★ (2024-07-10 01:07:49)

今年はベテランが豊作だ。JPもくだらねぇYouTuberが開発したインスタントラーメンみたいに話題性だけで中身がスカスカの回帰作FIREPOWERというアルバムを世に送り出しガッカリさせられた。あんなもん、JPなら簡単に作り出せたであろう。紆余曲折を経た苦悩や創作に対する前向きさを微塵も感じないインスタントアルバムだったが、彼らがその最大の汚点をInvincible Shieldにて雪ぎ落とした。
SAXONも前作よりも、さらに80年代的なスタイルの音楽性を披露、サクソンアメリカンナイズドなどと寝ぼけたことを言い、手のひらを返し雑誌のレビューに踊らされ、権力者に簡単に抱かれる尻軽連中を嘲り笑った傑作を世に送り出した。
個人的にはたまらん思いである。

Frontiers Musicからリリースされた今作、ここにきてDEMONは自らのアイコンとなるような傑作をリリースした。邪悪なジャケと音楽性の乖離が話題となった1st。とくに彼らの場合はDEMONと名乗っているので、おどろおどろしいドゥームや厳ついメタルを想像させたのだが、もっとポップセンスを生かした70年代的ロックよりのアプローチを取るバンドである。
キーボードと夭折したマル・スプーナーの元、ペストと訳せるプログレッシブなアプローチを試みて大成功した傑作The Plagueを1983年にリリース。バンドは最盛期を迎えるも、音楽性的に、ターゲットは狭かったと言えよう。

特にシンガーのデイブ・ヒルが醸し出す、塩っ辛いオッサン声、これは女子受けしない。そんな玄人好みのサウンドはマニア御用達とるのだが、新たなる聖典と呼べる傑作をリリース。Taking the World by Stormのようなメロディックメタルではなく、もっと古典に根ざしたサウンドを披露。自らのルーツと呼べるような作風、ジョン・ロード風味のオルガンを生かし、Magnumやヒープのような味わい深きロックサウンドを踏襲、そのメロセンスを存分に生かし、老獪なテクニックで見事ストーリーテラーを勤め上げたデイブ・ヒルはバンドの顔として、近年の作風の中でも特にインパクトを残してくれた。

こういう作風にレーベルが加担してくれたのならばFrontiers Music感謝しかない。大英帝国の威厳、それはパープルでもホワイトスネイクでもない、アイリッシュフレーバーにも頼らない、古典的な響きを現代的なテクノロジーを駆使して作り上げた今作。緻密な作業がもたらした功績は隙のないアルバムを作り出した。

デイブ・ヒルは地味だ、それは間違いないが、このメロセンスは捨てがたい魅力がある。何よりバンドサウンドがしっかりしている。どこか魔界的世界観を演出するキーボード。パンチを与えるドラムとビートを揺らすベース。そして二本のギターはオーソドックスな味わいの中、挑発的なプレイで聴き手を惹きつけている。
バンドの重みを音に封じ込めたバンドの勝ちであろう。ここで聴けるのは、今だ更なる高みを目指す創作意欲。衰えは隠せないがセンスは光輝いていた。多くのベテランバンドが抱える引き際の問題。
デイブ・ヒルにも、引退の足音は近づいている。しかし、今作のような豊潤なサウンドを聴かされると、現実から目を背け、時を忘れ楽しみたい物です。
これはDEMONにとって最大の事件だろう。傑作の誕生です。


PRAYING MANTIS - Defiance ★★★ (2024-07-07 09:05:17)

NWOBHMが産んだ伝説のメロディックメタルバンド。日本でポール・ディアノとのイベントで復活。それまでは完全に忘れ去られたバンドだった。特に復活後の90年代は日本を頼み綱に活動。ビックインジャパンで食いつなぐ事となる。そんな彼らも終焉の時を迎えるらしいのだが、もし今作でバンドの歴史を閉じるなら残念である。
ソングライティング力、演奏と技術的に落ちたと感じさせることもなく、今なお珠玉のAOR系ハードサウンドを披露。長年悩まされてきたリードシンガー問題も解決して、質の高い作品を世に送り出した。
個人的にRAINBOWもやったラス・バラードの④はいらないのだが、芳醇なメロディが紡ぐ至極のメロディックサウンド、絹のような肌触りは、悠久の時を運び優しく聴き手を包み込む、しかしロックバンドとしての芯の強さ、そのハードテイストもサボることなく、自らが築き上げた世界観を大切に守り通している。

こういう音を評価するのは難しい、ある意味お約束だし、メタルとしてはパンチが弱い。スピードで勝負する分けでもないが、日頃J-POPを聴いている人を振り向かせられる程、敷居は低くない。
インテリジェンスな部分もある、だからお気楽にノリノリで楽しめる分けではない。また本気のAORファンにとっては音がデカすぎる。
彼らのターゲットは狭い、それだけに苦難の連続だろう。だからこそ日本のメディアが手を差し伸べたのだろうが、リードシンガー問題で苦労は絶えなかった。決定的だったのは、人気も絶頂だった頃、ゲイリー・バーテンを迎えアルバムと2枚組のライブ音源&映像を世に出したのがピーク。
ゲイリー・バーテンはルックス的にも華はないし、過去最弱の歌い手だ。まぁMSG人気で売れたと言われているが中古市場では拾いきれないくらい流通している。
傑作の多いバンドだ。個人的にはA Cry For The New Worldはメロディックメタルの歴史に刻まれるだろうし、ソングライティング力が爆発したForever In Timeなど、彼らの威光を世に伝える名盤だろう。
そして今作も、その名盤に名を連ねるのだが、若い人を振り向かせられるインパクトは残っていないだろう。

最近ビーストインブラックの新曲を聴いたのだが、ユーロビートだった。パラパラダンスが似合う曲をやっていた。あれが万歳メインストリームならば、マンティスはもっとも真逆を向いている。残念である。

良いバンドだが、高齢者のものに収まって欲しくない。若い人にこそ、知って欲しい古典である。難しいだろうが、こういう音はなくしてはいけないジャンルであり普遍性は何よりも評価されるべきだ。願わくば、これがラスト作にならない事である。


NIGHT LASER - Call Me What You Want ★★★ (2024-07-03 03:39:25)

貴方へのオススメに知らんバンドが出てきた。ドイツの5人組、今作で4枚目。晴れてキングレコードから日本盤もリリースときました。それで、日本人のワタクシにオススメなんでしょう。ラストに9分越の大作も放り込んできましたが、サウンドはNWOTHMと呼ぶに相応しいスタイルを研磨、グラムなスリージーさもあるが、ドイツ産さんらしい生真面目さと欧州由来の叙情的なメロディ、親しみやすさハーモニーとツインギターが奏でるフォーキーさも加味されたメロディ、リズム隊も屈強なサウンドで後方支援、色んな要素を巧みに織り交ぜ、即効性のあるメロディックメタルスタイルを披露。どこか懐かしさもあるが、80年代から90年代に掛けてのメジャーメタルを下敷き、うまいことやり切っている。
古くさいサウンドなのだが、フレッシュな感性に彩られているのは後出しジャンケンだからこその負けない方式を打ち立て、聴き手を魅了。オマージュも隠し味に自分たちの主義主張に強いメタル愛を感じる。
今まで国内盤が見送られていたことが信じられないくらい、しっかりとした枠組みの中で縦横無尽に駆け抜ける。少々鼻につく面もあるが、今年がBON JOVIが原点回帰みたいなアルバムを作ったので、このバンドのような音楽にもう一度脚光を浴びせても良いだろう。

大胆に迫るメジャーメタルイズム。アメリカじゃないドイツというのが日本人にとっては優位に働くだろう。やはり湿り気がある方がシックリくる。①だってスライドギターが出てきても、邪魔じゃないというか目立たないというか、いらないのだが、テクニック的に申し分のないバンドが、自分たちの音をもって真正面から突破してきた気概に心打たれる。

何度か繰り返し聞けば飽きるのかも知れないが、過去の作品に触れたくなる出会いであった。これだからサブスクはやめられん。


HIGHWAYS - Never Die ★★★ (2024-06-29 04:34:50)

アメリカ産の正統派メタルバンドがリリースした3枚目のアルバムということなのだが、全員出身地が諸外国、ドラムはインド、ベースはナイジェリアとギターとメインシンガーの女性はウクライナ、そして前作まで歌とギターを担当していたカルロス・モリーナはチリ担当というスーパー多国籍軍がバンドを結成、よく分かりませんが別々の場所で録音してミックスしているのかなぁ?などと考えさせるほど、SNSなどを通じて結成されたバンドのように感じますね。
そのメンバー構成が生み出すサウンドは、おおよそアメリカとは無縁の欧州スタイルの正統派サウンド。だが、田舎くさいNWOBHMとも違うのだが、洗練されすぎないオーセンティックなサウンドは、どこか懐かしさがあり、個性を引き換えに安定感のあるサウンドを呈している。
高速道路と訳せるバンド名だと、もう少しイケイケノリノリのスピードメタルを想像するのだが、そこまで過激ではない。

今や主流となるグロウルも登場しない古典も古典のサウンド、レーベルはStormspell Recordsだが音質的なマイナスもなく現代のテクノロジーの発達には舌を巻くばかりだ。CDのプレス枚数の少なさ。それは彼らがマイナーな存在だが、それだけではない。
もはやCDを購入する文化を大切にするのは発展途上国になった日本くらいだろう。こういうマイナーなバンドがリスクを犯す必要がない、それだけに容易に音源をリリースする環境が生まれた。そして我々は簡単に世界中のマイナーな音源に触れる環境と手に入れた。
二昔前ならば、まず聞くことのなかったバンドだろう。感謝しかない。

無難だ画一的な面もあるが、それでも、古典が好きな人には一定の需要があるだろう。ありそうでないサウンドでもある。癖がないのも問題だ、そつのない演奏も個性を鈍らせる、実に難しい。ガンズみたいに下手なバンドでも、自分たちにしかない音があることは何よりも素晴らしい。
しかし、このバンドが目指す方向性にブレはない事は賞賛値する。こういう音はなくしてはいけないジャンルですよね。


CLOVEN HOOF - Heathen Cross ★★★ (2024-06-25 20:19:28)

80年代に素晴らしいアルバムをリリースしたのですがチャンスを掴めなかった典型的なバンド。運も実力のうちと言うが、このバンドはその言葉を呪われているほどに体現している。

怪しげなSEからパワフルかつメロディックなメタルソングで幕開け、このバンドのイメージに則したものであり完璧に掴みはOKである。そしてそのサタニカルなサウンドは②以降も続き、この屈強なNWOBHM仕込みのパワフルサウンドに、耳を惹く印象的なメロディを放り込むギターを軸に、タイラントことハリー・コンクリンは漆黒の闇に包まれた悪の毒された呪詛の咆哮を轟かす。
いい人選だ、キング・ダイアモンドほどシアトリカルではないが、彼には、このサタニカルなサウンドを司るパフォーマンスを期待できる。リフ、一つとっても不気味、キーボードの使い方も絶妙、奥行きを与え毒性を中和した。

HIGH ROLLER RECORDSが絡んでいるのだから外すわけがないのだが、ここまでドンピシャの音を作り上げるとは驚きだ。ある意味、もっとも1stの世界観に近いアルバムを作り上げたのかも知れない。そのクオリティの高さは全時代を総括するものであり、メロディありパワーあり、疾走ありとメタルを愛するものにはとっては必要不可欠な要素を端的に盛り込んだ作風は、とても親しみやすいものとなるだろう。今年はクラシックメタルの世界にとっては豊作だ。

有名無名にかかわらず良質な作品がリリースされている。全盛期を越えた作風を築いた今作もまた、歴史に刻まれる名盤であろう。
過去をなぞるだけではない英国的様式美スタイルとUSパワーメタルの融合、闇を切り裂く雷鳴の如きサウンドは、新時代のクラシックメタルのあり方を魅せてくれた。重厚だがキャッチーさを忘れていないアイデア、ブリティッシュメタルの真骨頂を体感させて貰った。


AXEL RUDI PELL - Risen Symbol ★★★ (2024-06-25 01:57:14)

先行公開された曲からも漂っていました安定。このバンドに対しては、その一言に尽きます。リッチー・ブラックモアの後継者として、リッチー的フレーズを随所に盛り込んだプレイが生み出すお約束感、もはや何があろうともアクセルに突然変異はありません。
④曲目に登場するZEPのカヴァーも(なぜこの曲順でZEPなの?)もうアクセル流儀に染め上げ大胆なアレンジを加えています。

中世ヨーロピアン調の作風は今まで以上にシェイプされており、長尺のナンバーも投げ出されないように工夫を凝らし自分たちの流儀を貫いています。それだけにご新規さんにとっては、優しい音なのだが様式美系が苦手な人には、まだやっているよと時代遅れの烙印をおされるアルバムではある。

確かに今どきリッチー・ブラックモアの後継者と言われても、本家がルネッサンスの世界へ旅立った今、インパクトも味もしない。
せめてリッチーがパープルに復帰してアルバム作るとかのウルトラCでもない限り、話題にはのぼらんよ。

国内盤のリリースが見送られた時代の方が長くなった正統派メタルの勇者アクセル。今現在、後継者が見当たりません。
残念だぁ。この路線はなくしてはいけないよ。

それにしても、こういう音をやるバンドがメジャー流通でリリースされるドイツの環境が本当に羨ましい。日本が見捨てた音楽を拾い展開するお国柄と豊かな経済力。もはや観光立国として東南アジアレベルの扱いをうける日本。
そりゃ、サブラベルズをKEEP IT TUREが招聘するよね。日本じゃありえない座組だもん。羨ましいわ。


RIGOR MORTIS - Rigor Mortis ★★★ (2024-06-23 16:55:59)

あれ?コメントした記憶があるぞ??ロストですね。消えております。

死後硬直を訳せる物騒なバンド名もインパクト大。テクニカルな要素を詰め込みつつも渋滞を引き起こさないアイデア。正直、音質は厳しいのだが、その埃っぽさが若干残りつつ、どうも大浴場で叫んでいるようなエコーの掛かり方が気になる。
陰惨で血なまぐさい暴力的なサウンドやリフワーク、トレモロも刻みシングルギターとは思えないダイナミズムもあるのだが、そこが評価を分けるだろう。
しかし、この峻烈なる火力の凄さ、破壊力満点のサウンドは、目まぐるしく移り変わる強靱なリズムプレイと相まってスラッシュメタルマニアを食いつかせる魅力が満載。もっと言えば、BGMにはなれない衝動性、襟首を掴み否が応でも振り向かせるだけの音を持っている。
ドイツでもベイエリアでもない、テキサス流儀のドグサレヤクザサウンドのえぐみ。売れることとは無念の高潔なるダイハードな精神性、その姿勢が音に現れていますね。問答無用のスラッシュメタルです。
先を読ませない展開、スリルに溢れた構成は見事としか言いようがありませんね。

スピード狂を自負するマニアやスラッシュメタルを愛するものならば、今作は避けては通れないアルバムです。
ちなみにギターのマイク・スカッチャはMinistryに参加した事で名を上げました。今作を聴けば、彼がどんなバンドに加入しても驚きはないでしょう。


Alias Mangler - Bite the Metal ★★★ (2024-06-22 01:31:58)

アメリカンロック系のマニアにとっては激レアなアイテムとして知られている幻の一品らしい、Heaven and Hell Recordsからデジタル配信&CD化、めでたくデビュー作にて唯一のフルアルバムが世に出ました。ちなみにCDには幻のデモ音源、そしてセカンドアルバム用の楽曲が用意されています。この激レア感にマニアは歓喜ですが、現在は入手困難な一品。BamdCanpでも配信を停止しているので、視聴するのは難しい状況のようですね。
こういう80年代のL.Aシーンに近しい音源をリアルタイムで楽しんでいたマニアにはたまらん内容です。

癖のあるチョイ爬虫類系の歌声はシットリをまとわりつき毒気を発揮、楽曲もシリアスな空気が漂い脳天気なラジオフレンドリーサウンドとは一線を画す内容であり、オリジナルのリリース時期が1986年だという背景を考えると、この音は随分とアメリカンハードマニアには良心的ですね。

ノースカロライナ出身という、ことも日本では認知度を上げられなかった要因なのかも知れないが、彼らは、そのコンテストで勝ち上がり見事にレコード契約を掴んだ実力者。単にメディアで紹介されなかっただけに過ぎない。

MOTLEY CREWの硬派な面やODINなどを想起させるサウンド、根暗さと硬質感は初期Twisted Sisterがアメリカンサイドを強めたような真面目さがあり、懐メロでは終わらない。確かな手応えを感じますね。正式な音源ですらマイナーな為、今後も話題になる事はないだろう。ましては現存する分けでもありませんからね。それだけに、今後も一部では希少価値は高まり続けるのでしょうが、大枚を叩いて聴くまでもないのですが。シリアスアメリカンハードが好きな人には避けては通れないスタイルのバンドですよね。


THE ARROWS - Stand Back ★★★ (2024-06-20 21:47:00)

カナダのロックバンドが1984年にリリースした1st。明日の道は俺達で切り開く。ロックの震源地カナダから放たれた4人の勇者アローズと帯タタキに書かれた国内盤を見たときは笑いましたが、その割にはカナダのバンドは批評家からプッシュされんぞ。
そんな震源地からシャレオツなサウンドで登場、壮快感のあるメロディと力強い大陸的なリズム、シンセにサックスまで飛び出し、口当たりの良いサウンドを展開、アメリカ産では感じられない哀愁美、そのセンチメンタルなメロディと仄かな湿り気を帯びた爽快な風が、心地よく頬をなぜていく。

ラジオフレンドリーではあるが、商業主義すぎないセンス、ポッと出の新人ではないキャリアに裏打ちされた構成力が、この滑らかで洒落た音楽を築き上げたのだろう。ある意味、ニューウェーブ風な曲もあるが、AOR調のハードポップサウンドはメロディ派マニアには、素直なアレンジと、クリアーな歌声が紡ぐ叙情派ロックに、思わず手が出てしまうでしょうね。

若い頃は絶対に聴くことのないジャンルでした。全てはグランジ/オルタナムーブメントのおかげ。何より、BURRN!が教えてくた唄モノロックのおかげで、こういう曲も聴くようになれた。偏見をなくしジャンル不問で良いものに手を出すことを知ったからこそ、巡り会えたバンドである。
今現在、日本での知名度はいかばかりは知る由もないが、ソングライティング力の高さは間違いない。守備範囲の広いロックファンにはすすめたいですね。


CLOVEN HOOF - Time Assassin ★★★ (2024-06-17 17:21:13)

素晴らしいアルバムをリリースするも、今回は国内盤は見送られたようですね。残念ですが、このバンドは傑作と呼ばれる作品が正当に評価されていないからどうすることも出来ない。前作同様、今回もオーソドックスなヘヴィメタルサウンドに真っ向から勝負する。曲によっては、ジョージ・コールがリッパー・オーウェンズ並の咆哮を聴かせてくれるんで、KKプリーストあたりとの類似性すら気になるほど、アグレッシブかつパワフルな正統派メタルをやり切っている。
音楽性の幅を広げるキーボードの使い方も上手い。何よりリー・ペインのもと、各自が持てる力を発揮してメロディアスなメタルにハイエナジーを注ぎ込む念入りな作業を行い、前作にも負けないインパクトを残してくれた。

ある意味、やり過ぎ感は拭えないのだが、NWOBHM戦士としてのプライドと正当に発展させた音楽性。今の若い人にも訴求するだけの魅力はあるのだがオールドスクールなサウンドであることは間違いない。しかし古さに埋没するだけではないフレッシュな現役感もあり、王道路線を脇見もせずに、威風堂々を闊歩する姿は頼もしい限りだろう。

なんだかんだ定期的にアルバムをリリースできる環境はあるようだ。不遇を味わった80年代。艱難辛苦を乗り越えたリー・ペインの想像力と継続する精神性があれば、バンドは続くのだろう。ジョージ・コールの新しい可能性を導き出した今作。ドラマティックなタイトルトラックなど、圧巻だろう。⑨ではTokyo Knightsという日本人的には意味の伝わらないタイトルに、ちょっと引くのだが(侍の事なのか?)哀愁のメロディたっぷりの⑨から、⑩へと流れは見事だ。クロージングソングとしては強烈なインパクトを誇り、また頭から聴きたいという猛烈な渇望感を視聴者に与える。

どの曲にも拘りのメロディがある。それは前作も同様だった。間違いなく3枚目のアルバムから続くドラマを継承している。
NWOBHMファンというよりは真っ当なヘヴィメタルを愛するものにとってはアンパイであろう。


CLOVEN HOOF (2024-06-17 16:59:34)

Age of Steel

リー・ペインがいればバンドは続く、メンバーチェンジも行われたが、その音楽性に陰りは見えない。とは言えメイデンみたいな②を前向きに捉えるのか、少々やり過ぎだよで興ざめするかで評価も分かれるだろう。なんたって国内盤もリリースされているくらいだから、クオリティは保証できるが、個人的には3枚目みたいなアルバムが聴きたい。ちょっとやり過ぎだ。ドラマティックなオープニングナンバーが素晴らしかったので気にはなるが、些細な事を受け流せれば、その後もテンションの高いサウンドが続く。

ここにきて、往年の空気を纏いつつも強靱なメタルサウンドを披露。80年代に素晴らしいアルバムをリリースするも何故か黙殺された運のないバンド。まぁSATANとかも同じ運命だったような気がしますが、古典的なスタンスを愛するマニアにとっては、今作は強烈なインパクトを残すでしょうね。
シンガーのジョージ・コールも2作目という事もありバンドに馴染んできた、キーボードの使い方も効果的、NWOBHMと近代的メタルのハイブリッドサウンドに貢献している。新機軸に挑んでいるが、それがオールドスクールな流儀の中での出来事だから、古典ファンにとっては余計な心配はいらない。このストレスフリーな環境は望ましいのだが、耳の肥えたファンにとっては気になる点がないと言えば嘘になるだろう。

そこが大きく評価を分ける。これは②以外でも目に付く事が多々あるが、アグレッシブかつパワフルな古典サウンドが全ての疑念を打ち砕くだけのパワーは内包している。厄介なことをやりやがったなリー・ペインである。

メタル初心者には、こういうのがクラシカルなメタルなんだよと教えたい。


CLOVEN HOOF - Eye of the Sun ★★★ (2024-06-12 22:09:25)

1989年に素晴らしいアルバムをリリースしたのだが、彼らの歴史は続かず解散へと向かう。諸処の法的問題をクリアーして、遂に再始動したバンド。ベースのリー・ペイン以外は顔ぶれは変更となったが、音楽性に大きな変化はなく謹製英国サウンドを継承。
今作は今までにないブルージーさも若干加味、メロディアス度も強まり懐の深いサウンドへと変換している。
新シンガー、マット・モートンの持つ壮快感のある歌声、そういうのも過去にない新鮮さをもたらし③のような新機軸とフィット。このアルバムがNWOBHMの残り香を漂わせる昔の名前で出ていますではない現役感を意識してる証だろう。

基本はオールドスクールなサウンドなのだが、その耳馴染みの良い歌メロが意味合いを変えてきている。
Escape Musicからのリリースというのもあり、メロディックメタル感が強まっているのもレーベルの意向なのかも知れないが、メンバーチェンジがもたらした功罪があるのは間違いない。


SHOOTING STAR - It's Not Over ★★ (2024-06-11 18:34:14)

稲妻レッグラリアートは×。あんなもんでダメージは与えられんが、あの態勢で技を繰り出せるプロレスラーの体幹には感心しますね。ワタクシは子供の頃、プロレスが大好きでした。新日よりも全日派。ハーリー・レイスが馬場さんと戦い、スタン・ハンセンとブルーザー・ブロディに興奮しました。そして佐山タイガーマスク、小林邦昭、ダイナマイト・キッドなどの対決にも興奮。でも全日の渕正信は凄い空中殺法とルチャリブレで魅了、馬場&鶴田、ザ・ファンクス。アブトーラ・ザ・ブッチャー、ザ・シークなど、全日は渋くてカッコイイレスラーが多かった。大熊、グレート小鹿も忘れられない。何より子供の頃、全日の試合を何度か見に行きました。
馬場さんはマジでデカかった。顔が大人の胴体くらいあった。マジでだ。大仁田厚はまだ正統派のジュニアヘビーの王者である。
でも新日は金曜ゴールデンで放送、猪木対ラッシャー木村軍団との戦いや、前述したタイガーマスクは本当にカッコ良かった。

佐山が消え、ジョージ高野扮するザ・コブラで子供ながらに完全に興味を失った。ザ・コブラってなんだである。

そして新日も佐山がマスクを脱いだことを口実に三沢タイガーが誕生。ブルータスお前もかと言いたくなるくらいの裏切りを子供ながらに受けプロレスは卒業。
国際プロレスを子供ながら友達と見に行ったりもしていたのに、スッパリと足を洗いました。

後年、あの華奢だった高田延彦が、あそこまで身体が大きくなるなんてだし、猪木対マサ齋藤の巌流島対決はTVでみたが記憶無し。
いろんなレスラーに思い入れがある。ロープに腕を挟まれるのが世界一上手い、アドリアン・アドニス。黒光りのバットニュース・アレン。ゲレロ兄弟。アイアンクローでお馴染みの父を持つエリック一族。モンゴリアン・チョップのキラー・カーン。
長州力と藤浪の抗争も懐かしいなぁ。谷津でしょ、阿修羅原でしょう。前田日明も出たての頃、長州の顔面にマジ蹴りしたんだよなぁ。

プロレスの思いでは沢山ありますが、自力では思い出せません。何十年も人とプロレスの話をしませんので、国際プロレスを最後にみたとき、四肢が成長できな大人が女子プロと闘っているのを見て、軽くショックを受けました。
倒産前の国際プロレスは酷かった。子供ながらに、金返せと思いましたね。たしか、女子プロのポロリもあったんだよなぁ。
男性レスラーの前座でそんなのやられたら悲しい気分になりますよ。

プロレスはワタクシにとっては幼少期のヒーローでもあり、苦い思い出でもあります。一番思い出深いのはハルク・ホーガンですかね。猪木に喰らわした失神アックスボンバー、あれは永遠に語り継がれる試合でしょう。テリー・ファンクJrってアメリカじゃヒールだったって知った時もショックだったなぁ。いろんなレスラーを思い出してきました。当時、悪役と言えばタイガー・ジェット・シンが有名でしたが、ワタクシはダントツで上田馬之助ですね。全然プロレスしないんだよなアイツ。竹刀持って反則して終了。子供ながらに、なんだこいつ、貴重な放送時間だぞと憤慨していました。
そんな、まだら狼こと上田馬之助ですが、もう少し大人になり、外で見かけたので駆け寄り握手を求めたが、とても良い人で驚いた。
役者だなぁと感心しましたね。

ワタクシにとって一番の悪役はラウドネスの鈴木ですね。とある空港で一人でいたので、ファンですと声を掛けたら『あっ』とにらみ返されました。当時はラウドネスのサポートでサーベルタイガーに席があった状態。サーベルのライブ見ましたよと
声を掛けたら右手を挙げて去って行きました。ちなみにあんパンさんと目を見て三回声を掛けたらガン無視。
恐ろしい男です、あの風貌の巨体に睨まれたらオシッコちびりますよ。
でも嫌いになることはありません。優れたミュージシャンが善人である必要も無い。腰を低く笑顔で社交的に振る舞いましたが彼にとってはワタクシも胡散臭い男に見えたのでしょう。
ちなみに山下昌良さんは、ホテルの裏口らしきところから、お付きの人に連れられ入るところに偶然遭遇、今日見に行きますと言ったら、ワタクシを制止するお付きの人を制して、向こうから手を出し握手を促してくれました。
これがホンモノのスターだ。


CLOVEN HOOF - A Sultan's Ransom ★★★ (2024-06-11 17:53:53)

前作の流れを踏襲。英国的様式美スタイルとNWOBHM的攻撃性を研磨。正直、オープニングのキーボードには引っかかったが、そんな危惧は一瞬にして期待に変換、視聴後はオープニングのキーボードにニヤリとさせられます。
洗練度を上げているが、けして大衆性にすり寄らないメタルの中のメタルなサウンドを構築、だからといってマイナーな地下室には籠もっていないメジャー感を補完、世界中がメタルバブルに浮かれている異常さを尻目に、このバンドは器用に立ち回っています。
残念ながら商業誌からは無視、前作の評価も良くなかったから当然の結果なのかも知れないが、これほどの音楽性を1989年にやっていたという気概に胸打たれる。
死に絶えた英国のメタルシーン、その中で、このバンドは自らのアイデンティティを崩さずに多感な時代を生き抜こうと苦心している。

初期にあった邪悪なダークネスワールド、それとは手を切っているが神秘性は無くなっていない。歌詞の内容が分からないのでなんとも言えないが、陳腐なラブソングを歌うバンドには思えないので、このキーボードみたいに細いギターサウンドも懐かしい、テクニカルなプレイをビシバシとキメている。またキーボードでゲスト参加したポール・ハドソンのプレイも、この神秘性のあるサウンドに貢献、力強い歌声も相まって、独自性を極めている。

これほどの名作が今なおマイナーな存在なのは残念で仕方が無い。アイアンメイデンの最新作は、心底つまらないと思った。ワタクシは生涯、名前で音楽の善し悪しをキメたことは一度もない。このバンドが世間からどう思われようが、歴史的にもっと評価される価値があると本気で思いますね。

でもなぁいまだにいるのよね。NWOBHMってのは事象で音楽性じゃ無いって輩がね。そこまで言うならば、個人的にはメタリカがブラックアルバム出した時点でスラッシュメタルは死にました。それと同じなんですけどね。NWOBHMは事象にあらず、音楽性そのもの。
この音を聴いてNWOBHMが香りますよ。なによりメタルに対する高潔な精神性を強く感じますね。

どの曲もキラーです。捨て曲などありません。⑧などは3分を切るのでラジオ向けなんでしょうが、全然軽やかじゃない。このバンドの流儀に則っている。クラシックなメタルに興味のある若者には是非とも勧めたい強力な一枚。
年に5枚もCDを買わないワタクシでも2021年にDVD付きの再発盤には手が出ましたね。

無駄な構成を廃しているが、中身の濃さに圧倒されるでしょう。繰り返されるドラマ。その濃密な世界観に圧倒されます。何故、これが当時話題にならなかったのか今もって不思議です。当時のメイデンやJPと比較しても遜色梨なんですけどね。

少々青筋を立て大風呂敷を広げすぎたかも知れませんが、正統派メタルを愛するものとしてはマストな一枚ですね。断言ですよ。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Mikazuki in Rock - Lost Memories Featuring Fumina Hara, Richie Kotzen ★★★ (2024-06-07 22:29:12)

鉄甲機ミカヅキのエンディングテーマ
リッチー・コッツェンがゲスト参加して渋いギターを披露しています
ここで歌うのはドラマにも出演していた原史奈さん
正直歌が上手いとは言えない
女子高生のカラオケレベルだが曲そのものは良く出来ている
裏で鳴るオーケストレーションも効果的
そして終盤でリッチー・コッツェンの色気あるギターを堪能出来る
物足りなさはあるのだが
まぁTVのエンディングテーマだし主役は原史奈でしょうからね


CLOVEN HOOF - Cloven Hoof ★★★ (2024-06-06 18:20:10)

今年に入り最新作がリリースされたので登録したら、このバンドのコメントも無くなっている。おそらく100や200ではきかんな。相当数消えていますね。

悪名高きNEATから待望のフルアルバムをリリース。時期的にNWOBHMは完全に下火となっているため、遅れてきたNWOBHMという形になるのだろうが、この湿り気のある英国的リフワークと、魔術的な響きを放つ暗黒系サウンドは、まさにオカルトNWOBHMと呼ぶに相応しい音楽性を披露。タイトルや歌詞かも漂う反キリスト、悪魔崇拝的な世界観を、ヘタウマヴォーカルのデイブ・ポッターが咆哮。その癖の強い歌声のおかげでキャラクターを確立、いい意味での嘘くさいサウンドを構築しており、禍々しくも美しい独自の世界観を打ち出している。

諸先輩からの影響も巧みに飲み込みNWOBHMの歴史にその名を刻む名盤を世に送り出しました。完成度という点においては2枚目以降に譲るが、インパクトでは今作に軍配。我らがLOUDNESSなどにも通ずる悪魔に魂を売った男達による魔界メタルの凄みを味わってください。


MANOWAR - Hail to England ★★★ (2024-05-29 11:22:58)

少々クドすぎた前作の反省点を生かし楽曲がコンパクトになった。しかし、それがマイナスかと言えばそんなことは全くなく、相も変わらずMAANOWARワールド全開な分けです。焦点を絞り込みバンドの持つアイデアを技術を詰め込み、装飾過多に陥らなかったが為にメジャー感が倍増、③のようなキラーチェーンはスピード感をメタルに求めるマニアには手放しで喜べる内容となったろう。
雑誌の評価ではは曲数が少ないとか、レコーディングが短期間で行われ音質が良くない、消化不良気味等と論じられた事もありますが、唐突な⑥のインストナンバー以外は、本当に流れよく進み無駄を省いたなぁと関心させられます。
ある意味、コンパクトさも手伝い、初心者には今作くらいからの方が手を出しやすいのではと思いますね。
ラストの⑦なんて、メランコリックなイントロ、そしてドカーンと爆発する弩級のMANOWARメタルへの幕開けに、度肝抜かれるでしょうね。端的に魅力を伝えているアルバムだが、曲数が少ないのは間違いないが、個人的にはそこが一番リピートしやすい理由でもある。
HAIL TO MANOWARという評価を下したい一枚だ。

今作もそうだが、前作のレビューも消えている。他にも消えていそうだ。


MANOWAR - Into Glory Ride ★★★ (2024-05-29 10:47:44)

軽快なナンバーで幕開け、前作の流れを上手くバトンタッチと掴みはOK。そして②から本領発揮となるのですが、この濃密な世界観にむせ返りそうですね。前作で培ったものを見事にビルドアップ。多くのユーザーが指摘するようにドラムのスコット・コロンバスがもたらした効果は大きく、このヘヴィでスローなナンバーに迫力を加えてくれた。
このバンド、時折、どこかぎこちなく聞こえたりする場面というのがある。個人的には、その絶妙なズレが逆に惹きつける魅力となるのだろうが、それがある意味、メジャー感から遠ざけている要因でもある。

このバンドの歴史は今作から始まった。そう断言できるような濃密な世界観に覆い尽されたヘヴィネスサウンドは徹頭徹尾メタリックである。音質的にコレで良いのかという疑問はあれど、メタルバブル勃興前の純粋な時代だからこそ許された冒険、そして革新的なスタイルを提示できたと言える。
彼らがやりたい事を示した今作の歴史的な意味合いは大きい。とは言え彼らが成功したのは陽性なロックンロール系の曲だから実は人によっては評価が大きく分かれるアルバムでもあろう。個人的には悲壮感溢れる④など凄いインパクトで、初見で聴いた時は本当に圧倒された。アルバムのハイライトとなる⑥。途中から展開が変る瞬間など今でもグッとくるパートである。
このバンドが純粋に音楽と向き合えたからこそ生まれたであろう⑦。ミッドテンポでドラマティック、その練り上げられた世界観は唯一無二の魅力を放っていた。

大風呂敷を広げて大絶賛もしないし、ヒロイズム云々も英語が分からないワタクシは言及するつもりもないが、音楽なんでリラックスして聴いて欲しい。そしてその世界に没頭できたならば、彼らのファンになるであろう。で


SHOK PARIS - Steel and Starlight - Castle Walls ★★★ (2024-05-24 15:56:38)

欧州的な泣きとアメリカンパワーメタルの融合
前後半で味わえる二部構成
感動的なんですが
歌がやり過ぎだ


SHOK PARIS - Steel and Starlight - Hot on Your Heels ★★★ (2024-05-24 15:54:22)

アメリカのバンドですよね
小気味よく刻まれるリズムとリフ
このノリも欧州ではなくアメリカ
硬質感のあるサウンドだがメジャー感も秘めている
マイナーなメタル番長では終わらない魅力がある
彼らはメタルの世界では王者としての風格があった
こういうメジャー感を出しつつもマニアを歓喜させる曲を作るのは難しい
過小評価されているバンドの代表格である


SHOK PARIS - Steel and Starlight - Lost Queen ★★★ (2024-05-24 15:51:13)

パワフルですねぇ
光沢艶めかしいアメリカンパワーメタル
叙情的なメロディをアメリカンな完成で彩る
こういう曲をサラリとやれるのが凄い
少々押しつけがましい歌も好きモノにはたまらん


SHOK PARIS - Steel and Starlight - Go Down Fighting ★★★ (2024-05-24 15:48:23)

イントロも組み込みドラマティックな幕開けでメタル魂を掴むオープニングナンバー
さぞやライブ映えする一曲だろう
いいバンドだったなぁ


SHOK PARIS - Concrete Killers - The Heat and the Fire ★★★ (2024-05-24 15:45:35)

PVも作られた渾身の一曲
アメリカンパワーメタル番長としてのカッコ良さ
こういう曲を今こそ若い人に聴いて貰いたい
温故知新を訪ねて
商売っ気をだしているが最高にクールなメタル奏でている奏でている
こういうのを聴いているとメタルってイイナァと思います


NOISEHUNTER - Too Young To Die - In The City ★★★ (2024-05-24 15:41:30)

音楽性がガラリと変りダイハードなファンからは完全にそっぽを向かれた
しかしメロディ派のマニアならば
このブレイクパートも入れた叙情派ジャーマン様式美スタイルにグッとくるでしょう
難しいねぇ
バンド名にこだわらなければ隠れた名曲の部類に入るのだが


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Mikazuki in Rock - Crescent Moon ★★★ (2024-05-22 12:40:02)

シャ乱QのHatakeさんが作曲した本格的なメタルソング
参加メンバーも豪華
歌詞と歌を担当したのはドン・ドッケン
そしてギターでポール・ギルバートが客演という
衰えの出たドンではあるがHatakeさんが真正面からメロディックメタルを書いてくれたおかげで耐えられる
キーボードの使い方も効果的
ちなみにポールはこの曲のストリングスアレンジを効かしたインストでも大活躍である
個人的には名曲中の名曲だと思っている


Dag Ingebrigtsen ★★★ (2024-05-22 12:29:36)

D.D.ダイナマイトの芸名でも知られTNTやTindrumのシンガーとしても知られるが、それ以前のキャリアもあるミュージシャン。1992年というグランジ/オルタナ旋風が吹き荒れる中で彼はソロアルバムKa fa'n をリリース。Stage Dollsのトルシュタインとガッチリタッグを組みメロディアスかつポップなハードサウンドを披露。もっと癖の強い悪声ヴォイスだったダグも、ここでは肩の力を抜きリラックス。コーラスワークも巧みに使用して、その灰汁の強さを取り払っている。
時代性を考えると奇跡のような作風の一枚だ。メロディ派のマニアにはたまらんだろう。両者による化学反応がここまでビックバンするとは思わなかったが、本国のみのリリースで終わり日本では幾度リリース情報が入ってこなかった。その為に認知度は絶望的なのだが、ここで聴ける素直な作風は、日本人の心に優しく寄り添うだろう。
ハード曲は勿論だがバラードタイプの曲で聴ける北欧風の透明感あふれるメロディ、なにより歌がいい、ダグってこんな感じで歌えるのだと再確認した。TINDRUMは何だったんだ?


Letchen Grey - Party Politics ★★★ (2024-05-14 03:31:26)

所謂L.Aメタル界隈から出てきたバンド。オリジナル盤は1986年リリースの5曲入。最近ポルトガルのレーベルから全身のSexist時代のデモをくっつけて再発されたバンド。ちなみに2020年代に入り作品をリリースしているが、当時とは違うスタイルで勝負しているので、興味のある方は配信盤でも視聴してください。コッチをやって欲しかったんですけどね。Sexist時代はジェイク・E・リーがいたとこか、ギルビー・クラークがベース弾いていたとか、集合離散を繰り返すうつろいでいる当時のシーンを垣間見ますね。
プロデューサーをドン・ドン・ドッケンに頼むもあえなく断られるが、コーラスで参加したとクレジットあり。そんなこんなで、作品の方はというと、オープニングナンバーでバラードタイプから始まるという変化球を投じるも、このバンドは、そういうメロディとコーラスを大切にした音楽性を示唆しており、賑やかなパーティーロックや、毒気満載の淫靡で猥雑なロックサウンドとは違う、叙情的なメロディを大切にした音楽性を構築。
なるほどドン・ドッケンにプロデューサーを依頼した意味も分かりますね。歌い手も甘めの歌声でシットリとメロディを追いかけてくれるので世界観を壊しません。後半のSexistはもっとハードに迫っているので、前半と後半をミックスしたらVinnie Vincent Invasionみたいな音楽性になるので、彼らがもしレコード会社と契約を結び正式な音源を世に残していたら、日本人好みのメロディアスなアメリカンハードを聴かせてくれそうだったので、正式なデビューに至らなかったのは残念ですね。

再結成したのか分かりませんが、現在は新しい音源は配信されています。それはそれで、こっちを流通させて欲しいねぇ。日本人にはすかれそうなバンドなんですけどね。


影山ヒロノブ - Broken Heart ★★★ (2024-05-14 03:16:45)

LAZY解散後。ミッシェルはソロシンガーへ転向。早速アルバムをリリースしてきました。アナログ盤のA面にあたる5曲はオリジナルソングを収録。濱田金吾、茂村泰彦、山中裕司、小室良、そしてLAZYから④はポッキーが、⑤はファニーが提供というサプライズもあり、喧嘩別れではない、人選の選択の違いということを明確にしましたね。
後年NHKの音楽番組で赤裸々に語るアイドルで売れて浮かれた自分、そしてソロ後は鳴かず飛ばずのドサ回り人生。ラウドネスの成功を喜びつつも、完全に遠い世界に行ってしまったと感じた影山ヒロノブのミュージシャン人生は、その後のアニソンしんがーとしての飛躍ぶりに全てが結実しているでしょう。
本気で一つのショーとして大観衆を呼び込めるイベントを手掛ける影山の成功する姿も。彼の人間性の素晴らしさである。調子こいてソロになるも大コケした経験が全て糧に人間力を強めた結果があるからでしょうね。

今作には、そんな若いアイドル出身の歌手が、男らしさを前に出しロック風味のある楽曲を熱唱。後半は外国人アーティストのカヴァーソングとなります、⑥はショーケンがいたテンプターズもヒットさせたThe Grass RootsのLet's Live for Today、松田優作が出てきそうな雰囲気がありますよね。歌詞の世界観は共に原曲とは違いますよね。

⑦Leon RussellのTight Ropeですがオリジナルのイメージが強すぎて昭和歌謡風味が上手くいったとは言えませんが、日本人にはこちらの方がシックリくるかも宇崎竜童とか出てきそうな曲です。しかし影山ヒロノブの歌声は曲調にはハマっています。いい意味で肩の力が抜け、こもりがちのシャウトがないのもよかった。

原曲とはだいぶイメージが違う⑧David McWilliams のDays Of Pearly Spencerって日本で売れたんですか?この選曲は凄いですよね。マニアックです。もはや原曲です。ダン池田が指揮する姿が見えますよ。強引な昭和歌謡ナンバーになるも影山の歌声と曲調はマッチしている。20代前半のアイドルとしては大人過ぎる曲調ですよね。

I'm not in love と聴けばイメージするのは10ccですよ。影山がその名曲を手掛けるしかも日本語歌詞でね。オリジナルのように繊細なパートを大切にしていますが、オリジナルのイメージが強すぎるので、微妙な感じもしますが、そういうことを知らないで聴けば良いクロージングソングです。歌詞はだいぶイメージが違うな。

前半と後半でテイストは違うのですが、アイドルの歌としては大人過ぎる印象が強い。子供ながらにアイドルと言えばたのきんトリオである。そういうアイドルソングと比較しても渋すぎる。でも影山の歌声はけして楽曲に負けていない。

アニソン界では永遠の兄貴を慕われる影山ヒロノブ。数多くの成功を収めたのは、苦しいドサ回り時代があったからだというのは明白だろうが、今作には若き野望が秘められており、明星でグラビアやポスターになった栄光を忘れられない男の夢物語である。
私がイメージするアイドルソングとは違うがアーティスト影山ヒロノブの第一歩としては大いに評価出来るでしょう。

配信してくれー。もしくら影山さんが版権かって世に出せばいいのですが、やはり黒歴史なのですかね。



IRON MAIDEN - Piece of Mind - Revelations (2024-05-12 16:42:43)

早朝の清掃バイトから帰ってきた男の歌
そしてスーパーの品出しバイトを掛け持つ男の無念さが滲み出ている
自分で死ぬのは怖いから
雷に直撃され死にたいなぁ
そう思って聴くと泪がこぼれる
投資詐欺にあい退職金を失った哀れみ
出て行った家族をストーカーする男の狂気
全てが表現されていますね


HELLOWEEN - Walls of Jericho - Guardians (2024-05-12 16:38:21)

荒削りですね
まだまだ未完成です
やりたい事を表現し切れていない
歌もイマイチ
この時代ならではの力技ソング

ちなみにこの曲は近所の目を気にして
早朝の清掃バイトを選んだ男の歌である


PRETTY BOY FLOYD - Porn Stars ★★★ (2024-05-09 22:27:15)

彗星の如くシーンに登場したバンド。1stのライナーノーツには結成7ヶ月でメジャー契約にこぎ着けたみたいな事が書いてった記憶がある。初期Mötley Crüe譲りの毒気とPOISONのようなグラマラスなキャッチーサウンドを引っ提げシーンに華々しくデビューを飾る。たしか日本でもライブをやった記憶があるのだが、グランジ/オルタナムーブメント直前という時期と、キャリアの浅いバンドだけにライブでもパフォーマンスはイマイチだったと言われたが、地道な活動を細々と行いこうして2枚目のフルアルバムリリースに辿り着いた。
国内盤はまさかのZAINレコードから、収録曲は合間に制作されたデモではなく、1stのリメイクやカヴァー曲を収録して再度シーンに売って出た印象が強い。
日本では、そこそこ1stが売れたので微妙だが、ある意味、このバンドにとっては空白の期間を埋めるオールタイムベスト的な側面が強い作品として評価することは可能だろう。どうしても良く出来でいる1stの曲に耳が行くが⑦なんて、1stに収録されてもおかしくない佳曲であり、このバンドの魅力を端的に伝えています。2022年には1stの廉価版が国内向けに販売されました。
これから音楽はサブスクリプションの時代に突入するので、逆に1100円のCDか希少価値を高めるだろう。

そして今作も併せて再考して欲しい一枚だ。今作リリース後、バンドは別々の道へと歩むことになる。ギターのクリスティ・クラッシュ・メジャーズは、ソロ名義のバンドを結成してアルバムをリリース。今作の方向性を引き継ぐアルバムをリリース。ケリ・ケリーはグラム系を語る上では外せないギタリストの一人、紆余曲折を経てNight Rangerに加入。日本のバンド、クロウリーにゲスト参加もしてくれた。一発屋の印象が強いが、そんな事はありませんよ。

今では負の遺産の如く語られるヘアメタルムーブメント。確かに異常なバブルはありましたが、悪いことばかりではありませんので、当時の空気に触れたいマニアにはオススメの一枚ですね。


PRETTY BOY FLOYD - Size Really Does Matter ★★★ (2024-05-09 15:07:47)

80年代末期彗星の如くシーンに登場してFADEING STARした伝説のグラムバンド。細々と活動を続けていた事に驚いたが、今作ではバンドメインバーを刷新。メインソングライターはQueeny Blast Popで活躍したベースのレスリー・サンダースを軸に展開、Queeny Blast Popも弾けるグラム系バンドで、そのメイクと言うが出で立ちに驚いた。真ん中にいるやつ前髪に大きなハード型のリボンを髪に巻き付けるセンスのバンド。こんなもん売れるかよだが、このバンドの音楽性を考えると親和性は抜群だ。

相変わらず癖の強い歌声だが、このグラム系サウンドのとの相性は抜群。レスリーもThe Distractions時代に書いたグラムパンクスタイルも持ち込み、やり切っている感は強い。ポップさも最大級、スリージーなロックスピリットにパンキッシュなアテチュードをねじ込み、らしさと進化を同時に楽しませてくれる。
デビュー当時は稚拙なプレイを叩かれたが、ここではそんな事にフォーカスされることもなく、弾けるグラム系ハードサウンドをやり切っている。相変わらずPOISON+MOTLEYというサウンドも健在。デビュー当時のファンならば、この絶妙な変化も大いに楽しめるだろう。
根幹は変らず裾野を広げたサウンドは新たなる魅力を布武している。

あの声がある限り永遠のヘタウマバンドと呼ばれるだろうが、それは最大級の褒め言葉。まぁでも飽きるのは早いけどね。


PRETTY BOY FLOYD - Bullets & Lipstik ★★★ (2024-05-09 14:12:13)

過去に発言したがぶっ飛んでいるの?ん~かなりありますねロストした投稿。

PRETTY BOY FLOYDってアメリカのバンドがあるので、混同しますよ。こんなに見事にかぶることがあるのでしょうか、こちらはカナダを拠点して活動するバンドの1st。前年に同じタイトルのEPを出しているのですが、なぜこのバンド名なのか?それはシンガーのTommy Floydからきてると思うんですけどね。

リリース時期は1989年と活動時期もモロかぶりという奇跡的な出来事、音楽性は同じグラム系と奇跡のオンパレードになるも、でも、こちらのバンドの方が陰気でサウンドも堅実。もろ○○よりも雰囲気がグラマラスなL.A風カナダ味となっています。

ラフなミックスが逆にリアルなロック象を写し演奏はけして悪くない。歌い手も癖はあるが爬虫類的なまとわりつく歌声が毒気を漂わせ、猥雑な裏街道ロックサウンドと相性の良さを見せつけている。まぁ悪く言えばどこにでもあるL.A風味となるも、コーラスの使い方も嫌味じゃないし、どこか英国的な匂いをさせていたり、カナダらしい大陸的なリズムというのも特徴的だ。

やはり全体を包む明るくなれない陰気さ、そこがロックの持つ淫靡で嘘くさい魅力を引き出している。
好きな人にはたまんないジャンルでしょうね。後年は幻のNWOBHMバンドの如く、この手のグループも再発見されています。マニアは要チェックでしょう。


BLINDMAN - ブラインドマン/イン・ザ・ダーク ★★★ (2024-05-05 12:53:19)

これも消えとるなぁ。
メジャーデビュー前にリリースされたインディーズ時代の名盤。5曲入のミニアルバムだが隙は見当たらない。このバンドらしい哀愁のメロディとダイナミックなハードサウンドを信条に揺るぎなき精神性を音に反映させている。
アルバム毎にメンバーチェンジが行われているのだが、今作でドラムを叩くのはSOUL BOUND~Dedicated to Cozy Powellというカヴァーアルバムを後にリリースするコージー村上こと村上克敏であることもポイント。
インディーズの枠に収まらないダイナミックなサウンドとスケールの大きい音楽性。高いプレイアビリティは勿論だが、何を聴かせたいかを明確に持っているバンドだから音に説得力がある。①から②の流れは何度聴いてもゾクゾクする。ハードエッジなサウンドとエモーショナルな哀愁のメロディが躍動する、ホントに②は大好物である。そこから③へと流れるのだが完璧ですよね。これほど美しい流れを聴いた事が無いと断言したくなる曲順です。このバンドの柔軟さを頭3曲で知らしめ、ラストは中村達也のソロでも披露された名バラード⑤で締めくくる完全試合に脱帽。
五曲で終わるのが名残惜しいなんてもんじゃないですよね。
この置き土産を残しメジャーシーンへと飛びだったバンド。これでメジャーデビュー出来なかったら、本当に日本の音楽シーンは終わりですよ。そして今作以上の物を残せたかが、彼らの課題にもなった。初期の名盤としては2枚目のアルバムや、ベスト的なインディーズ時代のライブ盤もあるのだが、彼ら未体験のマニアには入手困難な一枚だと分かっていても、これから入って欲しいと思うほど、思い入れの強い一品である。最強のメンバーによる強烈な衝撃を残した記念碑的作品である。


BLINDMAN - Sensitive Pictures ★★★ (2024-05-05 12:32:25)

ブラインドマンの過去の発言がぶっ飛んでいる。他にも沢山発言が消失しているのですが、消えるのが多いなぁ。

結成から3年遂にリリースされた待望のフルアルバム。ソウルフルな歌声で魅了する高谷学の確かな歌声、古めかしい鍵盤楽器も懐かしい音色を奏で、このハートフルなサウンドを紡ぐ。その根幹はギターでありメインソングライターの中村達也のセンスによるものだが、バンド名由来するWHITESNAKE風味もあるが、それ以上にハードでダイナミックなサウンドは、渋さと相反する攻撃性を秘めており、そのバランス感覚が絶妙である。スケールの大きい風格漂う①で始まり、活きのいい②。そしてエモーショナルな③というタイプの違う楽曲を続けることで、このバンドが様式美系でもネオクラ系でもない、何よりBACK TO 70年代でもない、現在進行形の古典ロックバンドであることを印象づけた。ライブでも人気があり、このバンドの名をマニアに浸透させた⑤、そしてエモーショナルなハードサウンドを信条とするバンドとしては真骨頂とも言える⑧と、既にバンドとしての狙いは定まっていた。

インディーズ時代の音源であり、現在は入手困難な作品だが、このバンドのルーツに触れたいマニアには避けては通れない一枚であろう。


DAMIAN HAMADA'S CREATURES - 最後の審判 ★★★ (2024-05-02 18:42:00)

バックメンバーを刷新してリリースされたアルバム。あどけなさが払拭されつつあるシエル伊舎堂の歌声も、天使のさえずりの如き清らかな美しさと、ロックシンガー然とした歪みも加わり今まで以上にフロントマンとしての風格が漂い、このバンドの顔として存在感を強めている。RAINBOW過ぎるGates of Hellみたいな曲でも違和感がなくなったのは成長力の高さを評価出来るだろう。

ダミアン殿下が健在な限り、このバンドの持つ妖しげで魔界的な様式美サウンドに陰りは無い。最強のお約束であり定番中の定番なのだが、ファンにはたまらん内容の音楽性だ。
島国ニッポン、日本人が感じるワビサビ、その情緒のあるメロディックなスタイルに偽りはない。相変わらずドラムの音は好きになれないがバックのメンバーは確かな腕を持っており、ダミアンワールドの確立に一役買っている。
収録曲は少ないが、曲調はバラエティ豊か、フックのあるメロディと構成により充実度の高さも目を引きますねぇ。
流石はダミアン浜田殿下ですが、ある意味、究極のマンネリズムに付き合えるかが最大のポイント。それこそが最大の魅力なので、苦手は人はダメでしょう。
ハードなギターリフと硬質感のあるリズム、そしてクラシカルなメロディを彩るキャッチーな歌メロ。シンフォニックな味付けだが、やり過ぎていないので素直に耳に入ってくる。ライブでも再現可能な音だから良いのである。

いい意味で臭みを抑えた意欲作。似て非なるもの作る才能に殿下は溢れていなすね。


BLUE OYSTER CULT - Ghost Stories ★★ (2024-05-02 18:07:47)

前作はとてつもない強烈なインパクトを残してシーンにBOC健在をアピールした。衰えていかなった創作意欲。昔の名前だけで飯を喰わない現役バンドとしての気概に胸が打たれました。らしさと新機軸を打ち出した先行公開された曲も素晴らしい内容。アルバート・ブーチャードがPVに映り込む姿、コロナ渦ながら彼らは見事にBOCの刻印を押した。

そういう流れがあったとは言え、今作までのインターバルの短さに驚いたが、蓋を開けると内情はMirrorsからRevolution By Nightのアウトトラックを収録したというお話。なるほど、シーンに埋もれ亡霊と化した楽曲を蘇らせる、それは、彼らの足跡を知らしめる一因でもある、そういう意味で見るとアルバムタイトル、GHOST STORIESの味も変ってくるのだが、正直、先行公開された曲から発せられた、当時のパッケージを封じ込め現代に蘇らせた手法、その古めかしいサウンドに驚いていたのだが、前作ほどのインパクトは残していない。これはアウトテイク集だからという事前情報がなくとも、強力なキラーチェーンが散見出来ないなぁと感じるだろう。

勿論、BOC名義に恥じない内容だ。何ならアルバード・ブーチャードのお蔵入していたソロを担ぎ出した過去もあるから、こういうウルトラC的なアルバムを作っても驚きは少ない。しかし、これで有終の美を飾ることが出来たかと言われると微妙だろう。
でも、良い曲はある。かつてもやったMC5のKick Out The Jamsのクールなカヴァー。
BOC風味満点、これがアウトテイクなのかと信じられない気持ちにさせてくれたキャッチーでクールなDon’t Come Running To Me。ロマンティックなThe Only Thing。地味だが癖になるオープニングナンバーのLate Night Street Fight。このバンドらしい浮遊感のあるメロディが耳を惹くSo Supernaturalなど、要所にらしい曲を放り込み成立させている。
前後の曲との組み立ても味があり、アルバム単位で楽しめるのだが、やはりファーストインパクトで勝負できるアルバムでは無い。

それほど、前作の充実ぶりは凄かった。採用した楽曲の時代がポップス寄りの作風なのでハードさが足りないというのも食い足りない要素だろうが、元々ハードさを前面に出すようなバンドでも無かったので大きな問題では無いのだが、これで終わりと聴かされると寂しいのは事実だ。
まぁ老いさらばえ、醜態をさらすこともないだろう。ケン・ヘンズレーとかは、シワクチャの爺さんが若者に混じりタンクトップ着たりとやりたい放題で痛々しい姿だった、まぁマネジメントがしっかりしているか、YouTuberみたいに勝手にやっているかの差だ。もっと言えば美的センスの欠如とも言える。
老害になってまでと納得するしかないだろう。


STRATOVARIUS - Episode ★★ (2024-04-27 10:22:14)

人間性に難があるのか、詳細は分からないがバンドを追い出された?ティモ・トルキ率いるバンドのフルアルバム。ネオクラ系の情報通が言うにはティモも途中参加でオリジナルメンバーではないと教えて貰ったのだが、だから彼がクビになってもバンドは存続されるべきだと、強い口調で語っていたことを思い出される。
この時期、日本ではメチャクチャ人気のあったバンドだったと認識しているが、個人的にはハロウィン+インギー臭がきつくなり離れた時期でもある。ビクターのコンピに名バラードFOREVERが収録されており、その出来にいたく感動したが、お約束な①と不安定な歌唱力に難を示し聴くのを中断。当時ネオクラ系に飽きていた時期でもあった事が拍車を掛けた。そんなこんなで30年近く放置したバンドだが、無料で聴けるんで久しぶりにFOREVERを思い出しアルバムを頭から再生。

この手のバンドが好きな人にはたまらないスピードナンバーが目白押し、イェンスの見せ場は少ないが、ヨルグ・マイケルの精密なドラミングはバンドサウンドを後方から押し上げ強固なものに仕上げた。個人的には味気ないドラムマシーンのような空気もあるのだが、ある意味、それがヨルグ・マイケルなのでファンなら気にもとめないだろう。

スピードメタルが好きな人にとっては中盤の展開は、やや不満の残る選曲だろうが、ハイトーンよりも余裕のある中音域の方が魅力を感じさせる歌があるだけに、けいして無駄な時間ではないのだが少々曲が長い気がするのは否めないだろう。⑥も⑧もドラマ性の高いナンバーなんだけどね。
やっぱインギーなんだよねぇ。キーボードのバトルも既視感が強い。だから離れてしますのですが、最近のインギーはアレなんで、逆に今なら、このスタンスも若い人には十分、受け入れられるのではないだろうか?

ネオクラ系の登竜門として90年代を飾ったバンド。今作は次作は専任シンガーを入れ、日本でも確固たる地位を築いたのだろうが、個人的には初期の青臭さが残る時代が好きだったりする。
思い入れは人それぞれだろう。初めて聴いたアルバムに対する愛情の深さはハンパ無い。ファーストインプレッションは大切だ。


BLUE OYSTER CULT - Cultösaurus Erectus ★★★ (2024-04-23 12:24:27)

前作の失敗を受けハードさが復権した意欲作。彼らの遊び心も満載と何が飛び出すか分からない仕様のアルバムとなっている。①②という流れはスリルとファニーさが混同しているが、実に親しみやすく初期の頃のサイケな色合いもねじ込みつつ分かりやすいポップセンスを遺憾なく発揮、そのあとに出てくる③が効いている。
80年代という時代も見据えた先取りの感性、ある意味、前作よりも聴きやすいと思っている。エネルギッシュな二本のギターは当時としては派手な部類に入る。ソングライティング力の充実。けして突出した歌の上手いメンバーがいるわけでもないのに、担当する曲では自由奔放にロックな歌声で聴き手を楽しませてくれる。
最初は派手さに驚くが、聴きすすめると、このバンドの持つインテリジェンスな面が随所に設けられており、前作では押さえたロックな独創性をよりいっそう剥き出しにしてきた。
イマイチ、日本では人気の無いバンド。まぁ女子ウケするメンバーはいないから仕方が無いのかも知れないが、玄人好みのサウンドを常に提示してきた彼ら、80年代の幕開けに相応しい作品を世に出してきましたね。


BLUE OYSTER CULT - Mirrors ★★★ (2024-04-22 11:50:43)

リリース当時は酷評されたアルバム。今でも根本的な評価を覆すことがあるのかと聴かれると微妙だが、聴きようによってはかなりの力作である。アラン・レーニア作の③がメインと捉えるのかで評価も分かれるだろう。
しかし、このバンド根本にあるのはひねくれたセンスである。分かりやすいポップセンスを前面に出しつつも、大人のサウンドである。女子供がキャッキャッとパヤパヤするような音ではない。インテリジェンス溢れるスマートなサウンドは、落ち着き払ったものであり、ハードなサウンドの合間に聴くにはもってこいの癒やしのアルバムである。疲弊した耳にはベホイミ級の回復力を発揮してくれるでしょうね。

セールスも奮わなかったし、失敗作の烙印を押される一品だがトム・ワーマンの手により洗練されたサウンドメイクは今聴いても、絶妙なレトロ感をもって聴かせてくれ、古いだけじゃないモダンさ、やはりスマートな作り込みはオシャレさだけじゃない、ロックなハードさをギリギリで保っている。
アングラ臭は排除されたが、シャレオツな⑤なんて小粋で大好きだ。⑥⑦だって、どこかミステリアスな雰囲気が漂っていますよね。
やはり、このバンド、ただでは転びませんよ。

高い演奏力とメジャーアクトとしての側面を大フィーチャーした力作。このアルバム大好きです。
むしろ、ヘヴィでハードなHEAVEN FORBIDの方が遙かに問題作な気がする。


KRAKEN - Una leyenda del rock - Frágil al viento ★★★ (2024-04-12 14:35:40)

情念タップリ
感動のバラード
さりげなくねじ込まれるストリングスのアレンジ
巻き舌ヴォーカルの熱情
これが南米仕込みなんでしょうね


KRAKEN - Kraken III ★★★ (2024-04-12 14:28:58)

南米はコロンビアのメタルシーンを語る上では外すことの出来ないレジェンダリーなバンドの3枚目。ブルータリティ溢れるスラッシュ、ハードコア大国かと先入観を持っていたが、このようなバンドが人気を博しているという事実に興奮する。
前作の音楽性を更に推し進めた今作、音楽性の幅も奥行きも広げ、キーボードプレイヤーを前面に押し出しメロディックなスタイルを研磨した。正直、もっとヘヴィなスタイルのバンドだっただけに、この柔軟さというのか、音楽性の変遷には少々驚くが、バットボーイズ系やグランジ/オルタナムーブメントの芽吹きを感じさせない、プログレテイストを加味させたスタイルは正統派サウン支持支持するマニアにはこちらの方が刺さるでしょう。
それにしても音楽性の幅を広げたねぇ、メロディの拡充とキャッチネスさの増量。それだけに留まらないロックなスタンス、ちゃんとメインストリームを視野に入れていたんですよね。
こういうバンドを知ると南米のメタルシーンを掘り下げて見たくなります。


ALL FOR METAL - Legends ★★★ (2024-04-10 08:13:51)

AFM Records肝いりのバンドだろう。頭文字がまさにAFMとなる。そしてメンバーが、各々、他にバンド活動を行うメンツを揃えた所謂、プロジェクトチーム。プロデュース兼ソングライターとしてKissin' Dynamiteとのヨハネス・ブラウンを筆頭に、マーク・ニッセン、ピーター・ジョーダン、ジュリアン・ブロイッカー等が参加、こういう背景だけでもAFMの企画であるとうかがえるが、詳細については分からない。
ただ、ここで気になるのが同じレーベルのバンド、BROTHER OF METALの存在だ。向こうは北欧神話など、北欧をコンセプトとしたバンド。民族衣装に身を纏い歌詞や曲調の、それに沿ったものだった。元々インディーズでの評判が話題となり契約に至った苦労人、その為にアマチュア臭さは拭えなかった、また既視感も強かった。例えば、メンバーの容姿なのだが、お世辞にもカッコいいとは言えない。肌の露出が多い民族衣装なのだが、身体が全然出来上がっていなかった。贅肉のはみ出しただるんだるんの身体。コミカルなPVも既視感があり、正直プロ意識に欠けた印象が強い。

その失敗が肥やしとなっているのか、このバンドはコンセプト衣装とモロかぶりである。本当に驚いた。同じレーベルで、同時期にバンド名まで同じようなニュアンスのバンドをぶっ込むなんて、どうしてこうなるのかはわからないが、正直、気の毒である。
ちなみに、そんなBROTHER OFはこのバンドの登場後リリースしたシングルでは、ダークなヘヴィ路線へと変貌していた。まぁ1曲なので判断は出来ないが、大人の忖度を感じずにはいられない。

そんな裏事情を抜きに今作を聴けば、単純にNWOTHMの流れを汲む正統派のバンド。コンセプトは北欧神話。そこにイケメンマッチョとムキムキマッチョによるツインボーカルをメインとするバンド形態という、わりと新しい切り口で勝負。
とくにギターは現在女性二人という構成、さらには女性ダンサーも2名加わり賑やかなショーを行っている。

とりわけ面白いのが、自分のバンドでは思いっきりグロウルを披露する、ボディビルダーとしても活躍する筋骨隆々のティム・"テッツェル"・シュミットが、グロウル一歩手前の雄々しい咆哮を響かせると、その効果は絶大なアクセントとなり、見た目と北欧神話との親和性も抜群で雷神トールの如き力強い存在感を雄弁に見せつけている。

そしてイケメン細マッチョのアントニオ・カラナが確かなパフォーマンス力で魅了、リードシンガーとしての存在感をより際立たせている。ティムがいればこそだし、ティム一人では表現出来ない部分をフォローしている。癖はあるが、一般的なロックファンが聴いても苦にならないツインボーカル。どうしてもグロウルは、一般人にとってはtoo much感が付きまとうので、このバンドは、その課題をクリアーしながら、面白いコンセプトを披露している。バックボーンの違うメンツが揃ったバンドの面白さ、当初シングルギターだった時のギタリスト、ヨハンナ・アイカーはEklipseというクラシック楽器を使用した弦楽四重奏団でヴィオラを担当、そのエレガントなサウンドからは、想像も付かない抜擢だが、途中で脱退してしまった。

ドラムはレイフ・ジェンセン、ベースはフロリアン・トーマという二人、個人的には馴染みのないアーティストなのだが、今作では割とオーセンティックなプレイを要望されており、昨今流行の聴きやすいミックスの影響もあり、目立たないというのか地味なのだが、この聴きやすいサウンドにはフィットしている。

紅2点となったギターチーム。バンド歴もあるが、メタル大好き女子ギターとしてYOUTUBEで活動する小太りボッチャリ女子のジャスミン・パブストとイタリア人の知的な空気感が印象的なウルスラ・ザニチェリという、好対照の二人を揃えた事により画的に、メリハリを付けた、とくに昨今のLGBTQにも配慮したと言える布陣、日本では考えられない座組だろう。
なんと言っても日本はルッキズム天国、見た目重視のテクは二の次三の次ですから、まぁ欧州は先をいっていますよ。

そんなメンバーがAFMが示したコンセプトにノリ、北欧神話をテーマに聴きやすく力強いメタルサウンドを披露。一聴して口ずさめるメロディと繰り返される歌詞。ヘヴィメタルとしての分かりやすいパワーとキャッチーさ、だから、PVを込みでアルバムの曲を先行配信していったんでしょうね。
再生回数に満足は出来ないでしょうが、このバンドのコンセプトは常に分かるような画と曲で魅了した。とくに途中から女性ダンサー二人も加わり、8人編成の大所帯になってからは、益々ステージも賑やかなものに、個人的にはダンサーがいらないと思うのだが、これもBABYMETALなどの活躍もあんのかなぁ、なんて想像したりしてますが、ああいうのは楽しんだモノ勝ちでしょう。

雄々しい雄叫びと、相反するしなやかな歌声、無駄を省いたコンパクトな楽曲はどれもが印象的なフレーズを盛り込み、耳に飛び込んでくる。ある意味、ラジオフレンドリーな曲で埋め尽くしたと言うことなのだが、硬派さは失っていない。それがこのバンドの肝なのだろう。何年経っても英語は分からんし、訛りも当然わかりませんので、アレなんですが、歌詞がダイレクトに分かる人は、さぞや楽しい音楽になるのでしょう。

既にAFMを離れ新進気鋭の新興ミュージックReigning Phoenix Musicに席を移しているのですが、この路線を継承してほしいものですね。分かりやすくベタ、そのベタさが絶妙だ。世の中、ベタに敵うモノなし、そのお約束感を楽しめるかが最大のポイントだろう。
それにしてもベースの音が目立たんねぇ。ワシがPCで音楽を聴いているというのもあるのだろうが、昨今流行のミックスは好かん。


人間椅子 - 苦楽 - 悩みをつき抜けて歓喜に到れ ★★★ (2024-04-08 15:39:46)

個人的にはこのあたりで一旦飽きる
昔の彼らとは違いとにかくパワフルな古典ロックで押し込んでくるアルバムなので
完全に毛色の違う曲を欲しがるのだ

しかし曲自体にも問題はない
Aメロは映画ロッキーのテーマにメロディを付けましたね
ニヤリとさせられますよ

とにかく場面展開が多い
仕掛けまくります
飽きさせぬよう工夫を凝らしていますね
勿論彼ら流の遊び心も満載
細かい事は気にせずに楽しむのが一番

とにかく曲単位に問題はない
これも7分近いランニングタイムだが長尺にかんじさせないアイデアが詰まっている


人間椅子 - 苦楽 - 世紀末ジンタ ★★★ (2024-04-08 15:34:02)

ジンタッタジンタッタってフレーズが耳に残りますね
頭の展開はアップテンポで全曲と繋がるのだが
本編に入ったらちょっと違う展開になっていった
ここでも場面展開が多い
仕掛けるなぁ
多彩なリズムチェンジを繰り返し先を読ませない展開
ジンタッタジンタッタとコミカル調な歌詞とは真逆である
大正琴ですか?最後まで気が抜けないね


人間椅子 - 苦楽 - 宇宙海賊 ★★★ (2024-04-08 15:28:46)

お得意のスペースロックでもやるのかと思ったら
ヘヴィな曲調だったことに驚いた
鈴木がメインで歌い
和島とナカジマが宇宙船のクルーの如く合の手を入れる
味付けはダークでミステリアスだが宇宙観はありましたね
裏切ってきわた
オヤジロックパワーに圧倒されますよ


人間椅子 - 苦楽 - 人間ロボット ★★★ (2024-04-08 15:24:11)

一曲の中に色んな要素をぶっ込んできましたね
目まぐるしく変る場面展開
仕掛けの多い曲ですが
けして迷走しているわけではない
この濃密さと人間ロボットと歌う歌詞がリンクする


人間椅子 - 苦楽 - 暗黒王 ★★★ (2024-04-07 18:52:10)

曲のタイトルが示すように迫力のある一曲
ド迫力のヘヴィサウンド
まさに暗黒王なのだろう
鈴木の書く曲らしい


WHITESNAKE - Slide It In - Hungry for Love (2024-04-07 18:47:53)

アメリカンマーケットを視野に入れたアルバムだけに
めちゃくちゃアメリカンナイズドされた一曲
サミー・ヘイガーあたりが歌えばカラッとした豪快なアメリカンロックになるのだが
鼻づまりのカヴァーデイルではそうはならない
アルバムの中でも浮き気味の一曲
こういうライトなアメリカンロックだとコージーのドラムは野暮ったさを倍増させている
過渡期だから仕方がない
それに次では顔面整形を繰り返しAV男優みたいなムキムキチョコボールにサウンドになるとは夢にもおもわなんだ
今聞き返せば予感はここにあったのかもしれない


GAMMA RAY - Heading for Tomorrow - Sail on ★★ (2024-04-07 18:43:30)

元々はHeaven Can WaitのEPに収録されていた曲
何度かアルバムが再発された時にボートラとして取り込まれた
だからバンドとして浮いた一曲になる
歌詞もポジティブ
夢の国へ出航 いつかそこで会おう
なんてロマンティックな歌詞が飛び出るのだ
早起きして清掃バイトに出かける前に聴くには丁度良い目覚めのライトソング
Sail on!


人間椅子 - 苦楽 - 悪魔の処方箋 ★★★ (2024-04-06 21:32:56)

こういう曲を聴くとつくづく思う
人間椅子は垢抜けた
ミュージシャンとして生計が立てられた証拠だろう
そのマインドが歌詞や音楽性にも反映されている
もはや社会を妬ましく思うような歌は出てこない
この歌詞やメロディのフィット感
ヘヴィで勢いのある音像とキャッチネス感に唸る


人間椅子 - 苦楽 - 神々の行進 ★★★ (2024-04-06 21:30:07)

ヘヴィでパワフルなサバスティカルナンバー
タイトル通り好戦的なイメージを抱かせる内容だが
外していない
エイエイオーの掛け声もアクセントになっている
このギターサウンドも狙っているのだがピッタリだ
ブルージーさもイイねぇ


人間椅子 - 色即是空 - 蛞蝓体操 ★★★ (2024-04-06 21:22:36)

ナメクジ体操というタイトルが凄いね
芋虫なんて歌もありましたが
この曲もタイトルに負けないインパクトです
人間椅子らしい厭らしいサウンド
古典ロックに根ざしたギターサウンド
這いずり回るヘヴィグルーブ
そして読経のようなコーラスとテンポアップする展開
実に刺激的だ


人間椅子 - 色即是空 - 星空の導き ★★★ (2024-04-06 21:19:05)

アコースティカルなナンバー
素直なメロディが印象的です
曲順的にいい意味で箸休めソングとなっていますが
ラスト2曲が強烈なので
この曲は絶妙な配置となっている

くれぐれもディミニッシュコードがどうのこうのと
知ったかぶり発言はしないようにお願いします


人間椅子 - 色即是空 - 地獄大鉄道 ★★★ (2024-04-05 13:25:29)

お得意の地獄ソング
でも今回は和島が手掛けている
鈴木のベースがクールですよね
踏切の音を再現する和島
古くて新しいエネルギッシュな音色
ラストに爆走感もカッコイイ
地獄へ到来と言うことだろう
容赦しない苦痛が待っているのか


人間椅子 - 色即是空 - 未来からの脱出 ★★★ (2024-04-05 13:14:06)

古典ロック全開のスピードナンバー
ナカジマノブによるエネルギッシュという言葉が伝いたくなる一曲
早朝からバイトで眠気を覚ますには丁度良い曲だ


人間椅子 - 色即是空 - 宇宙の人ワンダラー ★★★ (2024-04-05 13:11:35)

宇宙電撃隊の後というのが憎い演出だ
SFタッチのイントロからヘヴィなサウンドへと雪崩れ込む
このバンドらしい独特の世界観を歌い上げる
地球に潜り込んだ宇宙人の歌

もう地球は滅亡に向かっているのだから何もすることがないとでも歌っているのだろうか?
最後の方で唱えられる呪文ベントラベントラスペースピープルも不気味
早朝から聴きたくないなぁ


GAMMA RAY - Insanity and Genius - Brothers (2024-04-05 13:01:59)

Pink Bubbles Go ApeやChameleonに収録されても違和感のない一曲
1993年という時代背景が迷走させたのだろう
コミカルタッチの明るいメロディ
このバンドのバカバカしさが全面に出ているが前向きな歌詞である

僕らはロックの兄弟だ世界を変えられると歌うので
こういうポピュリズムに溢れた曲調になったのだろう

品出しバイト中に聴くには丁度良い元気モリモリ
コーン茶爆売れソングである
Brothersにはなれないなぁ


筋肉少女帯 - 断罪!断罪!また断罪!! ★★★ (2024-04-03 15:15:40)

インパクト大のジャケットと、これまた強烈な言葉、断罪!断罪!また断罪!! というタイトル。計算尽くなのだが、こういう仕掛けはファン以外を振り向かせるだけのインパクトがあり、商業戦略として実に賢い選択だ。またバンドのもつアングラ臭を一発で伝える事が出来るだろう。
アバンギャルドなサウンドは、このバンドの持ち味の一つ。ルーツの違うメンツが揃うからこそ成し得るバラエティ豊かなサウンド、どんな事があっても様式美野郎にブレのない橘高文彦の孤高な存在感、それでもバンドサウンドが破綻しないのは、互いを尊重する姿勢があればこそ成立させられる姿に微笑ましい気持ちを味わえる。だがテクニック的には申し分ないバックのメンバーが揃っているので、音楽性はけしてありきたりのアイデアの積み上げではない。細部に拘ったアレンジ、そのスケールの大きさは6曲では物足りないと思わせるのだが、詩人、大槻ケンジのユニークな歌詞と相俟って、独特の世界観に圧倒される場面は少なくないだろう。

個人的に大槻のパフォーマンスを素晴らしいと思う事は無いのだが、彼の声もバンドの個性として強烈なインパクトを残しているのは間違いない。
メタル野郎ならパブロフの犬い1択になるのだろうが、個人的にはロマン溢れるプログレッシブな⑥に引き寄せられる。
個人的に6曲入というのは丁度良い尺だった。


三原順子 - VERSUS ★★ (2024-04-02 17:50:17)

芸能活動が停滞したらカー・レーサーに転身したりと、本気なのか嘘なのかイマイチ伝わらず、芸能界に翻弄されて生きた印象が強い。落ち目の芸人、コアラと結婚、そして離婚。さらには良くあるタレント議員への転身と、もはややりたい放題の破れかぶれた人生を魅せられているようなのですが、彼女はけして色物ではなかった。
例えばアン・ルイスもいっちょ咬んで女性だけのバンド、ルージュを従え歌謡ロックをやっていた時代、悲・GEORGE。つっぱり順子全開でやってましたよ。
そういう事が純粋なロックファンにはネタでしかなかったのは残念で仕方がない。また、セクシー・ナイトと顔はヤバいよボディにしな、一人歩きしてしまったのも痛いよなぁ

ここでは無理にドスを聴かせることなく彼女のロックな歌声を素直に楽しめます。当時、日本では本気で女性のロッカーを育てる環境などなく、とにかく売れるしかない。お茶の間の人気者にあるしかない、そういう意味では彼女のつっぱりキャラは悪役女子レスラーと同様の色物でしかなかったのだろう。咬ませ犬状態。そんな感じでした。
やっぱり夜のヒットスタジオとかに出てきたら違和感バリバリだものね。それに長続きしないよなぁ、この路線というのは、当時、子供だったワタクシでも想像が付いた。ちなみに長渕剛も一時期ロックっぽい事をマッド・マックスみたいな格好でやってましたからね。

でもこの路線は黒歴史にあらず、今や政治家となった彼女においてはコアラと結婚よりも隠したい過去なのかもしれないが、バカ高いBOXセット以外でも単品で再発して欲しいね。
とくにサブスクリプションでやればいいんじゃないの。と思います。

北島健二作曲、作詞順子の切り裂かれたウェディング・ドレス、タイトルが土曜ワイド劇場のサブタイトルみたいですが、インパクト大です。今作品、中古レコード屋で探すか、バカ高いBOXセットを見つけるしかない状態ですが、日本のロックに興味のある猛者は是非とも探して欲しい。

とくに本格的なハード路線のSO DEEPは再発して欲しいねぇ。今でも良く聴くアルバムなので、今作もアナログからデジタル化して聴いていますが、元が良くなかったので、音質がイマイチなんですよね。
今作ワタクシの記憶が正しければビーイング関係だったような気がする。どこでも良いから再発お願いします。
いい音で聴きたい。


GAMMA RAY - Sigh No More - Rich & Famous (2024-04-02 17:11:09)

あなたは本当になりたいですか - 金持ちで有名、金持ちで有名です。
あなたは本当に今、金持ちで有名になりたいですか?

サビで繰り返し歌われるこの言葉
哲学的ですよね

でも金は必要なんです
不当に得た大金ではなくね

だって定年退職して退職金も出たのに
全財産を失い家族も離れ
早朝の清掃バイトとスーパーの品出しバイトを掛け持つ人生なんて
死んだ方がマシである

一文無しですがごく一部では有名な爺さんにはなりたくない
You're a poor man and a cult favorite.


人間椅子 - 色即是空 - 死出の旅路の物語 ★★★ (2024-03-31 21:25:47)

アルバムのラストですが
こういう勢いのある仕掛けの多い曲で来るとはね
もう一度アルバムを頭から聴きたくなりますよ
ジャパネスクロック
童謡みたいなサビメロ
でも深い世界観
途中のパラッパラッパーと第○○の扉~って件もらしいよねぇ
和島のギターエグいわ
圧巻のソロです
そのバックも凄まじいド迫力
親しみやすさとの対比がエグい

カッコいいクロージングソングだよ
ラウドネスのDemon Diseaseぐらいのインパクトだね
アンセムのBottle Bottom以来の衝撃だな
リピート再生が止まらん


人間椅子 - 色即是空 - 宇宙電撃隊 ★★★ (2024-03-31 21:08:21)

昭和な匂いがしますね
勇ましい軍歌アニメソングですか

出撃だ 突撃だ
ファンファンファファン
ファンファンファファン
ファンファンファファン
宇宙電撃隊

この歌詞やり過ぎ
そして和音三味線アイオミギターソロの後の
オーオーオーもずるい

こういう曲は一発で耳に残る
親しみやすい曲なのに人間椅子らしい古典ロック集が失われない
シンプルなビートを押し上げるナカジマノブのドラムも活きがいい

ところで宇宙電撃隊って何?


人間椅子 - 色即是空 - 人間の証明 ★★★ (2024-03-31 21:03:12)

人間の証明と言えば森村誠一原作の小説を真っ先に思い出します
むこうは感動のヒューマンドラマですが
ここではもっとドロドロとした内容になっていますね
鈴木の下品なベースが楽曲を牽引
そして厭らしい歌い回しもハマっています
全般的に言えることだがキャッチーさがあるんですよね


人間椅子 - 色即是空 - 狂気人間 ★★★ (2024-03-31 20:59:45)

おーぉ おーぉ おーぉと言う掛け声が耳にこびりつきますね
シンプルなリフワークどダイナミズム
三者三様に繰り出される妖しげなインストパーと対比する形で
めちゃくちゃ親しみやすい歌のパート
ずるい手口だ
すっかり魅了されてします
洋楽もどきのロックバンドでは出せない年季だよね
えげつない


人間椅子 - 色即是空 - 悪魔一族 ★★★ (2024-03-31 20:53:16)

野蛮で厭らしいロックサウンドですね
勢いだけじゃない小技が効いています
これぞベテランの風格か
人間椅子らしい一曲です


人間椅子 - 色即是空 - 生きる ★★★ (2024-03-31 20:49:33)

ストレートに弾き出されるロックサウンドのカッコ良さ
和風だった②がアクセントになっている
①②③の順番が完璧なんだよね
そう思わせる古典ハードロックサウンドです
シンプルだけにごまかしなど一切通用しません
凄かったわ
歌詞も好きですね
これぞ日本人にしか出来ないハードロックですよ


人間椅子 - 色即是空 - 神々の決戦 ★★★ (2024-03-31 20:46:40)

クラシックロックの塊をぶつけられたオープニングナンバーのインパクトが強すぎた
この曲の印象が薄くなっているのだが
神々の行進から繋がる世界
悪いわけがない
オープニングナンバーが凄すぎただけ


人間椅子 - 色即是空 ★★★ (2024-03-31 20:42:26)

海外のフェスに本格参戦、無情のスキャットが国内外、特に海外でスマッシュヒットしたのが大きいのだろう。その因果は、その後の作風にも顕著に表れ、一時期、和島が持ち込んだ妙なポップス寄りのロックサウンドが完全に排除されている。
今作リリース前に、インターネットではあるが多くのメディアのインタビュー記事を目にしてしまい、愛について歌っているという文言が頭にインプットされすぎて、もうそういう偏ったレビューしか出来なくなっているのでアレなんだが、ここ数作に共通する親しみやすさ。

昔の根暗なアングラ臭をいい意味で排除、勿論、このバンドらしいねっとりとした暗黒面は残しているのだが、それ以上にロックの持つパワー、彼らが愛する70年代のロックを軸に、90年代以降のロックからの影響を見事にすっ飛ばし現代にアップデート。

今回もリーダートラックとなる①の持つ原始的なエネルギー、真新しいテクニックなんかじゃない古典も古典なロックなリズムと強力なリフワーク、そしてメッセージ性の強いシンプルな歌詞。和を以て洋を制する瞬間に我々は立ち会えるのです。

日本人にしか出来ない日本のロック。ハードロックという言葉がこれほど似合うバンドはいない。時代と迎合しない、その姿勢こそ一番ロックな事。もっと上手いベースも、適任のドラマーもいる。だが、鈴木の下品なベースがなくては人間椅子ではない、そして和島と鈴木との人間的相性なケミストリーを感じさせる存在のナカジマノブは、本当の意味で屋台骨を支えている。いや、緩衝材とも言えるだろう。個人的には、どうしてもマイナー時代のアングラロックが欲しくなるのだが、完全にメジャー流通に乗っているのに、ここまでガチのロックをやられると一切文句など出ません。

売れる音じゃない。女子供をだまくらかすイケメンバンドではない。でも成功したのは、彼らは本気でこの音をものにしている。かつてのようなモロパクりも少なくなった。正直、昔のアルバムを海外にマニアに知られると手厳しい評価もうけそうなのだが、そんなことは問題なし。この三人から繰り出させる嘘偽りのないサウンドの前に戯れ言は無用であろう。

勢いのある曲も多いけど、ちゃんと要所要所にらしさ全開の楽曲を配置している。これで新旧のファンも納得だろう。わしゃ味が濃い昔風の曲が好きですね。たゆまぬ努力が報われた瞬間。売れて良かった。もうバイトしないでミュージシャンとして飯が食えるのだから。

でもワシは踊る一寸法師が一番好きなアルバム。それは永遠に変らない。説教臭くないが人間に心理にグサリと突き刺さる言葉が、このアルバムにも散見されている。さらば世界、凄い曲だった。


RUSS BALLARD - Winning ★★★ (2024-03-26 17:30:18)

ミュージシャンとしてより、音楽家として有名になっているラス・バラード。それもそのはず、表題曲はサンタナがカヴァーしてヒット。⑤は最近、グラハム・ボネットがマーティ・フリードマン(マーティーンじゃないよ)とリメイクもしたりと、色んな人に取り上げられる一曲。まぁRAINBOWの曲と認識されていますが、れっきとしたラス・バラードの曲です。ベイ・シティ・ローラーズが⑨も摘まみ、とにかくラスの楽曲は自身よりも他者の手によって広く認知されています。

ではオリジナルの今作は、ダメな作品なのか?と聴かれたら答えは完全にノー。良質はメロディとポップセンス、そしてロックな情熱を込めたラスのパフォーマンス、もり立てるコーラスワークとしっかりとしたアレンジと、堅実な演奏。とくにバックの演者は腕利きであり、シンプルな楽曲構成をガッチリと支えている。だからこそコーラスが生きるし、ラスの歌声が胸を打つ。バラードの③なんて、①②とご機嫌にきたので余計に涙を誘いますよね。

ラス・バラードのアルバムに対して過去に何度か発言しているが、めでたくごっそり消えとる。多いなぁ。

上手い唄と、アレンジの妙味。脳天気ではない良質はポップス寄りのロックサウンドは、やはり英国なのかなぁ。ポッと出の新人ではない苦労人のラス。アルバムに込めた思いと、彼のミュージシャンとしてのセンスは、ここでも十分に発揮されています。
⑤はグラハムが歌うヤツよりもラスの方が好きですね。


RAVEN - Stay Hard ★★★ (2024-03-22 14:28:28)

過去に発言したのだが、消えていますね。他にもRAVEN関係が消えとるなぁ?何でだろう?

メジャーはアトランティックと契約を交わしてリリースされたアルバム。ハイパースピード/パワーメタル番長とメインストリームとの相性がいいわけがなく、当然、売れる為に色々といじくられている。
彼らにとっては苦難だろうが金になるのは悪い話ではない。そんなせめぎあいと折衷案の中で製作されているだけに中途半端さは否めないのだが、やはり、このバンドらしい弾けるパワーは随所に顔を出しており、妙な色気を出したポップさとの狭間で揺り動くサウンドに評価も分かれそうだが、ホーンセクションとかね、らしくない面はあるんですが、じっくり耳を傾けて欲しい。

隠せないバンドの持つ破天荒さ、ハイパーパワーメタル番長としての風格は、音から溢れ出ていますよ。③なんて、このアルバムだから収録された曲でしょう。
それに、このバンドのエネルギッシュな面ではない顔を際立たせた作風はけして非難されるものではない。

熱狂的なRAVENファンからはイマイチな評価を受けたアルバムだが、もう一度フラットな感覚で接して欲しい。リメイクの⑧だって浮いていないし、エキセントリックな⑨など真骨頂ですよ。
アルバム全部が名曲なんて、そうそうありませんので、気分に合わせて摘まみ食いしてお楽しみください。
意外といい味のアルバムですよ。


IDLE CURE - 2nd Avenue ★★★ (2024-03-22 14:07:59)

デフ・レパードタイプのクリスチャンメタルバンドとして知られる彼ら、90年を前にしても方向性にブレはなく。メインストリーム全開のメロディックメタルを展開。本家のゴタゴタ劇や音楽性の激変などに付いていけなくなったマニアには、このバンドなど代替品になるのではと思いますね。
アメリカ産なのでプレイ内容などクオリティに劣る場面もなく、クリスチャン市場なので安定感もある。そういう無難さに刺激を覚えることは少ないが、それこそメインストリームと言えるので大衆性を完備したアメリカンロックサウンドは場面を選ばずに視聴出来るでしょう。少々やり過ぎな面は否めないが、懐かしいあの時代を想起したい、タイムスリップした感覚を楽しみたい。摘まみ食いせずに、これ一枚で済ませられるサウンドというのが強みでしょうかね。
やはり曲が粒立っているんですよね。ちゃんと押しの強いハード目の曲も用意しているし、適度なスリルもある。サビではビックコーラスというのも悪くない。むしろ、そこでグッと引き寄せられる。
このバンドらしい引き出しの多さも、アイデアの流用云々よりも美点として評価したい。
求めるもので評価も分かれるだろうが、こういう普通の事をしっかりとやってくれるバンドは貴重だし、嫌いになれない。
久しぶりに聴いたが、楽しいなぁ。最近、この手のアメリカンロック聴いていなかったから余計に楽しめましたね。


Ария(ARIA) - Крещение огнём (Перезагрузка) ★★★ (2024-03-19 11:34:09)

これも大人の事情でリメイクされたアルバム。オリジナル盤よりも、やはりスッキリとした印象を受ける。恐らくリズムプレイに関して聞きやすくしたのかも知れないが、それがプラスに働いたかは微妙だが、はやりライブで練り上げてきた曲があるだけにバンドとしては熟成度の違いはあるだろう。ギターサウンドも改善されたというか迫力が増したと感じる場面はある。
オリジナルにはオリジナルの良さがあるので、比較して楽しむのが一番だろう。
例えば②で聴けるアコギなど、こちらの方が良いと思える。
難しいのは曲によってミックスの違うによる効果が出ている点、そこは好みだろう。スッキリした分、メリハリもある。しかし、強度が下がったなぁと感じる面もあるが、生々しく聞こえる場面もある。
今作はじっくりと聞きこみ比べる価値がありますね。
ラストはАрмагеддон同様、2009年にシングル盤としてリリースされた楽曲のリメイクです。もの悲しいフォーキーな旋律が胸を締め付ける叙情派ナンバーですよ。


Ария(ARIA) - Армагеддон (Перезагрузка) ★★★ (2024-03-19 11:15:07)

大人の事情でワールドワイドな配信が出来ないという事で現行のメンバーで再録した2006年にリリースされた名盤のリメイク。正直、アレンジの違いなど差違に気がつかないほど完コピ状態なのだが、ライブで練り上げられた楽曲もあるので仕上がりに関しては、オリジナル盤よりも味が出ているように聞こえるが当てになりません。またサウンドメイクも当時よりもスッキリとしており、聴きやすさというのか現代的な要素を盛り込んでいるのだが、やはり遜色ないですね。当時とは音楽的環境が違うので、そう感じるかも知れませんが、間違いなく違うのはラストの曲です。
オリジナル盤には哀愁のメロディが盛り込まれたチョイ勇壮でキャッチーなミドルナンバーでしたが、今回はインストナンバーに変っています。この辺の事情も権利の関係なのか分かりませんが、いずれにしろアルバムのクオリティを下げるような楽曲ではなく、オリジナル盤と併せて楽しめる仕様と好意的に受け止める事が可能でしょう。でもТвой деньはイイ曲でしたよ。

ちなみに⑩の原曲は18世紀にアレクサンドル・ボロディンがオペラ「イーゴリ公」のために作曲し、ウラジーミル・ホルスティニンが編曲した曲らしいです。原曲をしらんのでなんとも言えない。でもアーリアらしいサウンドに仕上がっています。
プーチンの事もあるし、ウクライナ問題だから、中々ヨーロッパ圏に飛び出すチャンスを失っているバンド。コンスタントにリリースされたオリジナル盤も2018年で止まっていますからね。

頼むぜプーチンですよ。そういえば③の聴ける日本語なんですけど、オリジナルとはチョイ違いますね。零戦の音も違う気がする。聞き比べると、もっと違いが分かるかもです。
興味のある方は是非ともチャレンジください。大手配信サイトで視聴可能ですから。


Ария(ARIA) - Проклятье Морей - Гонка за славой ★★★ (2024-03-19 10:45:03)

アルバムから先行公開された曲
良く動くベースと熱の籠もった歌声
正統派メタルとしてはツボを押さえた構成とプレイで魅了
ロシアらしいもの悲しい旋律と滾るロックサウンドが絶妙にブレンドされている
似て非なるものを作り上げるバンドですよ


G-FORCE - G-Force - You ★★★ (2024-03-16 00:33:21)

哀愁のあるABメロ
そしてサビではパッと明るくなります
ギターソロではクレイジーぶりを発揮と
聴き所の多い一曲です

ちなみにここでゲイリーが歌うYOUとは
早朝の清掃バイトとスーパーの品だしバイトを掛け持ちする
誰からも相手にされないキチガイ爺さんが
上役にゴマをすり
ウーロン茶や緑茶を押さえて
コーン茶が爆売れすると嘘をつく様を表しています


ABOUT US - About Us ★★ (2024-03-15 08:30:23)

Frontiersが遂にインド系のバンドと契約を交わすとは驚きですね。インドという広大な土地ですからね。本国で売れるだけでも大金持ちになれそうですが、ワールドワイドな契約を勝ち取る意味は、より計り知れない影響力を及ぼすでしょう。

既に本国での成功を収めた後の契約というのだから逆輸入で我々も知ることとなります。インドのロック/メタルシーンに手を出したら、とんでもないことになりそうだなぁ、と予感させましたが、まだ手を広げるのに躊躇しますね。ヘヴィメタル探訪、幾ら時間があっても足りないですよね。

最初に知ったのは①のPVだったのですが、その素直なAOR調のロックサウンドに魅了。80年代風味満載の曲調に素直に引き寄せられました。まぁインドというイメージがあったせいで余計にそうだったのですが、このバンドの魅力はそういう甘さだけに特化されたものではなく、しっかりとスパイスを効かせたハードさも完備、それは②以降で十分に確認出来ます。

このバンドのこと、最近まですっかり忘れていました。先行公開されたPVのあとフルアルバムをリリースするまで、ちょっと余白がありましたよね。CDを買わないので、こうやって次から次へと新しい音楽が紹介される日々にすっかり埋もれてしまっていたのですが、最近ようやく聴く機会に恵まれました。
少々声が裏返るシンガーだし、細かい揺れを伴うハイトーンのクセ強系なのですが、それが好きに転べば最強の武器になるでしょう。
国籍など一切関係ない、音楽には国境がないという事を改めて再確認した一枚。正直インド感なんてゼロ。
日本人好みのワビサビのあるサウンドを展開しています。レーベルがレーベルですから、安心して手を出せるでしょう。

今年に入り新曲を2曲公開した彼ら、続編にも期待が持てます。


カルメンマキ&OZ - 閉ざされた街 - 閉ざされた町 ★★★ (2024-03-14 19:32:27)

プログレテイストとドゥームがぶつかり合う異種格闘技戦
日本文学的な歌詞が独自性を更に高めている
バンドの特筆性を特化した歴史に名を残す名曲
これぞカルメン・マキ&OZですね


BLUE OYSTER CULT ★★★ (2024-03-13 18:48:17)

先行公開された曲の出来が素晴らしいBOC。間を開けずアルバムをリリースしてくれるなんてと喜んでいたら、噂では次のアルバムがバンドにとっては最後のアルバムとなるらしい。これが事実なら残念な出来事ですが、ボロボロになる前に余力を残しての引退なんだろう。たしかにシワクチャの爺さんになってまで若い格好をしてステージに立つ姿は痛々しいものだからね。

雑誌読んでないので本当のところは分かりませんが、MC5のカヴァーソングもあるし、期待大ですね。


ANGUS - Warrior of the World ★★★ (2024-03-13 10:52:34)

80年代に2枚のフルアルバムとシングルを残して消えたオランダの正統派メタルバンド。今作は2枚目に当たるのだが、RPG風味満点のジャケが示すように屈強な正統派メタルサウンドをど真ん中でかき鳴らしている。
楽曲に負けない歌声はクドくないエリック・アダムスのように頼もしい存在感を発揮、バックの演奏も歌を頂点にアンサンブルを構築、このパワー漲る正統派サウンドを構築している。
皆が一体となり放たれるパワー、ある意味、お約束だし、これと言った売りがない音でもある。しかし、そのパワーが一点に集中され解放された時のエネルギーは相当な威力がある。
普遍的であることの有意義さ、1987年に正統派である事を貫くことは容易ではないだろうが、この時代だからこそ聴ける純粋培養されたサウンド、パワー/メロディ/スピードと三種の神器を掲げバランス良く聴かせたアイデアは大いに支持できる。

重々しく展開するだけではないバランス感覚。歌を聴かせるという作業は説得力のある歌声があるから成立させられる。個性不足と揶揄される音楽性だが、それが最大の強みだし、この手の音楽性を追求するマニアならば避けては通れないバンドだろう。

久しぶりに聴いたが、昔よりも今の方がグッと、このバンドの存在意義に気がつかされる。惜しいバンドだった。