産業ロック=「野心的かつ確信的なそれ」が示す結果、確かにそれ自体は多くの人に受け入れられるが、いわゆる音楽趣向を好む音楽マニア的な人には兎角嫌われるカテゴリーとされる。そして、その筆頭としてこのグループが挙げられる事が顕著です。 しかしながら、この「ASIA」を聴けば、そんな意固地な考えは脱却せざるを得ないです。 大ヒットした①「Heat of the moment」では、正に宣伝文句である4分プログレの筆頭であり、人生の酸いも甘いも知り尽くしたかの如くの歌詞、それに反するキャッチーなメロ、和琴を使用する奇抜さ、など、アルバムタイトルに「詠時感(日本向け)」と名付けられるのもうなづけます。 ②「Only the time will tell」(←タイトル最高)、これもイントロからキャッチーさ炸裂、ABと徐々に盛り上がりを見せ、サビに差し掛かる際のギターのカッコよさ、など、聴き所の枚挙に暇がないです。 その他の曲も、③のサビ後からの展開カッコ良さ、④は口ずさみたくなるサビが印象的・・・など、それぞれの曲全て聴き所が多く、捨て曲は無いと言って過言じゃないと思います。 兎に角死角が見つからないこのアルバム、もし「産業ロック」をこれから聴く人には、真っ先に買って損は無いと断言します。(勿論、これ以降リリースの2nd、3rdもお勧めです。2ndに関しては、哀愁よろしくな曲ばかりですので、哀愁マニアに方には1st以上に強く勧めます。)