ポップな曲が何曲か入っていたからと言って、その存在を全否定してしまうのは、キャンディーの詰め合わせの中に自分の嫌いな「ストロベリー味」が入っていたからと言って、箱ごと捨ててしまうようなものだ。 おいおい、もったいないって。 「DEAD OR ALIVE」のかっこよさったら、再結成DPの全曲の中でも特筆できるほどのものだし、奥深いメロディーと構成の不思議ナンバー「STRANGEWAYS」だって、非常に味わい深い。さらに他にも、聴いていて飽きない秀曲がいっぱいある。 「方向性が定まっていない」と言う評価は、「バラエティー豊か」と言い換えることも出来て、しかもこのバンドには、いかなる曲を演奏しても、決して他の誰かと聞き違えることのない強烈な個性があるではないか。 なのにどうして、このアルバムの場合、批判的なほうの言い方がなされてしまうのか 要するに、「こうあってほしい」という方向性を、聴き手側が具体的に持っていて、それを裏切られると、そういう物言いになってしまってるのではなかろうか。 このとき、DPにファンが求めた「具体的な方向性」とは・・・ すくなくとも、「CALL OF THE WILD」ではなかったと言う事なのだなあ。