北欧はフィンランド産のHM/HRバンドなのですがそれらしい繊細さも甘美なメロディもない武骨な王道HM/HR路線です。話題のシンガーの名前もAPE De MARTINIですよ、APEって類人猿の意味がある言葉なんですね、中々チョイスしない言葉を持ってきた自分をよく知る男前なシンガーのセンスに好感を持ちました。それならばこの豪快なサウンドへの説明がつくものです。唸り声を上げているのか?で始まる①のパワフルさが今作の路線を強烈に示しています、SPEEDY FOXとSPOOKY WOLFFなるツインギターの時折ハモるフレーズにオッと思わされますね、そんなことはどうでもよい位の豪快さと勢いを感じさせてくれます。若干の練りこみ不足な楽曲にB級感を拭い去れませんが1984年当時としては個性的なスタイかと思います、いい意味での粗暴さと整合感にお国柄を感じますがいかがなものでしょうか?最近二年前の秋から進まぬ荷解きされていないダンボールの中から見つけたCDでしたが、復活の情報を見て改めて聞き返し、こんなCD持っていたんだという驚きと記憶力の低下、そして若い頃の稚拙な感性が見出せなかったんだと反省しています。透明感溢れる繊細さが北欧ブランドと思っていましたが、いやいや今作も悪くないですよ。普遍の正統派HM/HRマニアなら聞いて損はしないでしょう
オシャレロックを牽引するキャラの立ちまくった男とオジー。正直、最近までNO MORE TEARS以降の作品をまともに聴いたことがない、これも定額制サービスなど、新しい音楽の楽しみ方の賜物なのだが、彼の特異なキャラを存分に生かし時代と真っ向から対峙している。 オジーが格式高いメタルサウンドをやっていたのは昔の話、彼のキャリアからすれば、オシャレヘヴィロック時代の方が長いわけだから、どのような路線になろうとも驚きはない。ここには、新進気鋭のプロデューサーと新しい事に挑んでいる。過去の遺物を引きずるだけではない、現在進行形の創造主としてオジーは君臨しているのだろう。 個人的には、どこを聴けばよいのだと思うが、はっきり言って今のオジーに対してはキャラのたったオジサン、ある意味きゃりーぱみゅぱみゅと変わらない存在になっています。それくらい現在のオジーを知りません。音楽にも触れていません。もっと突っ込んでいえばSpotifyなどで知る新譜のメタルバンドの95%は知りません。20年は雑誌を読んでいないので、時代遅れも甚だしい、浦島太郎オジサンなので、こういう音は本当に別の世界の話なのです。そんなタイムトラベラーオジサンとしては、オジーのキャリアも隠し味に、当時の音で勝負しているのが分かります。
SAXONのオリジナルメンバーだったグラハム・オリバーとスティーブ・ドーソンがSAXON名義でLIVEを行うなど、ポール・ディアノみたいな姑息な感じが漂い、どこか判然としないもどかしさが真摯に向き合う気持ちを削ぎ手が伸びなかったのですが、聴いてみたら意外とSAXONしていないオリジナルティを感じ歌詞などはバイカー向けなんでしょうが2000年以降の正統派HM/HRサウンドが聴け驚いたものです。過去の栄光に頼らないと言ってもビフいないからね。そうもいかないでしょうがガッツ溢れるパワフルさとSAXON由来のノリも感じられ重量感のある今作を興味深く楽しみました。バンド名にSAXONをゴリ押ししてくるとギターリフでグイグイと引っ張っていく曲や哀愁と疾走感を期待しますが、そこを控えめだがタイトでヘヴィな今風の音で纏め上げ古臭さを感じさせず往年の空気を纏っているのはベテランならではの老獪なテクニックを駆使した曲作りの賜物でしょう、派手なソロも炸裂するHell in Helsinkiなんかはパワーメタル路線のSAXONにも通ずる魅力もあり、彼らもSAXONの歴史を語る上では外せないメンバーなんだと認識させられますね。どこかバッタもん感は拭えないでしょうし、比較もあるでしょうが、SAXONの名前に偏り過ぎないオリジナリティが溢れており普通に楽しめますよ。
バンドの名義で揉めた経緯がワイドショー的で、どうにも素直になれないバンドなのだが、雑誌大パクリ自称サクソンファンでもない限り、このバンドのスタートはSon of a Bitchであり、オリジナルのラインナップはグラハム・オリバーとスティーブ・ドーソンの二人だというのはファンの間では有名な話。その辺を詳細に語るメディアがあるのかワタクシは知る由もないのだが、一応は二人が最初期のメンバーだ。だから俺達がSAXONだというのは少々やり過ぎだと感じるのは否めない、そして何故かビフ・バイフォード=SAXONという偏った思想があるらしく、その誤った感覚がこのバンドを非難の対象に導いているのは残念である。オリジナルの二人は尊重されるべきだが、どうしてSAXONとなりバンドのイニシアチブは誰が握っていたのか気になる。 もし樋口宗孝がラウドネスを脱退して二井原実先輩とSLYを結成した。そして高崎晃率いるラウドネスは仏陀メタルになり様相が変わりすぎた。樋口のSLYの方がメタルらしいが、確実にラウドネスと名乗る事は許されなかったろう。彼がラウドネスのリーダーだとしてもバンドの顔は高崎晃だからだ。そういう意味でSAXONはビフ・バイフォードの物と考えるのが妥当だろう。
⑤はSon of a Bitchの曲、あとはクラシックSAXONである。声を歪ませ力強く歌い込むジョン・ワード。ビフと同じで音域は狭いがライブでも力負けしないパワフルな歌声を披露。リリース当時に流れていたネガティブな思想を払拭するパフォーマンスを披露している。 なによりリードギターがやはりグラハム・オリバーだというのが、ホンモノの音を感じさせてくれる。あのソロはグラハムだったよな、そういう当たり前の事が繰り出されているので違和感はない。
分裂したSAXON、SAXONと名乗る前のバンド名Son of a Bitchを使用してグラハム・オリバーとスティーブ・ドーソンは活動していた。なんだかんだ揉めた挙句、このクレジットに落ち着きリリースされたライブアルバム。 シンガーにジョン・ワードを、ドラマーは懐かしいナイジェル・ダーラムとシンガー以外はSon of a Bitchという構成。半数以上の曲がSAXONということもありバッタもん感も漂いますが、半分はSAXONであり、ギターのハイドン・コンウェイも同じNWOBHMファイターときていますからね、昨今のパワーメタル化したサクソンよりも、昔の雰囲気が出ており全体の流れは悪くない。 ロニー・アトキンス風のハスキーなパワーヴォイスもハマり、本家とは、また違った味わいがあり、これはこれでありと思わせる熱の籠ったライブ盤である。 とはいいつつも元の揉めた経緯などを考えると、微妙ではあるのだが、バイカーズSAXONが聴きたいならコチラの方がらしいかもしれません。 妙な先入観を捨て、半分SAXONによるらしいプレイを楽しんでもらいたい。
スウェーデン産のメタルバンドのコンピ作。デモ音源をひとまとめにしたモノですが、流石はCult Metal Classics Records、マニアのハートを鷲づかみますよね。初期の頃はオジーサバスやディオサバスの影響を受けたサウンドを展開、シケシケの枯専英国テイストを導入した北欧風味のあるサウンドは、あるようでないスタイル。時にはフォーキーなメロディまで飛び出し勇ましく闊歩するヘヴィメタルスタイルまで見せつけ、自分たちのルーツと時代に合わせ音楽性が進化する様を見せつけています。