1987年にリリースされた4曲入りのデモ音源。ラフな演奏だが、作品のクオリティは高く、この作品を元に正規のアルバムに着手出来るほどの充実感を味わう事が出来る。 シャープなメタルナンバーもあるが、ウネウネドロドロとした妖しげなリズムとメロディが蠢くサタニカルな世界観もあり、このバンドの魅力を端的に物語っているでしょう。 1986年にEP『Whisper of the Evil』をリリース、高い評価を受けるもメンバーチェンジの憂き目にあい、活動が尻すぼみ、そして解散というファンとしては、釈然としない出来事でしたが、今作を聴けば確実に次の一手があったと思うだけに残念でしたね。 昨年活動を再開した彼ら、2018年にはアナログ盤しか存在しない『Whisper of the Evil』をボートラ入りで再発すると言うのだから朗報でしょう。そして早く新譜が聴きたいッス。
名古屋の老舗ライブハウスELECTRIC LADY LANDが主催したV.A(TILT、LUSHELらと参加)に『Don't Be in a Hurry』『destitute song』の2曲を収録。その後、Electric Lady Land Recordsからシングル、ミニアルバム、デモをリリースする事に、SNIPERやTILTと共に名古屋を代表するバンドまで登り詰めるのですが、この時点では、既に妖しげなメロディと日本人的エッセンスと言うものを巧みに両立させており、まだまだ詰めの甘さはあれど、大物になりえたる片鱗を感じさせる実に興味深い仕上がりになっています。インディーズ止まりの為、どうしても知名度の低さを拭いさる事は出来ないのだが、サタニカルという世界観をネタにならずに演出する稀有なバンドだった。
Want It Allなどパワーメタル風味と様式メタルを融合させ力感と華麗さをアピール。少々古めかしい鍵盤プレイをねじ込み古き良き時代に誘ってくれる。そしてPictures of Loveでまた甘い世界へと導き、その北欧テイストが優しく寄り添いロマンティシズムを強めたサウンドで魅了。 Bird on a Wireの持つキャッチーさ、②以降の流れは素晴らしく初期の頃の彼らの魅力を補完した。目新しさのないサウンドではあるが堅実である。