本作は「THE WORST HEAVY METAL ALBUM OF ALL TIME」(笑)という、聖飢魔Ⅱの0点レビューの如く、素敵すぎる評価を得たという81年発表の記念すべきデビューアルバム。 ジャケットは空高く剣を掲げる戦士の図。100点満点のカッコ良さです。 音の方はというと、PARADISE LOSTとは比較にならないほどの薄っぺらさで失笑。ベースの音など結構聞こえるのですが、チープな音作りのため、結局ペラペラ(笑)当時としても、この音の薄さは稀有なものでしょう。 楽曲もまだコンパクトなものが殆どで、そんなに大仰でもありません。しかしコンパクトながらもドラマティックな楽曲構成、ヒロイックファンタジー世界を思わせるインストナンバーを収録するなど、やりたいことはデビュー時からハッキリと定まっているのが分かります。 個人的に、CIRITH UNGOLの最大の個性であるTIMの変態ヴォーカルが、1stから既に本領発揮されていることに感動しました。4th収録の「CHAOS RISING」「FALLEN IDOLS」みたいな名曲はありませんが、正統ナンバー「FROST AND FIRE」、TIMの変態ぶりに悶絶必至の「I'M ALIVE」、初代ファミコンのBGMっぽい「WHAT DOES IT TAKE」、ドラマティックなインスト「MAYBE THAT'S WHY」など佳曲はありあす。 B級ですから決して万人受けするものではありません。しかしジャンクフードを愛でる心がある人には、本作の良さはきっと分かってもらえるでしょう。
84年発表の2ndアルバム。ジャケットは骸骨オバケに立ち向かう戦士の図。相変わらず100点満点のカッコ良さです。 本作は1stの頃に比べ、明らかに大仰メタル化が進んでいます。軍隊行進を思わせる「ATOM SMASHER」、イントロが2分以上に及ぶ「MASTER OF THE PIT」、ドラがボワ~ンと鳴る「DEATH OF THE SUN」、そして極めつけとしてバッハのカヴァー「TOCCATA IN Dm」等。楽曲レベルも向上し、B級ながら、ドラマティックメタルの必聴盤ともいえる内容です。84年といえば、MANOWARが名作「SIGN OF THE HAMMER」を生み出した年でもあります。本作とMANOWARの「SIGN~」では、クオリティーは雲泥の差ほどもありますが、今の技術でリレコーディングしたら更なる傑作に生まれ変わるのではないかと、ROSAE CRUCIS (MANOWARとCIRITH UNGOLを敬愛する2003年にデビューした新人バンド)のカヴァーを聴いて思いました。今でもカルト的な人気を誇るバンドなんだから、いっそのことまた再結成してSAXONみたいに再録ベスト作ってくれないかなぁ...。
84年発表の1st。 1曲目のバンドのテーマソング「CLOVEN HOOF」は、かなりの曲者。 ミドルテンポが1分30秒ほど続いた後、急に静かになる。大抵の人がここで気を抜くと思うが要注意。そこから徐々に盛り返しを見せ、リスナーの気を再び引き付けた矢先、スピーカーから飛び出す狂気の咆哮 「エコエコゥ♪アザラク!」 思わず飲んでた茶を吹いてしまうほどのインパクトなのである 笑 収録曲は、前に発表したミニと同じくNWOBHM印のホンモノメタルですが、ツインリードのメロが強化され、更に輝きを増しています。 「LAYING DOWN THE LAW」「RETURN OF THE PASSOVER」等、どれを取ってもガッツポーズもののカッコ良さだ! エコエコゥ!
◎デイヴィッドシャンケル◎ 1988年、ロスザボスの後任としてMANOWARに加入し、7th「THE TRIUMPH OF STEEL」(勝利の鋼鉄)に参加。1993年、現時点で唯一のMANOWAR来日公演でプレイ。1995年、クラシックギターの勉強に専念するためMANOWARを脱退。そんな彼が約8年のブランクを経て、自らのバンドDSG(DAVID SHANKLE GROUP)を率いて戻ってきた!! MANOWARの「勝利の鋼鉄」は、30分近くの超大曲「ACHILLES AGONY AND ECSTASY IN EIGHT PARTS」の幕開けで有名なアルバム。確かにあの曲自体は一般評価通り失敗の部類ではありますが、MANOWARらしさを最も見せ付けたアルバムであり、2曲目以降は「METAL WARRIORS」「THE POWER OF THY SWORD」「MASTER OF THE WIND」等の名曲を収録したなかなかの作品だとわたしは思っています。ジャケットアートは最強だし。ちなみにデイヴィッドはここで名バラード「MASTER OF THE WIND」をジョーイと共作しています。 DSGの「ASHES TO ASHES」は、BURRN!誌で伊藤政則氏が評した通り、確かに1曲1曲のインパクトは強いとは言えません。しかしながらMANOWARで培ってきたサムライ魂は未だ健在で、2ndアルバムでの飛躍は充分期待出来る内容です。 デイヴィッドは日本を痛く気に入っており、来日公演の実現を熱望しています。MANOWARブラザーのみなさん、彼を応援して是非とも日本へ呼びましょう!!HAIL TO DSG!!
元MANOWARのギタリスト、デイヴィッド・シャンケル率いるDSG、2003年発表の1stアルバム。プロデューサーはジョーイ・ディマイオ。 ネオクラ/メロパワの要素を含んだ正統派メタルで、そういう点ではMANOWARの音楽性と若干違いがあります。しかし一音一音が弾丸のように飛び出す強靱なスタイルはMANOWAR同様で、そこら中に散らばっているひ弱な連中とは一線を画しています。本作でデイヴィッドは明らかにMANOWAR時代と比べて、自由に弾きまくっています。 楽曲ですが、YNGWIEに影響された影がチラチラ見て取れ、タイトル曲「ASHES TO ASHES」は「RISING FORCE」に、「CALLING ALL HEROES」は「PRISONER OF YOUR LOVE」に似ています。まあネオクラでYNGWIEの呪縛から抜け出している連中などいない、と開き直れば楽しめます(笑)1曲目~4曲目までの流れは非常に優れているのですが、それ以外は特出した楽曲が少なく(後半に捨て曲多し)、YNGWIEクローンと評されてお終い、でも仕方ない側面もあるのは事実です。 しかしながら、各パート、無名ながらなかなかの実力者揃いで、伸びやかに歌うヴォーカル、ギターとの掛け合いソロなどで見せ付けてくれる異常に存在感のあるキーボード、メロスピにありがちな「タカタカタカ」と子虫のように鬱陶しいスタイルではなく、あくまでMANOWARのスコット・コロンバス、ライノを彷彿させる強力なリズムを叩き出すドラム、等、2ndでの飛躍は大いに期待出来ます。 MANOWARブラザーのみなさん、デイヴィッドを応援しましょう。HAIL TO DSG!!
ジョーイに捧げたという弾きまくりギターソロ&インスト曲。 3分ほどギターを弾きまくった後、何故か1分ほど間があり、隠しトラックのようにインスト曲が始まる。前半の弾きまくりギターのヤケクソ感はMANOWARの捨て曲「BLACK ARROWS」に、後半のインスト曲はYNGWIEの「TRILOGY SUITE OP:5」に笑えるほどそっくり。 全体で何と9分もある。KING OF SPEEDを志すデイヴィッドの分かり易い主張だが、これは蛇足だ(笑)!!純粋につまらない。これは今のMANOWARのギタリストであるカールにも言える事ですが、ソロで闇雲に速弾きするのは本当に退屈なので止めて欲しいです。もっとメロディーを大切にしてほしい。
81年発表の1stアルバム。NWOBHM作品としてはかなり有名な1枚。 バンド名は「DEMON」、墓石が内臓をかきむしるグロいジャケット、1曲目「FULL MOON」における不気味さ、「ホントに大丈夫なのか?コレ...」と不安でしたが、2曲目「NIGHT OF THE DEMON」を耳にしてズッコケた。何だこのキャッチーさは(笑) 気持ち悪くおっかないイメージとはまるっきりかけ離れた音楽性。泣きのギターが堪らない「NIGHT OF THE DEMON」、思わず体を揺り動かしたくなるリズミカルさとキャッチーなコーラスを持つ「INTO THE NIGHTMARE」、THIN LIZZY的な「FATHER OF TIME」「DECISIONS」他、親しみやすさ満載の佳曲が勢揃い。特に「NIGHT OF THE DEMON」と「INTO THE NIGHTMARE」の2曲はNWの名曲として必聴の部類でしょう。 噂によると、聖飢魔Ⅱもやっていた棺桶から飛び出すという演出をこの時既に確立していたというのだから驚きです。エンターテイナーとしての素質もあるバンドなんですね。何と未だ現役バンド、げっ!