期待の内容は、デモ音源の製品化と言う期待通りとは言い難い内容だった。特にラフミックスの音源を、そのまま製品化してしまい、権利の関係などあり勝手にマスタリング出来なかったのだろう。それにしても惜しい内容だ。マーク・ボールズが5曲も歌入れしている、艶のある伸びやかな歌声と、メロディアスなサウンドの相性は抜群の相乗効果を生み出し、デモ音源でも、ずば抜けたパフォーマンス力を発揮。改めて素晴らしいシンガーだということを確認出来ます。 全10曲中、インストは2曲。歌入り8曲の内容通りバンド形式のサウンドになっているので、マークの歌声を存分に楽しめます。ラストはKISSのRock 'n Roll All Nightをギルビー・クラークが歌っていますが、このあたりのお遊び感が、アルバムのクオリティを下げており、未発表のデモ集感がエグい。そんな中で④⑤は日本人シンガーが担当。④はSex MachinegunsのAnchangが担当。そして⑤はAsukaという女性シンガーが歌うのですが、彼女は完全に足を引っ張っています。 その為マーク・ボールズの歌を楽しむような作風に落ち着いているが、デモ音源なんで大目に見て欲しいと思いますね。 個人的にはKUNI復活を喚起させるような、惜しい内容に終始したデモ集。本気のTake Off the Masqueをみたいものです。
The Missing Peaceの出来が素晴らしく、購入当時プチL.A GUNSブームが到来。その中で数作品手にしたのですが、今作は勢いに満ち溢れたL.A GUNSサウンドが復活。特に前作のTales From The Stripを聴いた後なので余計にそう思いましたね。 ワイルドで快活なハードナンバーの中にある退廃的なムードを醸し出すメロウさ、過去の焼き回しではない今のスタイルを伝える、現役感溢れるサウンドのもつ説得力はハンパなかった。 弾け出す疾走ナンバーは勿論、毒気をまき散らすミドルナンバーに、官能的なトーンで酔わせるバラードまで、猥雑なL.A風ロックの復活に驚きましたね。 かつてのような浮ついた雰囲気はなく、どこか落ち着きを払っているのも今作の魅力でしょう。雰囲気モノ歌だけに、バックの演奏はしっかりしていた方がイイ。その意味でのフィルの新たなる相棒、ステイシーは素晴らしい仕事をしている。 大人の事情で分裂していたL.A GUNS。今は再合流していますが、このアルバムも素晴らしいミュージシャンシップによるマジックが存在する名盤でしょう。聴き応えのあるバットボーイズロックやったでぇ。
PRETTY BOY FLOYDで驚いていたら、こちらもFrontiersから最新作をリリースしていたんですね。しかも久しぶりに、フィル・ルイスとトレイシー・ガンズが揃い踏みでしょう。浮かれたレコード会社じゃないしファンじゃなくとも期待値が高まりますよね。DP風味も取り込んだタイトル通りのスピーディーな②のワイルドでエキサイティングなハードロックサウンドに悶絶。と驚きましたよね。へヴィなリフワークが耳を惹く③、クールなアイデアが詰まった陰鬱なロックナンバーの④と前半からフックに富んだ楽曲が目白押し、クセは強いがエモーショナルでセクシーなフィル・ルイスの歌声は健在、そこに絡むワイルドかつ華やかなトレイシーのギターは全盛期のそれを超えているとも言える充実のプレイで魅了。L.A.GUNSの完全復活を告げる内容を誇っているでしょう。 ⑤のようなセンチメンタルなバラードも、このバンドならではの旨味が満載、ご機嫌な⑥もあるしね。個人的には⑨のような退廃的な美意識に包まれたエモーショナルなナンバーが大好物ですね。このバンドのイメージにもピッタリだし。ノリのよいワイルドな⑩もあるし、最後までテンションが下がることなく駆け抜ける、緩急を効かせた一枚に死角は見当たりません。まさに今が全盛期と言える内容でしょう。ベテランバンドの気合いの入りように、少々、昔の名前で出てるいんじゃないのぉ、たかをくくっていた自分を恥じますよ。ゴメンネL.A.GUNSである。
知る人ぞ知るAORの名盤とマニア筋から愛されるシンガーのラ・マルカのソロアルバム。オリジナルは1985年、2022年にボートラ入で再発されました。こちらには詳しくないので詳細はサッパリですが、お騒がせ男に成り下がった若い頃のチャーリー・シーンが主演したB級映画『処刑ライダー』に採用されたHold on Blue Eyesを歌った人という情報が頭にあったので辿りつく事が出来ました。 マイナー系だと思うのですが、今月のリスナーが300人を超えているので、マニアは世界中にいるんだな(あれは国内のみの集計か?)と嬉しくなりますね。実際に一桁のアーティストもいますからねぇ。
女性がフロントマンを飾るドイツ出身のメロディアスHM/HRバンドの1stで1990年リリースです。 ハスキーな力強い男勝りなパワフルな歌声とロック然とした力強い楽曲が魅力、アメリカンで乾いたサウンドとドイツ産ならではのタイトなリズムプレイがビッシと脇を固め主役であるゴドラン・ラオス嬢を盛り立てていますね。ハスキーな歌声を生かした爽快感溢れるハードポップナンバーの数々は一服の清涼剤として心に活力を与えてくれますね、適度にハードで適度にポップな色合いは先輩女性シンガー達の切り開いた道を歩み安定感すら感じさせてくれます。泥臭さと洗練度が実に心地よいですね。メジャー級な極上ハードポップサウンドをお探しに方は是非ともご賞味くださいませ。僕のもっているのは後にボストンのMORE THAN A FEELINGのカヴァーを含む14曲入りの再発盤です。