他にも、最近のCRADLE OF FILTHの曲のクライマックスで使われそうなギターメロが唐突に登場したり、ゴシック趣味の強い耽美なピアノを大々的に取り入れてみせたり、催眠的なメロディをパーカッシブなリズムに乗せたり、とにかく一筋縄ではいかない展開が多いのが特徴。ただ、キーボードやトレモロリフがメロウなフレーズを弾くパートや、突飛な仕掛けを施したパート以外の部分は、ヴォーカルの殺る気のなさも相俟ってちょっと凡庸に聞こえてしまうかも。
ENSLAVEDやTHRONE OF KATHARSIS、THUNDRAなどノルウェーのブラックのメンバー/元メンバーが関与するゴシック/ブラックという事ですが、確かに女性ヴォーカルのゴシックにシンフォニック・ブラックのテイストを加味したような作品に仕上がってますね。曲によって演奏がほぼゴシック・ドゥームそのものだったり、メロブラっぽい疾走パートを設けてきたり、ゴシックとブラックの要素の配分を変え、聴き手を引き込むようなアルバム構成にしている感じ。
この曲が店頭で流れていたのを聴いて購入。 一過性の「クサさ」に留まらない、洗練された「流れの良さ」を持つ歌メロ、それを歌うJanne Da Arc的な見栄の切り方の、伸びのあるヴォーカルに惹かれました。一聴でV系好き、ジャパメタ好きを惹きつける力のある1曲目。「Ambivalence」でも使われているBメロ部には、SOUNDWITCHへのリスペクトも垣間見られますね。
この曲が店頭で流れていたのを聴いて購入。 一過性の「クサさ」に留まらない、洗練された「流れの良さ」を持つ歌メロ、それを歌うJanne Da Arc的な見栄の切り方の、伸びのあるヴォーカルに惹かれました。一聴でV系好き、ジャパメタ好きを惹きつける力のある1曲目。「Ambivalence」でも使われているBメロ部には、SOUNDWITCHへのリスペクトも垣間見られますね。
ヴォーカルの太っちょなルックスになんか愛らしさを覚えたりしてたんですが、音は愛らしさの欠片もない、殺伐極まりないファストブラックですね。荒涼感のある爆走にインパクトのある叙情メロを絡めて行く手法は、Legion在籍時のMARDUKにかなり近いスタイル。「Slay the Nazarene」を連呼する曲があったり、「Into the Fathomless Depths」というインストがあったり、スウェディッシュブラックへのリスペクトは並々ならぬものがありそう。
…と、無難なレビューを書いて終わらそうと思ったんですけど…もう一つ言わせてもらえれば、2曲目「…where his ravens fly…」がクサ名曲過ぎてヤバい!やったら耳に残るヴァイキング的なクサメロを、朴訥なクリーン声で何度も繰り返して歌う曲で、中毒性が半端なく高いです。アルバム全体を見ても、ブラックの苛烈さとヴァイキングの泣きメロが融合した3曲目、インストながら彼らの神話的情景が聴いてすぐ浮かぶような描写力が光る4曲目、濃厚なドラマ性を持つ6曲目など、どの曲もキャラが立っててクオリティの高いアルバムなんですが…やはりこの2曲目は頭一つ抜けて名曲だと思う。
まずヴォーカル…単に絶叫するだけでなく、呻いたりして精神のタガが外れたようなパフォーマンスも壮絶ですが、それにリバーブが掛かりまくるので最早訳の分からないことに。音質もノイジーさがあるだけでなく、エフェクト的な音も混ぜて更にぶっ壊れた感覚をブーストさせてますね。個人的には、KATHARSISの「VVorld VVithout End」やLEVIATHANの「Massive Conspiracy Against All Life」辺りのアルバムを想起させるようなカルト性を感じます。
メランコリックな泣きメロやアコースティックギターをフィーチャーし、叙情的な、ある意味で親しみやすい一面を見せたかと思えば、幽玄で不気味なキーボードを配したり、ブラックの得体の知れない邪悪なメロディを垂れ流し、人を寄せ付けない雰囲気を醸し出したり、まるで様々な表情を人知を超えた所で見せる自然を思わせる作風は、情景的にもスタイル的にもWOLVES IN THE THRONEROOM辺りと共通するものがありそう。
2011年発表の1st。 DAEKTHRONEの「Skold av Satans Sol」のカヴァーも収録。
ZERO DIMENSION発のDARKTHRONEタイプ国産プリミティブブラックとして、ブラック好きの間で結構話題になっている作品ですが、確かに2ビートのミニマルな疾走と邪悪さが滲み出すようなトレモロを軸に展開する曲構成といい、音割れのノイズが全体を覆っているようなガビガビした意図的な劣悪音質といい、喉が千切れんばかりに叫ぶヴォーカルといい、確実にDARKTHRONEから影響を受けている音ですが、単なるフォロワーでない、プラスαな魅力がありますね。
91年の「The Introduction」と92年の「Water of Sin」に、ボーナストラックとして91年に行われたライブを3曲収録、79分近くとCDの収録時間ギリギリまで詰め込んだ音源集で、初期ノルウェー産ブラックのレア音源を多数リリースするKyrck Productionsからのリリース。ちなみに1000枚限定です。
ただ、ブックレットに彼らがシーンの深い部分に完全には受け入れられていなかった理由として、彼らは決して「Pure Black Metal」を演奏してはいなかった…と書かれている通り、スタイル的にはデスメタルの要素が強い作風なんですよね。低予算で作られた如何にもデモな音質や高音でのやけくそな絶叫はプリミティブ系に通じはしますが、曲自体はリフのドロドロした感触といいブラックの寒々しさよりデス的なおどろおどろしさが強い感じ。
…例えばCRADLE OF FILTHなんかは、シンフォ要素が混じりやすいようにバンドサウンドの方も整えている感じなんですが、このバンドの作風はもっと繋げ方がダイレクトというか、無理やりというか…。美と醜の融合というよりは、基本的におぞましい醜の要素がベースで、そこに美が点在している感じでしょうか。このバランス感覚が結構面白いんですよね。音としてのクオリティも高いですし。
SFC時代にスクウェアが残した超名作「ファイナルファンタジー4」をリメイクし、そのアフターストーリーであり、携帯アプリやWiiウェアで展開された「FF4 The After 月の帰還」を追加した上、その二つを繋ぐ「インタールード」を加え2011年にPSPでリリースされた作品集。現在PSストアで2000円ちょっとで買えるのと、VITAで64Gのメモリーカードを購入し、容量に余裕が出来た事もあり買ったんですが…これ、ホント素晴らしいですよ。