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失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1401-1500

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失恋船長さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 1401-1500
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BB STEAL - On the Edge ★★ (2021-09-27 12:45:48)

知る人ぞ知るデフ・レパードのフォロワーバンド。そのなりきりぶりと言うのか完成度の高さに思わず笑みもこぼれます。やり過ぎだと叱るのは簡単ですが、今の時代、こういうの懐かしくないですか?と言いたい。
いそうで探せない全盛期のデフ・レパードスタイルを模倣する音楽性、本家を聴くのもいいけど、別のモンも見て見たいと思う方には絶妙な完成度でしょう。
ハンバーグの中にチーズが入った料理を発明した料理人がいるように、みんなが好きな音楽を作った嫌味のないメジャーロック。親しみやすいメロディに中に知性を封じ込めた本家にも負けない完成度を誇っていますよ。


BEAST IN BLACK - From Hell with Love - Die by the Blade ★★ (2019-02-25 10:43:32)

ノリノリのダンサンブルなナンバー
これはシングル向けにピッタリです
ジャンル不問だから売れるわなぁ


BEAST IN BLACK - From Hell with Love - From Hell with Love ★★ (2019-02-25 10:25:31)

トランスミュージックとへヴィメタルの融合
これからのメタル像を提示しているようだ
これならばジャンルの垣根を超えて色んなフェスに参加しても違和感がない
普段メタルを聴かない人が聴いても楽しめる要素も大だ
BABY METAL同様にハード&へヴィサウンドの入り口になれば良いでしょう


BEAST IN BLACK - From Hell with Love - Sweet True Lies ★★★ (2019-02-25 10:39:17)

大英青春ドラマのような楽曲ですね
伊藤かずえ、松村雄基、名古屋章、国広富之、鶴見真吾、岡田奈々、比企理恵、石井めぐみ、大沢逸美、梶芽衣子、沢向要士、下川辰平、堀ちえみ、寺泉憲、若林豪、宮川一朗太、フローレンス芳賀、竹本孝之、岩崎良美、小沢仁志、湯江健幸、相楽ハル子などなど、頭の中を走馬灯にように、かつての名シーンが思い浮かびます。
天使のアッパーカットだなぁ


BEAU NASTY - Dirty, but Well Dressed ★★★ (2024-08-26 08:35:15)

隆盛を極める。L.Aメタルシーン。その末期にデビューしたバンドのファーストにて唯一のアルバム。ある意味、シーンを象徴するような作品とも言える。まず演奏は上手い。アレンジもツボを押えている。それもそのはずボー・ヒルが全体を掌握、そこにポール・ウィンガーがプロデュースを担当、ミキシングも金の掛るメンツを揃えゴージャスな音を作り上げている。
参加メンバーはKUNIで活動を共にしたダグ・ベイカーと、ご存じマイク・テラーナというリズム隊。シンガーとギターはTOKIO ROSEで活動、ちなみにHANOVERではマイクとギターのジョージ・バーンハートは一緒に活動しているし、人脈的には繋がっているのが面白い。ちなみにもう一人のギタリスト、ブライアン・ヤングはジェフ・スコット。ソート関連の仕事をこなすこととなる。また、ダイアモンド・デイブの作品にも後に関わる事となるので、マニアには気になる情報が多いのだが、出しているサウンドは、随分と置きにいった典型的な王道サウンドを展開。

正直、個性に欠けるし、いかにもアメリカで売れそうですな音であり、どこかで聴いた事のあるフレーズもチラホラと実力はあるのだが、制作者サイドの意向に沿った曲作りに終始しており旨味に欠ける。
まぁアメリカンロックが大好きな人には、隙のない堅実さが耳を惹くだろうし、カナダ人脈だけに浮ついた要素は薄いのも好印象だろう。

豪快でダイナミック、売れ線街道を走っているが、脳天気な明るさではない堅実さ、その手練手管な制作陣によるハードサウンドには一定の需要があるだろう。個人的には何か始まりそうで何も始まらない印象が強く、途中で飽きてします。一曲の完成度は高いのに並べると無個性に感じてします。演奏も上手い、アレンジも当時の背景を感じるとベタ中のベタ。
難しいねぇ。下手でもどこか突き抜けた個性がないとダメなんでしょうかねぇ。ちなみにラストのLOVE POTION #9は有名な曲のカバーです。Tygers Of Pan Tangがやったヤツがハードサウンドファンには馴染みが深いでしょう。


BEDEMON - Child of Darkness: From the Original Master Tapes ★★★ (2016-01-20 12:36:26)

USシーンではカルト的な人気を誇り、またドゥームメタルを語る上では外せないバンドの一つペンタグラムのボビー・リーフリングなどペンタグラム人脈が脇を固めているというか同時期に活動していたらしいバンドのデモ集。所謂ドゥーム特有のローファイな音質(敢えて質を落としているのです)極悪なリフと、その酔いどれ感のあるタテノリのリズム。スローテンポな楽曲が煽るのはソワソワと落ち着かない焦燥感、ジリジリとした気分に不穏な空気も漂いますが、そこが一番の聴きどころだったりします。フィードバック奏法万歳な邪悪な雰囲気に満ち溢れた初期の作風も良いが、後半3曲では感触が随分と違い、時代の流れや音楽性の遍歴に興味を持たされます。スネアの抜けが良くなり、リフのドロドロとした情念は薄れていますが、ドゥームな血は脈々と受け継がれており、歌い手もスッキリとした印象を持たせる歌唱に変えているのも印象的で、ライトドゥームリスナーの自分にはコチラの方が楽しめたりします。とにかく前半はミドル&スローナンバーで埋め尽くされており、苦手な人には眠たくなる時間でしょう。慣れていないとこの音質に腹が立つかも知れません。でもUS産ならではの湿り過ぎない乾いた質感と葉っぱの煙がくゆらせる、不吉なる蠢きがなんとも癖になるのではないでしょうか。70年代のマテリアル集めたコンピ作、2005年にリリースした作品を昨年の10月に「Relapse Records」から再発となっただけのクオリティは備えていると思いますよ。


BELINDA CARLISLE - Heaven on Earth - Heaven Is a Place on Earth ★★★ (2014-10-01 17:15:21)

弾けるサビメロに胸キュンですね
ちゃらけた意味不明な80年代風のPVも目に浮かびます
エエ曲ですよ
キュンキュンと泣かされます


BELLA BESTIA - Bella Bestia ★★★ (2022-08-16 16:03:35)

参加メンバーの来歴や交流を考えるとスパニッシュメタルを語る上では外すことの出来ないバンドの一つ。黎明期と呼べる70年代の後半から80年代前半にかけて活発になるメタルシーン、このバンドの名前を変えようやく1984年にデビューを果たす。JP風味もあるが、このバンドはメロディを大切にしたナンバーもあったり、派手さには欠けるが堅実な作りとメタルマナーを遵守する音楽性は正統派マニアにとっては大切な領域であり、彼らはそういう意味では侵犯すること無く硬軟交えたアレンジで楽しませてくれる。
次のアルバムでは、よりメインストリーム寄りというのかグラム系に接近、SWEETのカヴァーもあったくらいである。そういう意味もあるのか、ギターの‎マノロ・アリアス‎は、Barón Rojoで活躍する弟の‎エンジェル・アリアス‎、そして今作で唄う‎トニー・クエバス‎らとNiagaraを結成するとい意味では叩き台のようなバンドでもあります。

しかし、あそこまでメロディアスな方向性ではなく③のような血湧き肉躍るNWOBHMスタイルもあるので、より硬派で正統性の強いメタルをやっています。なんか初期のLOUDNESSとかと同じベクトルを放っているんですよね。垢抜けないというのかマニアックというのか、アングラ臭がなんとも言えない熱を帯びたロックサウンドに変換されており、マニア心をくすぐります。

80年代の初期型スタイルが好きな人にはたまらんでしょうね。この分離の悪いミックスと音質も込みで楽しんで欲しい。でもメジャー流通の作品しか聴かない人は止めた方が良いですね。お金かかっていないもの。


BELLADONNA - Belladonna ★★★ (2023-08-21 10:39:14)

ANTHRAXを解雇されたと記憶しているジョーイ・ベラドンナ。しばらく音沙汰が無かったのだが、無名の新人を引き連れ自身のバンドを結成。1995年に今作をリリースとなるのだが、個人的にはシャリシャリとしたギターの音が好きになれず、ほとんど聴くことがなくラックの底へと潜っていった。
数十年ぶりに聴いたが、やはりギターの音は苦手だが、グランジ・オルタナ全盛の時代に自分の音で勝負していた事実に驚いた。古典的なクラシックアメリカンパワーメタル/スラッシュサウンドは、過激に走る分けではないが地に足の付いたパフォーマンスで魅了。なにより、今聴いても古さを感じさせない独特の世界観を有しており、これは古典に根ざしただけでは無い、新時代を迎え撃つ気概が音に乗っていると言うことだろう。ちゃんとモダンさも取り込む、そこにベラドンナの風格のある歌声が、圧倒しているという状態が音に現れている。
とは言え、キメ曲一発がないというのか、ベラドンナの歌が前に出ているが、けしてメロディックではないというのは、いささか日本人の耳には退屈に聞こえてしまうのだろう。個人的にはストレスを感じないのだが、おもろないという人の気持ちも大いに分かる。

スラッシュメタルの世界でもメロディをしっかりと追いかけ力強く歌い上げる彼が、ラップやミクスチャー系が似合いとは思えないので、ここで聴ける歌声こそ彼の魅力なんだろう。
そして久しぶりに聴いたが、このミックスは苦手である。


BENEATH THE SURFACE - Race the Night ★★★ (2022-05-06 17:35:05)

知る人ぞ知る幻のNWOBHMによる1st。マイナーなレーベルからの流通の為に、幾度知られることなく埋もれてしまうのだが、これが叙情派英国HM/HRマニアならば、間違いなく心を掴まれるような良質なメロディが顔を出します。フィル・モグ風味の歌声もあるためにスピードアップしたUFOに叙情性を加味したような音楽性となるのだが、今作はライブアルバムという特性もあり、そのバンドとしての荒々しい熱気も加わり実に質の高い叙情派NWOBHMへと昇華している。
この手のバンドと言えば、プレイングマンティスあたりを引き合いにされそうですが、オリジナルリリースの1986年という時代を考えると、こちらのバンドの方が上であり、いい意味での洗練性を加えた英国流儀のサウンドは、多くのマニアにとって潤いと感動を与えるでしょう。それにしても、このバンド、どうして一枚で消えたのだろう?
ツインギター編成、キーボードもありの六人編成の大所帯は、無駄のないコンパクトさと、メタルバンド特有のドラマを有しており、低予算が招いたライブアルバムでのデビューとは言え、もっと多くのNWOBHMマニアの耳に届くのではないのだろうか?

2020年にようやくDivebomb Recordsから再発盤が出た一枚、メロディアスだが、けして甘口にならないスパイスを聴かせたハードサウンドは、驚くほど透明感があり、その洗練された叙情味溢れるフレーズとロックな滾りに燃えるモノを感じるでしょう。
メロディ派にも英国マニアにもNWOBHMハンターにも勧めたい一枚ですね。

ちなみに、このバンド、元はSurfaceのRace the Night名義でアルバムをリリース。その後、アメリカで発売された時に名前が変わっています。詳しいバイオはさっぱりですが、その筋のマニアのみならず、大いに楽しめる良質な一枚です。
渡米後のトミー・マックレンドン時代のUFOをもっと英国的な叙情性で再構築したような一枚。でもこちらの方が先だから、近い音楽性で例えるなら、後期HEAVY PETTIN'とかになるのかなぁ?上手く例えが見つかりません。


BENEDICTUM - Uncreation ★★★ (2022-12-16 13:49:21)

正統派ヘヴィメタルの世界では知らない人はいないでしょうよと、言いたくなるほどの実力を誇る女性シンガー、ヴェロニカ・フリーマン。ディオのトリビュートバンドをやったり、THE RODSと共演して音源をリリースしたりと、そっち系との人脈も強く、今作のプロデューサーはジェフ・ピルソンである。
日本では女性であるという事は最大の売りであり、ある意味、性を販売する傾向が強い。欧米ではアイドル文化は根付かないだろう、特に恋愛禁止など完全なる人権問題だし、女性アイドルに関しては特に性差別の最たる例でしょうね。そんな文化圏のアジアだからこそ、成立する女性が不必要に色気を売り性的歓喜を行う。アメリカでもそういう時代があったが90年代に入り、そういう行為に対する拒絶が行われた。令和4年であり2022年の日本では、メディアイチオシは、どんなグループだろうか?時代遅れもやり過ぎれば深刻な病である。目先の成功のため、CDが売れない時代にオジサン相手に性的歓喜を行うのは、ワタシの目には異常だが、それでも地獄のゆるふわバンドのイベントにオジサンが雑誌片手に集合するのだから、世も末である。80年代に女性がメタルをやるという事に対する拒絶が凄かった、そのオジサン達がイチオシになった途端に手のひらを返すのだから、洗脳されるにも程がある。これじゃ統一教会の信者と変らん。メディアの罪は僅か、それに乗っかるだけのドミーハーが多すぎるだけである。麦わら帽子かぶった親の傀儡になっている、子供に○○脳だと馬鹿にされるぞ、CDと一緒に開運ツボを売れ、と思いますね。おっそろしい世に中である。始まりの終わりを、ヒッソリとシーンの端っこでみている気分ですね。

このバンド、2006年という正統派ヘヴィメタルがリバイバルの兆しを見せた時代に真っ向勝負を仕掛けてきた。女性版ロニーと呼べるほどのパワフルな歌声、それはヘヴィで閉塞感に満ちあふれたアングリーマシーンを自由自在に操り、色と艶のある妖気漂うガチンコメタルを展開、そのパワー漲るバンドサウンドは、クラシックメタルからスラュシュ、そしてグランジという時代を飲み込み真っ当なスタイルでヘヴィメタルをやり切っている。
パヤパヤとしたソプラノヴォイスではない、これぞメタルなパフォーマンス、彼女の圧倒的な存在感に打ちのめされました。ディオ時代のサバスの曲を2曲カヴァーしていますが、オリジナル曲が素晴らしいので、正直、オマケ感が強く、とくに壮麗なパワフルメタル⑩はクロージングソングとして完璧に機能していたので、モブ・ルールスはいらんぞと言える。
それでも単なるカバーでは無く、このバンドらしいアレンジと施しており聴かせ方を心得ている。これぞヘヴィメタルだ。
このバンドは女性という壁を越えただけではないギタリストでありバンドの頭脳でもあるピート・ウェルズはアフリカ系の黒人である。
音だけ聴いて何の問題が生じるのか、国内盤のリリースもないので、知名度は低いのかも知れないが、チャステイン系のメタリックに振り切った叙情派スタイルが好きな人にはたまらんでしょう。
ヴェロニカ嬢のエロの売り方に媚びを感じない。女性であると言うことを最大限に生かしたセクシー系のコスチューム。正にエロカッコイイである。姐さんと呼びたくなりますね。


BENJAMIN ORR - The Lace - Stay the Night ★★★ (2021-11-19 20:19:57)

大人の魅力全開です
夜の都会が似合う洗練された大人のロックサウンド
しめやかにしっとりと濡らしていきます
これぞ産業ロックでしょうかね


BERGGREN KERSLAKE BAND - The Sun Has Gone Hazy ★★★ (2020-09-21 14:37:21)

ドイツのRazorbackで唄い、アレッサンドロ・デル・ヴェッキオのプロジェクトRevolution RoadやSnakes in ParadiseにThe Company of Snakesでフロントマンを務めたスウェーデン出身のステファン・ベルグレンとリー・カースレイクの二人によるプロジェクトチーム。

曲作りではリーとステファンの二人がクレジットされているが、唄以外にもギター、キーボードにプロデュースと八面六臂の大活躍をするのはステファン。ある意味、ソロアルバム的なニュアンスが強いのだが、出している音は古めかしい古典ロックに彩られた一枚。WHITESNAKE風味満点のブルージーサウンドに、エモーショナルなステファンの歌声は似合うのは既に実証済み、彼は爽快感も持ち合わせているので、砂交じりのざらつき感を緩和さえているのは聴きやすさに繋がっているが、そこが物足りないと思う筋金入りのマニアもいるだろう。

良くも悪くも個性を出さないドラム。大きなグルーブを持ちいらないリーのドラムも、ともすれば情念たっぷりのブルースロックの濃度を高めてしまうのだが、彼の主張の少なさが逆に生きており、スマートな英国紳士と呼ぶべきマナーの良いロックドラムの旨味に目を細めてしまいます。

レーベルがAOR Heavenだけに、メロディアススタイルも強め、明快なフレーズと練り込まれたアレンジセンス、余計なものを省き、古典から引用されたアイデアを無理なく押し込め自分達流に染め上げている手腕は見事。
世代を超えて楽しめるオーソドックスな作り込みも、あざとくないので好感が持てますね。これで良いのです。心が温まるねぇ。定番なんで飽きることなく一生聴けるのが嬉しいね。


BERNIE MARSDEN - And about time too ★★★ (2018-10-25 12:53:51)

1998年にCD化された国内盤がリリース。まさかのAEVXはBareknuckle、しかもボートラ3曲追加盤です。マニアにとってはエエ仕事をしてくれたなぁとなるのですが、大して話題にならなかったように記憶している。

バーニーのソロ第一弾に相応しく豪華ゲストが客演。コージー・パウエル、サイモン・フィリップス、イアン・ペイス、ジャック・ブルース、ニール・マーレイ、ドン・エイリー、ジョン・ロードが顔をそろえることに、スリリングなインストナンバーは勿論だが、バーニーがヴォーカルと務めるバラードからジャジーなど多彩な楽曲を用意。少々ロック色は薄味かもしれないが独特のタイム感を生かしたプレイは、どれもがエモーショナルな響きを携えており、華麗に舞っている。フレーズの作り方も上手で、味のあるソロアルバムに仕上げてきた。


BERNIE MARSDEN - Look at me now ★★★ (2016-10-17 14:13:22)

ニール・マーレイ、ジョン・ロード、イアン・ペイスの白蛇人脈にコージー・パウエル、サイモン・フィリップスも参加している、英国人ミュージシャンによって仕上げられたホワイトスネイクのギタリスト、バーニー・マースデンの2ndソロ。今作の国内盤CD化をあの、AVEXのBareknuckleが手がけるとは夢にも思わなんだ。1998年と言う事で忘れ去られた感のあるバーニー先生ですが、彼の持ち味とも言えるブルージーなフレーズを随所に持ち込みつつも『HERE I GO AGAIN』の作曲者たるポップセンスも散りばめた楽曲を用意、ギタリストのソロとしては控えめではありますが、曲を聴かせたいという方向性に舵を切っており、白蛇&深紫人脈を駆使したメンバーシップから生みだされる阿吽の呼吸には視聴後の満足を約束するような安定感があり、バーニー先生のソフトだが深みのある歌唱スタイルとの相性も抜群の相乗効果を生みだしていますね。ハードなモノを好む方や、古典的ブリティシュHM/HRを期待する方にとっては肩透かしを喰らうでしょうが、落ち着いたバーニー先生の円熟味たっぷりの洗練されたギタープレイと楽曲にはマニアならずとも大いに興味を惹かれるモノがあるかと思いますよ。


BERNIE MARSDEN'S ALASKA - Heart of the Storm ★★★ (2020-12-28 18:04:07)

WHITESNAKEから抜けたバーニー・マースデンが新たに立ち上げたバンドがコチラになります。時代は1984年、多くのバンドがアメリカへの進出を伺う時代、衰退する英国シーンに見切りをつけてとなるのだが、今作は雑誌の評価も低く日本でも話題に上ることなく消失。のちに、同じ英国勢のLIONHEARTは再考の機会を与えられたが、同じような路線のアラスカはダメだった。
端的に言えば、徹底的にブルース臭を抜いたWHITESNAKEとも取れる堅実なプレイと楽曲を用意、もっとブルージーに染め上げた方がバーニーらしいと思うが、それではレコード契約もきつかろうと推察できる。しかし、ファンが求めるものとの乖離が評価を下げたのは間違いなく、何を聴けばよいのかと言いたくなるほど、お気楽なキーボードの登場に脱力するのは間違いない。特に今の感性でいけば、キーボードの音は安売りスーパーの如き軽薄さが漂っている。

しかし、そういうマイナス点はあれど、令和の時代を迎え、当時の世相など全く関係ない若い人にとってはどうでも良いわけで、ここは、古のメロディアスロックとして楽しんでもらいたい。この嘘くさいキーボードも80年代なんだよと言いたい。そして何より、アメリカン志向ではあるが、英国的なニュアンスは消えておらず、ソフトケイスされていても、隠せない大英帝国の残り香、落ち着いた雰囲気のあるポップロックの持つ大衆性を楽しんでもらいたいですね。バーニーは個性を捨てた、そこが最大の問題なのだろが、良い部分を愛で楽しむタイプなので、全然イケるんですよね。
80年代のデニス・ストラットン率いるLIONHEARTや、ゲイリー・バーテンのSTATETROOPERあたりを楽しめるマニアにも行って欲しいね。


BERNIE MARSDEN'S ALASKA - The Pack ★★ (2020-12-30 18:30:30)

前作から間髪を入れずにリリースされた印象の強い2nd。オープニングからポップセンス全開のライトな曲で幕開け、完全に振り切っているので不自然さは皆無、むしろ前作で免疫が出てきているので問題なし、今作もこっちでいくんだなぁと確信しました。少々ハードタッチの②、AOR調の軽やかな③とハードなものを好む耳では、眠くなるのですが、中盤ではバーニーに期待するブルース臭が香りだし、気分を持ち直す。クリアーな歌声のシンガーの声質にも合う、チョイ足しブルージーのオシャレサウンドで埋め尽くされている。喰い足りなさを誘発するライトロック路線。とにかく、売れることを念頭に置いたサウンド故に、聴き手を選ぶでしょう。
個人的には、オジサンになり守備範囲も広がりましたので、容易に受け入れるのですが、お金出しては行きづらいサウンドではあります(安っぽいキーボードを引っ込めたのも正解)。現在はBRONZE YEARSというタイトルで1stとカップリングで楽しめますので、サブスクリプションサービスを受けている方はお楽しみくださいませ。


BERNIE MARSDEN'S ALASKA - The Pack - S.O.S. ★★★ (2020-12-30 18:33:10)

癖がないですね
そのクリアーさがコクを薄めているが
バーニーファンにとってはお待ちかねのブルースナンバー
三連が心地よいです


BERNIE SHAW - Too Much Information ★★★ (2021-01-29 08:09:28)

バーニーがかつて活動を共にしていたミュージシャン、デール・コリンズと共同クレジットで世に出したデュオアルバム。ある意味、バーニーのソロとも言えるのだが、クレジットはBernie Shaw & Dale Collins名義になっている。
90年代の後半、プロモ的な作品をリリースしている両者、バンドのような活動をしていたらしく、今作には、その時代の音源が含まれているらしいが、見たこともない商品を検索して知ったかぶりするのはマナー違反なので止めておきます。

全8曲、40分を切るランニングタイムの心地よさ。バーニーの唄を軸に洗練された大人のロックを披露。流行り廃りとは無縁のオーセンティックな響きに酔いしれます。等身大の魅力を内包したアーバンな古典スタイルは、AOR系のスマートなサウンドを窘めるマニアならグッとくるでしょうね。
バーニーのファン層を意識した哀愁のメロディアスロック、リラックスしたムードを漂わせながらも要所要所を〆る曲を作り上げた相棒の確かな目利き、AOR調のロックを豊かな音楽性を駆使して、大人の魅力で染め上げた。
ここに能天気なロックナンバーや、時代を意識した売れ線志向は皆無である。それでありながらも普遍的コマーシャル性と職人技を共存させた両者に賛辞を贈りたい。
味わい深いデールのギターもメチャクチャ刺さってきますよ。終始リラックスしたムードに包まれているのも、このソフトなサウンドには合っている。


BERNIE TORMé - Turn Out the Lights ★★ (2019-04-12 20:21:37)

ギャランティの関係などもありGILLANでの活動は実入りの良いものではなかったと不満も有ったギタリストのバーニー・トーメ。それ以前の活動もあり自身がリーダーとなり動き出したプロジェクトが今作になります。ソロ名義ではありますが。当初からバンドとして運営するも、バーニーのロックンロールライフも災いしたのか、メンバーを固定する事も出来ずバンド活動は暗礁に乗り上げてしまった。それ故に、イマイチ知られていないのだが、バーニーのカタログの中では一番、彼のカラーがストレートに投影された作風とも言われ、マニアの中では一番に押される事も多いと言われる一品。
しかしレコード会社であるKAMAFLAGEレコードが倒産した為に、幻の名盤となり実質、バーニーが版権を買い取り再発される1996年まで、世に埋もれていたのも大きな要因だと思う。また、リリース時の活動にも問題があったのは周知の事実だ。

GILLAN時代からシコシコ作り始めた楽曲群、アルバムのレコーディング中なのか終わったのかは分からないがOzzy Osbourneに参加したのは有名な話。そして完成後にAtomic Roosterへヘルプに出たりと、主役たるバーニー自身が、おぼつかない印象を与えていた。一説にはマネージメントに対する不満や、他のメンバーとの関係性などもあり、止むに止まれぬ事情もあったというが、やはり移り気の多い男との印象が強かった。そうこうしているうちに、ソロをElectric Gypsiesというバンドとして機能させる事となり、今作はスッカリ影が薄いモノへとなってしまった。

アイルランド出身者ではあるが、ゲイリー・ムーアのような泣きの要素も、アイリッシュフレーバーも持ち込まない音楽的志向。どこか尖った印象を与えるルックス同様、刺激的なギタープレイを中心としたロックンロールタイプのギタリストであり、またパンクからの影響も感じさせるタイプだった。パワフルさはあるが、GILLAN時代からランディ・ローズの後任に選ばれるようなタイプとは思えず、今作でも、多様性のある賑やかで騒々しいロックを中心に、裏街道を走るダーティさも加味させつつも、モダンかつアグレッションを有するギタープレイは、バーニー・トーメの個性を全開に披露している。

叙情的な泣きや、胸キュンメロディを愛するが故に、バーニーの示した音楽性にハマる事が無かったのだが、先日、訃報を知り改めて今作と向き合う事としました。今もって印象は変わらないが、彼がランディの後任に選ばれたのは刺激的なルックス&ステージ映えするギタリストしての位置づけもあったんだろうと思う。そしてステージングも腕も悪くなかったからAtomic Roosterに声を掛けられたと思われる。シーンからは遠ざかっていたアイリッシュの悪童。REST IN PEACEです。


BETRAYEL - Death Shall Overcome ★★★ (2022-10-13 10:51:45)

Metal Massacre Xに『Sick or Sane?』を寄稿するも時代の煽りを受けバンドは解散、結局、デモ音源のみのリリースで消えたアメリカンスラッシャーが過去の楽曲を復活させたコンピ作がこちらになります。
完全にスラッシュ第二世代とも言うべき、スラッシュメタルからの影響を受けたスラッシュメタルです。初期型のメタリカ、エクソダス、スレイヤー、アンスラックス、デスエンジェル、オーバーキルと言ったバンドの顔が見えてくる音楽性、その先人達からの影響を素直に落とし込んだサウンドは、正にオールドスクール一直線、ダークでイーブルなテイストは禍々しい瘴気に犯されており、毒素に浸食されたスラッシュサウンドで聴き手を魅了するでしょうね。
こんなもん聴くくらいならば、俺は有名バンドのスラッシュメタルを聞き直すよと言われたら反論はしませんが、はやり、狭い協議の中でも新しいモノを見つけた、あの時代の匂いがする胡散臭いレアモノに触れたいなどの、マニアックな感性を満たしたい猛者には、ほっとけない魅力が満載です。ある時期から、どこかスラッシュメタルバンドからも健全な所謂ポジティブさが前のめりに出てくるバンドや楽曲も増えてきました、このバンドは、そういう方向性とは逆のスタイルを取っている点が個人的にはツボであり、先の見えないスリルはないのだが、正統性の強いメタルを下地にビルドアップされた初期型スラッシュから薫陶を受けた、サタニカルな要素が大好きです。どこか荒涼としたサウンド、アメリカのバンドではないので濡れていないのだが、アンダーグラウンドの帝王時代のスレイヤーやメタリカを思い出させるマインドを感じさせてくれるのが最大の褒めポイント。
自分が初めてメタルに触れた時代を想起させる、胡散臭い地下メタル感が懐かしいんですよね。メジャーアクトにツバを吐く高潔なるメタルスピリット。オカルトホラーテイストを孕んだステゴロスタイルにグッときますよ。


BETSY - Betsy ★★ (2017-01-14 12:45:32)

BITCHと言う名のリードシンガーである、ベッツィ・ビッチ嬢。少々やらされてる感の強い厳つ目の衣装から一転、今作では装いも新たにスタイリッシュに変貌、音楽性もパワフルなHM/HR色を押さえ、ヘヴィで大らかなグルーブを基調としつつもメロディックなアメリカンロックスタイルへと変換。BITCH時代とメンバーは変わらずもバンド名をベッツィの方に変更とマイナーチェンジしております。確かに感触はソフトになりましたが根幹にあるハードなメタルスピリットは失われておらず、彼女の下地のしっかりとしたパワフルヴォイスは健在とL.A風のHM/HRが好きな方なら概ね楽しんでいただけるでょう。個人的には力負けしない歌声だけど、どうしても一本調子に聞こえるのが気に掛りますね。


BEWARP - Funk'd Rapt'd Trash'd ★★★ (2018-10-17 13:20:43)

凄腕ギタリスト、ディック・ビワープ率いるバンドが1992年にリリースした記念すべき1st。世界中を席巻するアメリカンバブルは北欧はスウェーデンの地までも飛び火、音だけ聴けば完全にファンクロック路線のハードサウンドです。
でも隠せないお国柄とも言えるメロディセンスがチョイチョイ絡んでくるのがミソ。全般的にどこかで聴いた事のあるような楽曲がチラホラ顔を出すのはご愛嬌として、ここは頭を空っぽに、北欧産のパーティーロックを楽しんで欲しい。
勝手に身体が動き出すようなノリの良いグルーブをビートをたたき出すリズム隊の華やかさ、スウィープにタッピングとテクニカルなソロは派手さを極めており、時折楽曲に似合わないほどフラッシーなプレイもある。流石はリーダーと言いたくなるのだが、なんとも奇妙な取り合わせだ。とにかくギターは巧者で、キーボードをフィーチャーしている為、ボリュームは抑え気味だがバッキングでもテクニックを惜しげもなく披露している。
一発で耳に残るようなキャッチーなメロディラインは、瞬時に口づさめる親しみやすさを誘発、借りもんのアイデアでも洗練されたサウンドは、ひたすら華やかで躍動感に満ちている。雰囲気だけでいけばWarrantの北欧版と言ったところかな。
それにしても④はAerosmithに怒られないのかね(笑)他にもやり過ぎ感が凄いっすよ。そういう意味でも、お気楽なベストヒット的な楽しみ方も可能な一枚でしょう。くれぐれもコンプライアンスに厳しい潔癖症なマニアにはススメられません。大ヒット曲は直後で無ければ皆でシェアしていいアイデアです。
そういう意味でも今作はギリギリ、レッド回避のイエローカードです。その旨味を恐れる事無く調理したバンドの逃げ勝ちでしょう。
ただ反省したのか次のアルバムは、もう少しオーソドックスなスタイルに修正。そこで歌うのは北欧ヴォーカルマスターの、ピート・サンドベリです。北欧マニアなら身を乗り出したくなるバンドですよね。


BEYOND THE BLACK - Lost in Forever ★★★ (2017-12-02 14:05:50)

ルックスのみならず卓越した技術を持ち合わせる新進気鋭の女性シンガー、ジェニファー・ハーベン率いるバンドの2nd。前作同様、耽美的だが壮麗で瑞々しいメロディをシンフォニックに味付けしたドラマティックなバンドサウンドを披露。これぞゴシックメタルだと言わんばかりの退廃的ムードに、欧州由来の泣きのメロディを配した力強いメタルサウンドに乗せ、ジェニファーが癒しのウイスパーヴォイスで応戦するという手法は、前作よりもメリハリと抑揚とつける事によって聴きやすさも倍増と、その剛柔のバランス感覚を高めた事によって、ターゲットをより明確に見据えることに成功。間口を逆に広げる事になっている点も見逃せませんね。個人的には今風のメジャー感が増したことで、逆に好みとは外れる形にはなったのだが、この手のゴシックメタルが好きな人なら、無視できないクオリティは誇っていると思いますよ。
特にジェニファーの歌声は前作以上に幅を広げ表現力も増しました。その艶やかな美声にうっとりとさせられるのではないでしょうか、またリードギターも装飾過多なインストプレイの合間を縫って印象的なフレーズをねじ込んできますから、マニアは要チェックでしょう。


BEYOND THE BLACK - Songs of Love and Death ★★★ (2017-12-01 12:57:17)

麗しの女性シンガー、ジェニファー・ハーベンを中心として結成されたドイツ産ゴシカルHM/HRバンドの記念すべきデビュー作。多彩なゲスト参加に、プロデュースにサシャ・ピートが絡んだりと、レーベルの気合いの入りように驚きますが、その期待に応えるように、フォーキーでトラディショナルな音楽とダイナミックなロックサウンドの融合を、諸先輩たちの手法をお手本にガップリ四つ取り込む姿勢に、この手の音楽を愛する方なら身を出さずにはいられない熱量を放出しているでしょう。
才色兼備という言葉が当てはまるジェニファーの歌い回しも、この手のバンドにありがちな、裏声でフワフワのパヤパヤな可愛い奴じゃないので個人的にも大いに楽しめる事になりました。
壮麗なシンフォニックサウンドによる陰影を際立させたアレンジ、そこに絡む有機的な歌声、緩急をコントロールする、若いのに芸達者なバンドサウンド、ダイナミックなグルーブと可憐な哀愁美溢れるメロディの融合、装飾は多いが無駄を省いたアレンジの旨味に惹き寄せられます。
個人的には、この手のゴシック調のHM/HRは語れる程、聴いていないし、もし彼らが誰かの度を越した模倣をしていても気がつかないのですが、鮮烈なるフレーズを紡ぐギターは聴き惚れるし、美女と野獣の対比をコントロールするヴォーカルパートも絶妙だ。2017年にLOUDPARKにも参加したと言うのだから、期待の程も伺えますね。その影響もあるのか、2年遅れで国内盤もリリースされた一品。質の高いドラマ性と哀愁のメロディの酔いしれたマニアなら押さえておいて損はしないでしょう。
⑤ではKissin' Dynamiteのシンガーと歌い分けています。


BIFF BYFORD - School Of Hard Knocks ★★★ (2020-03-01 13:57:58)

早い段階から先行公開された①②を聴き、ビフ・バイフォードのソロは無理無駄のない古典ロックへの邂逅になるのかと感じていた。SAXONと言えばNWOBHMを牽引したバンドとして有名だが、正直、個人的にはSAXONサウンド=NWOBHMと思ったことはない。もっと古典的な英国産ハードブギーを下地に速度を高めたのがSAXONだと思うからです。豪快なノリはバイカーズロックなどと呼ばれ愛されましたが、かび臭い地下室サウンドとは無縁だし、あの鋭利に突き刺さるソリッド感はない、そういう意味でも、ムーブメントの立役者ではあるが、もっと大きな意味で括られるバンドだと思う。特に、NWOBHM勃発前に1stをリリース、フォーキーなナンバーからプログレ風味までの、70年代の英国勢からの影響をもろにうけた内容だった。2枚目以降ムーブメントにのり変貌したSAXON、しかし今作から感じ取れる英国流儀、その音作りには並々ならぬものを感じる。1stがそうだったように、叙情味溢れるメロディはWISHBONE ASHだし、参加メンバーのカラーもあるが、KING CRIMSONのカヴァーの実績もあるように、英国プログレ勢からの影響もしっかりと残している。

NWOBHMの牽引者となった伝説のバンドだが、あのムーブメントがなければ、どのような音楽性に進んだのか興味は尽きない。今作におけるオープニングの2曲や、サイモンとガーファンクルで有名な⑥など、初期のスタイルを継承していると言えるだろう。だからこそ③から④の流れにゾクッとさせられるし、ギターソロが北欧風のヘヴィな⑤、今アルバムの中で一番SAXONしている⑦と続くバラエティ豊かな展開に引き込まれる。貫禄のパフォーマンスに魅了される哀愁ハード路線の⑧、湿り気ったぷり、泣かせのトラッドナンバー、WISHBONE ASHのカヴァーで酔わせアルバムの幕を閉じて欲しかったのだが、狙いすぎなアコースティカルなバラード⑩(曲単位ではよいのだが)、サックスも出てきていいんだだけどね、そのせいで⑪が入ってこないという、プチ不満はあれど、先行公開したオールドスクール路線のみならず、古臭くないサウンドプロダクションのおかげで、十分に今のサウンドとして仕上がっているのがポイントです。

スピーディーなSAXONが好きなマニアには物足りなさはあれど、ビフのルーツたる音楽性に触れ、もしNWOBHMがなければ、SAXONはこういう音楽性に落ち着いていたのではと、ふと思い、英国ロックの深淵なる音楽性を覗いた気分ですね。
正直何を歌ってもビフなので、あんまり目新しさがないと感じるのが最大の長所であり欠点なのだが、ビフのファンなら迷わずゲットだろう。


BIFF BYFORD - School Of Hard Knocks - Me and You (2021-02-02 14:33:58)

渡米後のサクソンを思い出させるようなアメリカン志向
よもや今になって高評価を受ける時代になるとは夢にも思わなんだ


BIFF BYFORD - School Of Hard Knocks - Scarborough Fair ★★★ (2021-01-16 13:30:48)

ビフのルーツたる曲でしょうね
ロックヴァージョンに仕立て上げ感動も倍増
望郷のメロディ
そしてビフの切ない歌い回し
ベテランの味ですね
こういう曲を取り上げたからバンドでカヴァー集へと向かったのかな?


BIG GUNS - ON DAGEROUS GROUND ★★★ (2020-06-16 16:51:35)

ZEROコーポレーションからリリースされたデビュー作。リリース時が90年代の中ごろというのもあり、日本のみの契約というのが泣かせる。音楽性はメインストリームよりの大衆性を帯びたサウンド、そこに哀愁のあるメロディを織り込み、絶妙なバランス感覚を敷いている。
ロックの持つ大胆不敵な豪胆さ、親しみやすさと対等に自己主張されるハードテイスト、硬軟交えた聴かせ方の上手さにZERO印を感じるが、やや真面目過ぎるきらいがあるのが気になるところ。贅沢な不満なので、これは嗜好の問題。堅実なプレイに裏打ちされた無難な曲作りも功を奏し、この時代に多くの人が渇望していた、古き良き時代のメインストリーム風メロディアスロックサウンドを披露している。スリルと引き換えに手にした安定感、その統率された普遍的スタイルに惹き寄せられますね。


BILLIONAIRE BOYS CLUB - Something Wicked Comes ★★★ (2019-12-10 22:28:06)

天才ギタリスト、ウルフ・ホフマンの影に隠れていたヨルグ・フィッシャーと、稀代の名ヴォーカル、マーク・ボールズらが加わり結成されたバンドのデビュー作。ドラムはアンダース・ヨハンソン、ベースにマルセル・ヤコブとインギー関連の北欧勢も加わるが、マルセルが途中で抜けた為にパー・スタディンらが穴埋めを行い完成したみたいな記憶があります。

参加メンバーのバックボーンを考えると、かなりメジャー志向のサウンドを攻めており、マイナー調の北欧スタイルやジャーマン仕込とは違う、アメリカンな様相も感じさせる無国籍サウンドを披露。多種多様な音楽性は、マークの力強いハイトーンが冴えわたっており、どの曲でも強烈な存在感を発揮している。ヨルグも確かにメインとしては弱いかも知れないが、ACCEPTで鍛え抜かれたギターワークは、こういうワールドワイド志向の中では癖がない分、逆にハマっていると思えるのは重要なのかもしれない。これといった抜きんでた曲が無かったと言われるアルバム、しかし総じてクオリティは高く、ある種のスーパーグループ的な面持ちを保っているのが、今作の魅力であろう。

結局、今作を最後にバンドは解散。活動時期も短い為に、認知度は恐ろしく低いのだが(ヨルグは何処え)硬軟バランスの取れたサウンドは必ずや需要があると思いますよ。
マークの美声を楽しみたい方なら間違いなくイケるでしょう。


BILLY IDOL - Rebel Yell - Rebel Yell ★★★ (2017-12-12 14:20:51)

マット・シナーなどメタル系アーティストも取り上げる事のある
ビリー・アイドルの代表曲
かつて坂上忍がミッドナイトダンスだったかな?そんなタイトルでカヴァーしてました
キーボード主体のポップなニューウェーブサウンドなのだが
ギターのハードさが絶妙に絡む
そしてビリーの悪っぽい歌い方も絶妙だ
この一曲だけは無性に聴きたくなりますね


BILLY IDOL - Speed (original Sound Track) - Speed ★★★ (2017-12-12 14:26:24)

ビリー・アイドルの曲の中で最もハードな部類に入る曲なのかな?
映画の主題歌なのですが
クールなビリーの歌い回しがピッタリと楽曲にあっています
スパイスの効いたハードなギターサウンドがカッコいい
映画のイメージにも良く合いますね


BITCH - Be My Slave ★★★ (2015-10-09 13:42:21)

ビッチ・ベッツィ嬢がフロントを務めるカルフォルニア出身の正統派HM/HR4人組による1st。彼女のパワフルな歌声を軸にガッツ溢れる豪快なサウンドを披露、細かい事は気にしないワカチコワカチコな力技で押し切るスタイルは実にクールだし、このドタバタとけたたましいサウンドはまさにUS産ならでは、レーベルもメタル・ブレイドとお膳立ては揃っていますね。この無愛想な正統派サウンドは好きモノにはたまらないが、苦手な人には少々煩雑とした音として耳触りになるのですが、そこが評価の分かれ目でしょう。それにベッツィ嬢も下手ではないが表情に変わりのない歌唱スタイルなので、聴き進むにつれて気になる、でもそれらを補うだけの曲が用意されているのでマニアにはたまらんものがあるでしょう。聴き手を選びますが昨今の女性をフロントに置き、少々女を前に出し過ぎている、そんな事に疑問を感じる方は、このようなバンドに触れて欲しいですね。性別を超えた所で真摯にヘヴィメタルに取り組む姿は美しい限りです。


BITCH - The Bitch Is Back ★★★ (2015-10-09 13:54:09)

勇ましいタイトルが微笑ましいベッツィ嬢がフロントを飾るUS産正統派HM/HRバンドの2nd。当時、女性がフロントを飾るメタルには風当たりも強かった。女を売るな、音楽だけで勝負しろと面倒な事を言われていた記憶があります。そんな逆風の中で世に出したサウンドは前作をよりメジャーにしたような感触の良いサウンドを披露、ハードでパンチの効いた疾走ナンバーのノリの良さ、やや軽めの音質なれどガールスクールにも通ずるパンキッシュな魅力も感じさせ、女性らしい妖艶さの中にあるキュートな歌声との相性も良く、歌唱スタイルにも若干の工夫も見られ前作より聴いていて飽きがこない。ハードな硬質感は前作の方が上ですが、表現力の向上という点では今作の方に軍配を上げますね。前作以上に華やかになった演奏も下地がしっかりしているから、女性に偏見がなく正統性の強いUS産のベタベタしない鋼鉄サウンドをお探しの方なら聴いて損はしないでしょうね。


BITCHES SIN - Invaders ★★★ (2020-03-24 15:17:48)

前作から4年のブランクを経てリリースした2枚目。シンガーとベーシストは交代するも音楽性にブレはなく、むしろ音質や楽曲面も含め大幅にパワーアップ。憂いのある英国的なハードサウンドが厳つく走り抜ける、これぞNWOBHMなスタイルで真っ向勝負。疾走するリフワーク、ラフなパワーを内包した疾走ビート、沸々と燃え盛る英国らしいハードサウンドは、何を伝えたいかを明確にし聴き手に伝えてくる。
聴き手を挑発するようなロックの持つ大胆不敵さ、その荒っぽさと、いなたい空気感に、86年としては少々古めかしいのだが、遅れてきたNWOBHMサウンドに時代性など不必要。音楽性の幅を広げることにも果敢に挑み、明るく成り切れないキャッチーさも従えストレートに表現することで、自らのアイデンティティを誇示することに成功した。こういうスタイルの音楽性だから、メロウな⑤も違和感なくハマる。歌い手のいろんな意味で甘めな歌唱スタイルもマッチした。
この後、詳しいバイオは分からないが、バンドは Flash Point改名して活動。1987年には自主制作盤を出してるのだが、何が起きたのか興味は尽きませんね。
余談だが、NWOBHM史にとっては名盤の部類に入る力作なんだが、イマイチ跳ねなかった。個人的には、どう考えても悪質なムンクの叫びをいじったジャケに問題があるとおもっている。あれみてジャケ買い出来んぞ。


BITCHES SIN - Predator ★★ (2020-03-24 14:56:21)

NWOBHM真っ只中の80年代にバンドは始動、メンバーは流動的ではあったが、ツインギターのピートとイアンは兄弟という間柄、コンピ作に参加やデモにシングルと音源をリリース後、満を持して世に放たれたのが今作です。NWOBHMマニアの間では外せないグループなのだが、オープニングからけむったいロックナンバーで幕が開け、次がパンキッシュなスピードナンバーも、湿り気たっぷりの英国サウンドとは一線を画し出だしに驚いた。間髪いれず②から③へと流れるのも悪くないんだが、もう少しサウンドメイクに重さとエッジが立っていれば、この暴走感も迫力が増すものの、ダイナミズムが殺がれた軽めの5人編成とは思えないすっからんの軽いミックスに、中々のめり込めません。
しかし、後半に進むにつれ、英国特有の憂いのなるメロディやギターサウンドを飛び出し、この突き抜けないどんより系を演出するもっさりグルーブも、英国的だなぁと感じ沸々と燃え上がるものを感じます。
個人的に、楽曲云々ではなくミックスが好みでないために、熱心に聴けないのだが、パンキッシュな加速度と、往年のハードサウンドの融合、軸となる伝統的英国ロックの系譜、それらを十把一絡げまとめ上げたような雑多感も、デビュー作ならではの味わいなんだろう。


BITCHES SIN - The First Temptation ★★★ (2020-09-12 18:49:25)

幻のデモ音源+BBCフライデーショーからのラブ音源を足してリリースされたコンピ作。マニアとしては、初期のデモ音源が復刻されたことが嬉しいですね。
哀愁を振りまきながらシャッフルビートが走り抜ける①で掴みはOK、隙間のあるリフとリズムの懐かしさにレトロ感も漂いますが、ワンフレーズで聴き手をNWOBHMの世界に誘ってくれるのですからたまりません。
元がデモ音源ですので詰めの甘さは否めませんが資料的にも価値の高い音源を、オフィシャルな形で掘り起こしてくれたことには大感謝です。いなたいロックもあるが、湿り気のあるメロディを従え走り出すパートのカッコよさ、ブリティッシュロックの伝統を引き継ぐ、哀愁美のある旋律が華麗に踊りだす叙情派スタイルにグッと惹き寄せられます。
硬派なスタイルのみならず、メロウなフレーズまで飛び出すセンスあふれる音作りに、大きな可能性を感じますね。

NEATからリリースされたシングルの成功により、正式なデビューを果たす彼ら、今作を聴けば、綿々と続く伝統に彩られた叙情派サウンドに魅了されるでしょう。音質云々では語れない初期衝動、その伝統に忠実なフレージングに魅了されますよ。


BLACK 'N BLUE - Black 'n Blue ★★★ (2021-05-07 14:32:30)

バブル弾けまくるL.A勢の中では実に地に足のついたサウンドが魅力だった本格派のバンドBLACK 'N BLUEの1st。その魅力はオープニングから炸裂、光沢なまめかしいコンクリートサウンドと洗練されたエッセンスも強めに打ちだしメジャー感を誘発、デビュー作のオープニングから貫禄たっぷりの余裕すら感じさせる出来栄え、②のような明るい曲もメロウなパートもあり危険でセクシーなロックの顔を出してくる。いい意味での大衆性を武器に行進、モーター音が鳴り響く③で一段ギアを上に上げ加速、そのまま勢いよく言って欲しいのですが、売れたい④で寄り道によるのはご愛敬。その流れを壊さない⑤、シングル向けがもう一曲欲しかったのかカヴァーの⑥、そしてブリブリとしたベースも耳を惹くグルーヴィーなミドルナンバーの⑦と続き、アメリカ人が好きそうな曲を中盤に並べてきた、それは⑧でも繋がり、哀愁のあるメロディを上手く溶け込ませ、何故、彼等がドイツまで飛びディーター・ダークスの手を借りたか理解できます。
だから⑨が俄然男前に輝き、コンピ作にも提供した⑩で締めくくります。
⑩に関してはコンピヴァージョンの方がメタリックだが、メジャー流通ヴァージョンとしては異論のない仕上がりになっており、甲乙つけがたい魅力を発散している。このバンドの本分は、こういう歯ごたえのあるガッツィーなメタルスピリットを根底に置いたメジャーロックバンドという事だろう。
それだけに次作の方向転換にはガッカリとさせられたが、今作にある裏切りのないメジャー仕様というのは奇跡的なバランス感覚に秀でており、ヘヴィメタル系のメジャー作品としては理想的な作風になったと思っている。
個人的には彼等のカタログで一番好きなアルバムである。どこかで聴いたことあるフレーズすらも味方につけ、彼等は次の一手を攻めあぐむベテラン勢を蹴散らすような威風堂々としたアルバムを叩きつけてきた。


BLACK 'N BLUE - Black 'n Blue - Chains Around Heaven ★★★ (2023-07-13 20:44:23)

キレのあるリフ
聞き心地のよい歌メロ
硬軟のバランスが取れたクロージングソング
1stアルバムならではの味わいだ


BLACK 'N BLUE - Hell Yeah! ★★★ (2021-05-31 21:38:05)

紆余曲折を経てようやく日の目を浴びた復活作。Frontiersが噛んでいるなら安心できるファンも多いでしょう。今作に確かにトミーセイヤーと言うエースは不在ですが、全員野球で自らの看板を守り切っています。
単なるノスタルジーではない、現代的なエッセンスも取り込み、自らのルーツなる70年代的な要素すら取り込み、ワイルドかつ明朗快活なハードサウンドを披露しています。
血統を汚すことなく、やり切った新生サウンドは懐かしさも一杯。粘り腰のヘヴィグルーブも心地よく鳴り響き、そこに王道的なポップス的エッセンスをぶつかり合うことなく融合、自分達の魅力を端的に伝える事で、新風をより強い味方にしている。ベテランらしい小技を効かせつつもストレートな勢いを損なわないアレンジセンスの妙味、迷いがないからこそ、ヘヴィさとポップさを共存させられたのでしょう。少々、出来過ぎなきらいもあるが、これはこれでアリでしょうね。個人的には15曲は多いなぁ。10曲くらいに絞って欲しかったのですが、それも贅沢な悩みという事でファンの方には許してもらいたいです。でもボリューム多すぎるで…


BLACK 'N BLUE - In Heat ★★★ (2021-05-07 15:28:51)

試行錯誤を繰り返すも成功に結び付かないバンド。前作同様ジーン・シモンズを起用。今回はアダム・マイケルやパット・リーガンも曲作りに参加したりと、腕のある仲間の助力を借りてシーンに打って出た意欲作。
とは言いつつも、勢いのあるサウンドをかなぐり捨て、とにかく落ち着き払ったロックサウンドへと変貌。勿論、自肩の強さを感じさせるバンドサウンドではあるが、方向性をガラリと変えたのはファンにとっては戸惑いでしかなかったろう。しかし器用なメンバーはレーベルの意向を飲み込み見事モデルチェンジをやってのける。前作では吠えまくったシンガーも押さえ気味に唄いリラックスしている。こういう音がバンドの本分ではないのだろうが、⑤なんかは1stに入っていても違和感がないくらいギターが燃えている。
個人的には1stのインパクトを超えられなかったのが成功に繋がらなかったと思ってはいるが、久びりに聴いた今作は、オジサンの耳になると聴こえ方も随分を変わってきた。長い活動の中では、こういう方向性もありと思える説得力があるのは間違いない、あとは嗜好の問題であろう。

土台がしっかりしているバンドな何をやっても様になる。今作も新築そっくりさんと言わしめるほどのプチリニューアルを敢行した、孫も生まれたので二世帯住宅に立て直したのだが、結局は嫁がごねて同居の夢は叶わなった。そんなお家事情による無念さを感じさせる。らしからぬ作風になったと思う。でも質は高い。


BLACK 'N BLUE - Nasty Nasty ★★★ (2021-05-07 15:05:53)

個人的には大失敗だと思っている露骨な売れ線路線の2枚目。完全に興味を失いかけた中で聴いた3枚目ですが、ジーン・シモンズをプロデューサーに迎え、もう一度、本分とも言えるハードテイストを復権、歯ごたえのあるサウンドと大衆性を完備した楽曲は健康的なノリを誘発させ元気溌溂オロナミンCな力が漲っている。
軟弱なイメージを払拭させる乾坤一擲な豪胆さ。こんなに洗練されたメジャー感を持ちながら、実に野心に溢れたロックサウンドである。ジョン・パーデルがキーボードで参加する④もニコニコと走り出したくなる爽快さ、バラエティに富んだ楽曲を従え最後まで駆け抜けていきます。
ラストにはロン・キールやマーク・フェラーリの合間にピーター・クリスの名前までクレジット。いい意味でのパーティ感溢れるアルバムを賑やかに〆てくれます。
ギタリストしては、トミー・セイヤーもコンパクトに纏めてきた、それだけに、弾き倒していた場面は前2作の方が多かっただけに、違う意味でも物足りなさはある。


BLACK 'N BLUE - Nasty Nasty - I'll Be There for You ★★★ (2019-04-21 16:43:11)

硬派なイメージが強いバンドでしたが
この曲は弾けたなぁ
ラジオ向け&MTVを強く意識した印象が強すぎる
でも良い曲である事に変わりはない
売れなきゃ飯が喰えないし好きな事も出来ない
難しい問題だ
餅は餅屋だからなぁ


BLACK 'N BLUE - Without Love (2021-05-07 14:48:14)

1stが思いのほか売れなかった為に、関係者もどげんかせんといかんと、東国原風に叫び、呼び出したのがブルース・フェバーンであった。当然の如くオシャレなアレンジを施しメタリックな本質を押さえ徹底的にコマーシャル性を高めた。
それは1stにもあったが、その裏で見え隠れする硬派さにカッコよさも見出していた身としては厳しい作風になったと思っている。日本でも雑誌の影響もあり、1stや3rdよりは価値があるらしいのだが、今作最大の悲劇は、ここまでやったのに売れなかった事にある。
次のアルバムでは、もう一度、デビュー作のような立ち位置に返り咲くのだが、洗練された今作を駄作と切り捨てるのは惜しい部分も沢山あり、何を求めるかで大きく評価を分けるでしょう。
所謂、煌びやかなL.A勢として聴くなら今作は大正解。しかし、本格派のロックバンドとして耳を傾けると厳しいだろう。こうなるとどこかで聴いた事あるフレーズも完全にマイナス。でも、メジャーロックに興味のある方は、逆にここから聴いて欲しいと思うから難題だ。


BLACK ALICE - Endangered Species ★★★ (2019-08-28 13:29:31)

オーストラリア産の正統派HM/HRバンドが1983年にリリースした1st。2018年にはEPなどの曲を追加してCD化もされています。そちらは未聴なのですが、アナログ盤と曲順なども変えての再発となっていますね。
下記がアナログの曲順です。

A1.Wings Of Leather, Wings Of Steel
A2.Psycho
A3.Hell Has No Fury Like Rock 'N' Roll
A4.Blade Of Slaughter
A5.In The Hall Of The Ancient Kings
B1.Roll The Dice
B2.Running Hot, Running Wild
B3.Rat-Catcher's Eyes
B4.Power Crazy
B5.No Warning

オーストラリアと言えばAC/DCを真っ先に思い浮かべますが、こちらのバンドはよりダークでミステリアスな空気を纏った正統派スタイルを披露。筋肉ムキムキのシンガー、ロブ・ハートリーの癖が強めのシャウティングすたいるもハマる、剛毅なストロングメタルは、ゴツゴツとコンクリートに拳を叩きつける厳つさがあり、そこにダークさとマッチョなタフガイさが加わり胸焼けを起こしそうになるのだが、ミステリアスな空気を運ぶ湿り気のあるメロディが程良く中和、パワフルかつストレートなロックナンバーをやっても、一癖も二癖もあるサウンドへと変換しています。
シンプルな曲を聴けば、歌い手もウド・ダークシュナイダーや同郷のAC/DCタイプの歌い手である事に気付くのだが、基本はNWOBHMの影響を受けた正攻法のメタルサウンドと言えるだろう。

当時、輸入盤屋にも積極的に置かれたと言われる隠れた一品。これほどのクオリティを保持しているのに今日まで無名なのは、2018年まで再発がなかったせいだろう。大幅に道をそれる事は無いのだが、このバンドにドラマ性を持ち込んでいるのは、堅実なプレイで聴き手を魅了するギタリストの存在があるというのも見逃せません。そしてドラムも野性味のグルーブを叩きだしていますね。


BLACK DEATH - Black Death ★★★ (2016-10-24 14:31:22)

オハイオ州はクリーブランド出身の全員アフリカ系のアメリカ人、所謂全員黒人編成によるHM/HRバンドが1984年にリリースした1st。曲調的には正統性の強いメイデン、プリースト、UFO、サバスといったブリティッシュ風味もあるが、土着的なメロディも飛び込んできたりとブーストされた低音の汚らしい歪んだローファイな音質と共に禍々しさや、ヒステリックな叫びと神経を逆なでするような居心地の悪さ、鬱積としたアンダーグランド臭たっぷりの路地裏な世界観が音の塊となり吐きだされていますね。とは言え不安定なプレイはガチガチのメタルを演奏すると目につき、アイデア自体は悪くないのに、すんなりと表現できず渋滞を起こしたりと、気になる点も多々あるのですが、キレの悪いリズムも含め味があるんですよね。その全体にまとわりつく泥臭さが、このバンドのも持ち味なんでしょうね。


BLACK EYE - Black Eye ★★★ (2022-06-01 13:37:16)

最近ではTANKでも唄入れを行っている実力派シンガーのデビッド・リードマンが中心となり結成されたプロジェクト。彼の才気溢れる歌声を中心にハードでメタリックながらもメロディアスなサウンドを展開、バリバリキーボードを前に出した作風もあったりと現代的な音楽性で勝負、どんなタイプの曲でも押しの強さを見せつける歌声はバンドサウンドの肝、パワフルかつエモーショナルなリードマンの存在感を強める楽曲構成に唸ります。
その見せ方の上手さのおかげで、聴いているこちらは飽きませんが、いかにもFrontiers Recordsな音楽性に少々胃もたれも起こしそうですが、そこは趣味嗜好の問題でしょう。盤石の体制から生まれたクオリティの高さ、硬軟交えつつも攻撃性を緩めない音楽性、華やかな80年代テイストを現代にアップデートした音楽性に古さなど皆無。まさに真性メジャーメタルとして受け入れられるべき力作でしょう素直にカッコいいですねぇ。ワタクシは貧乏くさいデモ音源の板起こしNWOBHMを聴きすぎました。


BLACK FLAG - My War ★★★ (2024-03-09 07:41:27)

SSTレコードの創始者であるギタリストのグレッグ・ジン率いるバンドのフルアルバム。SSTと言えばグランジ/オルタナムーブメントの立役者として知られ、このバンドが与えた影響は計り知れないものがある。ヘンリー・ロリンズが加入してからバンドは更に音楽性を強化。パンク/ハードコアとして聴くと随分と違和感がある。
何故ならばスピード感よりも重心低く迫るヘヴィな音像、そのナマっぽさはまさにオルタナティブ、ジャンルを超越した音を既に確立している。正直パンクスなら戸惑うサウンドだったろう。サバスから影響を受けたと言えるドゥームソングが後半に顔出す展開など、まさに賛否を巻き起こす楽曲だ。
ワタクシ如きが伝聞程度の知識でパンク/ハードコアを語るなどおこがましいので割愛するが、このバンドの姿勢そのものがパンクだろう。ジャンルを超越したところで勝負するリアル主義。ターゲットを絞らない事で予定調和を踏み外す事により試聴する側を混乱させる裏切りの連鎖、私の戦争というアルバムタイトルを言い得て妙だと思えてきた。
こういう音を評価するのは難しい。1984年にアメリカでドゥームをやるという勇気というか時代に逆行する姿勢には最大の賛辞を送りたい、しかし、パンクスにとっては苦痛だろう。真逆じゃないか、一曲も長いし、そりゃないぜっていいたくなるよね。
パンクとメタルの融合、この時代だからこそ出せる音だろう。

流行り物に飛びつく節奏のないミーハーな人間などんなジャンルにもいる。このバンドはそんな輩に冷笑を浴びせていますよね。
だから今でも通用するんですよね。時代に左右されない音を出すことの偉大さと心構え。誰だって成功者になりたいが適当な嘘を並べて人気者の側に付く事の滑稽さ、それをサウンドに込めている。


BLACK FLAG - Slip It In ★★★ (2020-06-19 15:16:48)

後のグランジ・オルタナブームの源流たるバンドと目されるカルフォルニアのパンク・ハードコアバンド。
グレッグ・ガンとヘンリー・ロリンズの出会いがバンドを花開かせたのだろうが、バンド名から醸し出されるアティチュードがえげつない音となって表れている。
ハードでうねり上げるリズム、そしてエッジの立ったギターに、ロリンズのタフな歌声、パンクの定義は良く分からないのだが、個人的には生々しいハードサウンドとしてビンビンに響き渡り、このバンドにはパンク特有のフットワークの軽さや、能天気さは皆無。病的な倒錯傾向のある70年代型のハードサウンドをしっかりと受け継いだ古典ロックの旗手と呼ぶべき存在だろう。
こんな音を煌びやかに移り変わるシーンに対抗するようにかき鳴らしていたのだから、恐ろしいほどの高潔なる精神性を持ち合わせたロックバンドと言えよう。
この時代に女性ベーシストを迎え入れているのも気合の表れだろうなぁ。
メジャーレーベルに等、目もくれず自らレーベルを立ち上げ活動、その時代に抗うスタイルこそ、パンクという事か、ジャンル不問、刺激的かつ荒々しい攻撃性を纏ったハードサウンドが好きな聴くべき価値のある一枚ですね。


BLACK HOLE - Land of Mystery ★★ (2014-09-13 15:23:30)

イタリアン産の3人組のよるドゥーム系プログレッシブバンドが1985年にリリースした1st。チープなジャケットからも想像出来るような、ペシャンペシャンのスカスカな軽い音質は深みに欠けますが、妖しげなスローテンポの楽曲にスペイシーなキーボードを被せたりと音楽的な幅を持たせ独自のサウンドに消化しているのは中々のお手前、欧州産ならではのヌメッとした湿度がうねりのあるリズムと絶妙に絡み独特の世界を演出しています。時代錯誤な土着的陰惨なメロディと浮遊感のある歌メロ、不思議なサウンドを軽めの歌声がなぞり、ホワイトエンジェルとは名ばかりな邪教崇拝です的な(雪藤・松田鏡二・ハシム・亜里沙、我らブラックエンジェルの第一部が好きでした)神々しい瑞々しさと禍々しい陰湿さが一つとなり、美しく奏でられていくのは彼らの強みでしょう。この手のマニアには熱烈に支持されそうですが、一歩間違えると眠気を誘う事は間違いありませんのでドライブには向きませんね。稲川淳二、遅れてきた怪談ナイト同様、逆にこの時期から楽しむジャンルですかね。


BLACK KIRIN - 金陵祭 ★★★ (2021-03-28 17:21:41)

漢字では黑麒と書きます。中華圏のフォーク系ブラックメタル。その悲哀に満ちたメロディと暴虐性極まりないサウンド迫力満点。殺傷力の高いリフ、悲しみを抱いて血を吐き咆哮する唄、ブルータリティに満ちた豪快なリズムは強度が高く、エキサイティングなサウンドメイクに一役買っている。
殺伐として狂気、中華風のメロディも大胆に取り込み、静と動のコントラストを際立たせた演出が独自性の花を開いている。7曲入りで唄があるのは3曲、インスト唄インストという具合で物語が進み、戦争と言う不条理なる出来事を彼等流に演出。歴史解釈はどうであれ、我々日本人にとっては、無視できない南京大虐殺を取り扱うコンセプトアルバムとなっています。

個人的には7曲で37分超え、少々長いなぁと感じる曲がある。例えばインストの⑤はスローナンバーで5分半、しかも強弱のある展開がないので、いつまで続くんだろうと心配になる。歌詞が分からないから、余計に見失うのだが、こういう聴かせ方の工夫をするだけでも、随分と聴き易くなるのになぁと思う。

また、この手のフォークメタルには詳しくない為、えげつないパクリがあっても気が付ないのだが、民族楽器を巧みに使い、悲劇の物語をメタル仕立てに作り上げた今作は、エクストリームな暴走サウンドと相まって、中華風○○としては大成功だろう。暴れるところはしっかりと暴れ、泣かせのメロディに繋げている。そこにアイデアの渋滞は起こっていないようだ。


BLACK KNIGHT - MASTER OF DISASTER ★★★ (2013-01-21 10:15:50)

カナダ出身の正統派HM/HRバンドが、かつて1985年にリリースした5曲入りミニ・アルバム「Master Of Disaster」に7曲のボーナストラックを収録して2002年にCD化されてた作品を紹介します。詳しいバイオはわかりませんが、カナダ産とは思えない多様性に富んだヨーロピアンテイスト溢れるミステリアスかつダークなストロングスタイルを極めた剛直なまでのパワーメタルサウンドを披露、この手のサウンドは即効性は薄くとも、聞き込むほどに身体に刻まれるメタル魂を鼓舞する熱いエナジーが迸る勇猛なメロディが随所に盛り込まれ一見、正攻法故に地味に写るスタイルも、数多くの模倣を生かした独自性と継承性の二面を巧みにアピールしていき自らのアイデンティティを形成しているから面白い。自主製作で終わったEP限定500枚と大きなチャンスを得ることなくシーンに埋もれたわけですが、こうして改めて聞き返すと魅力的で劇画かかった大げさなマイナーサウンド等も轟かせ、スケールの大きさや演奏レベル的にも申し分ない本格的なスタイルを披露、日ハム・ダイエー・中日・巨人と渡り歩いた小柄ながらも強打者とも真っ向勝負を仕掛けた負けん気の強さが自慢の名投手、武田一浩あたりを想起させられる、真っ当なHM/HRを聴き胸をすくような気持ちにさせられます。武田のようなタイトルは得られませんでしたが、記憶に残る隠れた名盤ですね。再発CDも廃盤で手に入りづらいようですが、マニアならずとも聴いて欲しい一枚ですね。


BLACK KNIGHT - MASTER OF DISASTER - AARALGATHOR ★★★ (2013-01-22 09:06:45)

重々しい雰囲気に包まれる
貫禄のあるミドルナンバー


BLACK KNIGHT - MASTER OF DISASTER - BATTLEFIELD ★★★ (2013-01-22 09:25:13)

甘さの中にスパイスを聞かせて
硬派でメロディアスな正統派HM/HRナンバー
中盤の盛り上がりも印象的ですね
彼ららしい展開の旨味が印象的です
ある意味王道ですがベタには敵いませんよ


BLACK KNIGHT - MASTER OF DISASTER - BLACK KNIGHT ★★★ (2013-01-22 09:28:28)

ドラマティックなヘヴィバラード
叙情的なフレーズと適度な重さが程よく解けない
シリアスな雰囲気を醸し出し胸に迫ってきます
聴き応えのある一曲ですね


BLACK KNIGHT - MASTER OF DISASTER - BORN TO ROCK ★★★ (2013-01-22 09:04:16)

ノリの良いミドルナンバー
能天気にならない硬派な姿勢が好きです
やはりベースラインも印象的です
ツインギターのソロもコンパクトですが聞かせてくれますね


BLACK KNIGHT - MASTER OF DISASTER - DAY OF THE WIZARD ★★★ (2013-01-22 09:15:11)

女性らしい艶やかさと力強さが楽曲に華を添えています
ブラックナイトらしい勇壮なフレーズも盛り込み
徐々に盛り上がっていく様は圧巻
4分を切るドラマに感嘆します
普遍の魅力溢れる正統派の一曲


BLACK KNIGHT - MASTER OF DISASTER - DEAD OF NIGHT ★★★ (2013-01-22 09:19:58)

○○風な楽曲と言ってしまえばそれまでですが
硬派な勇壮さと叙情的なフレージングにキャッチーさをまぶした名曲です
こういった曲調は好きですね
コテコテ感も満載なソロパートは勿論
バックの緊張感の高い演奏は聴き応え十分です
女性シンガーの可憐さと力強さが炸裂しているサビメロは好きですね


BLACK KNIGHT - MASTER OF DISASTER - FIRE IN YOUR EYES ★★★ (2013-01-22 09:11:47)

扇情的なフレーズが紡ぐドラマティックなミドルナンバー
先人達の影響を滲ませる聴き応えの一曲ですね


BLACK KNIGHT - MASTER OF DISASTER - MASTER OF DISASTER ★★★ (2013-01-22 09:09:22)

バンドのテーマソングともいえる代表曲でしょうね
華やかな雰囲気をまとって正統性の強い一曲
適度な疾走感とテンポダウンする演出がにくい
そして勇壮なフレーズを放り込み劇的に展開させます


BLACK KNIGHT - MASTER OF DISASTER - MASTER OF DISASTER Ⅱ ★★★ (2013-01-22 09:22:08)

再レコーディングなのかリミックス違いなのか分かりませんが
聞き比べて欲しいですね


BLACK KNIGHT - MASTER OF DISASTER - METAL SCREAMS ★★★ (2013-01-22 09:00:57)

L.Aメタルのような毒素も含んだ正統派HM/HRナンバー
この手の雰囲気は大好きです


BLACK KNIGHT - MASTER OF DISASTER - ONE MORE NIGHT ★★★ (2013-01-22 09:31:42)

女性シンガーの特色を生かしたセンチメンタルなロッカバラード
彼女の泣きを含んだ歌唱にジーンとさせられます
力負けしないパフォーマンスは見事ですね
そしてシンガーに合わせた味付けを施しているのも見事
正統性を失わないアレンジも流石です


BLACK KNIGHT - MASTER OF DISASTER - WARLORD'S WRATH ★★★ (2013-01-22 08:58:16)

動きの多いリズムプレイも印象的です
勇壮なフレーズが耳を惹くアルバムのオープニングナンバー
ガツーンと速い曲じゃないのが、またいいのです


BLACK PAGE - Open the Next Page ★★★ (2018-11-23 14:42:44)

昨年の年末から今年の頭にかけ怒涛のリリースを敢行したNEXUS ROCK LEGEND ARCHIVE COLLECTIONの一つとして復活した国産プログレバンドのデビュー作。Key兼Voの小川文明氏を中心としてバンドはスタート、参加メンバーは実弟でG.小川逸史。Bは小嶺恒夫、Dsは手数王でお馴染みの菅沼孝三の4人。そしてアディショナル扱いですが女性Voの久保多美子さんがレコーディングに参加。

出している音は厳つ目のハードなプログレではなく、洗練されたシティポップにも通ずるようなオシャレさと、幻想的で幽玄な世界観は正にファンタジックな精神世界に通ずるプログレスタイルを演出しており、ロックと言う雛型をは一線を画すが、技巧派集団が奏でるテクニカルなサウンドはジャズやフュージョンといった形態をも飲み込み、独特の風合いを出している。
そのプログレの醍醐味とも言える、各パートがぶつかり合う緊張感溢れるプレイ、透明感溢れる幻想的なメロディ、そこに親しみやすさも盛り込み、テクニカルさに洗練された美意識を持ち込んでいる。
ハードなモノを主食とする身としては、いささか喰い足りないのだが、クールで端正なギターも、絶妙なリズムチェンジを繰り返すドラムも、冴えわたるセンスフルなベースも、そして変拍子や不協和音の上で空間を押し広げるキーボードも、その独創性豊かな感性は、新しい可能性と魅力を世に伝えるものとなっているでしょう。

バンド活動は上手くいかず、菅沼は多くのセッションワークに精を出す事に、リーダの小川文明も筋肉少女帯関連やすかんちでのサポート活動が有名だろう。


BLACK ROSE - Boys Will Be Boys ★★★ (2023-10-15 01:35:38)

活動は70年代から80年に入りバンド名を改名、BLACK ROSEと名乗りNWOBHMブームに乗る形で活動。シングル盤にNEAT主催のスプリット盤に参加そして、EPをリリースと大手との契約ではないがコンスタントに作品をリリース。そして待望のフルアルバムへとこぎ着ける。一般的な知名度は低いがNWOBHMマニアの中では有名であり、スタイル的にはメジャーでも十分通用する音楽性を披露。デビュー当時のデフレパートタイプのサウンドであり、いい意味でのメジャー感を引っ提げ堂々と真正面から勝負をしかけている。
NWOBHM四天王とか訳の分からないカテゴライズをされたデフレパートはアメリカンな要素が強いが、このバンドはもっと正統的であり、王道である。しかし商業的な面で引け目を感じさせるようなマニアック路線ではない。ストレートに打ち鳴らされるハードロックは、実に心地よいモノであり、もっと成功してもおかしくない普遍的な魅力を携えている。
批評家の目に留まらなかったが為に、今もってマイナーな存在のままだが、1984年という、またL.Aからの流行病に毒される寸前の英国式メジャーロック、その絶妙なバランス感覚を楽しんで欲しい。一本筋の通った硬軟交えたサウンドは、NWOBHMマニア以外にこそ響くと思いますよ。


BLACK SABBATH - 13 (2022-11-06 17:57:09)

実は最近まで全く聴いたことのないアルバム。まぁいつでも聴けるというのもあるのだが、もう出がらしが出まくったリユニオン的なバンドに興味も削がれたというのが一番です。そんなテンションも全く上がらない中でオープニングを聴いて、すぐに停止しました。
まるで昔の名前で出ていますじゃないか!です。
ヘヴィメタルの始祖、メタルゴッドファーザーのように持ち上げられた彼らの行き着いた先は、まさか過去のアイデアを流用しただけの作風になるとは思いもしなかった。サバスが産み落としたドゥーム系バンドの作品を聴いているかのようなオリジナルティの欠如。
ある意味、原点回帰を印象づけるためのファンサービスとも言えるだろうが、イイ悪いは別にしてチャレンジグした『Sabotage』や『Technical Ecstasy』よりも独創性のない後退した作風になったというのは厳しいだろう。

総じてアイデアが昔のモノである。3回続けて聴いたが印象を覆すような再発見は無かった。相も変わらぬギーザーのメタルベースは耳に残るも、今の時代だから余計に気になるオジーの加工臭、そして覇気の無いアイオミ。②など雰囲気があるので余計に与えるダメージは大きい。ある意味、一番頑張ったのはブラッド・ウィルクだったりするのだが、まぁ、こういう大御所が実験的なことをやると文句を言われる。らしくないだ。しかしやり過ぎると没個性や流用を叩かれる、結局は最大公約数のファンを慮った作風に落ち着かせたのだが、一応、サバスは解散したらしいので、これがラストアルバムになったのは寂しい限りだろう。

とは言え、作風的にベストオブサバスになっているので、入門編には丁度良いかも知れない。これでピンと来なければ過去に辿る必要も無いだろう。そういう意味では大正解だ。

リッチーがいなくなり、全く唄えないイアン・ギランのいるDPに興味も無く全然聴いていなかったが、新しいギタリストを入れてDPは過去の呪縛から解き放たれ全く新しいアイデアを搭載して独創性を叩き出していた。
比べるのはバカバカしいが、本来サバスにも、その姿が求められたと思う。そういう意味では、初期の作風にノックアウトされた本気のファン及びドゥームマスターからは厳しい意見を呈されるだろう。それが評価を分ける最大のポイントでしょうね。

まぁあえて言うならば、もうサバスの息子達がドゥームリフをやり尽くしたと言える。今さら新しいモノなんてないよ、だから理解は出来るのだが、これはBSで繰り返される2時間ドラマの再放送である。まぁあれって好きなシリーズや当たり外れもあるからね。


BLACK SABBATH - Black Sabbath ★★★ (2020-06-19 15:00:44)

僅か2日間でレコーディングされたという、まさにジャムセッション&ライブレコーディングを施してリリースされた渾身の一枚。その異様なテンションはオープニングナンバーから炸裂。音が出るまで時間かかるし、スローな展開でじらされるのだが、後半に向けて徐々にテンポアップ、そしてオジーの狂気の入り混じったシャウト一発から、怒涛の展開へと流れ込み昇天。地中深くまで潜り込むような鈍重な展開と激しさを増すリフワークに、一撃必殺の破壊力が備わっていました。
そのインパクトをタイプの違う②で繋ぐのですが、音楽性は多彩であり(単純に用意していなかっただけかもしれない)、⑤のようなカヴァーソングまであるのだから面白い。
80年代、サバスはマニアに愛されるバンドだった。もっと言うとリアルにロックが好きな人が聴くバンドというイメージ。日本では遥かにZEPやDPの方が人気があり、また女性にはクイーンやチープトリックなどの方がウケていた。
恐らくサバスが、急に取り出されたのはグランジ・オルタナバンドに多大なる影響を及ぼした源流扱いされてからな気がする。

ギーザーが描き出す魔術崇拝思想を掻き立てる歌詞とモチーフに、邪悪なイメージを増幅させる曲と、そうではない曲との対比が何とも愉快。そういうごった煮感が、初期ならではの味わいとしてあるのが印象的だ。そして④のような曲を聴けば、このバンドが、とれだけのフォロワーを生んでいるかが理解できる。大人になってから、ドゥーム、スラッジ系の聴く機会が増えたのだが、今作は、彼らにとって教科書でありバイブルであろう。


BLACK SABBATH - Born Again ★★ (2008-06-09 04:14:00)

英国HM/HR界を背負ってきた二大バンドの融合がエキセントリックなイメージを抱かせますね。ギランの持ち味を活かした楽曲からサバスらしい禍々しさを持つ世界観を残した楽曲を含め、微妙なミスマッチ感はあるもののバンド名に恥じる事のないクオリティを備えている。今作の欠点は劣悪な音質とつまらない唄メロにあると思う、トニーアイオミは何をやってもサバス風の暗黒の世界にまとめ上げるんだと思い知らされる一枚です


BLACK SABBATH - Born Again - Digital Bitch ★★ (2008-06-09 13:47:49)

メタリックなリフがドライブする疾走ナンバー


BLACK SABBATH - Born Again - Trashed ★★ (2008-06-09 13:45:55)

爽快感すら漂うドライビィングするギラン風のHRナンバー


BLACK SABBATH - Born Again - Zero the Hero ★★★ (2007-06-17 03:26:12)

サバスらしい名曲です 惜しむらくはギランのつまらない唄メロです!


BLACK SABBATH - Cross Purposes ★★ (2008-06-09 05:45:00)

Voにトニー・マーティンが復帰しサバス風様式美路線に戻った名盤を紹介します。
ギーザーがいるせいか初期の頃の禍々しさもありつつメロディスなフレーズも聴け
厳粛な世界観を披露している。個人的には重々しいリフとうねりを上げるリズムプレイの数々に惹きつけられますね、やはりサバスはこう有るべきと感じさせる一枚です。


BLACK SABBATH - Cross Purposes - Back to Eden ★★★ (2008-06-13 16:42:21)

サバスらしいメロディアスなHM/HRナンバー
ちょっと地味な感じがしますが曲順としては良いですね
マーティンの伸びやかな歌唱が光りますね


BLACK SABBATH - Cross Purposes - Cardinal Sin ★★★ (2008-06-13 16:51:12)

サバスらしいダークでミステリアスなナンバー
中盤でリズムチェンジするところがカッコイイです
ドラマティックだなぁ
さりげなくKEYがいい仕事をしてますよ
派手なドラムを好きだしね


BLACK SABBATH - Cross Purposes - Cross of Thorns ★★★ (2008-06-13 16:21:49)

サバスならではの様式美が貫かれた名曲です
静から動のコントラストが見事なミドルナンバー


BLACK SABBATH - Cross Purposes - Dying for Love ★★★ (2008-06-13 16:39:48)

個人的にはアルバムのハイライト
絶望的な悲しみが胸を掻き毟りますね
SEVEN時代の雰囲気が漂う名曲
アイオミの美しいギタープレイもさることながら
マーティンの伝説のバンドのメンバーとして恥じない
堂に入ったパフォーマンスが素晴らしいと思う


BLACK SABBATH - Cross Purposes - Evil Eye ★★ (2008-06-13 16:54:01)

禍々しいリフがカッコイイです
何でも歌いこなすマーティンの歌唱は本当に素晴らしい
重さの中にライトな感覚があるのがマーティンたる所以か


BLACK SABBATH - Cross Purposes - I Witness ★★★ (2008-06-13 16:19:05)

ギーザーのベースがカッコイイですね
うねりを上げ疾走する様に圧倒されます
この路線が支持されないなら新しいサバスの
未来はないと感じさせる名曲です


BLACK SABBATH - Cross Purposes - Immaculate Deception ★★★ (2008-06-13 16:33:14)

ヘヴィかつドゥーミーな出だしから疾走する瞬間のカッコよさに痺れますね。サバスらしいドラマティックな展開に脱帽です
ギターソロもカッコイイですね
マーティンの堂に入った歌いっぷりも見事だし
うねりを上げるリズムプレイも耳を惹きます


BLACK SABBATH - Cross Purposes - Psychophobia ★★ (2008-06-13 16:25:02)

割とストレートなアレンジが初期を思わせますね
ダイナミックなナンバーです


BLACK SABBATH - Cross Purposes - The Hand That Rocks the Cradle ★★★ (2008-06-13 16:47:17)

リフマスターアイオミの奏でるギターが素晴らしいです
ヘヴィなリフに美しいメロディと彼らの魅力を詰め込んだ名曲だと思う。エモーショナルなギターソロが切り込んできた時点で昇天しますね。安易にカッコイイと言う表現を差し支えたくなります。アルバムのハイライトとも言うべき名曲です


BLACK SABBATH - Cross Purposes - Virtual Death ★★ (2008-06-13 16:28:06)

サバスらしい重苦しいヘヴィなミドルナンバー
この手の曲を歌うマーティンも悪くない


BLACK SABBATH - Cross Purposes - What's the Use ★★ (2008-06-13 16:57:20)

アルバムのボーナストラック
ノリの良いストレートな疾走感がカッコイイですね
ギターは何処を切ってもアイオミ節です
ボビーロンディネリにはこう言う曲が合っている


BLACK SABBATH - Dehumanizer ★★ (2008-06-09 05:35:00)

メロディアスなサバス様式美を築き上げたメンバーが集結したアルバムを紹介します。ロニー復帰に伴いあの路線を期待したのですが、時代を意識したモダンなヘヴィ路線へとシフトチェンジその融合具合が評価の分かれ目でしょう。ロニーはメロディを歌うのではなくヘヴィでパワフルな歌唱を披露し若いファン層にアピールしている。彼らにはモダンでヘヴィなバンドが頭角を現しシーンに新しい風を送って来た時期だけに問答無用の正統派HM/HRアルバムを叩きつけ存在をアピールして欲しかったと言う向きが多かっただけに評価が厳しいものになったのでしょう。このメンバーと気にしなければ楽しめる内容で凡百のバンドでは太刀打ち出来ないレベルではある。むしろ再結成ブームの走りでアルバム一枚、ワールドツアー一回みたいな契約があったと言う事実に興ざめした覚えがあります。良くも悪くも90年代的アルバムですね。


BLACK SABBATH - Dehumanizer - Buried Alive ★★ (2008-06-12 04:57:21)

ギラン時代の雰囲気が漂うダークなナンバー
ギターソロが好きですね


BLACK SABBATH - Dehumanizer - Computer God ★★ (2008-06-12 04:42:15)

一歩間違えれば名曲になっていたかも
モダンな新機軸を打ち出したサバスサウンドを伝えるミドルナンバー。パワフルなドラムが耳を惹きますね


BLACK SABBATH - Dehumanizer - I ★★ (2008-06-12 04:54:21)

重苦しいイメージを抱かせるヘヴィなミドルナンバー


BLACK SABBATH - Dehumanizer - TV Crimes ★★ (2008-06-12 04:43:51)

パワフルかつアグレッシブな疾走ナンバー


BLACK SABBATH - Dehumanizer - Time Machine ★★ (2008-06-12 04:47:29)

キャッチャーでドライブ感のあるナンバー
ロニーの怒気をはらんだ歌い方が気になる


BLACK SABBATH - Dehumanizer - Too Late ★★★ (2008-06-12 04:52:27)

ドラマティックかつメロディアスなミドルナンバー
静と動のコンストラストが上手く機能しサバスらしい哀愁が漂っています


BLACK SABBATH - Forbidden ★★★ (2014-07-01 15:14:52)

リリース前もリリース後も多くの方から非難を受けたサバス史上もっとも問題の多かったアルバム。理由はプロデューサーに黒人ラッパーとラップのパートがある事が発端となり英国の伝統、ひいてはメタルへの愚弄等と散々な言われようでした。当時の風潮は確実にネガティブなもので、そりゃもう忘れられませんね。
と言うわけで今作は友人がただ同然で譲ってくれた一枚、結論から言えば「何があかんの??」「サバスじゃん」「いやいや丸っきりサバスじゃん」誤解を恐れずに言えば僕は様式美系サウンドが大好物なのです「TYR」や「The Eternal Idol」「Headless Cross」なんかは様式美系としては誉れ高いが所謂、サバス的な感覚で言えばちょっと違う方向になるわけです。そういう観点から行けば今作はそれまでのサバス同様流れの中で出来上がった一作だし、概ねこれまでのスタイルを踏襲しているし網羅している。何故にあそこまで叩かれたか悩まされる一枚となりました。ドゥーミーな①のラップなんて全然気にならないし完全に消化されている、ポップな⑧もマーティンの深みはあるがマイルドな歌唱スタイルやジェフの奥行きのあるプレイ、コージーのドラムと威厳は失われていない(全般的に力の弱いダイナミズムに欠けたミキシングは不満です)。ラッパーを入れた実験要素などほぼなし、ある意味、黄金のラインナップが今の時代を意識しらしさを失わず多様性も孕み聴きやすくまとめた意欲作と言うだけの話。こういう問題作を逆説的に持ち上げる風潮もありますが、ドゥームより様式美派の僕としては尚更、引き寄せられる要素も強いですね。マーティンならではの歌声が深みのあるサウンドにマイルドな要素を持ち込み聴きやすくまとめ上げた今作の光沢も新時代の1995年のサバスサウンドだと激しく思います。


こっからは少々話が変わるのですが、メタルにラップなどけしからんと叩きのめされたアルバムですが(トニー・マーティンもあかんのだろうね?)その数年後、メタル界はどうなったでしょうか?そして今はメタルにラップなんて当たり前にあるわけだし、なんならこれがこれからの形、マーティンのようなメロディをなぞるなんて古い古い古い、グォーっと叫んでいないの、言われているわけです。最終形態がマスク被って大所帯です。時代が違うと言われればそれまでですが、いまもっても今作がダメなら…もう言いませんが、このアルバムを聴くと当時を思い出し嫌な気持ちになり、今を見渡せば腹が立ちます。1995年、20代の僕はまだまだウブでした。それはHM/HR系の音楽に、流行り廃りなどとは無縁の音楽でどんなにセールス的に優れたものがあってもサバスやメイデン・プリースト等の前では不要な論理と思っていたわけです。その後のシーンの激変ぶりを僕は遠くから見ておりました。まさに他人事なわけです。時代とともにスタンダードが変わるわけがない、それだけの話です。


BLACK SABBATH - Headless Cross ★★ (2008-06-09 04:55:00)

ドラマーにコージー・パウエルを迎え制作された今作はサバス様式美路線の本流を行く名盤へと仕上がっています。アイオミの扇情的なギタープレイは勿論、前作以上に堂に入った威厳さえ漂う唄を披露してくれるマーティンのパフォーマンスは素晴らしく、今作をより高い次元へと昇華してくれます。時代の流れと逆行した正統派路線を貫いた彼らの気概にまずは敬意を払いたいと思います。コージーのパワフルなドラミングは素晴らしく伝説のバンドに大きな足跡を残してくれました。


BLACK SABBATH - Headless Cross - Black Moon ★★★ (2008-06-10 06:55:18)

キャッチャーな唄メロが耳を惹くブルージーかつメロディアスなHM/HRナンバー、コージーのシンプルだがタイトなドラミングも艶のあるギターもカッコイイです、ジェフの仕事っぷりも忘れてはいけないこのラインナップだから生まれた名曲です


BLACK SABBATH - Headless Cross - Call of the Wild ★★★ (2008-06-10 06:52:19)

キャッチャーな唄メロを力強く歌いきるマーティン節が冴えるドラマティックなミドルナンバー、アラビア音階なのか中近東風のフレーズが聞こえてきます。サバスらしい妖しげな雰囲気を残しつつも叙情的な美旋律が華麗に舞う名曲ですね、マイルドな印象を与えてくれるのがマーティンの唄でしょう


BLACK SABBATH - Headless Cross - Devil & Daughter ★★★ (2008-06-10 06:38:35)

キャッチャーなメロディが耳を惹くメロディアスなHM/HRナンバー。コージーのパワフルなドラミングが勇壮なイメージを抱かせますね。マーティンの唄は説得力が増し素晴らしい歌声を披露してくれます。サバスらしいドラマティックな名曲です


BLACK SABBATH - Headless Cross - Headless Cross ★★★ (2007-06-17 03:41:54)

結局はトニーの唄があるからスゴイんでしょ
シンプルなリズムにコージー節が炸裂してます
問答無用の名曲です!!


BLACK SABBATH - Headless Cross - Kill in the Spirit World ★★ (2008-06-10 06:46:13)

ミステリアスかつダークな雰囲気が漂うミドルナンバー
壮絶な泣きを讃えたアイオミのギターソロに悶絶します


BLACK SABBATH - Headless Cross - Nightwing ★★★ (2008-06-10 07:00:10)

サバスらしい妖しげなメロディが華麗に舞うパワーバラード
悲しい旋律を奏でるアイオミのギターがハイライト
アルバムのラストを飾るのに相応しい名曲です
暗さや重さだけがサバスの魅力ではありません
ドラマティックな構築美とメロディセンスも彼らの魅力なんです


BLACK SABBATH - Headless Cross - When Death Calls ★★★ (2008-06-10 06:41:57)

サバスらしい威厳に満ちた重厚なアンサンブルとドラマティックな展開が素晴らしい名曲です。哀愁のある唄とミステリアスなムードが実にマッチしていますね