ゆりやんレトリィバァの熱演が話題のドラマ極悪女王。その人気ぶりは凄まじく、とうとう今作の配信が決定した。幻の珍品の復活。既にゆりやんがカヴァーしているDump the Heelも披露されているが、彼女、さぞや苦労したろう。 なんと言ってもダンプ松本の壊滅的な歌声、その極悪ぶりに、どう歌メロを理解すれば良いのか苦労したはずだ、とにかく凄かった。藤波辰巳は殿堂入だが、80年代らしいよなぁ。こんなクオリティで商品化されるんだから昭和のえげつなさを感じますよね。
①は未発表曲でアコギヴァージョン。③⑨⑩はХимераから、あともリレコーディングで占められる企画モノ。恐らくバラードタイプの曲を抽出したベスト的な作風なんだろう。よほどコアなマニアでもない限り、ヴァージョン違いだけで占められる作品に手は出さないのだろうが、アルバムタイトルでもあるGolden Earringカヴァー『Going To The Run』のロシア語ヴァージョン⑭のライブヴァージョンが聴けるのが最大のポイントだろう。悲しいタッチのメロディは、このバンドに良く似合う。 しかし現在ダウンロード盤でカットされているのが悲しい。アルバムタイトルじゃん。そしてタイトルも英語に訳すと『Careless Angel』になり原題と違う。ややこしいわ。日本人みたいなことするなよと言いたくなりますよね。それでなくともロシア語なんて馴染みないんだからと、アジアの片隅から叫んでみます。
ちなみにこのカヴァーは1999年にリリースしたEP『Tribute to Harley-Davidson』に収録されているのだが、現物は見た事無いし聴いた事もない、そこにはManowarのカヴァーもあるんだからマニアはほっとけないでしょう。罪作りなバンドだよ。コンプが困難だから挑戦したくなる、まるで天竺のようなバンドだ。
英語に訳すならHero of Asphalt 20 Yearsと銘打ったライブ盤になります。彼らの歴史では3枚目にあたる『Hero of Asphalt』の完全再現を実施、前後にバンドの代表曲を挟むのだから、これが駄作になるわけがない。 癖の強いロシアン民謡調のメロディやロシアンバロック様式からの影響をふんだんに取り込み、アイアンメイデン風に纏め上げた楽曲は、どれもが一発でアーリアのものだと分かる個性に溢れている。 言語も今だにロシア語に拘っている為に、今一つワールドワイドな存在になれないが、80年代からずっとメタル一筋で活動を続けてきたレジェンドバンド。特筆すべきはグランジやオルタナからの影響を全く寄せ付けなかったという、気合いの入りようが魅力となっている。昨今ではユーロ圏の進出も果たしているロシアンメタルの皇帝。高い演奏力と会場を飲みこむ圧巻のパフォーマンス、ベスト的な意味も込めて、アーリアの魅力を知る上では重宝する一枚でしょうね。