個人的に凄く惜しい1曲。 「♪From the depth~」からの歌メロは、あともう一捻りすれば大悶絶確定のクサメロになりそうなのに…何だかお上品に纏まってる感じがする。この作品に不満がある人って、多分こういうところに煮え切らなさを覚えるんだろうなぁ…。リフもキャッチーで、即効性のある良い曲だとは思いますが。
取り敢えずアルバムで一番好きです。 「♪No one knows~」のバッハ風歌メロがとにかく素晴らしい。アメリカ産のバンドながら、MINSTRELIXとかと勝負出来るレベルの歌メロですよ、これ…。「Divided we stand, united we fall」という歌詞もかっこよくて皮肉が効いてて好きです。
音質はメジャーなバンドと比べると少し平べったい感じがしてしまい、キーがかなり壮大なフレーズを弾いていても、例えばANOREXIA NERVOSAやSCARS OF CHAOSのような「ド派手」な音像にはならない感じなんですが、逆に禍々しさや陰惨さの演出という意味ではこの音でこそ、という気もします。個人的に、ドラムの音の洪水にキーボードやトレモロリフが呑み込まれるミックスは苦手なので、これくらい湿った音の方が良く思えたり。
Mutiilationのメンバーも関わっているブラックメタルバンド。 曲的にはMutiilationやHell Militiaあたりをグチャグチャにして 狂い系のリードギターをフィーチャーした感じでとてもかっこいいです。 まだデモ以外はV.A.の「From the Entrails to the Dirt」ぐらいしか まともに買える音源は無いみたいですが、早く1stを出して欲しいです。
6曲目の、妖艶な女性ヴォーカルの歌うスキャットのメロディなんかもキャッチーすぎてなんかムカついてくるレベルですし(笑)、英訳すると「We are Celts」のタイトルを持つ8曲目は民族メロディが余りにも濃すぎて、お花畑をスキップしたくなりそう。これら以外のクサメロ特化型でない楽曲も、やっぱりどこかメロディが印象に残るんですよね。流石クサメタルの国、イタリアのバンドだけあります。
大々的にラップをフィーチャーした曲。 …でも、こういう抽象画のような情景を浮き上がらせる手法の一つとしてラップを選択しているという感じなので、メタラーでも意外に受け入れられるんじゃないかと思います。メタラーがラップ嫌いを克服するのにいいかも。ARCTURUSの「Master of Disguise」のリミックスと合わせてどうぞ。
1994年に発表された音源をリミックスした「Ned i Stillheten」に、SHININGのKvarforthとXASTHURのMaleficという豪華ゲストを呼んで制作された新曲「Solve et Coagula」を加え、2009年にKyrck Productionsよりリリースされた音源集。
まず1曲目は、新曲の「Solve et Coagula」ですが…鬱系にも通じるスローテンポを中心とした作風ながら、ところどころシンフォ要素を上手く挟んだ展開で、他に似たバンドを挙げづらいオリジナリティある音楽性。上品なはずのシンフォ要素が、恐く聴こえる辺り、感性が根底からブラックなんだろうな~と思います。SEの使い方も、LIFELOVER辺りに通じる不条理な恐さを感じられますし。
94年の音源において、SEや打ち込み、低音質を上手く利用し、倦怠の中で徐々に終末に向かっているような雰囲気を演出しているのを聴くと、彼らがその雰囲気を更に強めるためにジャズやエレクトロニカを取り入れたのは必然だったと思わざるを得ません。 そしてそれが実を結んだのが、ブラックの裏名盤「How the World Came to End」ではないでしょうか。