インギータイプのネオクラギタリストとしては国内最高峰に位置する男として国内外のマニアからも支持されるケリー・サイモン2015年リリースのアルバム。最近はネオクラものをほとんど聴く機会も無く、最近の活動を知らないのですがギターの講師や教則本のリリースなどでも高い支持を受けギタリストにとっては大いに興味を惹かれる存在としても注目を集めているようですね。以前のように一人で作り上げるのではなく専任のリズム隊もいるし、ゲストメインボーカルとして元ガルネリウスのYAMA-Bを迎え、所謂、王道ド真ん中のTHEネオクラHM/HRサウンドを披露、卓越された技術とメロディセンスを遺憾なく発揮しており、サビでパッと視界が広がり飛翔する、ある種のカタルシスの開放、それらはその筋のサウンドが好みの方にはバチコーンと心に響くものがあるでしょうね。個人的にはバタ臭いYAMA-Bの唄が苦手なので、ケリー・サイモンがリードを取るネオクラ過ぎないハードなI Am Your Judgement Dayや強烈なインストプレイを堪能できるTales Of The Viking、Attack By Zero、岡垣正志が客演している血液型パープルなNobody Is The Same、ラストを飾る感動的なバラードStay With Me Foreverが印象的ですが、それ以外のナンバーもネオクラ様式美サウンドとしての出来は素晴らしく、彼独特のタイム感から生み出される間と繊細なタッチから繰り出される絹の如き滑らかなフレーズの美しさと、ハードなタッチから繰り出される芯の強いメタリックなプレイの数々にマニアならずとも興味を惹かれるのではないでしょうか。
HEEPの全盛期とも言えるDEMONS AND WIZARDSとTHE MAGICIAN'S BIRTHDAYという名盤を制作していた合い間にソロアルバムをレコーディングしていたケン・ヘンズレー、溢れ出る創作意欲の賜物なのか、それとも別行動をしたかったのか、とにかくここで聴けるサウンドは、HEEPに採用されるようなエレガントな英国ロックが収録。フォーキーでブルージーな要素も強いが、アレンジ一つで、バンド採用されてもおかしくない楽曲を楽しめます。
収録曲 1. Losing You (Joe Lynn Turner cover) 2. Can't Turn It Off (Michael Bolton cover) 3. Arms Of A Stranger (Signal cover) 4. More Than Meets The Eye (Europe cover)
上記4曲を収録したEPを9月にリリースしたケント・ヒッリ。バンド活動のみならず、ソロのキャリアも精力的に築き上げてきていますね。それにしてもジョー・リン・ターナーのカヴァーから幕が開けるのは渋い。シグナルをやったのも渋い、そしてヨーロッパはOUT OF THISからのシングルカットされたキャッチーでマイルドになったが北欧の風を吹かせまくったあの曲をカヴァーと、彼の瑞々しいハイトーンヴォイスを駆使し、見事にやりきっています。自分の持ち歌のように歌い切る姿の頼もしさもあり、どの楽曲も令和3年に新たなる息吹を与えられ蘇りましたね。 選曲はけしてベタではない、しかしツボは突いてくるというセンスにメロディ派のマニアならニンマリさせられるでしょう。上手い歌と良い楽曲が聴きたいというマニアにはもってこいのEPです。彼のメロディに対する拘りが心に浸透していきますよね。マニアを唸らせる選曲だよなぁ。シグナル忘れていた。