相変わらずの正確無比なメカニカルな高速サウンドを堪能できるアナイアレイターらしいアルバム。多彩な曲調を用意されていますが、このバンドらしい流儀は貫かれておりデイヴ・パッデン加入以降の柔軟さが今作でも存分に発揮されております。2013年版『Set the World on Fire』と勝手に思って聴いているのですが、鬼才ジェフ・ウォーターズがお気に入りのメンバーを集め、自身のアイデアを存分に生かした楽曲群を生みだせば安定のブランド力を損なうはずもなく、ハッとさせるような美しいメロディと親しみやすさが融合、そこに技術力の高いタイトでソリッドな演奏力が加わり、自身が培ったメタルサウンドが乗っかるのだから、マニアにはたまらんモノがあるでしょう。切れ味鋭いリフワーク、扇情的なリードプレイ、エモーショナルなギターと背反するメカニカルなアナイアレイターサウンドが放つ有機的な響きにグッと引き寄せられましたね。
イベント絡みのCDシングル、解散時に発売された音源をそろえてレコード会社に抽選の葉書を送り手に入れた記憶があります。 既発音源のリミックスバージョンでオリジナルはFALCOM SPECIAL BOX90なるゲームミュージックのサントラ盤だとか。ゲームミュージックと言うことで音はショボイしギターは聞こえてこないなのですが非常にアグレッシブでありながらもメロディアスな疾走ナンバーでアンセムの名に恥じない佳曲となっています。メンバーはVo森川、G福田博也、Dr大内の黄金のラインナップです。
本日解禁となったアンセムの最新作。先行公開された2曲から漂っていた定番感、昨今のメロディックアンセム路線を継承する2曲がオープニングを飾ることとなる。アルバム全体を支配するのは現代的なフィルターを通した古典メタル、良く言えば何をやってもアンセム、しかし見方を変えればマンネリ化から抜け出せていないという事になる。 どちらに聞こえるかで評価も分かれるだろうが、いずれにしろアンセムはアンセムであることに変わりは無かった。 何の予備知識が無いので驚いたのだが10曲目のMystic EchoesがWayfaring Manのセルフリメイクだったこと、6年ぶりのアルバムなのにセルフリメイクやるの?となったがアルバムの流れ的に違和感はないが、ボートラなのかな?なんて思ったりもするのだが?詳細は不明だ。そしてDanger FlightもOn and Onのセルフリメイクである。
私はアンセムが大好きである。彼らがいなければメタルを聴くのを止めたかも知れないと思うほど、私の人生の中心にいるバンドである。LOUDNESSを聴いた時の電撃ショック、EARTHSHAKERのMOREに痺れた青春時代、周りの連中からはジャパメタなんて止めておけと言われアンセムに出会うのは少し遅かった。既に坂本英三の脱退劇のあと位にBOUND TO BREAKを聴き、俺の求めていたメタルはこれだと思った。メイデンのカッコ良さにのめり込み、ジョージ・リンチのカミソリギターに首ったけ、スラッシュメタルはメタル人生の芽吹き、VOWWOWのドラマにビビりまくり、リッチー・ブラックモアは師匠である。 ジミー・ペイジやブライアン・メイからの影響は少なく、シェンカーよりはランディ派だった、アンセムの出会いは偏見との決別でもあった。人生観を変えられたと言えば大袈裟に聞こえるが、過言ではないバンドである。