1stの「BLACK HORIZONS」のサビ部分並にテンションが上がる勇壮なリフが凄くカッコイイ曲。3回登場するサビの「THORNS OF CRIMSON DEATH」というフレーズの歌い方が毎回違いますが、私的にはライブ盤の一回目の「DEATH,DEATH,DEATH!!!」と3回叫ぶパターンが一番好き。
買おうかどうか迷っていたんですが、試聴したところブラックメタルパートの余りのかっこよさに即購入決定でした。作風自体は相変わらずセオリー無視のアヴァンギャルド・ブラックですが、ストレートにブラックメタルしている部分は過去の名曲「Traces of Reality」を髣髴とさせる、即効性も非常に強いかっこよさがあると思います。
ただ一つ解せないのが、DODKVLT特有の美しいメロディが華々しく炸裂し、ヴォーカルがリアルな感情を吐露する、14分を超える大作でアルバム中でもかなり作りこまれた楽曲である「Buried Beneath the Rust」が、何故かボーナス扱いなことですね。これ、彼のメロディセンスの高さを証明するような曲だと思うし、普通に本編扱いで良かった気が。
DARK FUNERAL本隊とは明らかに差別化された音ですね。 刻みを多用する、メタリックな質感の強いリフを、ミディアムパートを中心に据えたリズムに乗せて進行する、重厚感のある音で、ブラックよりもメロデスに近い感じの作風。アトモスフェリックなキーボード、リフによる不穏さの演出、女性Voも一部取り入れたシアトリカルな部分等、ゴシックに通じる暗黒テイストも取り入れられているのも特徴ですね。
DARK FUNERALの苛烈な世界観を期待すると肩透かしかもしれませんが、メタリックな音作りの中での暗黒美の演出はそれなりに凝ったもので、個人的には悪くないです。(DARK FUNERALで)SLAYERのカヴァーでも敢えて遅い曲を演ってたくらいですし、こういう邪悪さの演出もきっと好きなんでしょうね。
I SHALT BECOME辺りに似た路線ながら、精神に与えるダメージはこちらの方が上。ヴォーカルに感情移入しすぎると本気で気分悪くなりそうです(笑)。流石、ARKHA SVAを初めSATANIC WARMASTER、MUTIILATION等カルトな連中とスプリット出してるだけの事はありますね。しかし、アルバムタイトルの「Existance」は誤植でしょうか…。