元々はSecond Chanceというバンド名で活動していましたがメジャーデビューを機に改名してリリースされたのがコチラ。アメリカのバンドなのでドライな感触と、時代性を加味したメジャー感はあるが騒々しいパワーメタル色も強く、何とも形容しがたい音楽性のバンドです。ラフで派手目の楽曲が多いのです⑤ではアコギをフューチャーしたバラードタイプの曲もあったり、おまけに歌詞のコンセプトはクリスチャンだというのだから情報量の多さに心の整理もつきませんよね。 とにかくパワフルさとメジャー感のかみ合わせによる質感が聴き手の嗜好を問う内容となるでしょうね。ハマっているときの大胆不敵さと外れた時の気持ち悪さが評価を分けますね。 豪快と言うかゴチャゴチャしていると言うか、軽めのミックスとけたたましさが何とも言えない感触を生みだしているのですが、そんなリズムプレイで客演しているのがRavenやDeath Row、伝説のPentagramでドラムを叩くジョー・ハッセルベンダーの名前があるのはマニアにとって見逃せませんよね。久しぶりに聴きましたが、JPのPoint of EntryとRam It Downを足してTurboで割ったような音楽性をなのかぁと思いましたね。
遂に復活を果たした老舗バンドのフルアルバム。ジョン・ブッシュの復帰という話題性もあるのだが、ジェフ・ダンカンとフィル・サンドバルの二人によるギターチームが復活。ベースはジョーイ・ベラ、ドラムはフィルの弟、ゴンゾである。完全体での復活劇というのは大きな話題性を持っているが、今更初期の頃のような正統性の強いメタルをやるわけもなく、ましてや2000年である。 そういう目線で見ると、このバンドらしいスタンスで現代的なメタルと真っ向勝負。ヘヴィなグルーブ感を従え力強いサウンドを披露。熟練された男達による復活劇は、お小遣い稼ぎではない本気度も感じさせるが、全ては売れ行き次第という雰囲気がないわけではない。 そのリバイバルブームな匂いを感じると、こんな感じで落ち着くよなと妙に納得するのだが、単なる回顧録ではない再結成劇は後ろ向きではないだけに、現役感を伴っている。 結局、また解散するが、2000年にこういうスタイルの音楽性で復活した事を知って欲しい。当時としてはこれが正統派メタルの限界でもあった。そうすると再度の復帰作に対する驚きも少ないだろう。メタル度よりもアメリカンなロック色が強まったとも評価出来る今作、このバンドらしい、騒々しいリズムの豪快さ、トリッキーなギターワークも耳を惹く二人のアックスマン、正統派という枠を取っ払った意欲作として聴くのが一番正しいような気がする。 初期と比較なしで楽しんで欲しい。March of the Saintのインパクトが日本人には強かった。
アーティレリと言えばこれと押すファンも多いでしょうね。クランチーなリフワークは勿論ですが、刻まれるツインギターの繊細で表情豊かなギターワークを中心とした構成力の高さは見事、彼らお得意の中近東風のフレーズも盛り込みアイデア豊富な展開が実に痛快で魅力的だ。なんとも言い難い妖しげなメロディと喜怒哀楽を込めたドラマ性、不穏なムード漂う攻撃性、予測しがたいプログレッシブな展開、それでいながらも無慈悲さよりも温もりのサウンドメイクが最大の聴きどころかでしょう。それもこれもフレミングの圧倒的な歌唱力に起因しているのかも知れませんね。バンドはこの後、一旦解散、1999年にハードコア色の強い「B.A.C.K.」で復活も上手くいかず解散、そして風通しの良い作風で新たなる可能性を示唆した『When Death Comes』で再復活となるのですが、メロディの質、楽曲、オリジナルティ共に今作を彼らの代表曲に挙げるファンは多いでしょうね。
一聴した感想は「あれ?こんなバンドだったかな?」である。お得意の中近東的なフレージングは勿論、ミケル&モルケン兄弟による阿吽の呼吸から繰り出されるシュレッドギターのクールさ、繊細でいながらも攻撃性の高い構築美豊かな楽曲はグイグイと聞き手を魅了していくのでしょうが、欧州産ならではの叙情的なメロディを配したパワーメタル風の路線もあり作風の幅を広げたような聴きやすさが、癖が強い独自のカラーとの折衷を上手く果たしているのが最大の聴きどころ。作風的にも『Metal Mind Productions』らしさもあり、色んな意味で納得でしたね。キレ味鋭いリフワーク、迫力のあるサウンドは普遍性を纏い更なる勢いを増しながらも、聴きやすく仕上げた手腕は見事ですね。ベテランスラッシャーここにありかな。
Vo藤原MAX正紀(ex十二単)G日下部BUNNY正則(exSNIPER)B恩田快人(exPRSENCE~JACKS'N'JOKER~JUDY AND MARY)Dr梅沢康博(exREACTION~JACKS'N'JOKER)の四人からなる実力派ベテランハードロッカーが連なり結成されたバンドの2005年にリリースした1stミニアルバムを紹介します。各メンバーの下地となる音楽性を上手く取り込みアメリカンテイストを散りばめたサウンドは安定感抜群の演奏と相俟って心地よく耳に届き、個人的には日本語詩の懐かしいロックな歌詞に苦笑いをしつつも70.80年代のハードサウンドを想起させてくれ楽しめましたね。BUNNYのギターのトーンといいタッチといい素晴らしいフィーリングがあり弾くときは派手に弾きまくり聴かせる時はしっとりと艶のある音色を奏で聴き手を魅了します、また曲調に合せ強靭なリズムを叩き出す梅沢の存在がキーポイント、派手なツーバスは勿論、軽やかなタム回しと豪快なドラミングを披露し存在感を誇示しています、彼がこのサウンドの要と言い切ってしまえるほど特徴的なプレイで魅了しています、まさに変化自在とはこのことか実に面白い。そして伸びやかなハイトーンを駆使し朗々と歌いきる藤原の貢献も見逃せませんね、JUDY AND MARYのベースだった恩田も僕にとってはバリバリのロックン・ローラーなのでこのサウンドの中でノビノビとしたプレイを披露、梅沢とはJACKS'N'JOKER以来の阿吽の呼吸で引っ張ってくれる。目新しいサウンドではないし、個性不足も否めないがベテランが今の時代に叩き付けた自分らしいサウンドを支持しますね。HM/HRにトレンドは無用の長物ですから