ドッケン時代の曲とリンチモブの1stの曲をカヴァーした一枚。原曲にあった華やかさを全て削ぎ落したモダンヘヴィネスヴァージョンに全編仕上げており、その方面が苦手な人にとっては悪夢を辿る問題作。少なくともカミソリギターと言われた攻撃的なギターでありつつも印象的なフレーズを奏でる分かりやすい事は一切行わず、所謂。時代性を完全に飲み込み寄せにいったと言う事ですね。彼のルーツにはないグランジスタイルやモダンヘヴィネスギターは多くのジョージファンにとって、またドッケンファンやリンチモブファンにとっても誰一人得をしていない残念なアレンジにとなっており、言葉を失いますが(Paris Is Burningは大胆なアレンジを施していますがメタルギタリストとして往年の空気を感じる事が出来ました)セルフリメイクですからね、昔の名前で出ていますなギターでは意味は無いし新たなる解釈を持ち込んだジョージのやる気は素晴らしいですね。ドッケンのアルバム『Shadowlife』の流れを引き継いだような音楽性が好きな人にはおススメです。
M-16にアルバムタイトルが「Locked And Loaded」とくれば相当、物騒なサウンドを予測し身構えるものですが、①からAOR風のメロディックなナンバーの登場に肩透かしを食らった気分になります、その路線を崩さない②、バラード③と進みバンドの方向性も見え、馴染んでくればメロディ派なら楽しんでもらえる事うけあいです。要所を締めるツインギターの哀メロを引き立てるアレンジも上々に、④のようなエモーショナルな作風はある意味バンドの真骨頂として響き、ライトなポップ路線との対比に一役も二役もかい、ハードなリフも新鮮な疾走ナンバー⑤のシャープさはまさにUS産ならではのドライな切れ味。洗練された癖の無いメロディはNY出身ならではとも言え、個性不足な歌声と抑え気味の演奏に、やや無難すぎる面はあるが、一頃の正統的なUS産HM/HRバンドの系譜を辿るスタイルは大いに好感が持てますね。KING KOBRAやKEELあたりが好みの方には結構ハマる音かと思います。硬派よりのアメリカンロックサウンドがイケる方にも薦めれますね。