B!誌の高評価に従って(笑)買った初めてのKAMELOT体験であり、始めてのロイ・S・カーンの歌声を体験したアルバム。 「これが売れなければ日本のメタル・シーンも終わり」だそうです。まぁ、それはどんな作品を対象にしても「言い過ぎ!」と言われかねない表現ですが、そう言いたくなる気持ちもわかる!! 程好くシンフォニックでメロディも絶品で哀愁もしっかりと刻み込まれているサウンドは俺好み! どの曲も捨て曲だなんて思うことは皆無で、超名曲「Forever」「Don't You Cry」「The Light I Shine on You」をはじめとして素晴らしい楽曲が並ぶ。個人的には9,Across the Highlandsが若干弱く感じられたけど、それも他の楽曲群が凄まじいまでの出来だから。普通に聴けば十分良い曲でしょう。 「Elizabeth」3部作の流れも素晴らしくゾクゾクさせられる。この3曲でのロイの演技(歌唱)は本当に見事で、語り部として最上級の仕事をしている。 日本盤ボーナスが陽のメロディを持った曲で、これがまた良い曲なんだ。 俺にとってKAMELOTベスト・ソングは今のところ次作収録の「Center Of The Universe」だけど、アルバム全体の曲の出来は本作も全く引けをとっていない。むしろ若干こっちの方が好きかも知れない。 やっぱ特筆すべきはロイの歌唱で、その色気、艶、湿り気、哀愁を伴った声は非常に魅力的で、感情の波もしっかりと読み込める。本当に素晴らしいシンガーだ。また一人、「この人が歌ってるから」という理由でCDを買えるシンガーが増えた。 それに、素晴らしい楽曲を作る作曲能力、そして素晴らしいアンサンブルと力強さもある演奏力を持つバンド全体の実力も、このバンドを他の凡百バンドとの違いが表れてる点だと思う。 本当に素晴らしいバンドに出会えた。本当に嬉しい!! で、本作は間違いなくお薦めできます!名盤!!傑作!!必聴盤!!超名盤!! この手の音楽ファンならとにかく聴いて欲しいし、ヘヴィ・メタルをまともに聴いたこともないのにも関わらず「ヘビメタ?やだよ」なんて言っちゃう人達に「これってメタルなんだよ。良くね?良いべ!!」って言ってやりたい、素晴らしい音楽だと思う。 良いアルバムに出会う度に「メタル聴いてて良かった!」って思うけど、その中でもこれはかなり上位のアルバム! まだまだKAMELOTに対する評価は足りないぞ!!
前作を聴き、一発で聴き惚れ、後追いで聴いたので1ヶ月程ですぐに発売された本作を即購入。いざ聴いてみると…。 いやぁ、なんとも素晴らしい!!「CENTER OF THE UNIVERSE」からしてもう最高!!その余りにも美しいメロディ、濃すぎないシンフォニック加減、そしてそのメロディを見事な歌唱でなぞるロイ・カーンの美しいヴォーカル、加えて無垢な声の女性ヴォーカルも素晴らしく身体が振るえ涙腺がゆるゆる。個人的には「EAGLE FLY FREE」を聴いたときの感動が再びやって来た、という感じで、その感動たるや本当に素晴らしい体験だった。 続く「FAREWELL」は1分ほどネット上で試聴したときから身震いを覚えるほど気になってた曲で、かなりアグレッシヴでありながらこれまた悲哀に満ちたメロディが胸を打ち、またまた俺の涙腺はボロボロに…。 とにかくこの2曲が入ってるだけでも「このアルバムを聴け!」「このCDを買え!」なわけだけど、やはりKAMELOT、そうは問屋が卸さないと言わんばかりに以降も素晴らしい楽曲が並ぶ。 前作の「THE SPELL」と曲のイメージも配置も一致する「THE EDGE OF PARADISE」、またまたまた涙腺破壊光線を放出するバラード「WANDER」、RHAPSODYのルカ・トゥリッリがギターソロでゲスト参加する「DESCENT OF THE ARCHANGEL」、サビの陽のメロディが堪らない「A FEAST FOR THE VAIN」、寒い寒い雰囲気を醸し出していてロイの歌唱が絶品のバラード「ON THE COLDEST WINTER NIGHT」、独特なメロディがクセになる「LOST & DAMNED」、「CENTER OF THE UNIVERSE」にも登場した女性ヴォーカリストが単独で歌いその無垢な歌声を堪能できる「HELENA'S THEME」、アルバムがクライマックスを迎えようとしていることがハッキリとわかる曲調の「THE MOURNING AFTER (Carry On)」、アルバムの終焉を伝えると同時に非常に良いメロディも聴ける「Ⅲ WAYS TO EPICA」、とどの曲も魅力に溢れ、前作に全く引けをとらない楽曲群には感嘆させられる。 弱点はといえば、アルバム中で最上の曲が「CENTER OF THE UNIVERSE」「FAREWELL」と頭の2曲であり、その後が若干弱く感じられてしまうことだろうか。(あくまで比べるとの話だけど。特に「CENTER OF THE UNIVERSE」は俺が今まで聴いてきた音楽、ジャンルを問わずにベスト3に入るのではないか、と言えるほど好きな曲なので、それはちょっと分が悪いというものだ。)「WANDER」なんかは前作の名バラード「DON'T YOU CRY」にも負けないほどの素晴らしい出来だが。 本作は前作ほどボーナス曲が良くはなかったが、それでも"単なるオマケ"ではないので聴けただけ有り難い。…でも、コンセプト作なんだから別になくても良かったとは思う、と言いたいが確か歌詞に関連性があったとバンド側が言っていた気がするのでこれはこれで"あり"でしょう。 上で言った2点(頭の曲が強すぎることとボーナス曲について)があるので多少前作の方が好印象かもしれないが、それでも本当に本当に大好きな曲が収録されているし、ましてこのアルバムも非常に素晴らしいのでお薦め!! ロイの歌唱は前作よりもさらに表現力が増している。その事実が凄い!!
あれ?誰もいない…。 俺はこのメロディ、結構ツボなんだけどなぁ。 俺はメイデンの真骨頂は「FEAR OF THE DARK」とか「HALLOWED BE THY NAME」みたいな曲だと思うけど、「ACES HIGH」がこんなに人気あるのに、これには誰も入れてないのなんでだろう?まぁ、「ACES HIGH」の方が好きだけどね、俺も。 いや、別に「ACES HIGH」と似てるわけじゃないけど、どっちもシンプルな疾走曲ってことで、ね。
元HELLOWEEN(今更この形容は酷か…?)のマイケル・キスクの1stソロ作。 彼がHELLOWEEN在籍時の最後のアルバム『CHAMELEON』を聴いていれば多少は共通する部分も見つけられるかも知れない、というような作風です。当たり前のことですが、彼が"歌いたい曲"が大部分を占めています。声域もハイトーンばかりでなく、ロートーンもしっかり多用し、ヴォーカリストとしての実力を発揮しています。 全体的にはロック的なアグレッシヴさはあまりなく、落ち着いた雰囲気の曲が多い。そしてそれらの出来は……5150さんの仰るとおり出来の差はなかなかどうして結構あります。(苦笑) まぁ、バラード・タイプの曲で元HELLOWEENのドラマー、故インゴ・シュヴィヒテンバーグに捧げた⑦ALWAYSやこれまたバラード・タイプながら10分と長い⑪DO I REMEMBER A LIFE?は素晴らしい曲で、ソングライターであるマイケル・キスク、そしてシンガーであるマイケル・キスクの魅力が堪能できます。(『DO I REMEMBER A LIFE?』の中の「I reached for the sky full of love」という歌詞の箇所での彼の歌唱が、暖かく、優しく、そしてどこか哀しみを感じさせるような、ちょっと矛盾した感想ですが、とにかく素晴らしい歌唱を聴かせてくれます)涙を誘う名曲達です。 ①BE TURE TO YOURSELF(自分へのメッセージ?このタイトルからもアルバムが"自分に正直な音楽"であると想像出来る)③SOMEBODY SOMEWHEREの2曲も先述の通り落ち付いた雰囲気で彼の魅力を堪能できる佳曲。 そして②THE CALLINGはパワーメタル的な疾走感はないけど、それでも正統的メタルの心地よい疾走感を具えた名曲で、彼のハイトーン・ヴォーカルもしっかり堪能できる。加えて⑤NEW HORIZONSは陽の空気を放つ『THE CALLING』に対してこちらは陰の空気を放つ(と言ってもそんなに暗い曲ではないけど…)"その手"の曲で、これら2曲に多くの"ファン"は喜ばずにはいられないでしょう!どちらもアルバムから浮くことのない程度にメタルしてます。 こういうメタルな曲はキスクはやりたがらないんじゃ…、などと思いつつも、やっぱりファンとしては嬉しい。「過去を振り払いたいんだったら自身のアルバムでこういう曲をやらなければ良いのに」と思う人もいるかも知れないけど、俺はそんな"意地悪"なことは言わない。素直に「カッコいい!」と言わせてもらいたい。 まぁ、各曲で出来にバラつきが多少あるけど、なかなかの充実度ではある。(B!誌のクロス・レビューで皆さんかなりの高評価でちょっと驚きましたけど) どうしても"HELLOWEENのマイケル・キスク"に拘る人は聴く必要はないと思うけど、マイケル・キスクというシンガー、またはソングライターが好きな人なら聴く価値は充分にあるでしょう。例えどんな人であっても疾走系2曲や先述のバラード・タイプ2曲は聴いてもらいたい名曲ですんで、是非。特にバラードの方は本当に素晴らしいですよ。 蛇足だし、有名な話ですが(秘密でもなんでもないし)、カイ・ハンセンやエイドリアン・スミスのゲスト参加も嬉しいと言うか"頼もしい"と言うか、とにかくメタル者には魅力的なゲストです。
超人気曲「MIRROR MIRROR」を収録し、コンセプト・アルバムとなっている6th。 失礼ながらコンセプトは個人的には二の次、肝心なのは結局音楽的に魅力があるか否か。その点、このアルバムは素晴らしい充実度である。 さきにも言った名曲「MIRROR MIRROR」をはじめ「INTO THE STORM」「NIGHTFALL」「TIME STANDS STILL(AT THE IRON HILL)」「WHEN SORROW SANG」など、収録曲の総てが素晴らしい出来栄えだ。個人的にはまだまだ評価の低い「WHEN SORROW SANG」を推したい。 前作「 IMAGINATION FROM THE OTHERSIDE」をさらにさらに押し進めたような非常に凝ったアレンジの楽曲群はまさに圧巻。故に初期ほど解り易い音楽性ではなくなったかもしれないが、この緻密なサウンドとメロディの良さは解り易さよりも圧倒的に意味を持つ。 アルバム全体の流れは個人的に最高傑作と位置づけている4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」の方が上だが、それでもこの作品が素晴らしいアルバムであることには変わりない。
HELLOWEENにまだマイケル・キスクもカイ・ハンセンもいた時代のライヴ盤。とは言ってもカイはこのライヴ収録時には既に脱退表明をしていたらしいけど…。(とライナーには書いてある) 全部で7曲と言うのは余りにも少ないし、7曲総てが"俺の聴きたい曲"であってもまだ足りないくらい聴きたい曲が多いのに肝心の選曲がイマイチ。余りにも"ファニーなHELLOWEEN"っていう感じの曲が多いなぁ。1曲目が『A LITTLE TIME』っていうのもなぁ…。せめて『EAGLE FLY FREE』くらいは収録して欲しかった…。 でもまぁ、超名曲『HOW MANY TEARS』がキスクの歌で収録されてるだけでも充分過ぎるほど価値あるってもんですけどね!個人的にこのアルバムでのキスクの歌唱では『HOW MANY TEARS』の哀しさは完全に表現されてないように思うんですが(なんか、若干"ファニー"な感じがするんですよ、俺には)、それでもここまで圧倒的な上手さのシンガーが歌うこの超名曲は圧巻の一言! サウンド的にはギターの音が小さい気がしますが、その分マーカスのベースが良く聴こえるのでそれはそれでなかなか楽しめます。(笑) ライヴならではのアレンジ・煽りもあってそういった面を楽しむこともできます。 選曲の他にもうひとつ残念なのが、"ライヴならでは"の勢いが余り感じられないことですね。折角若い頃の音源なのに、オリジナルと同じが、時にはそれよりも遅いテンポでヤラれると若干萎える。(笑) それでも、先程から言うようにキスクの歌う『HOW MANY TEARS』は圧巻だし、『WE GOT THE RIGHT』での歌唱も素晴らしいので、ファンの方は聴いても損はしないでしょう。『HOW MANY TEARS』を聴くために買って損はありません!