パンキッシュなスピード感がたまらなくカッコいいNWOBHMバンドの1st。①の切れっぷりの凄味は相当なもので、走る走る走るとスピードメタルマニアならずとも身を乗り出さずにはいられないテンションの高さにグイグイと引き寄せられます。有無を言わさずに三連発のスピードメタルを叩きつけてくれるツカミもOK。④はシフトチェンジと言わんばかりにバラードを聞かせ、あんに走るだけではない姿勢を感じさせNWOBHM特有の荒々しさとの対比ともなっている。シンガーの歌い回しや楽曲構成などを聴けばTYGERS OF PAN TANGあたりと比較されても遜色のないクオリティを誇示し迷うことなくNWOBHMの代表的一枚といっても過言ではない力作です。荒々しさとスピード感、煮え切らない憂いを帯びたメロディとこの時代ならではの空気を思いっきり感じさせてくれるのも個人的には「たまらんぜぇ」なんですねぇ。バンド名ジャガーにアルバムタイトルがパワーゲーム、そのイメージを損なうことのないアグレッシブな世界観を是非とも堪能して欲しいですね。
元HOUSE OF LORDSのVoジェイムス・クリスチャンが1994年ZEROコーポレーションからリリースした1stソロアルバム。彼の骨太で艶のあるハスーキーな歌声をじっくりと聴かせてくれる叙情的なAORの好盤です。躍動感のあるロックなナンバーから渋いブルージーなナンバーとアメリカンな色彩の強い楽曲が収録され、歌モノが好きな方なら是非聴いてもらいたいですね。彼が歌うバラードタイプの楽曲は特にいいねぇ
TERRA ROSA DEAD ENDなどで活躍した天才ギタリスト、足立祐二がかつて在籍していたバンド。 1985年にリリースした第2弾のデモ音源『LE DERNIER SLOW』がボートラ込みで2019年の3月に待望のCD化。 よもやこんな日が訪れるとはね。SABRABELLSの復活もあったしCROWLEYにELIZAだし、梶山章も昔の曲をリメイクしたし、足立のこれでしょう。何が起こるか分からんねぇ。次はWOLFに期待だな。
ジョン・ボン・ジョヴィのいとこだったかな?BON JOVIに所縁のある女性シンガーの1stソロ。甘く切ない哀愁のハードポップサウンドと彼女の甘酸っぱい歌声との相性も良く個性不足感は否めないが初期BON JOVI路線を引き継ぐ音楽性は聴き応え十分。オープニングは散々擦り倒された名曲『Somebody To Love』を元気いっぱいもう一杯にカヴァー、ボトムの効いた②の『Jealousy』、③は仄かな哀愁が漂う甘めのハードポップナンバー『Maryanne』④はビックバラード『Keep The Light Burning』、キーボードを前面に出した⑤『Emergency』哀メロも耳に残りますがサビで明るく弾けます。とバラエティに富んだ楽曲が続くのですが、この辺りで彼女の画一的な歌い回しが気になり、また威光を借りた印象は受けるのがマイナスに働いたのでしょうが、彼女の作品は今作限りで終了。つまらん類似性を取り上げ埋もれさせるのが惜しいと思わせる一枚です。 また歌唱力も経験を積めば確実に表現力も増すもので、当時として確実にあった女人禁制なロックの世界では厳しいのかね。個人的には前半よりも後半の流れの方が好みで、ジョンの歌声も聞こえてきそうな哀メロハードポップナンバー⑥『Two Sides Of Love』、センチメンタルなメロディが耳を惹く⑦の『A Flower Can't Grow In A Shadow』ハードでワイルドな魅力を発散する⑧の『Dangerous』哀メロ具合が丁度よい、キュンキュンとさせられるね。⑨の『Freeze This Moment』などアメリカンな湿っているけど濡れていない、お得意の王道バラードですよ。ラストの⑩もジョンの声が聞こえてきそうですね。ワタクシはBON JOVIと言えば1stが一番好きなたちなので、この甘く切ないハードポップサウンドは大好物なのですが、最近はサッパリ見かけなくなったなぁ。爽やかで親しみやすいメロウな旋律、そこに弾ける微炭酸なポップフィーリングも加味された、煌びやかな叙情派ハードサウンドに癒されますね。
衝撃的なヴィジュアルを公開してファンを驚かせたジョー。最近名前を聴かなくなりましたが、こうして健在な歌声を披露しています。衰えがないと言えば嘘ですが、ジョー節とも言えるメロウな歌メロを軸にダークでシリアスなメロディックメタルを展開、北欧系アーティストの協力の下、古くさいDP、RAINBOW臭にすがるだけでない、現代的な奥深いサウンドテクノロジーを駆使したタフなスタイルへと挑んでいる。どこかコンセプト色のあるスタイルは、人種問題、コロナ騒動等々の社会に暗い影を落とす現代社会が抱える問題点への警鐘を鳴らすかの如く、暗雲立ちこめるダークサウンドに挑んでいる。 コーラスワークも今までのジョーにはないイメージ、今っぽいリズムアレンジとキーボードの使い方も含め、定番を守りつつも新たなるフィールドへ挑んだという印象と強く与えているのだが、ペーター・テググレンと共闘しながら、元○○の殻を破ったという事でしょう。 広瀬編集長の溺愛のおかげで、日本においてBIG IN JAPANを謳歌、鞄一つで何処にでも唄いに行くフレキシブルさも手伝い、マイナーアーティストとの共演も多いジョー、そういう姿勢はけして無駄では無い。彼の歌声はあらゆる場面で多くの人々の心に残してきた。今作に伴うツアーでも、昔の名前で出ていますな曲もやるのだろうが、そろそろ元○○の看板を下ろして頑張って欲しい。今作でも、それっぽいのやっているんだからさ。