女性シンガーを二人擁するメロディアスHM/HRバンドのデビュー作。名門Frontiersレコードからのリリースなので間違いはありません。既に先行リリースされたカヴァーソングの3曲の出来も素晴らしく(ABBAのGIMME GIMME GIMEE,NIGHTWISHのAmaranth、EUROPEのRock The Night)オリジナル作に対する期待も高まりましたが、このバンドは見事に高いハードルをクリアしています。
日本語に訳すと『私を崇拝するか死ぬか』というタイトルと持つ、往年の大映ドラマでも言わねえぞと突っ込まずにはいられないセーラー服反逆同盟な(スケジュールが忙しくキャスティングされた中山美穂が他の演者と共演シーンの少なかった記憶があるドラマ、仙道敦子とのダブル主演とも言えるが、ワタクシは弓削 ルリ役を演じた山本理沙派です。ちなみにVIXENならシェア・ぺターゼン派) イメージを抱かせるが、その期待に沿ったハチャメチャなネオクラスタイルのスピードメタルサウンドを披露。よりキレまくりなのは次作ですが、今作も負けず劣らずの破天荒さを披露、所狭しとカット様のクラシカルギターのオンパレードにビビります。もう少し間を考えた方が聴きやすいに決まっているのですが、今作はカット様の責め苦に耐えれるメタルドM大集合なので、『私を崇拝するか死ぬか』を地で行く猛者限定の一品として、当時のマニア筋を恐れひれ伏せさせていましたね(-100点か100点かの二者択一な作品)。 かくゆうワタクシも、いつも5曲目の『DIE DIE DIE』辺りのコーラスパートまでくると、余りの責めの強さに耐えれず中座を余儀なくされるのですが、予定調和なんて嫌だ、俺を裏切って欲しい、そんなブッ飛んでるメタルが聴きたいと思う方には2007年にポーランドのMetal Mind Productionsからリマスターで再発されましたので、カット様の手ほどきによる無間地獄に招待されてはいかがでしょうか?それにしても今回、久しぶりに通して聴いたけど、肩凝ったわ。目がシバシバしてますよ。
Ten Years Afterのベテランベーシトのレオ・ライオンズが立ち上げたバンドの1st。参加メンバーはドラマーにWHITESNAKEの初期メンバーのデイブ・ダウル、MAGNUMのケックス・ゴーリン、キーボードはMSGのアンディ・ネイといった英国ハード人脈に、ヴォーカル・ギターを務めるトニー・クルックスなる人物が参加する陣容。 参加人脈を無駄にすることなく、ブルージーな味わいも隠し味に、大人が聴いても恥ずかしくないハードポップサウンド披露。キーボードの使い方もコマーシャル性を高めるだけではなく、空間演出にも一役買っており、温和な感触を与えていることに成功している。 唄を中心とした作りの為にハードさやスリルといった面は薄味だが、ベテランミュージシャンが揃っているだけに楽曲は粒揃い、質の高いハードポップサウンドはTen Years Afterとは真逆なれど、どれもがヒットソングになり得るポテンシャルを秘めています。とは言えリリース時の状況が悪かった。1992年に80年代的な楽曲に需要などなく、思った成功を収められなかったと言われている。今となっては、誰も知らないバンドかもしれないが、英国的な味わいと洗練されたポップロックを楽しみたい方なら、是非ともトライして欲しい一品ですね。DANGER DNGERとかFIREHOUSEの曲をシャッフルして聴いても違和感のないクオリティを携えていますのでね。その筋のマニアにも聴いて欲しいです。
Saint Vitusのシンガーとして活躍、一時だが極悪お下劣バンドMentorsでベースも弾いていた、アメリカンロックの裏街道を走りまくった男、スコット・ウィノ・ウェインリッヒ率いるバンドの2枚目。世界中がメタルバブルに踊り、ヘアメタル勢が隆盛を極めた80年代中期から辛酸を舐め尽くした男&バンドであるSaint Vitus、時代遅れも甚だしい初期サバス路線で浮かれまくるシーンと対峙していたのだから恐れ入る。 サクソンアメリカンナイズドも爆笑ネタだが、それ以上に深刻だったのは90年代から突如現れた、おれ初期サバス支持者の急増、しかも実はおれ昔からサバスが好きだとヌカス大嘘つきが大量発生した事でしょうね。