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失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 4601-4700

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失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 4601-4700
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HELLEN - Talon of King - Liar ★★★ (2008-05-07 04:11:30)

一代叙情詩がドラマティックに展開する様式美ナンバー
扇情的な清水のギターが泣けます


HELLEN - Talon of King - One Night Carnival ★★ (2008-05-07 04:05:01)

哀愁のあるフレーズとキャッチャーなメロディが適度な疾走感を伴い展開するジャパニーズHM/HR様式美ナンバー
スリリングなインストパートもあり聴き所が多い


HELLEN - Talon of King - Talon of King ★★★ (2008-05-07 04:01:17)

お約束な展開といい日本人好みの様式美ナンバー
アルバムのオープニングを飾る名曲です
ギターソロにキーボードソロもあり大袈裟なアレンジが見事に昇華しています。


HELLEN - Talon of King - 愛の炎(FIRE OF LOVE) ★★★ (2008-05-07 04:15:50)

ヘヴィなギターリフが耳を惹く哀メロが華麗に舞う様式美ナンバー ここまで聴いたら味のあるVoにも好感が持てます
これでいいと思えてくる。アレンジセンスも含めて素晴らしい曲ですね。日本人ならグッとくるでしょう


HELLEN - The Fortune / Liar ★★★ (2016-09-19 14:17:27)

関東を代表する様式美系HM/HRバンドのヘレンが2005年に突如復活、国内外に向けてリリースされたのが今作(今のところアナログ盤のみのリリース)。Keyの高梨はいませんが、往年のメンバーが復活、シンガーには初代Voであり、ブリザードの前身バンドエンジェルキッスやロンサムクロウで歌っていた市村タカアキを迎え、まさに往年のヘレン節が完全復活。新曲とリメイクの2曲だけに全貌は見えてきませんが、新曲の『The Fortune』を聴く限りは相当の手応えを感じますね。キーボードがいない分、清水のギターが躍進、音質は薄っぺらいが芯の太い演奏はベテランバンドならではの安定感と迫力を感じさせ、2曲では物足りないという渇望感を煽ります。そして翌年の2006年にレコード盤の板起こしではありますが、幻のEP『Talon of King』がCD化される事になるのですが、今作はその足掛かりにもなったと思うので意義のある一枚だったと思っていますよ。


HELLEN - The Fortune / Liar - The Fortune ★★★ (2016-09-19 14:18:42)

市村の日本人的な歌唱スタイルに評価も分かれそうですが
丁寧な作りは日本人らしいキメの細かい仕事ぶり
関東を代表する様式美系バンドの看板に泥を塗りませんでしたね
清水のギターはやはり上手い


HELLHOUND - Let Metal Rule the World ★★★ (2018-12-12 15:41:40)

海外での評価も彼らにとっては活動への意欲につながったのか、コンスタントに作品をリリース。今回も徹頭徹尾メタル愛に溢れたサウンドを披露している。多少音楽性の幅を広げている感はあるが、EDMのリズムを取り込んだわけでもない、永遠のメタルキッズにとっては一聴して身体に馴染む、あの王道路線をひたすら貫いている。
2014年にはへヴィメタルの聖地、ヴァッケンのステージに立ち、たった4曲の演奏だったのに観客を歓喜の渦に巻き込み、アンコールの声を上げさせたのは有名な話である。名前で音楽の良しあしが決まらない審美眼のある、メタルマニアなら必ずや満足してもらえるサウンドがここにあるだろう。へヴィメタルの名のもとに、剛直に繰り広げられる一代メタル馬鹿サウンドに、恋い焦がれますね。とは言いつつも、類型的なスタイルですから、飽きのサイクルは早いんだけどね。


HELLHOUND - Let Metal Rule the World - Let Metal Rule the World ★★★ (2019-01-16 13:17:28)

ACCEPTばりの雄々しいミドルナンバー
メタルだねぇの一言に尽きる


HELLHOUND - Let Metal Rule the World - Mr. Heavy Metal ★★★ (2018-12-12 15:44:17)

リフにリズムとドが付くへヴィメタルサウンドだ
類型的なスタイルだが一歩間違えるとパロディになる
その難業をカッコ良く聴かせるセンスが素晴らしい
誰でも出来そうなスタイルだが実は一番難しい
そしてベタを極めないと
奇をてらった事も上手く出来ないんですけどね


HELLHOUND - Metal Fire From Hell ★★★ (2018-12-10 15:44:36)

わが国が世界に誇れる地獄のメタル番犬、HELLHOUNDの2nd。デビュー作から世界中にいる流行り廃りに左右されないダイハードなメタルファンから熱烈な支持を受けていた彼ら、今作を引っ提げ海外のフェスにも参戦、ドイツで行われたKeep It True XI Festivalの熱演はライブアルバムとしてパッケージされている。
へヴィメタルのなんたるかを濃厚に抽出したサウンドは、一歩間違えればパロディだ。皆が名前を伏せているから余計に、その要素も強まる、大手メディアも相手にしてくれない。しかし、ここで聴けるサウンドは嘘偽りが一切ないガチンコのメタルであり、徹頭徹尾先人達が作り上げた様式に則り、自分達のスタイルとして提示してくれている。
へヴィメタルという言葉に恋い焦がれ、人生を生み外した猛者なら(アホみたいに作品を買ったりライブに行かなければ家が一軒立つってヤツです)必ずや胸に響くでしょうね。
ノスタルジーでは終わらない言い訳無用のガチンコサウンド、豪快に踏みならされるドラムの激しさ、重厚なラインを刻むベース、切り立ったメタルリフのカッコよさ、そしてハイトーンスクリームする歪んだ歌声、初期衝動を擽りまくるへヴィメタルサウンドに胸が熱くなりますね。
若い人にこそ、普遍的メタルの魅力を体感して欲しい。海外のアーティストではなく日本にもいるのだから。


HELLHOUND - Metal Fire From Hell - Change the World ★★★ (2019-01-16 13:43:10)

キャッチーやで
耳に残るメロディ
それでもってのド直球のメタルサウンド
青春ですなぁ
涙は心の汗ですなぁ
そんなメタルですよ~


HELLHOUND - Metal Fire From Hell - Metal Fire From Hell ★★★ (2018-06-23 17:59:55)

ドが付くほどコテコテのメタルソング
このスタンスが彼らの信条だった
世界でも名の知れた国産メタルバンド
そりゃルックスも良くないし垢ぬけてないし
コテコテだけど
これを聴かずして何を聴く


HELLHOUND - Metal Fire From Hell - Metal Psycho ★★★ (2019-01-16 13:45:42)

スラッシーなリフワークもカッコいいです
メタル最高だしメタル再興でもある
火の吹くような派手さとスクリーミングシャウトは正にクロスファイヤーな破壊力だ


HELLHOUND - Metal Fire From Hell - Warriors of Rising Sun ★★★ (2019-01-16 13:38:16)

コッテコテである
むせ返るような女人禁制男性寮メタルである
その勇ましい男臭さに燃えますね
特別な事などないドが付くメタル道に敬礼あるのみ


HELLHOUND - Tokyo Flying V Massacre ★★★ (2018-12-03 12:15:26)

元はカナダのEXCITERのトリビュートバンドが出発点なんだとか、自らが愛してやまないへヴィメタルサウンドに対して何一つ気負うことなく実直に表現した音楽性。先人達が提示してくれたアイデアを徹底的に金床で打ち付け製錬された音楽に嘘偽りなどなし、それは混じりっ気なしメタルバカサウンドに胸が熱くなります。時代は2006年、彼らには先見の目があった。世界的にごく一般のメタルサウンドが見直された時期に、タイミングよくリリースしたが為に海外で人気を博すことに、ネットの普及もあり瞬く間に世界中のコアなファンに支持されることになるとは驚きですね。
メンバーの名前を見れば分かると思いますが、名のあるミュージシャンによる覆面バンドみたいなもんですからね。想像もしない反響だったと思いますよ。

へヴィメタルをこよなく愛するメタル馬鹿軍団が追求したへヴィメタル博覧会。これが俺たちだと言える音楽性を持っているバンドは強い。流行りものに乗っかるなら乗り続けるしかない。風俗や文化を反映するのは当然だが、それはシーンや音楽業界全体の流れ、バンド自らが宗旨替えしたら終わりでしょうよ。このパワー漲るエキサイトメントこそへヴィメタル最大の旨味だ。


HELLHOUND - Tokyo Flying V Massacre - Metal Warrior ★★★ (2019-01-16 13:13:52)

WACKENの雄姿も目に浮かびますね
メタル馬鹿一代な男達による至極のメタルサウンド
一歩間違えばパロディになるのだがギリギリのカッコよさ
そのやりきりぶりに目頭が熱くなりますね
海外のメタルキッズをブッ飛ばした彼らを代表する一曲でしょう


HELLHOUND - Tokyo Flying V Massacre - Samurai Warrior ★★★ (2019-01-16 13:34:09)

これぞ日本のメタルか
勇壮なメロディが駆け抜ける大和魂ロック


HELLION - Hellion ★★★ (2020-09-30 19:38:42)

女性版ロニー・ジェイムス・ディオなどと呼ばれ正統派マニアから支持された女性シンガー、アン・ボイレン率いるバンドのデビューEP。オリジナルは4曲入りだが、イギリスのMusic for Nationsと契約の際には2曲追加して6曲入りとなり世に出ている。わたし自身が知っているのも6曲入りで、所持しているのはRoadrunnerから出た奴。ちなみに1986年に再発されたNew Renaissanceヴァージョンは曲目が違うので注意が必要です。
下記収録曲
Side A
1.Break the Spell
2.Don't Take No
3.Backstabber
Side B
4.Lookin' for a Good Time
5.Driving Hard
6.Up from the Depths

ストレートなメタルソングのA面とアメリカンな要素が膨らんだB面との対比も面白く、このバンドがアメリカ出身であり、最初に目を付けたのがイギリスだったというのが分かる仕様となっている。
歌い手としては、まだ粗さが残るアン嬢だが、堅実さと派手さの両面で迫るツインギターを従え、フロントマンとしての重責を見事に果たしている。

お披露目としては十分なインパクトを残した今作。このまま順調に進むかと思いきや、フルアルバムのリリースが1987年までかかり、前身のDB時代からのメンバーも去り、バンドが動いていたのが気になるところ。アメリカよりもヨーロッパ、特にイギリスではそこそこの成功を収めていたと言われるだけに、4年の空白の期間は長かったと言えよう。

このバンド、今も活動しているがフルアルバムのリリースが少なくEPやコンピ作が多い。2014年にはTo Hellion and Backなる2枚組のベストを出しているが、完全制覇とはいかないのが残念ですね。

そんなアン・ボイレン姐さんですが、実は彼女、New Renaissance Recordsのオーナーだったと知って驚きました。姐さん、ポンコツレーベルの主催者だったんですね。二足の草鞋は履けぬですよ。


HELLION - Karma's a Bitch ★★★ (2024-03-13 10:27:56)

2014年New Renaissance Recordsに戻ってリリースされた5曲入EP。ドラマーはサイモン・ライト、ベースはインギーとの活動でも知られるビョルン・エングレン。ギターはかつてボディービルの大会で優勝しまくったマクスウェル・マクヒュー・カーライル、そして
ゲスト参加ですがキーボードはスコット・ウォーレンと正統派メタル&Dio DisciplesやDIO系のメンバーをバックに従えアルバムは制作。

もともとディオとの親和性そして師事を受けたアン嬢だけに、このメンバーは昔のメンツとはだいぶ違うが理にはかなっている。光沢艶めかしいアメリカンパワーメタル路線を踏襲、王道を行く展開とメロディを持ち入り聴き手の期待に応えた内容となっている。
サイモンのドラムは相変わらずパワフル、このクラシックなメタルの裏を支えるのに適任と言えよう。ベースは巧者、少々埋もれがちだが、多くのバンドを渡り歩いた実績に間違いはない、ギターも出過ぎずバンドサウンドの一員として貢献、スコット・ウォーレンは職人だ。このバンド、ある意味、大きくフィーチャーするような場面が少ない。正統派メタルにありがちな無難な作風である。
それはマイナスではないのだが、アン嬢のパフォーマンスに期待も掛かるのだが、残念ながら加齢による衰えが否めない。楽曲が普通のメタルだけに余計に気になるところだ。
そのマイナス面とどう折り合いを付けるかが最大のポイントだろう。かつてのようなダークネスな世界観よりも、もっと普遍的なスタイルに落ち着いている。それだけに聴きやすさも増した。それだけに、画一的な歌に個人的にはイマイチ乗れないのだが、それでも、こういうサウンドに滅法弱いので最後まで聞きこんでします。
最近JPの新譜を聴いてしまった。その後だけに割は食っているのですが、後半に向けてドンドン尻上がりにテンションも上がるので、5曲では全容が見えてこないというのが正直なところ。

自分のフィールドに戻ってリリースされただけに言い訳が出来ないのが苦しい。ましてやウィン・デイビスを現場に迎えているのだからハードルは上がりますよね。


HELLION - Postcards from the Asylum ★★★ (2024-03-12 05:32:42)

JPのEXCITERのカヴァーも収録した1988年リリースの4曲入EP。単体でのCD化はないのですが、Up from the Depthsというコンピ作に、まるまる収録されています。CD化もされていますが現在では入手困難、簡単に試聴できるサブスクでお楽しみください。
パワフルなアン・ボイレン嬢の歌声を前に出しつつも色的にはダークなメタル路線は健在。師匠であるロニー・ジェイムズ・ディオ直系のパワフルな歌声を生かした正統派メタルを展開している。興味深いJPのカバーも難なくこなし、アルバムの中でアクセントになっている。ある意味、カヴァーがハイライト的な魅力を発散しているのだが、勢いのある①ダークネスなミドルナンバー②EXCITERに引っ張られるように走る④とバラエティに富んだ楽曲を用意。4曲では物足りないと思わせる渇望感を与えてくれます。
メディアでの評価がイマイチだったために、跳ねなかったアン・ボイレン率いる正統派メタルバンドの意欲作。1988年のリリースですが、メジャーシーンに毒されることなく、自分たちが信じる事をやり切っている姿は実に頼もしい。
JPの曲もさることながら④みたいな曲でも力負けしない歌声、ホラーテイストの強い②で魅せた妖鳥シレーヌの如き妖艶かつ誇り高き魔界の住人の如き堂々としたパフォーマンスに魅了されますね。
バックの演奏も申し分ない。芸がないではなく実直なのである。リードギターも巧者だ。


HELLION - Rebel's Curse ★★★ (2020-09-30 18:59:55)

南米はコロンビア若き野郎ども3人が世に送り届ける2枚目のフルアルバム。南米特有のチープな音作りもわざとやっているような気がする、血塗られたブラッケンドさ、そのイーブルな感触と身も蓋もないスピード命の音楽性、初期型ジャーマンメタルテイストもたっぷりの注入された音楽は、懐かしきピュアスラッシュそのもの、癇に障るハイピッチな歌声も若々しく可愛い。
有名どころと比較して、あれこれダメ出しするのは簡単だが、こういう青春迸る交じりっけなしのサウンドを聴くと、そんな事はどうでも良くなります。先人たちから受け継いで音楽性を順当に紡ぐスタイルは、なんら非難されるものではない。こういうバンドは無条件で応援したくなりますよ。
ラストはカナダの古参スラッシャーSacrificeをカヴァー、これもいいフィーリングでやり切っている。まだまだこれからの若者だが、伸びしろは十分あるだろう。期待したいですね。


HELLION - Screams in the Night ★★ (2012-10-05 13:46:03)

パワフルな歌唱スタイルが信条の美形シンガー、アン・ボイレンを擁する正統派のUS産HM/HRバンドの1st。キュートなルックスからは想像もつかないアン嬢の力強い歌唱はメタルサウンドに埋没することなく血に足をつけ踏ん張ってはいるのですが、歌メロがつまらなくゴリ押し感もあり表現力とパンチ力の良さが生きていません、かみ合う瞬間のカッコよさは凄いが聴いていて肩がこるのがマイナスな印象を与えなんだか苦しい気持ちにもなりました。しかしLA人脈を駆使し確かなテクニックと華やかなギタープレイが耳を捉えて離さないギタリスト、チェット・トンプソンの華麗なギターワークがソロ、リフと実に印象的なフレーズを持ち込み楽曲に幅を持たせ画一的な印象を拭い去るのに貢献、US産ならではの華やかさとダークな欧州スタイルの融合を果たしています。US産の正統派HM/HRサウンドを語るならオーメン等と同様に外せないバンドですね。マニアなら手を出す価値はありますよ、可愛いだけじゃない実力派の片鱗を垣間見て欲しいですね


HELLION - The Black Book ★★ (2012-10-05 14:30:44)

逞しい歌声を轟かせるパワフルな歌唱スタイルが男前なアン・ボイレン嬢率いるバンドの1990年リリースの2nd.曲間のSEなどで感じてもらえると思いますがご自身のルーツとなるスコットランドを舞台としたコンセプトアルバムとなっています。前作の流れを組むダークな欧州スタイルとUS産ならではの湿り気よりも乾いた硬質なスタイルが貫かれておりゴリゴリの正統派HM/HRサウンドを聞かせてくれる。歌唱スタイルにも若干の幅が広がり進歩した姿に好感を持ちますね、変な色気を持ち込まないスタンスもカッコいいです。個人的には多様な参加メンバーが魅せてくれるギタープレイを中心とした堅実なバックの演奏が楽曲を盛り立て奇をてらわないストロングな正統派US産メタルを堪能できます、音質も良くないし画一的な面も見えますがツェッペリンのカヴァーもバッチリとはまり、今後の躍進を期待できる作風でしたが1990年にこの手のサウンドでは浮上できずバンド活動は停滞の憂き目に会うチャンスに恵まれないバンドだったように感じます。マニア向けのバンドですが入門者には今作を迷うことなくオススメしますよ


HELLION - The Witching Hour ★★ (2020-09-30 20:03:18)

Screams in the Nightのメンバーを戻し1999年にリリースされたEP。相変わらずアン嬢のパワフルな歌声は健在、音楽性もチェットのトリッキーかつテクニカルなギターを主軸としたパワフルサウンドを披露。4曲では物足りないと思わせるクオリティを誇示してくれました(Screams in the Nightからのデモ2曲と、こぼれた2曲なんですけどね)。
とは言いつつも2000年を目前としているのかと言いたくなる低音質な仕上がりには苦言を呈したくなりますた、チェットの癖の強いフレージングのアイデアが面白く、このバンドの可能性を感じずにはいられません。
今となっては、この音源、本当はいつのモノなんだと気になるのですが、詳しいバイオはサッパリなので割愛します(なんか昔の音源をCD化しただけな気がする)。

こういうマニア向けの商品が多いバンドだけに、イマイチ認知度を高められないのは残念だが、正統派HM/HRが好きな方は、このバンドの音源に触れて欲しいですね。

ちなみに今作でドラムを叩いているのは、最近、昔のマテリアルを小出しいて小遣い稼ぎしている、ドン・ドッケン率いるDOKKENの初期の音源で参加しているグレッグ・ペッカです。マニアならグッときますよね。


HELLION - Up From the Depths ★★★ (2020-10-09 13:24:07)

1998年に突如リリースされたコンピ作。①はBITCHとのカップリングシングルに収録された曲。②~⑤はHellion収録のやつで、複数のレーベルから収録曲違いでリリースされたものから抜粋。ヴァージョン違いなどあるのかもしれないが比較したことがないので不明。個人的に、興味を注がれたのが⑥~⑨収録の楽曲。未聴だった1988年リリースの4曲入りEP『Postcards from the Asylum』が丸々収録されたことに尽きる。JPのカヴァーもやっているので、女ロニーと呼ばれたアン・ボイレンがハルフォードを歌うというのはマニアならずともグッときますよね。
ウェンディ・ディオの助力も得ていた時期のリリースだけにミキシングでアンジェロ・アルクリが参加、レーベルとしては随分と力の入ったEPだった。そりゃ自分のレーベルだもん気合いはいるわな。
こうして時系列に収録されることでアン嬢の成長も見て取れ、暗黒様式美サウンドの変遷も分かり、寄せ集めのコンピ作ではあるが、参加メンバーも含めバンドの本質に触れることが出来る。ある意味、裏ベスト的な意味合いもあったりと、谷間のエースが大活躍みたいなノリではあるのだが、裏街道を走るUSパワーメタルの真髄に触れることが出来るでしょう。
男性優位な社会で、女性がロックをやるのは大変です。曲云々の前に容姿を問われてしまう。下手すりゃ、それが評価の要因になるのだから恐ろしい。


HELLION - Up from the Depths ★★★ (2024-03-12 05:54:01)

ビッチ・ベッツとスピリット仕様でリリースされたシングル盤の①が収録されているのが、まずは目玉ですよね。向こうでのタイトルはNightmaresでしたが、今作ではNightmares in Daylightと改名して収録されています。EPに収録された②、③は1986年にNew Renaissanceから再発されたヴァージョンに収録されたヤツだし、④⑤はオリジナル盤に入ってはおらず海外仕様でリリースされた時に収録されたものだ。ややこしいのだが、アメリカ人にとっては重要なピースを埋めてくれた一枚なのかも知れないが、日本では逆に4曲入のオリジナル盤の方が激レアなので、そちらを聴きたいという願いの方が強いだろう。
そして今作最大の目玉は後半に収録された幻のEP『POSTCARDS FROM THE ASYLUM』が収録されていることに尽きる。ロニー・ジェイムズ・ディオから師事を受けただけの事はある性別を超えたパワフルヴォイス。昨今流行のパヤパヤ系でもなければ、発声法でどうにでもなるグロウルでもない、生身の身体を駆使するガチンコの歌声に身震いさせられます。

鈍色に光輝くダークなアメリカンメタル。この路地裏街道をひた走るマイナーメタルのカッコ良さに痺れますね。JPのカヴァーも話題性のみならず、しっかりと機能しています。なによりオリジナル曲がカッコいいので、ある意味オマケ感が漂っています。
昨今のテクノロジーの恩恵を受けまくったベテランによる原点回帰サウンドに食傷気味のマニアにこそ、是非とも聴いて欲しい本気のメタルですね。
リリース当時、日本におけるメディアでの評価はイマイチでした。女性がメタルを歌うという事に対する偏見もハンパ無かったです。そういう男尊女卑が根深く残る日本ですが、今の若い人は、そんな偏見も少ないでしょう。
こういうクールでダークなサウンドで貴重なんですよね。昔は小細工無しの真っ当な事が許されていたんですよ。


HELLIóN - Hellión ★★ (2020-09-30 19:15:09)

南米はアルゼンチンのメタルシーンを語る上では外せないマリオ・イアンがいた事でも知られる伝説のバンドによる1st。影響を受けるのはJPスタイルの王道HM/HRサウンド。その実直な姿勢には、思わず笑みもこぼれますが、若気の至りが詰まっているのは間違いない。ファルセットが耳障りな歌も、あまり時間を掛けずにレコーディングしたと思われるチープなサウンドメイクも含め、懐かしさが一杯だ、
日頃雑誌で紹介される大手メディア発のゴージャスなサウンドに馴染んだ耳では、相当厳しいだろうが、俺は正統派ヘヴィメタルが大好きなんだと、有名無名に関わらず耳にしたい猛者には、たまらんものがあるでしょう。
南米の情熱よりも欧州風味のクールさ、そして③などで耳にできる大衆性も完備しているのは嬉しい誤算ではないだろうか、この手のバンドにありがちなガチムチの鋼鉄一方向スタイルではない柔軟さも魅せているのは、逆に好感が持てるが、邪魔だと思う人もいるでしょう。先人たちのアイデアを実直に継承していただけに、今作一枚を残し散ってしまったのは残念ですね。


HELLIóN - Hellión - Panzer ★★★ (2024-03-12 04:59:08)

色んな意味でインパクトを残すパフォーマンス
6分の中に自分たちの思いを詰め込んだ一曲だろう
少々やり過ぎ無理すぎのハイテンションさに笑みもこぼれる
でも好きだ
無理無理感が大好きだ
年に一回は手に取る一品である
そして配信盤もあるのだから嬉しいねぇ
今月は325人のリスナーがいる
ワタクシには強敵と書いて友と呼ぶ仲間が325人もいることが嬉しい


HELLOISE - Cosmogony ★★★ (2012-05-27 02:14:31)

1985年リリースの1st、オランダ産の叙情派正統派HM/HRバンドです。
壮麗なボーカルハーモニーもさる事ながらツインギターが織り成すウエットに富んだメロディアスなフレーズとハードな質感がなんとも洗練されており、練り上げられた楽曲はとても1stとは思えないクオリティを携えている。襟を正して聞きたくなる正調HM/HRサウンドの本意気度に沸々と青白いメタル魂を燃やしますね。堅実な演奏と綿密なアレンジはどの曲にもスリルを生み出し美しいハーモニーがサウンドに厚みを与えます。表現力豊かなシンガーの伸びやかな歌声はダイレクトに心に響き感動を運んでくれます、まさに広がりのなるサウンドメイクのなせる業でしょう。良質なメロディとドラマ性を携えたバンドと名演に心を揺さぶれられました。初めて聞いたのが2000年なんですが僕の好きな音はこの時代なんだなぁと改めて認識させら得ましたね。当時なんで売れんかったかはそういうことだったんですね。


HELLOISE - Cosmogony - Broken Hearts ★★★ (2012-06-21 17:30:08)

こちらも隙のないアレンジが光りますね
重厚なコーラスワークも印象的です
扇情的なメロディが心を揺さぶるアルバムの二曲目
ギターソロもきっちりと弾いていてカッコいいわぁ


HELLOISE - Cosmogony - Cosmogony ★★★ (2012-06-21 17:26:13)

カッコよすぎる
奥行きのある深い世界観
そして普遍の魅力溢れる正統派HM/HRなサウンド
丁寧に作りこまれた極上の一品ですね


HELLOISE - Cosmogony - Die Hard ★★★ (2012-06-21 17:35:54)

力強さとメロディアスさのバランスが絶妙ですね
タイトな演奏が耳を惹くミドルハイナンバー


HELLOISE - Cosmogony - For a Moment ★★★ (2012-06-21 17:44:15)

リリシズムに溢れたメロウなAメロが好きですね
バッキングで聴こえるアコギも美しい
ハードなミドルナンバーなのですがメロウなパートを生かしています
欧州産ならではの適度な湿り気とタイトさが素敵です


HELLOISE - Cosmogony - Gates of Heaven ★★★ (2012-06-21 17:48:02)

ハードなギターリフがカッコいいですね
彼等らしいメロディを生かしたアレンジも素晴らしく
豪快なノリの中にある緻密さが好きです
ツインギターも弾き倒していますよ
ワイルドな曲調でも優等生な雰囲気が彼らの肝なんだろうね


HELLOISE - Cosmogony - Hard Life ★★★ (2012-06-21 17:53:00)

メロディを大切にしていますね
ハードなミドルナンバー
大きな展開を見せるリフワークも冴えます
後半テンポアップする様のカッコよさにグッときましたね


HELLOISE - Cosmogony - Ready for the Night ★★★ (2012-06-21 17:39:37)

綿密なアレンジが光ります
バンドのポテンシャルの高さを伺える名曲
この疾走感と広がりのある展開は見事です
ギターソロも聞かせますよ


HELLOISE - Cosmogony - Run a Mile ★★★ (2012-06-21 17:32:57)

泣きのバラード
曲順も素晴らしいですね
広がりのある世界観が見事に開花しています
号泣必死な極上の一曲です


HELLOISE - Polarity ★★★ (2020-11-27 17:41:55)

オリジナルは1986年、大手のWARNER BROSからのリリースですよ。デビュー作は割とガチムチのパワーメタルに複雑な展開を持ち込む硬派なバンドだったが、今作は一転してメロディアス度が増量、真摯に向き合うメタル道からは外れてはいないが、感触は明らかに違うものになった。
しかし、このスタイルは日本人には大いに受けるものであろう。例えるなら王道HM/HRスタイルに、ハロウィーンのような親しみやすいメロディを導入、高揚感を高める疾走感と口ずさめるメロディ、子供から大人まで楽しめるバランス感覚を持っている。個人的には、ハロウィーンの幼い感じがどうにも苦手だが、このバンドは、そういう子供ぽさがないのでメジャー感とマニアックなメタルサウンドを上手くミックスして機能させている。
テクニックも表現方法も充実、欧州風味満点のメロディと重量感も損なわないキャッチネスさ、瑞々しいと感じさせる躍動感もあり、正統性の強いHM/HRをお探しの方には、是非とも聴いて欲しい一枚ですね。

余談ですが、このアルバムにはちょっとした思い出があります。学生時代の友人が、良いアルバムあるぞと仲間に紹介、みんな楽しんだのに、その後、金持ちのボンボンに家にあった商業誌のレビューを見て態度を一変、ワタクシは、ボンボンが大嫌いなので、極力顔出さないので、その場にいなかったのだが、その様に友人は落胆したと言う。

友人『○○ちゃんお前はどう思う』
ワタクシ『雑誌のレビューを読んだくらいで突然いいものがイマイチにはならんよ』
友人『そうだよなぁ、あの場所にいたら自分がおかしいのかと思うほど皆態度を変えたぞ』
ワタクシ『だから俺はボンボンの家に行かない、あいつ雑誌の切り抜きだからな、自分の意見がないんだよ』
友人『そうだなぁ、俺もあんまりいかないわ、でもアイツ金あるし、レコードいっぱいもっているからなぁ』

後日、そのレビューを読ましていただきましたが、詳しい内容は流石に覚えていないが、要するに歌は上手いが曲が印象に残らない、ときめかないみたいな評論でした。
あの時はワタクシは友人に断言しました、世の中体制に寄せていくのが一番楽だ。そして雑誌に全乗っかりすれば間違いは起きないとね。ヒットチャートとは無縁と思っていたメタルの世界。ある意味、専門誌が少ないので、一番タチの悪い連中が多いのかもしれません。
このアルバムにはそんな思い出が詰まっています。


HELLOWEEN - Master of the Rings - In the Middle of a Heartbeat ★★★ (2013-02-12 16:46:54)

アンディ・デリスのなせる技でしょう
押さえ気味の歌唱が欧州産の泣きを更に誘発します
ええ曲ですよ


HELLOWEEN - Pink Bubbles Go Ape - Back on the Streets ★★★ (2016-10-04 12:41:58)

ノリが良いですね
楽天的な雰囲気とハードでコアな感性が上手く融合しています


HELLOWEEN - Pink Bubbles Go Ape - Goin' Home ★★★ (2016-10-04 12:37:36)

マイケル・キスク節ですかね
以前のイメージもあるしユーモラスな親しみやすさも失っていない
らしい曲ですね


HELLOWEEN - Pink Bubbles Go Ape - Heavy Metal Hamsters ★★★ (2016-10-04 12:35:29)

楽しそうですね
コンパクトにまとめたのも好印象
こちらもジャーマン臭を押さえているのが良い
やれば出来るじゃんねぇ


HELLOWEEN - Pink Bubbles Go Ape - I'm Doin' Fine, Crazy Man ★★★ (2016-10-04 12:51:41)

コミカルで明朗快活なポップサイドを代表するような一曲
新たな手法と構成力
そしてマイケル・キスク節の聴かせ方にヒネリを加えた意欲作です
チャレンジしているのが最大の聴きどころでょう


HELLOWEEN - Pink Bubbles Go Ape - Kids of the Century ★★ (2016-10-04 12:40:08)

いきなり新機軸を打ち出しましたね
今作ならではの一曲でしょう


HELLOWEEN - Pink Bubbles Go Ape - Mankind ★★★ (2016-10-04 12:48:56)

古典的な手法を持ちいった大作ナンバー
サビでパッと明るいメロディを持ち込んだアイデアもらしいです
哀愁はあるのに明るく親しみやすいメロディを併せ持っているのは実に独創的な事です


HELLOWEEN - Pink Bubbles Go Ape - Number One ★★★ (2016-10-04 12:34:01)

思わず口ずさみたくなる歌メロですね
あのジャーマン臭を封じ込めているのがよい


HELLOWEEN - Pink Bubbles Go Ape - Shit and Lobster ★★★ (2016-10-04 13:01:29)

ヘヴィメタルに偏見がある人にこそ聴いて欲しいですね
普遍的なメロディと陽気なロックバンドとしての在り方
今まで同様の親しみやすいメロディを存分に聴かせていたので違和感はありません
速さとか厳つさとかでは誤魔化されませんので


HELLOWEEN - Pink Bubbles Go Ape - Someone's Crying (2016-10-04 12:45:20)

旧来のファンを慮ったかのようなスピードナンバー
アルバム的には蛇足感もファンの溜飲を下げる必要があったのでしょう


HELLOWEEN - Pink Bubbles Go Ape - The Chance ★★★ (2016-10-04 12:55:11)

ハロウィーンらしい哀愁とコミカルさが絶妙な色を醸し出しています
歌謡テイスト満載のメロディを魅力的に歌い上げるマイケル・キスクの存在感がエグい
この曲に限らずアルバム全体にある親しみやすさとハードテイストが上手く溶け込んでいますね


HELLOWEEN - Pink Bubbles Go Ape - Your Turn ★★★ (2016-10-04 12:57:39)

リラックスして聴けますね
無駄な大作志向を省いた今作ならではの一曲でしょう
ジャーマン臭を押さえたのも効果大です


HELLOWEEN - Straight out of Hell - Waiting for the Thunder ★★ (2019-12-28 17:49:10)

成熟したムードが漂うメロディアスかつハードなハロウィーンサウンド
ライブはサッパリダメだが良いメロディを書けるのがアンディの良いことろ
上手く纏まってい
この音と言うイメージのあるバンドは強い


HELLOWEEN - The Dark Ride - Mr. Torture ★★★ (2020-10-13 14:37:25)

このバンドのイメージにピッタリですね
どのような時代にアジャストしようとも
あのメロディが飛び出しますから


HELLOWEEN - Walls of Jericho ★★★ (2020-02-17 22:53:49)

我が国、日本は勿論だが、欧州を中心に多くのフォロワーを生んだバンドの1st。のちの雛形となる親しみ易いメロディを放り込んだ疾走ナンバーも顔を覗かせているのだが、やはり剛毅に打ち鳴らされるパワーヒッティングドラム、動き回るベース、緩まない攻撃性と叙情性を加味させたツインリードの構築美、粗削りな面はあれど、このはち切れんばかりのパワーを内包したスピードナンバーの数々は、それまでのイメージから巧みに移行できており、ジャーマンメタルのニュータイプをしての個性を剥き出してきた。テクニカルなプレイが畳みかけるバンドの代表曲と言える①、その流れを損なわないアグレッションとパンキッシュなノリを持ち合わせた②、スピーディーなアンサンブルの波状攻撃と言える③と突き進み聴き手のハートを鷲掴み、親しみやすいメロディを聴かせているのに攻撃性を緩めていないと感じさせるのが凄い。
NWOBHMの洗礼を受け、そして先鋭化したスラッシュシーン、その狭間を行くスピードメタルサウンドは、パワー&スピード、そしてメロディの三種の神器を揃えたと言えるでしょう。
個人的に、これ以降の作品から大きな影響を受けたバンド出ないし、アンディ・デリスのライブにおけるダメっぷりに、興味を完全に殺がれたバンドなのですが、それでも年に1.2回は聴きたくなる一品です。


HELLOWEEN - Walls of Jericho - Guardians (2024-05-12 16:38:21)

荒削りですね
まだまだ未完成です
やりたい事を表現し切れていない
歌もイマイチ
この時代ならではの力技ソング

ちなみにこの曲は近所の目を気にして
早朝の清掃バイトを選んだ男の歌である


HELSTAR - A Distant Thunder ★★★ (2014-11-15 21:26:34)

購入理由はスコーピオンズのカヴァーにつられたのが理由でしたが、本編を彩るオリジナルはそんなカヴァーに寄り掛かる事のない名曲ぞろい、皆さんがおっしゃる通り⑧の寸分の狂いなく繰り広げられるドラマティックな叙情派パワーメタルサウンドの完成度の高さには感嘆あるのみ、他の楽曲もテキサス出身とは思えない埃っぽさのない叙情的な楽曲とメイデンを彷彿させるリズムプレイの数々は重量感もありビシッと締めている。更にはブルース・ディッキンソン風の声に+ハルフォード的なシャウトを絡ませるシンガーの力量の高さは聴いていて心地よく、メリハリの効いた歌声は楽曲の魅力もそのままに伝えてくれるでしょう。その上手さのおかげで集中して楽曲に入り込めるのが強み、ツインギターもスピード感のあるリードプレイもさることながら、叙情的なフレーズを随所にキメ、躍動感とスリルのある展開は見事でしょうね。METAL BLADE出身なんでOMENあたりと同期なんですが、音楽性の類似も含め彼らの方が整合感も高くバランス感覚に優れ良質なメイデンタイプのフォロワーとしては優秀なバンドかと思います。ちなみにシンガーは2012年の再結成MALICEでも歌っています。


HELSTAR - Burning Star ★★★ (2016-12-03 14:23:44)

数多くのスピード/スラッシュHM/HR系のアーティストを輩出してきたCombat Recordsから1984年にリリースしたテキサス出身の5人組による1st。けたたましいドタバタとしたリズムはまさに正調US産マイナーメタルの証、剛毅に打ち鳴らされるパワーグルーブとメタリックなツインギター、そしてスクリームするハイトーンと当時としても古いスタイルの音楽性を踏襲。その垢抜けなさ故に聴き手を選びそうですが、ホラータッチのシリアスな正統派サウンドは聴き応え十分、派手な仕掛けはないがテクニックに裏打ちされたアレンジは、背伸びしていない分、楽曲に破綻をきたす事無く全てをソツなくヤリきり、ある種の”闇”を演出。ヘヴィなミドルナンバーの中にテンポアップするパートを用いたりと、攻撃性を煽る事で精神的な高揚もあり、ドタバタなリズムとの噛み合わせが生みだす独特の”間”が巧みに練り込まれています。このリズムが苦手な人には厳しい作風ですが、L.A風のメタルとは一線を画す、もう一つの音楽性として認知されたコンクリートサウンドに魅了されますね。


HELSTAR - Nosferatu ★★★ (2016-12-03 14:55:31)

我らがMetal Blade Recordsより1989年にリリースした4th。吸血鬼を取り扱ったコンセプトアルバムに挑戦と言う事で、ホラータッチのUS産マイナーメタルだが、今まで以上にクラシカルでダークな色合いが増量、その世界観を演出する手法を司るのは二本のギターなのですが、クラシカルなフレーズを難なくハモリまくり、そのスリル溢れる緩急をつけたプレイの数々で聴き手を最後まで飽きさせる事無く惹きつけ、音は軽めではあるが、ユニゾンで決めまくるリズムセクションのしたたかさに舌を巻き、その細部まで拘ったアレンジと演奏力の高さは聴きこむほどに魅了していきますね。
前作を推し進めた更なる野心への追及、冷やかで美しいメロディは極寒の夜空を駆け抜ける流星のような煌めきを放ち、薄気味悪いホラータッチの音楽性の中で、見事な色彩美を描いております。
深みのある音楽性だし表現力も増した彼ら、その聴き手の感性を逆なでするような焦燥感を煽りまくる、不穏なるダークホラーファンタジーは比類なき完成度を誇っていると言っても過言ではないでしょう。もう少し音に奥行きとメリハリがあれば、より凄みも増したと思うのですが、こうして久しぶりの聴くと新しい発見もあったりと、まだまだ聴きこまなければいけない一枚だなぁと再確認させられましたね。
こんなにスリルがあってカッコいい音出していたんだと驚きました。聴いているようで全然届いてなかったなぁ、猛省ですよ。


HERETIC - Breaking Point ★★★ (2019-01-13 13:41:29)

Metal Churchのカート・ヴァンダフーフにプロデュースをお願いし作られた待望のフルアルバム。シンガーも歌えるマイク・ハウの交代とお膳立ては揃いました。
Metal Churchと親和性の高い音楽性だっただけにバンドの推進力には成ったのだが、今作を制作時にシンガーの引き抜きを行いカートがマイクを連れていくと言う背信行為を行ったゴシップニュース満載の話題性の方が今日では印象が強いのですが、パワフルかつアグレッシブなアングラUSメタルの代表的な音が詰まっており、その筋のマニアなら必ず満足出来るクオリティを保持、期待を裏切らない展開と丹念に作り上げたサウンドは表情も豊かになった(US産なので歌謡曲並のキャッチーなメロディや分かりやすさはありません)
しかし、アルバムリリース時にはマイクはバンドを抜けており、実態もなく、そのせいで程なく解散に追い込まれる。これほどの質の高いアルバムがあるのに、世に出れなかったのは残念なのだが、このバンドの文春砲は、この程度で終わる事無く、ギターのブライアン・コーバンと日系人ベーシストのデニス・オハラはMetal Churchを抜けたデヴィット・ウェインと今度はReverend結成へと動くと言う最大のオチが待っているのに興奮を覚えます。 そんな情報過多のせいでイマイチ、音が入ってこなくなるのが個人的には難点なのですが、パワーで押し切るのではない切れ味の鋭さも、このバンドの魅力。基本的なメタルのマナーとUSアングラメタルの魅力を内包した一枚は、質の高さや完成度も含めトップ級の出来栄えだ。


HERETIC - Torture Knows No Boundary ★★ (2019-01-13 13:19:11)

US産の地下メタルシーンを語る上では外すことのできないガチガチのコンクリートサウンドが売りのバンドによるデビューEP。前任のシンガーである、マイク・タワーズがAbattoirの参加する為に脱退、その後任として参加したのがジュリアン・メンドーサ。彼は現在再結成されたHereticのシンガーとしても知られています。
オープニングからSamsonもシングルカットまでして取り上げたラス・バラードのカヴァーで始まる展開に驚きましたが、ダークな設えの無機質な響きはアングラUSパワーメタルならではの魅力があり、これぞメタルブレイドならではのアングラ感もマニア筋の好奇心を歓喜するのだが、スピード&キャッチー感を好むマニアにはウケないだろう。しかし剛毅に打ち鳴らされる無愛想なサウンドに一定の需要は必ずあると思います。平坦なサウンドプロダクションが醸し出すマイナー感も含め当時のアングラメタルシーンを知る上では押さえておきたいですね。


HERICANE ALICE - Tear the House Down ★★★ (2017-03-26 13:30:47)

メロディックなアメリカンHM/HR好きにはたまらんでしょうね。優等生過ぎるきらいはあるが、計算され導かれた素直さが心地よく鳴り響き、安定感のある演奏は抜群の相乗効果を生みだしていますね。歌い手が若い頃のジェフ・スコット・ソートを思わせるのも個人的には好印象、ポップなメロディと柔らかな感触だがハード&ヘヴィなグルーブ感を損なわないリズム隊と、堅実さと華やかさを併せ持つ職人肌のギター、ある種の完成系とも言えるスタイルを手堅く引き継いだ音楽性は、奥行きのあるアレンジが行き届いており、地味だがコマーシャル性の高さと職人技が共存する良質な作品へと仕上がっています。
メロディックなアメリカンHM/HRも1990年を前に斜陽を迎えようとしていました、時期的に厳しいデビューもあり、さほど話題に上らず解散の道を辿る彼ら、個性を出す事の難しさを感じますね。


HERMAN RAREBELL - Herman's Scorpions Songs ★★ (2019-07-19 14:04:52)

スコーピオンズにいられなくなった男と言われるハーマン・ラレベルの企画モノ集。作詩や作曲でハーマン自身が関わった曲からの抜粋の為にマイナーな曲も多いのだが、豪華ヴォーカル人のゲスト参加のおかげで食指も伸びやすい内容になっている、とは言いつつもドラムはハーマンだが、相棒のベースもギターも知名度的にイマイチでプレイも無難とハーマンの集金活動のように感じると手が出ない、微妙な空気感が否めないのが今作の問題点だろう。

オリジナルソングの良さや参加シンガーの豪華さに助けられた感は強めだが、久しぶりに聴いた曲もあったりと、やはりスコーピオンズがエエ曲が多いなぁと再確認、個人的には箸休め的な立ち位置として多いに楽しみました。
この手の企画モノは熱心に聴くと粗が目立ったり、どこかプロのカラオケ臭が匂ったりと真剣に聴けない部分があるので、個人的にはリラックスして楽しむ程度のものです。その為にウタウマ選手権を受け入れるのですが、コアなファンにとっては向き合えないハーマンの無節操さもあるでしょうね。

参加メンバーはコチラです
1. Rock Of You Like A Hurricane (Bobby Kimball)
2. Passion Rules The Game (John Parr)
3. Loving You Sunday Morning (Michael Voss)
4. Is There Anybody There? (Alex Ligertwood)
5. You Give Me All I Need (Don Dokken)
6. Make It Real (Doogie White)
7. Dynamite (Johnny Gioeli)
8. Arizona (Thomas Perry)
9. Love Is Blind (Paul Shortino)
10. Don't Make No Promises (Jack Russell)
11. Falling In Love (Gary Barden)
12. Another Piece Of Meat (Tony Martin)
13. Animal Magnetism (Michael Nagy)
14. Let It Shine (Al Crespo)

これだけのメンツが揃えば聴きたくなるのがマニアの性でしょうよ。


HERMAN RAREBELL - Nip In The Bud ★★★ (2019-07-12 14:17:15)

スコーピオンズのドラマーとして知られる、ハーマン・ラレベルのソロアルバム第一弾がコチラです。ドラマーそのソロなんで、けたたましいドラミングを前に出したミキシングはしていますが、音楽性はあくまでもバンドサウンドで勝負。ドイツの音楽と言うよりは英国的なニュアンスが強くアタック感の強いリズムを軸に、ハード&ブルージーな古典芸能で勝負。ギターもワイルドだし良く唸っています。
ヴォーカルの持って生き方も含め一番近い音楽性はZEPあたりを思い出すのですがいかがでしょうか?

ブルージーと言っても泥臭さを払拭したエッジの効いたサウンドなので臭さは少ない、またウリ・ロート時代の音楽性にも通ずる曲もあり、期待を裏切っていないのが憎い演出だ。そして主役たるハーマンのドラムをフィーチャーしているで、彼のファンなら大いに満足出来る仕様だろう。
ちなみに邦題『奇襲攻撃』ってのも、スコーピオンズ関連だから寄せたんだろうなぁと思え、笑えてくるのがプチお楽しみでしょう。


HEXEN - State of Insurgency ★★★ (2014-08-30 22:07:05)

オープニングのSEにアルバムジャケットと2012年シッチェス映画祭で上映されたパニックホラー「Aftershock」を思い出しましたが、こちらは2008年リリースの1st。規則正しいタイトで緻密な演奏と、恐ろしいまでにメロディアスでテクニカルなツインギターが織りなす、US産らしい洗練された極上のスラッシュメタル。アグレッシブなリフワーク、強烈無比な高速ビートが叩きだすリズムの心地よさ、ブンブン・バキバキと唸るベースも最高にクールと言いたくなるし、叙情派メタルバンド顔負けの扇情的なツインのハモリから高速ソロは最大の聴きどころだし、スピードだけで押しまくらない整合性のある楽曲を一段も二段も上のステージへと押し上げているから恐れ入る。ベイエリア産スラッシュのような刻み系から今風のメタルも多少フォロー、ヘヴィなミドルナンバーからアコギを活かした泣きメロまで巧みに取り込み飽きのこない構成と末恐ろしいバンドが放つポテンシャルの高さに改めて恐れ入りましたね。どこか聴いた事があるような曲もありますが、そんな事など問題なしです。アグレッシブでダーティーな①から首が疼きっぱなしの60分ですよ。


HEXENHAUS - A Tribute to Insanity ★★ (2019-02-02 16:14:48)

スウェーデン産スラッシャーの記念すべきデビュー作。本国でアナログ盤を売ったあと、1990年にMetal BladeからCD盤が出るまでのブランクがあり、その辺りが認知のズレを生んでいるでしょうね。時期的にもアナログからCDへの移行の時期でもあり、微妙なタイミングだった。
出している音はベイエリア勢の触発されたスタイルであり、彼ら程の弾力とグルーブはないが、甘口な北欧風味は微塵も感じさせないスタイルであり、土着的なスカンジナビアさは隠し味程度の薄味だ。かつてはマイナーだったスラッシュメタルが認知されシーンの中核へと上り詰めようと躍進していた、そんな88年と言う時代ならではの音であり、隆盛を極めつつあるスラッシュシーンを知る上へでは、興味深い存在でありバンドだったと思います。
類型的なスタイルであるが故に、やや一本調子な感覚に陥るのだが、起伏を盛り込みドラマ性を際立たせようと苦心する姿は、このバンドの魅力であり持ち味だ。その辺りの練り込み具合の解釈度が評価のポイントとなるだろう。


HEXX - No Escape ★★ (2014-10-08 12:28:40)

US産の正統派パワーメタルバンドがシュラプネルレコードから1984年にリリースされた1st。お世辞にも上手いとは言えない青臭く硬質なファルセット気味のハイトーンが感に触りますが、シュラプネルらしいスピード感とコンクリートサウンドが勇ましく響き渡り一定のパフォーマンスは満たしていると思います。US産らしい無機質さと欧州のシーンにも通ずる湿度が程よく混在し類型的なスタイルではありますが若さあふれるパワーが漲る情熱的なサウンドを披露しています。マイナーメタルが放つ辛気臭さや、あまりに仕掛けのないストレートな作風にのめり込めない方も多いでしょうが、バタバタとしたけたたましいリズムとシャープなギターにはNWOBHMとはまた違った、当時のアメリカならではの味わいがあり、オリジナリティを感じ楽しんだものです。ダメな人はダメでしょうけどね。これといったキメ曲もなく、似たようなテンポの曲が続きメリハリに欠ける面もマイナスに働くのかもしれませんが、カッチカチやぞゾックゾクするやろな硬いタッチのサウンドには、音質の悪さを補うメタリックな響きを感じ一本調子な歌&楽曲も苦になく聴けるから不思議です。マイナーサウンドが大好物という方のみの限定品と言えなくないですが当時のUSシーンを垣間見るのには良いかも知れませんね。


HEXX - Under the Spell ★★★ (2016-07-13 12:05:48)

今年の頭に今作発売30周年を記念してCD2枚とDVDをカップリングした3枚組でMetal Blade Recordsからリリースされた一品。オリジナルを聴いておらず、少々不安はありましたが、内容と価格が良かった(3000円以下)DISC1は今作丸丸+新曲2+今作のデモを収録の22曲入り。DISC2は1stフル収録+ラジオ音源+前身のParadox時代のデモ+2013年再結成時のデモ(1stのシンガー復帰)+2015年時のLIVEのお得感満載の内容にDVDでは更に4時間分の映像があり、最近のHeadbangers Open Air出演時の模様から1986年から1990年までの映像ありと、とりあえずパワーメタル系サウンドが好きな方は買ったらエエんじゃないの?と言いたくなるお得な一品として復活してました。というかバンド時代が再結成していたなんて万感交到るものがありましたね。

1stから2年後のリリースと言う事もあり格段に進歩を遂げるバンドサウンドを披露、若干ツメの甘さはあれど、そんな事をモノともしない異様なほどスリルと緊張感を誘発した演奏で聞き手を魅了、自らが進むべき道を追求&固まりグイグイと押し込んでいますね。この時代はならではのドタバタとしたけたたましいリズムはUS産ならでは、コンクリートサウンドを呼ばれるに相応しい荒々しくも金属的な響き、そこにダーティーな埃っぽさもあり、癖が強いサウンドは若いわりにはキャリアがあるだけに演奏もタイトでダレる事もなく聴かせ、流麗なツインギター、良く動き回るベース、ボトムを押し上げるドラムと、多彩なアレンジを施した楽曲を見事にコントロール、この手のバンドにありがちなアイデアに技術が追い付いていないという欠点はないのでパワー/スラッシュ系のサウンドが好みの方なら安心して身を任せる事が出来るでしょう。ハイテンションにスクリームする新シンガーの彼氏ですが、どこかで聴いたことあるなぁと思ったら、長身で甘いマスク、ギターを弾く姿が実に絵になる男、元ハリースキュアリー、アンセムの中間英明率いる『Hell 'n' Back』で歌うダン・ブライアンとさんだったんですね。相変わらずのクドさでした。

一曲目から最後までアドレナリンが出まくったUS産パワー/スラッシュメタルの名盤と呼ばれる一品。いやぁ興奮したなぁ。これだから歴史探訪はやめられん。そして1stも再評価しましたよ。あっちもキレていたなぁ。悪態ついた過去を謝罪しますよ


HIDDEN INTENT - Fear, Prey, Demise ★★★ (2019-03-28 20:27:46)

オーストラリア産のヤングスラッシュトリオが2018年にリリースしたアルバム。弾力のあるへヴィグルーブが勢いよく押し出されるサウンドの心地よさに、懐かしき時代を感じさせるピュアさが何度も言えない空気感を生み出しており、オールドスクールかくあるべきなスタンスの姿勢を披露している。
スラッシュ特有の先の読めない展開も先人達の影響を巧みに取り込み、大胆に動き出すストーリー性の豊かさも抜群の威力を発揮している。その畳み掛けるような展開は、別の曲に変わったような印象さえ与え、聴き手の趣味嗜好にハマれば相当な破壊力となるだろう。ピュアスラッシュと呼ぶに相応しいタイトな演奏力の高さも、そういったスタイルの実直さに反映されており、軽快なへヴィグルーブも骨太さと相まって、実にフレッシュで魅力的に響いている点も見逃せませんね。

スラッシュマニアにとっては、初期衝動を擽るような原始的な響き、そこに多少の現代的なサウンドメイクも放り込みつつも、剛腕メタルを展開する様は、メリハリの効いた楽曲群のおかげで実に新鮮だ。無軌道とは無縁の計算された展開も頼もしい限りです。巧者揃いのトリオバンドですねぇ。


HIGH ON FIRE - Snakes for the Divine ★★★ (2016-03-16 14:02:59)

ドゥーム系と聴いていたのですが①を聴いて驚いた。ドラムが激しく連打を繰り返すスピードナンバーで幕が開けますからね、思わずトレイからCDを取り出し内容を確認しましたよ。続く②も激しいドラミングが耳を惹く曲と続き少々驚きましたが、③では深く沈みこむドゥームロックが登場、ザラついた獣性を帯びたラフな音質と猛るリズムセクションの獰猛さに身震いさせられるほどの緊張感を醸し出し、このバンドが攻撃性を孕んだ暗黒系のメタルバンドだと理解する事が出来ました。普通のメタルバンドでも聴けるような絨毯爆撃よろしくな隙間を埋め尽くすドラムプレイと、鈍重なリズムを生かしたドゥームサウンドを巧みに配し、ある意味普遍的なメタルとの接近を果たしつつも根底にあるのはブレない、あの音となるのですからヘヴィなドゥームリスナーから、ライトリスナーまで取り込む魅力に溢れているでしょう。僕は今作から下って彼らのアルバムを聴いたので、今作がそれまでの歴史とは一線を画す方向性なんだなっと理解しているのですが、初めて聴いた彼らのアルバムだけに思い入れは強いですね。リズムセクションのアプローチがここまで変わったとは驚きました。


HIGH POWER - High Power ★★ (2015-12-15 13:48:57)

NWOBHMの風はフランスにも吹き荒れていたんですね。1977年から活動するフランスはボルドーの5人組が1983年にリリースした1st。録音状態は相当厳しいものを感じますが、これぞHM/HRというムードに満ち溢れており、荒削りな面はあれど時折切れ込んでくる扇情的なフレーズに心も軽やかにふられ気分でR&Rになります。マニアご用立つのサウンド故に気合いの入ったNWOBHMファン以外には進めませんが、その筋が好きな方には心惹かれるものがあるかと思いますよ。詰めの甘さや類似性、稚拙な面を釣り上げ、俺はなんでも知っていると勘違いするなら、秀でた面を愛でる方が遥かに有意義で重要な事と思っていますので。


HIGH SPIRITS - Hard To Stop ★★ (2020-08-04 18:14:54)

知る人ぞ知るアメリカ人一人メタルプロジェクトの4枚目。ニュージャージー出身のクリス・ブラックは、プレイヤーのみならずプロデュースも担当と、筋金入りのメタルマニアなんだろうが、この作品以外にも、複数のバンドを掛け持ち(別プロジェクトともいう)とにかくメタルに人生を捧げたアホである。そのアホっぷりは、かつて自らレーベルを立ち上げ運営していた程だ。
そんなメタル馬鹿一代が捧げるのは、爽快感もあるメロディアスな本格派のHM/HRサウンド。どこかで聴いたことがあるフレーズも皆でシェアするお得意の奴、飛びぬけたプレイがあるわけでもない。歴史に残るようなリフもリズムパターンも用意できるわけではない、ただ単に愛するメタルを奏で続ける、その清い姿勢に付き合えるかがポイント。
このマニアご用達過ぎる音楽性ゆえに、メジャー流通のハイクオリティなアルバムを嗜む一般的な方には、とてもじゃないがおススメできないのだが、ライナーノーツ掲載など糞くらえ、同人誌メタルを聴き、チビチビと酒が進むマニアにはたまらんものがあるでしょう。
あばたもえくぼという事で、同級生の学園祭デビューと思いお付き合い頂ければと思います。


HIGH TENSION - Under Tension ★★ (2018-01-23 22:51:20)

ドイツのツインギター編成の4人組が1986年にリリースした2nd。ドイツと言えばHelloweenタッチのコミカルなスピードメタルを想起される方も多いでしょうが、個人的にはSCORPIONSだしACCEPTだ。もっと言えばRUNNING WILDだしGrave Diggerの方がしっくりくるのだが、このバンドも、後にわが国では隆盛を極めるHelloweenタイプとは一線を画す音楽性を信条としたバンドでしたね。

渡米後のSCORPIONS的なメジャー感もあるし、ある意味、同じドイツ人でアメリカでも成功したドン・ドッケンにも通ずるメロセンスもあるかと思います。そこに気骨のあるジャーマンメタルが乗っかるのだが、時代性を巧みに取り込んだ、正統性の強いHM/HRサウンドは、BONFIREまでの洗練度はないが、ドイツ人によるバブリーではないL.Aメタル風とも言える大衆性と硬質感を取り込んでいて、何とも言えない不思議な魅力がある。それは欧州的な湿り気のあるメロディに尽きるのだが、これぞ俺たちと言える個性に欠けている面がマイナスなんでしょう。それは⑨のモロパクリに起因しているような…だって誰が聴いてもモトリーのToo Young to Fall in Loveだもんね。
いい意味でのラフさと力いっぱい演奏する姿は気持ちがいい。ドイツ人らしい生真面目さが息づいているのも面白い。簡単に○○風と言えない魅力が最大の聴きどころでしょう。そしてモトリーファンは⑨を聴いてくださいよ。


HIGHWAYS - Never Die ★★★ (2024-06-29 04:34:50)

アメリカ産の正統派メタルバンドがリリースした3枚目のアルバムということなのだが、全員出身地が諸外国、ドラムはインド、ベースはナイジェリアとギターとメインシンガーの女性はウクライナ、そして前作まで歌とギターを担当していたカルロス・モリーナはチリ担当というスーパー多国籍軍がバンドを結成、よく分かりませんが別々の場所で録音してミックスしているのかなぁ?などと考えさせるほど、SNSなどを通じて結成されたバンドのように感じますね。
そのメンバー構成が生み出すサウンドは、おおよそアメリカとは無縁の欧州スタイルの正統派サウンド。だが、田舎くさいNWOBHMとも違うのだが、洗練されすぎないオーセンティックなサウンドは、どこか懐かしさがあり、個性を引き換えに安定感のあるサウンドを呈している。
高速道路と訳せるバンド名だと、もう少しイケイケノリノリのスピードメタルを想像するのだが、そこまで過激ではない。

今や主流となるグロウルも登場しない古典も古典のサウンド、レーベルはStormspell Recordsだが音質的なマイナスもなく現代のテクノロジーの発達には舌を巻くばかりだ。CDのプレス枚数の少なさ。それは彼らがマイナーな存在だが、それだけではない。
もはやCDを購入する文化を大切にするのは発展途上国になった日本くらいだろう。こういうマイナーなバンドがリスクを犯す必要がない、それだけに容易に音源をリリースする環境が生まれた。そして我々は簡単に世界中のマイナーな音源に触れる環境と手に入れた。
二昔前ならば、まず聞くことのなかったバンドだろう。感謝しかない。

無難だ画一的な面もあるが、それでも、古典が好きな人には一定の需要があるだろう。ありそうでないサウンドでもある。癖がないのも問題だ、そつのない演奏も個性を鈍らせる、実に難しい。ガンズみたいに下手なバンドでも、自分たちにしかない音があることは何よりも素晴らしい。
しかし、このバンドが目指す方向性にブレはない事は賞賛値する。こういう音はなくしてはいけないジャンルですよね。


HIRAX - Immortal Legacy ★★★ (2023-05-31 13:40:26)

いい意味でクラシックなスタイルに戻ってきたスラッシュサウンド、適度な隙間のある音とメロディを追いかけシャウトする唄い回しと、このバンドらしい個性をむき出しにしてきた。とはいえ、ギターが抜けてしまい寂しさはあるのだが、過度なスピード勝負ではなく強靭なんメタリックグルーブを引っ提げ、大胆不敵にかき鳴らされるサウンドは、昔から貫かれるスタイル、その年季の入った音にブレはなく信じたものを突き詰めた姿勢に頭が下がりますね。スピードメタルとスラッシュの合間を縫うようなエネルギッシュな演奏、そのパワー漲るパフォーマンスはもっと広く認知されるべき魅力を携えているでしょう。いい意味でスキのある音、それが欠点にならず長所に感じさせるキャラクター性がこのバンドにはある。
それも十分立派な個性だろう。いつ何時も全力80点というのが最大の褒めポイント。個人的には歌い手が好きである。


HIRAX - Raging Violence ★★★ (2022-10-06 16:18:58)

インパクトのあるジャケットが有名な黒人シンガーを擁するアメリカンスラッシャーの1st。14曲も入っているのだが大半の曲は2分前後の短い曲ばかりなので30分少々で終わるコンパクトな作品。インパクトが強い短めのアフロヘアーシンガーだが、スラッシュ系によくある絶叫系とは違い、彼はしっかりとメロディを追いかけスピーディーかつヴァイオレントなバックの演奏に埋もれることなくハイトーンをコントロールしながらバンドサウンドの顔としての存在感をアピール、ありそうで余りないスタイルをやり切っているのだが、それは音楽性にも通ずる面であり、ハイテンションなクロスオーバースタイルは、勢いで誤魔化せるだけの力業は十分にあるのだが、もう少し落ち着いて演奏して欲しいなぁとい場面もあるのは事実。
そういう疑問を持たせないだけのインパクトも何度か聴いてると気にはなるでしょうね。それでもマイナスに働かないのは、奇妙さを複合的に組み合わせ昇華させたアイデアと未消化な部分のバランス、それを短い曲にすることで乗りきったのでしょうね。
レコーディングなんて、皆でせーので一気に録音したようなもんだもんね。そういう恐ろしい部分も含めて、今作は評価されるでしょう。個人的にも憎めないファニーさを感じるのは、そのあたりかと思います。


HIROSHIMA - Hiroshima ★★★ (2011-12-30 00:45:02)

15年くらい前に友人からダンボール一箱のCD郡を借金の返済に充てたいが価値の分からぬ奴には売りたくない、その一言に感銘を受け、私は気前良く購買したことを昨日のことのように覚えています。ほぼジャケ買いのようなCD(機会があればTHE NINJAとかね)の中にありましたね。すごいジャケットだっなぁ、スペインのバンドと知ったのは随分後になるのですが北欧風の透明感溢れるメロディが涙腺を刺激する極上のハードポップサウンドを堪能出来る名盤なんですね。バンド名が大きく損をしているのですが、メロディアスなサウンドが大好物な方なら一聴の価値は大いにあります。キーボードの使い方も上手だし煌びやかさと適度なハードさが心地よいです。大掃除がてら久しぶりに聴きましたが改めてクオリティの高さに唸らされましたね


HIROSHIMA - Hiroshima - Broken Heart ★★★ (2012-01-07 23:16:07)

TOBRUK風なメロディアスHM/HRナンバー
イントロからしてきてますね
ギターソロもバッキングのKeyも大好きです


HIROSHIMA - Hiroshima - Come On ★★ (2012-01-07 23:08:44)

爽快感のあるアルバムのオープニングナンバー
コーラスが微妙だけど
好きですよ


HIROSHIMA - Hiroshima - Don't Close Your Eyes ★★★ (2012-01-07 23:23:30)

哀愁のハードポップナンバー
迸る情熱的な感性が好きですね
ロックしてますよ


HIROSHIMA - Hiroshima - Feel The Wind ★★★ (2012-01-07 23:21:07)

リリスズム溢れる極上のハードポップナンバー
ギターソロの入りもカッコいいですね
やはり煌びやかな演出をするKeyが美しい
リズム隊も大人ですがビシッと決まっています


HIROSHIMA - Hiroshima - Forever ★★★ (2012-01-07 23:10:20)

スペイン産とは思えない
爽快感が心地よいです
Keyが奏でるフレーズが好き


HIROSHIMA - Hiroshima - Loneliness ★★★ (2012-01-07 23:18:12)

泣かせるな
大人のメロディアスHM/HRナンバー
叙情的なパートとポップなサビの対比が絶妙


HIROSHIMA - Hiroshima - Missing You ★★★ (2012-01-07 23:13:02)

こりゃまた美旋律に彩られる
メロウなナンバーですね
Keyが奏でるイントロからメロメロの甘美なメロディに咽びます


HIROSHIMA - Hiroshima - Tell Me What You Want ★★★ (2012-01-07 23:24:49)

華やかですね
キラキラしていますよ
唄メロが湿っています
そこがポイントでしょう
サビではポップに弾けます
メロディアスな演出をするインスト陣の無駄のない
アレンジがカッコいいですね


HIROSHIMA - Hiroshima - We Belong ★★ (2012-01-07 23:27:30)

アルバムを通して聴くと
ラストのこの曲が地味に聞こえる
良い曲なんだが印象に残りづらい
哀メロハードポップナンバー
佳作です


HIROSHIMA - Taste of Death ★★★ (2020-09-14 13:34:50)

70年代から活動していた北欧の古参HM/HRグループが1984年にリリースした1st。原始的なロックの源流ではあるが、倦怠感や投げやりな陶酔感とは無縁なのが、北欧出身という事なのか、豪快なリフ、リズムを従えてはいるが、北欧ならではの冷ややかなメロディが顔を覗かせており、シンプルなビートの合間を縫うような叙情性に耳が行きますね。コーラスワークの重ね方もドラマ性を増幅、シンプルな構成なのに濃厚に映り込む③のような曲を聴かされると、只者ではないなぁと思いますね。それ以降も豪胆さと繊細さを巧みに盛り込んだ楽曲が登場。古めかしいロックは苦手という人にもトライして欲しい、親しみやすさがある。
NWOBHMとも違うし、ヨーロッパに代表されるような糖度の高いメロディとロマンティックなムードでもない、その無頼な元祖北欧ロックの旨味、燃え盛る熱情と美しさを醸し出す叙情性、アルバム一枚で消えた幻のバンドではあるが、ブレない筋の通った音楽性は無名だからで埋もれさせるのが勿体ないと思いますね。
ギタープレイの自己主張具合も古典的。アンサンブルの作りも懐かしい。これでいいのだと思うお約束がいっぱいである。やっぱメロディに情緒があるのが欧州なんだろうなぁ。


HIROYA ★★ (2008-05-12 04:43:00)

アンセムの20周年で彼を見たのが最後です
巷で噂されるわだかまりを捨てシーンに復帰してもらいたいものです
現在はカメラマンとして活躍しているようですが
またギターを弾いている姿を見たいですね


HIROYA - RESUSCITATION ★★ (2008-05-12 04:27:00)

アンセム福田洋也の6曲入りの1stソロ・アルバム。収録されている5曲がインストもので1曲は一曲目のギターマイナス・ワンのコンテスト用だったような気がします。スリリングかつハードなナンバーから、ピアノをフューチャーしたバラードとバラエティに富んだ楽曲が収録されています。久々に本領を発揮した洋也のギター・プレイを堪能できる好盤へと仕上がっています。リズム隊にアイオンのベースDEENとドラム愁がインストもので三曲参加しています。今アルバムのハイライトは間違いなくANTHEM時代の未発表曲を坂本英三をはじめB,MASAKI、Ds北岡新紀、Key,河野陽吾、を従えプレイした唄ものです。マテリアルとしては初期の名盤[BOUND TO BRAKE]のものでアンセムらしいパワーメタルな一曲ですです。この一曲が聴きたくて僕は買いました、硬質でソリッドな質感が心地よいスピードナンバーと英三の熱い歌声に感慨深いモノがこみ上げてきましたね。


HIROYA - RESUSCITATION - SILENT VIOLENCE ★★★ (2008-05-12 04:40:03)

初期アンセムそのままのスピーディーなパワーメタルナンバー
ガッツ溢れる名曲です。キャッチャーな唄メロをパワフルに歌う坂本英三の歌唱が楽曲の魅力を数段アップしています


HIROYA - RESUSCITATION - STORMY ON THE RACE ★★★ (2008-05-12 04:33:23)

洋也節全開のスリリングかつスピーディーなインストナンバー
思わず熱いものがこみ上げてきますね
2ndソロではゲスト参加のcanonという若者が演奏しています


HIROYA - RESUSCITATION - TOP OF HILL ★★ (2008-05-12 04:36:08)

ピアノをフューチャーした洋也のエモーショナルなギタープレイが堪能出来るインストナンバー


HITTEN - First Strike With The Devil ★★★ (2016-06-06 12:50:25)

IRON CURTAINのギタリスト、ダニの別バンドの1st。いまどき珍しい実直な80年代型HM/HRを聴かせるスペインはムルシア出身の5人組。情熱がほとばしるメロディとドライブ感に富んだリズム、キャッチーな歌メロを歌い上げる前任者よりも逞しいハスキーヴォイス、楽曲の方向性があまりにもド真ん中過ぎるので、ボヤけてしまうが攻めの姿勢を崩さないツインギターによるエキサイティングかつスリリングなプレイは活きの良さも手伝い実に魅力的だ。メタルな硬質感を損なわず、ワイルドでキャッチーな楽曲は哀愁度も高めだがパンチの効いた歯切れの良さにはドライな感覚もあり、それがスペイン産ならではの味なんでしょう。マイナーなシケシケメタルとはチョイと違う垢抜けた要素も高く、実にバランス感覚に優れた1枚ですね。無難過ぎるが故にノスタルジーをくすぐるだけで終わる要素も強いので聞き手の評価も割れそうですね。欧州や南米のメタルシーンがどのような盛り上がりを見せているかは国内の情報を頼りにしてもサッパリ分かりませんが『No Remorse Records』からリリースした今作が予想外のヒットをしたという背景を考えると実に興味深いですね。


HITTEN - Shake the World ★★★ (2016-06-05 19:23:06)

IRON CURTAINのギタリスト、ダニのサイドプロジェクトだったバンドが2012年にリリースしたEP。向こうのバンドでも活きのいいギターを奏でておりましたが、ご多分にもれずコチラでも熱いエナジーが迸る、ホッカホカのピュアメタルを披露、もうチョイ捻っていいんじゃないの?と心配になるようなヴィンテージ臭漂うスタイルがなんとも微笑ましく、5曲全てスピードナンバーってのもバンドの方向性を明確にしめしており、スカッとしたい趣の方には繰り返し聴きたくなる手頃感があるでしょう。バキバキとアタッキーなベースにパワフルドラム、メロディックかつ攻撃的なギター、線は細いがヒステリックなハイトーンがカッコいいシンガーと、往年のスタイルを愛する方たちのスタルジーをおもっきりくすぐっていくのでしょう。ある意味、バンドの音楽性はラストに収録された、アクセル・ルディ・ペルが在籍していた事でも知られるドイツのバンド「STEELER」のカヴァー曲に集約されていると思います。彼らはNWOTHMと呼ばれる若手とは違い、モロにあの時代の音楽を踏襲し、寄せに行かずに本気でこういう形になったと思わせるところが最大の魅力でしょう。挨拶代わりの5曲入りとしては申し分ないボリューム感でしたね。


HITTEN - Twist of Fate - Take It All ★★★ (2022-03-20 13:29:00)

パワフルなリズムを従え叙情的なメロディを歌い上げるシンガー
そのフックのある歌メロにグッと掴まれます
硬軟交えたガチンコメタルの旨味
こういうメロディとハードな設えのサウンドは大好きですねぇ
情熱刑事哀愁系なのがたまらん


HITTMAN - Destroy All Humans ★★★ (2020-10-03 13:16:36)

知らないうちに復活していたアメリカの老舗正統派HM/HRバンドの3枚目。いきなりRAINBOWタッチの中近東風メロディが耳を惹くあの曲っぽい奴の登場に驚きます。あれこんなバンドだったっけ?が第一印象だ。その後も、思いのほかオーセンティックな味付けのHM/HRサウンドが登場するのに驚かされる。この復活劇は、彼等にとって必要な熟成期間だったのかと思わせる仕様になっている。

RAINBOW化というよりはRATA BLANCA化と個人的には言いたいのだが、これでNo Remorse Recordsからのリリースも頷けますね。昔から音だけ聴けば、アメリカとは思えない欧州志向のスタイルだっただけに驚きはないが、このドラマ性を有するガチンコメタルサウンドの需要は確実にあるのもであり、彼等が昔の名前だけで出ているバンドではないのが伺えるのも好印象。今後はコンスタントに作品をリリースし空白の期間を埋めてもらいたいものです。


都会的な洗練度は、マイナーバンドにありがちな野暮ったさは見事に排斥、哀愁を帯びたメタリックサウンドは深い情感を生み出し聴き手を魅了していきます。細かいことを言いだすと、色んな拝借が気にかかるのが個人的な不満ではあるが、オジサンになると許容範囲がガバガバなので、何でも許せるようになりました。

ここは素直に志半ばで倒れたベテランによる捲土重来と思い聴いて欲しいですね。


HITTMAN - Hittman ★★★ (2017-09-05 16:31:46)

ニューヨーカーなのにドイツのSteamhammerからアルバムをリリースした事が物語るように、マイナー調のメロディが映える正統派のHM/HRサウンドを披露。メロディックなツインリードと直線的なビートをたたき出すリズム隊を軸に、どっしりと構えたミドルナンバーが中心の作品なので、今一つ即効性に欠けるのですが、アコギなどを導入したアイデアや、キャッチーなメロも巧みに散りばめる構成力など、アレンジ力もありジックリと耳を傾けて楽しみたい作風ではあります。
しかし全体的な詰めの甘さと言うのか、平坦なミックスが無難さに拍車を掛けている面があり、その辺りが聴き手の評価を大きく分けるでしょうね。もう少しアルバムを通して起伏があれば良いのですが、その辺りが今日までオフィシャルな形での再発に漕ぎつけらていない原因なのかも知れませんが、正攻法で迫るアメリカンメタルが好きな方なら聴いて欲しいですね。ちなみに⑦はJohnny Riversのカヴァーソングで有名なリフレインがあるから原曲なら、知らずに聴いている可能性は高いのですが、Cirith Ungolもカヴァーしたらしいし、日本だと忌野清志郎さんがカヴァーしているので馴染みがあるかも知れません。
リリース当時、友人がこのバンドの事を興奮しながら教えてくれました、なんでもAttilaのリズム隊が抜けて作られたバンドで、シンガーはニール・ダービンの前にAnthraxで歌っていた人物だとね…ワシにはレア過ぎる情報でしたよ。


HITTMAN - Vivas Machina - Mercy ★★★ (2020-11-19 13:24:21)

8分超えの大作ナンバー
シンガーは情感たっぷりに歌い上げ
中盤に設けられた仕掛け
そのシアトリカルな展開も含めプログレッシブロックに通ずる魅力がある
アルバムの最後に大勝負を賭けてきた
厳ついアレンジを避け万人向けたのもプロデュース力の賜物
このバンドは本気で天下を取りに行ったんだと理解できる聴きごたえのある力作


HITTMAN - Vivas Machina - Say a Prayer for Me ★★★ (2020-11-19 13:15:31)

タイトルまでBON JOVI風かよ
無頼なパワーメタルバンドだと思っていたら
器用なグループだったんですね
フックのある哀愁美と大衆性
ここは素直に楽しんだもの勝ちでしょう


HOBBS' ANGEL OF DEATH - Heaven Bled ★★ (2021-03-30 18:02:42)

どこかファニーなイメージがあったバンドの首謀者であるピーター・ホブスさん、雑誌の低評価もそこに加わり、一般的には割を食った印象が強い。しかし、生粋のスラッシュマニアからは、そのキャラも含め愛されるべきバンドして一目を置かれたのは事実。久しぶりの復活作となる今作に対する期待値は決して低くない状況の中で、見事にこちらの期待を裏切ってきました。
単なる80年代スタイルの焼き回しに終わらないブルータリティの増量、それはオープニングから炸裂。切り刻まれるブラストビートとブラッケンドなアグレッションを有するナンバーの登場に衝撃を受けました。その路線はアルバム全体で感じさせるものであり、新しい時代を巧みに飲み込み、この時代に復帰する意味合いを強く感じさせてくれました。

個人的には、行き過ぎた印象は否めないものの、若い人たちにも存分に訴求する魅力を携えており、現役のアーティストとしての矜持を感じます。
以前よりもテクニカルな要素に偏った新生サウンド、手数足数の多いドラムはバンドの推進力となりイーブルなスラッシュサウンドを牽引、ギターも思いのほか、メロディアスなフレーズを奏でガラリと印象を変えてきた。


HOBBS' ANGEL OF DEATH - Hobbs' Angel of Death ★★★ (2019-10-22 12:41:00)

最近、このバンドの主役たるピーター・ホブス氏の訃報を聴かされた。取り立て思い入れの強いアーティストでもないが、青春時代のワタクシに気合いを入れ続けてくれたスラッシュサウンド、その猛者たちに比肩するクオリティと、ファニーなキャラが魅力のピーターさん、2000年以降は本格的な復帰も果たしていただけに、残念ですね。やはり志半ばと言ったところなんだろうか?そういえば初来日の話を聴いたが、無理してでも見ておけば良かったなぁと、今更ながら悔恨です。

ジョージ吾妻氏から手厳しい批評を喰らい、日本では目が出なかったピーターさん、そんな批評を参考程度と理性的な判断が出来る方なら(どうどうと点数をつけると言うのは難しいですよ)ここで聴けるイーブルかつスピーディーな割と直球多めのスラッシュサウンドにグッと引き寄せられるでしょうね。皆さんが指摘するように初期SLAYERに通ずる音楽性の為に、やや類型的に感じるかも知れないが、欧州スタイルに通ずる情緒や、スピードで誤魔化さないドラマ性を加味した楽曲は、どれも聴き応え十分、その個性と模倣もしり上がりに練り上げられる印象もあり、聴き終えた後の満足感は、名もない食堂で大あたりのランチに出会った気分だ。

こうして時を経て耳を傾けると、彼がいかに真っ当なスタイルのへヴィメタルに取り組んでいたかを確認できる、硬質なリフワークにメロディックなソロ、鋼のへヴィグルーブを従え、獅子が咆哮すると言うスタイルは、ある意味メタルの基本と言えるでしょうね。初期衝動を擽る王道サウンドの旨味。昔、聴いていたよりも、最近の方がずっと魅力的に感じるというのは不思議なものです。


HOCCULTA - Warning Games ★★★ (2017-07-03 15:02:24)

イタリアンメタルを語る上では外す事の出来ないレジャンダリーなバンドが1984年にリリースした1st。何かが始まる予感を煽るSE風のイントロから一転、メロディックかつシャープに疾走する『We'll Play Again』に悶絶。RIOTの『Thundersteel』風の曲調にマニアならハートを掴まれるでょう。その流れを損なわないキレのある②と続き、勢いのあるメロディックなスピードナンバーを連発、NWOBHMの影響をモロに受けつつ、欧州由来の湿り気のあるダークなメロディと力強さを損なわない扇情的なフレージングの旨みは、Scorpions辺りをイメージさせるもの、そのイメージに拍車を掛けるのがシンガーのマッシモ・ロディニの節回。その伸びやかな歌唱スタイルはクラウス・マイネにそっくりなので、質の高い類似性と親近感を覚えますね。
ドメスティックなマイナーメタル故に、改善点も多々あるが、1984年という時代性を考えると、クオリティは高くもっと認知されても良いと思うのだが、全く知られていないのが残念ですね。

余談ですがイタリアンメタルが広く認知されたのは確か、RhapsodやLabyrinthが表の世界で紹介された辺りの事だと思いますが、80年代から活況していた時代もあり、けっしてマイナーなシーンではないし、有望株も沢山いたし日本でもウケそうなバンドもゴロゴロいるのに、なぜワールドワイドに打って出る事が出来なかったのか疑問でしたが、イタリア通の話によると、イタリアでウケるには母国語で歌わないとイケない、そうしないとレーベルと契約が取れない、ところがイタリア語だと国外には出せない、その壁が大きくあるらしい、そう教えてもらいました。なんだか我が国と同じような状況があるんですね。嘘か本当かは分かりませんが、ワタクシも高品質なマイナーイタリアンメタルに出会う度に衝撃を受けるので、あながち噂話で片付ける事は出来ませんでしたね。
こういう作品群を聴くと、同じ時代に生きていたので激しく共感出来るし、その時代にリアルタイムで聴きたかったぁと強く思います。今の若い人は羨ましい、その気になれば自分好みの音楽を追求する事が可能なのだから。