Sha-Boomのシンガーとして知られるダグフィン・ストロームがダグ・フィン名義でリリースしたソロアルバム。彼の歌声を前に出した作風はいかにも北欧風の哀メロを搭載した叙情はハードポップサウンドを展開、爽快で冷ややかな風を運ぶキーボードと嫌みの無いハードサウンドは、日本人の感性に訴えかける場面も多いでしょうね。今作のリリースが1991年なのですが、既にあのトミー・ディナンダーが楽曲を提供、その筋の歌モノロックを愛する方ならドンピシャの方向性に進んでいますよ。 ミカエル・アーランドソンなどが好きな方なら大いに楽しめるでしょう、全ての楽曲に不自然さがないんですよね。あるべくして出てくる弾けるポップロックの旨味、どんな曲を歌っても邪魔しない個性と力強さ、そのおかげで全てが高品質なクオリティを保持、ラモーンズもやったI Wanna Be Your Boyfriendも様になっていますよ。この器用さがあってのダグなのですが、Sha-Boom自体が日本で知られていないので、誰やねんでしょう。今のご時世、視聴しやすい環境でもあるので北欧ハードポップサウンドが好みの方や歌モノロックを愛する方はお探しください。 北欧人脈が多いですからね、ギターにWIGWAMのティニーの名前があったりとマニアなら食指も伸びるメンツが顔を揃えていますよ。
BLACKLACEのギター、カルロ・フラグニーロとベースのアンソニー・フラグニート兄弟がLACKLACE解散後、カルロが結成したバンドN.R.Gで活動を共にしたシンガー、レス・ブラウンらと結成したアメリカンHM/HRバンドのコンピ作。80年代後半から90年代までに録音したデモ音源などを中心とした作品なのだが、これが実に質の高い一品へと仕上げている。メインストリームど真ん中の路線、だが脳天気なパーティーロックと言うよりも、もっと芯のある正統性の強いスタイルを構築、ノリの良いダイナミックなハードサウンドは勿論だが、バラードもしっとりと泣かせ、器用にやり切っている。 確かにお手本のある没個性なスタイルではあるが、BLACKLACE解散後、こういうスタイルに進み活動していたんだなぁと思うと嬉しくなりますね。レス・ブラウンのブルージーでハスキーな歌声も、ガンズシンドロームにも対応。バブリーな音楽性に楔を打ち込んでいます。WARRENTを思い出しますが、もうチョイブルージーですね。 ちなみに、レス・ブラウンとカルロと組んだバンド時代、アニメ映画トランスフォーマーのサントラに参加、『Instruments of Destruction』という曲を提供していますので、そちらの方が有名かも知れません、スタン・ブッシュやLIONも参加した奴ですのでね。
ジョン・ブッシュが歌うIf You Were Godもメロディックな正統派ナンバーであり、この曲は④でもライブとして登場するので聴き比べて楽しめます。そのあとはデイヴィッド・グレンアイズリーの登場と彼のエモーショナルな歌声を生かしたメロウなサウンドの登場に、ニンマリさせられました。 Megadethのような尖りまくったサウンドと期待すると、後半に進むにつれ眠たくなるのでしょうが、デイブのミュージシャンとしての多様性に触れたいマニアなら大いに好奇心を刺激されたでしょう。早い段階から5弦ベースを操るミュージシャンとして名を上げた男。その生き様が投影された一枚。単なる寄せ集めではないと思わせる魅力はあるが、個人的には大好きな路線でも、デイヴィッドとやった未発表曲は毛色が違い過ぎで戸惑いますよね。
かつてADRENALINというバンド名で活動、アルバム『Road of the Gypsy』をリリースするもバンドは契約を切られる。ちなみのアルバムの表題曲は映画『アイアン・イーグル』のサントラとして採用、全く無名の存在という分けではないがバンドは一旦区切りを付ける。 詳しいバイオはサッパリなのだが、音楽性の質は高く次の一手を期待させるモノでした。 それから紆余曲折を経てバンド名を改め1992年に再デビュー、それがこちらのアルバムになります。 92年という時代にそぐわない方向性かも知れないが、往年の雰囲気を感じさせる洗練されたメインストリーム寄りの作風を展開、○○風ではありが、逆に懐かしいなぁと感じさせるスタイルではあるが、やや時代遅れ感はあるのかも知れない。6人のメンバー中、兄弟が2組いるという変わり種バンドで、ちょっと印象に残っていました。
01. Intro 02. Starlight 03. Living For Tonite 04. Flash Rockin Man 05. London Leatherboys 06. Midnight Mover 07. Breaker 08. Head Over Heels 09. Neon Night 10. Princess Of The Dawn 11. Winterdreams 12. Restless And Wild 13. Son Of A Bitch
ディスク 2
01. Up To The Limit 02. Wrong Is Right 03. Midnight Highway 04. Screaming For A Love-Bite 05. Monsterman 06. T.V. War 07. Losers And Winners 08. Metal Heart 09. I m A Rebel 10. Fast As A Shark 11. Balls To The Wall 12. Burning 13. Outro
Metal Blade Records主催のコンピ作Metal Massacre VIIに登場した事がチョイとした話題になったパワー/スピードメタルバンドの1st。そのサウンドは一口で言い表す事の出来ない多様性がありスラッシュメタルと呼んでも差し支えがないほど疾走感も強めだが、それよりは正統性やメタルな様式を感じさせるためにパワー/スピードメタル系と括りたいが、どうでも良い事でしょうね。