「rasen」にも通じる、暗く煌めくような美しいメロディを持った珠玉のバラード・ナンバー。生のストリングスを使用しているせいか、過去最高の壮大さがある楽曲だと思います。歌詞も失恋を歌っていながら、その壮大さ故になよなよした感じを全く感じさせないものとなっていて、凄く気に入りました。 私的には、深みのあるメロディのこの曲をシングルとして出してくれたことが嬉しいですね。Janne Da Arcは明るくポップなだけではないバンドであることを一般層にも知らしめる事が出来たのではないでしょうか。
路線は、オルガンやストリングス、ピアノ等の音色を用いた劇的なキーボード・アレンジが持ち味のシンフォブラックですが…このメロディが本当に素晴らしい。CRADLE OF FILTHの「Midian」や「Dusk and her Embrace」アルバムを思い起こすような、クラシカルで陶酔的な美を感じさせるメロディですが…ASRIELや六弦アリスなど、同人シンフォ系のグループを思わず想起してしまったくらい、そのメロディの使い方が派手で分かりやすいのが特徴。このキャッチーなまでの派手さは日本人ならではと言えるでしょう。
人それぞれ好みがあるので、安直にCRADLE OF FILTHみたいなジャンルでも最も有名なバンドを持ち出してきて、それを超えた…なんて事は言えませんが、派手さや分かりやすさ、取っ付きやすさに於いては個人的にはCOF以上だと思う。美しいメロディが派手に炸裂する様を聴くと、つい恍惚となってしまうようなメロディ重視派メタラーならば必聴盤です。
スペインのブラックという以外、何の予備知識もなく聴いたので最初の出音には結構驚きましたね…Vintersorg氏やGarm氏を思わせる、男声美声クリーンによるオープニング。この美声クリーンや、ギターによる暗い森を思わせる、ゴシック的なメロディを絡めて情緒たっぷりに展開していくブラックで、ゴシック色強い頃のOPETHやWOODS OF YPRES辺りともそう遠くない音。マイルドな美声クリーン以外に、低音グロウルと絶叫を使い分けるヴォーカルもなかなかの巧者。
DISK UNIONの紹介でSKITLIVとBURZUMが引き合いに出されてたので、つい買ってしまった一枚なんですが…確かにノイジーに引き摺るスラッジ/ドゥームと、陰鬱なメロディの鬱ブラックを掛け合わせた作風は、その2バンドとかなり共通したものがありますね。ただ、鬱ブラックの叙情性というよりは、どこか荒廃した世界観を持っているバンドだと思います。
スラッジにしろ鬱ブラックにしろ、どちらの要素もかなり堂に入っている感じで、スラッジ部分は人間の神経が灼き切れるのを目視しているかのような、脳を侵すような音だし、時折入るトレモロもただ陰鬱なだけでなく、BURZUMの「Ea, Lord of the Depths」や「Spell of Destruction」辺りに通じる、聴き手に暗黒と対峙する事を強いるかのような、どこか神秘性も感じさせるものでかなりセンスがあると思う。