シュラプネル主催のU.S. Metal Vol.IIにて、その存在を知らしめたシアトルの正統派HM/HRバンドの1st。良く動き回るベースと手数の多いドラム、濃厚に絡み合う2本のギターがメイデン風のある構築美の高い重厚なサウンドを披露と、味付けはかなり濃い目です。シュラプネルと言えばなスピード級ではない、プログレッシブな展開を導入したミドルナンバー中心の音楽性は、正にガチンコアメリカンメタルの真骨頂と言ったところだろう。 日本人好みのキャッチーさや情緒の欠けたスタイル故に、分かりやすさを求めるマニアには退屈極まりないサウンドとなるのだろうが、この愛想のないスタイルこそ、浮かれ気分でロックンロールなメタルバブル前夜のUSシーンだからこそ、成り得たスタイルと思え、必ずや我が国にも需要のあるシリアスなメタルサウンドである。一筋縄ではいかぬ濃厚さも、ハマれば魅力も倍増となかなかの聴きごたえがあります。 このバンド、今作を残しバンドは空中分解、TKOに流れたりとした為に、イマイチ認知度を上げられなかったのだが、ネオクラ量産工場と化す前のレーベルの多様性を知る上では貴重な音源かと思います。侮るなかれシュラプネル。どこかマイナー臭を放つレーベル成れど、スピード狂を満足させるだけではない懐の深さを味わってほしいですね。
ベースにマイク・ウェジウッドが参加、バンドの体制も強化され音楽的な方向性も固まりだした、初期の代表作に押される3枚目のアルバム。オープニングから幻想的なメロディが舞い踊るロマン溢れるエレクトリックなフォークロックで掴みはOK。その流れを損なうことなく、次のMELINDA(More or Less)フルートの音色も悲しいフォークサウンドで魅了と、前作までに感じた実験的要素を排除し、何をしたいのかを明確にアピールしているように感じさせたのは大正解だろう。 Not Quite The Sameではブラスバンドも大活躍、ささやくような歌いまわしの絶妙、コケティッシュな魅力のみならず、妖艶さに磨きがかかるソーニャ嬢だが、ここでは愛くるしい乙女といった様相と面白いです。 Cheetahではキレのあるヴァイオリンに導かれスリル満点の演奏を堪能できるインストが登場、このバンドの魅力を余すことなく伝えているが、どの楽曲もコンパクトに纏められ、聞きやすく仕上げたバンドの勝ちだろう。その中で8曲目に登場する「Over And Above」の濃厚な展開に酔いしれます。もっと大作ナンバーが欲しいという願望はあるのだが、ここまで色彩豊かな楽曲を揃えられると文句も言えず、方向性を固めた今作の親しみやすさに諸手を挙げて万歳といけますね。 でも前2作よりはロック色が薄まったといえるので、ハードなものが主食に方には物足りなさも強まったでしょう。そのあたりが評価を分けそうですが、素直に耳を傾ければ、初期の代表作に偽りなしの名盤と断言できる出来栄えを誇ってるでしょう。
1984年リリースの1st。メロディを大切にしたオーソドックスなHM/HRサウンドを聞かせてくれます。③のような疾走ナンバーも用意していますが、デフ・レパードのような④あたりが主題となりポップセンスを生かした幅広い楽曲を披露しドイツ産とは思えないワールドワイドなサウンドで勝負を賭けています。キーボードが広がりを与える①や都会的な洗練度がシャレている⑤などもそうでしょうね。(⑧ではプレイング・マンティスもカヴァーした「All Day And All Of The Night」もやっています)。安定感のあるプレイは勿論、若干後半は盛り下がりますが、なかなか1stとは思えない粒ぞろいの楽曲にメロディ派なら一聴する価値はあるでしょう、ギターも巧いしドラムもズバンと邪魔にならないタイトなドラミングを鳴らし、そこに効果的なキーボードのフレーズを盛り込みハードにまとめ上げる手腕は見事です。
1984年リリースの1st。メロディを大切にしたオーソドックスなHM/HRサウンドを聞かせてくれます。③のような疾走ナンバーも用意していますが、デフ・レパードのような④あたりが主題となりポップセンスを生かした幅広い楽曲を披露しドイツ産とは思えないワールドワイドなサウンドで勝負を賭けています。キーボードが広がりを与える①や都会的な洗練度がシャレている⑤などもそうでしょうね。(⑧ではプレイング・マンティスもカヴァーした「All Day And All Of The Night」もやっています)。安定感のあるプレイは勿論、若干後半は盛り下がりますが、なかなか1stとは思えない粒ぞろいの楽曲にメロディ派なら一聴する価値はあるでしょう、ギターも巧いしドラムもズバンと邪魔にならないタイトなドラミングを鳴らし、そこに効果的なキーボードのフレーズを盛り込みハードにまとめ上げる手腕は見事です。
1stはトーマス・ヴィクストロームをシンガーに、そして2013年の今作はMr,北欧ヴォイスと思っておりますクリスタルな煌めきと深みのある歌声が魅力のヨラン・エドマンを迎え入れリリースされております。懐かしい北欧風のメロディックなAOR系のHM/HRサウンドを響かせており。マニアなら頭からケツまで感動の嵐が巻き起こるでしょう。どの曲もシングルカットされてもおかしくないクオリティを兼ね備えておりキャッチーなメロディが優美で軽やかに躍動する様は変わり映えのないジャンルならではの王道を押さえております。MR,BIGのカヴァーもやった事あるくらいなんで泣きすぎず、やや乾き目なのも狭い狭義で語られることのない大衆性をまとい、万人受けする寛容なスタイルを築いていると思います。涙腺を刺激する「Hold On」「Think About All Times」とか個人的には大好きなスタイルですね。メロディ愛好家には強くおススメをする一枚、けして軟弱にならないアレンジと邪魔をしないツボを押さえたギタープレイとリズム隊の職人技は見事な塩梅ですよ。
DEAD END、MAZERAN、AION、Z-SECTなどを世に送り出した事で知られるナイトギャラリーからデビューした大阪の4人組によるミニEP。当時の日本人らしい、所謂、既成の楽曲を分解し組み合わせ作り直したような、アイデア勝負な楽曲が収録されており、良くも悪くも何処かで聴いたようなフレーズの多さが気になるともう駄目です(ラフな日本人的歌唱スタイルもね)ところが聴きなれるとこれが癖になりまして、実にツボを押さえた演奏が耳を惹く4曲となります。センス溢れるギターワークは勿論、軽めの音質ながらもタイトなリズムプレイも悪くない、トリッキーな技も無い、フレーズに新鮮味もない、でも組み合わせの旨味からくるスリルのある展開は、色んな意味で衝撃的だ。ある意味伝統的なスタイルだし正攻法で勝負する姿勢は中々興味のそそられるものでした。④曲入りのミニなので全貌は見えてきませんが、愛すべきバンドでしたね。
シルヴィ・ラクロア嬢がフロントマンを務めるシアトル出身の正統派HM/HRバンドが1986年にリリースした1st。ラストに収録されているタイトルトラックのCrack of Doomのリフなんてリッチーマニアならニアニアさせられるだろうし、アメリカのバンドなので明るめのライトな楽曲もあるが、ダークな色合いが強くバンドの目指している方向性と、お国柄がバッチンバッチンとぶつかっているようで聴いていてチョット面白い。スケールの大きなロックサウンドを母体にいかような方向性に進むかを試行錯誤する姿に可能性を大いに感じるし、とにかく空間を引き裂くようにヨーロピアンテイスト溢れるリードギターが顔を出す瞬間に、この時代ならではのUSアングラメタルシーンの在りし日の姿を垣間見ますね。初期Twisted Sisterあたりが持つアングラな雰囲気が好きな人なら愛着を覚える一枚でしょう。