そんな個人的な不満をぶちまけましたが、そこは嗜好の問題なのでね。許していただきたい(もったいないんじゃ) ④から⑦までスキップすれば、飛び込んでくるのはヘヴィブルースなP.A.F流『Wanted Dead Or Alive』な⑧、貫禄の熱演ぶりにバンドの本気度も伺え気分を持ちなおし最後まで聴きます。 PATA氏のルーツたる音楽性をより高い次元で披露するメンバーを従え、J-POPな要素も当然あるがロックフィールドへと果敢に挑み、やりきった一枚。セールス的には惨敗だったようですが、日本語が気にならず、所謂アメリカかぶれなロックサウンドを楽しめるマニアなら心躍る力作でしょう。X-JAPANだからと言って舐められる要素のない一枚です。
90年代に入り、PANTERAの1stは強力だという人たちに出くわした。何を言っているのかと不思議な気持ちになったのだが、直ぐに理由が判明。メジャーデビュー盤のCOWBOYS FROM HELLを1stとして売り出したんですね。 今となってはそんな感違いを起こらないでしょうが、全米を席巻したようなグルーブメタルはやっていませんので気を付けてくださいませ。
ヴォーカルの持って生き方などジョー・エリオットに似ていると言われたりと、音楽性も『On Through The Night』似ていると言われたりするのだが、あそこまでの完成度はなく、自主製作盤ならではの緩さのある若気の至りが詰まったデビュー作。他のアメリカンロック勢のような陽性な雰囲気よりも、根暗な部分もあったりと自分達の空気感を出そうと工夫しているのがポイント。 演奏も稚拙な面も目立つが、ギターヒーロー然とした技を披露するリードプレイなど面白みはある。また楽曲もバラエティに富んでおり、試行錯誤と言うよりもありったけのアイデアを全て披露したという感じなのも好感が持てますね。華やかなL.Aスタイルとは違うがメインストリームを無視していないのもテキサスならではのなのかな? とりあえずギターが凄いってのは日本のインディ系みたいですね。
Paul Di'Anno & Dennis Stratton 名義でリリースされたアルバム。オープニングからリー・ハートの曲で幕開けFASTWAYでもやっていた曲である。こんな調子で大半の楽曲が既発音源という代物。参加メンバーもニブス・カーターやポール・サムソン、ファースト・エディ・クラーク。ナイジェル・グロックラー、ニール・マーレイ、ドン・エイリー、ヴァッキングボーカルではビフ・バイフォードにドゥギー・ホワイトが参戦。もうどっかでやっているやんである。 そんなオリジナルティに欠けた作風ではあるが知らない人にとっては新鮮であろう。ポールとデニスというメイデン組の共演には、当時と話題性はまったく無いわけではなかった。グランジ/オルタナ旋風が吹き荒れヌーメタルの登場という流れの中で、生粋のメタルを渇望するマニアにとっては、一縷の望みのようなプロジェクトだったが、メロディックメタル路線であり、ポールの厳つい歌声を生かしたとは言えず、少々食い足りない作風である。またデニスも、よく考えるとメイデン時代にデニスが書いた曲ってあったかなぁ?な人なので、そう考えると妙に納得しています。 プロデューサーのリー・ハート色が強すぎるのだが、ポールとデニスの共演による化学反応もあることはあるので、ブリティッシュハードが好きなマニアには、このポップセンスにも英国を感じるであろう。ポールの歌声ではければいけない曲ではないが、イメチェンに取り組む姿勢は悪くない。 後年、デニス・ストラットンですらアイアン・メイデンの曲をカバーするツアーを行うのだから、驚きである。お二人とも節奏がなさ過ぎですよ。でもポール・ディアノの声は個性的であり、あのパワフルで押しの強いメタルヴォイスは唯一無二の存在感を示している。
元アイアン・メイデンの肩書きを持つポール・ディアノが2006年にリリースしたソロアルバム。いきなりスローナンバーで幕が開ける展開に肩透かしを喰らった気分になるのですが、このタイトルトラックのもの悲しい雰囲気がいい、これから始まる序曲としては逆にどっしりと構えたシリアスな作風で打って出たことにより期待度も上昇、その後もポール・ディアノのパンチ力のある歌声を生かした重量感のあるヘヴィメタルサウンドを轟かせ、しっかりとメロディも押さえて唄い込み肩書きの名を汚すことの無いパフォーマンスを披露、唄メロの質はともかく往年の勢いを感じさせてくれます。メリハリの効かした重量感のあるへヴィなミドルナンバーを中心に自らの持ち味を生かした懐古主義では終わらない気概を感じさせてくれる姿も立派ですね。重量感のあるギターリフと強烈なリズムプレイが一体となりパワフルな歌声が叩きつけるダイナミックなサウンドは真新しさは無いものの素直にカッコいいと思いました。またメロディアスなソロプレイでは王道を行くHM/HRのスタイルを踏襲しているのも今作の魅力の一つですね。ちなみにボーナストラックとして?、いい加減聞き飽きたわでお馴染みのメイデンカヴァーライブ“Wrathchild” ゛Phantom Of The Opera”二曲と何故かメガデスのカヴァー“Symphony Of Destruction”に挑戦しています、iTunesでもいけるので興味のある方はそちらもオススメしますね。個人的にはもう元メイデンの肩書きに頼らなくても十分に魅力のある歌声を今作で聞かせていると思うので、メイデンカヴァーは辞めたほうがいいように感じています。それにメイデンコレクター泣かせになるしね