当時は小型ロニーと揶揄されたトニー・マーティンが参加したアルバムで名作「HEAVEN AND HELL」の流れを組むサバス名義の名に恥じない名盤を紹介します 自らが作り上げた様式美の世界観を存分に轟かせた今作はマニアならずとも要チェックではないでしょうか、重厚なアンサンブルとアイオミの奏でるギターリフにドラマティックな構築美が見事に昇華した名曲が揃い聞き応え充分の内容となっています、新シンガーのマーティンはロニーを彷彿とする歌唱を披露していますが、マイルドでライトな色合いの声質で楽曲に新たな息吹を与えています、ロニー以降のメロディアスなサバスが好きな方なら押さえて損はないでしょう、様式美サウンドに触れて見たい方も是非聴いて欲しいですね。数々のトラブルを乗り越えリリースされた今作はサバスらしい威厳にみちた名盤だと思う
テキサス生まれのアフリカ系アメリカ人のウィリー・バッセが立ち上げたバンドのデビュー作。あのエニグマレコードからデビューを果たしたように、けっして期待値の低いバンドではなかったかと思うのですが、我が国では低評価の人種差別発言も飛び出す酷評をウケ(顔に墨塗ってもどうにもならないみたいな事を日本のメタルゴットがレビューに書き連ねたらしい)、そりゃもう酷い扱いでしたね。2曲目でいきなり予想外のカヴァー、シュープリームスの『Stop in The Name of Love』取り上げたりと面白い試みもあるのですが、概ねロン・キール率いるSTEELER辺りを思わせる平坦なノリのアメリカンロックに突如切れ込んでくる速弾きがありますなので、その筋のマニアには興味も惹かれる所ですかね。つまんねぇ楽曲ばっかりの箸にも棒にもかからねぇアルバムだなぁと言われたら返す言葉も見つかりませんが、派手なトッド・デビートのドラムも悪くないし、なんと言っても今作に参加する二人のギタリストがマニア心をくすぐります。 今もって大きなバンド活動で爪痕を残せませんが、速弾き系ギタリストとしてデビュー前のM.A.R.S.やインギーの後任としてSTEELERに参加、その後マスターマインド博士やニール・タービンと活動を共にするカート・ジェイムス。もう一人の相棒はマキタの電動ドリルの売り上げに絶大なる貢献を果たした男。ギタースクールを卒業して間もないポール・ギルバートが参加している事が最大の聴きどころでしょう(プロキャリアの出発はRACER Xじゃなったんだね) この二人が同時に参加しているのですが、既に出来上がったバンドにはめ込まれた程度と推察されるので、正直二人のプレイは、その後の活動を考えると物足りないのですが(リフやソロにらしさは垣間見える)主役はあくまでもシンガー兼ベースのウィリー・バッセですからね。でも時折ねじ込まれる速弾きに耳を傾け楽しみのが一番でしょう。ゴスペルが強めの曲を歌うバッセ氏も悪くないですよ。 ちなみにこのバンドはエニグマからのデビューと言う事もあり、音源は残していませんが、MSGに参加するミッチー・ペリーや有名になる前のGUN'Sのスラッシュ、ランディ・カスティロなど名を連ねていますのでマニアなら食指も伸びると言うモノですよね。
元はTHIN LIZZYの再結成バンドだったのだが、作品をリリースするにあたりバンド名をBLACK STAR RIDERSと改め2013年にリリースした1st。アイリッシュフレーバーたっぷりの③辺りを聴けば、このバンドがTHIN LIZZYの遺伝子を継ぐものと即座に分かるものですが、それはけっして安易な焼き回しに起因する過去の遺物を喰い尽くす姿とはチョイと違う、本気度の高いバンド活動を示唆する音楽性を高らかに鳴らすもので、男のダンディズムを醸し出す屈強なリフワークと哀愁のある男泣きのメロディ、その随所に盛り込まれるアイリッシュな響きに、このバンドの本質を見出す事が出来るでしょう。
Graham Bonnet Bandを立ち上げ近年は精力的な活動を再開するグラハム・ボネットらが結成したバンドのお蔵入りした2ndがボートラ満載でリリースされた一品。参加メンバーも前作同様、ボブ・キューリックにジミーウォルドー、リズム隊はチャック・ライトとフランキー・バネリによるL.A人脈を生かした必殺仕事人が集う構成となっており、音楽性も前作の流れを組みつつも、あそこまでヘヴィな音像で迫ってはおらず、グラハムもガナリまくりのパワーヴォイスオンリーで押し切っていないので、こちらも方がらしさは出ていると思います。ギターの音も含めダークで閉塞感のある90年代仕様のシリアスな音楽性ではありますから、キャッチーさやRAINBOWの影を追う方、チョットでもモダンな匂いが漂う事が気になる方は手を出さない方が良いでしょう。 グラハムにはもう少しソフトな曲で情緒のある歌声を披露してもらいたいのがファン気質かも知れませんが、安易なクラシックロックをなぞるスタイルよりも、この時代ならではの音楽性へのアプローチを試みた、彼の気概とパフォーマンスを楽しみ、ああだこうだと論じるのもマニアの楽しみ方でしょう。メロディを強調した曲も多く意外と楽しめましたよ
収録曲も多く個別登録が面倒過ぎるのでコピペでいきます。
ディスク:1 1. DON'T KILL THE THRILL 2. WILD INSIDE 3. SKELETONS IN THE CLOSET 4. DREAMIN IN THE HIDEAWAY 5. MAN IN THE BLACK HAT 6. TWIST THE BLADE 7. JUDGEMENT DAY 8. INSANITY 9. SANCTUARY 10. PARALYZED 11. SAVE ME 12. AFTERLIFE/WE WON'T BE FORGOTTEN [LIVE FOUNDATIONS FORUM 1994] 13. HARD FEELINGS [LIVE FOUNDATIONS FORUM 1994] 14. CRADLE TO THE GRAVE [LIVE FOUNDATIONS FORUM 1994] 15. JAPAN SONY MUSIC TV INTERVIEW 1 16. JAPAN SONY MUSIC TV INTERVIEW 2 17. JAPAN SONY MUSIC TV INTERVIEW 3 18. UK TV INTERVIEW / WE WON'T BE FORGOTTEN [ACOUSTIC IN UK]
ディスク:2 1. DESERT SONG [FOUNDATIONS FORUM 1994] 2. BREAKING THE CHAINS [FOUNDATIONS FORUM 1994] 3. ALL NIGHT LONG [FOUNDATIONS FORUM 1994] 4. WILD INSIDE [FRESNO AUG 29TH 1992] 5. SINCE YOU BEEN GONE [FRESNO AUG 29TH 1992] 6. HARD FEELINGS [FRESNO AUG 29TH 1992] 7. WISHING WELL [FRESNO AUG 29TH 1992] 8. BABY YOU'RE THE BLOOD [FRESNO AUG 29TH 1992] 9. WILL YOU BE HOME TONIGHT [FRESNO AUG 29TH 1992] 10. BREAKING THE CHAINS [FRESNO AUG 29TH 1992] 11. WE WON'T BE FORGOTTEN [FRESNO AUG 29TH 1992] 12. ALL NIGHT LONG [FRESNO AUG 29TH 1992] 13. WE WON'T BE FORGOTTEN [ACOUSTIC - LIVE IN JAPAN 1993]
90年代から活動を続ける関東の正統派メタルが1996年にリリースした1st。北米マーケットがHM/HRは死にました的なニュアンスを打ち出していたので(おかげでBIG IN JAPAN)当時の背景を考えると勝負するのは厳しかったでしょうね。無骨なほどに熱いエナジーが迸るメロディアスなパワーメタル路線を貫いています。その姿は日本に根付くジャーマンスタイルを模倣したパワーメタルサウンドを奇をてらう事無く披露、ありふれた構成と無難さに幾度興奮は覚えませんが、その分ソツなくまとめ上げ安定感はあります。自主制作故の迫力の薄い音にパワーを半減されているものも、ガッツィな歌声も切れ込んでくるシャープなギターも日本人ならではのきめ細やかさが行き届き悪くないですよ。 ただ全体的なまとまりが少し弱いかも知れません。レコーディングなんでもう少し丁寧に仕上げて欲しかった。リズムのズレとか気になる面もあるのだ残念。