どこか耽美趣味の感じられるジャケのアートワーク、個人的に好きなバンドであるSECRETS OF THE MOONに似たバンド名に惹かれ購入したんですが…目論見通り(?)、SECRETS OF THE MOONやPORTA NIGRA辺りに通じる、知性的な雰囲気を持ったプログレッシブなブラックでした。特に事前知識とかなく勘と直感だけで買ってしまいましたが、結構当るもんだと自分でもびっくり(笑)。
路線としては、ヴォーカルがドスの効いたガナリと低音のグロウルを併用するスタイルだったり、低音の効いたプロダクションがダイレクトな攻撃性を放っていたりと、デスメタルからの影響も感じさせつつ、フレンチブラックらしい毒々しいメロディも多分に含んだ作風で、同郷のSVART CROWNやメンバー的に繋がりのあるTEMPLE OF BAAL辺りとも通じる音を出してますね。
ALI PROJECTがサイケ/プログレ方向にいかず、Xa方向に行ってたらこんな風だったのでは…という雰囲気の、ダークでロマンティックなメロディが聴けるゴシック寄りの曲。ALI PROJECTよりも近寄りがたさがなくて、ダークさが幾分エンターテイメント的な方向を向いている感じ。…でも、曲自体の魅力は本家にも負けてないと思う。ヴォーカルも向こうよりも親しみやすさがあると思うし。
Harmonieで魅力的なヴォーカルを聴かせてくれた梨本さんがヴォーカルという事で、めっちゃ期待値が高かったんですが…それでもこれは衝撃がありましたね。繊細な声質で、声を張って歌う彼女の歌声が実に素晴らしい。特に「♪今日も鮮麗 咎めのFaith of Night」の歌いまわしが熱すぎる。ああ、マジで彼女をリードヴォーカルに据えたクサ歌謡ゴシックメタルアルバムとか出ないかなぁ…こういう繊細さがあるけど、媚びない歌いまわしが出来るヴォーカルってメタルシーンでは稀有だと思うので…。