ブライアン・ロスが抜けた為に元サタンのシンガー、ルー・テイラーが出戻り。(サタンファミリーは何気に優秀なミュージシャンを輩出していますね)、紆余曲折を経てバンド名を変更して世に出たアルバム。ある意味サタンの「Court in the Act」に次ぐ幻の2ndとマニアの間では語られる事もある一枚。それもオープニングに①聴けば納得してもらえるでしょう、NWOBHM由来のシャープなギターと直線的で攻撃的なリズムプレイ、オーソドックスな曲調ですが、これぞな作風に胸焦がれるものがありグッと引き寄せられるでしょう。多彩なフレージングと芸の細やかなアレンジも映える②濃密なSATAN風サウンドを堪能できる③と三様の魅力溢れる楽曲が続く構成も見事、全般的に灰汁も薄まりより大衆性が増したのも好印象ですね。アルバム一枚で消えてしまった為、イマイチ知名度も低いのかも知れませんがNWOBHMマニアは勿論、正統性の強いHM/HRが好きな方なら聴いて損はしないでしょうね。2009年に再発された時、久しぶりに今作を聴いたのですが、憂いのあるメロディを沸々と燃え上がる熱情でパッケージした今作を聴き改めてNWOBHMのなんたるかに触れたような気がします。個人的には⑤がハイライトでした。
ちなみにワタクシの所持しているのは下記の収録順です。 1.Majesty 2.Guardian of the Blind 3.Trial by the Archon 4.Wizard's Crown 5.Run for the Night 6.The Martyr 7.Battalions of Fear 8.By the Gates of Moria
結成から3年遂にリリースされた待望のフルアルバム。ソウルフルな歌声で魅了する高谷学の確かな歌声、古めかしい鍵盤楽器も懐かしい音色を奏で、このハートフルなサウンドを紡ぐ。その根幹はギターでありメインソングライターの中村達也のセンスによるものだが、バンド名由来するWHITESNAKE風味もあるが、それ以上にハードでダイナミックなサウンドは、渋さと相反する攻撃性を秘めており、そのバランス感覚が絶妙である。スケールの大きい風格漂う①で始まり、活きのいい②。そしてエモーショナルな③というタイプの違う楽曲を続けることで、このバンドが様式美系でもネオクラ系でもない、何よりBACK TO 70年代でもない、現在進行形の古典ロックバンドであることを印象づけた。ライブでも人気があり、このバンドの名をマニアに浸透させた⑤、そしてエモーショナルなハードサウンドを信条とするバンドとしては真骨頂とも言える⑧と、既にバンドとしての狙いは定まっていた。
1991年に『Ten Years of Blitzkrieg』というタイトルのEPをリリースしている彼ら、今作はそのアルバムにセルフリメイク作に新曲を5曲追加してリリースされたもの、国内盤は当時ブイブイと言わせていたPony Canyonからリリースですから驚きですよ。そんな企画モノですが、彼らの初期の楽曲が簡単に聴けたりと悪くはないが、どちからと言えばコレクター向けの一品と言えよう。 でも8曲目のタイトルがSATANのデビューアルバムと同じ『Court in the Act』とか見つけちゃうと、聴きたくなるんですよね。
The Mists of Avalonというタイトルのファンタジー小説があるのだが、今作はその物語を題材としたコンセプト色の強いアルバムなのだろう。特にオープニングの①なんで20分もある組曲形式だから、その気合いの入りようが分かるでしょう。 とは言いつつもNEAT RECORDSなんで音質は期待できないから不発弾で終わるのが残念。全般的にメリハリがないのがね。それでも前作にはなかったへヴィなミドルナンバーもありと作品として迫力は倍増、ポップでキャッチーなメロディを沸々と燃え上がる、ブライアン・ロスらしい歌い回しで自分色の染め上げる姿には一日の長を感じ、どこかで聴いたことのあるフレーズがあったとて、気にならないと思わせる手腕に引き込まれますね。 パワフルなへヴィメタルサウンドに持ちこまれる森の奥深くに立ちこめる霧、そのモヤモヤ感と独特のメロセンスが、このバンド最大の魅力だろう。垢ぬけないのが最大のポイントです。そして所謂、マニアご用達もマイナー臭と同じくらいメジャーなポップセンスが際立っているも、このバンドならではのお楽しみなんです。有るようで無い唯一無二の個性、これもまた最大の魅力なんですよね。
個人的にはあんまり得意ではないジャンルなんですが、贔屓にしているCDショップに並んでいるジャケットに魅入られ思わず購入なんですが、所謂、ドロドロとしたディストーションが掛かった引きずるようにヘヴィなリフワーク、単純な4拍子であっても独特のグルーブが、なんとも言えない捩じれと歪みを生み出し酔いどれ感もハンパなく聴き手を危険ドラックな世界へと誘い、音像的にも相当なトリップ感があり中毒性の高いサウンドに魅入られます。イイじゃないのホラーテイスト満載の血まみれドゥームサウンド(カタカナ&日本語のレトロな帯びたたきも良かったね)単に古い音楽をなぞるだけではないDEEPな音にクラクラ酔わされます。4、5年前に衝動買いしたアルバムだったんですが、思いのほか、この手のスタイルに耐性ができており、以降かなりの勢いでハマり買い漁る事になりました。その中でも今作は陰湿でサイケな雰囲気と暴力性、その中にある密度の高い緊張感溢れる名演の数々はドゥームロックというジャンルの中でも最高峰に位置していると言っても過言ではないでしょう。個人的にもY.G.Bのギターソロやバンドの真骨頂とも言える狂気が吹き荒れるカルトなホラーサウンドが展開されるGeneral Urko / I Drink Your Blood はたまらんですよ