2013年にMICHAEL SCHENKER'S TEMPLE OF ROCK名義でリリースされた一枚。Voドゥギーホワイトにスコーピオンズのリズム隊、ハーマンとフランシスにkeyはフィンドレ(LIVEでは大活躍ですの彼です)と言うメンツがマイケルをバックアップ、前任のマイケル・ヴォスの甘美なメロディ路線とは毛色の違う濃厚な楽曲を詰め込んだアルバムを披露してくれました。ある意味、ドゥギー色の強い様式美路線を意識したアプローチも取られマイケルの扇情的なギタープレイも冴え渡り、泣きのフレーズも導入されております。とは言え、マイケルがこういうアプローチを試みるとは思ってもみず、少々不思議な気持ちにさせられます。ドゥギー色を生かした楽曲にMSGとはまた違う濃厚さが今作の評価の分かれ目でしょう。往年の空気とは違うマイケルの艶やかなギターはマンネリ傾向と言われようとも色あせる事はありませんね。やはり上手いし独特のタイム感は彼ならではの味わいですね。
WHITE LIONのヴォーカリスト、マイク・トランプのソロアルバム第一弾。1997年にリリースされた作品ですね。Freak of NatureよりはWHITE LIONに近い作風になっており、乾いたアメリカンロック風の楽曲はどこかメロウな響きがあり、ヴィトと培った音楽性の芽吹きを思い出させるような、あの独特の風合いを感じ取る事が出来ます。 ある意味、円熟味を増した歌声は親しみやすさがあり、かつては元はアイドルグラムロック出身だった事をチョイと思い出させたりする瞬間がなきにしもあらずな彼だったが、ここでは、そういう馬脚を現す瞬間を押さえ自分のカラーに完全に持って行っている。彼もまたWHITE LIONの強烈なブレインであり、相棒だったんだということを再認識させるパフォーマンスを味わえます。 上手い下手では表現できないマイクの歌声、その個性無しが個性的に映るのも彼の魅力の一つ、究極のヘタウマシンガーである。ジェリー・ベストにケニー・コリードと言った仲間がバックアップしていたのも充実感に繋がったのでしょう。
再始動の機運となったドイツで行われるメタルフェスKeep It Trueへの参加が鼓動となり、新たなる道を歩み出した古豪の復活。実力はあったが時代の波に呑まれ、バンド名や音楽性を変えた時代もあったが、それらを糧に、正当性の強いメタルサウンドで復活。 前作に感じた、先人達からの露骨なデジャブ感を抑え、より明確なスタンスで音楽性を煮詰め、自分たちの流儀を見いだした今作。